JP2001054295A - モータ起動制御装置 - Google Patents

モータ起動制御装置

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JP2001054295A
JP2001054295A JP11222155A JP22215599A JP2001054295A JP 2001054295 A JP2001054295 A JP 2001054295A JP 11222155 A JP11222155 A JP 11222155A JP 22215599 A JP22215599 A JP 22215599A JP 2001054295 A JP2001054295 A JP 2001054295A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率、低振動、低騒音および低コストで確
実で安定な起動を行なうことができるモータ起動制御装
置を提供する。 【解決手段】 本発明に係るモータ起動制御装置は、モ
ータコイルのモータ電流を検出するモータ電流検出アン
プ6と、モータ駆動電圧とモータ電流との位相差のばら
つきを検出する位相差検出部8および位相差検出部8の
出力に応答してモータの状態を確認し、モータの安定回
転、起動完了を検出する起動制御部16を含む制御部7
とを備える。モータ駆動電圧とモータ電流との位相差に
よりモータの起動完了を検出する。したがって、センサ
レス方式で確実に起動の完了を判断することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータ起動制御
装置に関し、特に、空気調和機の圧縮器などに用いられ
る同期モータを位置検出することなく確実に同期モータ
を起動させることができるモータ起動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、モータを起動させるためのモ
ータ起動制御装置がある。従来のモータ起動制御装置の
うち、モータ位置検出器を用いない、いわゆるセンスレ
ス駆動でモータを起動させるモータ起動制御装置は、通
常、モータを構成する複数のコイルに供給する駆動電圧
波形に通電休止期間を設けている。
【0003】この種のモータ起動制御装置は、モータロ
ータとステータとの位置関係にかかわらず、所定の周波
数と所定のPWMデューティ(駆動電圧)とでモータコ
イル端子に回転磁界を発生させ、周波数またはPWMデ
ューティのデューティ基準値を徐々に上げていきモータ
回転を当該回転磁界と同期させる、いわゆる強制励磁運
転(または同期運転)を行なう。
【0004】そして、モータの回転によって各モータコ
イル端子に発生する逆起電圧を上述した通電休止期間に
検出し、検出されたことを確認して起動を完了する。起
動完了後は、逆起電圧を基準としたモータ駆動(以下、
逆起運転と称す)に切換え、通常のモータ駆動を行な
う。
【0005】これに対し、「ブラシレスモータの制御方
法およびその装置(特開平7−87783号公報)」
(文献1と称す)には、モータ起動に際して、モータ位
置を検出し、モータ位置検出信号とモータの駆動電圧と
の位相差を比較して、当該位相差が小さくなるようにモ
ータを制御する方法およびその装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに従来のセンスレス駆動のモータ起動制御装置は、各
モータコイル端子に発生する逆起電圧を検出する必要が
あるため、各モータコイル端子へ供給する駆動波形に通
動休止期間を設けている。この際の駆動波形は、一般的
にいわゆる120°矩形波状であることが多い。この1
20°矩形波は、通電期間には一定のPWMデューティ
で通電を行ない、通電休止期間と一定の通電期間(PW
Mデューティ)とを交互に繰返すものである。
【0007】しかしながら、このような従来のモータ起
動制御装置では、通電休止期間と通電期間とで発生する
モータトルクが変動することから、大きな騒音や振動を
発生してしまうという問題があった。これらは、モータ
の回転数が小さい起動時に特に大きく発生してしまうた
め、モータの起動自体が困難になる。
【0008】また、通電休止期間が存在するため、モー
タロータの磁石磁束を効果的に使用することができず、
モータ効率を低下させてしまう。
【0009】また、起電時および起電直後はモータ回転
数が低いため、これに比例して逆起電圧が低振幅(起動
時は0ボルト)になる。このため、正確な逆起電圧を検
出するためには、モータ回転数を高める必要がある。し
かしながら、強制励磁運転のみで高速まで回転数を高め
ていくと、モータ通電タイミングがわからないため、モ
ータの停止(脱調)につながる可能性があり、確実性が
低い。脱調によりモータが急停止した場合、内部素子に
大きな負担がかかってしまう。
【0010】また、通常、モータ駆動系と制御系とはそ
れぞれ、ノイズ除去のため絶縁して信号を得ている。こ
れと同様に、正確な逆起電圧を検出するためには、逆起
電圧信号に対してもノイズ除去のための絶縁が必要にな
る。しかしながら、逆起電圧信号を絶縁するためには高
性能なフィルタが必要となり、回路のコストアップを招
いてしまう。
【0011】また、起動から通常運転への移行はモータ
の状態にかかわらず、一定の時間経過で切換えているた
め、モータ負荷の状態によっては、起動できない場合も
あった。
【0012】上述した文献1の装置を用いた場合には、
モータ位置を検出するための手段が必要となり、コスト
アップにつながる。また、逆起電圧からモータ位置を検
出する場合、上述した逆起電圧の検出に係る種々の課題
とともに、起電中はモータ自体が振動しているため不安
定な位相差が検出されてしまうという問題がある。した
がって、これによって駆動信号を制御することは、誤検
出を招く原因となってしまう。
【0013】このように、従来のモータ起動制御装置に
おいては、逆起電圧を利用しているため、振動や騒音が
大きく、効率が低く、さらに起電中のモータの状態が未
知であるため安定起動の確実性が低かった。
【0014】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、低振動、低騒音および高効率な
起動を確実に行なうことができるモータ起動制御装置を
提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るモータ起
動制御装置は、同期モータを制御するモータ起動制御装
置であって、同期モータのコイルに流れるモータ電流を
検出するモータ電流検出手段と、モータ電流とコイルに
供給される駆動電圧との位相差情報を検出する検出手段
と、位相差情報に基づき、同期モータの状態を検出し、
同期モータの状態に応じて、コイルの端子に印加する駆
動電圧およびコイルの端子への通電周波数を制御する制
御手段とを備える。
【0016】したがって、第1発明に係るモータ起動制
御装置によれば、モータ駆動電圧とモータ電流との位相
差に応じてモータの回転状態を検出し、モータを起動、
駆動することができる。そして、位相差情報に基づき、
同期モータが安定起動完了状態であることを検出する。
したがって、モータ位置検出器を設けないセンサレス方
式で確実に起動の完了させることができ、失敗のない安
定起動が実現される。センサレス方式を採用するため、
位置検出器が不要となりコストダウンが実現される。
【0017】第2発明に係るモータ起動制御装置は、第
1発明に係るモータ起動制御装置であって、位相差情報
とは、駆動電圧波形の所定位相期間におけるモータ電流
波形の面積である。
【0018】したがって、第2発明に係るモータ起動制
御装置によれば、モータ電流波形の面積を計算すること
により、位相差を容易に算出することができる。また、
モータ電流の面積に応じて位相差情報を検出しているた
め、ゼロクロス検出などのエッジ検出による方法に比べ
耐ノイズ性に優れ、モータ電流の揺れに影響されず位相
差情報を確実に検出することが可能となる。したがっ
て、誤動作を回避し安定起動が実現される。
【0019】第3発明に係るモータ起動制御装置は、第
1発明に係るモータ起動制御装置であって、位相差情報
とは、駆動電圧波形の第1所定位相期間におけるモータ
電流波形の第1面積と駆動電圧波形の第2所定位相期間
におけるモータ電流波形の第2面積との比である。
【0020】したがって、第3発明に係るモータ起動制
御装置によれば、モータ電流波形の面積比を算出するこ
とにより、位相差を正確かつ容易に算出することができ
る。また、モータ電流の面積に応じて位相差情報を検出
しているため、ゼロクロス検出などのエッジ検出による
方法に比べ耐ノイズ性に優れ、モータ電流の揺れに影響
されず位相差情報を確実に検出することが可能となる。
したがって、誤動作を回避し安定起動が実現される。
【0021】第4発明に係るモータ起動制御装置は、第
2発明に係るモータ起動制御装置であって、面積は、所
定位相期間内に、モータ電流を所定間隔でA/Dサンプ
リングすることにより得られる値を積算したものであ
る。
【0022】したがって、第4発明に係るモータ起動制
御装置によれば、簡単な回路構成を用いて、サンプリン
グにより面積が算出できる。これにより、制御系の構成
が簡素化でき低コスト化が実現される。
【0023】第5発明に係るモータ起動制御装置は、第
3発明に係るモータ起動制御装置であって、第1面積
は、第1所定位相期間内に、モータ電流を所定間隔でA
/Dサンプリングすることにより得られる値を積算した
ものであり、第2面積は、第2所定位相期間内に、モー
タ電流を所定間隔でA/Dサンプリングすることにより
得られる値を積算したものである。
【0024】したがって、第5発明に係るモータ起動制
御装置によれば、簡単な回路構成で、サンプリングによ
り面積を算出し、さらに面積比を算出することができ
る。これにより、制御系の構成が簡素化でき低コスト化
が実現される。
【0025】第6発明に係るモータ起動制御装置は、第
1ないし第5発明のいずれかに係るモータ起動制御装置
であって、制御手段は、位相差情報のばらつきに基づ
き、同期モータが安定起動完了状態であることを検出す
る。
【0026】したがって、第6発明に係るモータ起動制
御装置によれば、位相差のばらつきにより、センサレス
方式で、位相差が変動する不安定回転状態を検出するこ
となく、確実に起動の完了を検出することができる。こ
れにより、失敗のない安定起動が実現される。
【0027】第7発明に係るモータ起動制御装置は、第
1ないし第5発明のいずれかに係るモータ起動制御装置
であって、制御手段は、位相差情報のばらつきに基づ
き、同期モータが不安定回転状態であることを検出し、
不安定回転状態の検出に応じて、位相差情報のばらつき
に基づき、同期モータが安定起動完了状態であることを
検出する。
【0028】したがって、第7発明に係るモータ起動制
御装置によれば、不安定回転後の起動完了状態(安定回
転)をより確実に検出できるため、モータの起動失敗を
回避でき、起動判断の確実性がさらに増す。すなわち高
信頼性が実現できる。
【0029】第8発明に係るモータ起動制御装置は、第
6発明に係るモータ起動制御装置であって、制御手段
は、位相差情報のばらつきと所定値との比較により、同
期モータの安定起動完了状態を検出する。
【0030】したがって、第8発明に係るモータ起動制
御装置によれば、位相差のばらつきが小さい起動完了状
態を的確に検出することができる。
【0031】第9発明に係るモータ起動制御装置は、第
7発明に係るモータ起動制御装置であって、制御手段
は、位相差情報のばらつきと第1所定値との比較によ
り、同期モータの不安定回転状態を検出し、位相差情報
のばらつきと第2所定値との比較により、同期モータの
安定起動完了状態を検出する。
【0032】したがって、第9発明に係るモータ起動制
御装置によれば、位相差のばらつきが大きい不安定回転
状態を的確に検出した後、位相差のばらつきが小さい安
定回転状態(起動完了状態)を的確に検出することがで
きる。
【0033】第10発明に係るモータ起動制御装置は、
第1ないし9発明のいずれかに係るモータ起動制御装置
であって、制御手段は、同期モータの起動開始から安定
起動完了状態に至るまで、通電周波数を所定値とし、駆
動電圧のデューティ基準値を時間的に変化させる。
【0034】したがって、第10発明に係るモータ起動
制御装置によれば、デューティ基準値を変えることで、
起動完了状態(安定回転状態)に素早く移行し、起動完
了までの時間を短縮することができる。また、不安定回
転状態を検出した後、起動完了状態(安定回転)を検出
することができるため、モータの起動失敗を回避でき
る。
【0035】第11発明に係るモータ起動制御装置は、
第1ないし第9発明のいずれかに係るモータ起動制御装
置であって、制御手段は、同期モータの起動開始から安
定起動完了状態に至るまで、駆動電圧を所定値とし、通
電周波数を時間的に変化させる。
【0036】したがって、第11発明に係るモータ起動
制御装置によれば、通電周波数を変えることで、起動完
了状態(安定回転状態)に素早く移行し、起動完了まで
の時間を短縮することができる。また、不安定回転状態
を検出した後、起動完了状態(安定回転)を検出するこ
とができるため、モータの起動失敗を回避できる。
【0037】第12発明に係るモータ起動制御装置は、
第1ないし第9発明のいずれかに係るモータ起動制御装
置であって、制御手段は、同期モータの起動開始から安
定起動完了状態に至るまで、通電周波数および駆動電圧
のそれぞれを、同期モータの安定起動時における値に設
定する。
【0038】したがって、第12発明に係るモータ起動
制御装置によれば、起動完了状態(安定回転状態)に素
早く移行し、起動完了までの時間を短縮することができ
る。また、不安定回転状態を検出した後、起動完了状態
(安定回転)を検出することができるため、モータの起
動失敗を回避できる。
【0039】第13発明に係るモータ起動制御装置は、
第10発明に係るモータ起動制御装置であって、制御手
段は、同期モータの起動時において、位相差情報のばら
つきに応じて、駆動電圧のデューティ基準値の変化量を
設定する。
【0040】したがって、第13発明に係るモータ起動
制御装置によれば、位相差情報のばらつきに応じてデュ
ーティ基準値を変えることで、起動完了状態(安定回転
状態)に素早く移行し、起動完了までの時間を短縮する
ことができる。また、位相差のばらつきによって変化量
を設定することで、振動または脱調の多い状態を素早く
通過させることができ、モータの長寿命化、周辺装置の
高信頼性が実現できる。
【0041】第14発明に係るモータ起動制御装置は、
第10発明に係るモータ起動制御装置であって、制御手
段は、同期モータの起動時において、同期モータの状態
に応じて、駆動電圧のデューティ基準値の変化量を設定
する。
【0042】したがって、第14発明に係るモータ起動
制御装置によれば、同期モータの状態に応じてデューテ
ィ基準値を変えることで、起動完了状態(安定回転状
態)に素早く移行し、起動完了までの時間を短縮するこ
とができる。また、同期モータの状態によって変化量を
設定することで、振動または脱調の多い状態を素早く通
過させることができ、モータの長寿命化、周辺装置の高
信頼性が実現できる。
【0043】第15発明に係るモータ起動制御装置は、
第13または第14発明に係るモータ起動制御装置であ
って、制御手段は、駆動電圧のデューティ基準値に対す
る制限値を有する。
【0044】したがって、第15発明に係るモータ起動
制御装置によれば、PWMデューティの値に制限を設け
るため、これが大きくなりすぎてインバータやモータに
過電流が流れこれらを破損してしまうことを防止するこ
とができる。したがって、装置の信頼性が高まる。
【0045】第16発明に係るモータ起動制御装置は、
第11発明に係るモータ起動制御装置であって、制御手
段は、同期モータの起動時において、位相差情報のばら
つきに応じて、通電周波数の変化量を設定する。
【0046】したがって、第16発明に係るモータ起動
制御装置によれば、位相差情報のばらつきに応じて通電
周波数を変えることで、起動完了状態(安定回転状態)
に素早く移行し、起動完了までの時間を短縮することが
できる。また、位相差のばらつきによって変化量を設定
することで、振動または脱調の多い状態を素早く通過さ
せることができ、モータの長寿命化、周辺装置の高信頼
性が実現できる。
【0047】第17発明に係るモータ起動制御装置は、
第11発明に係るモータ起動制御装置であって、制御手
段は、同期モータの起動時において、同期モータの状態
に応じて、通電周波数の変化量を設定する。
【0048】したがって、第17発明に係るモータ起動
制御装置によれば、同期モータの状態に応じて通電周波
数を変えることで、起動完了状態(安定回転状態)に素
早く移行し、起動完了までの時間を短縮することができ
る。また、同期モータの状態によって変化量を設定する
ことで、振動または脱調の多い状態を素早く通過させる
ことができ、モータの長寿命化、周辺装置の高信頼性が
実現できる。
【0049】第18発明に係るモータ起動制御装置は、
第1ないし第17発明のいずれかに係るモータ起動制御
装置であって、制御手段は、同期モータの安定起動完了
状態を検出した後、位相差情報が所定値になるように同
期モータを駆動する。
【0050】したがって、第18発明に係るモータ起動
制御装置によれば、通常運転時の位相差制御によるモー
タ駆動を、位相差情報の検出方法を変更することなく実
現できるため、従来行なわれていた起動時の同期運転か
ら通常時の逆起運転といった運転方法の切換が必要なく
なる。したがって起動から通常運転へのスムーズな移行
が実現でき、トルク変動、騒音、振動を減少するととも
に切換不良によるモータ停止を回避することかできる。
また、位相差情報検出方法を切換える必要がないため、
制御系の負担が軽減でき、低コスト化が実現される。
【0051】第19発明に係るモータ起動制御装置は、
第1ないし第18発明のいずれかに係るモータ起動制御
装置であって、制御手段は、同期モータの安定起動完了
状態を検出した後に、コイルにおける逆起電圧検出が可
能である回転数まで同期モータの回転数を高め、逆起電
圧を基準として通電切換を行なうことにより前記同期モ
ータを駆動する。
【0052】したがって、第19発明に係るモータ起動
制御装置によれば、起動時においては位相差によるモー
タ駆動を、通常運転時には、逆起電圧に基づきモータ駆
動を行なえるため、確実な起動が実現されるとともに、
通常運転時には逆起電圧による通電切換により簡単な構
成で制御系を実現することが可能となる。
【0053】第20発明に係るモータ起動制御装置は、
第1ないし第19発明のいずれかに係るモータ起動制御
装置であって、制御手段は、少なくとも同期モータの起
動時においては、同期モータを、180°通電駆動す
る。
【0054】したがって、第20発明に係るモータ起動
制御装置によれば、起動時において、120°矩形波通
電などのようにモータ駆動波形に通電休止期間を設けて
逆起電圧を検出する必要がなく、トルク変動、騒音、振
動等が減少でき、なめらかな起動が実現される。また、
磁石磁束を有効に使うことが可能となるため、高効率化
も実現される。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。なお、図中同一または相当部分に
は、同一符号を付してその説明を繰返さない。
【0056】本発明の実施の形態におけるモータ起動制
御装置について、図1を用いて説明する。図1に示すモ
ータ起動制御装置は、ステータに複数相(3相)のモー
タコイルを、ロータに永久磁石を備えた同期モータ1を
駆動するインバータ部2、AC電源4、AC電源4を直
流に変換してインバータ部2に直流電源を供給するAD
/DCコンバータ回路3、同期モータ1のモータコイル
端子U,V,Wの各相の中で特定相(図1においては、
U相)に流れるモータ電流aを検出する電流センサ5、
モータ電流検出アンプ6および制御部7を備えている。
【0057】モータ電流検出アンプ6は、電流センサ5
で検出されたモータ電流aを、制御部7に含まれる図示
しないA/Dコンバータで取込める電圧範囲になるよう
に、所定量増幅およびオフセット加算してモータ電流信
号bを出力する。
【0058】制御部7は、後述する正弦波データ作成部
14から出力されるモータ駆動電圧とモータ電流信号b
との位相差に関する情報(位相差情報)を検出する位相
差検出部8、目標とする位相差情報(目標位相差情報)
を格納する目標位相差情報格納部9、目標位相差情報と
検出された位相差情報との誤差データを算出する加算器
10、算出された誤差データに対して比例誤差データお
よび積算誤差データを算出し、通常運転でのPWMデュ
ーティのデューティ基準値を出力するPI演算部11、
および同期モータ1の回転数指令を設定する回転数設定
部12を含む。
【0059】回転数設定部12は、モータ起動時におい
ては後述する起動制御部16より制御され、通常運転時
は、予め設定された値もしくは外部指令により制御され
る。
【0060】制御部7はさらに、正弦波データを格納す
る正弦波データテーブル13、回転数設定部12におけ
る回転数指令と時間経過とに従って正弦波データテーブ
ル13からモータコイル端子U,V,Wの各相に対応し
た正弦波データを読出すとともに、特定相であるU相の
正弦波データに基づきU相のモータ駆動電圧を出力する
正弦波データ作成部14、正弦波データ作成部14から
出力される正弦波データと後述するスイッチ17を介し
て受けるデューティ基準値とに基づき、各相ごとにイン
バータ部2の各駆動素子にPWM波形を出力するPWM
作成/各相分配部15、同期モータ1を安定起動させる
ための起動制御部16、およびモータ起動時に使用する
起動制御(起動制御部16)と通常運転時に使用するP
I制御(PI演算部11)とを切換えるスイッチ17を
含む。
【0061】起動制御部16は、安定起動を検出し、検
出結果に基づき回転数設定部12での回転数の変更を禁
止させる指令または強制的に変更させる指令を出力す
る。起動制御部16はさらに、起動制御中は、PI制御
を行なえないようにスイッチ17を制御する機能を有す
る。したがって、スイッチ17により、モータ起動時に
は起動制御部16によるデューティ基準値が、通常運転
時にはPI演算部11の出力するデューティ基準値がP
WM作成/各相分配部15に入力される。
【0062】制御部7は、マイクロコンピュータで構成
される。この際、各部8〜17での処理をソフト的に行
なう。なお、これに限らず、同様の処理を行なうように
ハード的に各部8〜17を構成してもよい。
【0063】なお、電流センサ5の一例としては、コイ
ル素子とホール素子とで構成されたいわゆる電流センサ
や、カレントトランス等が挙げられる。なお、本発明の
実施の形態では、複数相のうちの特定相のみについてモ
ータ電流を検出しているが、これに限らず、各相のモー
タ電流を検出するように構成してもよい。この場合、さ
らに高精度の安定起動を行なわせることが可能となる。
【0064】正弦波データは、予め格納した正弦波デー
タテーブル13に基づき作成せずに、演算によって作成
するように構成してもよい。また、駆動波形は、正弦波
に限定されない。
【0065】図1に示すモータ起動制御装置の動作につ
いて簡単に説明する。同期モータ1の起動中は、回転数
設定制御またはデューティ基準値の作成は、起動制御部
16で行なわれる。スイッチ17は、起動側(起動制御
部16の出力ノードに接続される側)をオンする。起動
制御時における位相差情報の検出方法と通常運転時の位
相差情報の検出方法とを切換える場合には、起動制御部
16から位相差検出部8に対して起動時の位相差検出指
令が出力される。
【0066】起動制御部16において同期モータ1が安
定な回転を始めて起動が完了したことが検出されると、
起動制御部16による回転数設定指令を禁止し、スイッ
チ17を通常側(PI演算部11の出力と接続される
側)をオンする。これにより、PI演算部11によるデ
ューティ基準値の作成が許可される。
【0067】PI演算部11は、モータ駆動電圧とモー
タ電流との位相差が一定になるようにフィードバック制
御されており、これにより、通常運転時には所望の位相
差で同期モータ1を回転させることが可能となる。
【0068】この際、回転数設定部12と正弦波データ
テーブル13に格納される情報とに基づき、正弦波デー
タ作成部14により、モータ回転数が制御され、その都
度適切な正弦波データが選択、作成される。これによ
り、所望の回転磁界を出力する。PWM作成/各相分配
部15は、この正弦波データとデューティ基準値とから
各駆動素子に対応するPWM信号を出力する。したがっ
て、同期モータ1の回転周波数と通電による回転磁界と
は同期している。すなわち、同期運転が実現される。
【0069】このように、上述した構成によると、同期
モータ1の逆起電圧を検出する必要がなく、また同期モ
ータ1の通電中に通電休止期間を設ける必要がなくなる
ため、効率のよいモータ駆動が実現される。
【0070】また、通常運転時は、モータ起動時と同様
に検出された位相差に基づき同期モータ1を駆動する。
すなわち、モータ起動中と同様の位相差情報を通常時に
おいても使用する。これにより、従来行なわれていた起
動中の同期運転から逆起運転への移行を行なう必要がな
い。したがって、処理が簡略化され、また起動から通常
運転への移行もスムーズに行なうことが可能となる。こ
れに伴い、切換時のトルク変動や速度変動がなくなる。
したがって、高精度なモータ駆動が実現される。
【0071】なお、通常運転時には、120度矩形波駆
動を行なってもよい。この場合の構成の一例を図2を用
いて説明する。図2に示される制御部7は、スイッチ1
7aと17bとを含む。スイッチ17a、17bは、ス
イッチ17と同様、モータ起動時か通常運転時であるか
を切換えるためのスイッチである。
【0072】起動制御部16は、起動制御中には、PI
制御を行なえないようにスイッチ17a、17bを制御
する機能を有する。スイッチ17aにより、モータ起動
時には起動制御部16の出力が、通常運転時にはPI演
算部11の出力がPWM作成/各相分配部15に入力さ
れる。スイッチ17bにより、モータ起動時には正弦波
データ作成部14の出力する正弦波データが、通常運転
時には位置検出部18の出力する通電切換信号がPWM
作成/各相分配部15に入力される。
【0073】図2に示される位置検出部18は、各相
U,V,Wにおける通電休止期間中の逆起電圧からモー
タロータの位置を検出する。位置検出部18は、検出結
果として通電切換信号(モータの回転位置に対応したパ
ルス)と速度情報(モータの回転速度に対応した情報)
とを出力する。
【0074】図2に示される加算器10は、目標とする
モータの回転速度(目標速度情報)を格納する目標速度
情報格納部19から出力される目標速度情報と位置検出
部18から出力される速度情報との誤差データを算出
し、算出結果をPI演算部11に出力する。この誤差デ
ータに基づき、PI演算部11は制御される。
【0075】通常運転時においては、位置検出部18か
ら出力される通電切換信号に従って通電状態を切換えて
いき、速度情報が目標速度情報に近づくようにデューテ
ィ基準値を設定するフィードバック制御が実行される。
これにより、目標とされる速度を実現するように同期モ
ータ1が駆動される。この際、逆起電圧信号に従って通
電を切換えていくため、非常に簡単に駆動系を構成する
ことができる。
【0076】なお、逆起電圧が正確に検出できるような
回転数に設定した後、通常運転への切換を行なうことで
より確実な状態の切換が実現される。
【0077】このように、本発明では通常運転時におけ
る通電手法に左右されるものではなく、どのような通電
手法においても適用可能である。また、起動制御中の通
電波形を正弦波としているが、これはモータコイルに滑
らかにモータ電流を流し、リプルの少ない回転磁界を発
生させ、滑らかにモータ回転を開始させるという効果を
奏するからである。しかしながら、これに限定されるも
のではなく、どのような通電波形であっても本発明の目
的は達成される。
【0078】なお、参考のため、通電休止期間の存在し
ない駆動波形の一例として、180度正弦波通電におけ
る各相の駆動電圧波形を図3に、通電休止期間が存在す
る駆動波形の一例として、120度矩形波通電における
各相の駆動電圧波形を図4にそれぞれ示す。図3〜図4
において、縦軸は電圧に横軸は時間にそれぞれ対応して
いる。
【0079】図3に示されるように180度正弦波通電
では、各相U、V、Wの電圧は、正弦波形をしている。
一方、図4に示される120度矩形波通電では、各相
U、V、Wは、120度期間は、矩形波通電されてお
り、60度期間は、通電休止期間となっている。
【0080】続いて、本発明の実施の形態による位相差
検出部8および起動制御部16の動作を、図5〜図10
を用いて説明する。
【0081】図5〜図7は、モータ駆動電圧波形とモー
タ電流信号波形との関係を示すタイミングチャートであ
る。なお、実際のモータ駆動電圧波形は、PWM型波形
であり、また位相差検出部8にはモータ駆動電圧の位相
情報のみ入力されるが、説明のため位相情報に代わり、
モータ駆動電圧波形を用いて説明する。なお、図中記号
θA、θB1、θB2、θB3、θCは、位相差を表わ
している。
【0082】図5は、モータコイル端子への通電周波
数、すなわち発生させている回転磁界周波数ならびに負
荷トルクに対して、デューティ基準値が非常に小さく同
期モータ1が回転はもとより振動もしていない状態(状
態A)に対応している。
【0083】図6は、モータコイル端子への通電周波
数、すなわち発生させている回転磁界周波数ならびに負
荷トルクに対して、デューティ基準値が小さく、同期モ
ータ1が正常回転しておらず振動あるいは脱調している
状態(状態B)に対応している。
【0084】図7は、モータコイル端子への通電周波
数、すなわち発生させている回転磁界周波数ならびに負
荷トルクに対して、デューティ基準値が適正な値に設定
されており、同期モータ1が正常回転をしている状態
(状態C)に対応している。
【0085】図5〜図7を参照して、同期モータ1が全
く回転していない状態Aと同期モータ1が正常回転をし
ている状態Cとでは、モータ駆動電圧とモータ電流信号
bとの位相差は一定(θA、θC)で安定している。
【0086】また、これに対し同期モータ1が振動また
は脱調している状態Bにおいては、モータ駆動電圧とモ
ータ電流信号bとの位相差が一定でなく、振れている
(θB1、θB2、θB3、…)。
【0087】状態Aでは、同期モータ1が全く動いてい
ないのでモータ駆動電圧をそのままコイルに印加したと
きのモータ電流が検出されるため、位相差θAは安定し
ている。状態Bでは、PWMデューティ(モータ駆動電
圧)が小さいためモータ負荷に打ち勝つトルクが発生で
きず同期モータ1が振動する。この同期モータ1の振動
あるいは脱調によって逆起電圧が変動するため、モータ
駆動電圧と逆起電圧との差電圧に応じて流れるモータ電
流が振動し、位相差θB1、θB2、θB3が振幅的に
または位相的に振れてしまう。すなわち、モータロータ
に対して同じ位置関係で通電を行なえていない状態にあ
る。状態Cでは、起動が正常に行なわれ、同期モータ1
が正常に安定回転しており、逆起電圧波形と回転磁界波
形とが同期している。このため、モータ電流信号bがモ
ータ駆動電圧と同期して流れるため、位相差θCが安定
する。
【0088】図8〜図9は、モータ駆動電圧または通電
周波数を変更したときの同期モータ1の状態について説
明するための図である。なお、図8〜図9における状態
A、B、Cのそれぞれは、図5〜図7における状態A、
B、Cに対応している。
【0089】図8は、回転磁界を発生するための通電周
波数を一定とし、デューティ基準値を時間とともに上げ
ていった場合のモータの状態と位相差との対応関係を示
している。通電周波数を一定とするため、図1に示す回
転数設定部12に対して、起動制御部16から回転数変
更の禁止指令を出力する。デューティ基準値の上昇とと
もに、モータの状態は、状態A、B、Cと変化する。
【0090】図9は、デューティ基準値を一定とし、通
電周波数を時間とともに下げていった場合の同期モータ
1の状態と位相差との対応関係を示している。通電周波
数を徐々に下げるため、図1に示す回転数設定部12に
対しては、起動制御部16から回転数低下の指令を出力
する。通電周波数を下げるとともに、モータの状態は、
状態A、B、Cと変化する。
【0091】従来のモータ起動制御装置は、状態Cの安
定回転状態を検出する機構を備えていない。このため、
状態Cに達する前の状態AまたはBの時点で起動が完了
したとして逆起電圧基準などによる通常運転モードに切
換えることで、起動の失敗を引起していた。
【0092】ところで、状態Bでは、図6に示されるよ
うに位相差情報がその都度変動して検出されてしまこと
もあり、または逆起電圧を利用する場合には逆起電圧も
同期モータの振動とともに変動して検出されてしまう。
したがって、状態Bにおける振動時の位相差情報または
逆起電圧は、振動の状態によっては同期モータが安定回
転しているように検出されてしまうこともある。また、
振動のため前後の検出時点において逆方向の情報が検出
されてしまうこともある。すなわち、誤検出を誘発して
しまう。したがって、状態Bにおいて位相差制御による
モータ駆動、または逆起電圧検出によるモータ駆動を行
なってしまうと、安定に同期モータを駆動することがで
きないばかりでなく、同期モータが脱調してしまう。
【0093】したがって、安定な起動を実現するために
は、安定回転(状態C)を正確に検出すること、すなわ
ちモータ駆動電圧とモータ電流信号との位相差が図7の
状態Cになったことを検出する必要がある。
【0094】そこで、本発明に係るモータ起動制御装置
は、図7に示される安定位相差が所定回数得られたこと
を検出して起動完了を判断する。これにより、安定な起
動が実現される。このため、本発明の実施の形態による
起動制御部16は、所定回数の位相差情報を平均して平
均値を算出し、この平均値に対して各々の位相差情報の
ばらつきが所定範囲内であるか否か求めることで状態C
の属否を判断する。
【0095】なお、ここで重要なのは、起動処理中は上
述したように、同期モータ1が振動または脱調している
ため位相差が振動する状態Bが存在するため、位相差情
報そのものによって駆動電圧を制御する、あるいは起動
状態を判断する、あるいは通常運転時には有効な制御方
法である位相差制御を行なう等、位相差情報そのものを
使用した制御では安定な起動は実現されない。そこで、
起動時においては、位相差の変動が大きいか小さいか
(すなわち、位相差情報のばらつきが大きいか小さい
か)を検出し、この検出結果によって起動時のモータ状
態を判断し起動制御をする必要があるということであ
る。
【0096】ところで、図5〜図7および図8〜図9に
よれば、状態A、Cのいずれにおいても、位相差が安定
して検出される。したがって、起動完了にあたって、状
態Cを確実に検出する必要がある。
【0097】このため、本発明の実施の形態の一手法と
しては、固定の回転周波数および固定のデューティ基準
値を使用し、これらの固定値をモータ状態が状態Cの安
定回転となるための値に設定する。そして、安定な回転
が開始されるのを検出して、安定起動状態を検出する。
【0098】または、他の手法としては、通電周波数ま
たはデューティ基準値を変化させて、状態Bから状態C
への移行を検出する。デューティ基準値を変化させる場
合には、起動初期に設定するデューティ基準値をモータ
が安定回転する状態Cのデューティ基準値よりも低い値
に設定(図8に示す初期デューティ基準値の範囲内)
し、起動開始後はデューティ基準値を徐々に上げていき
ながら、まず最初に各位相差がばらついていること(す
なわち、状態B)を検出した後、各位相差が安定したこ
と(すなわち、状態C)を検出する。これにより、確実
に安定起動が検出される。
【0099】なお、デューティ基準値の初期値は、考え
られるモータ起動時の負荷トルクに対して、当該負荷ト
ルクよりも低いトルクを発生させるようなデューティ値
とする。
【0100】なお、固定する回転数指令(回転磁界周波
数)または初期の回転磁界周波数は、高速でありすぎる
と状態Bでのモータの振動または脱調が大きくなってし
まう、または所望の回転方向と逆方向の回転をしてしま
う可能性がある。そこで、使用する同期モータにもよる
が500rpm程度以内の低速とすることが妥当であ
る。
【0101】デューティ基準値を変化させながら安定起
動を検出する際の起動制御部16の処理を、図10を用
いて説明する。図10を参照して、ステップS1では、
モータ起動指令があれば、回転数指令を所定の値に固定
し、デューティ基準値を初期設定し、スイッチ17を起
動側に選択し、さらに各変数を初期化する。デューティ
基準値の初期値は、同期モータ1が急激に安定回転しな
いような低い値に設定する。また、デューティ基準値を
以下の操作において変更しない場合には、同期モータ1
が上述した状態Cとなるような値に設定する。
【0102】ステップS2では、位相差検出部8におい
て位相差情報の検出があったか否かを判断する。検出さ
れていなければステップS21に移り、新たな位相差情
報が検出されるまでループ処理を繰返す。
【0103】ステップS3では、位相差情報が検出され
た場合には、検出された位相差情報を配列P(n)に格
納する。続くステップS4では、位相差情報検出回数n
を更新する(n=n+1)。ステップS5では、位相差
情報検出回数nが所定回数以上となったか否かを判断す
る。所定回数に満たない場合には、ステップS21に移
り、新たな位相差情報の検出に向けてループ処理を繰返
す。ステップS5において位相差情報検出回数nが所定
回数以上となった場合には、ステップS6に移り、当該
所定回数検出された位相差情報を平均化する。
【0104】続くステップS7において、同期モータ1
の状態が状態Aか状態Bかを判断する。なお、同期モー
タ1の初期状態は、状態Aであるとして、以下の処理で
現在の状態を判断していく。現在の同期モータ1の状態
が状態Aである場合には、ステップS8(〜S13)
に、状態Bである場合には、ステップS14(〜S1
9)に移る。
【0105】ステップS8〜S13は、現在の同期モー
タ1が状態Aであったとして、状態Bに移行したか否か
を判断するための処理である。具体的には、ステップS
8では、平均化された位相差情報に対して、各々の位相
差情報のばらつきがある範囲より大きいか否かを判断す
る。ばらつきが大きい(すなわち位相差が変動してい
る)場合には、ステップS9において変数mを更新す
る。ばらつきが小さい(位相差の変動が少ない)の場合
には、ステップS13において変数mを0にリセットし
て、ステップS20に移る。
【0106】ステップS9において変数mを更新した
後、ステップS10では、変数mが所定回数となったか
否かを判断する。すなわち、ばらつきが大きかった状態
が所定回数連続したか否かを変数mの値で判断する。こ
れにより、確実な位相差の変動を検出することが可能と
なる。
【0107】変数mが所定回数となった場合には、ステ
ップS11において変数mをリセットする。そして、ス
テップS12において現在の同期モータ1が状態Bであ
ることを記憶し、ステップS20に移る。ステップS2
0では、次回の位相差情報の平均化のため変数nをリセ
ットする。
【0108】現在、同期モータ1が状態Bであると判断
された場合、ステップS8〜S13に代わり、ステップ
S14〜S19の処理を行なう。より具体的には、ステ
ップS14では、平均化された位相差情報に対して、各
々の位相差情報のばらつきがある範囲より小さいか否か
を判断する。ばらつきが小さい(すなわち、位相差が安
定している)場合には、ステップS15で変数mを更新
する。ばらつきが大きい場合には、ステップS19で変
数mを0にリセットし、ステップS20に移る。
【0109】ステップS15において変数mを更新した
後、ステップS16では、変数mが所定回数となったか
否かを判断する。すなわち、ばらつきが小さい状態が所
定回数連続したか否かを変数mの値で判断する。これに
より、位相差の安定状態が確実に検出されることにな
る。
【0110】変数mが所定回数以上となった場合には、
ステップS17において変数mをリセットする。そし
て、同期モータ1が安定に回転している状態Cになった
と判断して、ステップS18では、回転数固定指令を解
除し、スイッチ17を通常側に設定して起動処理を完了
する。
【0111】上述したようにステップS20では、変数
nをリセットし、続くステップS21では、デューティ
基準値に所定の加算値を加算してPWMを出力し、モー
タ駆動電圧を徐々に上げていく処理を行なう。さらに、
デューティ基準値がリミット値より大きくなれば起動中
止指令、再起動指令またはデューティ基準値の加算禁止
を行なう。これは、デューティ基準値が大きくなること
によりインバータや同期モータ1に過電流が流れ、これ
らを破損してしまうことを防止するためである。
【0112】なお、ステップS21における処理は、デ
ューティ基準値を固定するときには行なわない。以上の
ステップS2からS21までのループ処理を、起動が完
了するまで繰返す。
【0113】なお、位相差情報のばらつきを検出するた
めの基準値の設定方法の一例としては、同期モータ1が
振動または脱調せずに安定回転しているときのばらつき
を検出して、これに基づき決定する。ただし、通常運転
に切換えたときに同期モータ1が停止してしまうことの
ないような値とする。
【0114】このように本発明の実施の形態に係るモー
タ起動制御装置は、安定回転時には位相差情報のばらつ
きが少ないことを利用することにより、確実に安定起動
完了を検出することが可能となる。また、同期モータ1
の状態を逐次検出しているため、起動失敗が発生せず安
定な起動が実現される。
【0115】また、起動初期に同期モータ1に印加する
モータ駆動電圧(PWMデューティ)は、同期モータ1
が急速に安定回転しないような低い電圧値(デューテ
ィ)に設定し、その後に当該電圧を徐々に上げていく。
さらに、同期モータ1の振動または脱調(状態B)を位
相差のばらつきが大きいことで検出し、その後同期モー
タ1の安定回転(状態C)を位相差のばらつきが小さい
ことで検出するため、同期モータ1が全く回転しないと
きの位相差安定状態(状態A)と状態Cとが確実に区別
されることになる。
【0116】これにより、同期モータ1に位置検出器を
付加しなくとも、失敗のない安定で確実な起動を判断
し、実行できることになる。また、逆起電圧の検出も行
なわなくてよいため、120°矩形波通電などの通電休
止期間を含んだ通電波形にする必要もなく、回転数の小
さい起動時などの低速時に大きく発生してしまうトルク
変動を抑えることができる。また、180°正弦波通電
などの駆動波形にすることで滑らかな回転が実現され、
通電休止期間を含まないためにモータ磁石磁束の有効利
用ができるため、高効率なモータ駆動が実現される。
【0117】なお、図9に示されるように通電周波数を
変更していく場合であっても、初期値を状態Cに入らな
い値に設定し、図10に示す処理と同様の手順で変化さ
せながら、起動完了を判断することで安定確実な起動検
出が実現される。
【0118】なお、図8では、デューティ基準値(モー
タ駆動電圧)をリニアに上げていく場合を示している
が、たとえば、位相差のばらつきを確認している間はデ
ューティ基準値を一定とし、確認後にこの値を上げるよ
うにすることも可能である。この場合、図10に示すス
テップS21の処理をステップS20の直前に行なう。
このようにデューティ基準値を段階的に上げると、位相
差のばらつきを確認している最中にデューティ基準値が
変化することによる位相差の変化に対しても対応するこ
とが可能となる。
【0119】次に、安定で高速な起動完了を行なうため
のデューティ基準値の設定の一例について図11を用い
て説明する。図11は、本発明の実施の形態におけるデ
ューティ基準値の変更方法の一例を説明するためのタイ
ミングチャートである。図11に示す状態A、B、Cの
それぞれは、図5〜図7の状態A、B、Cに対応してい
る。
【0120】本発明の実施の形態においては、図11に
示されるように同期モータの状態A、B、C、または位
相差のばらつきの大小によってデューティ基準値の加算
値を変更する。
【0121】同期モータ1が状態A(起動直後の位相差
の小さい状態)では、安定回転を示す状態Cまでデュー
ティ基準値を大きく変更する必要がある。したがって加
算値を大きくとる。
【0122】同期モータ1が状態B(位相差が大きく同
期モータ1が振動または脱調している状態)では、位相
差のばらつきの大小によって加算値を設定する。すなわ
ち、位相差のばらつきが非常に大きい状態では、振動ま
たは脱調が多く起こっている状態Bへの移行直後である
ことが多いため、このときには加算値を大きく設定す
る。状態Bではあるが位相差のばらつきが小さいときに
は、振動または脱調が少なくなり状態Cへ移行する直前
であることが多い。したがってこの際には加算値を小さ
く設定する。すなわち、状態Bでは、加算値を位相差の
ばらつき量に従って設定する。
【0123】このように、位相差情報のばらつきまたは
同期モータの状態に応じて、デューティ基準値(または
通電周波数)を変えることで、安定回転状態である状態
Cに素早く移行し、起動完了までの時間を短縮すること
ができる。さらに、状態Bにおける振動は、モータ軸受
や同期モータに接続されている装置にとっては好ましく
ない。しかしながら、上記のように位相差のばらつきに
よって変化量を設定することで、振動または脱調の多い
状態Bを素早く通過させることができ、モータの長寿命
化、周辺装置の高信頼性が実現できる。
【0124】なお、回転周波数およびデューティ基準値
を同期モータ1が安定状態Cになる値に設定した場合、
起動直後は通電位置が不定であるため同期モータ1が振
動する。図10に示す処理においては、これを状態Bと
判断する。しかしながら、その後通電位置が安定して安
定回転を始めるため、この安定回転状態を検出すること
により確実に安定起動完了を検出することが可能とな
る。
【0125】なお、位相差情報の検出は、モータ駆動電
圧の基準位相に対するモータ電流信号の位相をゼロクロ
スエッジ等を検出することで求められるが、図12〜図
13に示す検出手法を用いるとさらに正確な検出が実現
できる。なお、実際のモータ駆動電圧波形はPWM型で
あり、また位相差検出部8にはモータ駆動電圧の位相情
報が入力されるが、図12〜図13においては以下の説
明のためモータ駆動電圧を用いて説明する。
【0126】位相差検出手法の一例として、図12に示
されるように、モータ駆動電圧波形の所定位相期間θ0
(図12における0〜180°)でのモータ電流信号b
を積算して、面積Is0を検出し、当該面積Is0を位
相差情報として使用する。
【0127】面積Is0を求める方法としては、図12
に示されるように位相期間θ0において、所定回数(図
12にでは、s0〜s9の合計10回)のA/Dサンプ
リングを行ない、その結果を加算(Is0=Σ(I0:
I9))する方法が簡単である。モータ駆動電圧は徐々
に上昇するため、位相差平均に対する上昇は微小であ
る。このため、面積Is0を算出することにより、位相
差情報とすることができる。
【0128】すなわち、面積Is0の変化は、位相差の
ずれを表わしている。したがって面積Is0がばらつい
ているか否かを検出することで、上述した起動判断を行
なう。この手法は、単にサンプリングされたモータ電流
信号bを積算するだけなので、簡単な回路構成または処
理で実現される。
【0129】位相差検出手法の他の一例として、図13
に示されるように、A/Dサンプリングをモータ駆動電
圧波形の2ヵ所の所定位相期間θ0、θ1(図13にお
ける0〜90°と90〜180°)で行ない、モータ電
流信号bの面積Is0、Is1を検出(Is0=Σ(I
0:I4)、Is1=Σ(I5:19))する。そし
て、各位相期間θ0、θ1における面積値Is0、Is
1の比(Is0/Is1)を算出し、この比を位相差情
報として使用する。
【0130】面積比を用いることにより、正確に位相差
情報を検出することができる。このため、精度の高い位
相差情報の検出が可能となる。本位相差情報のばらつき
を判断することで、起動安定を判断する。
【0131】なお、図12〜図13に示されるように、
モータ電流信号bの電流サンプリング間隔を、一定間隔
zとすることで、取込間隔の設定が容易に行なえる。
【0132】このように、本発明の実施の形態によるモ
ータ起動制御装置によれば、モータ電流信号の面積から
位相差情報を得ているため、ゼロクロス検出などのエッ
ジ検出方法に比べてノイズやモータ電流信号の振れ等に
強く、正確で精度のよい位相差情報を検出することが可
能となる。したがって、起動の安定性をさらに高めるこ
とになる。
【0133】なお、通常運転時においては、これらによ
って求められた位相差情報を、図1の構成において位相
差制御によってモータを駆動する際に使用することで、
当該位相差情報を目標位相差情報に近づけるフィードバ
ック制御を行なうことができる。この結果、起動から通
常運転への移行がよりスムーズに行なえる。すなわち、
起動と通常運転とで同じ位相差情報を使用し、起動時に
は位相差のばらつきをチェックする処理を行ない、通常
運転時には位相差を所望の値に制御する処理を行なえば
よいのである。
【0134】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0135】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るモータ起動
制御装置によれば、モータ駆動電圧とモータ電流との位
相差に応じてモータの回転状態を検出し、モータの起動
完了を判断する。したがって、モータ位置検出器を設け
ないセンサレス方式で確実に起動の完了を判断すること
ができ、失敗のない安定起動が実現される。また、セン
サレス方式を採用するため、位置検出器が不要となりコ
ストダウンが実現される。さらに、120°矩形波通電
などのようにモータ駆動波形に通電休止期間を設けて逆
起電圧を検出する必要がなく、180°正弦波通電など
が可能となるため、トルク変動、騒音、振動等が減少で
き、なめらかな起動が実現される。また、磁石磁束を有
効に使うことが可能となるため、高効率化も実現され
る。
【0136】また、本発明に係るモータ起動制御装置に
よれば、モータの安定回転状態をより確実に検出できる
ため、モータの起動失敗を回避でき、起動判断の確実性
がさらに増す。すなわち高信頼性が実現できる。
【0137】さらに、本発明に係るモータ起動制御装置
によれば、PWMデューティの値に制限を設けるため、
これが大きくなりすぎてインバータやモータに過電流が
流れこれらを破損してしまうことを防止することができ
る。したがって、装置の信頼性が高まる。
【0138】また、本発明に係るモータ起動制御装置に
よれば、モータ電流の面積に応じて位相差情報を検出し
ているため、ゼロクロス検出などのエッジ検出による方
法に比べ耐ノイズ性に優れ、モータ電流の揺れに影響さ
れず位相差情報を確実に検出することが可能となる。し
たがって、誤動作を回避し安定起動が実現される。
【0139】また、本発明に係るモータ起動制御装置に
よれば、上述した効果に加えて、通常運転時の位相差制
御によるモータ駆動を、位相差情報の検出方法を変更す
ることなく実現できるため、従来行なわれていた起動時
の同期運転から通常時の逆起運転といった運転方法の切
換が必要なくなる。したがって起動から通常運転へのス
ムーズな移行が実現でき、トルク変動、騒音、振動を減
少するとともに切換不良によるモータ停止を回避するこ
とかできる。また、位相差情報検出方法を切換える必要
がないため、制御系の負担が軽減でき、低コスト化が実
現される。
【0140】また、本発明に係るモータ起動制御装置に
よれば、モータ電流の面積の検出が容易に行なえるた
め、制御系の構成が簡素化でき低コスト化が実現され
る。
【0141】また、本発明に係るモータ起動制御装置に
よれば、起動の完了までの時間を短縮することができる
ため、モータの急速な立上げが実現でき、制御性能の向
上が図れる。さらに振動または脱調状態を素早く通過し
て安定回転状態に移行することができるため、モータ軸
受やモータ装置自体の長寿命化が実現され高信頼性が実
現できる。
【0142】さらに、本発明に係るモータ起動制御装置
によれば、起動時においては位相差によるモータ駆動
を、通常運転時には、逆起電圧に基づきモータ駆動を行
なえるため、確実な起動が実現されるとともに、通常運
転時には逆起電圧による通電切換により簡単な構成で制
御系を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるモータ起動制御装
置の構成の一例を説明するための図である。
【図2】 本発明の実施の形態によるモータ起動制御装
置の構成の一例を説明するための図である。
【図3】 180度正弦波通電における各相の駆動電圧
波形を示す図である。
【図4】 120度矩形波通電における各相の駆動電圧
波形を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態によるモータ駆動電圧波
形とモータ電流信号波形との関係を示すタイミングチャ
ートである。
【図6】 本発明の実施の形態によるモータ駆動電圧波
形とモータ電流信号波形との関係を示すタイミングチャ
ートである。
【図7】 本発明の実施の形態によるモータ駆動電圧波
形とモータ電流信号波形との関係を示すタイミングチャ
ートである。
【図8】 本発明の実施の形態による、モータ駆動電圧
または通電周波数を変更したときの同期モータ1の状態
を説明するための図である。
【図9】 本発明の実施の形態による、モータ駆動電圧
または通電周波数を変更したときの同期モータ1の状態
を説明するための図である。
【図10】 デューティ基準値を変化させながら安定起
動を検出する際の起動制御部16の処理を示すフローチ
ャートである。
【図11】 安定で高速な起動完了を行なうためのデュ
ーティ基準値の設定の一例について説明するための図で
ある。
【図12】 本発明の実施の形態による位相差情報の検
出の一例について説明するための図である。
【図13】 本発明の実施の形態による位相差情報の検
出の一例について説明するための図である。
【符号の説明】
1 同期モータ、2 インバータ部、3 AD/DCコ
ンバータ回路、4 AC電源、5 電流センサ、6 モ
ータ電流検出アンプ、7 制御部、8 位相差検出部、
9 目標位相差情報格納部、10 加算器、11 PI
演算部、12回転数設定部、13 正弦波データテーブ
ル、14 正弦波データ作成部、15PWM作成/各相
分配部、16 起動制御部、17,17a,17b ス
イッチ、18 位置検出部、19 目標速度情報格納
部。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期モータを制御するモータ起動制御装
    置であって、 前記同期モータのコイルに流れるモータ電流を検出する
    モータ電流検出手段と、 前記モータ電流と前記コイルに供給される駆動電圧との
    位相差情報を検出する検出手段と、 前記位相差情報に基づき、前記同期モータの状態を検出
    し、前記同期モータの状態に応じて、前記コイルの端子
    に印加する前記駆動電圧および前記コイルの端子への通
    電周波数を制御する制御手段とを備える、モータ起動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記位相差情報とは、 前記駆動電圧波形の所定位相期間における前記モータ電
    流波形の面積である、請求項1に記載のモータ起動制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記位相差情報とは、 前記駆動電圧波形の第1所定位相期間における前記モー
    タ電流波形の第1面積と前記駆動電圧波形の第2所定位
    相期間における前記モータ電流波形の第2面積との比で
    ある、請求項1に記載のモータ起動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記面積は、 前記所定位相期間内に、前記モータ電流を所定間隔でA
    /Dサンプリングすることにより得られる値を積算した
    ものである、請求項2に記載のモータ起動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記第1面積は、 前記第1所定位相期間内に、前記モータ電流を所定間隔
    でA/Dサンプリングすることにより得られる値を積算
    したものであり、 前記第2面積は、 前記第2所定位相期間内に、前記モータ電流を所定間隔
    でA/Dサンプリングすることにより得られる値を積算
    したものである、請求項3に記載のモータ起動制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、 前記位相差情報のばらつきに基づき、前記同期モータが
    安定起動完了状態であることを検出する、請求項1ない
    し5のいずれかに記載のモータ起動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、 前記位相差情報のばらつきに基づき、前記同期モータが
    不安定回転状態であることを検出し、前記不安定回転状
    態の検出に応じて、前記位相差情報のばらつきに基づ
    き、前記同期モータが安定起動完了状態であることを検
    出する、請求項1ないし5のいずれかに記載のモータ起
    動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、 前記位相差情報のばらつきと所定値との比較により、前
    記同期モータの安定起動完了状態を検出する、請求項6
    に記載のモータ起動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、 前記位相差情報のばらつきと第1所定値との比較によ
    り、前記同期モータの不安定回転状態を検出し、前記位
    相差情報のばらつきと第2所定値との比較により、前記
    同期モータの安定起動完了状態を検出する、請求項7に
    記載のモータ起動制御装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動開始から安定起動完了状態に至る
    まで、前記通電周波数を所定値とし、前記駆動電圧のデ
    ューティ基準値を時間的に変化させる、請求項1ないし
    9のいずれかに記載のモータ起動制御装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動開始から安定起動完了状態に至る
    まで、前記駆動電圧を所定値とし、前記通電周波数を時
    間的に変化させる、請求項1ないし9のいずれかに記載
    のモータ起動制御装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動開始から安定起動完了状態に至る
    まで、前記通電周波数および前記駆動電圧のそれぞれ
    を、前記同期モータの安定起動時における値に設定す
    る、請求項1ないし9のいずれかに記載のモータ起動制
    御装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動時において、前記位相差情報のば
    らつきに応じて、前記駆動電圧のデューティ基準値の変
    化量を設定する、請求項10に記載のモータ起動制御装
    置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動時において、前記同期モータの状
    態に応じて、前記駆動電圧のデューティ基準値の変化量
    を設定する、請求項10に記載のモータ起動制御装置。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、 前記駆動電圧のデューティ基準値に対する制限値を有す
    る、請求項13または14に記載のモータ起動制御装
    置。
  16. 【請求項16】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動時において、前記位相差情報のば
    らつきに応じて、前記通電周波数の変化量を設定する、
    請求項11に記載のモータ起動制御装置。
  17. 【請求項17】 前記制御手段は、 前記同期モータの起動時において、前記同期モータの状
    態に応じて、前記通電周波数の変化量を設定する、請求
    項11に記載のモータ起動制御装置。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は、 前記同期モータの安定起動完了状態を検出した後、前記
    位相差情報が所定値になるように前記同期モータを駆動
    する、請求項1ないし17のいずれかに記載のモータ起
    動制御装置。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、 前記同期モータの安定起動完了状態を検出した後に、前
    記コイルにおける逆起電圧検出が可能である回転数まで
    前記同期モータの回転数を高め、前記逆起電圧を基準と
    して通電切換を行なうことにより前記同期モータを駆動
    する、請求項1ないし18のいずれかに記載のモータ起
    動制御装置。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、 少なくとも前記同期モータの起動時においては、前記同
    期モータを、180°通電駆動する、請求項1ないし1
    9のいずれかに記載のモータ起動制御装置。
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