JP2002025893A - 露光装置、面位置調整装置、マスク、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、面位置調整装置、マスク、及びデバイス製造方法

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JP2002025893A
JP2002025893A JP2000207055A JP2000207055A JP2002025893A JP 2002025893 A JP2002025893 A JP 2002025893A JP 2000207055 A JP2000207055 A JP 2000207055A JP 2000207055 A JP2000207055 A JP 2000207055A JP 2002025893 A JP2002025893 A JP 2002025893A
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wafer
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light receiving
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Yoshiki Kida
佳己 木田
Tsuneo Miyai
恒夫 宮井
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70425Imaging strategies, e.g. for increasing throughput or resolution, printing product fields larger than the image field or compensating lithography- or non-lithography errors, e.g. proximity correction, mix-and-match, stitching or double patterning
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スキャン露光装置とのミックス・アンド・マ
ッチを行う際に、そのスキャン露光装置の能力を最大限
に発揮させ、かつ重ね合せの際の残留誤差を効果的に抑
制する静止型露光装置を提供する。 【解決手段】 露光装置10は、スキャン露光装置にお
けるウエハ上の1つのショット領域を、静止露光により
一括して露光可能なイメージフィールドを有する投影光
学系PLを備えている。このため、ミックス・アンド・
マッチを行う際に、スキャン露光装置で1度に露光が可
能なショット領域を一度に露光することができる。従っ
て、スキャン露光装置の最大露光可能範囲をショット領
域とした1in1露光が可能となる。また、両方の露光
装置のショット中心が一緒なので重ね合せによるショッ
ト回転、ショット倍率等の残留誤差を極力抑制すること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置、面位置
調整装置、マスク及びデバイス製造方法に係り、更に詳
しくは、半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイスを
製造するリソグラフィ工程で用いられる露光装置、該露
光装置における基板の面位置調整に好適な面位置調整装
置、前記露光装置に好適に用いることができるマスク、
及び前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・
リピート方式の静止型投影露光装置(いわゆるステッ
パ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影
露光装置(走査ステップ式投影露光装置:いわゆるスキ
ャニング・ステッパ)などの投影露光装置が主として用
いられている。
【0003】ところで、半導体素子は、ウエハ等の基板
上に回路パターンを数十層重ね合せて形成されるが、各
層(レイヤ)におけるパターンの線幅は一様ではない。
すなわち、最先端の投影露光装置、例えばKrFエキシ
マレーザを光源とするスキャニング・ステッパ(以下、
適宜「KrFスキャナ装置」と略述する)の解像限界と
同程度の細い線幅の回路パターンが大部分を占めるクリ
ティカルレイヤ、それに比べて線幅の太い回路パターン
から成るノンクリティカルレイヤ(ラフレイヤとも呼ば
れる)、及びそれらの中間の線幅の回路パターンが大部
分を占めるミドルレイヤなどが存在する。
【0004】一般に、露光波長は短い程解像力は高くな
り、また、ステッパ等の静止型露光装置(一括露光装置
とも呼ばれる)は、スキャニング・ステッパに比べて解
像力は僅かに劣るものの高スループットである傾向があ
る。従って、実際の半導体素子等の製造現場では、各種
の露光装置をレイヤ毎に使い分けて、複数種類の露光装
置を用いて同一の電子デバイスを製造することが通常行
われている。この複数種類の露光装置をレイヤ毎に使い
分ける方法としては、露光波長の短いスキャニング・ス
テッパ(例えばKrFスキャナ装置)と、露光波長の長
いステッパ(例えばi線ステッパ)とを組み合わせるミ
ックス・アンド・マッチが比較的多く行われている。
【0005】また、投影露光装置では、投影光学系の最
良結像面にウエハ等の基板表面を一致させた状態でマス
クのパターンを基板上に転写する必要がある。このた
め、投影露光装置では、ウエハ表面の投影光学系の光軸
方向の位置(以下、適宜「高さ」と呼ぶ)を検出する高
さ位置検出系が設けられている。近年、ウエハの高さ位
置測定の測定点が1点では、ウエハ表面の段差の影響に
より正確な高さ位置を検出できないため、ウエハ上の複
数点における高さ位置を検出する高さ位置検出系(以
下、「多点AF系」ともいう)が提案されている。この
多点AF系は、例えば所定ピッチで並んだ複数のスリッ
ト光をウエハに対して斜め方向から照射して、その複数
のスリット光のウエハからの反射光とそれぞれのスリッ
ト光に対応する複数の受光器(受光素子)との相対位置
に基づいて、ウエハ上の複数点における高さ位置を高精
度に検出するものである。
【0006】また、高さ位置検出系においては、ウエハ
の高さ位置がベストフォーカス位置からずれて、ウエハ
からの反射光が受光素子の受光領域からはずれたとき
(ウエハの高さ位置が受光素子によって検出可能な高さ
位置の範囲から外れたとき)には、高さ位置の検出が困
難になる。また、特に複数のスリット光をウエハに対し
て斜め方向から照射して、ウエハ上の計測方向に所定ピ
ッチで配列された複数のスリット像を形成し、各スリッ
ト光の反射光を複数の受光器によって個別に検出する多
点AF系においては、ウエハの高さ位置が目標位置から
ずれることによって、ウエハ上のスリット像はそのスリ
ット像の配列方向にずれてしまう。このウエハ上でのス
リット像のずれ量が、スリット像のピッチ(隣接する二
つのスリット像の間隔)の1/2になると、これらの反
射光は夫々対応する受光器に対して一つずつずれて入射
する。従って一番端の受光器以外の受光器は、ウエハ表
面が目標位置にあるときと同様の信号を出力する。この
とき多点AF系は、ウエハ表面が目標位置からずれてい
るにもかかわらず、そのときのウエハ表面の位置を目標
位置として誤検出してしまう場合がある。
【0007】そこで、現行の投影露光装置では、基板の
高さ位置が目標位置からずれることにより、高さ位置の
検出ができなくなっても、基板表面の目標位置からのず
れ方向を検出したり、高さ位置検出用の複数の光束の基
板からの反射光が夫々対応する受光素子に対して一つず
つずれて入射しているときにはその基板の高さ位置が目
標位置からずれていることを検出するためのトラッキン
グセンサと呼ばれる光電センサが設けられていることが
一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のステッパの露光
可能最大領域(以下、「露光範囲」と呼ぶ)のサイズ
は、例えば22mm×22mmの正方形であり、また、
スキャニング・ステッパの露光範囲のサイズは、例えば
25mm×33mmの長方形であり、大きさも形状も異
なっている。このため、前述したミックス・アンド・マ
ッチにより、ステッパの1ショット領域とスキャニング
・ステッパの1ショット領域とを重ね合せるような、い
わゆる1in1露光を行う際には、広い面積の露光が可
能なスキャニング・ステッパの実際の露光領域をステッ
パの露光範囲に合わせる必要があり、スキャニング・ス
テッパの能力(大きな露光可能範囲)を有効に活用する
ことができないという不都合があった。
【0009】一方、スキャニング・ステッパによる1シ
ョット領域とステッパによる隣接2ショット領域とを重
ね合わせるような、いわゆる2in1露光を行う際に
は、二つのショット領域の中心が異なるため、ショット
回転、ショット倍率等の誤差が残ってしまうことがあ
る。
【0010】また、従来の投影露光装置では、トラッキ
ングセンサに対応する計測点は、投影領域内の中心部近
傍に一つ又は二つ配置されるか、又は投影領域である矩
形領域の1組の対向辺の両外側の残りの1組の対向辺の
中央部近傍に一対配置されていた。このため、最初に露
光を行うショット領域(ファーストショット)の決定の
仕方によっては、ファーストショットの露光に際してト
ラッキングセンサの計測点がウエハ上にかからないとい
う状態が生じ得る。すなわち、通常ファーストショット
は、ウエハ上の周辺ショットが選択されるが、この周辺
ショットがいわゆる欠けショットとなった場合に、いず
れのトラッキングセンサの計測点もウエハ上に存在しな
くなる。トラッキングセンサは、主としてファーストシ
ョットの露光に際して速やかにウエハ表面をベストフォ
ーカス位置の近傍に設定するために用いられるものであ
る。従って、トラッキングセンサの機能を効果的に発揮
させるために、上述したような事態がなるべく生じない
ように、ファーストショットを決定する必要があり、ウ
エハ上のショット領域の配置やファーストショットの決
定(選択)の際の制約があった。
【0011】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、スキャニング・ステッパなどの
スキャン露光装置とのミックス・アンド・マッチを行う
際に、そのスキャン露光装置の能力を最大限に発揮させ
ることができるとともに、スキャン露光装置で形成され
たパターンとの重ね合せ誤差の発生を効果的に抑制でき
る静止型の露光装置を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、スキャン露
光装置、静止型露光装置のいずれでも使用可能なマスク
を提供することにある。
【0013】また、本発明の第3の目的は、第1物体の
パターンが投影される第2物体の投影光学系の光軸方向
に関する位置ずれを速やかに調整することができる面位
置調整装置を提供することにある。
【0014】また、本発明の第4の目的は、基板上の区
画領域の配置の決定や、区画領域の露光順序の決定(選
択)の際の自由度を向上させることができる露光装置を
提供することにある。
【0015】また、本発明の第5の目的は、デバイスの
生産性の向上に寄与することができるデバイス製造方法
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、エネルギビームにより基板(W)を露光して所定の
パターンを前記基板上に形成する露光装置であって、ス
キャン露光装置における前記基板上の一つの区画領域
を、マスク(R)と前記基板(W)とをほぼ静止した状
態で、前記マスクから射出された前記エネルギビームを
前記基板に投射して一括して露光可能な大きさのイメー
ジフィールドを有する投影光学系(PL)を備えてい
る。
【0017】ここで、スキャン露光装置とは、マスクと
基板とを同期移動しながら、そのマスクのパターンを基
板上の一つの区画領域に転写する、走査露光方式の露光
装置、例えばスキャニング・ステッパ(走査ステップ式
投影露光装置)などを意味する。
【0018】これによれば、スキャン露光装置における
基板上の一つの区画領域(ショット領域)を、マスクと
基板とをほぼ静止した状態で、マスクから射出されたエ
ネルギビームを基板に投射して一括して露光可能な大き
さのイメージフィールドを有する投影光学系を備えてい
る。このため、前述したミックス・アンド・マッチを行
うに際して、スキャン露光装置で1度に露光が可能なシ
ョット領域を一度に露光することができる。従って、1
in1露光により、スキャン露光装置の最大露光可能範
囲をショット領域として設定でき、これにより、スキャ
ン露光装置の能力を最大限に発揮させることができると
ともに、両方の露光装置のショット中心が一緒なので重
ね合せによるショット回転、ショット倍率等の残留誤差
を極力抑制することが可能となる。
【0019】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記スキャン露光装置における前記一つの区画
領域は、(25mm×33mm)及び(26mm×33
mm)のいずれかのサイズの長方形状であることとする
ことができる。この場合、例えば請求項3に記載の発明
の如く、前記マスクは、6インチサイズであり、前記投
影光学系の投影倍率は1/4倍であることとすることが
できる。
【0020】また、上記請求項1に記載の発明に係る露
光装置において、請求項4に記載の発明の如く、前記ス
キャン露光装置における前記一つの区画領域は、(22
mm×26mm)のサイズの長方形状であることとする
ことができる。この場合、請求項5に記載の発明の如
く、前記マスクは、6インチサイズであり、前記投影光
学系の投影倍率は1/5倍であることとすることができ
る。
【0021】上記請求項1〜5に記載の各発明に係る露
光装置において、請求項6に記載の発明の如く、前記イ
メージフィールドは、前記スキャン露光装置における前
記一つの区画領域がほぼ内接するような直径の円形であ
ることとすることができる。すなわち、スキャン露光装
置における前記一つの区画領域が(amm×bmm)の
矩形である場合、イメージフィールドは、少なくとも直
径D≒(a2+b21/ 2の円形とすることができる。
【0022】上記請求項1〜6に記載の各発明に係る露
光装置において、請求項7に記載の発明の如く、前記投
影光学系は、前記基板上に0.35μmの線幅を持った
パターンを解像可能であることとすることができる。
【0023】ところで、スキャン露光装置と静止型露光
装置とを用いたミックス・アンド・マッチ露光におい
て、上述の如く、スキャン露光装置により露光される基
板上の一つの区画領域を、静止型露光装置で一括して露
光できるようにすると、その静止型の露光装置では、従
来スキャン露光装置で用いられていたマスクと同一のパ
ターン領域を有するマスクを用いることが可能となる。
これを一歩進めると、同一マスクをスキャン露光装置と
静止型露光装置とで共用できる可能性が生じる。但し、
スキャン露光装置用のマスクと静止型露光装置用のマス
クとでは、マスクアライメントマークの配置が異なる。
このような事情の下に、なされたのが本発明のマスクで
ある。
【0024】すなわち、請求項8に記載の発明は、一方
の面に所定のパターンが形成されたマスクであって、前
記所定のパターンには、回路パターンの他に、スキャン
露光装置用のマスクアライメントマークと静止型露光装
置用のマスクアライメントマークとが含まれることを特
徴とする。
【0025】本発明のマスクは、それぞれの装置用のマ
スクアライメントマークが存在するので、ミックス・ア
ンド・マッチを行う場合等に、スキャン露光装置、静止
型露光装置のいずれでも使用することが可能である。
【0026】この場合において、請求項9に記載の発明
の如く、前記所定のパターンには、空間像計測用パター
ンが更に含まれることとしても良い。
【0027】請求項10に記載の発明は、第1物体
(R)に形成されたパターンを第2物体(W)の面上に
投影する投影光学系(PL)の像面に前記第2物体表面
をほぼ一致させる面位置調整装置であって、前記第2物
体に対して斜め方向から第1光束を照射して前記投影光
学系による前記パターンの投影領域内に複数の第1照射
点(S11〜S55)を形成するととともに、前記第2物体
に対して斜め方向から第2光束を照射して前記投影領域
の少なくとも一つのコーナー近傍に第2照射点(S6
0,S70,S80,S90)を形成する照射系(7
4)と;前記第1照射点からの反射光を個別に光電検出
可能で、前記各第1照射点における前記第2物体表面の
前記投影光学系の光軸方向に関する所定の基準面に対す
る偏差量に対応した偏差信号を出力可能な第1受光セン
サ(D11〜D55)と;前記第2光束の前記第2物体から
の反射光、すなわち前記第2照射点からの反射光を光電
検出可能な第2受光センサ(D60、D70,D80,
D90)と;前記第2物体を保持するとともに、少なく
とも前記光軸方向に駆動可能なステージ(60)と;前
記第2受光センサの出力に基づいて前記ステージの前記
光軸方向の駆動を制御して前記第2物体表面を前記投影
光学系の最良結像面の近傍に配置するとともに、前記各
第1受光センサの出力に基づいて前記第2物体表面を前
記投影光学系の最良結像面にほぼ一致させるように前記
ステージの前記光軸方向の駆動を制御する制御装置(2
8)とを備える。
【0028】これによれば、第1受光センサは第2物体
表面の投影光学系の光軸方向に関する所定の基準面(例
えば目標位置)に対する偏差量(ずれ量)を検出する。
ここで、第2物体の光軸方向位置が変位することによっ
て、照射系から第2物体上の複数の第1照射点に照射さ
れた第1光束の各反射光が、対応する第1受光センサか
らずれた位置にそれぞれ照射され、第2物体の光軸方向
位置の検出ができなくなってしまうことがある。そこ
で、制御装置は、第2受光センサの出力に基づいて、ス
テージを移動させることによって、ステージ上に保持さ
れた第2物体表面を投影光学系の最良結像面の近傍に配
置する。そして、第2物体表面の光軸方向位置が投影光
学系の最良結像面の近傍に配置され、複数の第1照射点
に照射された第1光束の各反射光が対応する第1受光セ
ンサによって受光されると、制御装置は、そのときの各
第1受光センサからの偏差信号に基づいて、第2物体表
面を投影光学系の最良結像面にほぼ一致させるようにス
テージの光軸方向の駆動を制御する。この場合、第2受
光センサによって第2物体表面が投影光学系の像面近傍
に位置していることを認識することも可能である。これ
により、第2物体表面を投影光学系の最良結像面に速や
かにほぼ一致させることができる。また、照射系が第2
物体に対して斜め方向から第2光束を照射して投影領域
の少なくとも一つのコーナー近傍に第2照射点を形成す
るので、光軸に直交する面内における第2物体と投影光
学系との位置関係を調整することにより、その第2照射
点を第2物体上に形成させることは容易である。従っ
て、第1物体のパターンが投影光学系により投影される
第2物体上の一つのショット領域(区画領域)が、一部
が欠けているような形状であっても、その第2物体の投
影光学系の光軸方向に関する位置ずれを速やかに調整す
ることができる。
【0029】請求項10に記載の発明に係る面位置調整
装置において、請求項11に記載の発明の如く、前記第
2照射点は、前記投影領域の四つのコーナー近傍に少な
くとも各一つ形成され、当該各第2照射点に対応して前
記第2受光センサが個別に設けられていることが望まし
い。かかる場合には、上述したような光軸に直交する面
内における第2物体と投影光学系との位置関係の調整を
行うことなく、少なくとも一つの第2照射点が第2物体
上に形成される。従って、第1物体のパターンが投影光
学系により投影される第2物体上の一つのショット領域
(区画領域)が、一部が欠けているような形状であって
も、その第2物体の光軸方向に関する位置ずれを速やか
に、かつ一層容易に調整することができる。
【0030】この場合において、請求項12に記載の発
明の如く、前記第2照射点に対応する少なくとも四つの
第2受光センサの内から使用する第2受光センサの選択
が可能であることとしても良い。かかる場合には、第1
物体のパターンが投影光学系により投影される第2物体
上の一つのショット領域(区画領域)が、一部が欠けて
いるような形状であっても、その形状に応じ適切な第2
受光センサを選択することが可能となる。
【0031】上記請求項11及び12に記載の各発明に
係る面位置調整装置において、請求項13に記載の発明
の如く、前記投影領域を前記2次元方向に沿って四つの
矩形領域に分割し、かつ各分割領域をその対角線に沿っ
て2分割した二つの三角形領域のうちの外側に位置する
領域内に、前記各第2照射点が配置されていることとす
ることができる。
【0032】上記請求項10に記載の発明において、請
求項14に記載の発明の如く、前記第2受光センサは、
トラッキングセンサとして機能し、前記第2受光センサ
の出力は、検出信号の有無を含むこととしても良い。
【0033】上記請求項10〜14に記載の各発明に係
る面位置調整装置において、請求項15に記載の発明の
如く、前記複数の第1受光センサの内から使用する第1
受光センサが任意に選択可能であることとしても良い。
【0034】また、請求項10〜15に記載の各発明に
係る面位置調整装置において、請求項16に記載の発明
の如く、前記第2物体表面が前記投影光学系の最良結像
面の近傍にあるとき、前記第1受光センサと前記第2受
光センサの出力とを併用することとしても良い。すなわ
ち、第2物体表面が投影光学系の最良結像面の近傍にあ
るとき、第2受光センサが、光軸方向に関する第2物体
表面の所定の基準面に対する偏差量に対応した信号を出
力することとし、この出力と第1受光センサの出力とを
第2物体の光軸方向の面位置調整のために併用しても良
い。
【0035】請求項17に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とをほぼ静止させた状態で、前記マスクの
パターンを投影光学系(PL)を介して前記基板上に転
写する露光装置であって、前記第1物体が前記マスクで
あり、前記第2物体が前記基板であり、前記投影光学系
の最良結像面に前記基板表面を一致させる請求項10〜
16のいずれか一項に記載の面位置調整装置(21、2
8、60、74、76)を備えることを特徴とする。
【0036】これによれば、面位置調整装置により、マ
スクパターンが投影される基板上のショット領域(投影
領域、すなわち区画領域)が、一部が欠けているような
形状であっても、投影光学系の光軸方向に関する基板の
位置ずれを速やかに調整することができる。従って、い
わゆる欠け区画領域を設けても特に支障は生じないの
で、基板の面積利用効率を向上させることができるとと
もに、基板上の区画領域の配置に際してその自由度を向
上させることができる。特に、投影領域の四つのコーナ
ー近傍に少なくとも各一つの第2照射点が形成され、当
該各第2照射点に対応して第2受光センサが個別に設け
られている場合には、最初に露光が行われる区画領域と
して、基板上のどの位置の区画領域(欠け区画領域を含
む)を決定(選択)しても支障はないので、区画領域の
露光順序の決定(選択)の際の自由度をも向上させるこ
とができる。
【0037】この場合において、請求項18に記載の発
明の如く、前記第2照射点は、前記投影領域の複数のコ
ーナー近傍に形成され、前記制御装置は、前記投影領域
に対応する区画領域の前記基板上での位置に応じて、前
記複数のコーナーのうちの少なくとも一つのコーナー近
傍に形成された前記第2照射点を選択して前記ステージ
の駆動を制御することとしても良い。かかる場合には、
マスクパターンが投影光学系により投影される投影領域
に対応する区画領域が、一部が欠けている欠けショット
である場合に、その形状に応じ適切な第2照射点を選択
し、その選択された照射点に対応する第2受光センサの
出力に基づいてステージの駆動、ひいては基板の光軸方
向位置を制御することができる。また、区画領域(ショ
ット領域)のサイズに応じて使用する第2受光センサを
選択することも可能である。
【0038】上記請求項17に記載の発明に係る露光装
置において、請求項19に記載の発明の如く、前記投影
光学系は、前記マスクを使った前記基板の露光工程の前
又は後に、前記基板を走査露光するために使用されるス
キャン露光装置の前記基板上の一つの区画領域を前記マ
スクと前記基板とをほぼ静止した状態で一括して露光可
能な大きさのイメージフィールドを有することとしても
良い。かかる場合には、1in1露光により、スキャン
露光装置の最大露光可能範囲をショット領域として設定
でき、これにより、スキャン露光装置の能力を最大限に
発揮させることができるとともに、両方の露光装置のシ
ョット中心が一緒なので重ね合せによるショット回転、
ショット倍率等の残留誤差を極力抑制することが可能と
なる。
【0039】請求項20に記載の発明に係るデバイス製
造方法は、請求項1〜7及び請求項17〜19のいずれ
か一項に記載の露光装置を用いて基板を露光するリソグ
ラフィ工程を含む。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図10に基づいて説明する。図1には、一実施形態に
係る露光装置の構成が概略的に示されている。この露光
装置10は、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投
影露光装置(いわゆるステッパ)である。この露光装置
10は、クリーンルーム床面上にX軸方向(図1におけ
る左右方向)に隣接して配置された本体チャンバ12と
機械室チャンバ20とを備えている。
【0041】本体チャンバ12は、隔壁により、二つの
小部屋22a,22bと一つの大部屋24との三つの部
屋に仕切られている。図1における一番左の小部屋22
aは、その内部に後述する主制御装置28(図5参
照)、その他のプロセッサ等が収容されている。また、
この小部屋22aの隣の小部屋22bは、その内部が不
図示の隔壁により上下二つの部屋36a,36bに仕切
られている。上側の部屋36aは、その内部に不図示の
レチクルライブラリ及び多関節ロボットから成るレチク
ルローダ40aなどが設置されたレチクルローダ室とな
っている。また、下側の部屋36bは、その内部に不図
示のウエハキャリアや多関節ロボットから成るウエハロ
ーダ40bなどが設置されたウエハローダ室となってい
る。さらに、チャンバ12の外側には、ディスプレイや
キーボードを備えた制御ラック(不図示)が配置されて
いる。
【0042】前記大部屋24は、その内部に露光装置本
体の殆どの部分が収容された露光室となっている。露光
装置本体100は、波長365nmの紫外域の輝線(i
線)によりマスク(及び第1物体)としてのレチクルR
を照明する照明ユニットILU、レチクルRを保持する
レチクルステージRST、レチクルステージRSTの図
1における下方に配置された投影光学系PL、及びこの
投影光学系PLの下方に配置され基板(及び第2物体)
としてウエハWが載置されるステージ装置42等を備え
ている。照明ユニットILUは、図1に示されるよう
に、その一部(図1における右側部分が機械室チャンバ
20内に配置され、残りの部分が露光室24内に配置さ
れている。露光装置本体100の他の構成部分は、露光
室24内に配置されている。
【0043】前記機械室チャンバ20の内部には、クー
ラー、ヒータ、送風ファン等(いずれも図示省略)を含
む空調装置が収容されている。この空調装置によって、
不図示の給排気配管系を介して露光室24内、レチクル
ローダ室36a及びウエハローダ室36b内の空調が行
われ、これらの部屋の内部は、目標温度±0.1℃程度
に温調がなされている。また、給排気系の各所には、必
要に応じて、パーティクル除去用のエアフィルタ(HE
PAフィルタ、ULPAフィルタなど)が設置されてい
る。
【0044】次に、露光装置本体100の構成各部につ
いて詳細に説明する。まず、照明ユニットILUについ
て説明する。この照明ユニットILUは、実際には、図
2に示されるように、二つの筐体部分に分離されてい
る。図2中の右側の筐体50は、内部に露光用光源であ
る超高圧水銀ランプ(以下、「水銀ランプ」と呼ぶ)1
4が収容されたランプハウスとなっている。また、図2
中の左側の筐体44は、内部に種々の光学部材が収容さ
れた照明系ハウジングとなっている。
【0045】前記ランプハウス50内には、水銀ランプ
14、楕円鏡16、不図示のシャッタ、ミラーM1、干
渉フィルタ18等が所定の位置関係で配置されている。
また、照明系ハウジング44内には、右から順に第1リ
レーレンズ30、レチクルブラインド32、第2リレー
レンズ34、ミラーM2が収容されている。また、ラン
プハウス50と照明系ハウジング44との境界部分に
は、インプットレンズやフライアイレンズ(又はロッド
レンズ(内面反射型インテグレータ))等を含む照度均
一化光学系26が配置されている。また、照明系ハウジ
ング44の射出端部、すなわちミラーM2の下方部分に
は、メインコンデンサレンズ38が配置されている。
【0046】ここで、照明ユニットILUの構成各部
(筐体を除く)についてその作用とともに図2に基づい
て説明する。水銀ランプ14から発せられた照明光EL
は楕円鏡16によって第2焦点に集光される。この第2
焦点の近傍には、不図示のシャッタ駆動機構機構により
開閉される不図示のシャッタが配置され、そのシャッタ
が開状態の場合、照明光ELは、ミラーM1を介して干
渉フィルタ18に入射する。そして、この干渉フィルタ
18により、露光に必要な波長スペクトル、例えば波長
365nmのi線のみが取り出される。ここで、露光光
としてはi線の他、波長436nmのg線を用いても良
く、また複数種類の波長の光の混合でも良い。なお、水
銀ランプ14に代えて、KrFエキシマレーザ光(波
長:248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長:1
93nm)のような遠紫外領域のパルス光を発するエキ
シマレーザ等によって光源を構成しても良い。
【0047】干渉フィルタ18を経由した照明光EL
(i線成分)は照度均一化光学系26に入射する。この
照度均一化光学系26を構成するフライアイレンズの射
出面は、水銀ランプ14と共役な位置関係になってお
り、2次光源面を構成している。
【0048】そのフライアイレンズの2次光源面を構成
する各点光源(エレメント)を発した光は、不図示の照
明系開口絞り、及び第1リレーレンズ30を介してレチ
クルブラインド32を照明する。この場合、レチクルブ
ラインド32としては、開口形状が可変な可変ブライン
ドが用いられている。このレチクルブラインド32は、
図5に示されるように、2枚のL字状の可動ブレード4
5A、45Bから成る可動ブラインド(以下、この可動
ブラインドを「可動ブラインド45A、45B」とも呼
ぶ)が設けられている。この可動ブラインド45A、4
5Bの配置面はレチクルRのパターン面と共役となって
いる。可動ブラインド45A、45Bは、可動ブライン
ド駆動機構43A、43Bによって駆動されるようにな
っており、この駆動機構43A、43Bの動作が主制御
装置28によって制御されるようになっている。
【0049】図2に戻り、そのレチクルブラインド32
の開口を通過した照明光EL(i線成分)は、第2リレ
ーレンズ34を通過後、ミラーM2で折り曲げられ、メ
インコンデンサレンズ38を介して、前記2次光源面と
フーリエ変換の位置関係にあるレチクルRを照明する。
この場合、フライアイレンズの個々のレンズエレメント
がメインコンデンサレンズ38を介してレチクルRを照
明することにより、オプティカルインテグレータの役割
を果たしている。従って、レチクルR上のレチクルブラ
インド32の開口で規定される照明領域内を均一に照明
することができる。
【0050】本実施形態では、ランプハウス50は、2
本のホース46A,46Bを介してケミカルフィルタ・
ファン・ユニットFFUと接続されている。ケミカルフ
ィルタ・ファン・ユニットFFUは、図2における右か
ら順に配置されたケミカルフィルタ、空気冷却部として
のクーラー、ファンを内蔵した送風部、ULPAフィル
タ(いずれも図示省略)から構成されている。この場
合、ULPAフィルタの図2における左端とランプハウ
ス50の上端とがホース46Aによって接続され、ケミ
カルフィルタの図2における右端とランプハウス50の
下端とがホース46Bによって接続されている。また、
ケミカルフィルタの右端には、外気取込口48が突設さ
れている。
【0051】ここで、ケミカルフィルタとしては、硫酸
アンモニウムを中心とする曇り物質(ケミカル物質)を
除去出来るものであればその構成を問わず、例えば静電
吸着タイプ、活性炭タイプ、薬品添着型活性炭タイプ、
イオン交換タイプ等のいずれのタイプのケミカルフィル
タであっても使用可能である。
【0052】ここで、このケミカルフィルタ・ファン・
ユニットFFUの作用を簡単に説明する。主制御装置5
0(図5参照)により水銀ランプ14が点灯されると、
これと同時に送風部に内蔵されたファンが駆動され、外
気取込口48及びランプハウス50より取り込まれた空
気のランプハウス50、ケミカルフィルタ・ファン・ユ
ニットFFU及びホース46A、46Bより成る循環経
路内での循環が開始される。
【0053】この循環中に、外気取込口48及びランプ
ハウス50より取り込まれた空気は、ケミカルフィルタ
を通ることにより、ケミカルクリーンな空気(即ち曇り
物質が除去された空気)となり、クーラーで冷却され、
ULPAフィルタで物理的なゴミ(エアーパーティク
ル)が除去された後、ホース46Aを経由して、ランプ
ハウス50内に供給される。
【0054】ランプハウス50内に供給されたケミカル
クリーンでしかも物理的にも清浄なエアー(空気)は、
水銀ランプ14の発熱により、熱された空気となりホー
ス46Bを通り、再度ケミカルフィルタ・ファン・ユニ
ットFFUに戻される。そして、このケミカルフィルタ
・ファン・ユニットFFUに戻されたケミカルクリーン
でしかも物理的にも清浄なエアー(空気)は、外気取込
口48から取り込まれたクリーンルーム雰囲気中の空気
と一緒になって、上記の循環路に従って循環を繰り返
す。
【0055】ここで、外気取込口48は、自然吸気によ
り外気(クリーンルーム雰囲気中の空気)を取り入れる
もので、前述した空気の循環中には、不図示のファンの
回転により外気圧に対して送風部の下流側が正圧、上流
側が負圧となっているので、外気圧に対して正圧となっ
ている部分、主としてランプハウス50から漏れ出す空
気とほぼ同一量の外気が取り入れられる。この外気取込
口48を介して取り入れられる外気の量は、例えば全体
の5パーセント程度である。
【0056】このように、本実施形態では、ケミカルク
リーンなエアーを循環させる構成にしたことから、ケミ
カルフィルタの長寿命化が可能になり、その分ケミカル
フィルタ交換の為のランニングコストを低減させること
ができ、メンテナンス性を向上させることができる。ま
た、ケミカルフィルタにより曇り物質が除去された空気
がランプハウス50内に供給されるので、楕円鏡16、
水銀ランプ14、ミラーM1等の光学反射面や透過面に
曇りが発生することがなく、光学系の透過率の低下に起
因する露光装置の性能低下等を防止することができる。
【0057】さらに、循環中、水銀ランプ14の発熱に
よりランプハウス50内のケミカルクリーンなエアーの
温度は上昇するが、ケミカルフィルタ・ファン・ユニッ
トFFUを通過する際に、クーラーによって冷却される
ので、循環を繰り返すうちにケミカルクリーンなエアー
の温度が上昇して水銀ランプ14の冷却に支障をきたす
という不都合も生じ得ない。
【0058】なお、ケミカルフィルタ・ファン・ユニッ
トFFU内に、クーラーは必ずしも設ける必要はない。
この場合には、上記のような循環系を採用することな
く、ファンの回転により、外気をケミカルフィルタ・フ
ァン・ユニットFFU内に取り込み、そのケミカルフィ
ルタ・ファン・ユニットFFUを通過する間にケミカル
クリーンでしかも物理的にも清浄となったエアー(空
気)をランプハウス50内に供給し、その空気が水銀ラ
ンプ14の発熱により熱された空気となったとき、それ
を排気するようにしても良い。但し、この場合には、そ
の排気は、機械室チャンバ20内の空調装置にリターン
する空気とともに取り込まれるようにすることが望まし
い。
【0059】一方、照明系ハウジング44には、図2に
示されるように、ケミカルフィルタ及びHEPAフィル
タ(又はULPAフィルタ)を内蔵するフィルタユニッ
トFUを介して、工場用力としてのドライエアが常時供
給されている。この場合も、ケミカルフィルタにより曇
り物質が除去された空気が照明系ハウジング44内に供
給されるので、レンズ、ミラー等の光学反射面や透過面
に曇りが発生することがなく、光学系の透過率の低下に
起因する露光装置の性能低下等を防止することができ
る。この場合、照明系ハウジング44の密閉性はそれほ
ど高くないので、供給されたドライエアは、自然排気に
より露光室内に漏れ出すようになっている。
【0060】図1に戻り、レチクルステージRSTは、
その上面の四つのコーナー部分に真空吸着部52を有
し、この真空吸着部52を介してレチクルRがレチクル
ステージRST上に保持されている。このレチクルステ
ージRSTは、レチクルR上の回路パターンが形成され
た領域であるパターン領域PA(図3参照)に対応した
開口(図示省略)を有し、不図示の駆動機構によりX方
向、Y方向、θz方向(Z軸回りの回転方向)に微動可
能となっている。
【0061】次に、本実施形態で用いられるレチクルR
について、図3に基づいて説明する。図3には、レチク
ルRのパターン面側(図1における下面側)から見た平
面図が示されている。このレチクルRとしては、一辺が
6インチ、すなわち約152.4mmの正方形のガラス
基板の一方の面(図3における紙面手前側の面)に横の
長さがW(Wは、例えば約100mm)で、縦の長さが
L(Lは、例えば約132mm)の長方形のパターン領
域PAが形成されている。このパターン領域PAの中心
と、ガラス基板の中心とは設計上は一致している。この
パターン領域PAの中心を、以下においてはレチクルセ
ンタRcと呼ぶ。パターン領域PAの周囲には、約2m
m程度の幅を有する遮光帯BSが設けられている。
【0062】投影露光装置では、露光に先立ってレチク
ルを所定の基準位置に位置合わせする必要がある。この
位置合わせの基準として、レチクル・アライメント・マ
ークが、通常設けられている。そして、このレチクル・
アライメント・マークをレチクルアライメント顕微鏡
(本実施形態のレチクル・アライメント顕微鏡について
は後述する)で計測して、レチクルの基準位置からのず
れ(ΔX、ΔY、Δθz)を求め、これらのずれを補正
するようにレチクルを微少駆動(微動調整)するレチク
ルの位置合わせ(レチクルアライメント)が行われる。
【0063】レチクルアライメントは、ファーストレイ
ヤ、セカンドレイヤ以降を問わず、露光に先立って必ず
行われるため、すべてのレチクルにレチクル・アライメ
ント・マークを予め形成しておく必要がある。
【0064】本実施形態で用いられるレチクルRには、
図3に示されるように、レチクルセンタRcを通るX軸
上で、レチクルセンタRcに関して対称の位置でパター
ン領域PAの外縁(遮光帯BSの内縁)から約15mm
程度離れた位置に、一対のレチクル・アライメント・マ
ークRx1y、Rx2θが設けられている。この他、レ
チクルRには、図3に示されるように、レチクルセンタ
Rcを通るY軸に関して対象となる配置で、7対のレチ
クル・アライメント・マークRxy1,Rxy2、Rxy3,
Rxy4、Rxy5,Rxy6、Rxy7,Rxy8、Rxy9,R
xy10、Rxy11,Rxy12、Rxy13,Rxy14が遮
光帯BSに近接して(0.1〜0.2mm程度離れて)
それぞれ形成されている。
【0065】この内、一対のレチクル・アライメント・
マークRxy13,Rxy14は、レチクルセンタRcを通
るX軸上に配置されている。また、レチクル・アライメ
ント・マークRxy1,Rxy3,Rxy5と、レチクル・ア
ライメント・マークRxy7,Rxy9,Rxy11とは、レ
チクルセンタRcを通るX軸に関してそれぞれ対称であ
り、同様に、レチクル・アライメント・マークRxy2,
Rxy4,Rxy6と、レチクル・アライメント・マークR
xy8,Rxy10,Rxy12とは、レチクルセンタRcを
通るX軸に関してそれぞれ対称である。
【0066】レチクルRには、図3に示されるように、
上述したレチクル・アライメント・マークの他、結像特
性計測に用いられる4対の計測用マークMPMa1,MP
Mb1、MPMa2,MPMb2、MPMc1,MPMc2、MP
Md1,MPMd2が、レチクルセンタRcを通るY軸に関
して対称な配置で、かつ遮光帯BSの外側に近接して形
成されている。この場合、計測用マークMPMa1,MP
Mb1、MPMc1,MPMc2は、レチクルセンタRcを通
るX軸に関して、計測用マークMPMa2,MPMb2、M
PMd1,MPMd2に対称となっている。
【0067】図1に戻り、レチクルRの上方には、CC
D等の撮像素子を有し、露光波長の光をアライメント用
照明光とする画像処理方式の一対のレチクルアライメン
ト顕微鏡RA1,RA2が配置されている。この場合、
レチクルアライメント顕微鏡RA1,RA2は、投影光
学系PLの光軸AXを含むYZ平面に関して対称(左右
対称)な配置で設置されている。また、これらのレチク
ルアライメント顕微鏡RA1,RA2は光軸AXを通る
XZ面内でX軸方向に往復移動が可能な構造となってい
る。
【0068】通常、これらのレチクルアライメント顕微
鏡RA1,RA2は、レチクルRがレチクルステージR
ST上に載置された状態で、一対のレチクル・アライメ
ント・マークRx1y、Rx2θをそれぞれ観察可能な
位置に設定されている。すなわち、レチクル・アライメ
ント・マークRx1y、Rx2θが、露光装置10のレ
チクルアライメント用として通常用いられる。換言すれ
ば、レチクル・アライメント・マークRx1y、Rx2
θは、露光装置10のような静止型の露光装置用のマス
クアライメントマークである。
【0069】但し、レチクルアライメント顕微鏡RA
1,RA2は、X軸方向に往復移動可能になっているの
で、レチクル・アライメント・マークRx1y、Rx2
θよりパターン領域PA側に存在する一対のレチクル・
アライメント・マークRxy13,Rxy14を、レチクル
アライメント用のマークとして用いることは勿論可能で
ある。
【0070】いずれにしても、レチクルアライメント顕
微鏡RA1,RA2を用いることにより、パターン領域
PAの中心(レチクルセンタRc)が投影光学系PLの
光軸AXを通るようにレチクルRの位置決めが可能な構
成となっている。
【0071】一方、レチクルRを、スキャニング・ステ
ッパ等のスキャン露光装置で用いる場合には、7対のレ
チクル・アライメント・マークRxy1,Rxy2、Rxy
3,Rxy4、Rxy5,Rxy6、Rxy7,Rxy8、Rxy
9,Rxy10、Rxy11,Rxy12、Rxy13,Rxy1
4の内、少なくとも一対が、レチクルアライメント用マ
ークとして用いられる。すなわち、レチクル・アライメ
ント・マークRxy1〜Rxy14は、スキャン露光装置用
のマスクアライメントマークであり、特に、レチクル・
アライメント・マークRxy13,Rxy14は、静止型の
露光装置用とスキャン露光装置とで共用が可能なマーク
である。
【0072】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態の露光装置10では、レチクルアライメント顕微
鏡RA1,RA2がX軸方向に可動となっているので、
スキャン露光装置用のレチクルを用いたとしても、その
うちの適当な少なくとも1組のレチクル・アライメント
・マークを用いることにより、レチクルアライメントを
実行することができる。
【0073】前記投影光学系PLは、レチクルRの下方
でその光軸AX方向をZ軸方向として不図示の本体コラ
ムに保持され、光軸AX方向に所定間隔で配置された複
数枚のレンズエレメント(屈折光学素子)とこれらのレ
ンズエレメントを保持する鏡筒から成る例えば両側テレ
セントリックな屈折光学系が用いられている。この投影
光学系PLとしては、例えば、開口数N.A.が0.5
2、投影倍率1/4、像面側のイメージフィールドが直
径約41.4mmの円形で、ウエハW上に0.35μm
程度の線幅を持ったパターンを解像できるものが用いら
れている。この投影光学系PLによると、(25×25
+33×33)1/2=41.4が成立するので、25m
m×33mmの矩形の露光範囲を一度に露光することが
可能である。
【0074】前記ステージ装置42は、ベース54と、
このベース54上を図1におけるY方向に往復移動可能
なYステージ56と、このYステージ56上をY方向と
直交するX方向に往復移動可能なXステージ58と、こ
のXステージ58上に設けられた基板テーブル60とを
有している。また、基板テーブル60上に、ほぼ円形の
ウエハホルダ62が載置され、このウエハホルダ62に
よってウエハWが真空吸着によって保持されている。
【0075】図4には、ウエハホルダ62の平面図が概
略的に示されている。この図4に示されるように、ウエ
ハホルダ62は、ほぼ円形の外壁64とその中央部に位
置する三つ葉状の内壁66とで囲まれた所定形状のバキ
ューム領域VA内に、直径0.15mm程度で高さ0.
02mm程度の多数のピン68がほぼ均等の間隔で全域
に渡って配置されている。内壁66と外壁64の高さ
も、0.02mm程度とされている。また、バキューム
領域VA内には、中心角ほぼ120°の間隔で、半径方
向に沿って複数のバキューム口70が配置されている。
ウエハホルダ62上にウエハWが載置されたウエハWの
ロード状態では、複数のバキューム口70を介して不図
示のバキュームポンプの負圧により、ウエハW下面と内
壁66と外壁64とで囲まれた空間内のピン68の隙間
が真空吸引され、ウエハWがウエハホルダ62に吸着保
持される。
【0076】ここで、ウエハホルダ62の外壁64のさ
らに外側には、図4に示されるように、周囲のほぼ全域
に渡ってフランジ部72が形成されている。このフラン
ジ部72には、所々に合計五つのU字状の切り欠き74
A〜74Eが形成されている。これらの切り欠き74A
〜74Eは、ウエハWの中心位置ずれと回転ずれとを求
めるために、ウエハWのエッジを検出するウエハエッジ
センサを配置するために設けられている。すなわち、切
り欠き74A〜74E内部分のフランジ部72の上側及
び下側には、透過型の光検出器を構成する発光素子及び
受光素子(又は受光素子及び発光素子)がそれぞれ配置
される。切り欠き74A内部分に配置されるセンサは、
ノッチの方向を0°の方向(6時の方向)に向けて載置
されるウエハWのノッチを検出するために用いられる。
切り欠き74B内部分に配置されるセンサは、ノッチの
方向を90°の方向(3時の方向)に向けて載置される
ウエハWのノッチを検出するために用いられる。切り欠
き74C内部分に配置されるセンサは、ノッチの方向を
0°の方向(6時の方向)に向けて載置されるウエハW
の外周部の一部を検出するために用いられる。切り欠き
74D内部分に配置されるセンサは、載置されるウエハ
Wの向きにかかわらず、ウエハWの外周部の一部を検出
するために用いられる。切り欠き74E内部分に配置さ
れるセンサは、ノッチの方向を90°の方向(3時の方
向)に向けて載置されるウエハWの外周部の一部を検出
するために用いられる。
【0077】図1に戻り、前記基板テーブル60は、X
ステージ58上にXY方向に位置決めされ、かつZ軸方
向の移動及びXY平面に対する傾斜が許容された状態で
取り付けられている。そして、この基板テーブル60
は、異なる3点の支持点で不図示の3本の軸によって支
持されており、これら3本の軸がウエハ駆動装置21
(図5参照)によって独立してZ軸方向に駆動され、こ
れによって基板テーブル60上に保持されたウエハWの
面位置(Z軸方向位置及びXY平面に対する傾斜)が所
望の状態に設定されるようになっている。
【0078】この基板テーブル60上には移動鏡27が
固定され、外部に配置された干渉計31により、基板テ
ーブル60のX方向、Y方向及びθz方向(Z軸回りの
回転方向)の位置がモニタされ、干渉計31により得ら
れた位置情報が主制御装置28(図5参照)に供給され
ている。主制御装置28は、図5に示されるウエハ駆動
装置21(これは、Xステージ58、Yステージ56の
駆動系及び基板テーブル60の駆動系の全てを含む)を
介してYステージ56、Xステージ58及び基板テーブ
ル60の位置決め動作を制御すると共に、装置全体の動
作を統括制御する。
【0079】また、基板テーブル60上の一端部には、
各種基準マークが形成された基準マーク板FMが固定さ
れている。この各種基準マークには、不図示のオフアク
シス方式のアライメント検出系の検出中心から投影光学
系PLの光軸までの距離を計測するベースライン計測、
レチクルアライメントなどに用いられる基準マークが含
まれる。また、基板テーブル60の一端部には、スリッ
トスキャン方式の空間像計測器の一部を構成している基
準平面板(不図示)が固定されている。この基準平面板
には、所定のスリットが形成されており、このスリット
を介して基板テーブル60内部に入射した光を検出する
受光光学素子が基板テーブル60の内部に設けられてい
る。
【0080】この露光装置本体100では、前述したレ
チクルアライメントなどの終了後、不図示のウエハアラ
イメント検出系の検出信号に基づいて主制御装置28に
よりレチクルRとウエハWとの位置合わせ(アライメン
ト)が行なわれ、後述する焦点検出系の検出信号に基づ
いて、レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投影
光学系PLに関して共役となるように、かつ投影光学系
PLの結像面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表面
が投影光学系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に入
る)ように、主制御装置28により駆動装置21を介し
て基板テーブル60がZ軸方向及び傾斜方向に駆動制御
されて面位置の調整が行なわれる。このようにして位置
決め及び合焦がなされた状態で、照明系ユニットILU
から射出された照明光ELによりレチクルRのパターン
領域PAがほぼ均一な照度で照明されると、レチクルR
のパターンの縮小像が投影光学系PLを介して表面にフ
ォトレジストが塗布されたウエハW上に結像される。
【0081】更に、本実施形態では、投影光学系PLに
よるパターンの投影領域(この投影領域に対応するウエ
ハW上の領域を以下「露光領域」と呼ぶ)内にウエハW
が位置したときXY平面に平行な基準となる仮想的な面
(基準面)に対するウエハW表面のZ方向(光軸AX方
向)の位置を検出するための斜入射光式の焦点検出系の
一つであるの多点フォーカス位置検出系が設けられてい
る。この多点フォーカス位置検出系は、図1に示される
ように、投影光学系PLの光軸に対して所定角度傾斜し
た方向からウエハW表面に多数の結像光束を照射する照
射系74と、それらの結像光束のウエハW表面からの反
射光を個別に受光する受光系76とを備えている。これ
を更に詳述すると、照射系74は、図5に示されるよう
に、光ファイバ束81、集光レンズ82、パターン形成
板83、レンズ84、ミラー85及び照射対物レンズ8
6等を含んで構成されている。また、受光系76は、集
光対物レンズ87、回転方向振動板88、結像レンズ8
9、受光用スリット板98及び多数のフォトセンサを有
する受光器90等を含んで構成されている。
【0082】ここで、この多点フォーカス位置検出系
(74、76)の構成各部の作用を説明すると、露光光
とは異なるウエハW上のフォトレジストを感光させない
波長の照明光が、図示しない照明光源から光ファイバ束
81を介して導かれている。光ファイバ束81から射出
された照明光は、集光レンズ82を経てパターン形成板
83を照明する。パターン形成板83を透過した照明光
(光束)ILは、レンズ84、ミラー85及び照射対物
レンズ86を経てウエハW表面に投影され、ウエハW表
面にはパターン形成板83上のパターンの像が投影結像
される。ウエハWで反射された照明光(パターン像の光
束)ILは、集光対物レンズ87、回転方向振動板88
及び結像レンズ89を経て受光器90の手前側に配置さ
れた受光用スリット板98上に再結像される。ここで、
受光器90は、ウエハW上に投影される複数のパターン
像の反射光を個別に受光する複数のフォトダイオード等
の受光センサを有し、受光用スリット板98には、各受
光センサに対応するスリットが設けられている。従っ
て、受光用スリット板98上に再結像されたパターン像
の光束は、それぞれのスリットを介して各受光センサで
受光され、各受光センサからの検出信号(光電変換信
号)はセンサ選択回路93を介して信号処理装置91に
供給される。
【0083】主制御装置28は、加振装置(例えばバイ
ブレータや超音波振動子等)92を介して回転方向振動
板88に振動を与える。各スリット像のウエハWからの
反射光は全て回転方向振動板88によって振動されてい
るため、受光用スリット板98上に再結像される各パタ
ーン像と各受光素子とは相対的に振動している。信号処
理装置91は、センサ選択回路93によって選択された
受光器90上の複数の受光素子からの各検出信号を加振
装置92の振動信号で同期検波してフォーカス信号(S
カーブ信号)を得て、このフォーカス信号を主制御装置
28に供給する。
【0084】なお、主制御装置28は、ウエハWの表面
が基準平面(例えば投影光学系PLの結像面)と一致し
たとき、各フォーカス信号が0となるように、例えば、
スリット板98の前面に配置された不図示のプレーンパ
ラレルの角度を調整したり、あるいはフォーカス信号の
値に電気的にオフセットを加えたりして、予め各受光セ
ンサのキャリブレーションを行っている。
【0085】図6(A)には、パターン形成板83が示
されている。この図6(A)に示されるように、パター
ン形成板83には、5行5列のマトリクス状の配置で、
5×5=25個の開口パターンP11〜P55が形成されて
いる。この場合、列方向(図6(A)における左右方向
で隣接する開口パターンの間隔はD1であり、行方向
(図6(A)における上下方向で隣接する開口パターン
の間隔はD2(>D1)となっている。例えば、D2=
1.35×D1である。また、図6(A)において、1
行1列目の開口パターンP11と2行1列目の開口パター
ンP21との間には、開口パターンP60が形成されてい
る。また、1行5列目の開口パターンP15と2行5列目
の開口パターンP25との間には、開口パターンP70が
形成されている。また、4行1列目の開口パターンP41
と5行1列目の開口パターンP51との間には、開口パタ
ーンP80が形成されている。また、4行5列目の開口
パターンP45と5行5列目の開口パターンP55との間に
は、開口パターンP90が形成されている。このよう
に、パターン形成板83には、合計で29個の開口パタ
ーンが形成されている。
【0086】これらの開口パターンは、パターン形成板
83の4辺の方向(X,Y方向)に対して45度傾斜し
たスリット状となっており、これらの開口パターンの像
がウエハWの表面の、投影光学系PLによるレチクルパ
ターンの投影領域(露光領域)に投影される。
【0087】本実施形態では、照射系74からの像光束
は、XZ平面内で光軸AXに対して所定角度α傾斜した
方向からウエハW面(又は基準マーク板FM表面)に照
射され、この像光束のウエハW面からの反射光束は、X
Z平面内で光軸AXに対して前記照射系74からの像光
束と対称に所定角度α傾斜した方向に進んで受光系76
によって前記の如く受光される。すなわち、上から見る
と、照射系74からの像光束及びその反射光束は、X軸
に沿って一方から他方へ進む。
【0088】このため、ウエハW表面の露光領域Ef内
には、図6(B)に示されるように、X軸、Y軸に対し
て45度傾斜した5行5列のマトリクス状配置で5×
5、合計25個のスリット状の開口パターンP11〜P55
を透過した第1の光束の第1の照射点が形成され、各第
1の照射点にスリット状の開口パターンP11〜P55の像
(以下、「スリット像」という)S11〜S55が形成され
る。この場合、露光領域Efが25mm×33mmの領
域であり、この露光領域Ef内に、5行5列のスリット
像S11〜S55が形成される。列方向(図6(B)におけ
る左右方向で隣接するスリット像の間隔はd1(d1は
例えば5.8mm)であり、行方向(図6(B)におけ
る上下方向で隣接するスリット像の間隔はd2(d2は
例えば7.8mm)となっている。
【0089】本実施形態の多点フォーカス位置検出系
(74、76)において、上記スリット像S11〜S
55は、それぞれの中心点を計測点として、ウエハWと所
定の基準面、例えば投影光学系PLの結像面との光軸A
X方向(Z軸方向)の偏差量、すなわちウエハWのZ位
置を求めるためのものである。
【0090】また、図6(B)に示されるように、開口
パターンP60を透過した第2光束は、ウエハW表面上
のスリット像S11とS21との間に第2照射点を形成し、
該第2照射点にスリット像S60を形成する。同様に、
開口パターンP70を透過した第2光束は、ウエハW表
面上のスリット像S15とS25との間に第2照射点を形成
し、該第2照射点にスリット像S70を形成する。ま
た、開口パターンP80を透過した第2光束は、ウエハ
W表面上のスリット像S41とS51との間に第2照射点を
形成し、該第2照射点にスリット像S80を形成する。
また、開口パターンP90を透過した第2光束は、ウエ
ハW表面上のスリット像S45とS55との間に第2照射点
を形成し、該第2照射点にスリット像S90を形成す
る。
【0091】スリット像S60〜S90は、スリット像
11〜S55のそれぞれとほぼ同じ大きさであり、同様に
X軸及びY軸に対して45°傾いている。第1列のスリ
ット像S11〜S51のそれぞれの中心点、スリット像S6
0の中心点、及びスリット像S80の中心点は全てY軸
に平行な同一直線上にある。また、スリット像S60の
中心点は、スリット像S11の中心点とスリット像S21
中心点との中点に位置する。また、スリット像S80の
中心点は、スリット像S41の中心点とスリット像S51
中心点との中点に位置する。
【0092】上記と同様に、第5列のスリット像S15
55のそれぞれの中心点、スリット像S70の中心点、
及びスリット像S90の中心点は全てY軸に平行な同一
直線上にある。また、スリット像S70の中心点は、ス
リット像S15の中心点とスリット像S25の中心点との中
点に位置する。また、スリット像S90の中心点は、ス
リット像S45の中心点とスリット像S55の中心点との中
点に位置する。
【0093】前述の如く、スリット像S11〜S55、S6
0、S70、S80、S90を形成する光束は、XZ平
面をウエハWに対する入射平面として、ウエハWの表面
に対して斜めに照射される。従って、ウエハWのZ位置
(高さ位置)が変化すると、各スリット像の照射位置も
X軸方向(同一行のスリット像、例えばスリット像S 11
〜S15の並ぶ方向)に沿って移動する。
【0094】なお、本実施形態では、焦点位置検出用と
して5×5(=25個)のスリット像が露光領域Ef内
に配置されるが、露光領域Ef内の全域に渡ってほぼ均
等な間隔でスリット像Sが配置されるのであれば、スリ
ット像Sの数はいくつでも良い。
【0095】図6(C)には、多点フォーカス位置検出
系(74、76)の受光器90が示されている。この受
光器90上にスリット像S11〜S55に対応して5行5列
のマトリクス状にフォトダイオード等から成る第1受光
センサとしてのフォトセンサD11〜D55が配置されてい
る。これらのフォトセンサD11〜D55のそれぞれは、X
軸、Y軸に45度傾斜して配置されている。これに対応
して、受光器90の前面(図1における下面)側に配置
された受光用スリット板98には、これらのフォトセン
サD11〜D55にそれぞれ対向して、X軸、Y軸に対し4
5度傾斜したスリットがそれぞれ形成されている。これ
により、スリット像S11〜S55の反射光以外の光(例え
ば迷光)が入射しないようになっている。
【0096】この場合、フォトセンサD11〜D55に対向
する受光用スリット板98のスリット上に図6(B)の
スリット像S11〜S55がそれぞれ再結像される。そし
て、ウエハWの表面で反射された光を、回転方向振動板
88で回転振動することで、受光用スリット板98上で
は再結像された各像の位置が図6(C)における矢印R
D方向に振動する。従って、各フォトセンサD11〜D55
の検出信号がセンサ選択回路93を介して信号処理装置
91により、回転振動周波数の信号で同期検波される。
【0097】また、図6(C)において、フォトセンサ
11とD21との間には、X軸方向に所定長さで伸びる第
2受光センサとしてのトラッキングセンサD60が配置
されている。受光用スリット板98のこのトラッキング
センサD60に対向する部分には、X軸方向にトラッキ
ングセンサD60に対応して伸びる細長いスリット状の
開口が形成されている。トラッキングセンサD60は、
同一行のフォトセンサ例えば、フォトセンサD11〜D15
の並ぶ方向(X軸方向)に複数の受光領域が配列された
アレイセンサである。トラッキングセンサD60は、ス
リット像S60からの反射光(スリット像の像光束)を
受光すると、検出信号をセンサ選択回路93を介して信
号処理装置91に出力する。信号処理装置91は、トラ
ッキングセンサD60の中心部を基準位置AC(以下、
中心位置「AC」と呼ぶ)として、スリット像S60か
らの反射光の受光位置とこの中心位置ACとのずれ量及
びずれの方向を計測する。この中心位置ACはフォトセ
ンサD11〜D55の第1列のフォトセンサD11〜D51の中
心点を結ぶ直線上にある。すなわち、スリット像S60
からの反射光がトラッキングセンサD60の中心点に照
射されたとき、スリット像S60が形成された照射点に
おけるウエハWのZ位置はベストフォーカス位置とほぼ
一致している。
【0098】上記と同様に、図6(C)において、受光
器90上のフォトセンサD15とD25との間、フォトセン
サD41とD51の間、及びフォトセンサD45とD55との間
には、X軸方向に所定長さで伸びる第2受光センサとし
てのトラッキングセンサD70、D80、D90が、そ
れぞれ配置されている。これらのトラッキングセンサD
70、D80、D90としては、フォトセンサD60と
同一の構成のアレイセンサが用いられている。そして、
受光用スリット板98のこれらのトラッキングセンサD
70、D80、D90にそれぞれ対向する部分には、ト
ラッキングセンサD70、D80、D90に対応してX
軸方向に伸びる細長いスリット状の開口がそれぞれ形成
されている。そして、トラッキングセンサD70、D8
0、D90は、スリット像S70、S80、S90から
の反射光を受光すると、検出信号をセンサ選択回路93
を介して信号処理装置91に出力する。信号処理装置9
1は、スリット像S70、S80、S90からの反射光
のトラッキングセンサD70、D80、D90による受
光位置と各々のトラッキングセンサの中心位置ACとの
ずれ量及びずれの方向を計測する。トラッキングセンサ
D80の中心位置ACは第1列のフォトセンサD11〜D
51の中心点を結ぶ直線上にある。また、トラッキングセ
ンサD70、D90それぞれの中心位置ACは第5列の
フォトセンサD15〜D55の中心点を結ぶ直線上にある。
従って、スリット像S70、S80、S90からの反射
光がトラッキングセンサD70、D80、D90の中心
点に照射されたとき、スリット像S70、S80、S9
0が形成されたそれぞれの照射点におけるウエハWのZ
位置はベストフォーカス位置とほぼ一致している。
【0099】センサ選択回路93は、主制御装置28か
らの指令に応じ、n本(nは、例えば10)の光電変換
信号の出力線(O1 〜On とする)のうちの、特定の出
力線、例えばOnに前述したアレイセンサから成る四つ
のトラッキングセンサD60、D70、D80、D90
のいずれか一つの検出信号を出力させるとともに、残り
の出力線O1 〜On-1のそれぞれに、フォトセンサD11
〜D55の内から選択された(n−1)個、例えば9個の
フォトセンサの検出信号を個別に出力させる回路であ
る。
【0100】信号処理装置91の内部には、例えば、n
本の出力線O1 〜On のそれぞれに個別に接続されたn
個の信号処理回路と、これらの信号処理回路からの出力
信号をデジタル変換するとともに、シリアルデータとし
て主制御装置28に出力する信号出力回路等が設けられ
ている。
【0101】次に、上述のようにして構成された本実施
形態の露光装置本体100により、レチクルRのパター
ンをウエハW上の各ショット領域に順次転写するに際
に、ファーストショットの露光に先立って行われる、ウ
エハWのフォーカス・レベリング制御について簡単に説
明する。前提として、レチクルアライメント、ベースラ
イン計測、及びウエハアライメント等の準備作業は終了
しているものとする。また、レチクルブラインド32
は、レチクルRのパターン領域PAの大きさに合わせて
その開口が設定されているものとする。
【0102】最初に、ウエハW上に図7(A)に示され
るようなショット領域SAm(m=1、2、……、M)
が形成されている場合について説明する。
【0103】この場合、いずれのショット領域SAm
いわゆる欠けショットではないため、主制御装置28
は、メモリ内に予め格納されているショットマップデー
タに基づいて、あるいはオペレータによって入力された
指令に応じて、トラッキングセンサD60、D70、D
80、D90の任意の一つの選択指令と、デフォルト設
定に従った受光センサの選択指令とをセンサ選択回路9
3に与える。これにより、センサ選択回路93によっ
て、例えばトラッキングセンサD60、フォトセンサD
11、D15、D22、D24、D33、D42、D44、D51、D55
が10本の各信号出力線O1〜O10にそれぞれ接続され
る。
【0104】次いで、主制御装置28は、ウエハアライ
メント結果に基づいて、ウエハ駆動装置21を介してX
ステージ58、Yステージ56を駆動し、基板テーブル
60に保持されたウエハW上のファーストショットをレ
チクルパターンの投影位置に位置決めする。
【0105】次いで、照射系74から照明光ILが照射
されるとウエハW上に前述したようにして、スリット像
11〜S55、及びS60〜S90が形成される。但し、
このとき、ウエハWの表面がベストフォーカス位置から
+Z方向にずれているとすると、スリット像S11
55、S60〜S90からの反射光は受光器90の前側
の受光用スリット板98上において図6(C)における
左側にシフトする。このとき、ウエハWの表面の+Z方
向のずれ量が、ある値より小さい場合、すなわち、スリ
ット像S11〜S55からの反射光の受光用スリット板98
上のずれ量が、X軸方向のフォトセンサ間隔より小さけ
れば、スリット像S11〜S55の像光束は、いずれもフォ
トセンサによって受光されない。この一方、ウエハWの
表面の+Z方向のずれ量が、上記のある値にほぼ一致し
た場合には、スリット像S11〜S55の像光束が、それぞ
れに対応するフォトセンサの一つ左隣のフォトセンサに
入射する(以下、このような状態を「ピッチずれ」と呼
ぶ)。第5列のフォトセンサ(D15、D25、D35
45、D55)以外のフォトセンサセンサDがスリット像
からの反射光を受光する。
【0106】上記のいずれの場合も、スリット像S60
からの反射光は、トラッキングセンサD60の中心位置
ACから図6(C)の左側に位置する受光領域で受光さ
れており、その検出信号がセンサ選択回路93を介して
信号処理装置91に出力される。信号処理装置91は、
前述したようにして、スリット像S60からの反射光の
受光位置の中心位置ACからのずれの方向とずれ量を計
測して、主制御装置28に出力する。主制御装置28
は、スリット像S60からの反射光がトラッキングセン
サD60の中心位置ACに来るように、基板テーブル6
0をサーボ制御してウエハWのZ位置をベストフォーカ
ス位置の近傍に配置する。
【0107】一方、ウエハWの表面がベストフォーカス
位置から−Z方向にずれているとすると、スリット像S
11〜S55、S60〜S90は受光用スリット板98上に
おいて図6(C)における右側にシフトする。この場合
も、ずれ量の大小に応じて、スリット像S11〜S55から
の像光束は、いずれもフォトセンサによって受光されな
いか、第1列のフォトセンサ(D11、D21、D31
41、D51)以外のフォトセンサDがスリット像からの
反射光を受光する(ピッチずれ状態)。
【0108】上記のいずれの場合も、スリット像S60
からの反射光は、トラッキングセンサD60の中心位置
ACの右側に位置する受光領域で受光されており、その
検出信号がセンサ選択回路93を介して信号処理装置9
1に出力される。信号処理装置91は、前述したように
して、スリット像S60からの反射光の受光位置の中心
位置ACからのずれの方向とずれ量を計測して、主制御
装置28に出力する。主制御装置28は、スリット像S
60からの反射光がトラッキングセンサD60の中心位
置ACに来るように、基板テーブル60をサーボ制御し
てウエハWのZ位置をベストフォーカス位置の近傍に配
置する。
【0109】このようにして、ウエハWのZ位置が調整
されると、Z位置検出用のスリット像S11〜S55はそれ
ぞれ対応するフォトセンサD11〜D55上に再結像され
る。但し、この場合、フォトセンサD11、D15、D22
24、D33、D42、D44、D51、D55のみが選択されて
いるので、これらのフォトセンサがそれぞれ図5におけ
る信号処理装置91に検出信号を出力する。信号処理装
置91は、それぞれの検出信号に対応したフォーカス信
号を主制御装置28に出力する。そして、主制御装置2
8は、各フォーカス信号に基づいて選択された各計測点
のZ位置を計測し、それらのZ位置に基づいて例えばウ
エハW上の領域の仮想平面を求め、ウエハW上のショッ
ト領域(露光領域Efに一致)がベストフォーカス位置
と一致するようにウエハ駆動装置21を介して基板テー
ブル60のZ駆動及びXY平面に対する傾斜を制御す
る。すなわち、このようにしてウエハWのフォーカス・
レベリング制御を行う。
【0110】このように、本実施形態では、ウエハWの
Z位置のベストフォーカス位置からのずれ量とずれの方
向とを同時に知ることができ、ピッチずれが生じている
ときでも速やかにウエハ表面をベストフォーカス位置の
近傍に配置することが可能となっている。
【0111】なお、トラッキングセンサD60,D7
0,D80,D90をX軸方向に長くすることによっ
て、スリット像S11〜S55からの反射光束の位置ずれ
が、フォトセンサのX軸方向の間隔より大きくなっても
ウエハW表面のZ位置を速やかにベストフォーカス位置
の近傍に移動できる。
【0112】そして、主制御装置28では、照明ユニッ
トILU内のシャッタを開いて露光用照明光ELにより
レチクルRを照射してウエハWのファーストショットに
レチクルRのパターンを転写する。
【0113】その後、主制御装置28では、Yステージ
56及びXステージ58の駆動を制御してウエハW上の
セカンドショット以降のショット領域をレチクルパター
ンの投影領域に順次位置決めしつつ、レチクルRのパタ
ーンを転写する。セカンドショット以降においても、フ
ァーストショットの場合と同様に、トラッキングセンサ
を使用するフォーカス・レベリング制御は可能である。
但し、ファーストショットを露光する際に、ウエハ表面
はベストフォーカス位置とほぼ一致しているため、セカ
ンドショット以降に露光を行う場合に、ウエハW表面と
ベストフォーカス位置とが大きくずれることはない。従
って、セカンドショット以降の露光を行うときには、上
述したトラッキングセンサを用いてウエハ表面をベスト
フォーカス位置の近傍に配置する動作を行う必要はな
く、上述したフォトセンサを用いてフォーカス・レベリ
ング制御のみを行うようにしても良い。
【0114】次に、ウエハW上に図7(B)に示される
ようなショット領域SAm(m=1、2、……、P)が
形成されている場合について説明する。この場合、ショ
ット領域SAmの一部は、いわゆる欠けショットとなっ
ている。この場合、ファーストショットとして選択され
る可能性が高いのは、ショット領域SA1、SA8、SA
k、SAPの四つの欠けショット領域である。この場合、
ファーストショットとしてショット領域SA1が決定さ
れている場合には、主制御装置28では、ショットマッ
プデータに基づいて、あるいはオペレータによって入力
された指令に応じて、トラッキングセンサD90の選択
指令をセンサ選択回路93に与える。また、ファースト
ショットとしてショット領域SA8が決定されている場
合には、主制御装置28では、同様にして、トラッキン
グセンサD80の選択指令をセンサ選択回路93に与え
る。また、ファーストショットとしてショット領域SA
kが決定されている場合には、主制御装置28では、同
様にして、トラッキングセンサD70の選択指令をセン
サ選択回路93に与える。また、ファーストショットと
してショット領域SAPが決定されている場合には、主
制御装置28では、同様にして、トラッキングセンサD
60の選択指令をセンサ選択回路93に与える。また、
主制御装置28では、いずれの場合もデフォルト設定に
従ったフォトセンサの選択指令をセンサ選択回路93に
与える。
【0115】これにより、センサ選択回路93によっ
て、トラッキングセンサD60、D70、D80、D9
0の内の選択されたトラッキングセンサが信号出力線O
10に接続され、フォトセンサD11、D15、D22、D24
33、D42、D44、D51、D55が残りの9本の各信号出
力線O1〜O9にそれぞれ接続される。
【0116】次いで、主制御装置28により、上記と同
様にして、ウエハアライメント結果に基づいて、ウエハ
駆動装置21を介してXステージ58、Yステージ56
を駆動し、基板テーブル60に保持されたウエハW上の
決定されたファーストショットをレチクルパターンの投
影位置に位置決めする。そして、上述と全く同様にし
て、選択されたトラッキングセンサ(D60、D70、
D80、D90の所定の一つ)の検出信号がセンサ選択
回路93を介して信号処理装置91に出力される。信号
処理装置91は、前述と同様にして、選択されたトラッ
キングセンサにおける対応するスリット像からの反射光
の受光位置の中心位置ACからのずれの方向とずれ量を
計測して、主制御装置28に出力する。主制御装置28
は、スリット像からの反射光がその選択されたトラッキ
ングセンサの中心位置ACに来るように、基板テーブル
60をサーボ制御してウエハWのZ位置をベストフォー
カス位置の近傍に配置する。
【0117】以後、図7(A)のウエハW上の各ショッ
ト領域を露光する場合と同様の動作が行われる。このよ
うに、本実施形態では、ファーストショットとしてウエ
ハW上のどこに位置する欠けショット領域が決定されて
も、支障無く、ウエハ表面をベストフォーカス位置の近
傍に配置することが可能となっている。
【0118】図8(A)には、照射系74内のパターン
形成板の変形例が示されている。この図8(A)に示さ
れるパターン形成板83’には、開口パターンP11〜P
55及びP60〜P90とは別に、第2行第3列の開口パ
ターンP23と第3行第3列の開口パターンP33との間に
開口パターンP100が形成されている。
【0119】図8(B)には、図8(A)のパターン形
成板83’を用いたときにウエハW表面の露光領域Ef
内に形成されるスリット像が示されている。この場合、
パターン形成板83’の開口パターンP11〜P55のスリ
ット像S11〜S55及び開口パターンP60〜P90のス
リット像S60〜S90とは別に、開口パターンP10
0のスリット像S100が形成されている。
【0120】図8(C)には、図8(A)のパターン形
成板83’に対応して受光系76内に設けられた変形例
の受光器90’が示されている。この図8(C)に示さ
れる受光器90’には、前述した図6(C)におけるト
ラッキングセンサD60〜D90に代わりに、フォトセ
ンサD11〜D55と同じ構成のトラッキングセンサD60
0〜D900が第2受光センサとして配置されている。
これらのトラッキングセンサD600〜D900は、図
6(C)のトラッキングセンサD60〜D90と同様に
「ピッチずれ」を検出するためのものであるが、トラッ
キングセンサD600〜D900はウエハW表面のスリ
ット像S60〜S90からの反射光の入射の有無によつ
て「ピッチずれ」の有無を検出するもので、スリット像
S60〜S90からの反射光が入射したときにのみ検出
信号を出力する。さらに、図8(C)の受光器90’に
は、第2行目のフォトセンサD21〜D25と第3行目のフ
ォトセンサD31〜D35との間に、スリット像S100か
らの反射光を受光するためのセンサとして方向弁別セン
サD100が配置されている。この方向弁別センサD1
00は、同一行のフォトセンサ、例えばフォトセンサD
21〜D25の並ぶ方向(図8における紙面内左右方向)に
延びており、例えばフォトセンサD21とフォトセンサD
25との間隔とほぼ等しい長さを有している。また、方向
弁別センサD100は、その長手方向の中心点を境とし
て、受光領域D100aと受光領域D100bとに2分
割されている。方向弁別センサD100は、スリット像
S100からの反射光を受光して、ウエハW表面が投影
光学系PLの結像面に対して+Z方向にずれているか、
−Z方向にずれているかを判別するためのものである。
例えば、方向弁別センサD100は、スリット像S10
0からの反射光が受光領域D100aに入射したときに
は、ウエハW表面がべストフォーカス位置から−Z方向
にずれていることを知らせる検出信号を出力し、スリッ
ト像S100からの反射光が受光領域D100bに入射
したときにはウエハW表面がべストフォーカス位置から
+Z方向にずれていることを知らせる検出信号を出力す
る。
【0121】主制御装置28は、図8(A)のパターン
形成板83’と図8(C)の受光器90’を使用する場
合には、方向弁別センサD100の出力に基づいてウエ
ハW表面のZ位置を調整するとともに、トラッキングセ
ンサD600〜D900のうちの選択された少なくとも
一つのセンサからの検出信号の有無に基づいて「ピッチ
ずれ」が生じているか否かをチェックしている。従っ
て、スリット像S11〜S 55からの反射光がそれぞれ対応
するフォトセンサD11〜D55に入射するように、ウエハ
W表面のZ位置をべストフォーカス位置の近傍に速やか
に移動することができる。ウエハW表面のZ位置がべス
トフォーカス位置の近傍に移動すると、主制御装置28
は、フォトセンサD11〜D55のうちの選択された少なく
とも一つのフォトセンサからの検出信号に基づいて基板
テーブル60のZ駆動(及びXY平面に対する傾斜)を
制御し、ウエハW表面と投影光学系PLの最良結像面と
の位置関係の調整を行っている。図8(A)及び(C)
の変形例に係るパターン形成板83’及び受光器90’
を用いた場合にも、前述したパターン形成板83及び受
光器90を使う場合と同様に、露光対象とするショット
領域のウエハW上での位置に応じて、トラッキングセン
サD600〜D900の一部を選択して使うようにすれ
ば良い。
【0122】なお、トラッキングセンサと方向弁別セン
サを用いたフォーカス・レべリング制御の基本概念は特
開平7−130635号公報に開示されている。
【0123】次に、本実施形態の露光装置本体100を
用いて、スキャン露光装置とのミックス・アンド・マッ
チを行う場合について説明する。
【0124】ここでは、図9示されるように、露光領域
Ef’が、25mm×8mmで、一つのショット領域S
A’が25mm×33mmの長方形であるKrFスキャ
ナを、スキャン露光装置として用いるものとする。この
KrFスキャナは、ウエハ側のイメージフィールドが直
径d=(82+2521/2≒26.25mmの円形であ
る投影光学系PL’を備えている。なお、この図9で
は、露光領域Ef’が矢印SDの方向に走査されるよう
に図示されているが、実際には、露光領域Ef’が固定
でウエハWが矢印SDと反対向きに走査される。
【0125】この場合、図9からも明らかなように、本
実施形態の露光装置本体100の露光領域Efのサイズ
とKrFスキャナのショット領域SA’のサイズとが一
致している。このため、このミックス・アンド・マッチ
を行うに当たって、従来のi線ステッパと異なり、いわ
ゆる1in1の露光を行うことが可能となっている。勿
論、このミックス・アンド・マッチでは、クリティカル
レイヤについてはKrFスキャナを用いて露光を行い、
0.35μmラインアンドスペース以上のミドルレイ
ヤ、又はノンクリティカルレイヤについては、露光装置
本体100を用いて露光を行う。本実施形態の露光装置
本体100では、200mmウエハで1時間当たり12
0枚という高スループットを実現することが可能であ
る。
【0126】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態では、照射系74と受光系76(フォトセンサD
11〜D55、トラッキングセンサD60,D70,D8
0,D90あるいはトラッキングセンサD600,D7
00,D800,D900、方向弁別センサD100等
を含む)とから成る多点焦点位置検出系、基板テーブル
60、ウエハ駆動装置21及び主制御装置28等を含ん
で面位置調整装置が構成されている。
【0127】以上詳細に説明したように、本実施形態の
露光装置10は、スキャン露光装置、例えばKrFスキ
ャナにおけるウエハ上の一つのショット領域(区画領
域)を、レチクルRとウエハWとをほぼ静止した状態
で、レチクルRから射出された露光光ELをウエハWに
投射して一括して露光可能な大きさのイメージフィール
ドを有する投影光学系PLを備えている。このため、前
述したミックス・アンド・マッチを行うに際して、Kr
Fスキャナ等のスキャン露光装置で1度に露光が可能な
ショット領域を一度に露光することができる。従って、
1in1露光により、スキャン露光装置の露光可能な最
大範囲をショット領域として設定でき、これにより、ス
キャン露光装置の能力を最大限に発揮させることができ
る。また、スキャン露光装置と露光装置10とは、ショ
ット中心が一緒なので重ね合せによるショット回転、シ
ョット倍率等の残留誤差を極力抑制することが可能とな
る。
【0128】従って、半導体素子などのデバイスを製造
するリソグラフィ工程に、スキャン露光装置による露光
工程が含まれている場合には、本実施形態の露光装置1
0とのミックス・アンド・マッチを採用することによっ
て、高精度化、高スループット化を実現できる。
【0129】また、本実施形態の露光装置10で使用す
るレチクルRは、ガラス基板の一方の面に回路パターン
の他に、スキャン露光装置用のレチクル・アライメント
・マークRxy1〜Rxy14と、静止型露光装置で通常用
いられる一対のレチクル・アライメント・マークRx1
y,Rx2θとが含まれている。このため、例えばミッ
クス・アンド・マッチを行う場合等に、このレチクルR
は、スキャン露光装置、静止型露光装置のいずれでも使
用することが可能である。また、このレチクルRを本実
施形態の露光装置10で用いる場合、一対のレチクルア
ライメント顕微鏡RA1,RA2がX軸方向に可動なの
で、レチクル・アライメント・マークRxy1〜Rxy14
の内のY軸方向中央位置に位置する一対のレチクル・ア
ライメント・マークRxy13,Rxy14を用いてレチク
ルアライメントを行うことも可能である。また、本実施
形態の露光装置10では、一対のレチクルアライメント
顕微鏡RA1,RA2がX軸方向に可動なので、スキャ
ン露光装置で用いられるレチクル(スキャン露光装置用
のレチクル・アライメント・マークのみが形成されてい
る)を用いても、支障無くレチクルアライメントを実行
することが可能である。
【0130】また、レチクルRには、スリットスキャン
方式の空間像計測器による投影光学系PLの結像特性計
測の際に、空間像計測に用いられる計測用パターンMP
Ma1,MPMb1,MPMa2,MPMb2,MPMc1,MP
Mc2,MPMd1,MPMd2が設けられている。このた
め、このレチクルRを用いる場合には、計測用パターン
が形成された空間像計測専用の計測レチクル(テストレ
チクル)を用意する必要はない。勿論、空間像計測に際
しては、各計測用パターンの周囲部分のみが露光光EL
によって照明されるように、レチクルブラインド32の
開口の位置、大きさを変更する必要がある。
【0131】また、本実施形態の露光装置では、焦点位
置検出系(74,76)を構成する照射系74が、Z位
置追従用のスリット像S60,S70,S80,S90
(第2照射点)を、レチクルRのパターン領域PA内の
回路パターンが投影されるウエハW上の投影領域(露光
領域)Ef内の四つのコーナー近傍に各一つ形成すると
ともに、各第2照射点からの反射光束(スリット像の光
束)を個別に受光可能なトラッキングセンサD60、D
70、D80、D90(あるいは、D600.D70
0,D800,D900)が設けられている。このた
め、投影領域が矩形の一部が欠けているような形状であ
っても、すなわち、露光対象のショット領域がいわゆる
欠けショットであっても、少なくとも一つの第2照射点
(スリット像S60,S70,S80,S90のいずれ
か)をそのウエハW(ショット領域)上に形成すること
ができ、その反射光束に対応するトラッキングセンサの
出力に基づいて、主制御装置28が、基板テーブル60
を移動させることによって、基板テーブル60上に保持
されたウエハWを投影光学系PLの最良結像面の近傍に
配置することができる。そして、ウエハWが投影光学系
PLの最良結像面の近傍に配置された後、複数の第1の
照射点(スリット像S11〜S55)からの像光束が対応す
るフォトセンサD11〜D55で個別に受光される。そし
て、主制御装置28は、選択されたフォトセンサからの
偏差信号に基づいて、ウエハW表面を投影光学系PLの
最良結像面にほぼ一致させるように基板テーブル60の
光軸方向の駆動を制御する。これにより、露光対象のシ
ョット領域がいわゆる欠けショットであっても、ウエハ
Wの光軸方向に関する位置ずれを速やかに調整すること
ができ、ウエハ表面を投影光学系PLのの最良結像面に
速やかにほぼ一致させることができる。
【0132】従って、本実施形態の露光装置10では、
ウエハW上にいわゆる欠けショットを設けても特に支障
は生じないので、前述した図7(A)のようなショット
領域の配置のみでなく、図7(B)のようなショット領
域の配置が可能となる。これら図7(A)と図7(B)
とを比べると明らかなように、ウエハの面積利用効率を
向上させることができるとともに、ウエハW上のショッ
ト領域の配置に際してその自由度を向上させることがで
きる。
【0133】また、本実施形態では、投影領域Ef内の
四つのコーナー近傍に各一つの第2照射点が形成され、
各第2照射点に対応してトラッキングセンサが個別に設
けられているので、最初に露光が行われるファーストシ
ョットとして、ウエハW上のどの位置のショット領域
(欠けショットを含む)を決定(選択)しても支障はな
い。このため、ショット領域の露光順序の決定(選択)
の際の自由度をも向上させることができる。
【0134】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではなく、トラッキングセンサは、少なくとも一つ
設ければ良く、このトラッキングセンサに対応するスリ
ット像(第2照射点)が、ウエハW上のレチクルパター
ンの投影領域のいずれかのコーナー近傍に形成されれば
良い。かかる場合であっても、ファーストショットとし
てウエハW上の適当な位置に存在するショット領域を選
択することにより、そのショット領域がいわゆる欠けシ
ョットであっても、ウエハの光軸方向に関する位置ずれ
を速やかに調整することができる。
【0135】あるいは、Z追従用のスリット像(第2照
射点)をウエハ上のレチクルパターンの投影領域の四つ
のコーナーにそれぞれ複数形成し、これらのスリット像
からの反射光を個別に受光するトラッキングセンサを第
2照射点の数に対応する数だけ設けても良い。この場
合、各第2照射点は、図10に示されるように、投影領
域EfをXY2次元方向に沿って四つの矩形領域Ef1
〜Ef4に分割し、かつ各分割領域EFi(i=1、
2、3、4)をその対角線に沿って2分割した二つの三
角形領域のうちの外側に位置する領域(図10中の斜線
部)内に、配置することとすることができる。
【0136】また、上記実施形態では、四つのトラッキ
ングセンサの内から使用するトラッキングセンサを、フ
ァーストショットのウエハ上の位置に応じて選択する場
合について説明したが、これは、レチクルパターンが投
影光学系PLにより投影されるウエハ上の投影領域Ef
が、矩形の一部が欠けている欠けショットである場合
に、その形状に応じ適切なトラッキングセンサを選択し
ていることに他ならない。従って、上述の如く、Z追従
用のスリット像(第2照射点)をウエハ上のレチクルパ
ターンの投影領域の四つのコーナーにそれぞれ複数形成
し、これらのスリット像からの反射光を個別に受光する
トラッキングセンサを第2照射点の数に対応する数だけ
設ける場合に、ショット領域のサイズに応じて使用する
トラッキングセンサを選択するようにしても良い。ある
いは、複数のトラッキングセンサがある場合に、必ずし
も使用するトラッキングセンサを選択できるようにしな
くても良い。
【0137】同様に、上記実施形態では、複数のフォト
センサD11〜D55の内から使用するフォトセンサが任意
に選択可能である場合について説明したが、これに限ら
ず、全てのフォトセンサを同時に使用することとしても
良い。
【0138】また、上記実施形態では、ウエハW表面が
投影光学系PLの最良結像面の近傍に配置されたとき、
選択されたトラッキングセンサを、フォーカス・レベリ
ング制御のために、フォトセンサD11〜D55の内の選択
されたものと併用することとしても良い。ウエハW表面
が投影光学系PLの最良結像面の近傍にあるとき、トラ
ッキングセンサD60〜D90の場合は、検出信号とし
て光軸方向に関するウエハW表面の所定の基準面に対す
る偏差量に対応した信号を実質的に出力し、トラッキン
グセンサD600〜D900としては、フォトセンサD
11〜D55と同様のセンサが用いられているからである。
【0139】なお、上記実施形態では、ミックス・アン
ド・マッチに用いられるスキャン露光装置における一つ
のショット領域(区画領域)が、25mm×33mmの
長方形状であるものとしたが、これに限らず、26mm
×33mmのサイズの長方形状であっても良い。この場
合、上記実施形態と同様に、レチクルとしては、6イン
チサイズのレチクルを用い、投影光学系PLの投影倍率
は1/4倍であることとすることができる。
【0140】あるいは、スキャン露光装置における一つ
のショット領域(区画領域)は、22mm×26mmの
サイズの長方形状であることとすることができる。この
場合、レチクルは、6インチサイズのレチクルを用い、
投影光学系PLとして投影倍率が1/5倍のものを用い
ることとすることができる。
【0141】これらの場合も、上記実施形態と同様に、
静止型露光装置の投影光学系として、そのイメージフィ
ールド(ウエハ側)が、スキャン露光装置における一つ
のショット領域がほぼ内接するような直径の円形である
ものを用いれば良い。すなわち、スキャン露光装置にお
ける一つの区画領域が(amm×bmm)の矩形である
場合、静止型露光装置の投影光学系としては、そのイメ
ージフィールドが、直径D≒(a2+b21/2の円形の
ものを用いれば良い。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜7に記
載の各発明によれば、スキャニング・ステッパなどのス
キャン露光装置とのミックス・アンド・マッチを行う際
に、そのスキャン露光装置の能力を最大限に発揮させる
ことができるとともに、重ね合せに際して残留誤差の発
生を効果的に抑制できる静止型の露光装置を提供するこ
とができる。
【0143】また、請求項8又は9に記載の発明によれ
ば、ミックス・アンド・マッチを行う場合等に際して、
スキャン露光装置、静止型露光装置のいずれでも使用す
ることが可能なマスクを提供することができる。
【0144】また、請求項9〜16に記載の各発明によ
れば、第1物体のパターンが投影光学系により投影され
る第2物体上の投影領域が、一部が欠けているような形
状であっても、その第2物体の投影光学系の光軸方向に
関する位置ずれを速やかに調整することができる面位置
調整装置を提供することができる。
【0145】また、請求項17〜19に記載の各発明に
よれば、基板上の区画領域の配置の決定や、区画領域の
順番の決定(選択)の際の自由度を向上させることがで
きる露光装置を提供することができる。
【0146】また、請求項20に記載の発明に係るデバ
イス製造方法によれば、高精度化、高スループット化の
少なくとも一方によりデバイスの生産性の向上に寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示
す図である。
【図2】図1の照明ユニット部分の詳細を示す図であ
る。
【図3】図1のレチクルRをパターン面側(図1におけ
る下面側)から見て示す図(平面図)である。
【図4】図1のウエハホルダを示す平面図である。
【図5】図1の焦点位置検出系の詳細構成をステージ装
置とともに示す図である。
【図6】図6(A)は、パターン形成板の一例を示す平
面図、図6(B)は、図6(A)のパターン形成板に対
応するウエハ表面上におけるパターン像の配置を示す
図、図6(C)は、図6(A)のパターン形成板に対応
する受光器を示す図である。
【図7】図7(A)は、ウエハ上に形成されるショット
領域の配置の一例を示す図、図7(B)は、ウエハ上に
形成されるショット領域の配置の他の例を示す図であ
る。
【図8】図8(A)は、パターン形成板の変形例を示す
平面図、図8(B)は、図8(A)のパターン形成板に
対応するウエハ表面上におけるパターン像の配置を示す
図、図8(C)は、図8(A)のパターン形成板に対応
する受光器を示す図である。
【図9】本実施形態の露光装置10を用いて、スキャン
露光装置とのミックス・アンド・マッチを行う場合の例
を説明するための図である。
【図10】Z追従用のスリット像(第2照射点)の好適
な配置範囲を説明するための図である。
【符号の説明】
10…露光装置、21…ウエハ駆動装置(面位置調整装
置の一部)、28…主制御装置(制御装置、面位置調整
装置の一部)、60…基板テーブル(ステージ、面位置
調整装置の一部)、74…照射系(面位置調整装置の一
部)、76…受光系(面位置調整装置の一部)、D11〜
D55…フォトセンサ(第1受光センサ)、D60,D7
0,D80,D90…トラッキングセンサ(第2受光セ
ンサ)、D600,D700,D800,D900…ト
ラッキングセンサ(第2受光センサ)、S11〜S55…ス
リット像(第1照射点)、S60,S70,S80,S
90…スリット像(第2照射点)、W…ウエハ(基板、
第2物体)、R…レチクル(マスク、第1物体)、PL
…投影光学系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 502A 515D 526B Fターム(参考) 2H095 BA02 BA07 BE03 2H097 AB09 BA10 CA12 GB01 JA02 KA03 KA12 KA20 KA38 LA10 5F046 BA05 CA04 CB25 DA14 DB05

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギビームにより基板を露光して所
    定のパターンを前記基板上に形成する露光装置であっ
    て、 スキャン露光装置における前記基板上の一つの区画領域
    を、マスクと前記基板とをほぼ静止した状態で、前記マ
    スクから射出された前記エネルギビームを前記基板に投
    射して一括して露光可能な大きさのイメージフィールド
    を有する投影光学系を備えた露光装置。
  2. 【請求項2】 前記スキャン露光装置における前記一つ
    の区画領域は、(25mm×33mm)及び(26mm
    ×33mm)のいずれかのサイズの長方形状であること
    を特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記マスクは、6インチサイズであり、
    前記投影光学系の投影倍率は1/4倍であることを特徴
    とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記スキャン露光装置における前記一つ
    の区画領域は、(22mm×26mm)のサイズの長方
    形状であることを特徴とする請求項1に記載の露光装
    置。
  5. 【請求項5】 前記マスクは、6インチサイズであり、
    前記投影光学系の投影倍率は1/5倍であることを特徴
    とする請求項4に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記イメージフィールドは、前記スキャ
    ン露光装置における前記一つの区画領域がほぼ内接する
    ような直径の円形であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 前記投影光学系は、前記基板上に0.3
    5μmの線幅を持ったパターンを解像可能であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装
    置。
  8. 【請求項8】 一方の面に所定のパターンが形成された
    マスクであって、 前記所定のパターンには、回路パターンの他に、スキャ
    ン露光装置用のマスクアライメントマークと静止型露光
    装置用のマスクアライメントマークとが含まれることを
    特徴とするマスク。
  9. 【請求項9】 前記所定のパターンには、空間像計測用
    パターンが更に含まれることを特徴とする請求項8に記
    載のマスク。
  10. 【請求項10】 第1物体に形成されたパターンを第2
    物体の面上に投影する投影光学系の像面に前記第2物体
    表面をほぼ一致させる面位置調整装置であって、 前記第2物体に対して斜め方向から第1光束を照射して
    前記投影光学系による前記パターンの投影領域内に複数
    の第1照射点を形成するとともに、前記第2物体に対し
    て斜め方向から第2光束を照射して前記投影領域の少な
    くとも一つのコーナー近傍に第2照射点を形成する照射
    系と;前記第1照射点からの反射光を個別に光電検出可
    能で、前記各第1照射点における前記基板表面の前記投
    影光学系の光軸方向に関する所定の基準面に対する偏差
    量に対応した偏差信号を出力可能な第1受光センサと;
    前記第2光束の前記第2物体からの反射光を光電検出可
    能な第2受光センサと;前記第2物体を保持するととも
    に、少なくとも前記光軸方向に駆動可能なステージと;
    前記第2受光センサの出力に基づいて前記ステージの前
    記光軸方向の駆動を制御して前記第2物体表面を前記投
    影光学系の最良結像面の近傍に配置するとともに、前記
    各第1受光センサの出力に基づいて前記第2物体表面を
    前記投影光学系の最良結像面にほぼ一致させるように前
    記ステージの前記光軸方向の駆動を制御する制御装置と
    を備える面位置調整装置。
  11. 【請求項11】 前記第2照射点は、前記投影領域の四
    つのコーナー近傍に少なくとも各一つ形成され、当該各
    第2照射点に対応して前記第2受光センサが個別に設け
    られていることを特徴とする請求項10に記載の面位置
    調整装置。
  12. 【請求項12】 前記第2照射点に対応する少なくとも
    四つの第2受光センサの内から使用する第2受光センサ
    の選択が可能であることを特徴とする請求項11に記載
    の面位置調整装置。
  13. 【請求項13】 前記投影領域を前記2次元方向に沿っ
    て四つの矩形領域に分割し、かつ各分割領域をその対角
    線に沿って2分割した二つの三角形領域のうちの外側に
    位置する領域内に、前記各第2照射点が配置されている
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の面位置調
    整装置。
  14. 【請求項14】 前記第2受光センサは、トラッキング
    センサとして機能し、 前記第2受光センサの出力は、検出信号の有無を含むこ
    とを特徴とする請求項10に記載の面位置調整装置。
  15. 【請求項15】 前記複数の第1受光センサの内から使
    用する第1受光センサが任意に選択可能であることを特
    徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の面位
    置調整装置。
  16. 【請求項16】 前記第2物体表面が前記投影光学系の
    最良結像面の近傍にあるとき、前記第1受光センサと前
    記第2受光センサの出力とを併用することを特徴とする
    請求項10〜15のいずれか一項に記載の面位置調整装
    置。
  17. 【請求項17】 マスクと基板とをほぼ静止させた状態
    で、前記マスクのパターンを投影光学系を介して前記基
    板上に転写する露光装置であって、 前記第1物体が前記マスクであり、前記第2物体が前記
    基板であり、前記投影光学系の最良結像面に前記基板表
    面を一致させる請求項10〜16のいずれか一項に記載
    の面位置調整装置を備えることを特徴とする露光装置。
  18. 【請求項18】 前記第2照射点は、前記投影領域の複
    数のコーナー近傍に形成され、 前記制御装置は、前記投影領域に対応する区画領域の前
    記基板上での位置に応じて、前記複数のコーナーのうち
    の少なくとも一つのコーナー近傍に形成された前記第2
    照射点を選択して前記ステージの駆動を制御することを
    特徴とする請求項17に記載の露光装置。
  19. 【請求項19】 前記投影光学系は、前記マスクを使っ
    た前記基板の露光工程の前又は後に、前記基板を走査露
    光するために使用されるスキャン露光装置の前記基板上
    の一つの区画領域を前記マスクと前記基板とをほぼ静止
    した状態で一括して露光可能な大きさのイメージフィー
    ルドを有することを特徴とする請求項17に記載の露光
    装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜7及び請求項17〜19の
    いずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光する
    リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法。
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