JP2011231760A - 磁気浮上式真空ポンプおよびその回転始動方法 - Google Patents

磁気浮上式真空ポンプおよびその回転始動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホールセンサ等のロータ回転位置検出機能を備えることなく、ロータ回転始動時における逆転を防止することができる磁気浮上式真空ポンプの提供。
【解決手段】ラジアル磁気軸受37,38およびアキシャル磁気軸受39により磁気浮上されたロータ30を、モータ36により高速回転して気体の排気を行う磁気浮上式真空ポンプにおいて、モータ駆動開始の前に、ラジアル方向の吸引力がラジアル磁気軸受37,38の中心軸に対して回転する回転磁界であって、ロータ30をモータ回転方向Rと逆方向R2に公転運動させ、かつ、該公転運動に対して進み角を有する回転磁界をラジアル磁気軸受37,38により形成させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気浮上式真空ポンプ、および磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法に関する。
ターボ分子ポンプは、回転翼が形成されたロータを固定翼に対して高速回転することにより、気体排気を行っている。ロータの回転駆動には、例えばブラシレスDCモータが用いられる。ブラシレスDCモータを駆動制御する場合、ホールセンサによってモータロータの磁極位置(角度)を検出し、ホールセンサの出力信号に基づいてモータの各巻線の電流を切り換えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ホールセンサを用いて磁極位置を検出するには、ホールセンサを120deg間隔で3個設ける必要があり、コストアップを招くという欠点があった。そのため、インダクタンス式の回転センサを1個使用し、ロータの回転方向を検出する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−47285号公報 特開2006−152958号公報
しかしながら、回転センサはホールセンサのようにロータの回転位置を検出することができないので、ロータ回転がある程度の回転速度以上に上昇しないと、ロータ回転方向の検出が非常に難しい。そのため、回転開始時(始動時)はトライアンドエラーの逐次手順で正方向回転状態へもって行く必要がある。その過程では一時的に逆回転することもあり、正方向回転状態となるまでに時間を要する場合もあった。
請求項1の発明は、ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受により磁気浮上された回転体を、モータにより高速回転して真空排気を行う磁気浮上式真空ポンプに適用され、モータの駆動および停止を制御するモータ制御部と、モータ制御部によるモータ駆動開始の前に、ラジアル磁気軸受の吸引力により回転体をモータ回転方向と逆方向に公転運動させるともにモータ回転方向に自転運動させるように、ラジアル磁気軸受を制御する磁気軸受制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、吸引方向がラジアル磁気軸受の中心軸に対して回転し、かつ、公転運動に対して進み角を有する回転磁界を、ラジアル磁気軸受により形成させるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、公転運動に対して回転位相が90deg進んだ回転磁界を形成するように、ラジアル磁気軸受を制御するようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、磁気軸受制御部は、回転磁界の形成開始から所定時間経過すると該回転磁界の形成を停止して回転体を所定位置に磁気浮上させるようにラジアル磁気軸受を制御し、モータ制御部は、回転磁界の形成の停止後に回転体が所定位置に磁気浮上されると、モータの回転を開始するようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項2に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、ラジアル磁気軸受は、回転体のラジアル方向の変位を検出する変位センサを備え、モータ制御部は、磁気軸受制御部による回転磁界の形成の後に、吸引方向の切替に同期してモータの回転駆動を開始し、磁気軸受制御部は、変位センサの検出値に基づいて、公転運動が妨げられないように吸引方向を制御するようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項3に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、ラジアル磁気軸受は、回転体のラジアル方向の変位を検出する変位センサと、変位センサの検出値に基づいて、モータのロータの回転位置が公転運動を妨げる位置か否かを判定する判定部と、を備え、モータ制御部は、磁気軸受制御部による回転磁界の形成の後に、吸引方向の切替に同期してモータの回転駆動を開始し、磁気軸受制御部は、モータのロータの回転位置が公転運動を妨げる位置であると判定部により判定されると、回転位相が180deg進んだ回転磁界を形成するようにしたものである。
請求項7の発明は、請求項5または6に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、モータに生じる逆起電圧を検出し、該逆起電圧に基づいて回転信号を生成する回転信号生成部を備え、磁気軸受制御部は、回転体の回転数が回転信号生成部による回転信号の生成が可能な回転数となったならば、回転磁界の形成を停止して回転体を所定位置に磁気浮上させるようにラジアル磁気軸受を制御し、モータ制御部は、回転信号生成部により生成された回転信号に基づいてモータの回転を制御するようにしたものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、回転体の回転軸との間に所定ラジアル方向隙間を有して配置され、ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受が非動作時に回転軸を支持するメカニカルベアリングを備え、公転運動時に回転軸がメカニカルベアリングの内周面に接触するようにラジアル磁気軸受を制御するようにしたものである。
請求項9の発明は、ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受により磁気浮上させた回転体を、モータにより高速回転して気体排気を行う磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法であって、モータを駆動開始する前に、回転体がモータ回転方向に自転運動するように、ラジアル磁気軸受の吸引力により回転体をモータ回転方向と逆方向に公転運動させることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9に記載の磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法において、アキシャル磁気軸受により回転体をアキシャル方向に磁気浮上させる第1の工程と、吸引方向がラジアル磁気軸受の中心軸に対して回転する回転磁界であって、回転体をモータ回転方向と逆方向に公転運動させ、かつ、該公転運動に対して進み角を有する回転磁界を、ラジアル磁気軸受により形成する第2の工程と、回転磁界の形成開始から所定時間経過後に、ラジアル磁気軸受による回転磁界の形成を停止して、回転体をアキシャル磁気軸受およびラジアル磁気軸受により所定の通常浮上位置に磁気浮上させる第3の工程と、モータにより回転体を回転駆動する第4の工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ホールセンサ等のロータ回転位置検出機能を備えることなく、ロータ回転始動時における逆転を防止することができる。
ターボ分子ポンプの概略構成を示す図である。 各磁気軸受37〜39の電磁石の配置を示す図である。 始動動作を説明する図であり、z軸プラス方向から見た電磁石37x,37yとロータシャフト30aの位置を示す図である。 始動動作を説明する図であり、図3に続く工程を示す。 始動動作を説明する図であり、図4に続く工程を示す。 正弦波状の吸引力を発生する場合を示す図である。 公転運動時にロータシャフト30aをメカニカルベアリング26a,26bに接触させる場合を示す図である。 ロータ回転始動動作を説明するフローチャートである。 逆起電圧による回転数検知を利用する構成のモータ制御部41を説明する図である。 回転信号生成手順を説明する図である。 モータロータ36aの磁極方向(N極,S極の配置方向)がx軸方向となっている場合のパターンを示す図である。 モータロータ36aの磁極方向(N極,S極の配置方向)がx軸方向となっている場合のパターンを示す図である。 図11に示す状態から公転制御を1ステップ(90deg)進めたときの状態を示す図である。 図12に示す状態から公転制御を1ステップ(90deg)進めたときの状態を示す図である。 パターン(a1)〜(a8)に関して、公転制御および自転運動への影響を表の形にまとめた図である。 図13,14に示す次ステップの8パターンに関して、公転制御および自転運動への影響を表にまとめた図である。 ステップ(a1)からモータ駆動を開始した場合の、その後のステップにおけるパターンを示したものである。 パターン(c3)および(c4)を示す図である。 パターン(c3)の次ステップ以後のパターンを示す図である。 パターン(c4)の次ステップ以後のパターンを示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1はターボ分子ポンプの概略構成を示す図である。ターボ分子ポンプは、ポンプ本体1と電源装置4とにより構成されている。ポンプ本体1は断面で示し、電源装置4に関しては要部を示すブロック図とした。
図1に示したターボ分子ポンプは磁気軸受式のターボ分子ポンプであって、ロータ30は、ラジアル方向の磁気軸受37,38およびアキシャル方向の磁気軸受39によって非接触支持される。磁気軸受39は、ロータシャフト30aの下部に固定されたスラストディスク35を軸方向に挟むように配置されている。ロータ30の浮上位置は、ラジアル変位センサ27,28およびアキシャル変位センサ29によって検出される。磁気軸受によって回転自在に磁気浮上されたロータ30は、モータ36により高速回転駆動される。モータ36には三相モータ(例えば、ブラシレスDCモータ)が用いられている。なお、図1では、模式的にモータ36と記載しているが、より詳細には、符号36で示した部分はモータステータを構成し、ロータシャフト30a側にモータロータが設けられている。
ロータ30の回転は、インダクタンス式ギャップセンサで構成される回転センサ33によって検出される。モータ36によって回転駆動されるロータシャフト30aの下端には、センサターゲット34が設けられている。センサターゲット34はロータシャフト30aと一体に回転する。上述したアキシャル変位センサ29および回転センサ33は、センターゲット34の下面と対向する位置に配置されている。26a,26bは非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはこれらのメカニカルベアリング26a,26bによりロータ30(ロータシャフト30a)は支持される。
ロータ30には、回転側排気機能部を構成する複数段の回転翼32と円筒状のネジロータ31とが形成されている。一方、固定側には、固定側排気機能部である固定翼22とネジステータ24とが設けられている。複数段の固定翼22は、軸方向に対して回転翼32と交互に配置されている。ネジステータ24は、ネジロータ31の外周側に所定のギャップで設けられている。なお、磁気軸受式真空ポンプであれば、ターボ分子ポンプに限らず本発明は適用することができる。例えば、ネジロータ31およびネジステータ24の無い全翼タイプのターボ分子ポンプや、回転翼の無いドラッグポンプ等に対しても本発明は適用することができる。
各固定翼22は、スペーサリング23を介してベース20上に載置される。ポンプケーシング21の固定フランジ21cをボルトによりベース20に固定すると、積層されたスペーサリング23がベース20とポンプケーシング21との間に挟持され、固定翼22が位置決めされる。ベース20には排気ポート25が設けられ、この排気ポート25にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート25側へと排気される。
電源装置4はポンプ本体1を駆動制御する装置であって、CPU、ROM、RAM、その他の周辺回路を含んで構成される。電源装置4には、主制御部40,モータ制御部41および磁気軸受制御部42を備えている。モータ制御部41は、回転センサ33の出力信号に基づいてモータ36を駆動制御する。磁気軸受制御部42は、ラジアル変位センサ27,28およびアキシャル変位センサ29の出力信号に基づいて磁気軸受37〜39の励磁電流を制御し、ロータ30を所定位置に磁気浮上させる。
図2は各磁気軸受37〜39の電磁石の配置を示す図であり、ロータ30の回転軸をz軸方向とした。磁気軸受37〜39は5軸制御型磁気軸受を構成している。すなわち、磁気軸受37はロータシャフト30aを挟んで対向配置された1組の電磁石37xと1組の電磁石37yとを有し、磁気軸受38はロータシャフト30aを挟んで対向配置された1組の電磁石38xと1組の電磁石38yとを有し、磁気軸受39はスラストディスク35を挟んで対向配置された1組の電磁石39zを有している。なお、図1のラジアル変位センサ27,28は電磁石37x,37y,38x,38yに対応してそれぞれ2組のセンサで構成されている。
次に、ポンプ起動動作について説明する。従来のターボ分子ポンプでは、磁気軸受37〜39によりロータ30を磁気軸受37,38の中心位置に磁気浮上させた後に、モータ36を駆動してロータ30の回転を開始する。しかしながら、ホールセンサの代わりに回転センサ33を1個だけ備えているターボ分子ポンプの場合、モータロータの磁極位置が分からないため、回転開始時において磁極位置がどこにあるかによって逆回転してしまうことがある。そこで、本実施の形態では、モータ36を駆動開始する前に、磁気軸受37,38の吸引力を利用してロータ30を正回転方向(図2の矢印Rの回転方向)に自転させることで、回転開始時の逆回転を防止するようにしている。
図3は、z軸プラス方向から見た電磁石37x,37yとロータシャフト30aの位置を示す図である。なお、図3では、座標軸のプラス側に配置された電磁石37x,37yは符号37x+,37y+で表し、マイナス側に配置された電磁石37x,37yは符号37x−,37y−で表すようにした。下側のラジアル磁気軸受38の電磁石38x、38yも電磁石37x,37yの場合と同様に配置されており、同様の括弧付きの符号で示した。なお、破線で示す円は、メカニカルベアリング26a,26bの内周位置を示したものである。ロータシャフト30aのラジアル方向の移動範囲は、メカニカルベアリング26a,26bによって破線円内に制限されている。
磁気軸受37,38の吸引力を利用してロータ30を正回転方向に自転させる場合には、ロータシャフト30aの位置は、例えば、図3に示すような位置から始める。この場合、アキシャル磁気軸受39は通常と同様に制御され、ロータシャフト30aはアキシャル方向(z軸方向)に関して浮上している。一方、ラジアル磁気軸受37,38に関しては、x軸方向の電磁石37x,38xは吸引力ゼロの状態とされ、y軸方向の電磁石37y、38yについては、ロータシャフト30aをy軸マイナス方向に吸引する状態とされる。このときのロータシャフト30aの位置は、ラジアル磁気軸受37,38の中心軸を原点として(0,−L)である。ここでは、ロータシャフト30aはメカニカルベアリング26a,26bに接触しない位置とされる。
図3に示す位置状態から、電磁石37y+,37y−の吸引力をオフするとともに、電磁石37x+,37x−を制御して、ロータシャフト30aを電磁石37x+に引きつけるようなx軸プラス方向の吸引力(+,0)を発生させる。ここで、吸引力(+,0)の「+」はx軸方向の吸引力がプラス方向であることを示し、「0」はy軸方向の電磁石37y+,37y−をオフすることでy軸方向の吸引力がゼロであることを示す。なお、ここでは、磁気軸受37の電磁石37x、37yの動作についてだけ説明しているが、磁気軸受38についても磁気軸受37の場合と同様の制御を行う。以下の説明についても同様である。
図3のように磁気軸受中心に対して位置(0,−L)に偏心したロータシャフト30aに、x軸プラス方向の吸引力(+、0)が働くと、ロータシャフト30aは電磁石37x+方向に引きつけられるとともに、モーメントM=f・Lが作用してロータシャフト30aが矢印R1方向に自転することになる。この自転方向R1は、図2に示した正常なロータ回転方向(正回転方向)Rと同一方向であり、以下ではR1方向の自転のことを前回りの自転と称することにする。なお、正回転方向が逆の−R方向である場合には、逆方向の吸引力(−,0)を発生させれば良い。
吸引力(+、0)によって、ロータシャフト30aの位置が図4(a)に示すような位置(L、0)となったならば、電磁石37x+、37x−をオフするとともに電磁石37y+,37y−を制御して、ロータシャフト30aを電磁石37y+に引きつけるようなy軸プラス方向の吸引力(0,+)を発生させる。次いで、ロータシャフト30aの位置が図4(b)に示すような位置(0、L)となったならば、電磁石37y+,37y−をオフするとともに電磁石37x+、37x−を制御して、ロータシャフト30aを電磁石37x−に引きつけるようなx軸マイナス方向の吸引力(−,0)を発生させる。
さらに、ロータシャフト30aの位置が図5に示すような位置(−L、0)となったならば、電磁石37x+、37x−をオフするとともに電磁石37y+,37y−を制御して、ロータシャフト30aを電磁石37y−に引きつけるようなy軸マイナス方向の吸引力(0,−)を発生させる。
このように、吸引力を(+,0)→(0,+)→(−,0)→(0,−)の順に発生さてラジアル磁気軸受37,38による回転磁界を生成することにより、ロータシャフト30aは磁気軸受中心の回りに正回転方向Rと逆回転の公転(振れ回り)運動R2、すなわち後ろ回りの公転運動R2とをすることになる。図3〜5に示すように、公転運動中のロータシャフト30aの中心軸はラジアル磁気軸受37,38の中心軸からずれている。さらに、ラジアル磁気軸受37,38による回転磁界は公転運動R2に対して回転の位相が90deg進んでいるので、ロータシャフト30aに対して常に自転方向のモーメントが作用する。そのため、ロータシャフト30aは、後ろ回りの公転だけではなく前回りの自転を開始する。
上述したような回転磁界によってロータシャフト30aの公転速度がしだいに増加したならば、90deg間隔の回転磁界から正弦波状の吸引力を発生することで、より滑らかな公転動作を行わせることができる。すなわち、図6に示すように、ロータシャフト30aの位置(x、y)が(x、y)=(Lcosθ,Lsinθ)のとき、吸引力(−βsinθ,βcosθ)を発生させる。Lはロータシャフト30aの振れ回り変位の絶対値(上述した偏心量)であり、βは吸引力の絶対値である。なお、実際の制御では、角速度ωを用いてθ=ωtのように表される。
なお、上述した実施の形態では、ロータシャフト30aの公転に対して90deg進みの回転磁界を発生し、自転を生ずるためのモーメントが効果的に生じるようにしているが、進み角は必ずしも90degである必要はない。
上述した例では、図3〜5に示したように、ロータシャフト30aがメカニカルベアリング26a,26bに接触しない程度の振れ回り公転をするような回転磁界を与えるようにしたが、回転磁界の強さを大きくしてメカニカルベアリング26a,26bに接触させるように制御しても良い。この場合、図7に示すように、ロータシャフト30aが後ろ回りの公転R2でメカニカルベアリング26a,26bに接触すると、接触点での摩擦力Fにより、前回り方向のモーメントM2=F・L2がロータシャフト30aに作用する。そのため、回転磁界の吸引力によるモーメントM1=f・L1に加えて摩擦力によるモーメントM2が作用し、より速やかに前回りの自転R1を開始させることができる。
ところで、上述した例では、回転磁界に進み角を与えて、モーメントM=f・Lによりロータシャフト30aが前回りの自転運動をするようにしていた。しかし、ロータシャフト30aをメカニカルベアリング26a,26bに接触させることで前回りの自転運動を発生させる場合には、モーメントM1=f・L1が無くても自転を始めるので、回転磁界の進み角は必ずしも必要ではない。すなわち、ロータシャフト30aがメカニカルベアリング26a,26bと接触するように、単に公転運動させるだけでも良い。
メカニカルベアリング26a,26bに接触させない第1の制御は、ターボ分子ポンプを反応生成物の付着が発生しやすいCVDやエッチャなどに搭載する場合に適している。メカニカルベアリング26a,26bに粘着性の反応生成物が付着していた場合、メカニカルベアリング26a,26bに接触させるとロータシャフト30aが固着してしまう可能性があり、第1の制御ならばそのようなことを防止することができる。
一方、メカニカルベアリング26a,26bに接触させない第2の制御は、反応生成物の付着が問題とならない用途(例えば、スパッタリング装置)に適している。この場合、接触時の摩擦力を利用してより速やかに自転速度を増加させることができる。
上述した例では、いずれの場合も上下2組のラジアル磁気軸受37,38を使用して回転磁界を発生させたが、上下ラジアル磁気軸受37,38のいずれか一方のみを使用して回転磁界を生成しても良い。
図8は、ターボ分子ポンプのロータ回転始動動作を説明するフローチャートである。このフローチャートに関するプログラムは、図1の主制御部40で実行され、ポンプ回転開始の指令により処理がスタートする。ステップS10では、磁気軸受制御部42によりアキシャル磁気軸受39を制御してアキシャル方向(z軸方向)の磁気浮上を行わせる。
ステップS20では、図3〜5に示したような回転磁界をラジアル磁気軸受37,38により発生させる。その結果、ロータシャフト30aは後ろ回りの公転運動R2を行うと共に前回りの自転運動R1を開始する。ステップS30では、回転磁界を発生開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、確実な自転運動が得られるのに要する時間であって、例えば実験等により決定した所定時間が予め記憶されている。ステップS30において所定時間が経過したと判定されるとステップS40へ進む。
ステップS40では、ラジアル磁気軸受37,38を通常通りに制御してロータシャフト30aをラジアル磁気軸受の中心位置に磁気浮上させる。その結果、ロータシャフト30aは、前回り方向(正回転方向)に自転した状態で磁気浮上される。そして、ステップS50では、モータ36の回転駆動を開始する。
以上のように、本実施の形態では、ラジアル磁気軸受37,38およびアキシャル磁気軸受39により磁気浮上されたロータ30を、モータ36により高速回転して気体の排気を行う磁気浮上式真空ポンプにおいて、モータ駆動開始の前に、ラジアル磁気軸受37,38を磁気軸受制御部42で制御して、ラジアル磁気軸受37,38の吸引力によりロータ30をモータ回転方向Rと逆方向に公転運動させるともにモータ回転方向Rに自転運動させるようにした。
例えば、ラジアル方向の吸引力がラジアル磁気軸受37,38の中心軸に対して回転し、かつ、ロータシャフト30aの公転運動に対して進み角を有する回転磁界を、ラジアル磁気軸受37,38により形成させることで、ロータシャフト30aにモータ回転方向の自転運動を生じさせるようにしても良い。なお、回転磁界の生成は、ラジアル磁気軸受37,38のそれぞれで行っても良いし、いずれか一方のみでも良い。
また、公転運動時にロータ30のロータシャフト30aがメカニカルベアリング26a,26bの内周面に接触するようにラジアル磁気軸受37,38を制御することで、ロータ30にモータ回転方向の自転運動を生じさせるようにしても良い。
このような制御を行うことにより、公転運動とともに、モータ回転方向Rと同一回転方向である前回りの自転が発生する。そのため、確実に正回転方向にモータ駆動開始することができ、始動性の向上を図ることができる。
加えて、本実施の形態では、始動時における回転センサ33の検知信号による判断が不要であるため、回転数が上昇した状態における回転数検知に、例えば、特開2006−158022号公報に記載されているような逆起電圧による回転数検知を採用することで、回転センサ33を省略した回転センサレス構成も可能となり、さらなるコストダウンを図ることができる。
−第2の実施の形態−
図9〜20を参照して第2の実施の形態ついて説明する。上述した第1の実施の形態では、ラジアル 磁気軸受37,38の吸引力によりロータ30を公転運動させることで、結果的にモータ回転方向Rに自転運動させ、その後に、モータ駆動をロータ回転に対して非同期で行うようにした。そのため、回転センサ33により回転信号が確実に得られるまでは、モータ駆動は非同期で行われるので、同期回転に比べて加速性の点で劣るという問題がある。そこで、第2に実施の形態では、正回転方向への自転運動が得られたなら、ラジアル磁気軸受37,38による公転制御と同期したモータステータの回転磁界を加えることによって、加速性の向上を図るようにした。
第2の実施の形態では、回転センサ33に代えて逆起電圧による回転数検知を行うような構成とした。そのため、本実施の形態では、図1に示した回転センサ33は省略される。さらに、回転始動時にモータステータにも電流を供給し、ラジアル磁気軸受37,38の吸引力だけでなくモータステータによる力も利用するようにした。
まず、図9は、逆起電圧による回転数検知を行う構成のモータ制御部41を説明する図であり、モータ制御部41に含まれる要素(符号410〜412を付した要素)と、モータ36と、直流電源43とを記載したものである。図9は、モータ36にブラシレスDCモータを用いた場合を示している。モータ36は、シャフト30に固定されたモータロータ36aと、ポンプベース側に設けられたモータステータ36bとを備えている。モータロータ36aは永久磁石を有している。モータステータ36bは、U相巻線,V相巻線およびW相巻線を有している。
モータ制御部41は、直流電源43からの直流電力をDC−AC変換してモータ36に供給するインバータ411と、インバータ411を制御するための制御信号を生成する制御回路410と、基準電位計測用の疑似回路412を備えている。インバータ411には、U相巻線,V相巻線およびW相巻線に対応してスイッチング素子S1〜S6およびフライホイールダイオードD1〜D6が設けられている。
U〜W相巻線の端子電圧および疑似回路412のN’点 (疑似中性点)の電位(疑似中性点電位)は制御回路410に読み込まれ、モータ逆起電圧検出部410aにおいて、端子電圧波形からPWM信号やノイズ等が除去される。モータ逆起電圧検出部410aからは図10(a)に示すような電圧波形が出力される。なお、図10(a)はU〜W相の一相の電圧波形、例えば、U相の電圧波形を示したもので、N’点の電位を基準電位として示したものであり、横軸は電気角を表している。
図10(a)に示す端子電圧は、インバータ411により印加される電圧と誘起電圧との和になっている。回転信号生成部410bでは、ノイズ等を除去した端子電圧と疑似中性点電位とを比較して、端子電圧と疑似中性点電位との電位差が正から負または負から正へと変化するゼロクロス点を検出する。図10(a)において、疑似中性点電位(N’レベル)とクロスする点P1〜P12がゼロクロス点であり、点P1,P3,P5,P7,P9,P11は電位差が正から負に変化する点で、点P2,P4,P6,P8,P10,P12は電位差が負から正に変化する点である。
回転信号生成部410bでは、ゼロクロス点を検出した後に、フライホイールダイオードD1〜D6のサージ電圧によって生じるゼロクロス点P1,P2,P4,P5,P7,P8,P10,P11を、ノイズ分としてマスク回路などで除去し、モータロータ磁極の位置情報のみを抽出する。図10(b)は抽出したゼロクロス点を示したものであり、ここでは電位差が正から負に変化するときのゼロクロス点P3,P9を抽出している。このときのゼロクロス点は、電気角で180度毎に抽出される。
回転信号生成部410bでは、位置検出回路42で得られた位置情報に基づいてモータロータ36aの回転周期を算出する。算出された回転周期は記憶部410dに記憶される。例えば、時系列順にk個の回転周期データを記憶し、k+1個目の回転周期データが得られたならば、最も古い回転周期データをk+1個目の回転周期データで置き換える。
スイッチング信号発生回路410cは、回転信号生成部410bで算出された回転周期に基づいて回転信号を生成し、インバータ411のスイッチング素子S1〜S6をオンオフするためのスイッチング信号を発生する。モータ回転数を制御するためには印加電圧を制御して巻線に流れる電流を変化させるが、その場合、目標回転数に応じたPWM信号でスイッチング信号を変換して電圧を変化させる。
図10では、U相の電圧波形から抽出されるゼロクロス点を用いて回転信号を生成する例を示しており、ゼロクロス点を所定電気角(図10の場合には30度)だけ位相シフト(遅延)して回転信号Aを生成する。回転信号Aは、一つ手前のゼロクロス点から現在のゼロクロス点までの時間から得られる回転周期に基づいて算出され、電気角180度に対応する期間はVhighで、後半の180度はVlowとなる。
回転信号Aは、ホールセンサを用いて回転位置を検出する場合と同一のタイミングに設定することが可能であり、ホールセンサと等価と見なすことができる。V相およびW相の回転信号B,Cも同様にして生成することができる。また、U相(V相でもW相でもかまわない)のみの端子電圧を検出して、図10(d),(e)のように回転信号Aを120度または240度位相シフトすることにより、V相,W相の回転信号B,Cを生成するようにしても良い。
上述した第1の実施の形態では、回転始動時はモータ駆動を行わずラジアル磁気軸受37,38による公転制御のみを行い、その公転制御を所定時間継続して確実な自転運動が得られてからモータステータ36bによる回転磁界を与えるようにした。一方、第2の実施の形態では、ラジアル磁気軸受37,38の公転制御によりモータロータ36aが自転運動を開始したならば、上記所定時間を待つことなくモータステータ36bによる回転磁界を与え、ラジアル磁気軸受37,38による公転制御とモータステータ36bの回転磁界によるモータ駆動とを同時に同期して行い、その後、モータステータ36bの回転磁界のみによる通常のモータ駆動に移行するようにした。
図11,12は、公転制御によるモータロータ36aの自転運動が開始した後、モータ36を始動する時のラジアル磁気軸受37,38による吸引位置と、モータロータ磁極およびモータステータ磁極の各位置との関係をパターン分けしたものである。
なお、各ラジアル磁気軸受37,38の2軸は、第1の実施の形態と同様にx軸方向およびy軸方向に沿って配置され、モータ36の巻線の配置方向もx軸方向およびy軸方向と一致させるように構成されている。また、図11,12では、ラジアル磁気軸受37,38の電磁石の記載は省略し、同一位置にモータステータ36bの磁極を表示した。36(X+)はモータステータ36bのX軸プラス位置に配置されたステータ磁極を示し、36(X−)はモータステータ36bのX軸マイナス位置に配置されたステータ磁極を示し、36(Y+)はモータステータ36bのY軸プラス位置に配置されたステータ磁極を示し、36(Y−)はモータステータ36bのY軸マイナス位置に配置されたステータ磁極を示す。
第1の実施の形態で説明したように、磁気軸受37,38による公転制御においては、モータロータ36aを4つの方向(x軸プラス方向、y軸プラス方向、x軸マイナス方向、y軸マイナス方向)に偏心させる。図11,12では、モータロータ36aをx軸マイナス方向に偏心させる場合を例に示している。そして、図11は、モータロータ36aの磁極の方向がx軸に沿っている場合における、ステータ磁極の4パターン(a1)〜(a4)を示したものである。図12は、モータロータ36aの磁極の方向がy軸に沿っている場合における、ステータ磁極の4パターン(a5)〜(a8)を示したものである。
上述のように、モータロータ36aの偏心方向は4種類あるが、例えば、y軸プラス方向に偏心したものは、図11,12に示すパターン(a1)〜(a8)をそれぞれ左回りに90deg回転させたものになり、公転制御や自転運動への影響はパターン(a1)〜(a8)と同一となる。x軸マイナス方向、y軸マイナス方向に偏心している場合についても同様であり、図11,12の8パターンに関して検討すれば良い。また、パターン(a1)においてN極とS極とを入れ替えたパターンもあるが、その場合における公転制御や自転運動への影響は同一である。
例えば、パターン(a1)において、モータロータ36aのN極とS極とを入れ替え、さらにモータステータ36bのN極とS極を入れ替えたパターンにおいては、力関係はパターン(a1)の場合とまったく同一になり、公転制御や自転運動への影響も同じになる。このようにN極とS極とを入れ替えただけのパターンを(a1*)で表すことにする。また、パターン(a1)において、全体を90degだけ左回りに回転した状態、すなわち座標軸を右回りに90deg回転させたパターンを(a1’)のように表記すると、この場合、パターン(a1’)もパターン(a1)とまったく同じ状態となっている。
このように、ロータ回転位置のセンサを有しないセンサレス制御の場合、モータ始動時におけるモータロータ36aの磁極位置は不明であり、図11,12に示す8つのパターン(a1)〜(a8)のいずれか一つからの始動となると考えられる。また、詳細は後述するが、始動後の各ステップに関してもこれら8つのパターン(a1)〜(a8)で表すことができる。より詳しく言えば、8つのパターン(a1)〜(a8)と、それらと同等の状態であるパターン(a1*)〜(a8*)によって表すことができる。
なお、モータロータ磁極の方向がx軸方向およびy軸方向から角度ずれしている状態の場合には、偏心量(変位)が若干変化するが、図11,12に示す8パターンのいずれかを適用して考えることができる。また、ここでは、説明が簡単になるように、モータ36が2極2相4スロットのブラシレスDCモータである場合を例として説明を行うが、例えば、3相2極6スロットなどの別構成の相数、局数、スロット数を持つDCモータについても、同様に考えることができる。
図11は、モータロータ36aの磁極方向(N極,S極の配置方向)がx軸方向となっている場合を示している。図12は、モータロータ36aの磁極方向(N極,S極の配置方向)がx軸方向となっている場合を示している。モータ電流は、磁極36(X+)がN極となり、磁極36(X−)がS極となるように供給されている。白抜きの矢印はラジアル磁気軸受37,38による吸引力を示しており、斜線を施した矢印はモータロータ磁極(N極、S極)に対するモータ吸引力を示している。図11のパターン(a1)に示すような磁極位置関係の場合には、x軸プラス方向のモータ吸引力の方が大きくなり、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(L+α、0)となる。なお、モータステータ36bが励磁されない場合には、図4(a)に示したようにモータロータ36aの変位は(L,0)である。
このように、モータ吸引力が加わったことによりx方向変位がLから+αだけ大きくなるため、モータ吸引力はラジアル磁気軸受37,38によるモータロータ36aの公転制御を促進するように作用する。また、モータロータ36aの偏心量が+αだけ大きくなったことにより、前回りの自転を生じさせているモーメントMも大きくなり、モータロータ36aの前回りの自転運動を促進するように作用する。
なお、図11のパターン(a1)において、モータロータ36bのN,S磁極を逆にすると共に、モータステータ36bのN,S磁極の位置を逆にした場合(パターン(a1*)の場合)も、全く同様のモータ吸引力が働くことになる。すなわち、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位が(L+α、0)となる点においては、パターン(a1*)もパターン(a1)と同一のパターンであると見なすことができる。
図11のパターン(a2)はモータロータ36の変位が(L、γ)となる場合を示したものであり、磁極36(Y−)がN極となり、磁極36(Y+)がS極となるようにモータ電流が供給される。なお、モータロータ36aおよびモータステータ36bの磁極位置に関して、それぞれのS極とN磁とを逆転した状態でも、変位は(L、γ)となる。この場合、モータステータ36bのN極およびS極による力はモータロータ36bの重心に対して上向きに働き、ラジアル磁気軸受37,38によるモータロータ36aの公転制御を促進するように作用する。また、モータロータ36bの自転に関しては、モータロータ36aに対して前回りの自転を促進するようなトルクが作用に、モータロータ36aの正回転方向への自転運動を促進する。
一方、モータステータ36bのN,S磁極位置が、図11のパターン(a1)の場合と逆であるパターン(a3)の場合、モータロータ36aにx軸マイナス方向への力が作用する。その結果、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(L−β、0)となり、x軸プラス方向への偏心量が−βだけ小さくなる。そのため、モータステータ36bが形成した磁界は、ラジアル磁気軸受37,38による公転制御を妨げるように作用することになる。また、モータロータ36aの自転運動に関しては、偏心量が−βだけ小さくなった分だけ、力fによるモーメントが小さくなるので、自転運動が妨げられる。
同様に、モータステータ36bのN,S磁極位置が、パターン(a2)の場合と逆であるパターン(a4)の場合には、モータロータ重心に対してy軸マイナス方向への力が作用する。その結果、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(L、−γ)となる。モータステータ36bの磁界によって生じるy軸マイナス方向への力は、次のステップにおけるラジアル磁気軸受37,38による吸引力と逆方向であるため、モータロータ36aに対する公転制御を妨げるように作用する。
また、モータロータ36aの自転運動に関しては、モータロータ36aに対して前回りの自転を妨げるようなトルクが与えられるため、モータロータ36aの正回転方向への自転運動が妨げられることになる。この場合、ラジアル磁気軸受37,38による公転制御が無かった場合には、モータロータ36aは逆方向に回転してしまうことになる。
図12は、モータステータ36bの磁界の作用がラジアル磁気軸受37,38の公転制御に影響を与えない4つのパターン(a5)〜(a8)を示したものである。いずれの場合も、検出される変位は(L、0)となっている。パターン(a5)の場合には、モータステータ36bの磁界により、モータロータ36aに対して前回りの自転を妨げるようなトルクが与えられるため、モータロータ36aの正回転方向への自転運動が妨げられることになる。逆に、パターン(a7)の場合には、モータステータ36bの磁界により、モータロータ36aに対して前回り方向(正回転方向)のトルクが与えられるため、モータロータ36aの正回転方向への自転運動が促進される。また、パターン(a6)およびパターン(a8)の場合には、自転運動への影響がほぼ無い。
図13は、図11に示す状態から公転制御を1ステップ(90deg)進めたときの状態を示す。同様に、図14は、図12に示す状態から公転制御を1ステップ(90deg)進めたときの状態を示す。図13におけるモータロータ36aの偏心方向は、図11の白抜き矢印で示した次ステップにおける吸引方向となり、モータロータ36aはy軸プラス方向に偏心している。このように、公転制御は左回りであるが、モータロータ36aを回転させるためのモータステータ36bの回転磁界は右回りである。この場合、回転方向は逆であるが、ラジアル磁気軸受37,38による公転制御とモータステータ36bの回転磁界によるモータ駆動とを同期させ、同一の角加速度で回転させるものとする。
図13(b1)は、図11(a1)から1ステップ(90deg)だけ制御が進んだ場合を示している。モータロータ36aは、90degだけ正回転方向に回転し、またy軸プラス方向に偏心している。次のステップのおけるラジアル磁気軸受37,38の吸引方向は、x軸マイナス方向である。これは、上述した図11のパターン(a1)において座標軸x、yを右回りに90deg回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたものであり、このパターンは(a1*’)のように表記する。そして、パターン(a1*’)の場合の公転制御や自転運動に対する影響は、パターン(a1)と同じになる。
このとき、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(0、L+a)となり、図4(b)に示す〜大きくなっている。図13(b1)に示すパターン(a1*’)は、パターン(a1)において座標軸を右回りに90deg回転したものなので、パターン(a1)におけるx方向変位L+aは図13(b1)ではy軸プラス方向の変位となる。そのため、パターン(a1)の場合と同様にラジアル磁気軸受37,38によるモータロータ36aの公転制御が促進される。また、モータロータ36aの偏心量が+αだけ大きくなったことにより、前回りの自転を生じさせているモーメントMも大きくなり、モータロータ36aの前回りの自転運動が促進される。
図13(b2)は、図11のパターン(a2)から1ステップ(90deg)だけ制御が進んだ場合を示しており、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(−γ、L)となる。この場合も、図13(b2)はパターン(a2)において座標軸x、yを右回りに90deg回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターン(a2*’)となっている。そのため、パターン(a2)におけるx方向変位Lは図13(b2)ではy軸プラス方向の変位となり、パターン(a2)におけるy方向変位γは図13(b2)ではx軸マイナス方向の変位(−γ)となる。
よって、図13(b2)の場合もパターン(a2)の場合と同様の作用となり、モータステータ36bのモータステータ36bのN極およびS極による力はモータロータ36bの重心に対してx軸マイナス方向に働き、次ステップにおける磁気軸受吸引方向と同一方向のため、ラジアル磁気軸受37,38によるモータロータ36aの公転制御を促進するように作用する。また、モータロータ36bの自転に関しては、モータロータ36aに対して前回りの自転を促進するようなトルクが作用に、モータロータ36aの正回転方向への自転運動を促進する。
図13(b3)の場合も、図11のパターン(a3)において、座標軸x、yを右回りに90deg回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターン(a3*’)となっている。そのため、パターン(a3)におけるx方向変位L−βは図13(b3)ではy軸プラス方向の変位となり、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(0、L−β)となる。よって、モータステータ36bが形成した磁界は、ラジアル磁気軸受37,38による公転制御を妨げるように作用することになる。また、モータロータ36aの自転運動に関しては、偏心量が−βだけ小さくなった分だけ、力fによるモーメントが小さくなるので、自転運動が妨げられる。
図13(b4)は、図11のパターン(a4)において、座標軸x、yを右回りに90deg回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターン(a4*’)となっている。そのため、パターン(a4)におけるx方向変位Lは図13(b4)ではy軸プラス方向の変位となり、パターン(a4)におけるy方向変位−γは、図13(b2)ではx軸マイナス方向の変位(−γ)、すなわち、x軸プラス方向の変位γとなる。その結果、ラジアル変位センサ27,28で検出される変位は(γ、L)となり、公転制御および自転運動に与える影響はパターン(a4)と同一となる。
すなわち、モータステータ36bの磁界によって生じるx軸プラス方向への力は、次のステップにおけるラジアル磁気軸受37,38による吸引力と反対方向であるため、モータロータ36aに対する公転制御を妨げるように作用する。モータロータ36aの自転運動に関しては、モータロータ36aに対して前回りの自転を妨げるようなトルクが与えられるため、モータロータ36aの正回転方向への自転運動が妨げられることになる。
図14は、図12に示す状態から公転制御を1ステップ(90deg)進めたときの状態を示したもので、各パターン(a5)〜(a8)において、座標軸x、yを右回りに90deg回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターン(a5*’)〜(a8*’)となっている。そのため、図12の変位は(L、0)であるが、図14における変位は、(0、L)となる。この変位も公転制御だけの場合と同じ変位となっており、モータステータ36bの磁界の作用がラジアル磁気軸受37,38の公転制御に影響を与えない。
図14(b5)の場合には、モータステータ36bの磁界により、モータロータ36aに対して前回りの自転を妨げるようなトルクが与えられるため、モータロータ36aの正回転方向への自転運動が妨げられることになる。逆に、図14(b7)の場合には、モータステータ36bの磁界により、モータロータ36aに対して前回り方向(正回転方向)のトルクが与えられるため、モータロータ36aの正回転方向への自転運動が促進される。また、図14(b6)および図14(b8)の場合には、自転運動への影響がほぼ無い。
図15は、図11,12の8パターンに関して、公転制御および自転運動への影響を表にまとめたものである。図16は、図13,14に示す次ステップの8パターンに関して、公転制御および自転運動への影響を表にまとめたものである。
図17は、ステップ(a1)からモータ駆動を開始した場合の、その後のステップにおけるパターンを示したものである。この場合、公転制御の1ステップは1回転の1/4である90degに相当するので、図17に記載の4ステップは1回転において現れる磁極位置パターンを示している。図17に示すように、パターン(a1)からスタートすると、(a1)→(a1*’)→(a1’’)→(a1*’’’)→(a1)のように変化する。
ここで(a1’’)はパターン(a1)において座標軸を180degだけ右回りに回転した場合のパターンを表しており、(a1*’’’)はパターン(a1)において座標軸を270degだけ右回りに回転すると共にN極とS極との入れ替えを行ったパターンを表している。すなわち、1ステップ進むごとに、座標軸を90degだけ右回りに回転するとともに、N極とS極との入れ替えを行うことになる。
パターン(a1*’)、(a1’’)および(a1*’’’)は、基本パターン(a1)と同様の状態を示しているので、公転制御および自転運動への影響は、4ステップのいずれの場合も同じでる。すなわち、4ステップのいずれにおいても、公転制御および自転運動は促進されることになる。
図17はパターン(a1)からスタートした場合を示したものであるが、他のパターン(a2)〜(a8)からスタートした場合も、パターン(a1)の場合と同様である。例えば、パターン(a2)からスタートする場合には、(a2)→(a2*’)→(a2’’)→(a2*’’’)→(a2)のように変化する。そのため、ステップが進んでも、公転制御および自転運動への影響はスタート時のパターンの場合と同様となる。
図11のパターン(a1)またはパターン(a2)から始動した場合、磁気軸受による公転制御が促進され、また、モータロータ36aの自転運動も促進される。さらに、このまま軸受制御とモータ駆動との同期制御を継続した場合、図13(b1)および図13(b2)に示す次ステップの場合でも、図16に示すように公転制御および自転運動の促進された状態が継続される。
一方、図11(a3)のパターンまたは図11(a4)のパターンから始動した場合、90deg制御が進んだ図13(b3)および図13(b4)においても、公転制御および自転運動が妨げられる状態が継続している。そのため、公転制御および自転運動がうまく行われない可能性がある。
上述のように、本実施の形態では、磁気軸受用に設けられたラジアル変位センサ27,28の検出結果から、モータロータ36aの磁極とモータステータ36の磁極との位置関係を推定することができる。例えば、検出された変位が(L+α、0)であった場合には、図11のパターン(a1)に示すような磁極位置であると推定できる。そして、図15,16から分かるように、変位が(L、0)の場合には公転制御への影響は無く、偏心量が大きくなるような変位の場合には、例えば、(L+α、0)や(L、γ)の場合には、公転制御が促進され、逆に、偏心量が小さくなるような変位の場合には公転制御が妨げられる。
ところで、上述したようにパターン(a3),(a4)およびそれらと同様のパターンが検出された場合、すなわち、公転制御が妨げられる状態である変位(L−β、0)、(L、−γ)などが検出された場合には、磁気軸受による公転制御を維持できないおそれがある。そこで、本実施の形態では、そのような変位が検出された場合には、次ステップにおける公転制御を以下のように変更し、公転制御が妨げられるのを防止するようにした。
ここでは、パターン(a3),(a4)およびそれらと同様のパターンが検出された場合、次ステップにおける磁気軸受による吸引方向(偏心方向)をさらに90deg進め、左回りに180deg回転した方向に吸引するように制御する。例えば、パターン(a3)に対応する変位(L−β、0)が検出された場合には、次ステップの状態として、図13(b3)に示すような状態ではなくて、図18(c3)に示すような状態とする。また、パターン(a4)に対応する変位(L−β、0)が検出された場合には、次ステップの状態として、図13(b4)に示すような状態ではなくて、図18(c4)に示すような状態とする。
図18(c3)に示す状態は、図11のパターン(a3)の状態から磁気軸受によりx軸マイナス方向に吸引するとともに、モータステータ36bによる磁界を90degだけ右回りに回転させたものである。図18(c3)の状態は、図11に示すパターン(a8)において座標軸x、yを180deg右回りに回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターン(a8*’’)に対応している。このときの変位は、(−L、0)となる。この後のステップは、上述したとおり、座標軸x、yを90deg右回りに回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターンとする。すなわち、図19に示すように(a3)→(a8*’’)→(a8’’’)→(a8*)→(a8’)→(a8*’’)→(a8’’’)のように変化させる。
一方、図18(c4)に示す状態は、図11のパターン(a4)の状態から磁気軸受によりx軸マイナス方向に吸引するとともに、モータステータ36bによる磁界を90degだけ右回りに回転させたものである。図18(c4)の状態は、図11に示すパターン(a5)において座標軸x、yを180deg右回りに回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターン(a5*’’)に対応している。このときの変位は、(−L、0)となる。この後のステップは、上述したとおり、座標軸x、yを90deg右回りに回転し、さらにN極とS極とを入れ替えたパターンとする。すなわち、図20に示すように(a4)→(a5*’’)→(a5’’’)→(a5*)→(a5’)→(a5*’’)→(a5’’’)のように変化させる。
このように、本実施の形態では、最初にラジアル磁気軸受37,38による公転制御を行い、その後、磁気軸受による公転制御とモータ回転と同期して行うことで、モータロータ36aの回転速度を上昇させる。そして、回転信号を得るに十分な逆起電圧が得られるようになったならば、ラジアル磁気軸受37,38の公転制御を停止して通常の浮上位置に戻す。これ以降は、通常のモータ回転駆動により回転加速動作が行われる。なお、変位が適正か否かの判定、および判定に基づく吸引方向の変更は主制御部40において行われる。また、公転制御だけの状態から公転制御とモータ駆動とを同期して行う制御への切替はモータロータ36aが正回転方向への時点を開始したと推定される時点、例えば、公転制御が10ステップ以上進んだ数Hzの自転が得られた時点で行う。
以上のように、本実施の形態では、磁気軸受を用いた公転制御により正回転方向の自転運動を始動できた後にも、公転制御とモータ回転駆動とを同期して行うことで回転加速を確実に効果的に行うことが可能となる。逆起電圧から回転信号を生成する回転センサレス方式の場合、ある程度まで回転数を上げなければ、モータ逆起電圧のS/N比が悪く回転数検知ができないが、本実施の形態のように回転始動を行うことにより、このような、回転センサレス方式の低回転時の問題を解決することができる。
なお、上述した説明では、モータロータ36aの回転がモータステータ36bの磁極の回転とほぼ同期しているような場合を例に説明したが、例えば、モータロータ36aの回転が遅れ気味であっても、モータステータ36bの磁極との作用により自転動作が促進され、ほぼ一致して回転することになる。また、変位からモータロータ36aの回転状態を推定することができる。すなわち、各ステップで検出される変位が変化しなければ、モータロータ36aの回転がモータステータ36bの形成する磁界の回転とほぼ同期していると考えられる。逆に変位が少しずつ変化するような場合には、公転制御およびモータステータ36bの形成する磁界の回転の速度を調整することで、変位をほぼ同じにしたまま(すなわち、モータロータ36aの回転が同期している)にすることも可能である。
また、第2の実施の形態では、逆起電圧により回転信号を得るような構成としたが、第1の実施の形態の回転センサを用いる場合にも第2実施形態の制御動作は適用できる。そして、変位センサ情報を用いることで、モータロータ36aの大まかな回転位置を推定することができ、モータロータ36aの回転を確実に正回転方向とすることができる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
1:ポンプ本体、4:電源装置、26a,26b:メカニカルベアリング、27,28:ラジアル変位センサ、30:ロータ、30a:ロータシャフト、33:回転センサ、36:モータ、37,38:ラジアル磁気軸受、39:アキシャル磁気軸受、40:主制御部、41:モータ制御部、42:磁気軸受制御部

Claims (10)

  1. ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受により磁気浮上された回転体を、モータにより高速回転して真空排気を行う磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記モータの駆動および停止を制御するモータ制御部と、
    前記モータ制御部によるモータ駆動開始の前に、前記ラジアル磁気軸受の吸引力により前記回転体をモータ回転方向と逆方向に公転運動させるともにモータ回転方向に自転運動させるように、前記ラジアル磁気軸受を制御する磁気軸受制御部と、を備えたことを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記磁気軸受制御部は、吸引方向が前記ラジアル磁気軸受の中心軸に対して回転し、かつ、前記公転運動に対して進み角を有する回転磁界を、前記ラジアル磁気軸受により形成させることを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  3. 請求項2に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記磁気軸受制御部は、前記公転運動に対して回転位相が90deg進んだ回転磁界を形成するように、前記ラジアル磁気軸受を制御することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  4. 請求項1または2に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記磁気軸受制御部は、前記回転磁界の形成開始から所定時間経過すると該回転磁界の形成を停止して前記回転体を所定位置に磁気浮上させるように前記ラジアル磁気軸受を制御し、
    前記モータ制御部は、前記回転磁界の形成の停止後に前記回転体が所定位置に磁気浮上されると、前記モータの回転を開始することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  5. 請求項2に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記ラジアル磁気軸受は、回転体のラジアル方向の変位を検出する変位センサを備え、
    前記モータ制御部は、前記磁気軸受制御部による回転磁界の形成の後に、前記吸引方向の切替に同期して前記モータの回転駆動を開始し、
    前記磁気軸受制御部は、前記変位センサの検出値に基づいて、前記公転運動が妨げられないように前記吸引方向を制御することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  6. 請求項3に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記ラジアル磁気軸受は、回転体のラジアル方向の変位を検出する変位センサと、
    前記変位センサの検出値に基づいて、前記モータのロータの回転位置が前記公転運動を妨げる位置か否かを判定する判定部と、を備え、
    前記モータ制御部は、前記磁気軸受制御部による回転磁界の形成の後に、前記吸引方向の切替に同期して前記モータの回転駆動を開始し、
    前記磁気軸受制御部は、前記モータのロータの回転位置が前記公転運動を妨げる位置であると前記判定部により判定されると、回転位相が180deg進んだ回転磁界を形成することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  7. 請求項5または6に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記モータに生じる逆起電圧を検出し、該逆起電圧に基づいて回転信号を生成する回転信号生成部を備え、
    前記磁気軸受制御部は、前記回転体の回転数が前記回転信号生成部による回転信号の生成が可能な回転数となったならば、前記回転磁界の形成を停止して前記回転体を所定位置に磁気浮上させるように前記ラジアル磁気軸受を制御し、
    前記モータ制御部は、前記回転信号生成部により生成された回転信号に基づいて前記モータの回転を制御することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気浮上式真空ポンプにおいて、
    前記回転体の回転軸との間に所定ラジアル方向隙間を有して配置され、前記ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受が非動作時に前記回転軸を支持するメカニカルベアリングを備え、
    前記磁気軸受制御部は、前記公転運動時に前記回転軸が前記メカニカルベアリングの内周面に接触するように前記ラジアル磁気軸受を制御することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプ。
  9. ラジアル磁気軸受およびアキシャル磁気軸受により磁気浮上させた回転体を、モータにより高速回転して気体排気を行う磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法であって、
    前記モータを駆動開始する前に、前記回転体がモータ回転方向に自転運動するように、前記ラジアル磁気軸受の吸引力により前記回転体をモータ回転方向と逆方向に公転運動させることを特徴とする磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法。
  10. 請求項9に記載の磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法において、
    前記アキシャル磁気軸受により前記回転体をアキシャル方向に磁気浮上させる第1の工程と、
    吸引方向が前記ラジアル磁気軸受の中心軸に対して回転する回転磁界であって、前記回転体をモータ回転方向と逆方向に公転運動させ、かつ、該公転運動に対して進み角を有する回転磁界を、前記ラジアル磁気軸受により形成する第2の工程と、
    前記回転磁界の形成開始から所定時間経過後に、前記ラジアル磁気軸受による前記回転磁界の形成を停止して、前記回転体を前記アキシャル磁気軸受および前記ラジアル磁気軸受により所定の通常浮上位置に磁気浮上させる第3の工程と、
    前記モータにより前記回転体を回転駆動する第4の工程と、を有することを特徴とする磁気浮上式真空ポンプの回転始動方法。
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