JP4585697B2 - 露光装置及び光源の位置調整方法 - Google Patents

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光用光源から発せられた光を用いてパターンの描かれたマスク等の原版を照明し、パターンを感光剤の塗布された基板に転写露光する露光装置及びその光源位置調整方法に関し、特に半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)または薄膜磁気ヘッド等を製造する為のリソグラフィ工程中で使用される露光装置及びその光源位置調整方法等に適している。
【0002】
【従来の技術】
高圧水銀ランプ等の、発散光源からの光を集光ミラーにより集光し、パターンの描かれたマスクを均一に照明し、投影光学系を用いてパターンを感光剤の塗布された基板上に投影露光する露光装置が、半導体素子等を製造する為のリソグラフィ工程において利用されている。高圧水銀ランプ等は、発光している内に、陰極陽極の損耗、バルブの黒化等によって発光強度が減少し、寿命に達すると、立ち消え、破裂、不点灯等が発生してしまう。したがって、高圧水銀ランプ等は、予め決められた寿命に到達すると交換が必要である。ランプの交換を行うと、ランプ自体の公差(陰極位置、陽極位置、極間隔、軸ずれ等)や、ランプを保持している燭台の位置再現性等により、ランプの発光部分(輝点)と露光装置の位置関係が変わってしまい、光学性能が変化してしまう。その為、ランプ交換を行った際にはランプの位置合せが必要となる。
【0003】
従来のランプの位置合せ方法としては、被照明面の照度が最大となるように調整する方法や、特許第2809081 号に係る明細書等にて提案されている、被照明面における照度均一性を高め、かつ平均照度が最も高くなるように光源位置を調整する方法、特開平10-135123 号公報にて提案されている、被照明面と瞳の関係にある位置の光強度分布から光源位置を調整する方法が知られている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
近年のリソグラフィ工程では、一つの露光装置で全ての工程を行うのではなく、複数の露光装置で露光を重ねて行うミックスアンドマッチ方式(Mix&Match 方式)が主流となっている。これは、工程によってパターンの微細度が異なる為に、微細なパターンに対しては最新鋭の露光装置によって露光を行い、粗いパターンに対しては、解像力は高くないが、スループットが高く、ランニングコストの低い装置で露光を行って、生産コストを下げる為である。このミックスアンドマッチで要求される光学性能を得るには、従来のランプ位置合せ方法では不十分であって、ミックスアンドマッチが良好に行えないという問題が発生している。以下において、ミックスアンドマッチをするために要求される光学性能について述べる。
【0005】
ミックスアンドマッチは、複数の露光装置で露光を行う為に、装置間での結像位置を合わせる必要がある。結像位置を合わせるには、装置間の倍率や収差等のバラツキを押さえる他に、テレセン度(光量重心を通る図3に示す光線CLと光軸との平行度)という要因がある。半導体素子等の製造において、工程が後の方になってくると、前の工程で形成された配線が重なって基板上に段差が生じる。このため、段差に基づいて像面からのずれ量が異なることにより、段差によって転写位置がずれてしまうことがある。例えば、図3に示すように段差のある基板に、光量重心を通る光線CLが基板の板面に対して垂直ではなく、斜めである光が入射している状況があったとする。このような状況で、図4(a)に示すような格子パターンを露光すると、像は光量重心に結像するので、基板上で感光した像は上から見ると、図4(b)に示すように段差部で格子間隔が延びてしまうことになる。つまり、基板に対して光量重心を通る光線CLが斜めに入射するような露光装置では、基板に段差があった場合に忠実なパターン転写が行えない。この為、図5に示すように光量重心を通る光線CLが基板の板面に対して垂直、すなわち光軸と平行となっていることが、良好なミックスアンドマッチを行う為には必要である。特に露光装置の光軸上の光量重心を通る光線CLと光軸との平行度を軸上テレセン度と呼んでいて、基板が1μmデフォーカスした時の像ずれの量で表現する。図3に示すように光量重心を通る光線CLが光軸となす角度が大きい場合には「軸上テレセン度が悪い」、図5に示すように光量重心を通る光線CLが光軸と平行になっている場合を「軸上テレセン度が良い」という。
【0006】
軸上テレセン度は、光学系が全て共軸系であれば発生しない量であるが、光学部品の傾き、光軸ずれ等の偏心、及びユニット間の光軸ずれなどによって発生する量であり、ランプの集光ミラーに対する光軸ずれ、ランプの公差内の傾き等の偏心によっても発生する量である。その為、燭台の位置再現性が低く、かつランプ毎にランプの公差内のバラツキの為に、ランプ交換時に軸上テレセン度が悪化する可能性がある。しかし、従来技術のようなランプ位置調整方法で調整した場合、悪化した軸上テレセン度を補正できず、ランプを交換する為に軸上テレセン度が変化し、良好なミックスアンドマッチが行えないという問題があった。
【0007】
本発明は、光源のランプ等を交換する時に、軸上のテレセン度が悪化せず、ランプ等を交換しても良好なミックスアンドマッチが行える露光装置及びその光源位置調整方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の側面としての露光装置は、光源からの光を用いて原版を照明し、投影光学系により前記原版のパターンの像を基板に投影する露光装置において、前記投影光学系の像面における前記投影光学系の光軸上、または、照明領域の中心、を照明する照明光の光量重心を通る光線と前記光軸とがなす角度を計測する第1の計測手段と、前記像面における照度を計測する第2の計測手段とを備え、前記光線と前記光軸とがなす角度の調整を、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて光軸に垂直な方向の前記光源の移動量を調整することにより行い、前記照度の調整を、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて光軸方向の前記光源の移動量を調整することにより行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の側面としての露光装置は、光源からの光を用いて原版を照明し、投影光学系により前記原版のパターンの像を基板に投影する露光装置において、前記投影光学系の像面における前記投影光学系の光軸上、または、照明領域の中心、を照明する照明光の光量重心を通る光線と前記光軸とがなす角度を計測する第1の計測手段と、前記投影光学系の瞳面の有効光源分布を計測する第2の計測手段とを備え、前記光線と前記光軸とがなす角度の調整を、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて光軸に垂直な方向の前記光源の移動量を調整することにより行い、前記有効光源分布の調整を、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて光軸方向の前記光源の移動量を調整することにより行うことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る露光装置またはその光源位置調整方法では、ランプの位置合せを、軸上テレセン度を計測して軸上テレセン度が良好になるように行うことにより、ランプを交換しても良好な軸上テレセン度で露光を行えるようにし、良好なミックスアンドマッチを行えるようにする。
【0015】
軸上テレセン度を見て、ランプの3軸の位置制御をしても良いが、光軸ずれのみを調整すれば軸上テレセン度を良くすることができるので、光軸に垂直な2軸のみを軸上テレセン度をみて調整して、光軸方向には、従来技術のように像面の照度が最大になるように、もしくは、投影光学系の瞳面の有効光源分布をみて調整しても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は本発明の実施形態に係る露光装置を示す構成図である。図1において、1は高圧水銀ランプなどの発散光源であり、発散された光束は、集光ミラー2によって集光される。3はシャッターであり、開閉により露光量を制御する。4は内面反射部材であって入射面で不均一な光源分布を射出面で均一にする働きがある。ただし、内面反射部材4の長さが有限の場合には完全に均一化することができず、ランプ1の光軸ずれや、内面反射部材4の傾きによる影響が射出面に現れる。5はコンデンサレンズであって内面反射部材4の射出面をフライアイレンズ6の入射面に略結像させている。フライアイレンズ6は波面分割をするインテグレータであり、その射出面に2次光源像を形成する。7はコンデンサレンズであり、フライアイレンズ6の射出面に多数形成された2次光源像を有効光源として用い、マスキングブレード8の面を重畳的に均一な照度で照明する。
【0021】
8はマスキングブレードであり、照明領域の大きさを制限する絞りである。9は結像レンズであり、マスキングブレード8の位置をレチクル面に投影することによりレチクル面が均一に照明される。10はパターンの描かれた原版としてのレチクルであり、投影光学系11によって該投影光学系の像面12に置かれた感光剤の塗布された基板上に投影される。13はステージであり、露光を行う際のステップと、照度むら、及び軸上テレセン度等の光学性能を測る際にセンサ14を所望の位置に移動させることができる。
【0022】
15は光路から露光量制御を行う為に光を分岐する為のハーフミラーであり、16は露光量制御を行う為に露光量を計測するセンサである。17はセンサ14,16の出力に従い制御や演算を行うコンピュータである。20は光源位置調整手段としてのランプステージであり前記光源を互いに垂直な3軸方向に移動させることができる。コンピュータ17からの命令に従ってランプ1を前記3軸方向のうち少なくとも2軸方向に移動させて位置調整する。
【0023】
図2は図1に示す実施形態に係る露光装置を用いて、軸上テレセン度(投影光学系の光軸上の光量重心を通る光線と光軸とのなす角度)の計測手段を示す構成図である。軸上テレセン度を計測するには、投影光学系11の像面12と共役な位置の軸上にピンホールをおき、像面12からデフォーカスした位置で光強度分布を測ることにより、像面12での角度分布を計測すればよい。
【0024】
図1に示す実施形態において軸上テレセン度を計測する方法は、マスキングブレード8を絞って、マスキングブレード8の面と共役な投影光学系11の像面12にピンホールを形成し、ステージ13を光軸方向に動かして、センサ14の位置を投影光学系11の像面12からデフォーカスして、投影光学系11の像面12からデフォーカスした場所での位置分布を計測する。位置分布の計測はセンサ14を計測面で移動させて計測しても良いし、平面センサにより一括で計測しても良い。センサ14で計測されたデータからコンピュータ17により光量重心計算し、軸上テレセン度を算出する。
【0025】
本発明の第1の実施形態に係るランプ位置調整方法について、そのフローチャートを図7に示し、以下において説明する。ランプ1が寿命に到達したり、もしくは何らかの理由でランプ1を交換した場合、ステップS1にて、図2に示した軸上テレセン度を計測する形態に露光装置を駆動し、軸上テレセン度を計測する。ステップS2では、計測された軸上テレセン度の値が規格値内にあるか否かコンピュータ17により判断する。この判断に基づいてステップS3では、コンピュータ17によりランプステージ20を制御して、軸上テレセン度が良好になるようにランプ1の位置を調整する。計測された軸上テレセン度の値が規格値内にあることが確認されたら、ランプ位置調整終了となる。なお、光源となるランプ1の位置の調整は、軸上テレセン度を計測して、軸上テレセン度を追込むようにランプ1の位置を調整しても良いし、ランプ1の交換時の位置再現性の範囲でランプ1の位置を振って軸上テレセン度を計測し、最も軸上テレセン度が良好であった位置にランプ1を調整しても良い。このように光源位置を調整することにより、光源交換を行っても良好な軸上テレセン度で露光を行うことができ、良好なミックスアンドマッチが行える。なお、投影レンズがカタディオ光学系や、オフナー光学系などのように、軸外領域を結像領域として持つような場合には、軸上テレセン度の代わりに、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と光軸とがなす角度を計測して光源位置を調整すればよい。その場合、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と光軸とがなす角度を計測するには、照明領域の中心にピンホールを配置して、デフォーカスした位置で位置分布を計測すればよい。
【0026】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、軸上テレセン度の発生理由が主に光軸に垂直な方向の偏心によるものであることを利用して、光軸に垂直な2方向で軸上テレセン度を追込み、光軸方向には照度最大になるように調整するものである。本実施形態に係るランプ位置調整方法のフローチャートを図8に示し、以下において、本実施形態を説明する。ランプを交換した際には、ステップS1にて第1の実施形態と同様に、即ち、第1の計測手段である前記軸上テレセン度の計測手段によって軸上テレセン度を計測し、ステップS2では、計測された軸上テレセン度の値が規格値内にあるか否かコンピュータ17により判断する。軸上テレセン度の値が規格値内にない場合、ステップS4にて、良好な軸上テレセン度になる位置に、光軸に垂直な2方向にランプステージ20を駆動してランプ位置調整をする。即ち、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて前記光源を前記光軸と垂直な2軸方向に移動させてランプ位置調整をする。次に、軸上テレセン度の値が規格値内にある場合、ステップS5にて、マスキングブレード8を開き、ステージ13を駆動して第2の計測手段であるセンサ14を投影光学系11の像面12に配置し、像面照度を計測する。ステップS6では、計測された像面照度の値が最大照度か否か判断し、その判断結果に基づいてコンピュータ17により最大像面照度になる位置に、光軸方向にランプステージ20を駆動してランプ位置制御(ステップS10)をする。即ち、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて前記光源を前記光軸方向に移動させてランプ位置制御をする。ランプ位置制御によって、計測された像面照度の値が最大照度であることが確認されると、ランプ位置調整終了となる。このように光源位置を調整することにより、光源交換を行っても良好な軸上テレセン度で露光を行うことができ、良好なミックスアンドマッチを行うことができ、かつ最大像面照度でスループットの高い露光が行える。なお、投影レンズがカタディオ光学系や、オフナー光学系などのように、軸外領域を結像領域として持つような場合には、軸上テレセン度の代わりに、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と光軸とがなす角度を計測して光源位置を調整すればよい。
【0027】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、軸上テレセン度の発生理由が主に光軸に垂直な方向の偏心によるものであることを利用して、光軸に垂直な2方向で軸上テレセン度を追込み、光軸方向には所望の有効光源になるよう調整するものである。本実施形態に係るランプ位置調整方法のフローチャートを図9に示し、以下において本実施形態を説明する。ランプ1を交換した際には、まず第1の実施形態と同様に、ステップS1にて、軸上テレセン度を計測し、ステップS2では、計測された軸上テレセン度の値が規格値内にあるか否かコンピュータ17により判断する。軸上テレセン度の値が規格値内にない場合、ステップS4にて、良好な軸上テレセン度になる位置に、光軸に垂直な2方向にランプステージ20を駆動してランプ位置調整をする。軸上テレセン度の値が規格値内にある場合、ステップS8で有効光源分布の計測を行う。第2の計測手段である有効光源分布の計測は、軸上テレセン度の計測と同様に、像面での角度分布を計ることにより計測できる。軸上テレセン度は光量分布の重心により求まるが、例えば、実効σが所望の値であれば、光量分布のモーメントを計算することにより求まる。本実施形態では、計測された像面での角度分布が所望の分布に合致しているか否か判断(ステップS9)し、コンピュータ17により所定の演算を行い、その演算結果が所望の値になるように、光軸方向にランプステージ20を駆動してランプ位置制御(ステップS10)をする。
【0028】
例えば、実効σが所望の値になるようにするには、角度分布からモーメントを計算し、モーメントが所望の値になるように光軸方向にランプステージを駆動する。演算結果が所望の値になり所望の分布を得たことが確認されたら、ランプ位置調整終了となる。
【0029】
本実施形態のように光源位置を調整することにより、光源交換を行っても良好な軸上テレセン度で露光を行うことができ、良好なミックスアンドマッチが行えて、かつ所望の有効光源分布にて露光が行えるので、安定した像性能が得られる。なお、有効光源分布の計測は、投影光学系の瞳面の光強度分布を計測することによって計測しても良い。なお、投影レンズがカタディオ光学系や、オフナー光学系などのように、軸外領域を結像領域として持つような場合には、軸上テレセン度の代わりに、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と光軸とがなす角度を計測して光源位置を調整すればよい。
【0030】
図6は図2で説明した像面での角度分布の計測方法と異なる計測方法を示す図である。図2に示した計測方法と異なるのは、ステージ13がデフォーカスするのではなく、投影光学系11の物体面からデフォーカスした位置にピンホールを形成し、投影光学系11の像面12の光強度分布を計測して角度分布を計測することである。投影光学系11の物体面からデフォーカスした位置のピンホールの共役面は投影光学系11の像面(基板の位置)からずれるため、基板上からデフォーカスした位置にピンホールが結像し、基板上の光強度の位置分布を計測すれば、ピンホールの位置の角度分布が計測できる。位置分布の計測はセンサ14を計測面で移動させて計測しても良いし、平面センサにより一括で計測しても良い。投影光学系の物体面からデフォーカスした位置にピンホールを形成する方法としては、ピンホールレチクルをレチクルステージに載せレチクルステージを光軸方向に駆動することによって形成しても良いし、レチクルステージをデフォーカスさせずに、ピンホールレチクルを裏返すことにより、パターン面を投影光学系の物体面からデフォーカスさせても良い。また、同様の効果を得る工具絞りを上記デフォーカスした位置に挿入できるように構成しても良い。
【0031】
なお、照明光学系の構成については、本発明に対して本質的ではなく、光源からの光を利用して露光を行う露光装置において、光源の位置調整を軸上テレセン度もしくは、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と光軸とがなす角度を見ながら行えば、それは本発明の技術的範囲内である。
【0032】
また、本発明に係る露光装置またはその光源位置調整方法は、上述の実施形態の説明において、自動で光源を位置調整する例を使用したが、自動でなく、手動でランプステージ20を駆動してもよいし、コンピュータ17による自動調整ではなくオペレータが測定結果に基づいてランプ1の位置を調整しても良い。
【0033】
(半導体生産システムの実施形態)
次に、本発明に係る露光装置またはその光源位置調整方法を用いた半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行うものである。
【0034】
図10は全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の事業所である。製造装置の実例としては、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム108、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム108は、LAN109を事業所の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0035】
一方、102〜104は、製造装置のユーザとしての半導体製造メーカの製造工場である。製造工場102〜104は、互いに異なるメーカに属する工場であっても良いし、同一のメーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場102〜104内には、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム107とが設けられている。各工場102〜104に設けられたホスト管理システム107は、各工場内のLAN111を工場の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN111からインターネット105を介してベンダ101側のホスト管理システム108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機能によって限られたユーザだけにアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット105を介して、各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダ側から受け取ることができる。各工場102〜104とベンダ101との間のデータ通信および各工場内のLAN111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダが提供するものに限らずユーザがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0036】
さて、図11は本実施形態の全体システムを図10とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザ(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお図11では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。
【0037】
一方、露光装置メーカ210、レジスト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230などベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能であり、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0038】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図12に一例を示す様な画面のユーザインタフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種401、シリアルナンバー402、トラブルの件名403、発生日404、緊急度405、症状406、対処法407、経過408等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザインタフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能410〜412を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。ここで、保守データベースが提供する保守情報には、上記説明した本発明に関する情報も含まれ、また前記ソフトウェアライブラリは本発明を実現するための最新のソフトウェアも提供する。
【0039】
次に上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図13は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0040】
図14は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能であり、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に従って光源の位置を調整すれば、光源の交換を行っても、軸上テレセン度が良好であり、良好なミックスアンドマッチが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る露光装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態において軸上テレセン度の計測方法を示す図である。
【図3】基板に段差がある場合に非テレセン光を入射させた場合の光線図である。
【図4】レチクルパターンと図3の状態での転写パターンを示す平面図である。
【図5】基板に段差がある場合にテレセン光を入射させた場合の光線図である。
【図6】本発明の実施形態において図2と異なる軸上テレセン度の計測方法を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態におけるフローチャートを示す。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるフローチャートを示す。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるフローチャートを示す。
【図10】本発明に係る露光装置またはその光源位置調整方法を用いた半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念図である。
【図11】本発明に係る露光装置またはその光源位置調整方法を用いた半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念図である。
【図12】ユーザインタフェースの具体例である。
【図13】デバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。
【図14】ウエハプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1:ランプ(光源)、3:シャッタ、6:フライアイレンズ、8:マスキングブレード、10:レチクル、11:投影光学系、12:像面、13:ステージ、14:センサ(第1の計測手段を構成する)、16:(第2の計測手段を構成する)、17:コンピュータ、20:ランプステージ、CL:照明光の光量重心を通る光線、101:ベンダの事業所、102,103,104:製造工場、105:インターネット、106:製造装置、107:工場のホスト管理システム、108:ベンダ側のホスト管理システム、109:ベンダ側のローカルエリアネットワーク(LAN)、110:操作端末コンピュータ、111:工場のローカルエリアネットワーク(LAN)、200:外部ネットワーク、201:製造装置ユーザの製造工場、202:露光装置、203:レジスト処理装置、204:成膜処理装置、205:工場のホスト管理システム、206:工場のローカルエリアネットワーク(LAN)、210:露光装置メーカ、211:露光装置メーカの事業所のホスト管理システム、220:レジスト処理装置メーカ、221:レジスト処理装置メーカの事業所のホスト管理システム、230:成膜装置メーカ、231:成膜装置メーカの事業所のホスト管理システム、401:製造装置の機種、402:シリアルナンバー、403:トラブルの件名、404:発生日、405:緊急度、406:症状、407:対処法、408:経過、410,411,412:ハイパーリンク機能。

Claims (6)

  1. 光源から光を用いて原版を照明し、投影光学系により前記原版のパターンの像を基板に投影する露光装置において、
    前記投影光学系の像面における前記投影光学系の光軸上、または、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と前記光軸とがなす角度を計測する第1の計測手段と、
    前記像面における照度を計測する第2の計測手段とを備え、
    前記光線と前記光軸とがなす角度の調整を、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて光軸に垂直な方向の前記光源の移動量を調整することにより行い、前記照度の調整を、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて光軸方向の前記光源の移動量を調整することにより行うことを特徴とする露光装置。
  2. 光源から光を用いて原版を照明し、投影光学系により前記原版のパターンの像を基板に投影する露光装置において、
    前記投影光学系の像面における前記投影光学系の光軸上、または、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と前記光軸とがなす角度を計測する第1の計測手段と、
    前記投影光学系の瞳面の有効光源分布を計測する第2の計測手段とを備え、
    前記光線と前記光軸とがなす角度の調整を、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて光軸に垂直な方向の前記光源の移動量を調整することにより行い、前記有効光源分布の調整を、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて光軸方向の前記光源の移動量を調整することにより行うことを特徴とする露光装置。
  3. 光源から光を用いて原版を照明し、投影光学系により前記原版のパターンの像を基板に投影するための前記光源の位置調整方法において、
    前記投影光学系の像面における前記投影光学系の光軸上、または、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と前記光軸とがなす角度を計測するステップと、
    前記像面における照度を計測するステップと、
    前記光線と前記光軸とがなす角度の調整を、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて光軸に垂直な方向の前記光源の移動量を調整することにより行い、前記照度の調整を、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて光軸方向の前記光源の移動量を調整することにより行うステップとを
    備えることを特徴とする光源の位置調整方法。
  4. 光源から光を用いて原版を照明し、投影光学系により前記原版のパターンの像を基板に投影するための前記光源の位置調整方法において、
    前記投影光学系の像面における前記投影光学系の光軸上、または、照明領域の中心を照明する照明光の光量重心を通る光線と前記光軸とがなす角度を計測するステップと、
    前記投影光学系の瞳面の有効光源分布を計測するステップと、
    前記光線と前記光軸とがなす角度の調整を、前記第1の計測手段の計測結果に基づいて光軸に垂直な方向の前記光源の移動量を調整することにより行い、前記有効光源分布の調整を、前記第2の計測手段の計測結果に基づいて光軸方向の前記光源の移動量を調整することにより行うステップとを
    備えることを特徴とする光源の位置調整方法。
  5. 前記光量重心を通る光線が前記光軸と平行になるように前記光源の位置を調整することを特徴とする請求項3又は4に記載の光源の位置調整方法。
  6. 請求項1又は2に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
    該露光された基板を現像するステップとを備えることを特徴とするデバイス製造方法。
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