JP2007143213A - Dcブラシレスモータ装置および回転真空ポンプ - Google Patents

Dcブラシレスモータ装置および回転真空ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】低回転速度時におけるモータ駆動の信頼性を向上させることができるDCブラシレスモータの提供。
【解決手段】モータステータ64のU相に発生する逆起電圧と中性点電圧との差分を差分演算部77で算出し、その差分信号に基づいて回転信号SBを算出する。また、モータロータ62と共に回転するセンサターゲット46を回転位置センサ47で検出することにより、回転信号SAを算出する。そして、回転信号SAに基づくロータ回転速度が、回転信号検出部70Bによる回転信号SBの取得が不能となる所定回転速度より低い場合には、回転信号SAに基づいてモータを駆動制御し、ロータ回転速度が所定回転速度以上の場合には、回転信号SBに基づいてモータを駆動制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、DCブラシレスモータ装置およびそのDCブラシレスモータ装置が搭載された回転真空ポンプに関する。
従来、DCブラシレスモータでは、ホール素子等のセンサを用いてロータの磁極を直接検知し、そのセンサ信号から磁極位置や回転速度などを検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、モータ構造の簡略化やコストダウン等を目的に、磁極位置を直接検出するセンサを省略したセンサレスモータも知られている(例えば、特許文献2参照)。センサレスモータにおけるセンサ信号に相当する信号の生成方法については、種々の方法が提案されている。最も一般的な方法としては、モータステータに発生する逆起電圧に基づいて、モータの磁極位置や回転速度を検出する方法がある。
特開2005−168138号公報 特開2005−143187号公報
しかしながら、逆起電圧を利用するセンサレスモータでは、低回転速度の時に十分な逆起電圧が得られず、逆起電圧に基づくモータロータ磁極位置や回転速度に十分な信頼性が得られないという欠点があった。
請求項1の発明によるDCブラシレスモータ装置は、モータステータの少なくとも一つの相に発生する逆起電圧に基づいて第1の回転位置情報を取得する第1の回転位置検出手段と、モータロータと共に回転する検出対象を検出して第2の回転位置情報を取得する第2の回転位置検出手段と、(a)第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度が、第1の回転位置検出手段による第1の回転位置情報の取得が不能となる所定回転速度より低い場合には、第2の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御し、(b)ロータ回転速度が所定回転速度以上の場合には、第1の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のDCブラシレスモータ装置において、第1の回転位置情報に基づくロータ回転速度と、第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度との差の大きさが所定値以上の場合に、第1および第2の回転位置検出手段の少なくとも一方が異常であると判定する判定手段を備えるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のDCブラシレスモータ装置において、判定手段による異常判定時に、第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度が所定回転速度より小さい場合に、ロータ回転を停止するようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載のDCブラシレスモータ装置において、第1の回転位置情報に基づく制御時に、第1の回転位置検出手段による取得が不能となったならば、第2の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御するようにした。
請求項5の発明による回転式真空ポンプは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のDCブラシレスモータ装置を、ポンプロータの回転手段として備えることを特徴とする。
本発明によれば、逆起電圧を利用してロータ回転位置を検出するDCブラシレスモータ装置において、第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度が、第1の回転位置検出手段による第1の回転位置情報の取得が不能となる所定回転速度より低い場合には、第2の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御するようにしたので、低回転速度時におけるモータ駆動の信頼性を向上させることができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明による回転真空ポンプの一実施の形態を示す図であり、DCブラシレスモータ装置が組み込まれた磁気軸受式ターボ分子ポンプの概略構成を示すブロック図である。ターボ分子ポンプは、ポンプ本体1と電源装置2とから構成されている。図1に示す例では、ポンプ本体1と電源装置2とをケーブルで接続するような構成としているが、ポンプ本体1と電源装置2とを一体で構成する場合もある。
ポンプ本体1には、回転翼(後述する)が形成されたロータ4が設けられている。ロータ4は磁気軸受5により非接触支持されるとともにモータ6により回転駆動される。モータ6にはDCブラシレスモータが用いられる。一方、電源装置2には、モータ6(DCブラシレスモータ)を駆動するモータ制御部7と、磁気軸受5に供給される励磁電流を制御する軸受制御部8とを備えている。
図2はポンプ本体1の詳細を示す断面図である。ポンプ本体1のケーシング10の内部に配設されたロータ4には、複数段の回転翼41およびネジロータ部42が形成されている。上下に並んだ回転翼41の各段の間には、固定翼43が交互に配設されている。また、ベース3には、回転するネジロータ部42と対向するようにネジステータ部44が配設されている。
ロータ4のシャフト部45にはDCブラシレスモータ6のモータロータ62が装着されており、モータロータ62には永久磁石が内蔵されている。一方、ベース3側には、回転磁界を形成するためのU相巻線,V相巻線およびW相巻線を有するモータステータ61が設けられている。シャフト部45の下端にはセンサターゲット46が設けられており、センサターゲット46と対向する位置には回転位置センサ47が設けられている。
回転位置センサ47は、センサターゲット46との距離を検出する距離センサであり、本実施の形態ではインダクタンスセンサが用いられている。回転位置センサ47としては、ロータ回転と同期した信号を出力するものであれば上述したものに限らず、光エンコーダやホールセンサ等を用いても良い。
図3は、DCブラシレスモータ装置を構成するモータステータ61,モータロータ62,センサターゲット46,回転位置センサ47およびモータ制御部7の概略構成を示すブロック図である。モータ制御部7は、回転信号検出部70A,70B、電源71、モータ駆動部72、駆動信号生成部73、回転信号切替部74、回転速度比較部75、回転信号異常検出部76および差分演算部77を備えている。モータステータ61に設けられたU相巻線,V相巻線およびW相巻線には、電源71に接続されたモータ駆動部72により駆動電圧が印加される。
なお、図2では回転位置センサ47をセンサターゲット46のアキシャル方向(図示下方)に配設したが、図3では回転位置センサ47をセンサターゲット46のラジアル方向に配設した場合について示した。
まず、回転信号検出部70Aから出力される回転信号SAについて説明する。図4は回転位置センサ47とセンサターゲット46との位置関係を示す図であり、(a)は回転位置センサ47をセンサターゲット46のアキシャル方向に配設した場合を示し、(b)は回転位置センサ47をセンサターゲット46のラジアル方向に配設した場合を示す。図4(a)の場合、センサターゲット46の下面は段差hを有する凹凸面となっており、凸面46aおよび凹面46bはそれぞれ回転角度に関して180度ずつに振り分けられている。
一方、図4(b)のようにラジアル方向に回転位置センサ47を配設する場合には、センサ対向面であるセンサターゲット46の外周面に、段差hの凸面46aおよび凹面46bが形成されている。回転位置センサ47からは、段差hによるインダクタンスの変化に応じた信号が出力される。回転信号検出部70Aは、このインダクタンス変化の信号に基づいて、図5(c)に示すような回転信号SAを出力する。この回転信号SAは、回転位置センサ47がセンサターゲット46の凸面46aに対向するとHigh(H)状態となり、逆に凹面46bに対向するとLow(L)状態となる。回転信号検出部70Aから出力された回転信号SAは、回転信号切替部74および回転速度比較部75に入力される。
次に、回転信号検出部70Bから出力される回転信号SBについて説明する。永久磁石が設けられたモータロータ62が回転すると、モータステータ61に設けられたU相巻線,V相巻線およびW相巻線には逆起電圧が発生するので、この逆起電圧を利用してモータロータ62の磁極位置を検出することができる。差分演算部77には、U相に誘起される逆起電圧と、中性点の電圧とが入力される。差分演算部77は、入力された逆起電圧と中性点電圧とから、「(差分)=(逆起電圧)−(中性点電圧)」を算出する。図5(a)は駆動電圧がオフの場合(無通電時)の差分電圧信号を示したものであり、通電時には逆起電圧に駆動電圧が重畳される。なお、ここでは2極モータを例に説明しているので、1回転の間に差分信号の正負が1回ずつ現れている。
この差分信号が入力される回転信号検出部70Bでは、差分信号がゼロとなる点(ゼロクロス点)を検出し、図5(b)に示すような回転信号SBを生成する。従来、ホールセンサでロータ磁極を検出して得られる回転信号は、このゼロクロス点Pと30度の位相差があることが知られている。そこで、回転信号SBもゼロクロス点Pに対して位相差30度となるように生成される。回転信号検出部70Bで生成された回転信号SBは、回転信号切替部74、回転速度比較部75および回転信号異常検出部76に入力される。
回転速度比較部75では、回転信号SA,SBの各々に基づいて回転周波数fa,fbをそれぞれ算出し、それらの差の大きさ差Δf=|fa−fb|を基準値Δf0と比較する。そして、Δf≧Δf0と判定されたならば、すなわち、回転信号SAによる回転周波数と回転信号SBによる回転周波数との間の乖離が大きくなったならば、回転速度異常信号を駆動信号生成部73へと出力する。
回転信号異常検出部76では、回転信号SBに基づいて、逆起電圧に基づく磁極位置や回転周期の検出が不能と判定されると、回転異常異信号を駆動信号生成部73に出力する。定常回転状態の場合には、図5(b)に示すような回転信号SBが繰り返し出力され、その周期もほぼ一定となっている。ところで、ノイズ等により回転信号SB中にパルスが発生した場合には、あたかも回転速度が急激に増加したように検出される。そこで、例えば、一つ手前の回転周期と比較して回転速度の変化が異常に大きな場合には、その回転周期はノイズに依存するものと判断して無視するようにする。ただし、そのような現象が継続して検出された場合には、検出系の異常と判断しとして回転異常信号を駆動信号生成部73に出力する。どの程度継続したら異常と判定するかの基準は、適宜設定される。
回転信号切替部74には、出力すべき回転信号を指定する切替指令が駆動信号生成部73から入力される。回転信号切替部74は、その切替指令に基づいて、入力された2つの回転信号SA,SBのいずれか一方を駆動信号生成部73に出力する。具体的には、ロータ回転速度が低速の時には逆起電圧が十分に得られないので、低回転速度時には回転信号SAを用いてモータ制御を行い、回転信号SBを生成するのに十分な逆起電圧が得られる所定回転速度となったならば、回転信号SAから回転信号SBに切り替えてセンサレス制御を行うようにする。駆動信号生成部73は、回転信号SAに基づいて回転速度を算出し、その回転速度が所定回転速度となったならば、上述した切替指令を回転信号切替部74に出力する。また、駆動信号生成部73は、回転信号切替部74から入力された回転信号SAまたはSBに基づいて駆動信号の生成を行う。
[駆動信号生成についての説明]
図6は、駆動信号生成部73における駆動信号生成を説明する図である。図6において、(a)は回転信号切替部74から駆動信号生成部73に入力される回転信号S(回転信号SAまたはSB)を示したものである。駆動信号生成部73では、この回転信号Sからロータ回転周期T1を算出する。そして、次の周期(以下では2周期目と称する)の回転信号Sが回転信号切替部74から入力されたならば、その信号立ち上がりと同期して図6(b)に示すような駆動信号SU,SV,SWを生成する。
モータ駆動部72は、この駆動信号SU,SV,SWに基づいてU相、V相、W相に電圧を印加する。例えば、U相の印加電圧は駆動信号SUに基づいて生成され、駆動信号SUがレベルLowの時には印加電圧は0Vとされ、レベルHighの時には印加電圧=Eとされる。駆動信号SV,SWに基づくV相、W相の印加電圧も同様に制御される。
図6(b)に示すように、駆動信号SU〜SWの生成パターンは、時間T1/6が経過する毎に切り換えられる。図6(a)に示す2周期目の回転周期T2は、モータロータ62の回転速度が厳密に一定であればT1=T2であるが、定常回転時であっても回転ムラ等があるため、一般的にはT2≠T1である。図6(b)に示す例ではT2<T1となっているので、T1/6間隔で形成される駆動信号パターンの内の6番目の駆動信号期間中に3周期目の回転信号Sの立ち上がりが発生する。この場合、2周期目の回転信号Sの周期T2に基づいて、2周期目の駆動信号パターンの切替時間をT2/6とし、3周期目の回転信号Sの立ち上がりに同期して、2周期目の駆動信号SU〜SWを順に生成する。
[動作説明]
図7は、モータ駆動動作の一例を示すフローチャートである。図1の制御装置1に設けられたポンプスタートボタン(不図示)が操作されると、図7の処理が開始され、ステップS1が実行される。ステップS1では、非同期でモータロータ62を回転駆動する。回転始動時のようにモータロータ62が停止状態にある場合には回転周期が算出できないので、図6(b)に示すような駆動信号SU,SV,SWをモータロータ62の磁極位置と非同期で生成し、モータ回転を開始する。そして、駆動信号SU,SV,SWの周期を順次短くすることにより、モータロータ62の回転速度を上昇させる。
ステップS2では、回転信号SAに基づく回転速度が、上述した同期回転に必要な基準回転速度に達したか否かを判定する。ステップS2においてYESと判定されるとステップS3に進み、ステップS3において回転信号SAを用いた同期駆動を開始する。続くステップS6では、回転信号SAに基づくロータ回転速度が前述した所定回転速度v1以上となったか否かを判定する。ステップS6で所定回転速度v1以上と判定されるとステップS7へ進み、そうでない場合にはステップS4へ戻る。
ステップS7では、駆動信号生成部73から回転信号切替部74へと切替指令を出力し、駆動信号生成部73に入力される回転信号を回転信号SAから回転信号SBへと切り替える。続くステップS8では、回転信号異常検出部76から回転異常信号が出力されたか否かを判定し、出力されたと判定されるとステップS8−1へ進み、出力されていないと判定されるとステップS12へと進む。
ステップS8−1では、所定回転速度v2以上か否かを判定し、NOと判定された場合にはステップS14に進んで異常処理を行う。ここで、所定回転速度v2は、回転信号SAを用いた回転駆動が可能な回転速度である。一方、ステップS8−1でYESと判定された場合には、ステップS9へと進む。なお、ステップS14における異常処理としては、例えば、回転検出系が異常であることを報知するアラームを発生すると共に、モータ停止処理を実行し、一連の処理を終了する。
ステップS9では、駆動信号生成部73から回転信号切替部74へと切替指令を出力し、駆動信号生成部73に入力される回転信号を回転信号SBから回転信号SAへと切り替える。その後、ステップS10へ進んで、回転信号SBを検出する回転検出系が以上であることを示すアラームを発生する。ステップS11では、モータ駆動停止の指示があったか否かを判定し、指示があったと判定したならばステップS15へ進んでモータ停止処理を実行し、指示がないと判定されるとステップS9へ戻る。
一方、ステップS8からステップS12へ進んだ場合には、ステップS12において、回転速度比較部75から駆動信号生成部73に回転速度異常信号が出力されたか否かを判定する。ステップS12において、回転速度異常信号が出力されたと判定されるとステップS14へ進み前述した異常処理を行い、回転速度異常信号が出力されていないと判定されるとステップS13へと進む。ステップS13では、モータ駆動停止の指示があったか否かを判定し、指示があったと判定したならばステップS15へ進んでモータ停止処理を実行し、指示がないと判定されるとステップS8へ戻る。
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では、回転位置センサ47により検出されるセンサターゲット46は、位相がモータロータ62に設けられた永久磁石の位相と一致しているとして説明した。しかしながら、組立誤差等によりそれらの位相が一致するとは限らず、ずれが生じることが多い。そこで、第2の実施の形態では、この位相ズレを補正を行う方法について説明する。
図8は第2の実施の形態を説明する図であり、図3と同様にDCブラシレスモータ装置の概略構成を示すブロック図である。回転信号検出部70Aには、信号遅延部700,回転速度算出部701および位相差記憶部702が設けられている。また、センサターゲット46は、モータロータ62の磁極に対して角度θだけ位相ずれが生じている。上述した第1の実施の形態では、θがほぼゼロであるとして説明した。
このような位相ずれθがあった場合には、図9に示すように、インダクタンスに応じて回転位置センサ47から出力される信号Gの立ち上がりタイミングと、回転信号検出部70Aから出力すべき回転信号SAの立ち上がりタイミングとの間に、位相ずれθに起因する遅延時間Δtが生じる。位相ずれθは、モータ組立後の検査工程において測定され、その測定結果θは位相差記憶部702に記憶される。
回転速度算出部701は、回転位置センサ47からの信号Gに基づいてモータロータ62の回転周波数fを演算し、演算された回転周波数fを信号遅延部700に出力する。信号遅延部700は、回転速度算出部701から入力された回転周波数fと位相差記憶部702に記憶されている位相ずれθに基づいて、次式(1)により遅延時間Δtを算出する。そして、信号GをΔtだけ遅延させた信号を、回転信号SAとして出力する。
Δt=(1/f)・(θ/360) …(1)
このように、組立誤差等によりセンサターゲット46とモータロータ62の永久磁石との間に位相ずれθがあっても、センサ信号Gを位相ずれθに基づいた遅延時間Δtで補正することにより、回転信号SAを取得するようにしているので、回転信号SAを用いてモータを同期駆動をすることが可能となる。
なお、上述した例では、位相ずれθを予め測定して位相差記憶部702に記憶し、その記憶されている位相ずれθを用いて遅延時間Δtを算出したが、差分演算部77から出力される差分信号と回転位置センサ47の出力信号Gを用いて、位相ずれθをリアルタイムに計測するようにしても良い。図9に示すように、(a)に示す差分信号のゼロクロス点Pと算出すべき回転信号SAの立ち上がりタイミングとは位相が30度ずれている。一方、ゼロクロス点Pと信号Gの立ち上がりタイミングとの時間差がTであったとすると、信号Gと回転信号SAとの位相ずれ(位相差)θは、次式(2)により算出される。なお、T1は信号Gから算出される回転周期である。
θ=(T/T1)×360−30 …(2)
上述したように、本発明では、ロータ回転位置を検出する回転位置センサ47を設け、低回転速度においては、回転位置センサ47の出力信号より得られる回転信号SAに基づいて駆動信号を生成するようにしたので、従来のように逆起電圧による回転信号SBを用いる場合に比べて、モータ駆動の信頼性を向上させることができる。また、高速回転時において、回転信号ASおよびSBを常時比較することにより、検出系に異常がないか否かを判定しているので、オーバスピン等の危険な状態を回避することができる。さらに、回転信号SBによる回転位置の検出が不能になった場合には、回転センサ47の回転信号SBに基づく制御に切り替えるようにしているので、十分な精度が得られないながらも運転を継続することができ、モータが突然停止するのを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、U相の逆起電圧を利用したが、V相またはW相の逆起電圧を利用しても良い。また、U,V,W相の一つの相の逆起電圧を計測し、その最大値Vmaxと最低値Vmin(=0V)との中間電圧(Vmax−Vmin)/2を求め、その中間電圧と計測される逆起電圧とが一致するタイミングを上述したゼロクロス点の代わりに利用しても良い。その場合、位相ずれθは上記同様(2)式で算出される。さらにまた、2つの相の逆起電圧の差分、例えばU相の逆起電圧とV相の逆起電圧との差分を利用しても良い。その場合には、位相ずれθは次式(3)により算出される。
θ=T/T1×360 …(3)
上述した実施の形態では、ターボ分子ポンプに用いられるDCブラシレスモータ装置を例に説明したが、ターボ分子ポンプに限らずドラッグポンプ等の回転式真空ポンプにも適用することができる。
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、センサターゲット46は検出対象を、回転信号SBは第1の回転位置情報を、回転信号検出部70Bは第1の回転位置検出手段を、回転信号SAは第2の回転位置情報を、回転信号検出部70Aは第2の回転位置検出手段を、モータ駆動部72および駆動信号生成部73は制御手段を、回転速度比較部75は判定手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
本発明によるDCブラシレスモータ装置が搭載された回転真空ポンプを示す図である。 ポンプ本体1の詳細を示す断面図である。 DCブラシレスモータ装置の概略構成を示すブロック図である。 回転位置センサ47とセンサターゲット46との位置関係を示す図であり、(a)は回転位置センサ47をアキシャル方向に配設した場合を示し、(b)は回転位置センサ47をラジアル方向に配設した場合を示す。 (a)は差分信号を、(b)は回転信号SBを、(c)は回転信号SAを示す図である。 駆動信号生成を説明する図であり、(a)は回転信号Sを示し、(b)は駆動信号SU,SV,SWを示す。 モータ駆動動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態を説明するブロック図である。 差分信号と信号Gとから位相差θを算出する方法を説明する刷る図であり、(a)は差分信号、(b)は回転信号SA、(c)は信号Gをそれぞれ示す。
符号の説明
1:ポンプ本体、2:電源装置、6:モータ、7:モータ制御部、46:センサターゲット、47:回転位置センサ、61:モータステータ、62:モータロータ、70A,70B:回転信号検出部、71:電源、72モータ駆動部、73:駆動信号生成部、74:回転信号切替部、75:回転速度比較部、76:回転信号異常検出部、77:差分演算部

Claims (5)

  1. モータステータの少なくとも一つの相に発生する逆起電圧に基づいて第1の回転位置情報を取得する第1の回転位置検出手段と、
    モータロータと共に回転する検出対象を検出して第2の回転位置情報を取得する第2の回転位置検出手段と、
    (a)前記第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度が、前記第1の回転位置検出手段による前記第1の回転位置情報の取得が不能となる所定回転速度より低い場合には、前記第2の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御し、(b)前記ロータ回転速度が前記所定回転速度以上の場合には、前記第1の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とするDCブラシレスモータ装置。
  2. 請求項1に記載のDCブラシレスモータ装置において、
    前記第1の回転位置情報に基づくロータ回転速度と、前記第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度との差の大きさが所定値以上の場合に、前記第1および第2の回転位置検出手段の少なくとも一方が異常であると判定する判定手段を備えることを特徴とするDCブラシレスモータ装置。
  3. 請求項2に記載のDCブラシレスモータ装置において、
    前記判定手段による異常判定時に、前記第2の回転位置情報に基づくロータ回転速度が前記所定回転速度より小さい場合には、前記制御手段はロータ回転を停止することを特徴とするDCブラシレスモータ装置。
  4. 請求項1に記載のDCブラシレスモータ装置において、
    前記制御手段は、前記第1の回転位置情報に基づく制御時に、前記第1の回転位置検出手段による取得が不能となったならば、前記第2の回転位置情報に基づいてモータを駆動制御することを特徴とするDCブラシレスモータ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のDCブラシレスモータ装置を、ポンプロータの回転手段として備えることを特徴とする回転式真空ポンプ。
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