JP2001165070A - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP2001165070A
JP2001165070A JP35150999A JP35150999A JP2001165070A JP 2001165070 A JP2001165070 A JP 2001165070A JP 35150999 A JP35150999 A JP 35150999A JP 35150999 A JP35150999 A JP 35150999A JP 2001165070 A JP2001165070 A JP 2001165070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール流体機械においては、可動スクロ
ール部材が公転(揺動)運動を行うが、モータ回転力の
継ぎ手による力の伝達により摩擦損失などで効率が低下
していた。 【解決手段】 本スクロール流体機械は、可動スクロー
ル部材6に取り付けられた少なくとも2組の可動側磁力
保持手段11a〜11dと、これらの可動側磁力保持手
段11a〜11dと対向する位置に固定された固定側磁
力保持手段12a〜12dと、可動側磁力保持手段11
a〜11dおよび/または固定側磁力保持手段12a〜
12dにおける磁力の極性を変化させて可動スクロール
部材6に公転力を与える多相可変周波数交流電源20と
を備えているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒圧縮機などに
用いられるスクロール圧縮機またはスクロール真空ポン
プなどのスクロール流体機械に関するものであり、特に
機器可動部に公転運動を与える運転手段に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この発明は、一対の渦巻体をそれぞれの
中心位置をずらしてかみ合わせ、相対的な円運動(公転
運動)を加えて両渦巻体間に形成された密閉空間を移動
させながら空間容積を変化させる構成のスクロール流体
機械に関するものである。この種のスクロール流体機械
に関する原理は古くから公知であるが、図8を参照して
スクロール圧縮機の場合の動作原理を説明する。図8の
(a),(b),(c),(d)図は、それぞれスクロ
ール流体機械における要部の状態を経時的に示す状態説
明図である。各図において、2個の渦巻体1,2をそれ
ぞれの中心位置をずらして互いにかみ合わせ状態に配置
すると、図示のように、両渦巻体1,2の間には各渦巻
体側壁の接触部から次の接触部にわたり限定された密閉
空間3が形成される。いま、一方の渦巻体1の中心O’
が他方の渦巻体2の中心Oの周りを半径O−O’でもっ
て公転するように、渦巻体1の自転を禁止しながら渦巻
体1に回転運動させると、限定された密閉空間3の容積
は徐々に減少する。
【0003】すなわち、(a)図の状態から渦巻体1の
公転角がそれぞれ90度((b)図)、180度
((c)図)、270度((d)図)回転した場合、密
閉空間3の容積は徐々に減少する。そうして、360度
回転した状態の(a)図では両空間が中央部で連通し、
更に90度ずつ移動したそれぞれ(b),(c),
(d)図に示すように、密閉空間は狭まり、(d)図に
おいては、ほとんど零となる。この間、(b)図におい
て開きはじめた外側の空間が(c),(d)図から
(a)図に移る過程で新たな流体を取り込んだ密閉空間
となる。従って、各渦巻体1,2の軸方向両端に摺動可
能にシールした側面板をそれぞれ設け、一方の側面板の
中央部に(a)図に示す吐出孔4を設ければ、径方向外
側から取り込まれた流体が圧縮され、吐出孔4から吐出
されることとなる。逆に、回転体1に逆方向の回転を与
えれば、中央の孔4を吸入孔として真空ポンプの動作を
させることができる。上記のような原理に基づくスクロ
ール流体機械では、一方の渦巻体に対して円軌道上を公
転運動しながら密閉空間を形成する可動スクロール部材
の回転運動を防止しながら、2個の渦巻体を所定位置に
維持する自転防止機構としてオルダムリングが用いられ
る。
【0004】この種のオルダムリングの構造は、例えば
特開平2―233892号公報に開示されたように公知
のものであり、その要部分解斜視図(一部破断)を図9
に示す。図において、5はオルダムリング、5a,5b
はそれぞれオルダムリング5の対面上で互いに直交方向
に凸設された各一対の爪部、6は可動スクロール部材、
6a,6bはそれぞれ可動スクロール部材6のオルダム
リング爪溝、6cは可動スクロール部材6の片面に形成
された渦巻翼、7は図示せぬ固定スクロール部材と一体
化される軸受け部材、7a,7bはそれぞれ軸受け部材
7のオルダムリング爪溝、8はクランク軸である。この
場合、可動スクロール部材6は先の説明における渦巻体
1に相当する。また、渦巻体2は図示せぬ固定スクロー
ル部材に相当する。ここで、可動スクロール部材6とオ
ルダムリング5とは、爪溝6a,6bと爪部5a,5a
とが嵌合されることにより、可動スクロール部材6の軸
受け部材7に対する位置決めが行われ、可動スクロール
部材6の自転運動が防止される。そして、可動スクロー
ル部材6の公転運動の駆動力は、クランク軸8の回転運
動により与えられるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール流体
機械は上記のように構成されていたので、以下のような
課題があった。すなわち、上記したO−O’の半径を持
つ公転運動力はクランク軸8の回転運動から得なければ
ならないため、クランク軸嵌合部でクランク軸8の回転
による摩擦損失が発生する。また、モータの回転支持部
においても、摩擦損失が発生する。一方、モータとの連
結による機器構成では、スクロール流体機械の形状が円
筒軸方向に長くなり、縦置きの場合にはモータが下に配
置されるが重心位置は高くなる。そのため、可動部の運
動による振動振幅が大きくなる。また、モータによる回
転力を利用するにあたり、回転体側の磁力保持手段を永
久磁石ではなく電磁石で構成した場合は、回転体通電用
のスリップリングといった摩耗部品や保守部品の使用が
必要となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスクロール
流体機械は、以上のような課題を解決するためになされ
たものであり、渦巻体を有する固定スクロール部材と、
固定スクロールと組み合わされる渦巻体を有する可動ス
クロール部材と、可動スクロール部材を円軌道上を公転
運動させて固定スクロール部材との間に移動する線接触
部を生じさせることにより閉塞された空間を形成させる
ように両スクロール部材をそれぞれ所定位置に保持する
自転防止機構としてのオルダムリングと、を備えたスク
ロール流体機械において、可動スクロール部材に取り付
けられた少なくとも2組の可動側磁力保持手段と、可動
側磁力保持手段と対向する位置に固定された固定側磁力
保持手段と、可動側磁力保持手段および/または固定側
磁力保持手段における磁力の極性を変化させて可動スク
ロール部材に公転力を与える磁力変化手段と、を設けた
ものである。
【0007】また、可動側磁力保持手段または固定側磁
力保持手段のうち、極性を変化させない方の磁力保持手
段を、永久磁石で構成したものである。
【0008】そして、可動側磁力保持手段または固定側
磁力保持手段のうち、極性を変化させない方の磁力保持
手段を、直流電源により作動する電磁石で構成したもの
である。
【0009】更に、電磁石を作動させる直流電源を電圧
値可変に構成したものである。
【0010】また、可動側磁力保持手段および/または
固定側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持
手段を、多相交流電源により作動する電磁石で構成した
ものである。
【0011】そして、電磁石を作動させる多相交流電源
を、多相可変周波数交流電源で構成したものである。
【0012】更に、可動側磁力保持手段および/または
固定側磁力保持手段の励磁力を可変に構成したものであ
る。
【0013】また、運転停止前および始動時における磁
力変化手段からの多相交流電源に係る出力位相を、可動
側磁力保持手段または固定側磁力保持手段のうち、複数
の可動側磁力保持手段のうちの所定の1つと、それに対
向する固定側磁力保持手段との間の距離が最も短く、か
つ、極性を変化させる方の磁力保持手段のそのときの位
相に近い所定位相に設定するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳しく説明する。 発明の実施の形態1.図1乃至図4を用いて、本発明の
請求項1〜4,6,および7に対応する実施の形態を説
明する。図1において、6は可動スクロール部材であ
り、図示していないが従来技術で示したようなオルダム
リング機構により保持されている。また、固定スクロー
ル部材も、機器構成上は存在するが図示していない。1
1a〜11dはそれぞれ可動スクロール部材6に固定さ
れた永久磁石製の可動側磁力保持手段であり、極性を変
化させない方の磁力保持手段である。12a〜12dは
それぞれ電磁石で構成されて極性変化可能な2組の固定
側磁力保持手段である。ここで、可動側磁力保持手段1
1a〜11dに近接する固定側磁力保持手段12a〜1
2dの部位における磁力極性を示すため、それぞれにA
〜Dの記号を付している。尚、図1において各部(A〜
D)の磁極は機械的に90度ずつずれて配置されてい
る。
【0015】また、13aは交流電源であり、20は多
相可変周波数交流電源である。多相可変周波数交流電源
20は以下に示す符号14〜19の要素で構成されてい
る。すなわち、14a,14bは整流手段であり、整流
手段14aは正側の電圧に対し、整流手段14bは負側
の電圧に対して動作する。15a,15bは直流電圧平
滑手段であり、直流電圧平滑手段15aは正側に、直流
電圧平滑手段15bは負側に配置される。これらの構成
要素から、いわゆる半波整流回路が2組形成される。1
6a,16bおよび17a,17bは固定側磁力保持手
段12aおよび12cに電流を供給するスイッチ回路を
構成している。スイッチ回路16aはON時に正側の直
流電圧平滑手段15aに蓄えられたエネルギーを固定側
磁力保持手段12a,12cに供給する。一方、スイッ
チ回路16bはON時に負側の直流電圧平滑手段15b
に蓄えられたエネルギーを、正側の直流電圧平滑手段1
5aの場合とは逆向きに、固定側磁力保持手段12a,
12cに供給する。スイッチ回路17aはスイッチ回路
16bのOFF時の環流電流を直流電圧平滑手段15a
に流し、スイッチ回路17bはスイッチ回路16aのO
FF時の環流電流を直流電圧平滑手段15bに流すよう
になっている。
【0016】18および19は、固定側磁力保持手段1
2bおよび12dに電流を供給するスイッチ回路を構成
している。スイッチ回路18aはON時に直流電圧平滑
手段15aに蓄えられたエネルギーを固定側磁力保持手
段12b,12dに供給し、スイッチ回路18bはON
時に直流電圧平滑手段15bに蓄えられたエネルギー
を、直流電圧平滑手段15aの場合とは逆向きに、固定
側磁力保持手段12b,12dに供給する。スイッチ回
路19aはスイッチ回路18bのOFF時の環流電流を
直流電圧平滑手段15aに流し、スイッチ回路19bは
スイッチ回路18aのOFF時の環流電流を直流電圧平
滑手段15bに流すようになっている。
【0017】上記のように構成された流体機械におい
て、固定側磁力保持手段12の励磁は図2に示すように
実施される。例えば、スイッチ回路16a(18a)が
ONの時、A(B)部がS相に、C(D)部がN相にそ
れぞれ励磁される。一方、スイッチ回路16b(18
b)がONの時は、A(B)部がN相に、C(D)部が
S相にそれぞれ励磁される。すなわち、図2に示したよ
うに、各スイッチ回路16a,16b(または、18
a,18b)のON/OFF時間を変更することによ
り、磁力極性および平均的な励磁力を変更することがで
きる。そして、固定側磁力保持手段12の磁力極性およ
び平均値を図3に示すように時間的に左列から右列へと
変化させていくことにより、A〜D部における磁力極性
の変化に応じて、可動側磁力保持手段11との吸引力お
よび反発力が働き、可動スクロール部材6が移動する。
例えば、可動スクロール部材6の移動位置上の状態で
は、A部がS相、C部がN相に励磁されており、A部で
は固定側磁力保持手段11a,11dとの間に吸引力が
生じ、C部では固定側磁力保持手段11b,11cとの
間に反発力が生じる。これにより、可動スクロール部材
6は図面上で上方に移動するのである。
【0018】このように構成したことにより、以下のよ
うな効果を奏する。図1の構成において、図3のように
固定側磁力保持手段12の磁力極性を変化させることに
より、可動スクロール部材6に公転力を与えて公転運動
させることができる。すなわち、多相可変周波数交流電
源20が本発明にいうところの磁力変化手段の一例であ
る。また、多相可変周波数交流電源20の動作によって
固定側磁力保持手段12の磁力の変化スピードを可変と
することにより、可動スクロール部材6の公転運動スピ
ードも可変にできる。そして、本実施形態機械は、構成
として従来機械のようなクランク軸およびモータの回転
体を持たないため、従来機械で発生していた摩擦損失を
生じない。また、具体的な機器の形状を想定した場合、
基本的に公転運動をする可動スクロール部材6の円周方
向に部材を配置することになる。そのため、機械全体が
円筒形状であるにしても、その高さ方向は低くなって重
心位置を低く設計できるので、振動振幅を小さく抑える
ことができる。
【0019】一方、図4に示すように、極性を変化させ
ない方の可動側磁力保持手段11も永久磁石でなく、直
流電源21により作動する電磁石で構成した場合、接続
配線22は公転運動に追従するだけの長さの余裕と柔軟
性があれば良く、回転体への給電時に用いられるスリッ
プリングのような複雑な接触部品は必要としない。更
に、多相可変周波数交流電源20によって固定側磁力保
持手段12および可動側磁力保持手段11の励磁電圧値
を可変とすれば磁力を可変にできるので、スクロール流
体機械の必要トルクに応じて励磁力を変化させることが
でき、省エネルギーに繋がる。尚、多相可変周波数交流
電源20として半波整流に基づく構成を示したが、いわ
ゆるPWMインバータ構成などにより多相可変周波数交
流電源を構成しても、同様の効果を奏することは言うま
でもない。
【0020】発明の実施の形態2.図5乃至図7を用い
て、請求項5および請求項8に対応する実施の形態につ
いて説明する。図5において、6は可動スクロール部
材、11e〜11jはそれぞれ可動スクロール部材6に
固定された永久磁石製の可動側磁力保持手段であり、磁
力極性を変化させない方の磁力保持手段である。12e
〜12jはそれぞれ電磁石で構成されて極性変化可能な
3組の固定側磁力保持手段である。ここで、12e〜1
2jの可動側磁力保持手段11e〜11jに近接する部
位の磁力極性を示すため、それぞれにE〜Jの記号を付
してある。尚、図5のように各部(E〜J)の磁極は機
械的に60度ずつずれて配置されている。そして、13
bは3相交流電源、23は運転停止手段、24は位相検
出手段である。また、図において、運転停止手段23の
R,S,Tは図の煩雑さを防ぐため記号を付すことによ
り結線接続を途中で省略しているが、それぞれ固定側磁
力保持手段12e〜12jにおけるR,S,T同士と電
気的に接続されている。
【0021】このように構成することにより、実施の形
態1の場合と同様に、可動側磁力保持手段11と固定側
磁力保持手段12の間の吸引力と反発力を得、それによ
り可動スクロール部材6を公転運動させることができ
る。この場合において、交流電源13bによる固定側磁
力保持手段12e〜12jのE〜J部での発生磁力と、
それに基づく可動スクロール部材6の公転運動の様子は
図3と同様であり、図6のように示すことができる。す
なわち、商用の3相交流電源により、順次磁力極性が変
化し、公転力が得られるのである。
【0022】次に、図7のフローチャートにより、図5
の構成において運転・停止を行うアルゴリズムを示す。
このアルゴリズムは、可動スクロール部材6の公転運動
により固定側磁力保持手段12と可動側磁力保持手段1
1の間の距離が変化するため、運転開始時において、そ
れらの間の距離が近い部位であり、かつ、磁力が強い位
相で固定側磁力保持手段12へ出力して通電を開始させ
ることにより、始動の失敗を防止することを目的として
いる。図7において、電源電圧周波数に基づく位相変化
に対して十分短い時間間隔でS1からアルゴリズムを起
動し、S2へ進む。S2では現在運転中であるか停止中
であるかを判定し、運転中であればS3へ、停止中であ
ればS6へ進む。ここで、「運転中」に係るS3では、
現時点で停止の指令が来ているかどうかを判定し、そう
であればS4へ、そうでなければS9へ進んで本アルゴ
リズムを抜ける。S4では位相検知手段24の検出値に
より現在の電源位相が所定位相(例えば、6個の可動側
磁力保持手段11e〜11jのうちの所定の1つと、そ
れに対向する固定側磁力保持手段12e〜12jとの間
の距離が最も短く、かつ、極性を変化させる固定側磁力
保持手段12e〜12jのそのときの位相に近い位相)
であるかどうかを判定し、そうであればS5へ、そうで
なければS9へ進む。S5では運転停止手段23により
運転を停止し、S9へ進む。一方、「停止中」に係るS
6では運転の指令が来ているかどうかを判定し、そうで
あればS7へ、そうでなければS9へ進む。S7では位
相検知手段24の検出値により現在の電源位相が前記し
た所定位相であるかどうかを判定し、そうであればS8
へ、そうでなければS9へ進む。S8では運転停止手段
23により運転を開始し、S9へ進む。S9では本アル
ゴリズムから抜ける。
【0023】上記のように構成したことにより、以下の
ような効果を奏する。図5の構成において、固定側磁力
保持手段12の磁力極性を図6のように変化させること
により、可動スクロール部材6を公転運動させることが
できる。また、運転停止前および始動時の位相を所定に
定めることにより、商用の3相電源の開閉によって簡便
な運転停止ができる。無論、先に述べた実施の形態1と
同等の種々の効果を奏するのは言うまでもない。
【0024】尚、上述した各実施の形態では、固定側磁
力保持手段12の磁力極性を反転させる方式としたが、
相対的な問題であるので、可動側磁力保持手段11の磁
力極性を反転させる方式としても、同様の効果が得られ
る。あるいは、固定側磁力保持手段12および可動側磁
力保持手段11双方の磁力極性を反転させる方式として
もよく、その場合に固定側磁力保持手段12および可動
側磁力保持手段11の励磁力を可変としても構わない。
また、本発明の機構は公転運動を発生させるものであ
り、本質的にはスクロール流体機械に固有の技術ではな
く、ロータリ式圧縮機の内部ロータ構造体の運動など公
転運動する機械全般に適用できることは言うまでもな
い。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により以下に
示す効果を奏する。すなわち、本発明によれば、固定側
磁力保持手段および/または可動側磁力保持手段におけ
る磁力の極性を変化させるようにしたことにより、可動
スクロール部材を公転運動させることができる。また、
従来機械に配備されていたクランク軸およびモータの回
転体を持たないため、従来機械で発生していた当該部分
の摩擦損失を生じない。そのうえ、具体的な機器形状を
想定した場合、基本的に公転運動の円周方向に部材を配
置することとなるため、竪型円筒形状であったとしても
その高さ方向寸法は低くなる。従って、スクロール流体
機械全体に対し加振源である可動スクロール部材の重心
位置を低く設計できるので、振動振幅を低く抑えること
ができる。
【0026】また、極性を変化させない方の磁力保持手
段を永久磁石で構成した場合は、電磁石を用いた場合と
比べて構成が簡単で済み安価に提供される。
【0027】そして、極性を変化させない方の磁力保持
手段を永久磁石ではなく直流電源による電磁石で構成し
た場合、可動スクロール部材側に配置された電磁石と固
定スクロール部材側に配置された直流電源とをつなぐ接
続配線は、公転運動に追従するだけの長さの余裕と柔軟
性があれば良く、従来機械において回転体への給電時に
用いられる、例えばスリップリングのような接触部品を
必要としない。
【0028】更に、極性の変化しない磁力保持手段を構
成する電磁石に対して与えられる直流電源を、電圧値可
変に構成した場合は、当該磁力保持手段の励磁力を大き
くしたり小さくしたりできるため、スクロール流体機械
の必要トルクに応じて励磁力を変化させることにより、
大トルクの必要な過渡動作が容易になるとともに定常動
作時の省エネルギーに繋がる。
【0029】また、可動側磁力保持手段および/または
固定側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持
手段を、多相交流電源により作動する電磁石で構成して
あるので、商用3相電源により、簡単な構成で安価に可
動スクロール部材を駆動させることができる。
【0030】そして、極性を変化させるようにした磁力
保持手段の磁力の変化スピードを多相可変周波数交流電
源の作動により可変としたので、可動スクロール部材の
公転運動スピードを可変にすることができる。
【0031】更に、固定側磁力保持手段および/または
可動側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持
手段の励磁力を可変にした場合は、スクロール流体機械
の必要トルクに応じて励磁力を変化させることができる
ため、大トルクの必要な過渡動作が容易になるとともに
定常動作時の省エネルギーに繋がる。
【0032】また、運転停止前および始動時における磁
力変化手段からの出力位相を、所定の可動側磁力保持手
段と固定側磁力保持手段の間の距離が最も短く、かつ、
極性を変化させる方の磁力保持手段のそのときの位相に
近い所定位相に設定することにより、安定な運転開始を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るスクロール流体
機械の要部構成を示す構成図である。
【図2】 前記した実施の形態1に係るスクロール流体
機械の固定側磁力保持手段における励磁概念を示す説明
図である。
【図3】 前記した実施の形態1に係るスクロール流体
機械の励磁変化による公転運動を説明するための説明図
である。
【図4】 前記した実施の形態1に係るスクロール流体
機械のバリエーションを示す説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態2に係るスクロール流体
機械の要部構成を示す構成図である。
【図6】 前記した実施の形態2に係るスクロール流体
機械の励磁変化による公転運動を説明するための説明図
である。
【図7】 前記した実施の形態2に係るスクロール流体
機械の制御フローチャートである。
【図8】 従来例のスクロール流体機械に係る動作説明
図である。
【図9】 従来例のスクロール流体機械に係る要部構造
の斜視図である。
【符号の説明】
1 渦巻体、2 渦巻体、5 オルダムリング、6 可
動スクロール部材、11 可動側磁力保持手段、12
固定側磁力保持手段、13 交流電源、20多相可変周
波数交流電源。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦巻体を有する固定スクロール部材と、
    前記固定スクロールと組み合わされる渦巻体を有する可
    動スクロール部材と、前記可動スクロール部材を円軌道
    上を公転運動させて前記固定スクロール部材との間に移
    動する線接触部を生じさせることにより閉塞された空間
    を形成させるように前記両スクロール部材をそれぞれ所
    定位置に保持する自転防止機構としてのオルダムリング
    と、を備えたスクロール流体機械において、前記可動ス
    クロール部材に取り付けられた少なくとも2組の可動側
    磁力保持手段と、前記可動側磁力保持手段と対向する位
    置に固定された固定側磁力保持手段と、前記可動側磁力
    保持手段および/または前記固定側磁力保持手段におけ
    る磁力の極性を変化させて前記可動スクロール部材に公
    転力を与える磁力変化手段と、を設けたことを特徴とす
    るスクロール流体機械。
  2. 【請求項2】 可動側磁力保持手段または固定側磁力保
    持手段のうち、極性を変化させない方の磁力保持手段
    を、永久磁石で構成したことを特徴とする請求項第1項
    に記載のスクロール流体機械。
  3. 【請求項3】 可動側磁力保持手段または固定側磁力保
    持手段のうち、極性を変化させない方の磁力保持手段
    を、直流電源により作動する電磁石で構成したことを特
    徴とする請求項第1項に記載のスクロール流体機械。
  4. 【請求項4】 電磁石を作動させる直流電源を電圧値可
    変に構成したことを特徴とする請求項第3項に記載のス
    クロール流体機械。
  5. 【請求項5】 可動側磁力保持手段および/または固定
    側磁力保持手段のうち、極性を変化させる磁力保持手段
    を、多相交流電源により作動する電磁石で構成したこと
    を特徴とする請求項第1項に記載のスクロール流体機
    械。
  6. 【請求項6】 電磁石を作動させる多相交流電源を、多
    相可変周波数交流電源で構成したことを特徴とする請求
    項第5項に記載のスクロール流体機械。
  7. 【請求項7】 可動側磁力保持手段および/または固定
    側磁力保持手段の励磁力を可変に構成したことを特徴と
    する請求項第1項に記載のスクロール流体機械。
  8. 【請求項8】 運転停止前および始動時における磁力変
    化手段からの多相交流電源に係る出力位相を、可動側磁
    力保持手段または固定側磁力保持手段のうち、複数の前
    記可動側磁力保持手段のうちの所定の1つと、それに対
    向する前記固定側磁力保持手段との間の距離が最も短
    く、かつ、極性を変化させる方の磁力保持手段のそのと
    きの位相に近い所定位相に設定することを特徴とする請
    求項第5項に記載のスクロール流体機械。
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