JP2004079778A - 露光装置、露光システム、および露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することのできる露光システム。
【解決手段】第1マスク(R)上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明系(IL1)と、第1マスク上のパターン像を感光性基板(W)上に形成する第1投影光学系(PL1)とを備え、第1マスク上の第1パターン領域を感光性基板上の所定の区画領域に一括的に静止露光する第1露光装置と、第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明系(IL2)と、第2マスク上のパターン像を感光性基板上に形成する第2投影光学系とを備え、第2マスクおよび感光性基板を第2投影光学系に対して相対移動させつつ、第2マスク上のパターンを感光性基板上の所定の区画領域内に走査露光する第2露光装置とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】第1マスク(R)上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明系(IL1)と、第1マスク上のパターン像を感光性基板(W)上に形成する第1投影光学系(PL1)とを備え、第1マスク上の第1パターン領域を感光性基板上の所定の区画領域に一括的に静止露光する第1露光装置と、第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明系(IL2)と、第2マスク上のパターン像を感光性基板上に形成する第2投影光学系とを備え、第2マスクおよび感光性基板を第2投影光学系に対して相対移動させつつ、第2マスク上のパターンを感光性基板上の所定の区画領域内に走査露光する第2露光装置とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置、露光システム、および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マスク上のパターン領域の全体を照明し、マスク(またはレチクル)および感光性基板(ウェハなど)を投影光学系に対して静止させた状態でパターン領域内のパターン像を感光性基板上の所定の区画領域に一括露光する、静止一括露光型(ステップ・アンド・リピート方式)の露光装置が用いられている。
【0003】
また、マスク上のパターン領域の一部の領域を照明し、マスクおよび感光性基板を投影光学系に対して相対移動させつつマスク上のパターン領域内のパターンを感光性基板上の所定の区画領域内に走査露光する、走査露光型(ステップ・アンド・スキャン方式)の露光装置が用いられている。
【0004】
ところで、半導体素子は、ウェハ等の基板上に回路パターンを数十層重ね合せることによって形成されるが、各層(各レイヤ)におけるパターンの線幅は一様ではない。すなわち、最先端の投影露光装置、例えばKrFエキシマレーザを光源とする走査露光型の露光装置の解像限界と同程度の細い線幅の回路パターンが大部分を占めるクリティカルレイヤ、それに比べて線幅の大きい回路パターンからなるノンクリティカルレイヤ(ラフレイヤとも呼ばれる)、およびそれらの中間の線幅の回路パターンが大部分を占めるミドルレイヤなどが存在する。
【0005】
一般に、露光波長が短い程、解像力は高くなる。また、静止一括露光型の露光装置は、走査露光型の露光装置に比べてより大きな像高が求められるため、解像力が劣る傾向にあるものの、走査露光型の露光装置よりも高いスループットを達成することができる。従って、実際の半導体素子等の製造現場では、複数種類の露光装置をレイヤ毎に使い分けて、同一の電子デバイスを製造することが通常行われている。
【0006】
この複数種類の露光装置をレイヤ毎に使い分ける方法として、露光波長の短い(例えばKrFエキシマレーザ光を露光光とする)走査露光型の露光装置と、露光波長の長い(例えばi線を露光光とする)静止一括露光型の露光装置とを組み合わせるミックス・アンド・マッチが比較的多く行われている。なお、解像線幅は、λ/NA(λ:露光波長、NA:投影光学系の像側開口数)に比例する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、クリティカルレイヤの線幅が更に細くなり、ひいてはミドルレイヤの線幅も細くなり、要求される解像力が大きくなりつつある。具体的に、ミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような場合、i線を露光光とする静止一括露光型の露光装置では投影光学系に必要な像側開口数NAが0.93程度になるが、これは設計的にも製造的にも実現が非常に困難である。その結果、KrFエキシマレーザ光を露光光とする走査露光型の露光装置とi線を露光光とする静止一括露光型の露光装置とを組み合わせる従来のミックス・アンド・マッチでは十分な対応をすることができない。
【0008】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することのできる露光装置、露光システムおよび露光方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、第1マスク上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明系と、前記第1マスク上の前記第1パターン領域内のパターン像を感光性基板上に形成する第1投影光学系とを備え、前記第1マスク上の前記第1パターン領域を前記感光性基板上の所定の区画領域に一括的に静止露光する第1露光装置と、
第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明系と、前記第2マスク上の前記照明された一部の領域内のパターン像を前記感光性基板上に形成する第2投影光学系とを備え、前記第2マスクおよび前記感光性基板を前記第2投影光学系に対して相対移動させつつ、前記第2マスク上の前記第2パターン領域内のパターンを前記感光性基板上の前記所定の区画領域内に走査露光する第2露光装置とを備えていることを特徴とする露光システムを提供する。
【0010】
第1形態の好ましい態様によれば、前記第1投影光学系は、前記所定の区画領域にほぼ外接する円形状のイメージフィールドを有する。また、前記第1投影光学系と前記第2投影光学系とは互いに同じ投影倍率を有することが好ましい。さらに、前記所定の区画領域の長辺の長さをX1とし、前記所定の区画領域の短辺の長さをX2とし、前記第1投影光学系における最大像高をYpとし、前記第2投影光学系における最大像高をYkとするとき、X1<2×Yk,X12+X22<4×Yp2の条件を満足することが好ましい。
【0011】
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記第1露光装置は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光し、前記第2露光装置は前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm未満の線幅を有するパターンを投影露光する。
【0012】
本発明の第2形態では、第1形態の第1露光装置および第2露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイとを有し、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にしたマイクロデバイス製造工場を提供する。
【0013】
本発明の第3形態では、第1形態の第1露光装置および第2露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群をマイクロデバイス製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによってマイクロデバイスを製造する工程とを有することを特徴とするマイクロデバイス製造方法を提供する。この場合、前記製造装置群をローカルエリアネットワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネットワークと前記マイクロデバイス製造工場外の外部ネットワークとの間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とをさらに有することが好ましい。
【0014】
本発明の第4形態では、マイクロデバイス製造工場に設置された第1形態の露光システムの保守方法であって、前記露光システムのベンダーもしくはユーザーが、マイクロデバイス製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする露光システムの保守方法を提供する。
【0015】
本発明の第5形態では、マスク上の所定のパターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する照明系と、前記所定のパターン領域内のパターンの像を感光性基板上に形成する投影光学系とを備えた静止露光型の露光装置において、
前記投影光学系は、パターン領域の一部がArFエキシマレーザ光で照明された第2マスクおよび前記感光性基板を前記投影光学系とは異なる第2投影光学系に対して相対移動させることにより前記感光性基板上に形成される領域であって、且つ前記第2マスクのパターンが前記感光性基板上に走査露光される領域である所定の区画領域を包含するイメージフィールドを有することを特徴とする露光装置を提供する。
【0016】
第5形態の好ましい態様によれば、前記投影光学系は、前記所定の区画領域にほぼ外接する円形状のイメージフィールドを有する。また、前記露光装置は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光することが好ましい。
【0017】
本発明の第6形態では、第1マスク上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明工程と、
前記第1マスクおよび感光性基板を第1投影光学系に対して静止させた状態で、前記第1パターン領域内のパターン像を前記感光性基板上の所定の区画領域に一括露光する第1露光工程と、
第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明工程と、
前記第2マスクおよび前記感光性基板を前記第2投影光学系に対して相対移動させつつ、前記第2マスク上の前記第2パターン領域内のパターンを前記感光性基板上の前記所定の区画領域内に走査露光する第2露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
【0018】
第6形態の好ましい態様によれば、前記第1露光工程は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光し、前記第2露光工程は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm未満の線幅を有するパターンを投影露光する。また、前記所定の区画領域の長辺の長さをX1とし、前記所定の区画領域の短辺の長さをX2とし、前記第1投影光学系における最大像高をYpとし、前記第2投影光学系における最大像高をYkとするとき、X1<2×Yk,X12+X22<4×Yp2の条件を満足することが好ましい。
【0019】
また、第7形態にかかるマイクロデバイス製造工場は、第5形態にかかる露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイとを有し、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にしたことを特徴とする。
【0020】
また、第8形態にかかるマイクロデバイス製造方法は、第5形態にかかる露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群をマイクロデバイス製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによってマイクロデバイスを製造する工程とを有することを特徴とする。ここで、上記マイクロデバイス製造方法では、前記製造装置群をローカルエリアネットワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネットワークと前記マイクロデバイス製造工場外の外部ネットワークとの間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とをさらに有することが好ましい。
【0021】
また、第9形態にかかる露光装置の保守方法は、マイクロデバイス製造工場に設置された第5形態にかかる露光装置の保守方法であって、前記露光装置のベンダーもしくはユーザーが、マイクロデバイス製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光システムを構成する第1露光装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、本実施形態にかかる露光システムを構成する第2露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、図1および図2において、投影光学系の光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において図の紙面に平行にY軸を、光軸AXに垂直な面内において図の紙面に垂直にX軸を設定している。
【0023】
本実施形態の露光システムは、KrFエキシマレーザ光を露光光とする静止一括露光型の第1露光装置と、ArFエキシマレーザ光を露光光とする走査露光型の第2露光装置とを備えている。図1を参照すると、第1露光装置は、照明光を供給するための光源LS1として、248.4nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源を備えている。光源LS1から射出された光は、照明系IL1を介して、所定のパターンが形成された投影原版としてのレチクル(マスク)Rのパターン領域の全体を照明する。
【0024】
照明系IL1は、露光光の照度分布を均一化するためのフライアイレンズ、照明開口絞り、可変視野絞り(レチクルブラインド)、コンデンサレンズ系等から構成されている。レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0025】
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PL1を介して、フォトレジストの塗布されたウェハW(感光性基板)上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0026】
こうして、第1露光装置では、レチクルR上のパターン領域の全体を照明し、レチクルRおよびウェハWを投影光学系PL1に対して静止させた状態で、パターン領域内のパターン像をウェハW上の所定の区画領域(露光領域)に一括露光する。そして、投影光学系PL1の光軸AXと直交する平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら各露光領域に対してレチクルRのパターンを一括露光する動作を繰り返すことにより、ステップ・アンド・リピート方式にしたがってウェハWの各露光領域にはレチクルRのパターンが逐次露光される。
【0027】
図2を参照すると、第2露光装置は、照明光を供給するための光源LS2として、波長193.3nmの波長を有する光を供給するArFエキシマレーザ光源を備えている。光源LS2から射出された光は、照明系IL1と類似の構成を有する照明系IL2を介して、所定のパターンが形成されたレチクルRのパターン領域の一部を照明する。レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0028】
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PL2を介して、フォトレジストの塗布されたウェハW上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブルWTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0029】
こうして、第2露光装置では、レチクルR上のパターン領域の一部の領域を照明し、レチクルRおよびウェハWを投影光学系PL2に対してX方向(またはY方向)に沿って相対移動させつつ、レチクルR上のパターン領域内のパターンをウェハW上の所定の区画領域(露光領域)内に走査露光する。そして、投影光学系PL2の光軸AXと直交する平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら各露光領域に対してレチクルRのパターンを走査露光する動作を繰り返すことにより、ステップ・アンド・スキャン方式にしたがってウェハWの各露光領域にはレチクルRのパターンが逐次露光される。
【0030】
以下、具体的な数値例に基づいて、第1露光装置の投影光学系PL1にかかる第1実施例および第2露光装置の投影光学系PL2にかかる第2実施例を説明する。各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。後述の表(1)および(2)において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0031】
【数1】
z=(y2/r)/[1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2]+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10+・・・ (a)
【0032】
[第1実施例]
図3は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。図3を参照すると、第1実施例の投影光学系PL1は、レチクル側から順に、両凸レンズL1と、両凸レンズL2と、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と、両凹レンズL5と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL6と、両凸レンズL7と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL8と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL9と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL10と、両凹レンズL11と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL12と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL13と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL14と、開口絞りASと、両凸レンズL15と、両凸レンズL16と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17と、両凸レンズL18と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL19と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凹レンズL22と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とから構成されている。
【0033】
第1実施例において、投影光学系PL1を構成するすべてのレンズ成分は石英(SiO2)で形成されている。また、光源LS1から供給されるKrFエキシマレーザ光の中心波長は248.385nmであり、この中心波長に対する石英の屈折率は1.50839である。
【0034】
次の表(1)に、第1実施例にかかる投影光学系PL1の諸元の値を掲げる。表(1)の主要諸元において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、Y0は最大像高(イメージフィールド半径)をそれぞれ表している。また、表(1)の光学部材諸元において、面番号はレチクル側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、nは露光光の中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。上述の表記は、以降の表(2)においても同様である。
【0035】
【表1】
【0036】
図4は、第1実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。また、図5は、第1実施例における横収差を示す図である。各収差図において、NAは像側の開口数を、Yは像高(mm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。上述の表記は、以降の図7および図8においても同様である。各収差図から明らかなように、第1実施例では、NA=0.63という大きな開口数およびY0=21.1mmという大きな最大像高(ひいては大きなイメージフィールド)を確保しつつ、歪曲収差を含む諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0037】
[第2実施例]
図6は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。図6を参照すると、第2実施例の投影光学系PL2は、レチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた平凹レンズL1と、両凹レンズL2と、両凸レンズL3と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL4と、両凸レンズL5と、両凸レンズL6と、両凸レンズL7と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL10と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL12と、両凸レンズL13と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL14と、両凸レンズL15と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16と、開口絞りASと、両凹レンズL17と、両凸レンズL18と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL19と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、レチクル側に凸面を向けた平凸レンズL23とから構成されている。
【0038】
第2実施例において、投影光学系PL2を構成するレンズ成分は石英(SiO2)または蛍石(CaF2)で形成されている。具体的には、投影光学系PL2を構成する23個のレンズ成分のうち、4つのレンズL3,L8,L22およびL23は蛍石で形成され、その他の19個のレンズは石英で形成されている。また、光源LS2から供給されるArFエキシマレーザ光の中心波長は193.306であり、この中心波長に対する蛍石の屈折率は1.5014548であり、石英の屈折率は1.5603261である。そして、193.306nm+0.3pm=193.3063nmの波長に対する蛍石の屈折率は1.501454485であり、石英の屈折率は1.560325589である。一方、193.306nm−0.3pm=193.3057nmの波長に対する蛍石の屈折率は1.501455115であり、石英の屈折率は1.560362611である。
【0039】
次の表(2)に、第2実施例にかかる投影光学系PL2の諸元の値を掲げる。
【0040】
【表2】
【0041】
図7は、第2実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。また、図8は、第2実施例における横収差を示す図である。各収差図において、線C0は中心波長193.306nmを、線C+は193.306nm+0.3pm=193.3063nmの波長を、線C−は193.306nm−0.3pm=193.3057nmの波長をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第2実施例では、0.85という大きな開口数を確保しているにもかかわらず、波長幅が193.306nm±0.3pmの露光光に対して色収差および単色収差が良好に補正されていることがわかる。
【0042】
こうして、本実施形態の一括露光型の第1露光装置では、波長が248.4nmのKrFエキシマレーザ光に対して、0.63の像側NAを確保するとともに、ウェハW上において諸収差が十分に補正された半径が21.1mmのイメージサークルを確保することができる。したがって、たとえば26mm×33mmと十分に大きな矩形状の一括露光領域を確保した上で、たとえば0.15μm程度の解像力を達成することができる。すなわち、第1露光装置を用いて、たとえば26mm×33mmの矩形状の露光領域に、たとえば0.15μm以上の線幅を有するパターンを一括露光することができる。
【0043】
また、本実施形態の走査露光型の第2露光装置では、波長が193.3nmのArFエキシマレーザ光に対して、0.85の像側NAを確保するとともに、ウェハW上において半径が13.75mmのイメージサークル内に諸収差が十分に補正された領域として、たとえば26mm×8.8mmの矩形状の実効露光領域(静止露光領域)を確保することができる。したがって、たとえば26mm×33mmと十分に大きな矩形状の走査露光領域を確保した上で、たとえば0.15μm未満の高解像を達成することができる。すなわち、第2露光装置を用いて、たとえば26mm×33mmの矩形状の露光領域に、たとえば0.15μm未満の線幅を有するパターンを走査露光することができる。
【0044】
したがって、本実施形態では、たとえば半導体素子の製造に際して、一括露光型の第1露光装置を用いて要求線幅が0.15μm以上のミドルレイヤおよびラフレイヤの回路パターンを高スループットで形成し、走査露光型の第2露光装置を用いて要求線幅が0.15μm未満のクリティカルレイヤの回路パターンを高解像で形成することができる。換言すれば、本実施形態の露光システムでは、たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、第1露光装置の投影光学系PL1が、26mm×33mmの矩形状の一括露光領域にほぼ外接する、半径が21.1mmの円形状のイメージフィールドを有するように構成されている。その結果、一括露光領域(ひいては走査露光領域)の所要サイズに対して投影光学系PL1のレンズ径が小さく抑えられ、投影光学系PL1の小型化が、ひいては第1露光装置の小型化が達成される。
【0046】
また、本実施形態では、第1露光装置の投影光学系PL1と第2露光装置の投影光学系PL2とが互いに同じ投影倍率(倍率−1/4)を有するように構成されている。その結果、双方のレチクルサイズが同じになるため、テスト用のレチクルを共用することができるなどの利点がある。
【0047】
なお、本実施形態では、所定の区画領域(一括露光領域および走査露光領域)のサイズが26mm×33mmに設定されているが、これに限定されることなく、たとえば25mm×33mmに設定することもできる。一般的には、所定の区画領域の長辺の長さをX1および短辺の長さをX2は、投影光学系PL1における最大像高をYp(本実施形態では21.1mm)とし、投影光学系PL2における最大像高をYk(本実施形態では13.75mm)とするとき、次の条件式(1)および(2)を満足する範囲で設定される。
X1<2×Yk (1)
X12+X22<4×Yp2 (2)
【0048】
次に、上記露光システム(第1露光装置および第2露光装置)を用いたマイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは、半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行うものである。
【0049】
図9は、全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、301は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダー(装置供給メーカー)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィー装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所301内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム308、複数の操作端末コンピュータ310、これらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)309を備える。ホスト管理システム308は、LAN309を事業所の外部ネットワークであるインターネット305に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0050】
一方、302〜304は、製造装置のユーザーとしての半導体製造メーカーの製造工場である。製造工場302〜304は、互いに異なるメーカーに属する工場であっても良いし、同一のメーカーに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場302〜304内には、それぞれ、上記実施形態の露光システム(第1露光装置および第2露光装置)を含む複数の製造装置306と、それらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)311と、各製造装置306の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム307とが設けられている。各工場302〜304に設けられたホスト管理システム307は、各工場内のLAN311を工場の外部ネットワークであるインターネット305に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN311からインターネット305を介してベンダー301側のホスト管理システム308にアクセスが可能となり、ホスト管理システム308のセキュリティ機能によって限られたユーザーだけがアクセスが許可となっている。
【0051】
具体的には、インターネット305を介して、各製造装置306の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダー側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダー側から受け取ることができる。各工場302〜304とベンダー301との間のデータ通信および各工場内のLAN311でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダーが提供するものに限らずユーザーがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザーの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0052】
さて、図10は、本実施形態の全体システムを図9とは別の角度から切り出して表現した概念図である。図9の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザー工場と、該製造装置のベンダーの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダーの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダーの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザー(半導体デバイス製造メーカー)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として上記実施形態の第1および第2露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお、図10では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。
【0053】
一方、露光装置メーカー210、レジスト処理装置メーカー220、成膜装置メーカー230などベンダー(装置供給メーカー)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザーの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダーの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダーからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0054】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインターフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図11に一例を示す様な画面のユーザーインターフェースをディスプレイ上に提供する。
【0055】
各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種(401)、シリアルナンバー(402)、トラブルの件名(403)、発生日(404)、緊急度(405)、症状(406)、対処法(407)、経過(408)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザーインターフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能(410〜412)を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダーが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。
【0056】
次に、上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図12のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
先ず、図12のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
【0058】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0059】
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図13のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図13において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0060】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0061】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、一括露光型の第1露光装置を用いて要求線幅が0.15μm以上のミドルレイヤおよびラフレイヤの回路パターンを高スループットで形成し、走査露光型の第2露光装置を用いて要求線幅が0.15μm未満のクリティカルレイヤの回路パターンを高解像で形成することができる。換言すれば、本発明の露光システムでは、たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる露光システムを構成する第1露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態にかかる露光システムを構成する第2露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図4】第1実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図5】第1実施例における横収差を示す図である。
【図6】第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図7】第2実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図8】第2実施例における横収差を示す図である。
【図9】本実施形態の全体システムをある角度から切り出して表現したものである。
【図10】本実施形態の全体システムを図9とは別の角度から切り出して表現した概念図である。
【図11】本実施形態の全体システムにおいてディスプレイ上に提供されるユーザーインターフェース画面の一例を示す図である。
【図12】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図13】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
LS1,LS2 光源
IL1,IL2 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL1,PL2 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
AS 開口絞り
Li レンズ成分
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置、露光システム、および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マスク上のパターン領域の全体を照明し、マスク(またはレチクル)および感光性基板(ウェハなど)を投影光学系に対して静止させた状態でパターン領域内のパターン像を感光性基板上の所定の区画領域に一括露光する、静止一括露光型(ステップ・アンド・リピート方式)の露光装置が用いられている。
【0003】
また、マスク上のパターン領域の一部の領域を照明し、マスクおよび感光性基板を投影光学系に対して相対移動させつつマスク上のパターン領域内のパターンを感光性基板上の所定の区画領域内に走査露光する、走査露光型(ステップ・アンド・スキャン方式)の露光装置が用いられている。
【0004】
ところで、半導体素子は、ウェハ等の基板上に回路パターンを数十層重ね合せることによって形成されるが、各層(各レイヤ)におけるパターンの線幅は一様ではない。すなわち、最先端の投影露光装置、例えばKrFエキシマレーザを光源とする走査露光型の露光装置の解像限界と同程度の細い線幅の回路パターンが大部分を占めるクリティカルレイヤ、それに比べて線幅の大きい回路パターンからなるノンクリティカルレイヤ(ラフレイヤとも呼ばれる)、およびそれらの中間の線幅の回路パターンが大部分を占めるミドルレイヤなどが存在する。
【0005】
一般に、露光波長が短い程、解像力は高くなる。また、静止一括露光型の露光装置は、走査露光型の露光装置に比べてより大きな像高が求められるため、解像力が劣る傾向にあるものの、走査露光型の露光装置よりも高いスループットを達成することができる。従って、実際の半導体素子等の製造現場では、複数種類の露光装置をレイヤ毎に使い分けて、同一の電子デバイスを製造することが通常行われている。
【0006】
この複数種類の露光装置をレイヤ毎に使い分ける方法として、露光波長の短い(例えばKrFエキシマレーザ光を露光光とする)走査露光型の露光装置と、露光波長の長い(例えばi線を露光光とする)静止一括露光型の露光装置とを組み合わせるミックス・アンド・マッチが比較的多く行われている。なお、解像線幅は、λ/NA(λ:露光波長、NA:投影光学系の像側開口数)に比例する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、クリティカルレイヤの線幅が更に細くなり、ひいてはミドルレイヤの線幅も細くなり、要求される解像力が大きくなりつつある。具体的に、ミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような場合、i線を露光光とする静止一括露光型の露光装置では投影光学系に必要な像側開口数NAが0.93程度になるが、これは設計的にも製造的にも実現が非常に困難である。その結果、KrFエキシマレーザ光を露光光とする走査露光型の露光装置とi線を露光光とする静止一括露光型の露光装置とを組み合わせる従来のミックス・アンド・マッチでは十分な対応をすることができない。
【0008】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することのできる露光装置、露光システムおよび露光方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、第1マスク上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明系と、前記第1マスク上の前記第1パターン領域内のパターン像を感光性基板上に形成する第1投影光学系とを備え、前記第1マスク上の前記第1パターン領域を前記感光性基板上の所定の区画領域に一括的に静止露光する第1露光装置と、
第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明系と、前記第2マスク上の前記照明された一部の領域内のパターン像を前記感光性基板上に形成する第2投影光学系とを備え、前記第2マスクおよび前記感光性基板を前記第2投影光学系に対して相対移動させつつ、前記第2マスク上の前記第2パターン領域内のパターンを前記感光性基板上の前記所定の区画領域内に走査露光する第2露光装置とを備えていることを特徴とする露光システムを提供する。
【0010】
第1形態の好ましい態様によれば、前記第1投影光学系は、前記所定の区画領域にほぼ外接する円形状のイメージフィールドを有する。また、前記第1投影光学系と前記第2投影光学系とは互いに同じ投影倍率を有することが好ましい。さらに、前記所定の区画領域の長辺の長さをX1とし、前記所定の区画領域の短辺の長さをX2とし、前記第1投影光学系における最大像高をYpとし、前記第2投影光学系における最大像高をYkとするとき、X1<2×Yk,X12+X22<4×Yp2の条件を満足することが好ましい。
【0011】
また、第1形態の好ましい態様によれば、前記第1露光装置は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光し、前記第2露光装置は前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm未満の線幅を有するパターンを投影露光する。
【0012】
本発明の第2形態では、第1形態の第1露光装置および第2露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイとを有し、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にしたマイクロデバイス製造工場を提供する。
【0013】
本発明の第3形態では、第1形態の第1露光装置および第2露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群をマイクロデバイス製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによってマイクロデバイスを製造する工程とを有することを特徴とするマイクロデバイス製造方法を提供する。この場合、前記製造装置群をローカルエリアネットワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネットワークと前記マイクロデバイス製造工場外の外部ネットワークとの間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とをさらに有することが好ましい。
【0014】
本発明の第4形態では、マイクロデバイス製造工場に設置された第1形態の露光システムの保守方法であって、前記露光システムのベンダーもしくはユーザーが、マイクロデバイス製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする露光システムの保守方法を提供する。
【0015】
本発明の第5形態では、マスク上の所定のパターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する照明系と、前記所定のパターン領域内のパターンの像を感光性基板上に形成する投影光学系とを備えた静止露光型の露光装置において、
前記投影光学系は、パターン領域の一部がArFエキシマレーザ光で照明された第2マスクおよび前記感光性基板を前記投影光学系とは異なる第2投影光学系に対して相対移動させることにより前記感光性基板上に形成される領域であって、且つ前記第2マスクのパターンが前記感光性基板上に走査露光される領域である所定の区画領域を包含するイメージフィールドを有することを特徴とする露光装置を提供する。
【0016】
第5形態の好ましい態様によれば、前記投影光学系は、前記所定の区画領域にほぼ外接する円形状のイメージフィールドを有する。また、前記露光装置は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光することが好ましい。
【0017】
本発明の第6形態では、第1マスク上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明工程と、
前記第1マスクおよび感光性基板を第1投影光学系に対して静止させた状態で、前記第1パターン領域内のパターン像を前記感光性基板上の所定の区画領域に一括露光する第1露光工程と、
第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明工程と、
前記第2マスクおよび前記感光性基板を前記第2投影光学系に対して相対移動させつつ、前記第2マスク上の前記第2パターン領域内のパターンを前記感光性基板上の前記所定の区画領域内に走査露光する第2露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
【0018】
第6形態の好ましい態様によれば、前記第1露光工程は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光し、前記第2露光工程は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm未満の線幅を有するパターンを投影露光する。また、前記所定の区画領域の長辺の長さをX1とし、前記所定の区画領域の短辺の長さをX2とし、前記第1投影光学系における最大像高をYpとし、前記第2投影光学系における最大像高をYkとするとき、X1<2×Yk,X12+X22<4×Yp2の条件を満足することが好ましい。
【0019】
また、第7形態にかかるマイクロデバイス製造工場は、第5形態にかかる露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイとを有し、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にしたことを特徴とする。
【0020】
また、第8形態にかかるマイクロデバイス製造方法は、第5形態にかかる露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群をマイクロデバイス製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによってマイクロデバイスを製造する工程とを有することを特徴とする。ここで、上記マイクロデバイス製造方法では、前記製造装置群をローカルエリアネットワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネットワークと前記マイクロデバイス製造工場外の外部ネットワークとの間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とをさらに有することが好ましい。
【0021】
また、第9形態にかかる露光装置の保守方法は、マイクロデバイス製造工場に設置された第5形態にかかる露光装置の保守方法であって、前記露光装置のベンダーもしくはユーザーが、マイクロデバイス製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光システムを構成する第1露光装置の構成を概略的に示す図である。また、図2は、本実施形態にかかる露光システムを構成する第2露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、図1および図2において、投影光学系の光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において図の紙面に平行にY軸を、光軸AXに垂直な面内において図の紙面に垂直にX軸を設定している。
【0023】
本実施形態の露光システムは、KrFエキシマレーザ光を露光光とする静止一括露光型の第1露光装置と、ArFエキシマレーザ光を露光光とする走査露光型の第2露光装置とを備えている。図1を参照すると、第1露光装置は、照明光を供給するための光源LS1として、248.4nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源を備えている。光源LS1から射出された光は、照明系IL1を介して、所定のパターンが形成された投影原版としてのレチクル(マスク)Rのパターン領域の全体を照明する。
【0024】
照明系IL1は、露光光の照度分布を均一化するためのフライアイレンズ、照明開口絞り、可変視野絞り(レチクルブラインド)、コンデンサレンズ系等から構成されている。レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0025】
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PL1を介して、フォトレジストの塗布されたウェハW(感光性基板)上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0026】
こうして、第1露光装置では、レチクルR上のパターン領域の全体を照明し、レチクルRおよびウェハWを投影光学系PL1に対して静止させた状態で、パターン領域内のパターン像をウェハW上の所定の区画領域(露光領域)に一括露光する。そして、投影光学系PL1の光軸AXと直交する平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら各露光領域に対してレチクルRのパターンを一括露光する動作を繰り返すことにより、ステップ・アンド・リピート方式にしたがってウェハWの各露光領域にはレチクルRのパターンが逐次露光される。
【0027】
図2を参照すると、第2露光装置は、照明光を供給するための光源LS2として、波長193.3nmの波長を有する光を供給するArFエキシマレーザ光源を備えている。光源LS2から射出された光は、照明系IL1と類似の構成を有する照明系IL2を介して、所定のパターンが形成されたレチクルRのパターン領域の一部を照明する。レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0028】
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PL2を介して、フォトレジストの塗布されたウェハW上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブルWTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0029】
こうして、第2露光装置では、レチクルR上のパターン領域の一部の領域を照明し、レチクルRおよびウェハWを投影光学系PL2に対してX方向(またはY方向)に沿って相対移動させつつ、レチクルR上のパターン領域内のパターンをウェハW上の所定の区画領域(露光領域)内に走査露光する。そして、投影光学系PL2の光軸AXと直交する平面内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら各露光領域に対してレチクルRのパターンを走査露光する動作を繰り返すことにより、ステップ・アンド・スキャン方式にしたがってウェハWの各露光領域にはレチクルRのパターンが逐次露光される。
【0030】
以下、具体的な数値例に基づいて、第1露光装置の投影光学系PL1にかかる第1実施例および第2露光装置の投影光学系PL2にかかる第2実施例を説明する。各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。後述の表(1)および(2)において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0031】
【数1】
z=(y2/r)/[1+{1−(1+κ)・y2/r2}1/2]+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10+・・・ (a)
【0032】
[第1実施例]
図3は、第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。図3を参照すると、第1実施例の投影光学系PL1は、レチクル側から順に、両凸レンズL1と、両凸レンズL2と、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と、両凹レンズL5と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL6と、両凸レンズL7と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL8と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL9と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL10と、両凹レンズL11と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL12と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL13と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL14と、開口絞りASと、両凸レンズL15と、両凸レンズL16と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL17と、両凸レンズL18と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL19と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凹レンズL22と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とから構成されている。
【0033】
第1実施例において、投影光学系PL1を構成するすべてのレンズ成分は石英(SiO2)で形成されている。また、光源LS1から供給されるKrFエキシマレーザ光の中心波長は248.385nmであり、この中心波長に対する石英の屈折率は1.50839である。
【0034】
次の表(1)に、第1実施例にかかる投影光学系PL1の諸元の値を掲げる。表(1)の主要諸元において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、Y0は最大像高(イメージフィールド半径)をそれぞれ表している。また、表(1)の光学部材諸元において、面番号はレチクル側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、nは露光光の中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。上述の表記は、以降の表(2)においても同様である。
【0035】
【表1】
【0036】
図4は、第1実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。また、図5は、第1実施例における横収差を示す図である。各収差図において、NAは像側の開口数を、Yは像高(mm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。上述の表記は、以降の図7および図8においても同様である。各収差図から明らかなように、第1実施例では、NA=0.63という大きな開口数およびY0=21.1mmという大きな最大像高(ひいては大きなイメージフィールド)を確保しつつ、歪曲収差を含む諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0037】
[第2実施例]
図6は、第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。図6を参照すると、第2実施例の投影光学系PL2は、レチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた平凹レンズL1と、両凹レンズL2と、両凸レンズL3と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL4と、両凸レンズL5と、両凸レンズL6と、両凸レンズL7と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL8と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL9と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL10と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL12と、両凸レンズL13と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL14と、両凸レンズL15と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16と、開口絞りASと、両凹レンズL17と、両凸レンズL18と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL19と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、レチクル側に凸面を向けた平凸レンズL23とから構成されている。
【0038】
第2実施例において、投影光学系PL2を構成するレンズ成分は石英(SiO2)または蛍石(CaF2)で形成されている。具体的には、投影光学系PL2を構成する23個のレンズ成分のうち、4つのレンズL3,L8,L22およびL23は蛍石で形成され、その他の19個のレンズは石英で形成されている。また、光源LS2から供給されるArFエキシマレーザ光の中心波長は193.306であり、この中心波長に対する蛍石の屈折率は1.5014548であり、石英の屈折率は1.5603261である。そして、193.306nm+0.3pm=193.3063nmの波長に対する蛍石の屈折率は1.501454485であり、石英の屈折率は1.560325589である。一方、193.306nm−0.3pm=193.3057nmの波長に対する蛍石の屈折率は1.501455115であり、石英の屈折率は1.560362611である。
【0039】
次の表(2)に、第2実施例にかかる投影光学系PL2の諸元の値を掲げる。
【0040】
【表2】
【0041】
図7は、第2実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。また、図8は、第2実施例における横収差を示す図である。各収差図において、線C0は中心波長193.306nmを、線C+は193.306nm+0.3pm=193.3063nmの波長を、線C−は193.306nm−0.3pm=193.3057nmの波長をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第2実施例では、0.85という大きな開口数を確保しているにもかかわらず、波長幅が193.306nm±0.3pmの露光光に対して色収差および単色収差が良好に補正されていることがわかる。
【0042】
こうして、本実施形態の一括露光型の第1露光装置では、波長が248.4nmのKrFエキシマレーザ光に対して、0.63の像側NAを確保するとともに、ウェハW上において諸収差が十分に補正された半径が21.1mmのイメージサークルを確保することができる。したがって、たとえば26mm×33mmと十分に大きな矩形状の一括露光領域を確保した上で、たとえば0.15μm程度の解像力を達成することができる。すなわち、第1露光装置を用いて、たとえば26mm×33mmの矩形状の露光領域に、たとえば0.15μm以上の線幅を有するパターンを一括露光することができる。
【0043】
また、本実施形態の走査露光型の第2露光装置では、波長が193.3nmのArFエキシマレーザ光に対して、0.85の像側NAを確保するとともに、ウェハW上において半径が13.75mmのイメージサークル内に諸収差が十分に補正された領域として、たとえば26mm×8.8mmの矩形状の実効露光領域(静止露光領域)を確保することができる。したがって、たとえば26mm×33mmと十分に大きな矩形状の走査露光領域を確保した上で、たとえば0.15μm未満の高解像を達成することができる。すなわち、第2露光装置を用いて、たとえば26mm×33mmの矩形状の露光領域に、たとえば0.15μm未満の線幅を有するパターンを走査露光することができる。
【0044】
したがって、本実施形態では、たとえば半導体素子の製造に際して、一括露光型の第1露光装置を用いて要求線幅が0.15μm以上のミドルレイヤおよびラフレイヤの回路パターンを高スループットで形成し、走査露光型の第2露光装置を用いて要求線幅が0.15μm未満のクリティカルレイヤの回路パターンを高解像で形成することができる。換言すれば、本実施形態の露光システムでは、たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、第1露光装置の投影光学系PL1が、26mm×33mmの矩形状の一括露光領域にほぼ外接する、半径が21.1mmの円形状のイメージフィールドを有するように構成されている。その結果、一括露光領域(ひいては走査露光領域)の所要サイズに対して投影光学系PL1のレンズ径が小さく抑えられ、投影光学系PL1の小型化が、ひいては第1露光装置の小型化が達成される。
【0046】
また、本実施形態では、第1露光装置の投影光学系PL1と第2露光装置の投影光学系PL2とが互いに同じ投影倍率(倍率−1/4)を有するように構成されている。その結果、双方のレチクルサイズが同じになるため、テスト用のレチクルを共用することができるなどの利点がある。
【0047】
なお、本実施形態では、所定の区画領域(一括露光領域および走査露光領域)のサイズが26mm×33mmに設定されているが、これに限定されることなく、たとえば25mm×33mmに設定することもできる。一般的には、所定の区画領域の長辺の長さをX1および短辺の長さをX2は、投影光学系PL1における最大像高をYp(本実施形態では21.1mm)とし、投影光学系PL2における最大像高をYk(本実施形態では13.75mm)とするとき、次の条件式(1)および(2)を満足する範囲で設定される。
X1<2×Yk (1)
X12+X22<4×Yp2 (2)
【0048】
次に、上記露光システム(第1露光装置および第2露光装置)を用いたマイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは、半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行うものである。
【0049】
図9は、全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、301は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダー(装置供給メーカー)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィー装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所301内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム308、複数の操作端末コンピュータ310、これらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)309を備える。ホスト管理システム308は、LAN309を事業所の外部ネットワークであるインターネット305に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0050】
一方、302〜304は、製造装置のユーザーとしての半導体製造メーカーの製造工場である。製造工場302〜304は、互いに異なるメーカーに属する工場であっても良いし、同一のメーカーに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場302〜304内には、それぞれ、上記実施形態の露光システム(第1露光装置および第2露光装置)を含む複数の製造装置306と、それらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)311と、各製造装置306の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム307とが設けられている。各工場302〜304に設けられたホスト管理システム307は、各工場内のLAN311を工場の外部ネットワークであるインターネット305に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN311からインターネット305を介してベンダー301側のホスト管理システム308にアクセスが可能となり、ホスト管理システム308のセキュリティ機能によって限られたユーザーだけがアクセスが許可となっている。
【0051】
具体的には、インターネット305を介して、各製造装置306の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダー側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダー側から受け取ることができる。各工場302〜304とベンダー301との間のデータ通信および各工場内のLAN311でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダーが提供するものに限らずユーザーがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザーの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0052】
さて、図10は、本実施形態の全体システムを図9とは別の角度から切り出して表現した概念図である。図9の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザー工場と、該製造装置のベンダーの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダーの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダーの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザー(半導体デバイス製造メーカー)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として上記実施形態の第1および第2露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお、図10では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。
【0053】
一方、露光装置メーカー210、レジスト処理装置メーカー220、成膜装置メーカー230などベンダー(装置供給メーカー)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザーの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダーの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダーからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0054】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインターフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図11に一例を示す様な画面のユーザーインターフェースをディスプレイ上に提供する。
【0055】
各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種(401)、シリアルナンバー(402)、トラブルの件名(403)、発生日(404)、緊急度(405)、症状(406)、対処法(407)、経過(408)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザーインターフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能(410〜412)を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダーが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。
【0056】
次に、上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図12のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
先ず、図12のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
【0058】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0059】
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図13のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図13において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0060】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0061】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、一括露光型の第1露光装置を用いて要求線幅が0.15μm以上のミドルレイヤおよびラフレイヤの回路パターンを高スループットで形成し、走査露光型の第2露光装置を用いて要求線幅が0.15μm未満のクリティカルレイヤの回路パターンを高解像で形成することができる。換言すれば、本発明の露光システムでは、たとえばミドルレイヤの要求線幅が0.15μmに達するような半導体素子を高スループットで製造するミックス・アンド・マッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる露光システムを構成する第1露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態にかかる露光システムを構成する第2露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図4】第1実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図5】第1実施例における横収差を示す図である。
【図6】第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図7】第2実施例における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。
【図8】第2実施例における横収差を示す図である。
【図9】本実施形態の全体システムをある角度から切り出して表現したものである。
【図10】本実施形態の全体システムを図9とは別の角度から切り出して表現した概念図である。
【図11】本実施形態の全体システムにおいてディスプレイ上に提供されるユーザーインターフェース画面の一例を示す図である。
【図12】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図13】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
LS1,LS2 光源
IL1,IL2 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL1,PL2 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
AS 開口絞り
Li レンズ成分
Claims (15)
- 第1マスク上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明系と、前記第1マスク上の前記第1パターン領域内のパターン像を感光性基板上に形成する第1投影光学系とを備え、前記第1マスク上の前記第1パターン領域を前記感光性基板上の所定の区画領域に一括的に静止露光する第1露光装置と、
第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明系と、前記第2マスク上の前記照明された一部の領域内のパターン像を前記感光性基板上に形成する第2投影光学系とを備え、前記第2マスクおよび前記感光性基板を前記第2投影光学系に対して相対移動させつつ、前記第2マスク上の前記第2パターン領域内のパターンを前記感光性基板上の前記所定の区画領域内に走査露光する第2露光装置とを備えていることを特徴とする露光システム。 - 前記第1投影光学系は、前記所定の区画領域にほぼ外接する円形状のイメージフィールドを有することを特徴とする請求項1に記載の露光システム。
- 前記第1投影光学系と前記第2投影光学系とは互いに同じ投影倍率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の露光システム。
- 前記所定の区画領域の長辺の長さをX1とし、前記所定の区画領域の短辺の長さをX2とし、前記第1投影光学系における最大像高をYpとし、前記第2投影光学系における最大像高をYkとするとき、
X1<2×Yk
X12+X22<4×Yp2
の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光システム。 - 前記第1露光装置は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光し、
前記第2露光装置は前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm未満の線幅を有するパターンを投影露光することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の露光システム。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載される第1露光装置および第2露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイとを有し、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にしたマイクロデバイス製造工場。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載される第1露光装置および第2露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群をマイクロデバイス製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによってマイクロデバイスを製造する工程とを有することを特徴とするマイクロデバイス製造方法。
- 前記製造装置群をローカルエリアネットワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネットワークと前記マイクロデバイス製造工場外の外部ネットワークとの間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とをさらに有することを特徴とする請求項7に記載のマイクロデバイス製造方法。
- マイクロデバイス製造工場に設置された請求項1乃至5のいずれか1項に記載の露光システムの保守方法であって、前記露光システムのベンダーもしくはユーザーが、マイクロデバイス製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする露光システムの保守方法。
- マスク上の所定のパターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する照明系と、前記所定のパターン領域内のパターンの像を感光性基板上に形成する投影光学系とを備えた静止露光型の露光装置において、
前記投影光学系は、パターン領域の一部がArFエキシマレーザ光で照明された第2マスクおよび前記感光性基板を前記投影光学系とは異なる第2投影光学系に対して相対移動させることにより前記感光性基板上に形成される領域であって、且つ前記第2マスクのパターンが前記感光性基板上に走査露光される領域である所定の区画領域を包含するイメージフィールドを有することを特徴とする露光装置。 - 前記投影光学系は、前記所定の区画領域にほぼ外接する円形状のイメージフィールドを有することを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
- 前記露光装置は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光することを特徴とする請求項10または11に記載の露光装置。
- 第1マスク上の第1パターン領域の全体をKrFエキシマレーザ光で照明する第1照明工程と、
前記第1マスクおよび感光性基板を第1投影光学系に対して静止させた状態で、前記第1パターン領域内のパターン像を前記感光性基板上の所定の区画領域に一括露光する第1露光工程と、
第2マスク上の第2パターン領域の一部の領域をArFエキシマレーザ光で照明する第2照明工程と、
前記第2マスクおよび前記感光性基板を前記第2投影光学系に対して相対移動させつつ、前記第2マスク上の前記第2パターン領域内のパターンを前記感光性基板上の前記所定の区画領域内に走査露光する第2露光工程とを含むことを特徴とする露光方法。 - 前記第1露光工程は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm以上の線幅を有するパターンを投影露光し、
前記第2露光工程は、前記感光性基板上の前記所定の区画領域に0.15μm未満の線幅を有するパターンを投影露光することを特徴とする請求項13に記載の露光方法。 - 前記所定の区画領域の長辺の長さをX1とし、前記所定の区画領域の短辺の長さをX2とし、前記第1投影光学系における最大像高をYpとし、前記第2投影光学系における最大像高をYkとするとき、
X1<2×Yk
X12+X22<4×Yp2
の条件を満足することを特徴とする請求項13または14に記載の露光方法。
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