JP4584389B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒圧縮機などに用いられるスクロール圧縮機またはスクロール真空ポンプなどのスクロール流体機械に関するものであり、特に機器可動部に公転運動を与える運転手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この発明は、一対の渦巻体をそれぞれの中心位置をずらしてかみ合わせ、相対的な円運動(公転運動)を加えて両渦巻体間に形成された密閉空間を移動させながら空間容積を変化させる構成のスクロール流体機械に関するものである。
この種のスクロール流体機械に関する原理は古くから公知であるが、図8を参照してスクロール圧縮機の場合の動作原理を説明する。図8の(a),(b),(c),(d)図は、それぞれスクロール流体機械における要部の状態を経時的に示す状態説明図である。各図において、2個の渦巻体1,2をそれぞれの中心位置をずらして互いにかみ合わせ状態に配置すると、図示のように、両渦巻体1,2の間には各渦巻体側壁の接触部から次の接触部にわたり限定された密閉空間3が形成される。いま、一方の渦巻体1の中心O’が他方の渦巻体2の中心Oの周りを半径O−O’でもって公転するように、渦巻体1の自転を禁止しながら渦巻体1に回転運動させると、限定された密閉空間3の容積は徐々に減少する。
【0003】
すなわち、(a)図の状態から渦巻体1の公転角がそれぞれ90度((b)図)、180度((c)図)、270度((d)図)回転した場合、密閉空間3の容積は徐々に減少する。そうして、360度回転した状態の(a)図では両空間が中央部で連通し、更に90度ずつ移動したそれぞれ(b),(c),(d)図に示すように、密閉空間は狭まり、(d)図においては、ほとんど零となる。この間、(b)図において開きはじめた外側の空間が(c),(d)図から(a)図に移る過程で新たな流体を取り込んだ密閉空間となる。
従って、各渦巻体1,2の軸方向両端に摺動可能にシールした側面板をそれぞれ設け、一方の側面板の中央部に(a)図に示す吐出孔4を設ければ、径方向外側から取り込まれた流体が圧縮され、吐出孔4から吐出されることとなる。逆に、回転体1に逆方向の回転を与えれば、中央の孔4を吸入孔として真空ポンプの動作をさせることができる。
上記のような原理に基づくスクロール流体機械では、一方の渦巻体に対して円軌道上を公転運動しながら密閉空間を形成する可動スクロール部材の回転運動を防止しながら、2個の渦巻体を所定位置に維持する自転防止機構としてオルダムリングが用いられる。
【0004】
この種のオルダムリングの構造は、例えば特開平2―233892号公報に開示されたように公知のものであり、その要部分解斜視図(一部破断)を図9に示す。
図において、5はオルダムリング、5a,5bはそれぞれオルダムリング5の対面上で互いに直交方向に凸設された各一対の爪部、6は可動スクロール部材、6a,6bはそれぞれ可動スクロール部材6のオルダムリング爪溝、6cは可動スクロール部材6の片面に形成された渦巻翼、7は図示せぬ固定スクロール部材と一体化される軸受け部材、7a,7bはそれぞれ軸受け部材7のオルダムリング爪溝、8はクランク軸である。この場合、可動スクロール部材6は先の説明における渦巻体1に相当する。また、渦巻体2は図示せぬ固定スクロール部材に相当する。
ここで、可動スクロール部材6とオルダムリング5とは、爪溝6a,6bと爪部5a,5aとが嵌合されることにより、可動スクロール部材6の軸受け部材7に対する位置決めが行われ、可動スクロール部材6の自転運動が防止される。そして、可動スクロール部材6の公転運動の駆動力は、クランク軸8の回転運動により与えられるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスクロール流体機械は上記のように構成されていたので、以下のような課題があった。
すなわち、上記したO−O’の半径を持つ公転運動力はクランク軸8の回転運動から得なければならないため、クランク軸嵌合部でクランク軸8の回転による摩擦損失が発生する。また、モータの回転支持部においても、摩擦損失が発生する。
一方、モータとの連結による機器構成では、スクロール流体機械の形状が円筒軸方向に長くなり、縦置きの場合にはモータが下に配置されるが重心位置は高くなる。そのため、可動部の運動による振動振幅が大きくなる。また、モータによる回転力を利用するにあたり、回転体側の磁力保持手段を永久磁石ではなく電磁石で構成した場合は、回転体通電用のスリップリングといった摩耗部品や保守部品の使用が必要となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスクロール流体機械は、渦巻体を有する固定スクロール部材と、前記固定スクロールと組み合わされる渦巻体を有する可動スクロール部材と、前記可動スクロール部材を円軌道上を公転運動させて前記固定スクロール部材との間に移動する線接触部を生じさせることにより閉塞された空間を形成させるように前記両スクロール部材をそれぞれ所定位置に保持する自転防止機構としてのオルダムリングとを備え、前記可動スクロール部材に取り付けられた少なくとも2組の可動側磁力保持手段と、前記可動側磁力保持手段と対向する位置に固定された固定側磁力保持手段と、前記可動側磁力保持手段および/または前記固定側磁力保持手段における磁力の極性を変化させて前記可動スクロール部材に公転力を与える磁力変化手段とを設けたスクロール流体機械であって、前記可動側磁力保持手段および/または前記固定側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持手段を、多相交流電源により作動する電磁石で構成し、前記多相交流電源の出力位相を検出する位相検知手段を備えたことを特徴とする。
また、前記磁力変化手段からの前記多相交流電源に係る出力位相を、前記可動側磁力保持手段または前記固定側磁力保持手段のうち、複数の前記可動側磁力保持手段のうちの所定の1つと、それに対向する前記固定側磁力保持手段との間の距離が最も短く、かつ、極性を変化させる方の磁力保持手段に対して磁力の強い所定の位相で付与して、運転停止または運転開始を行うようにしていることを特徴とする
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
発明の実施の形態1.
図1乃至図4を用いて、本発明の請求項1〜4,6,および7に対応する実施の形態を説明する。
図1において、6は可動スクロール部材であり、図示していないが従来技術で示したようなオルダムリング機構により保持されている。また、固定スクロール部材も、機器構成上は存在するが図示していない。
11a〜11dはそれぞれ可動スクロール部材6に固定された永久磁石製の可動側磁力保持手段であり、極性を変化させない方の磁力保持手段である。12a〜12dはそれぞれ電磁石で構成されて極性変化可能な2組の固定側磁力保持手段である。ここで、可動側磁力保持手段11a〜11dに近接する固定側磁力保持手段12a〜12dの部位における磁力極性を示すため、それぞれにA〜Dの記号を付している。尚、図1において各部(A〜D)の磁極は機械的に90度ずつずれて配置されている。
【0015】
また、13aは交流電源であり、20は多相可変周波数交流電源である。多相可変周波数交流電源20は以下に示す符号14〜19の要素で構成されている。すなわち、14a,14bは整流手段であり、整流手段14aは正側の電圧に対し、整流手段14bは負側の電圧に対して動作する。15a,15bは直流電圧平滑手段であり、直流電圧平滑手段15aは正側に、直流電圧平滑手段15bは負側に配置される。これらの構成要素から、いわゆる半波整流回路が2組形成される。
16a,16bおよび17a,17bは固定側磁力保持手段12aおよび12cに電流を供給するスイッチ回路を構成している。スイッチ回路16aはON時に正側の直流電圧平滑手段15aに蓄えられたエネルギーを固定側磁力保持手段12a,12cに供給する。一方、スイッチ回路16bはON時に負側の直流電圧平滑手段15bに蓄えられたエネルギーを、正側の直流電圧平滑手段15aの場合とは逆向きに、固定側磁力保持手段12a,12cに供給する。スイッチ回路17aはスイッチ回路16bのOFF時の環流電流を直流電圧平滑手段15aに流し、スイッチ回路17bはスイッチ回路16aのOFF時の環流電流を直流電圧平滑手段15bに流すようになっている。
【0016】
18および19は、固定側磁力保持手段12bおよび12dに電流を供給するスイッチ回路を構成している。スイッチ回路18aはON時に直流電圧平滑手段15aに蓄えられたエネルギーを固定側磁力保持手段12b,12dに供給し、スイッチ回路18bはON時に直流電圧平滑手段15bに蓄えられたエネルギーを、直流電圧平滑手段15aの場合とは逆向きに、固定側磁力保持手段12b,12dに供給する。スイッチ回路19aはスイッチ回路18bのOFF時の環流電流を直流電圧平滑手段15aに流し、スイッチ回路19bはスイッチ回路18aのOFF時の環流電流を直流電圧平滑手段15bに流すようになっている。
【0017】
上記のように構成された流体機械において、固定側磁力保持手段12の励磁は図2に示すように実施される。
例えば、スイッチ回路16a(18a)がONの時、A(B)部がS相に、C(D)部がN相にそれぞれ励磁される。一方、スイッチ回路16b(18b)がONの時は、A(B)部がN相に、C(D)部がS相にそれぞれ励磁される。すなわち、図2に示したように、各スイッチ回路16a,16b(または、18a,18b)のON/OFF時間を変更することにより、磁力極性および平均的な励磁力を変更することができる。
そして、固定側磁力保持手段12の磁力極性および平均値を図3に示すように時間的に左列から右列へと変化させていくことにより、A〜D部における磁力極性の変化に応じて、可動側磁力保持手段11との吸引力および反発力が働き、可動スクロール部材6が移動する。例えば、可動スクロール部材6の移動位置上の状態では、A部がS相、C部がN相に励磁されており、A部では固定側磁力保持手段11a,11dとの間に吸引力が生じ、C部では固定側磁力保持手段11b,11cとの間に反発力が生じる。これにより、可動スクロール部材6は図面上で上方に移動するのである。
【0018】
このように構成したことにより、以下のような効果を奏する。
図1の構成において、図3のように固定側磁力保持手段12の磁力極性を変化させることにより、可動スクロール部材6に公転力を与えて公転運動させることができる。すなわち、多相可変周波数交流電源20が本発明にいうところの磁力変化手段の一例である。また、多相可変周波数交流電源20の動作によって固定側磁力保持手段12の磁力の変化スピードを可変とすることにより、可動スクロール部材6の公転運動スピードも可変にできる。
そして、本実施形態機械は、構成として従来機械のようなクランク軸およびモータの回転体を持たないため、従来機械で発生していた摩擦損失を生じない。また、具体的な機器の形状を想定した場合、基本的に公転運動をする可動スクロール部材6の円周方向に部材を配置することになる。そのため、機械全体が円筒形状であるにしても、その高さ方向は低くなって重心位置を低く設計できるので、振動振幅を小さく抑えることができる。
【0019】
一方、図4に示すように、極性を変化させない方の可動側磁力保持手段11も永久磁石でなく、直流電源21により作動する電磁石で構成した場合、接続配線22は公転運動に追従するだけの長さの余裕と柔軟性があれば良く、回転体への給電時に用いられるスリップリングのような複雑な接触部品は必要としない。更に、多相可変周波数交流電源20によって固定側磁力保持手段12および可動側磁力保持手段11の励磁電圧値を可変とすれば磁力を可変にできるので、スクロール流体機械の必要トルクに応じて励磁力を変化させることができ、省エネルギーに繋がる。
尚、多相可変周波数交流電源20として半波整流に基づく構成を示したが、いわゆるPWMインバータ構成などにより多相可変周波数交流電源を構成しても、同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0020】
発明の実施の形態2.
図5乃至図7を用いて、請求項5および請求項8に対応する実施の形態について説明する。
図5において、6は可動スクロール部材、11e〜11jはそれぞれ可動スクロール部材6に固定された永久磁石製の可動側磁力保持手段であり、磁力極性を変化させない方の磁力保持手段である。12e〜12jはそれぞれ電磁石で構成されて極性変化可能な3組の固定側磁力保持手段である。ここで、12e〜12jの可動側磁力保持手段11e〜11jに近接する部位の磁力極性を示すため、それぞれにE〜Jの記号を付してある。尚、図5のように各部(E〜J)の磁極は機械的に60度ずつずれて配置されている。
そして、13bは3相交流電源、23は運転停止手段、24は位相検出手段である。また、図において、運転停止手段23のR,S,Tは図の煩雑さを防ぐため記号を付すことにより結線接続を途中で省略しているが、それぞれ固定側磁力保持手段12e〜12jにおけるR,S,T同士と電気的に接続されている。
【0021】
このように構成することにより、実施の形態1の場合と同様に、可動側磁力保持手段11と固定側磁力保持手段12の間の吸引力と反発力を得、それにより可動スクロール部材6を公転運動させることができる。
この場合において、交流電源13bによる固定側磁力保持手段12e〜12jのE〜J部での発生磁力と、それに基づく可動スクロール部材6の公転運動の様子は図3と同様であり、図6のように示すことができる。すなわち、商用の3相交流電源により、順次磁力極性が変化し、公転力が得られるのである。
【0022】
次に、図7のフローチャートにより、図5の構成において運転・停止を行うアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは、可動スクロール部材6の公転運動により固定側磁力保持手段12と可動側磁力保持手段11の間の距離が変化するため、運転開始時において、それらの間の距離が近い部位であり、かつ、磁力が強い位相で固定側磁力保持手段12へ出力して通電を開始させることにより、始動の失敗を防止することを目的としている。
図7において、電源電圧周波数に基づく位相変化に対して十分短い時間間隔でS1からアルゴリズムを起動し、S2へ進む。S2では現在運転中であるか停止中であるかを判定し、運転中であればS3へ、停止中であればS6へ進む。
ここで、「運転中」に係るS3では、現時点で停止の指令が来ているかどうかを判定し、そうであればS4へ、そうでなければS9へ進んで本アルゴリズムを抜ける。S4では位相検知手段24の検出値により現在の電源位相が所定位相(例えば、6個の可動側磁力保持手段11e〜11jのうちの所定の1つと、それに対向する固定側磁力保持手段12e〜12jとの間の距離が最も短く、かつ、極性を変化させる固定側磁力保持手段12e〜12jのそのときの位相に近い位相)であるかどうかを判定し、そうであればS5へ、そうでなければS9へ進む。S5では運転停止手段23により運転を停止し、S9へ進む。
一方、「停止中」に係るS6では運転の指令が来ているかどうかを判定し、そうであればS7へ、そうでなければS9へ進む。S7では位相検知手段24の検出値により現在の電源位相が前記した所定位相であるかどうかを判定し、そうであればS8へ、そうでなければS9へ進む。S8では運転停止手段23により運転を開始し、S9へ進む。S9では本アルゴリズムから抜ける。
【0023】
上記のように構成したことにより、以下のような効果を奏する。
図5の構成において、固定側磁力保持手段12の磁力極性を図6のように変化させることにより、可動スクロール部材6を公転運動させることができる。また、運転停止前および始動時の位相を所定に定めることにより、商用の3相電源の開閉によって簡便な運転停止ができる。
無論、先に述べた実施の形態1と同等の種々の効果を奏するのは言うまでもない。
【0024】
尚、上述した各実施の形態では、固定側磁力保持手段12の磁力極性を反転させる方式としたが、相対的な問題であるので、可動側磁力保持手段11の磁力極性を反転させる方式としても、同様の効果が得られる。あるいは、固定側磁力保持手段12および可動側磁力保持手段11双方の磁力極性を反転させる方式としてもよく、その場合に固定側磁力保持手段12および可動側磁力保持手段11の励磁力を可変としても構わない。
また、本発明の機構は公転運動を発生させるものであり、本質的にはスクロール流体機械に固有の技術ではなく、ロータリ式圧縮機の内部ロータ構造体の運動など公転運動する機械全般に適用できることは言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明により以下に示す効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、固定側磁力保持手段および/または可動側磁力保持手段における磁力の極性を変化させるようにしたことにより、可動スクロール部材を公転運動させることができる。また、従来機械に配備されていたクランク軸およびモータの回転体を持たないため、従来機械で発生していた当該部分の摩擦損失を生じない。そのうえ、具体的な機器形状を想定した場合、基本的に公転運動の円周方向に部材を配置することとなるため、竪型円筒形状であったとしてもその高さ方向寸法は低くなる。従って、スクロール流体機械全体に対し加振源である可動スクロール部材の重心位置を低く設計できるので、振動振幅を低く抑えることができる。
【0026】
また、極性を変化させない方の磁力保持手段を永久磁石で構成した場合は、電磁石を用いた場合と比べて構成が簡単で済み安価に提供される。
【0027】
そして、極性を変化させない方の磁力保持手段を永久磁石ではなく直流電源による電磁石で構成した場合、可動スクロール部材側に配置された電磁石と固定スクロール部材側に配置された直流電源とをつなぐ接続配線は、公転運動に追従するだけの長さの余裕と柔軟性があれば良く、従来機械において回転体への給電時に用いられる、例えばスリップリングのような接触部品を必要としない。
【0028】
更に、極性の変化しない磁力保持手段を構成する電磁石に対して与えられる直流電源を、電圧値可変に構成した場合は、当該磁力保持手段の励磁力を大きくしたり小さくしたりできるため、スクロール流体機械の必要トルクに応じて励磁力を変化させることにより、大トルクの必要な過渡動作が容易になるとともに定常動作時の省エネルギーに繋がる。
【0029】
また、可動側磁力保持手段および/または固定側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持手段を、多相交流電源により作動する電磁石で構成してあるので、商用3相電源により、簡単な構成で安価に可動スクロール部材を駆動させることができる。
【0030】
そして、極性を変化させるようにした磁力保持手段の磁力の変化スピードを多相可変周波数交流電源の作動により可変としたので、可動スクロール部材の公転運動スピードを可変にすることができる。
【0031】
更に、固定側磁力保持手段および/または可動側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持手段の励磁力を可変にした場合は、スクロール流体機械の必要トルクに応じて励磁力を変化させることができるため、大トルクの必要な過渡動作が容易になるとともに定常動作時の省エネルギーに繋がる。
【0032】
また、運転停止前および始動時における磁力変化手段からの出力位相を、所定の可動側磁力保持手段と固定側磁力保持手段の間の距離が最も短く、かつ、極性を変化させる方の磁力保持手段のそのときの位相に近い所定位相に設定することにより、安定な運転開始を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスクロール流体機械の要部構成を示す構成図である。
【図2】前記した実施の形態1に係るスクロール流体機械の固定側磁力保持手段における励磁概念を示す説明図である。
【図3】前記した実施の形態1に係るスクロール流体機械の励磁変化による公転運動を説明するための説明図である。
【図4】前記した実施の形態1に係るスクロール流体機械のバリエーションを示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るスクロール流体機械の要部構成を示す構成図である。
【図6】前記した実施の形態2に係るスクロール流体機械の励磁変化による公転運動を説明するための説明図である。
【図7】前記した実施の形態2に係るスクロール流体機械の制御フローチャートである。
【図8】従来例のスクロール流体機械に係る動作説明図である。
【図9】従来例のスクロール流体機械に係る要部構造の斜視図である。
【符号の説明】
1 渦巻体、2 渦巻体、5 オルダムリング、6 可動スクロール部材、11 可動側磁力保持手段、12 固定側磁力保持手段、13 交流電源、20 多相可変周波数交流電源。

Claims (2)

  1. 渦巻体を有する固定スクロール部材と、前記固定スクロールと組み合わされる渦巻体を有する可動スクロール部材と、前記可動スクロール部材を円軌道上を公転運動させて前記固定スクロール部材との間に移動する線接触部を生じさせることにより閉塞された空間を形成させるように前記両スクロール部材をそれぞれ所定位置に保持する自転防止機構としてのオルダムリングとを備え、前記可動スクロール部材に取り付けられた少なくとも2組の可動側磁力保持手段と、前記可動側磁力保持手段と対向する位置に固定された固定側磁力保持手段と、前記可動側磁力保持手段および/または前記固定側磁力保持手段における磁力の極性を変化させて前記可動スクロール部材に公転力を与える磁力変化手段とを設けたスクロール流体機械であって、
    前記可動側磁力保持手段および/または前記固定側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持手段を、多相交流電源により作動する電磁石で構成し、前記多相交流電源の出力位相を検出する位相検知手段を備えたことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 前記磁力変化手段からの前記多相交流電源に係る出力位相を、前記可動側磁力保持手段または前記固定側磁力保持手段のうち、複数の前記可動側磁力保持手段のうちの所定の1つと、それに対向する前記固定側磁力保持手段との間の距離が最も短く、かつ、極性を変化させる方の磁力保持手段に対して磁力の強い所定の位相で付与して、運転停止または運転開始を行うようにしていることを特徴とする請求項第1項に記載のスクロール流体機械。
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