JP2013153634A - センサレス3相ブラシレスモータの制御装置および真空ポンプ - Google Patents

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【課題】回転子を所定回転方向へ確実に始動回転させることができるセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置。
【解決手段】センサレス3相ブラシレスモータの制御装置10は、3相固定子コイルの1相を休止相とし、他の2相に電流を通電する制御部102と、制御部102による通電を行った場合に休止相に発生する誘起電圧の時間変化特性と通電後の転流開始タイミングとの相関関係が、予め記憶されている記憶部102aと、通電時に休止相に発生する誘起電圧を計測して該誘起電圧の時間変化特性を検出する誘起電圧特性検出部(103〜105)と、検出された時間変化特性と記憶部102aに記憶されている相関関係とに基づいて、通電後の転流開始タイミングを決定する決定部としての制御部102と、を備え、決定された転流開始タイミングにおいて転流を開始する。
【選択図】図2

Description

本発明は、センサレス3相ブラシレスモータの始動時における逆転を防止できる制御装置、および、その制御装置を備えた真空ポンプに関する。
回転子に永久磁石を備えた3相ブラシレスモータでは、マグネットトルクを利用して回転力を得ているため、固定子コイルに適切なタイミングで電流を流して回転磁界を生成する必要がある。適切なタイミングを得るために、従来はホール素子などの回転位置センサを用いてタイミングを生成している。しかし、最近ではコスト面への配慮から、特許文献1に記載のような回転位置センサを省略したセンサレスの3相ブラシレスモータが提案されている。
特許文献1に記載のセンサレスブラシレスモータでは、固定子コイルに発生する誘起電圧を用いて回転位置を取得するようにしている。この場合、回転子が停止した状態において、固定子コイルにより所望の方向に回転する回転磁界を非同期で生成し、回転子の回転速度を誘起電圧を得ることができる回転数まで上昇させるようにしている。そして、十分な誘起電圧が得られるようになったならば、取得された誘起電圧から算出される回転位置に基づいて回転磁界を生成する。
特許第4249916号公報
しかしながら、回転磁界の周期が短すぎると、マグネットトルクの印加時間が短くなって回転子が追従できなくなる場合がある。逆に、回転磁界の周期が長すぎると、マグネットトルクの印加時間が長くなることで回転子が逆回転する場合がある。逆回転してしまった場合であっても、誘起電圧が確実に測定できる回転速度まで上昇しないと逆回転を判断することができない。そして、逆回転と判定できるようになった時点でポンプ停止動作を行い、一旦停止してから再度始動動作を行わせる必要があった。真空ポンプのポンプ回転体は慣性質量が比較的大きいため、動き難くかつ止まり難い。そのため、逆回転してしまった場合には、所望の方向に回転させるまでの始動時間が長くなってしまうという問題があった。
請求項1の発明は、永久磁石を有する回転子および3相固定子コイルが設けられた固定子とを備えたセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置であって、3相固定子コイルの1相を休止相とし、他の2相に電流を通電する始動部と、通電により休止相に発生する誘起電圧の時間変化特性と通電後の転流開始タイミングとの相関関係が、予め記憶されている記憶部と、通電時に休止相に発生する誘起電圧を計測して、該誘起電圧の時間変化特性を検出する誘起電圧特性検出部と、誘起電圧特性検出部により検出された時間変化特性と相関関係とに基づいて、通電後の転流開始タイミングを決定する決定部と、を備え、決定部で決定された転流開始タイミングにおいて転流を開始することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、相関関係は、通電時の前記回転子の運動方程式に基き算出された前記誘起電圧に基づいて設定されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、時間変化特性は、通電後最初に現れる誘起電圧ピークのピーク電圧値と、通電開始からピーク電圧が発生するまでのピーク到達時間と、通電後に誘起電圧がゼロとなるまでのゼロクロス到達時間とを含む。
請求項4の発明は、請求項3に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、通電開始から所定時間経過しても誘起電圧ピークが計測されない場合には、始動部による通電および決定部による決定が再度実行されるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、始動部による再度の通電は、初回の通電時とは異なる相が休止相とされることを特徴とする。
請求項6の発明に係る真空ポンプは、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置と、回転子が設けられ、センサレス3相ブラシレスモータによって回転駆動されるポンプ回転体と、ポンプ回転体を磁気浮上支持する磁気軸受と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、始動時に、回転子を所定回転方向へ確実に回転させることができる。
ターボ分子ポンプの概略構成を示す図である。 モータ制御装置の主要構成を示す図である。 モータ36の断面を模式的に示す図である。 曲面S上における磁束密度B(α,z)の周方向分布を模式的に示した図である。 初期位置θ0がθ0=±30degの場合の誘起電圧の変化を示す図である。 初期位置θ0がθ0=120degの場合の誘起電圧の変化を示す図である。 初期位置θ0がθ0=−120degの場合の誘起電圧の変化を示す図である。 初期位置判定マップを示す図である。 初期位置θ0とゼロクロス到達時間T0との関係を示す図である。 始動時動作方向判定テーブルを示す図である。 領域1(CW)と判定した場合の転流動作例を示す図である。 領域2(CCW)と判定した場合の転流動作例を示す図である。 領域3(CCW)と判定した場合の転流動作例を示す図である。 領域4でCW判定した場合の転流動作例を示す図である。 領域4’でCCW判定した場合の転流動作例を示す図である。 領域5と判定した場合の転流動作例を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための実施の形態について説明する。図1は磁気浮上式ターボ分子ポンプの概略構成を示す図である。ターボ分子ポンプ1には不図示の電源装置が接続される。その電源装置には、後述するモータ36を駆動するモータ制御装置と、ターボ分子ポンプ1に設けられた磁気軸受を制御する軸受制御装置が設けられている。
回転側排気作用部である回転翼30aおよび円筒部30bが形成されたロータ30は、回転軸であるシャフト31に締結されている。ロータ30とシャフト31とによってポンプ回転体が構成される。シャフト31は、ベース20に設けられた磁気軸受37,38,39によって非接触支持される。各磁気軸受37,38,39は電磁石と変位センサとを備えている。変位センサによりシャフト31の浮上位置が検出される。なお、軸方向の磁気軸受39を構成する電磁石は、シャフト31の下端に設けられたロータディスク35を軸方向に挟むように配置されている。
磁気軸受37〜39によって回転自在に磁気浮上されたポンプ回転体(ロータ30およびシャフト31)は、モータ36により高速回転駆動される。モータ36にはセンサレス3相ブラシレスモータが用いられる。モータ36のモータステータ36aはベース20に設けられ、永久磁石を備えるモータロータ36bはシャフト31側に設けられている。26a,26bは非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはこれらのメカニカルベアリング26a,26bによってシャフト31は支持される。
図1に示すターボ分子ポンプ1は、回転翼30aと固定翼22とで構成されるターボポンプ段と、円筒部30bとネジステータ24とで構成されるドラッグポンプ段(ネジ溝ポンプ)とを有している。上述したように回転翼30aおよび円筒部30bを回転側排気作用部とした場合、固定翼22およびネジステータ24は固定側排気作用部が形成されたステータを構成している。なお、ここではネジステータ24側にネジ溝が形成されているが、円筒部30b側にネジ溝を形成しても構わない。
アルミ合金製のロータ30には複数段の回転翼30aが形成されている。複数段の固定翼22は、軸方向に対して回転翼30aと交互に配置されている。各固定翼22は、スペーサリング23を介してベース20上に載置される。ポンプケーシング21の固定フランジ21cをボルトによりベース20に固定すると、積層されたスペーサリング23がベース20とポンプケーシング21との間に挟持され、固定翼22が位置決めされる。
ベース20の排気口20aには排気ポート25が設けられ、この排気ポート25にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート25側へと排気される。
図2は、モータ制御装置の主要構成を示す図である。モータ36のモータロータ36bは2極の永久磁石を備え、モータステータ36aはスター結線された3相の固定子コイル(U相コイルLu,V相コイルLv,W相コイルLw)を備えている。モータ制御装置10は、直流電源100と、U相コイルLu,V相コイルLv,W相コイルLwに電流を供給するPWMアンプ101と、PWMアンプ101を制御する制御部102と、抵抗値の等しいスター結線された抵抗Ru,Rv,Rwを有する仮想中性点回路103と、差動増幅器104と、ローパスフィルタ105と、ADコンバータ106を備えている。
なお、図2では、便宜上U相コイルLu,V相コイルLv,W相コイルLwとモータロータ36bとが別に示されているが、実際はU相コイルLu,V相コイルLv,W相コイルLwはモータロータ36bの外周側に配置されている。
PWMアンプ101は、3相ブリッジを構成する6つのスイッチング素子SW1〜SW6を備えている。スイッチング素子SW1〜SW6には、例えば、MOSFET等のパワー半導体素子が用いられる。図2に示す例では、MOSFETをスイッチング素子SW1〜SW6に用いている。スイッチング素子SW1,SW2は、U相コイルLuおよび仮想中性点回路103の抵抗Ruに接続されている。スイッチング素子SW3,SW4は、V相コイルLvおよび仮想中性点回路103の抵抗Rvに接続されている。スイッチング素子SW5,SW6は、W相コイルLwおよび仮想中性点回路103の抵抗Rwに接続されている。
制御部102は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、PWMアンプ101のスイッチング素子SW1〜SW6をオン/オフ駆動するためのPWM制御信号を生成する。PWMアンプ101は、制御部102に制御されながら3相の固定子コイルに所定の電流を供給する。なお、詳細は後述するが、記憶部102aには後述する相関関係が予め記憶されている。制御部102は、モータ始動時に休止相に発生する誘起電圧と記憶部102aの相関関係とに基づいて、始動動作における転流開始タイミングを決定する。
仮想中性点回路103の抵抗Ru,Rv,Rwは、それぞれ対応する固定子コイルLu,Lv,Lwに接続されている。仮想中性点回路103の仮想中性点103aの電位は、差動増幅器104に入力される。後述する休止相に誘起される電圧は仮想中性点103aに現れる。差動増幅器104には直流電源100からの基準電位Vrも入力され、仮想中性点電位と基準電位Vrとの差が差動増幅器104からローパスフィルタ105へ出力される。なお、図2に示した例では、基準電位として電源中性点電位を使用し、仮想中性点電位との差分を取っているが、例えば、仮想中性点電位を基準電位に使用し、仮想中性点電位と休止相の端子電圧との差分を取るようにしても良い。
ローパスフィルタ105では、差分信号からPWM信号成分に起因する高調波成分(一般には10kHz以上)が除去される。始動時に休止相に現れる誘起電圧の周波数(1Hz以下)は低いので、ローパスフィルタ105のカットオフ周波数は、誘起電圧周波数での位相変化に影響をほとんど与えないような値に設定される(例えば、500Hz程度)。ローパスフィルタ105から出力される信号は誘起電圧信号として、ADコンバータ106を介して制御部102に入力される。
なお、制御部102に入力された誘起電圧信号は、図示していないデジタルフィルタにより処理される。デジタルフィルタは、ローパスフィルタ105で除去できないノイズを除去すると共に、後述する始動時の時間判定に影響を与えないように、有限時間整定応答フィルタを用いるのが望ましい。また、制御部102では、時刻t=0(回転停止時)でのフィルタ出力を直流バイアス量として、デジタルフィルタ出力との差分をとることで、デジタルフィルタ出力に含まれる直流バイアス電圧は補正される。
制御部102は、バイアス補正を施したデジタルフィルタ出力に基づく誘起電圧情報と後述する相関関係(始動時動作方向判定テーブル)とを比較して、所望の方向(正回転方向)に回転させるための転流タイミング(初回の転流タイミング)を決定する。そして、モータロータ36bが所望の回転方向に回り続けることができる固定子磁束が形成されるように、転流動作を順に行う。
本実施の形態では、ロータ30をモータ36で回転始動する際に、始動時のモータロータ36bの回転方向を判断し、モータロータ36bが所望の方向に回転駆動されるように転流開始タイミングを決定するようにしている。そのために、始動時に、U相コイルLu、V相コイルLvおよびW相コイルLwの内の2相に電流を流し、そのときの休止相に生じる誘起電圧eに基づいてモータロータ36bの回転方向を判定するようにしている。
[休止相に発生する誘起電圧]
まず、図3および図4を参照して、休止相に生じる誘起電圧について説明する。図3は、図1に示したモータ36の断面を模式的に示したものである。U相コイルLu、V相コイルLvおよびW相コイルLwは120deg間隔で配置されており、W相コイルLwのコイル面に垂直な方向を、モータロータ36bの回転角度αの原点とする。なお、モータロータ36bの回転角度は、N極の位置(以下では磁極位置と呼ぶ)の原点(α=0)からの角度である。回転角度αの値は、図3に示すように時計回り方向(モータ36の正回転方向)を正とする。なお、図3に示す例では、モータロータ36bは2極であって、モータステータ36aは3相3スロットである。
以下の説明では、U相コイルLuおよびV相コイルLvに一定の電流を流し、W相を休止相とする。図2のスイッチング素子SW1,SW4をオンしてU相コイルLuおよびV相コイルLvに電流を流すと、図3に示すような方向に磁束φuvが形成される。磁束φuvの方向は、W相コイルLwのコイル面と平行なのでW相コイルLwと鎖交しない。よって、休止相であるW相コイルLwと鎖交するのは回転子磁束のみとなる。そのため、モータロータ36bの回転によりW相コイルLwに誘起される電圧は、鎖交する回転子磁束の変化(モータロータ36bの回転位置と回転速度)のみに依存することになる。すなわち、休止相(W相)に誘起される電圧から、モータロータ36bの位置情報を検出することが可能である。
相コイルが集中巻きで全節巻である場合をモデルに用いて、W相コイルLwと鎖交する回転子磁束、その鎖交磁束の変化による誘起電圧について説明する。W相コイルLwと鎖交する回転子磁束の算出には、W相コイルLwを縁とする曲面(円筒状の曲面)S0を貫く磁束を考える。曲面S0上の磁束密度に関して、曲面S0上の座標(β、z)における磁束密度の曲面S0に垂直な成分B(β,z)は、モータロータ36bの回転子角度が図3のようにαの場合、次式(1)のように表される。なお、座標(β、z)のβは角度であり、図3のαと同様に設定される。すなわちWの位置がβ=π/2であり、W’の位置がβ=−π/2である。また、zはモータロータ36bの軸方向の座標である。
B(β,z)=Bmax・cos(β−α) …(1)
図4は、曲面S0上における磁束密度B(β,z)の周方向分布を模式的に示した図である。図4において、Bmax・cos(β−α)で示す曲線はモータロータ36bの回転角度がα=α0の場合を示し、Bmax・cosβで示す曲線はモータロータ36bの回転角度がα=0の場合を示す。なお、分布図の下側には、曲線Bmax・cosβ、Bmax・cos(β−α)に対応する磁石N,Sの位置を、平面状に展開して示した。図3に示した曲面S0上をW’の位置からWの位置まで磁束密度B(β,z)を積分することにより、すなわち、次式(2)のように−π/2≦β≦π/2および0≦z≦Lの範囲で積分することにより、曲面S0に鎖交する磁束φが求まる。なお、RおよびLはモータロータ36bの半径および軸方向長さであり、NはW相コイルLwのコイルターン数である。
Figure 2013153634
後の議論のために、式(2)を図3に示す角度θで書き換える。角度θはW位置を原点とし、逆回転方向を正の値とする角度である。このとき、α+θ=π/2の関係があるので、式(2)は次式(3)のように表現される。
Figure 2013153634
式(3)に示した鎖交磁束φの時間微分を用いて、休止相(W相コイルLw)に発生する誘起電圧eは次式(4)で表される。
Figure 2013153634
なお、φr=2N・L・R・Bmaxである。
モータロータ36bの始動時停止位置が図3に示す角度α(または、角度θ=π/2−α)の場合、磁束φuvの作用により、正回転方向の働くトルクによって時計回りに回転し始める。そして、モータロータ36bの角度θがθ<0になると、モータロータ36bには逆回転方向のトルクが作用する。そのため、モータロータ36bはθ=0を通過した後に一旦停止し、その後、逆回転方向に回転し始める。そして、同様の運動を繰り返し、θ=0を中心に振動することになる。
本実施の形態では、休止相に現れる誘起電圧の時間変化特性に基づいて、転流開始のタイミングを決定するようにしている。ところで、図3の回転角度αはα(t)のように時間の関数であり、α(t)は任意の2つの相コイルに直流電流を印加した時のモータロータ36bの運動方程式から、求めることができる。
図3に示す回転角度αに関して、モータロータ36bの運動方程式は次式(5)で表される。Jは回転子(本実施の形態の場合には、ロータ30やシャフト31を含むポンプ回転体)の慣性モーメント[kg・m]、Dは回転制動係数[N・m・sec/rad]、Tは負荷トルク[N・m]、Tは駆動トルク[N・m]である。
Figure 2013153634
計算を簡単にするために、回転制動係数(動摩擦係数)と負荷トルクを無視し、自由振動系として検討する。磁気軸受式の真空ポンプの場合には動摩擦係数が非常に小さいので、自由振動系で精度良く近似できる。また、モータ36の駆動トルクTは、U,V,W相コイルLu,Lv,Lwの電流をそれぞれib、ic、iaとすると、次式(6)のように表せる。
Figure 2013153634
図3に示した例のように、休止相はW相(ia=0)で、U相からV相に一定電流Ip(ib=Ip、ic=−Ip)を流す場合には、発生する駆動トルクTは次式(7)のようになる。また、式(5)における回転制動係数Dや負荷トルクTは、始動動作においては無視できると考えても問題ないので、式(5)は次式(8)のようになる。なお、φrは式(4)に示したφrであって、永久磁石の最大磁束[Wb]である。
Figure 2013153634
ここで、α+θ=π/2の関係を用いて、式(8)を角度θに関するものに書き換えると次式(9)のようになる。
Figure 2013153634
モータロータ36bが図3に示す角度θで停止している場合、この位置をモータロータ36bの初期位置θ0とする。式(9)を第一種楕円積分により厳密に解くことにより、初期位置θ0から始動し、時間tmが経過した時点のモータロータ36bの位置θが求まる。時間tmは式(10)で表され、時間tmが経過した時点の位置θは式(11)で表される。式(11)における関数snはヤコビの楕円関数であり、式(10)の積分項の逆関数をヤコビの楕円関数snで定義した。なお、式(11)のθを上述した式(3)および式(4)のθに代入すれば、位置θにおける、休止相に鎖交する磁束、および、休止相に発生する誘起電圧が算出される。
Figure 2013153634
[誘起電圧の変化パターンの説明]
図5〜7は、誘起電圧の変化を示したものである。図5(a)は初期位置(停止位置)θ0が30degの場合を示し、図5(b)はθ0=−30degの場合を示す。また、図6はθ0=120degの場合を示し、図7はθ0=−120degの場合を示す。式(4)に示すように、誘起電圧eはdθ/dtとcosθとの積に比例している。dθ/dt=0となる位置は、始動開始時(θ0)、モータロータ36bが往復運動において移動方向が反転する際に現れる。一方、cosθ=0となるのは、θ=±90degとなる位置である。また、往復運動においてはθ=0において最も回転速度(dθ/dt)が大きくなるので、θ=0のときに誘起電圧のピークが現れる。
図5(a)の場合には、時刻t11にθ=30degから正回転方向(時計回り)に回転開始し、θ=0(時刻t12)となる回転位置において誘起電圧eがピークとなる。θ=0を通過してθ<0の領域となると、回転速度が徐々に減少して誘起電圧eも減少し、回転速度がゼロとなる時刻t13において誘起電圧eがゼロとなる(ゼロクロス点)。その後、モータロータ36bは逆回転方向(反時計回り)に回転し始め、負の誘起電圧が発生する。この場合も、θ=0(時刻t14)となる回転位置で誘起電圧がピークとなり、その後は、回転速度の減少に伴って誘起電圧は減少し、回転速度がゼロとなる時刻t15において誘起電圧eがゼロとなる。このように、誘起電圧は正→負→正→負を繰り返しながら減衰する。
図5(b)は、モータロータ36bの初期位置がθ0=−30degの場合の誘起電圧を示したものである。この場合、θ=0に関してθ0=30degと逆の位置から回転動作が始まるので、誘起電圧eを示す曲線は、図5(a)の曲線を電圧=0のラインに関して反転したものとなっている。そのため、ピーク位置の電圧はθ0=30degの場合に対し逆極性になっているが、誘起電圧e=0となるゼロクロス点の位置は図5(a)の場合と同じになる。
図6は、モータロータ36bの初期位置がθ0=120degの場合の、誘起電圧を示している。この場合、θが120deg(t31)〜90deg(t33)までは式(4)のcosθはcosθ<0となるため、誘起電圧は負電圧となる。そして、θ=90deg(t33)においてcosθ=0となるため、誘起電圧もe=0となる。その間、時刻t32に誘起電圧のピークが現れる。θが90deg〜−90deg(t35)までは、図5(a)に示すθ0=30degの場合と同様の変化傾向で誘起電圧が変化し、時刻t34に誘起電圧のピークが現れる。
モータロータ36bは、θ=−90deg(t35)となった後もさらに正回転方向に回転する。θ<−90degではcosθ<0であるため、誘起電圧eは負電圧となる。そして、時刻t37においていったん停止した後、反対方向(逆回転方向)に回転を始める。θ<−90degである時刻t37〜t39の誘起電圧eは、回転方向がt35〜t37とは逆方向なので、電圧は逆極性(正電圧)であるがt37→t35における電圧変化と同様の変化をする。その後、モータロータ36bはさらに逆回転方向に回転し、時刻t39→t40→t41で示すように誘起電圧eは変化する。この変化は、逆極性ではあるが、t35→t34→t33と同様の変化を示している。このように、誘起電圧は正→負→正→負を繰り返しながら減衰する。
図7は、停止位置がθ0=−120degの場合を示したものである。この場合も、図5(a)と図5(b)との関係と同様に、図6の曲線を電圧=0のラインに関して上下反転したのものとなっており、詳細説明は省略する。
図5〜7ではθ0=±30degおよびθ0=±120degの場合について示した。休止相に生じる誘起電圧eは式(4)に示すようにdθ/dtとcosθとの積に比例しているため、始動時の停止位置θ0によって誘起電圧eの変化のしかたがそれぞれ異なるが、基本的には、図5〜7に示した4つのパターンに分類される。ただし、初期位置(停止位置)θ0によって、始動直後に誘起電圧eがピークとなる時間(ピーク到達時間)およびその電圧(ピーク電圧)や、ゼロクロス到達時間が異なる。
上述したように、磁気軸受式ターボ分子ポンプの場合には摩擦係数が非常に小さいので、上述した計算により、誘起電圧を精度良く求めることができる。ところで、誘起電圧波形の違いから回転方向を判定する場合、上述のように摩擦係数が小さくても、モータロータ36bの運動時間が長くなればなるほど運動の減衰が大きくなる。そのため、摩擦係数の影響がほとんど無い、始動直後の誘起電圧を比較するのが好ましい。そこで、本実施の形態では、図5〜7に示すような誘起電圧変化に対して、始動直後のピーク到達時間、ピーク電圧、ゼロクロス到達時間を比較するようにした。
[転流タイミング判定についての説明]
次に、図8〜10を用いて転流タイミングの判定方法について説明する。図8は、モータロータ36bの初期位置(停止位置)θ0を判定するためのマップを示す図である。図8に示すマップは、種々の初期位置θ0に対して始動直後に現れるピーク電圧Vpeak、ピーク到達時間Tpeakを計算し、その計算結果を(Vpeak、Tpeak)平面上にプロットしたものである。さらに、図9は、初期位置θ0とゼロクロス到達時間T0との関係を示す図であり、図8に示す複数の初期位置に関するデータ内の一部について、(θ0、T0)平面上にプロットしたものである。また、図10は、図8,9に示すマップに基づいて定めた転流条件を表にしたものである。
なお、図8,9において、例えば、CW40と記載されているデータは初期位置θ0が40deg(θ=0に対して時計回転方向に40deg)であることを示し、CCW40と記載されているデータは初期位置θ0が−40deg(θ=0に対して反時計回転方向に40deg)であることを示す。
始動直後のピークの極性および電圧を比較した場合、図5〜7の説明から、初期位置θ0の角度の大きさが同じであればピーク電圧の大きさは等しく、ピーク電圧の極性は、θ=0から見た初期位置θ0の方向がCWかCCWかによって逆になることが理解できる。そのため、図8を見ると、CW10〜CW170のデータと、CCW10〜CCW170のデータとは、電圧=0のラインを軸として左右対象に配置されている。
図8では、データがプロットされている領域が、領域1(CW),領域1(CCW),領域2(CW),領域2(CCW),領域3(CW),領域3(CCW),領域4(1),領域4(2)および領域5の、9つの領域に区別されている。
(1)領域1(CW)の範囲は、Tpeak<0.8sec、かつ、Vpeak<−50mVを満たす範囲である。(2)領域1(CCW)の範囲は、Tpeak<0.8sec、かつ、Vpeak>50mVを満たす範囲である。(3)領域2(CW)は、Tpeak≧0.8sec、かつ、Vpeak>150mVを満たす範囲である。(4)領域2(CCW)は、Tpeak≧0.8sec、かつ、Vpeak<−150mVを満たす範囲である。(5)領域3(CW)は、Tpeak≧1.05sec、かつ、−150mV≦Vpeak≦0mVを満たす範囲である。(6)領域3(CCW)は、Tpeak≧1.05sec、かつ、0(mV)<Vpeak≦150mVを満たす範囲である。(7)領域4(1)は、0.8sec≦Tpeak<1.05sec、かつ、0mV<Vpeak≦150mVを満たす範囲である。(8)領域4(2)は、0.8sec≦Tpeak<1.05sec、かつ、−150mV≦Vpeak<0mVを満たす範囲である。(9)領域5の範囲は、−50mV≦Vpeak≦50mVである。
[領域判定条件(1)]
先ず、図10の領域判定条件(1)について説明する。図8のマップを見ると、ピーク到達時間TpeakがTpeak<0.8secの領域では、誘起電圧が正の領域(領域1(CCW))および誘起電圧が負の領域(領域1(CW))にそれぞれ同種類のデータが含まれている。すなわち、領域1(CW)には初期位置θ0が100,110,120,140,150degのデータが含まれ、領域1(CCW)には初期位置θ0が−100,−110,−120,−140,−150degのデータが含まれている。計算上では、領域1(CW)には90deg<θ0<180degのデータが含まれ、領域1(CCW)には−180deg<θ0<−90degが含まれることになる。
領域1(CW)におけるピーク電圧Vpeakは図6の時刻t32におけるピーク電圧に相当し、ピーク電圧の極性は負で、誘起電圧は時間の経過と共に図6の場合と同様の変化をする。この場合、2番目のピーク位置t34(正のピークに関しては1番目)が、θ=0であって回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。図3に示す例では始動時の回転方向判定のためにU相→V相と一定の電流を流したので、この転流タイミングでは、正回転方向(時計回転方向)に回転するようにU相→W相と転流を開始する。
一方、領域1(CCW)におけるピーク電圧Vpeakは図7の時刻t52におけるピーク電圧に相当し、ピーク電圧の極性は負で、誘起電圧は時間の経過と共に図7の場合と同様の変化をする。この場合、5番目のピーク位置t60(正のピークに関しては3番目)において、回転位置がθ=0と一致するとともに、回転方向が正回転方向となる。すなわち、3番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
ただし、図8からも分かるように初期位置θ0が90degまたは−90degに近いデータ(例えば、CW100,CW110,CCW100,CCW110)は、ピーク電圧Vpeak(図6,7のt32、t52の電圧に対応する)が小さい。そのため、ノイズ等の影響により実際上はピーク電圧の検出が難しい。その結果、時刻t32,t52のピーク電圧が検出されず、その次のピーク(時刻t34,t54のピーク)が初回のピークとして検出されるおそれがある。
この場合、誘起電圧の変化は初期位置θ0=90degまたはθ0=−90degの場合の誘起電圧変化と非常に近くなる。よって、検出されるピーク到達時間は0.8secよりも長くなり、領域1(CCW)または領域1(CW)のデータとして判定されず、領域2(CW)または領域2(CCW)のデータとして判定されることになる。もちろん、ピーク電圧が検出できる場合には、領域1(CW)または領域1(CCW)と判定され、上述のような転流動作が行われる。なお、図10の領域の欄では、領域1(CW)と領域1(CCW)とをまとめて領域1と記載した。
[領域判定条件(2)]
領域判定条件(2)は、図8の領域2(CW)および領域2(CCW)に対応する判定条件である。図8のマップのTpeak≧0.8secの領域を見ると、ピーク電圧がVpeak>150mVの領域およびVpeak<−50mVの領域においては、それぞれ同種類のデータが含まれている。すなわち、領域2(CW)には初期位置θ0が40,60,90degのデータが含まれ、領域2(CCW)には初期位置θ0が−40,−60,−90degのデータが含まれている。なお、図10の領域の欄では、領域2(CW)と領域2(CCW)とをまとめて領域2と記載した。
領域2(CW)におけるピーク電圧Vpeakは図5(a)の時刻t12におけるピーク電圧に相当し、ピーク電圧の極性は正で、誘起電圧は時間の経過と共に図5(a)の場合と同様の変化をする。この場合、最初のピーク位置t12(正のピークに関して1番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
一方、領域2(CCW)におけるピーク電圧Vpeakは図5(b)の時刻t22におけるピーク電圧に相当し、ピーク電圧の極性は正で、誘起電圧は時間の経過と共に図5(b)の場合と同様の変化をする。この場合、2番目のピーク位置t24(正のピークに関して1番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
[領域判定条件(3)]
領域判定条件(3)は、マップ8の領域3(CW)および領域3(CCW)に対応する判定条件である。図8のマップでは、領域3(CW)にはデータCCW170のみが記載され、領域3(CCW)にはデータCW170のみが記載されているが、領域3(CW)には初期位置θ0が170deg前後のものが含まれ、領域3(CCW)にはθ0=−170deg前後のものが含まれることになる。なお、図10の領域の欄では、領域3(CW)と領域3(CCW)とをまとめて領域3と記載した。
検出されたデータが領域3(CW)に含まれると判定された場合には、誘起電圧の変化は図6の場合と同様なので、2番目のピーク位置(正のピークに関しては1番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
一方、領域3(CCW)と判定された場合には、誘起電圧の変化は図7の場合と同様なので、5番目のピーク位置(正のピークに関しては3番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、3番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
[領域判定条件(4)および(5)]
領域判定条件(4)および領域判定条件(5)は、図8の領域4(1)および領域4(2)に含まれるデータに関する判定条件である。図8に示すように、領域4(1)には、図5(a)に示すパターンのデータ(CW10,CW20,CW30)と図7に示すパターンのデータ(CCW160)とが含まれている。また、領域4(2)には、図5(b)に示すパターンのデータ(CCW10,CCW20,CCW30)と図6に示すパターンのデータ(CW160)とが含まれている。そこで、本実施の形態では、図5(a)、図5(b)のパターンの場合と図6,7のパターンの場合とではゼロクロス到達時間T0が明確に異なることを利用して、領域4(1)および領域4(2)における混在するパターンの判別をするようにした。
(領域4(1))
図9は、図8のデータCW10〜CW90およびデータCCW100〜CCW170を示したものであり、横軸は初期位置θ0、縦軸はゼロクロス到達時間T0である。なお、図9に示したデータの内、CW10,データCW20,CW30およびCCW160は領域4(1)に含まれるデータであるが、その他のデータCW40〜CW90,CCW100〜CCW150,CCW170は領域4(1)以外の領域に含まれるデータである。
領域4(1)に含まれるデータCW10,CW20,CW30およびCCW160のゼロクロス到達時間T0を比較すると、CW10は1.71secであって、CCW160は1.24secである。すなわち、これらの間の値(例えば、T0=1.4sec)を基準値とすれば、その基準値よりも大きいか小さいかで、計測されたデータの誘起電圧が図5(a)のように変化する(CW20,CW30の場合)のか、図6のように変化する(CCW160の場合)のかを判別することができる。
以下では、図9のデータCW10,CW20,CW30が含まれる領域(T0>1.4sec)を、改めて領域4’と呼ぶことにする。同様に、データCCW160が含まれる領域(T0≦1.4sec)を改めて領域4と呼ぶことにする。なお、図10の領域の欄には、これらの領域4,4’を記載した。
そして、計測された誘起電圧に関して、ピーク到達時間Tpeakが0.8(sec)≦Tpeak<1.05sec、ピーク電圧Vpeakが0mV<Vpeak≦150mV、かつ、ゼロクロス到達時間T0がT0≦1.4secである場合(例えば、データCCW160)には、そのデータは図9の領域4に含まれることになる。この場合、誘起電圧は図7のように変化するので、5番目のピーク位置t60(正のピークに関しては3番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、3番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。例えば、図9のデータCCW160のゼロクロス到達時間はT0=1.24secであり、このゼロクロス到達時間を検出したならば、時刻t60まで待ってから転流を開始する。
一方、計測された誘起電圧に関して、ピーク到達時間Tpeakが0.8sec≦Tpeak<1.05sec、ピーク電圧Vpeakが0mV<Vpeak≦150mV、かつ、ゼロクロス到達時間T0がT0>1.4secである場合(例えば、データCW10,CW20,CW30)には、そのデータは領域4’に含まれることになる。この場合、誘起電圧は図5(a)のように変化するので、最初のピーク位置t12(正のピークに関して1番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
(領域4(2))
図8に示すように、領域4(2)にはデータCCW10,CCW20,CCW30およびデータCW160が含まれている。そして、データCCW10,CCW20,CCW30が含まれる領域と、データCW160が含まれる領域とを分ける境界は、領域4(1)の場合と同じゼロクロス到達時間T0=1.4secとなる。すなわち、図8において、データCCW10,CCW20,CCW30およびCW160とデータCW10,CW20,CW30およびCCW160とがピーク電圧=0のラインに関して対称となっていることから、領域4(2)の場合にも、図9と同様の関係(図9の横軸をマイナスの値とすれば良い)が成立している。
ここでは、データCCW10,CCW20,CCW30が含まれる領域(T0>1.4sec)を、改めて領域4’と呼ぶことにする。同様に、データCW160が含まれる領域(T0≦1.4(sec))を、改めて領域4と呼ぶことにする。
そして、計測された誘起電圧に関して、ピーク到達時間Tpeakが0.8(sec)≦Tpeak<1.05(sec)、ピーク電圧Vpeakが−150(mV)≦Vpeak<0(mV)、かつ、ゼロクロス到達時間T0がT0≦1.4(sec)である場合には、そのデータ(例えば、データCW160)は領域4に含まれることになる。この場合、誘起電圧は図6のように変化するので、2番目のピーク位置t34(正のピークに関しては1番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
一方、計測された誘起電圧に関して、ピーク到達時間Tpeakが0.8sec≦Tpeak<1.05sec、ピーク電圧Vpeakが−150mV≦Vpeak<0mV、かつ、ゼロクロス到達時間T0がT0>1.4secである場合には、そのデータ(例えば、データCCW30)は領域4’に含まれることになる。この場合、誘起電圧は図5(b)のように変化するので、2番目のピーク位置t24(正のピークに関して1番目)がθ=0であって、回転方向が正回転方向となる。すなわち、1番目の正のピークを検出したときが、初回の転流タイミングとなる。
[領域判定条件(6)]
領域判定条件(6)は、計測されたデータが図8の領域5(|Vpeak|≦50mV)に含まれる場合に対応している。領域判定条件(1)のところでも説明したように、計算上の最初のピークに関してピーク電圧Vpeakが小さい場合には、ノイズ等の影響により実際上はピーク電圧の検出が難しい。例えば、図8に示すデータCW10,CCW10,CW110,CCW110,CW100,CCW100などは、|Vpeak|≦50mVとなっている。
データCW110,CCW110,CW100,CCW100については、上述したように最初のピークが検出できなかった場合には領域2(CW)または領域2(CCW)のデータとして判定される。もちろん、|誘起電圧値|≦50mVでピーク電圧が検出できた場合には、領域1(CW)または領域1(CCW)と判定される。
一方、データCW10,CCW10に関しては、図5(a),(b)に示す誘起電圧パターンのように、最初のピークt12の電圧値が最も高く、2番目以降は最初のピークの電圧値よりも小さくなる。そのため、最初のピーク電圧が検出できなかった場合にはその後もピークが検出されないことになる。
また、初期位置θ0がθ0=0degやθ0=180deg、またはそれらの近辺である場合、モータロータ36bが非常にゆっくりと回転するのでピーク電圧が0.8secや1.05sec経過する間に発生しない。
ところで、図10に示した領域判定条件(1)〜(5)に関する判定は、始動から1.4sec経過するまでに完了する。そこで、始動から数秒経過するまでの誘起電圧値が|誘起電圧値|≦50mVであった場合に領域5と判定する。図10では、始動から判定までの経過時間を6secとした。
始動から数秒経過すると、図8の領域5に含まれるデータCW110,CCW110,CW100,CCW100に関しては、上述したように領域2(CW)または領域2(CCW)のデータとして判定されることになる。そのため、始動から6sec経過するまでの誘起電圧値が|誘起電圧値|≦50mVとなるような計測データは、データCW10の場合や、初期位置θ0がθ0=0degやθ0=180deg、またはそれらの近辺の場合となる。
領域5と判定された場合には、始動動作のやり直しを行う。始動動作やり直しにおいては、再度U相→V相という励磁電流を印加する。通常、通電停止して再始動するまでにモータロータ36bは惰性で回転するため、初期位置θがたとえ0degや180degの近辺であった場合も、再始動位置は0degまたは180deg近辺から離れる。そのため、再度U相→V相という励磁電流を印加した場合であっても、領域判定条件(6)が繰り返されることはなく、領域判定条件(1)〜(5)のいずれかに判定される。
なお、休止相をW相からV相またはU相に変更して、すなわち、U相→V相という励磁電流により形成される磁束に対して位相を120degずらした固定子磁束を形成するようにしても良い。このようにすることで、領域5と判定されていた場合でも、再度の始動では他の領域と判定されるようになり、確実に再始動ができるようになる。
なお、再始動時の初期位置θ0がθ0=0degに非常に近い場合には、始動から6sec経過するまでの誘起電圧値が|誘起電圧値|≦50mVと再び判定されてしまう。このような場合には、初期位置θ0がほぼ0degなので、強制的に転流を開始する。
制御部102は、検出されたピーク電圧Vpeak、ピーク到達時間Tpeak、ゼロクロス到達時間T0と、図10に示した始動時動作方向判定テーブルとを比較して、所望の方向(回転子36aの正回転方向)に回転させるための転流タイミング(初回の転流タイミング)を決定する。なお、判定順序としては、(A)領域の判定、(B)誘起電圧極性により、領域毎に動作方向を判定する、(C)判定された領域と方向とにより、転流タイミングを決定する。そして、モータロータ36bが所望の回転方向に回り続けることができる固定子磁束が形成されるように、転流動作を順に行う。
図11〜17は、図10の各領域に始動位置θ0がある場合の始動及び転流動作例を示したものである。いずれも縦軸が誘起電圧(mV)、横軸が時間(msec)である。図11は、始動直後のピーク到達時間TpeakがTpeak<0.8secであって誘起電圧極性が負であることから、領域1(CW)と判定した例である。そして、最初の正のピークで最初の転流を行っている。図12は、Tpeak≧0.8sec、Vpeak<−150mVであることから領域2(CCW)と判定した例であり、最初の正のピークで最初の転流を行っている。図13は、Tpeak≧1.05sec、50mV<Vpeak≦150mVであることから領域3(CCW)と判定した例であり、3番目の正のピークで初回の転流を行っている。
図14は、0.8sec≦Tpeak<1.05sec、−150mV≦Vpeak<0mV、T0≦1.4secであることから領域4でCWと判定した例であり、最初の正のピークで最初の転流を行っている。図15は、0.8sec≦Tpeak<1.05sec、−150mV≦Vpeak<0mV、T0>1.4secであることから領域4’でCCWと判定した例であり、最初の正のピークで最初の転流を行っている。図16は、θ0=180deg近辺から始動した例であって、領域5と判定した例である。始動をやり直すことにより正回転方向に回転駆動できている。
上述のように、本実施の形態では、永久磁石を有するモータロータ36bおよび3相固定子コイルLu、Lv、Lwが設けられたモータステータ36aとを備えたセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置10は、3相固定子コイルの1相を休止相とし、他の2相に電流を通電する始動部(制御部102)と、制御部102による通電を行った場合に休止相に発生する誘起電圧の時間変化特性(ピーク電圧Vpeak、ピーク到達時間Tpeak、ゼロクロス到達時間T0)と通電後の転流開始タイミングとの相関関係(図10)が、予め記憶されている記憶部102aと、通電時に休止相に発生する誘起電圧を計測して該誘起電圧の時間変化特性を検出する誘起電圧特性検出部(仮想中性点回路103、差動増幅器104、ローパスフィルタ105等)と、検出された時間変化特性と記憶部102aに記憶されている相関関係とに基づいて、通電後の転流開始タイミングを決定する決定部としての制御部102と、を備え、決定された転流開始タイミングにおいて転流を開始する。
従来は、転流開始タイミングが正しいか否かに関係なく回転磁界を形成して回転子を回転駆動しているので、逆回転する場合がある。そして、逆回転した場合であっても、従来のように誘起電圧によってロータ回転位置を検出するためには、回転速度をある程度まで上昇させる必要がある。そのため、始動してから逆回転を判定できるまでに長時間を要する。さらに再始動をするためには、回転を停止させるまでの時間が必要となり、正しく始動できるまでに長時間を要するという問題があった。
一方、本実施の形態では、上記のような構成を備えたことにより、始動時の通電時に検出される誘起電圧の時間変化特性(ピーク電圧Vpeak、ピーク到達時間Tpeak、ゼロクロス到達時間T0)に基づいて、回転子を正しい方向へ回転させるための転流開始タイミングが決定できる。そのため、従来のように転流を開始して回転速度がある程度まで上昇してから回転方向を判定する場合に比べて、より短い時間で正しい方向に始動することができる。
なお、一定電流をU相→V相と流す通電を行った場合のモータロータ36bの運動方程式に基づいて休止相に発生する誘起電圧を計算し、その計算値に基づいて上述の相関関係を設定するようにしても良い。例えば、磁気軸受式の真空ポンプのように、モータロータ36bが回転した際の動摩擦係数が小さい場合には運動方程式は前述した式(6)のように表されるので、誘起電圧などを容易に計算することができる。計算式を用いることで、種々の大きさの真空ポンプに対して相関関係を比較的容易に求めることができる。
もちろん、種々の初期位置θ0に関して誘起電圧データを実測し、その実測値に基づいて図8〜10に示すような相関関係を設定するようにしても良い。なお、実測値を用いる場合、動摩擦の影響があっても相関関係を求めることができる。そのため、上述した動摩擦係数の非常に小さい磁気軸受式のターボ分子ポンプに限らず、メカニカルベアリングでポンプ回転体を支持するターボ分子ポンプにも適用することが可能である。
また、図10の6番目の条件のように通電開始から所定時間経過しても誘起電圧ピークが計測されない場合には、始動時の通電および図10のテーブルを用いた判定を再度実行することで、誘起電圧が小さくて検出が困難な場合であっても、確実に所定方向に回転を開始させることができる。なお、再始動時において、初回の通電時とは異なる相が休止相となるように通電することで、磁束φuvの方向が初回時とは異なり、誘起電圧ピークの大きな状態での判定を行うことが可能となり、再始動によって正しい転流タイミングを確実に決定することができる。
なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。上述した実施の形態では磁気浮上式ターボ分子ポンプを例に説明したが、これに限らない。例えば、センサレス3相ブラシレスモータの制御装置そのものにも適用できるし、センサレス3相ブラシレスモータの制御装置を備える真空ポンプにも適用することができる。
1:ターボ分子ポンプ、10:モータ制御装置、30:ロータ、31:シャフト、36:モータ、36a:モータステータ、36b:モータロータ、37〜39:磁気軸受、102:制御部、102a:記憶部、103:仮想中性点回路、104:差動増幅器、105:ローパスフィルタ、Lu:U相コイル、Lv:V相コイル、Lw:W相コイル

Claims (6)

  1. 永久磁石を有する回転子および3相固定子コイルが設けられた固定子とを備えたセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置であって、
    前記3相固定子コイルの1相を休止相とし、他の2相に電流を通電する始動部と、
    前記通電により前記休止相に発生する誘起電圧の時間変化特性と通電後の転流開始タイミングとの相関関係が、予め記憶されている記憶部と、
    前記通電時に前記休止相に発生する誘起電圧を計測して、該誘起電圧の時間変化特性を検出する誘起電圧特性検出部と、
    前記誘起電圧特性検出部により検出された時間変化特性と前記相関関係とに基づいて、前記通電後の転流開始タイミングを決定する決定部と、を備え、
    前記決定部で決定された転流開始タイミングにおいて転流を開始することを特徴とするセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、
    前記相関関係は、前記通電時の前記回転子の運動方程式に基き算出された前記誘起電圧に基づいて設定されていることを特徴とするセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、
    前記時間変化特性は、通電後最初に現れる誘起電圧ピークのピーク電圧値と、通電開始から前記ピーク電圧が発生するまでのピーク到達時間と、通電後に誘起電圧がゼロとなるまでのゼロクロス到達時間とを含むことを特徴とするセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置。
  4. 請求項3に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、
    通電開始から所定時間経過しても前記誘起電圧ピークが計測されない場合には、前記始動部による通電および前記決定部による決定が再度実行されることを特徴とするセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置。
  5. 請求項4に記載のセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置において、
    前記始動部による再度の通電は、初回の通電時とは異なる相が休止相とされることを特徴とするセンサレス3相ブラシレスモータの制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置と、
    前記回転子が設けられ、前記センサレス3相ブラシレスモータによって回転駆動されるポンプ回転体と、
    前記ポンプ回転体を磁気浮上支持する磁気軸受と、を備えた真空ポンプ。
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