JP2002175962A - 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法及びデバイス製造方法

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JP2002175962A
JP2002175962A JP2000369771A JP2000369771A JP2002175962A JP 2002175962 A JP2002175962 A JP 2002175962A JP 2000369771 A JP2000369771 A JP 2000369771A JP 2000369771 A JP2000369771 A JP 2000369771A JP 2002175962 A JP2002175962 A JP 2002175962A
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area
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exposure
wafer
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Tsuneo Miyai
恒夫 宮井
Tatsuhiko Kimura
達彦 木村
Koichi Kamei
浩一 亀井
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Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デフォーカスに起因する露光不良の発生を防
止する。 【解決手段】 基板W上の各計測点に照射される計測光
の照射領域の大きさ及び形状の少なくとも一方を考慮し
て、基板の光軸方向位置の検出に使用する計測点が制御
装置20により選択される。この場合、制御装置では、
計測点の照射領域が区画領域からはみ出さない計測点の
みを選択することができるので、多点焦点位置検出系
(40,42)では選択された計測点のみを使用して、
マスクパターンの転写対象の区画領域の光軸方向の位置
(及び傾斜)を高精度に計測する。従って、基板上の複
数の区画領域に投影光学系PLを介してマスクRのパタ
ーンを順次転写する際に、前記計測結果に基づいて、基
板上の区画領域を投影光学系の像面に精度良く位置合わ
せすることにより、デフォーカスに起因する露光不良の
発生を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置、露光方
法及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、半導体
素子,液晶表示素子等をリソグラフィ工程で製造する際
に用いられる露光装置、露光方法、及び前記露光装置を
用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・
リピート方式の静止型投影露光装置(いわゆるステッ
パ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影
露光装置(走査ステップ式投影露光装置:いわゆるスキ
ャニング・ステッパ)などの投影露光装置が主として用
いられている。
【0003】この種の投影露光装置では、ウエハ又はガ
ラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)
上のショット領域に転写されるパターンの露光不良や各
ショット領域内の露光ムラなどを防ぐために、投影光学
系の最良結像面にウエハ表面を一致させた状態でレチク
ル(又はマスク)のパターンをウエハ上に転写する必要
がある。このため、投影露光装置では、投影光学系の光
軸方向に関するウエハ表面の位置(以下、適宜「面位置
情報」と呼ぶ)を検出する焦点位置検出系が設けられて
いる。近年の露光装置では、ウエハの光軸方向位置の計
測点が1点では、ウエハ表面の段差の影響により正確な
面位置情報を検出できないため、ウエハ上の複数点にお
ける面位置情報を検出する多点焦点位置検出系(以下、
「多点AF系」ともいう)が設けられている。
【0004】この多点AF系としては、例えば特開平6
−283403号公報などに開示される斜入射光式の多
点焦点位置検出系が知られている。この多点AF系は、
複数の結像光束をウエハ上の複数の計測点に対して斜め
方向から照射して、その複数の結像光束のウエハ表面か
らの反射光を複数の受光素子で個別に受光し、この受光
信号に基づいてウエハ上の各計測点における面位置情報
を精度良く検出するものである。
【0005】しかるに、従来の多点AF系を備えた露光
装置では、ウエハ上の計測点は、例えば5×5、5×
9、7×7等のマトリクス状に25個、45個、49個
等配置されていたが、受光素子からの信号を処理する信
号処理系のチャネル数が、最大で9個程度しか用意され
てないため、ウエハ表面の複数の計測点、従ってこれに
個別に対応する受光素子の中から、実際の面位置情報の
計測に使用する計測点(受光素子)を選択する必要があ
った。このため、従来の投影露光装置では、レチクル
(又はマスク)上の露光光の照明領域を設定する照明光
学系内の視野絞り(レチクルブラインド)の設定情報
(マスクキング情報とも呼ばれる)に基づいて、計測点
(受光素子)を選択していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如く、レチクルブラインドの設定情報に基づいて多点A
F系の計測点(受光素子)を選択すると、実際のショッ
ト領域よりもはみ出した部分に位置するフォーカスセン
サを選択することがあった。その理由は、通常レチクル
ブラインドにより設定される領域は、レチクルのパター
ン領域を区画する遮光帯の幅の範囲内に収まるようにレ
チクルブラインドの機械的な精度による影響等を加味し
て設定されるため、遮光帯の内側エッジによって定めら
れるウエハ上のショット領域(これに対応するレチクル
上のパターン領域)よりも広めに設定されるからであ
る。特に、ウエハ周辺部等のショット領域を露光する場
合に、ショット領域からはみ出した計測点部分に照射さ
れた結像光束の反射光束に基づいてパターンの形成され
ていない部分のウエハの面位置情報が検出されるような
場合には、結果的にこのフォーカス情報に基づいてウエ
ハの光軸方向位置及び傾斜が制御されるため、デフォー
カスに起因する露光不良が発生するおそれがあった。
【0007】また、計測点の位置は、その中心点の位置
座標によって管理されているため、その位置座標を計測
点選択の基準にすると、結像光束の照射領域の一部がシ
ョット領域からはみ出す可能性があった。この場合に
も、結果的にこのフォーカス情報に基づいてウエハの光
軸方向位置及び傾斜が制御され、デフォーカスに起因す
る露光不良が発生するおそれがあった。
【0008】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、露光時のデフォーカスに起因す
る露光不良の発生を効果的に抑制することが可能な露光
装置及び露光方法を提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、高集積度の
マイクロデバイスの生産性の向上に寄与するデバイス製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の露光装
置は、エネルギビーム(IL)によりマスク(R)を照
明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系
(PL)を介して基板(W)上の複数の区画領域(S
A)に順次転写する露光装置であって、前記基板上の複
数の計測点に計測光を照射し、その反射光を検出するこ
とによって前記各計測点における前記投影光学系の光軸
方向に関する位置を検出可能な多点焦点位置検出系(4
0,42)と;前記各計測点に照射される前記計測光の
照射領域(S 11〜S77)の大きさ及び形状の少なくとも
一方を考慮して、前記マスクパターンの転写の際に前記
基板の光軸方向位置の検出に使用する計測点を選択する
選択装置(20、93)と;を備える。
【0011】これによれば、選択装置により、基板上の
各計測点に照射される計測光の照射領域の大きさ及び形
状の少なくとも一方を考慮して、マスクパターンの転写
の際に基板の光軸方向位置の検出に使用する計測点が選
択される。そして、マスクに形成されるパターンを投影
光学系を介して基板上の複数の区画領域に順次転写する
際には、多点焦点位置検出系により基板上の各計測点に
計測光が照射され、それぞれの反射光が検出される。こ
の場合、選択装置では、計測点の照射領域が区画領域か
らはみ出さない計測点のみを選択することができるの
で、結果的に多点焦点位置検出系によりその選択された
計測点のみからの反射光に基づいてマスクパターンの転
写対象の区画領域の光軸方向の位置が高精度に計測され
る。従って、この計測結果に基づいて、基板上の区画領
域を投影光学系の像面に精度良く位置合わせすることに
より、デフォーカスに起因する露光不良の発生を防止す
ることができる。
【0012】この場合において、請求項2に記載の露光
装置の如く、前記選択装置は、前記区画領域の設定に関
する情報を更に考慮して前記検出領域を選択することと
することができる。
【0013】この場合において、区画領域の設定に関す
る情報としては、種々の情報が考えられる。例えば,請
求項3に記載の露光装置の如く、前記区画領域の設定に
関する情報は、前記区画領域の設定の基準となる設計上
の基準情報と、該基準情報の性質に応じて定められた所
定のマージン情報とを含むこととすることができる。
【0014】この場合において、請求項4に記載の露光
装置の如く、前記エネルギビームによる前記マスク上の
照明領域を設定する視野絞り(5)を更に備える場合に
は、前記基準情報には、前記視野絞りの設定情報、前記
マスク上のパターン領域(PA)の形状、及び前記基板
上の隣接する区画領域を連続的に露光する際の前記基板
の移動量のいずれかであることとすることができる。
【0015】上記請求項1〜4に記載の各露光装置にお
いて、請求項5に記載の露光装置の如く、前記多点焦点
位置検出系は、前記基板表面に所定角度傾斜した方向か
ら複数の計測光束を照射する照射系(40)と、前記各
計測光束の前記基板表面における反射光束をそれぞれ受
光可能な受光系(42)とを有する、斜入射方式の多点
焦点位置検出系であることとすることができる。
【0016】請求項6に記載の露光方法は、エネルギビ
ーム(IL)によりマスク(R)を照明し、前記マスク
に形成されたパターンを投影光学系(PL)を介して基
板(W)上の複数の区画領域(SA)に順次転写する
際、前記基板上の複数の計測点に計測光を照射し、その
反射光を検出することによって前記各計測点における前
記投影光学系の光軸方向に関する位置を検出可能な多点
焦点位置検出系(40,42)によって前記基板の面位
置情報を得る露光方法であって、前記各計測点に照射さ
れる前記計測光の照射領域(S11〜S77)の大きさ及び
形状の少なくとも一方を考慮して、前記マスクパターン
の転写の際に前記基板の光軸方向位置の検出に使用する
計測点を選択することを特徴とする。
【0017】これによれば、基板上の各計測点に照射さ
れる計測光の照射領域の大きさ及び形状の少なくとも一
方を考慮して、マスクパターンの転写の際に基板の光軸
方向位置の検出に使用する計測点を選択することから、
計測光の照射領域が区画領域からはみ出さない計測点の
みを選択することができ、多点焦点位置検出系ではその
選択された計測点のみを使用してマスクパターンの転写
対象の区画領域の光軸方向の位置(及び傾斜)を高精度
に計測することができる。従って、この計測結果に基づ
いて、基板上の区画領域を投影光学系の像面に精度良く
位置合わせすることにより、デフォーカスに起因する露
光不良の発生を防止することができる。
【0018】請求項7に記載のデバイス製造方法は、リ
ソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記
リソグラフィ工程では、請求項1〜5のいずれか一項に
記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図
1には、第1実施形態に係る露光装置の構成が概略的に
示されている。この露光装置100は、ステップ・アン
ド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッ
パ)である。
【0020】この露光装置100は、光源1及び照明光
学系(2、3、5〜7)を含む照明系、マスクとしての
レチクルRを保持するマスクステージとしてのレチクル
ステージRST、投影光学系PL、基板としてのウエハ
Wを保持してXY平面をXY2次元方向に移動する基板
テーブル18を備えたXYステージ装置14、及びこれ
らの制御系等を備えている。
【0021】前記照明系は、光源1、コリメータレン
ズ、フライアイレンズ等(いずれも不図示)からなる照
度均一化光学系2、リレーレンズ3、視野絞りとしての
レチクルブラインド5、リレーレンズ6及び折り曲げミ
ラー7(この内、照度均一化光学系2、リレーレンズ
3、6及び折り曲げミラー7によって照明光学系が構成
される)等を含んで構成されている。
【0022】ここで、この照明系の構成各部についてそ
の作用とともに説明すると、光源1で発生した照明光I
Lは不図示のシャッタを通過した後、照度均一化光学系
2により照度分布がほぼ均一な光束に変換される。照明
光ILとしては、例えばKrFエキシマレ−ザ光やAr
Fエキシマレーザ光等のエキシマレーザ光を用いられる
ものとする。
【0023】照度均一化光学系2から水平に射出された
光束は、リレーレンズ3を介して、レチクルブラインド
5に達する。レチクルブラインド5としては、開口形状
が可変な可変ブラインドが用いられている。このレチク
ルブラインド5は、例えば2枚のL字状の可動ブレード
45A、45Bから成る可動ブラインド(以下、この可
動ブラインドを「可動ブラインド45A、45B」とも
呼ぶ)が設けられている。この可動ブラインド45A、
45Bの配置面はレチクルRのパターン面と共役となっ
ている。可動ブラインド45A、45Bは、可動ブライ
ンド駆動機構43A、43Bによって駆動されるように
なっており、この駆動機構43A、43Bの動作が主制
御装置20によって制御されるようになっている。
【0024】レチクルブラインド5を通過した光束は、
リレーレンズ6を通過して折り曲げミラー7に至り、こ
こで鉛直下方に折り曲げられて回路パターン等が描かれ
たレチクルRの照明領域IAR(図2参照)部分を照明
する。
【0025】前記レチクルステージRSTは、その上面
の四つのコーナー部分に真空吸着部52を有し、この真
空吸着部52を介してレチクルRがレチクルステージR
ST上に保持されている。このレチクルステージRST
は、レチクルR上の回路パターンが形成された領域であ
るパターン領域PAに対応した開口(図示省略)を有
し、不図示の駆動機構によりX方向、Y方向、θz方向
(Z軸回りの回転方向)に微動可能となっている。
【0026】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX方
向(照明光学系の光軸IXに一致)をZ軸方向とされ、
ここでは両側テレセントリックな縮小光学系であり、光
軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚のレン
ズエレメントから成る屈折光学系が使用されている。
【0027】前記XYステージ装置14は、不図示のベ
ース上を図1におけるY方向に往復移動可能なYステー
ジ16と、このYステージ16上をY方向と直交するX
方向に往復移動可能なXステージ12と、このXステー
ジ12上に設けられた基板テーブル18とを有してい
る。また、基板テーブル18上に、ほぼ円形のウエハホ
ルダ25が載置され、このウエハホルダ25によってウ
エハWが真空吸着によって保持されている。
【0028】前記基板テーブル18は、Xステージ12
上にXY方向に位置決めされ、かつZ軸方向の移動及び
XY平面に対する傾斜が許容された状態で取り付けられ
ている。そして、この基板テーブル18は、異なる3点
の支持点で不図示の3本の軸によって支持されており、
これら3本の軸がウエハ駆動装置21によって独立して
Z軸方向に駆動され、これによって基板テーブル18上
に保持されたウエハWの面位置(Z軸方向位置及びXY
平面に対する傾斜)が所望の状態に設定されるようにな
っている。
【0029】この基板テーブル18上には移動鏡27が
固定され、外部に配置された干渉計31により、基板テ
ーブル18のX方向、Y方向及びθz方向(Z軸回りの
回転方向)の位置がモニタされ、干渉計31により得ら
れた位置情報が主制御装置20に供給されている。主制
御装置20は、ウエハ駆動装置21(これは、Xステー
ジ12、Yステージ16の駆動系及び基板テーブル18
の駆動系の全てを含む)を介してYステージ16、Xス
テージ12及び基板テーブル18の位置決め動作を制御
すると共に、装置全体の動作を統括制御する。
【0030】本実施形態の露光装置100においては、
図2に示されるように、レチクルRよりも一回り小さい
矩形の照明領域IARでレチクルRが照明され、照明領
域IAR(中心は光軸AXとほぼ一致)は投影光学系P
Lを介してウエハW上に投影され、レチクルR上の照明
領域IARに共役なウエハW上の投影領域、すなわちウ
エハW上の照明領域(以下、前記照明領域IARとの識
別のため「露光領域」と呼ぶ)IAが形成される。従っ
て、レチクルRのパターン領域PAのパターンがウエハ
W上のショット領域SA上に正確に縮小転写される。こ
こで、照明領域IARの大きさは、レチクルR上のパタ
ーン領域PAよりも広く、遮光領域(遮光帯)STの最
大幅よりも狭くなるように設定され、パターン領域PA
全面が照明されるようになっている。
【0031】図1に戻り、本実施形態では、投影光学系
PLによるパターンの投影領域内にウエハWが位置した
ときXY平面に平行な基準となる仮想的な面(基準面)
に対するウエハW表面のZ方向(光軸AX方向)の位置
を検出するための斜入射光式の多点焦点位置検出系が設
けられている。この多点焦点位置検出系は、投影光学系
PLの光軸に対して所定角度傾斜した方向からウエハW
表面に多数の計測光束としての結像光束を照射する照射
系40と、それらの結像光束のウエハW表面からの反射
光を個別に受光する多数のフォトセンサ(受光素子)を
有する受光系42とを備えている。
【0032】これを更に詳述すると、照射系40は、図
1に示されるように、光ファイバ束81、集光レンズ8
2、パターン形成板83、レンズ84、ミラー85及び
照射対物レンズ86等を含んで構成されている。また、
受光系42は、集光対物レンズ87、回転方向振動板8
8、結像レンズ89、受光用スリット板98及び多数の
フォトセンサを有する受光器90等を含んで構成されて
いる。
【0033】ここで、この多点焦点位置検出系(40、
42)の構成各部の作用を説明すると、露光用照明光と
は異なるウエハW上のフォトレジストを感光させない波
長の照明光が、図示しない照明光源から光ファイバ束8
1を介して導かれている。光ファイバ束81から射出さ
れた照明光は、集光レンズ82を経て複数のスリット状
の開口パターンが形成されたパターン形成板83(図3
(A)参照)を照明する。パターン形成板83を透過し
た各開口パターンの結像光束は、レンズ84、ミラー8
5及び照射対物レンズ86を経てウエハW表面に投影さ
れ、ウエハW表面にはパターン形成板83上の各開口パ
ターンの像(スリット像)が投影結像される。ウエハW
で反射された各スリット像の光束は、集光対物レンズ8
7、回転方向振動板88及び結像レンズ89を経て受光
器90の手前側に配置された受光用スリット板98上に
再結像される。ここで、受光器90は、ウエハW上に投
影される複数のスリット像の光束の反射光束を個別に受
光する複数のフォトダイオード等のフォトセンサを有
し、受光用スリット板98には、各フォトセンサに対応
するスリットが設けられている。従って、受光用スリッ
ト板98上に再結像されたスリット像の光束は、それぞ
れのスリットを介して各フォトセンサで受光され、各フ
ォトセンサからの検出信号(光電変換信号)はセンサ選
択回路93を介して信号処理装置91に供給される。
【0034】主制御装置20は、加振装置(例えばバイ
ブレータや超音波振動子等)92を介して回転方向振動
板88に振動を与える。各スリット像の光束のウエハW
からの反射光束は全て回転方向振動板88によって振動
されるため、受光用スリット板98上に再結像される各
スリット像と各受光素子とは相対的に振動する。信号処
理装置91は、センサ選択回路93によって選択された
受光器90上の複数のフォトセンサからの各検出信号を
加振装置92の振動信号で同期検波してフォーカス信号
(Sカーブ信号)を得て、このフォーカス信号を主制御
装置20に供給する。
【0035】なお、主制御装置20は、ウエハWの表面
が基準平面(例えば投影光学系PLの結像面)と一致し
たとき、各フォーカス信号が0となるように、例えば、
スリット板98の前面に配置された不図示のプレーンパ
ラレルの角度を調整したり、あるいはフォーカス信号の
値に電気的にオフセットを加えたりして、予め各フォト
センサのキャリブレーションを行っている。
【0036】図3(A)には、前記パターン形成板83
が示されている。この図3(A)に示されるように、パ
ターン形成板83には、7行7列のマトリクス状の配置
で、7×7=49個の開口パターンP11〜P77が形成さ
れている。
【0037】これらの開口パターンP11〜P77は、パタ
ーン形成板83の4辺の方向(X,Y方向)に対して4
5度傾斜したスリット状となっており、これらの開口パ
ターンの像がウエハWの表面の、投影光学系PLによる
レチクルパターンの投影領域(露光領域)に投影され
る。
【0038】本実施形態では、照射系40からの像光束
は、図1におけるXZ平面内で光軸AXに対して所定角
度α傾斜した方向からウエハW面に照射され、この像光
束のウエハW面からの反射光束は、XZ平面内で光軸A
Xに対して前記照射系40からの像光束と対称に所定角
度α傾斜した方向に進んで受光系42によって前記の如
く受光される。すなわち、+Z方向から−Z方向に向か
って見ると、照射系40からの像光束及びその反射光束
は、X軸に沿って一方から他方へ進む。
【0039】このため、ウエハW表面のショット領域S
A内及びその近傍には、図3(B)に示されるように、
X軸、Y軸に対して45度傾斜した7行7列のマトリク
ス状配置で7×7、合計49個のスリット状の開口パタ
ーンP11〜P77の像(以下、「スリット像」という)S
11〜S77が形成される
【0040】図3(C)には、多点焦点位置検出系(4
0、42)の受光器90が示されている。この受光器9
0上にスリット像S11〜S77に対応して7行7列のマト
リクス状にフォトダイオード等から成るフォトセンサD
11〜D77が配置されている。これらのフォトセンサD11
〜D77のそれぞれは、X軸、Y軸に45度傾斜して配置
されている。これに対応して、受光器90の前面(図1
における下面)側に配置された受光用スリット板98に
は、これらのフォトセンサD11〜D77にそれぞれ対向し
て、X軸、Y軸に対し45度傾斜したスリットがそれぞ
れ形成されている。これにより、スリット像S11〜S77
の光束の反射光束以外の光(例えば迷光)がフォトセン
サD11〜D77に入射しないようになっている。
【0041】この場合、フォトセンサD11〜D77に対向
する受光用スリット板98のスリット上に図3(B)の
スリット像S11〜S77がそれぞれ再結像される。そし
て、ウエハWの表面で反射された光を、回転方向振動板
88で回転振動することで、受光用スリット板98上で
は再結像された各像の位置が図3(C)における矢印L
R方向に振動する。従って、各フォトセンサD11〜D77
の検出信号がセンサ選択回路93を介して信号処理装置
91により、回転振動周波数の信号で同期検波される。
【0042】この場合において、ウエハWの表面のZ位
置が変化すると、スリット像S11〜S77の結像位置がX
軸方向に沿って変化するため、受光用スリット板98上
では再結像される各像の位置もこれに応じて変化し、各
フォトセンサD11〜D77で受光される光量が変化する。
従って、各フォトセンサD11〜D77の検出信号もその光
量に応じて変化し、信号処理装置91によって同期検波
された信号もそれに応じて変化する。
【0043】センサ選択回路93は、主制御装置20か
らの指令に応じ、n本(nは、例えば9)の光電変換信
号の出力線(O1〜Onとする)のそれぞれに、フォトセ
ンサD11〜D77の内から選択されたn個、(例えば9
個)のフォトセンサの検出信号を個別に出力させる回路
である。なお、フォトセンサの選択方法については後述
する。
【0044】信号処理装置91の内部には、例えば、n
本の出力線O1〜Onのそれぞれに個別に接続されたn個
の信号処理回路と、これらの信号処理回路からの出力信
号をデジタル変換するとともに、シリアルデータとして
主制御装置20に出力する信号出力回路等が設けられて
いる。
【0045】なお、これまでの説明から明らかなよう
に、本実施形態では、ウエハW上の計測点であるスリッ
ト像S11〜S77のそれぞれとフォトセンサD11〜D77
が1対1で対応し、各スリット像の位置のウエハ表面の
Z位置の情報(フォーカス情報)が各フォトセンサDか
らの出力であるデフォーカス信号に基づいて求められる
ので、以下においては、説明の便宜上、スリット像S11
〜S77を、特に別の必要がない限り、フォーカスセンサ
11〜S77と呼ぶものとする。
【0046】制御系は、図1中、制御装置としての主制
御装置20によって主に構成される。主制御装置20
は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オ
ンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワ
ークステーション)を含んで構成され、主制御装置20
では、上述した種々の制御を行う他、露光動作が的確に
行われるように露光装置100における様々な動作を制
御する。また、主制御装置20には入出力装置94が接
続されており、この入出力装置94はキーボード、マウ
ス等のポインティングデバイスや、CRT又は液晶パネ
ル等のディスプレイを備えている。
【0047】次に、上述のようにして構成された本実施
形態の露光装置100において、露光に先立って行われ
るフォーカスセンサの選択方法について説明する。ここ
では、一例としてレチクルRのパターンを図4に示され
るようなウエハW上の各ショット領域に順次転写する場
合を例にとって説明する。この場合、ウエハW上の周辺
の一部のショット領域においては、検査のためのパター
ン(TEGパターン)を形成し、それ以外のショット領
域においては、通常の回路パターンを形成するものとす
る。
【0048】前提として、ウエハW上の複数のショット
領域についての露光順序等の情報から成るショットマッ
プと、各ショット領域の識別子データとしてのブライン
ドIDが関連づけて設定されている。そして、露光に先
立って行われる露光条件設定のためのプロセスプログラ
ムファイルの作成において、ブラインドIDに応じてレ
チクルブラインド5の設定情報、そのマージン情報等
が、ユーザにより入出力装置94を介して直接入力され
ているものとする。
【0049】まず、不図示のレチクルローダによりレチ
クルRがレチクルステージRST上にロードされると、
主制御装置20は、不図示のレチクルアライメント顕微
鏡、基板テーブル18上の不図示の基準マーク板、及び
不図示のウエハアライメント検出系を用いて、レチクル
アライメント及びベースライン計測、さらにはEGA等
のウエハアライメントなどの準備作業を通常のステッパ
と同様の手順で実行する。
【0050】これに引き続いて、主制御装置20では、
7×7=49個のフォーカスセンサの中から制御に使用
するn個(本実施形態では9個)のフォーカスセンサを
次のようにして選択する。
【0051】以下、図5(A)〜図5(C)を用いて、
フォーカスセンサの選択決定方法について説明する。実
際には、選択可能なフォーカスセンサの中から制御に使
用するフォーカスセンサが直ちに選択が決定されるが、
ここでは、その選択決定方法の原理的な説明を行うた
め、複数の段階に分けて説明するものとする。
【0052】まず、主制御装置20では、第1段階とし
て、プロセスプログラムファイルに含まれるブラインド
の設定情報の中から第1番目のブラインドIDに対応す
るブラインド設定情報を読み出し、そのブラインド設定
情報に従ってレチクルブラインド5が駆動された場合に
その開口で設定される領域と投影倍率とに基づいて図5
(A)に示されるような第1絞り込み範囲NR1を算出
する。ここで算出される第1絞り込み範囲NR1は、前
述したように、ショット領域SAよりも幾分大きめの範
囲となっている。
【0053】次に、主制御装置20では、第2段階とし
て、第1絞り込み範囲NR1を基にレチクルブラインド
5の設定情報と対応するマージン量を考慮した図5
(B)に示されるような第2絞り込み範囲NR2を算出
する。この場合、図5(B)からも分かるように、第2
絞り込み範囲NR2は、ウエハW上のショット領域SA
とほぼ一致した領域となる。
【0054】次に、主制御装置20では、第3段階とし
て、第2絞り込み範囲NR2を基に、各フォーカスセン
サS(各計測点に照射される結像光束の照射領域)の物
理長の1/2の寸法だけ内側となる図5(C)に示され
るような第3絞り込み範囲NR3を算出する。この第3
絞り込み範囲NR3は、第2絞り込み範囲NR2に比べ
てフォーカスセンサSの物理長に対応する寸法2aだけ
小さい縦の長さと横の長さを有する矩形の範囲となる。
【0055】そして、主制御装置20では、上記の第3
絞り込み範囲NR3の内部にその位置座標(中心位置の
座標)が存在するフォーカスセンサSの中から制御に使
用する9個のフォーカスセンサの選択を決定し、その決
定情報をメモリに保存する。図5(C)には、このよう
にして斜線を付した円で示される9個のフォーカスセン
サS22、S26、S33、S35、S44、S53、S55、S62
66が選択された場合の様子が視覚的に示されている。
このフォーカスセンサの選択は、実際には、後述する露
光処理の際に、主制御装置20により、選択することと
決定したフォーカスセンサS22、S26、S33、S35、S
44、S53、S55、S62、S66にそれぞれ対応するフォト
センサD22、D26、D33、D35、D44、D53、D55、D
62、D66の選択指令がセンサ選択回路93に与えられ、
該センサ選択回路93によって、フォトセンサD22、D
26、D33、D35、D44、D53、D55、D62、D66が9本
の信号出力線O1〜O9にそれぞれ接続されることによっ
て行われる。すなわち、本実施形態では、このようにし
て後述する各ショット領域の露光開始直前にフォトセン
サの選択が行われる。
【0056】本実施形態では、上述したような原理に基
づいて制御に使用するフォーカスセンサSの選択を行う
ので、選択されたフォーカスセンサS(図5(C)の場
合は、S22,S26,S33,S35,S44,S53,S55,S
62,S66)は、必然的にショット領域SAの内部に全体
が収まる(はみ出すことがない)こととなる。ここで、
主制御装置20は、選択したフォーカスセンサ(S22
26、S33、S35、S 44、S53、S55、S62、S66)の
配置をショット領域SAの外郭線(輪郭線)とともに入
出力装置94のディスプレイに表示する。このような表
示によって、オペレータは、選択されたフォーカスセン
サがショット領域SA内でどのように配置されているか
を確認することができる。また、ショット領域SAの表
示に加えて、ショット領域SA内の凹凸状態を表示して
も良い。これによって、ショット領域内の凹凸のどの部
分に配置されるフォーカスセンサが選択されているのか
も知ることができる。この場合、ショット領域内の凹凸
状態は例えば多点焦点位置検出系(40,42)によっ
てあらかじめ計測され、主制御装置20内に記憶されて
いるものとする。
【0057】主制御装置20では、第2番目以降の各ブ
ラインドIDについても上記と同様のフォーカスセンサ
の選択の決定を行い、その決定情報をメモリに保存す
る。
【0058】その後、主制御装置20の管理の下、図4
に示されるようなショット領域SA m(m=1、2、…
…、M)が前層までの露光により形成されているウエハ
Wに対するステップ・アンド・リピート方式の露光処理
が開始される。
【0059】以下、このステップ・アンド・リピート方
式で行われる露光処理動作について、主制御装置20内
のCPUの制御アルゴリズムを簡略化して示す図6のフ
ローチャートに基づいて説明する。この図6のフローチ
ャートがスタートするのは、前述したブラインドID毎
のフォーカスセンサの選択が決定されたときである。ま
た、前提として、後述するショット番号を示す不図示の
カウンタのカウント値nが「1」に初期設定されている
ものとする。
【0060】まず、ステップ102では、ショットマッ
プに基づき、第n番目のショット領域のブラインドID
に対応するブラインド設定情報に従って、ブラインド駆
動装置43A,43Bを介してレチクルブラインド5を
駆動するとともに、メモリ内に記憶されているそのブラ
インドIDに対応するフォーカスセンサの選択決定情報
に従って、制御に使用するフォーカスセンサ(対応する
フォトセンサ)を前述のようにして選択する。これによ
り、例えば、ブラインドIDが第1番目である場合に
は、レチクルブラインド5の開口により図5(A)に示
される第1絞り込み範囲NR1とほぼ同一の領域が設定
されるとともに、図5(C)に示される9個のフォーカ
スセンサが選択されることとなる。
【0061】次のステップ104では、ショットマップ
に基づき、第n番目のショット領域が周辺ショット領域
(図4中で太線で囲まれたウエハ周辺の24ショット領
域)であるか否かを判断する。そして、この判断が否定
された場合、すなわち、内部ショット領域の場合には、
ステップ108に進み、前述したウエハアライメントの
結果に基づいて、干渉計31の計測値をモニタしつつ、
ウエハ駆動装置21を介してXステージ12、Yステー
ジ16を駆動し、基板テーブル18に保持されたウエハ
W上の第n番目のショット領域をレチクルパターンの投
影位置に位置決めする。
【0062】次のステップ110では、先に選択された
9つのフォーカスセンサの計測値(これらのフォーカス
センサに対応する9つのフォトセンサからのフォーカス
信号)に基づき、9つの計測点におけるZ位置を算出
し、その算出された9つのZ位置に基づいて最小自乗法
によりその露光対象のショット領域の近似平面を算出す
る。そして、主制御装置20では、その算出結果に基づ
いて、ウエハW上の露光対象のショット領域が投影光学
系PLの像面とほぼ一致するようにウエハ駆動装置21
を介して基板テーブル18のZ駆動及びXY平面に対す
る傾斜を制御する。すなわち、このようにしてウエハW
のフォーカス・レベリング制御を行う。この場合におい
て、例えば第n番目のショット領域のブラインドIDが
第1番目である場合には、フォトセンサD22、D26、D
33、D35、D44、D53、D55、D62、D66からのフォー
カス信号に基づいて、上記のフォーカス・レベリング制
御が行われることとなる。
【0063】次のステップ122では、光源1内の不図
示のシャッタを所定時間開いて露光用照明光ILにより
レチクルRを照射してウエハW上のその露光対象のショ
ット領域にレチクルRのパターンを転写する。
【0064】次のステップ124では、カウンタのカウ
ント値nがショット領域の総数M以上であるか否かを判
断することにより全ての露光対象ショット領域の露光が
終了したか否かを判断する。そして、この判断が否定さ
れると、ステップ126に進んでカウンタを1インクリ
メントした後、ステップ102に戻る。
【0065】この一方、ステップ104の判断が肯定さ
れた場合、すなわち周辺ショットである場合は、ステッ
プ106に移行し、ショットマップ及びフォーカスセン
サの位置座標等に基づき、第n番目のショット領域で
は、上記ステップ102で選択されたフォーカスセンサ
(最大9個)の少なくとも1つがウエハWから外れるか
否かを判断する。そして、このステップ106における
判断が否定された場合には、ステップ108に進み、以
後前述と同様の処理を行う。
【0066】一方、上記ステップ106における判断が
肯定された場合には、通常のフォーカス・レベリング動
作(ステップ110)を行うと計測精度が極端に低下す
るおそれがあるので、ステップ112に進んで、同一の
ブラインドIDを有する代替ショット領域となり得る候
補ショットがあるか否かを、ショットマップ及びブライ
ンドIDに基づいて判断する。そして、この判断が否定
された場合には、代替ショットの決定は困難と判断し
て、ステップ120に移行し、上記ステップ108と同
様にして第n番目のショット領域をレチクルパターンの
投影位置に位置決めした後、次のステップ122に進
む。この場合、露光直前にはフォーカス・レベリング制
御は行われない。すなわち、直前ショット領域の露光の
際におけるウエハWのZ位置及び傾斜が維持された状態
で露光が行われることとなる。
【0067】一方、上記ステップ112における判断が
肯定された場合には、ステップ114に進み、候補ショ
ットの中に、上記ステップ102で選択されたフォーカ
スセンサが1つも外れない(ショット領域外にはみ出さ
ない)ショット領域があるか否かを判断する。そして、
この判断が否定された場合には、代替ショットの決定は
困難と判断して、ステップ120に移行して、上記ステ
ップ108と同様にして第n番目のショット領域をレチ
クルパターンの投影位置に位置決めした後、次のステッ
プ122に進む。この場合も、直前ショット領域の露光
の際におけるウエハWのZ位置及び傾斜が維持された状
態で露光が行われることとなる。
【0068】一方、上記ステップ114における判断が
肯定された場合には、ステップ116に進んで、候補シ
ョット(同一ブラインドIDを有し、選択されたフォー
カスセンサの全てが完全にショット領域内に収まるショ
ット領域)の中から任意の1つを選択して、そのショッ
ト領域を代替ショットとして決定する。そして、次のス
テップ118に進んで、シフトフォーカス・シフトレベ
リングを実行する。このステップ118におけるシフト
フォーカス・シフトレベリングとは、代替ショットとし
て決定された他のショット領域がレチクルパターンの投
影位置に位置決めされるようにXYステージ装置14を
一端移動(シフト)し、代替ショットとして決定された
他のショット領域に対してステップ102で選択された
フォーカスセンサ(最大9個)の計測結果を用いてウエ
ハWのフォーカス・レベリング動作を行うことを意味す
る。
【0069】上記のシフトフォーカス・シフトレベリン
グを実行した後、ステップ120に進んで第n番目のシ
ョット領域を前述と同様にしてレチクルパターンの投影
位置に位置決めした後ステップ122に進んで露光を行
う。この場合、上述したシフトフォーカス・シフトレベ
リングを実行した際のウエハWのZ位置及び傾斜を保持
したまま、露光動作が行われることとなる。
【0070】このようにして、ウエハW上の各ショット
領域に対して、ステップ・アンド・リピート方式でレチ
クルRのパターンが順次転写され、全てのショット領域
に対する露光が終了すると、ステップ124における判
断が肯定され、本ルーチンの一連の処理が終了する。
【0071】これまでの説明から明らかなように、本第
1の実施形態では、多点焦点位置検出系(40,42)
の照射系40からウエハW上の各計測点に照射される結
像光束の照射領域(フォーカスセンサS)の大きさ、よ
り具体的にはその物理長を考慮して、レチクルパターン
の転写の際にウエハのZ位置の検出に使用する計測点
(フォーカスセンサS)を選択する選択装置が、センサ
選択回路93と主制御装置20とによって構成されてい
る。
【0072】以上説明したように、本第1の実施形態で
は、選択装置(93,20)により、ウエハW上の各計
測点に照射される結像光束の照射領域(フォーカスセン
サS)の大きさを考慮して、レチクルパターンの転写の
際にウエハWのZ位置の検出、並びにウエハWのフォー
カスレベリング制御に使用する計測点(フォーカスセン
サ)が選択される。そして、レチクルパターンを投影光
学系PLを介してウエハ上の複数のショット領域に順次
転写する際には、多点焦点位置検出系(40,42)に
よりウエハW上の各計測点に結像光束がそれぞれ照射さ
れ、それぞれの反射光が検出される。この場合、選択装
置では、結像光束の照射領域がショット領域からはみ出
さない計測点(フォーカスセンサ)のみを選択すること
ができるので、結果的に多点焦点位置検出系によりその
選択された計測点のみからの反射光に基づいて露光対象
のショット領域のZ位置(及び傾斜情報)が高精度に計
測される。そして、主制御装置20では、上記の計測結
果に基づいて、ウエハW上のショット領域を投影光学系
PLの像面に精度良く位置合わせするので、デフォーカ
スに起因する露光不良の発生を防止することが可能とな
っている。
【0073】前述の如く、本実施形態では、結像光束の
照射領域がショット領域からはみ出さない計測点の情報
にのみ基づいてウエハWのZ位置及び傾斜を計測するよ
うになっているので、特にウエハ周辺部分のショット領
域において、フォーカスレベリングを実行する際にはパ
ターンの有無による表面形状の違いが計測精度に影響を
与えることが無くなる。従って、ウエハW上のショット
領域を投影光学系PLの像面に精度良く位置合わせする
ことにより、デフォーカスに起因する露光不良の発生を
防止することができる。
【0074】また、露光対象のショット領域がウエハ周
辺のショット領域であって、かつ欠けショット領域、例
えば図4のショット領域SA1の場合には、結像光束の
照射領域がショット領域からはみ出さないフォーカスセ
ンサ(計測点)のみを選択しても、その選択されたフォ
ーカスセンサ(結像光束の照射領域)の一部がウエハか
ら外れ制御不可能になるおそれがあるが、そのような場
合、選択したフォーカスセンサの全てがウエハ表面に掛
かる同一のブラインドIDの他のショット領域を代替シ
ョットとして、その代替ショットにおいてフォーカス・
レベリング動作を行う、シフトフォーカス、シフトレベ
リングを行い、そのときのフォーカス及びレベリング情
報を保持したまま、すなわちウエハのZ位置及び傾斜を
維持したまま、その露光対象のショット領域を露光位置
に位置決めして露光動作を行う。このため、選択された
フォーカスセンサSで計測される情報は、常に露光領域
の内部の表面形状がほぼ同様になっている部分の情報と
なり、これによって表面形状の影響を殆ど受けないフォ
ーカス・レベリング動作が可能となる。
【0075】この場合において、図7(A)に示される
ように、1つのショット領域が1チップに相当する場合
には、例えばショット領域SAAとショット領域SAB
のブラインドIDが同一であればショット領域SAA
代替ショットとしてショット領域SABを決定して1シ
ョット分のシフトを行ってシフトフォーカス、シフトレ
ベリングを行えば良い。但し、1つのショット領域が複
数の繰り返しパターンで構成されているいわゆる1ショ
ット複数チップ取りの場合には、次のようにしても良
い。例えば、図7(B)に示されるように、例えば1シ
ョットが4個のチップから構成されているのであれば、
1ショット分シフトする代わりに、1/2ショット分シ
フトさせれば、ショット領域SABと同じ表面形状にな
るので、この位置でシフトフォーカス、シフトレベリン
グ動作を行うこととしても良い。この場合には、図7
(A)の場合と同等の効果を得ることができるととも
に、シフトフォーカス、シフトレベリング動作を行う位
置まで移動する時間を短縮することが可能となる。
【0076】また、上記のように、1ショットで複数チ
ップを露光する場合には、チップの個数に応じたピッチ
移動の可能性を判定するスイッチを設けておき、このス
イッチを併用することとしても良い。
【0077】なお、上記実施形態においては、制御に使
用するフォーカスセンサ(計測点)の選択の基準とな
る、ショット領域の設定に関する情報として、レチクル
ブラインド5の設定情報と、これに対応するマージンと
を、用いる場合について説明したが、本発明がこれに限
定されるものではない。例えば、ショット領域の設定に
関する情報として、上記のレチクルブラインド5の設定
情報に代えて、レチクルRのパターン領域PAの大きさ
(設計値)を用いても良い。このようにしても、上記実
施形態と同様に、フォーカスレベリング制御に使用する
フォーカスセンサとして、ショット領域からはみ出さな
いフォーカスセンサを選択することが可能である。ある
いは、例えば、ショット領域の設定に関する情報とし
て、上記のレチクルブラインド5の設定情報に代えて、
ウエハ上の隣接するショット領域を連続的に露光する際
のウエハの移動量、すなわちショット間ステッピング量
(ショット間ステップピッチ)を用いても良く、この場
合、各チップを切断するために確保しておくスクライブ
ラインの幅を前述した第2段階におけるマージン量と同
等の扱いとすることで、ショット領域内だけに存在する
フォーカスセンサの中から制御に使用するフォーカスセ
ンサを選択することが可能である。
【0078】なお、上記実施形態では、フォーカスセン
サの選択の決定を、ウエハアライメントの終了後に行う
場合について説明したが、本発明がこれに限定されるも
のではない。例えば、前述したプロセスプログラムの一
部として、フォーカスセンサの選択の決定データを予め
含めておいても良い。あるいは、実際に、各ショット領
域を露光位置に位置決めした後に、フォーカスセンサを
実際に選択することとしても良い。要は、露光開始時点
までにフォーカスセンサの選択が完了すれば良く、その
際に、フォーカスセンサの大きさ及び形状の少なくとも
一方を考慮してフォーカスセンサの選択が行われれば良
い。また、選択する9個のフォーカスセンサの配置は、
図5(C)のようなX字状以外にも、例えばS24
34、S42、S43、S44、S45、S46、S54、S64を選
ぶ十字状であったり、S22、S24、S 26、S42、S44
46、S62、S64、S66を選ぶマトリクス状であっても
良い。またオペレータが入出力装置94を介して、選択
するフォーカスセンサの配置や数をウエハW上のショッ
ト領域毎に任意に設定できるようにしても良い。
【0079】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態について、図8、図9に基づいて説明する。こ
こで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構
成部分については、同一の符号を用いるとともに、その
説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0080】この第2の実施形態の露光装置は、フォー
カスセンサ(計測点)の選択方法に特徴を有しているた
め、前述した第1の実施形態の露光装置100と比べ、
主制御装置20の制御機能が僅かに相違している点を除
けば、装置構成等は、同様になっている。従って、以下
においては、かかる相違点を中心として説明する。
【0081】前述した第1の実施形態では、フォーカス
センサの大きさ(長さ)を考慮したフォーカスセンサの
選択方法を採用していたが、本実施形態では、フォーカ
スセンサの形状を考慮した選択方法を採用することとし
ている。以下、このフォーカスセンサの形状を考慮した
選択方法について図8及び図9に基づいて詳細に説明す
る。
【0082】図8(A)には、ウエハW上のショット領
域SA及びその近傍に7行7列のマトリクス状に形成さ
れたフォーカスセンサSの矩形の配置領域Fが示されて
いる。この場合、各配置領域F内には、互いに同一形状
のフォーカスセンサSが配置されている。
【0083】本実施形態では、この図8(A)の配置領
域の全体を、中心に位置する配置領域Fの中心点を原
点Oとして図8(B)に示されるように4象限に分割
し、各配置領域Fのそれぞれの4角の点のうち、原点O
から最も遠い点の座標をその配置領域F内のフォーカス
センサSの位置座標とするものである。
【0084】例えば、フォーカスセンサSが図9(A)
に示されるように、矩形状でショット領域の各辺に対し
て45°の傾きを有するスリット状のフォーカスセンサ
Saである場合に、該フォーカスセンサSaに外接する
正方形領域Faが前述した配置領域Fに相当する。図9
(A)に示されるように、この配置領域Faにおける4
つの頂点をA1、B1、C1、D1とすると、該配置領域F
aが、図8(B)に示される第1象限の領域RA内にあ
る場合には、頂点A1の位置座標をそのフォーカスセン
サSaのセンサ選択の際の位置座標とする。また、該配
置領域Faが、図8(B)に示される第2象限の領域R
B内にある場合には、頂点B1の位置座標をそのフォー
カスセンサSaのセンサ選択の際の位置座標とする。ま
た、該配置領域Faが、図8(B)に示される第3象限
の領域RC内にある場合には、頂点C1の位置座標をそ
のフォーカスセンサSaのセンサ選択の際の位置座標と
する。該配置領域Faが、図8(B)に示される第4象
限の領域RD内にある場合には、頂点D1の位置座標を
そのフォーカスセンサSaのセンサ選択の際の位置座標
とする。
【0085】そして、図8(B)に示されるように、レ
チクルブラインド5の開口領域により規定される領域N
R1とマージン量とにより規定される所定領域NR2
(ショット領域SAにほぼ一致)内に、センサ選択の際
の位置座標が入っているフォーカスセンサSaの中から
例えば9個のフォーカスセンサSaを選択する。このよ
うにすると、ショット領域SA内からはみ出さないフォ
ーカスセンサSaを、フォーカスレベリング制御に使用
するフォーカスセンサとして設定することが可能であ
る。
【0086】なお、図8(B)に示されているように、
1つのフォーカスセンサにセンサ選択の際の位置座標が
複数設定されるような場合(4列目のフォーカスセンサ
及び4行目のフォーカスセンサ)には、それぞれの平均
をそのフォーカスセンサの位置座標とすることとしても
良いし、両方の位置座標が領域NR2に入った時のみ、
そのフォーカスセンサを選択可能なフォーカスセンサと
しても良い。
【0087】また、フォーカスセンサSとしては、スリ
ット状のものに限らず、図8(B)に示されるような円
形状のフォーカスセンサSbを採用することも可能であ
る。この場合においても、フォーカスセンサSaと同様
に、円形のフォーカスセンサSbに外接する正方形の配
置領域Fbを規定し、各頂点A2、B2、C2、D2のうち
の所定の頂点の位置座標を上記配置領域Faと同様の基
準で各フォーカスセンサSbの選択の際の位置座標とし
て設定すれば良い。このような円形状のフォーカスセン
サを採用しても、ショット領域SAからはみ出すことの
無いフォーカスセンサSbを、フォーカスレベリング制
御に使用することが可能となる。
【0088】更に、フォーカスセンサSとしては、図8
(C)に示されるような楕円形状のフォーカスセンサS
cを採用することも可能である。この場合においても同
様に、外接する四角形(楕円形の軸がショット領域SA
の各辺に対し45°に設定されている場合には正方形)
の配置領域Fcを規定し、各頂点A3、B3、C3、D3
うちの所定の頂点の位置座標を上記配置領域Faと同様
の基準で各フォーカスセンサSCの選択の際の位置座標
として設定すれば良い。このような楕円形状のフォーカ
スセンサを採用しても、ショット領域SAからはみ出す
ことの無いフォーカスセンサScを、フォーカスレベリ
ング制御に使用することが可能となっている。
【0089】また、図8(A)〜(C)に挙げた形状以
外のフォーカスセンサであっても同様の選択の際の位置
座標設定を行うことで、高精度なフォーカスレベリング
制御を行うことが可能である。
【0090】ここで、本第2の実施形態では、配置領域
FがフォーカスセンサSの形状(大きさを含む)によっ
て定まるので、配置領域の各頂点位置をセンサ選択の際
の位置座標とする、上述したフォーカスセンサの選択方
法は、フォーカスセンサSの形状を考慮したフォーカス
センサの選択方法の一例であることは言うまでもない。
【0091】以上詳細に説明したように、本第2の実施
形態の露光装置においても、前述の第1の実施形態と同
様に、ショット領域からはみ出さないフォーカスセンサ
のみを選択し、その選択されたフォーカスセンサのみを
使用してショット領域のZ位置及び傾斜を計測するの
で、ショット領域のZ位置及び傾斜を高精度に計測する
ことができるとともに、この計測結果に基づいて、ウエ
ハ(基板)上のショット領域(区画領域)を投影光学系
の像面に精度良く位置合わせすることにより、デフォー
カスに起因する露光不良の発生を防止することができ
る。
【0092】なお、本実施形態においても、上記第1実
施形態と同様、フォーカスセンサの選択基準として、レ
チクルRのパターン領域PAの大きさ(設計値)を用い
ることも、XYステージ装置14のステップピッチを用
いることも可能である。
【0093】なお、上記各実施形態では、ステップ・ア
ンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステ
ッパ)の場合について説明してきたが、これに限らず、
ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置
(いわゆるスキャニング・ステッパ)の場合について
も、非スキャン方向でのフォーカスセンサの選択方法と
して、本発明を適用することが可能である。
【0094】この場合、スキャン方向については、スキ
ャン露光の開始位置とスキャン露光の終了位置の関係も
考慮しなければならず、またフォーカスセンサについて
も、先読み制御用フォーカスセンサの制御範囲(形状や
大きさ)と露光用スリット内部にある追従用フォーカス
センサ個々のスキャン方向についての制御範囲(形状や
大きさ)を考慮する必要がある。
【0095】具体的には、露光中はレチクルRとウエハ
Wの同期をとるため、レチクルRとウエハWの位置は常
にレチクルステージRST、ウエハステージWSTに設
置された移動鏡を介して干渉計によってモニタされてお
り、露光開始位置及び露光終了位置はショット毎に算出
されている。従って、この各位置検出の際に、露光開始
位置および露光終了位置の位置情報に加えて、フォーカ
スセンサの検出範囲の大きさや形状を考慮すると、実際
のショット領域を露光する場合にどの地点まで先読み制
御用及び追従制御用のフォーカスセンサで制御を行えば
良いかを求めることが可能となる。
【0096】なお、上記各実施形態では、焦点位置検出
用として7×7(=49個)のフォーカスセンサがショ
ット領域SA及びその近傍に配置されているが、ショッ
ト領域SA内の全域に渡ってほぼ均等な間隔でフォーカ
スセンサSが配置されるのであれば、フォーカスセンサ
Sの数はいくつでも良い。
【0097】また、上記各実施形態では、複数のフォト
センサD11〜D77の内から選択可能なフォトセンサを限
定し、その中から9個のフォトセンサを選択するものと
したが、これに限らず、センサ選択回路93における出
力線の本数に応じて選択するフォトセンサの数を変更す
ることはもちろん可能であり、選択可能な範囲に属する
フォトセンサ(フォーカスセンサ)の全てを使用するこ
とも可能である。
【0098】なお、上記各実施形態では、露光用照明光
としてKrFエキシマレーザ光(248nm)、ArF
エキシマレーザ光(193nm)などを用いる場合につ
いて説明したが、これに限らず、g線(436nm)、
i線(365nm)、F2レーザ光(157nm)、銅
蒸気レーザ、YAGレーザの高長波等を露光用照明光と
して用いることができる。
【0099】なお、露光装置の用途としては、半導体製
造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型の
ガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶
用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光
装置にも広く適用できる。
【0100】複数のレンズから構成される照明光学系、
投影光学系を露光装置に組み込み光学調整をするととも
に、多数の部品からなるXYステージ装置等を露光装置
に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気
調整、動作確認等)をすることにより上記各実施形態の
露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製
造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
【0101】《デバイス製造方法》次に上述した露光装
置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の
実施形態について説明する。
【0102】図10には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図10に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0103】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、
ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージン
グ工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれ
る。
【0104】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作成されたデバイスの動作
確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程
を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0105】図11には、半導体デバイスにおける、上
記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図
11において、ステップ211(酸化ステップ)におい
てはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CV
Dステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成す
る。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウ
エハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214
(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオン
を打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214そ
れぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成して
おり、各段階において必要な処理に応じて選択されて実
行される。
【0106】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウエハに転写する。次に、ステップ218(エッチング
ステップ)において、レジストが残存している部分以外
の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そし
て、ステップ219(レジスト除去ステップ)におい
て、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除
く。
【0107】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0108】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記実施形態の露光装置が用いられるので、精度良くレチ
クルのパターンをウエハ上に転写することができる。こ
の結果、高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含
む)を向上させることが可能になる。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の露光装置
及び露光方法によれば、露光時のデフォーカスに起因す
る露光不良の発生を防止することができるという効果が
ある。
【0110】また、本発明のデバイス製造方法によれ
ば、高集積度のマイクロデバイスの生産性の向上に寄与
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る露光装置の構成
を概略的に示す図である。
【図2】レチクルの構成、及び図1の露光装置の露光原
理を説明するための図である。
【図3】図3(A)は、パターン形成板の一例を示す平
面図、図3(B)は、図3(A)のパターン形成板に対
応するウエハ表面上におけるスリット像の配置を示す
図、図3(C)は、図3(A)のパターン形成板に対応
する受光器を示す図である。
【図4】ウエハ上に形成されるショット領域の配置の一
例を示す図である。
【図5】図5(A)〜(C)は、第1の実施形態に係る
フォーカスセンサの選択方法を説明するための図であ
る。
【図6】主制御装置内のCPUの主要な制御アルゴリズ
ムを示すフローチャートである。
【図7】図7(A)は、シフトフォーカス、シフトレベ
リングの一例を示す図であり、図7(B)は、1ショッ
ト領域内に複数のチップを形成する場合のシフトフォー
カス、シフトレベリングの一例を示す図である。
【図8】図8(A)、図8(B)は、本発明の第2の実
施形態に係るフォーカスセンサの選択方法について説明
するための図である。
【図9】図9(A)〜図9(C)は、フォーカスセンサ
の形状を考慮したフォーカスセンサの選択方法を説明す
るための図である。
【図10】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のステップ204の詳細を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
5…レチクルブラインド(視野絞り)、20…主制御装
置(選択装置の一部)、40…照射系(多点焦点位置検
出系の一部)、42…受光系(多点焦点位置検出系の一
部)、93…センサ選択回路(選択装置の一部)、10
0…露光装置、IL…露光用照明光(エネルギビー
ム)、PA…パターン領域、PL…投影光学系、R…レ
チクル(マスク)、S11〜S77…スリット像(照射領
域、計測点)、SA…ショット領域(区画領域)、W…
ウエハ(基板)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 浩一 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 5F046 CC05 DA14 DB05 DB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギビームによりマスクを照明し、
    前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して
    基板上の複数の区画領域に順次転写する露光装置であっ
    て、 前記基板上の複数の計測点に計測光を照射し、その反射
    光を検出することによって前記各計測点における前記投
    影光学系の光軸方向に関する位置を検出可能な多点焦点
    位置検出系と;前記各計測点に照射される前記計測光の
    照射領域の大きさ及び形状の少なくとも一方を考慮し
    て、前記マスクパターンの転写の際に前記基板の光軸方
    向位置の検出に使用する計測点を選択する選択装置と;
    を備える露光装置。
  2. 【請求項2】 前記選択装置は、前記区画領域の設定に
    関する情報を更に考慮して前記検出領域を選択すること
    を特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記区画領域の設定に関する情報は、前
    記区画領域の設定の基準となる設計上の基準情報と、該
    基準情報の性質に応じて定められた所定のマージン情報
    とを含むことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記エネルギビームによる前記マスク上
    の照明領域を設定する視野絞りを更に備え、 前記基準情報は、前記視野絞りの設定情報、前記マスク
    上のパターン領域の形状、及び前記基板上の隣接する区
    画領域を連続的に露光する際の前記基板の移動量のいず
    れかであることを特徴とする請求項3に記載の露光装
    置。
  5. 【請求項5】 前記多点焦点位置検出系は、前記基板表
    面に所定角度傾斜した方向から複数の計測光束を照射す
    る照射系と、前記各計測光束の前記基板表面における反
    射光束をそれぞれ受光可能な受光系とを有する、斜入射
    方式の多点焦点位置検出系であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 エネルギビームによりマスクを照明し、
    前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して
    基板上の複数の区画領域に順次転写する際、前記基板上
    の複数の計測点に計測光を照射し、その反射光を検出す
    ることによって前記各計測点における前記投影光学系の
    光軸方向に関する位置を検出可能な多点焦点位置検出系
    によって前記基板の面位置情報を得る露光方法であっ
    て、 前記各計測点に照射される前記計測光の照射領域の大き
    さ及び形状の少なくとも一方を考慮して、前記マスクパ
    ターンの転写の際に前記基板の光軸方向位置の検出に使
    用する計測点を選択することを特徴とする露光方法。
  7. 【請求項7】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造方
    法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項1〜5のいずれか一
    項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
    るデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004281665A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Canon Inc 露光装置及び方法、デバイス製造方法
JP2008263207A (ja) * 2003-12-17 2008-10-30 Asml Netherlands Bv マップを決定するための方法、デバイス製造方法及びリソグラフィック装置
US7527917B2 (en) 2004-08-23 2009-05-05 Tdk Corporation Exposure method and exposure apparatus

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