JP2003176769A - 内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法 - Google Patents

内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法

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JP2003176769A JP2001377151A JP2001377151A JP2003176769A JP 2003176769 A JP2003176769 A JP 2003176769A JP 2001377151 A JP2001377151 A JP 2001377151A JP 2001377151 A JP2001377151 A JP 2001377151A JP 2003176769 A JP2003176769 A JP 2003176769A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータの位置検出素子を使用しない場合でも
大きな始動トルクが得られ、また強制転流から通常運転
への切替を簡単かつ滑らかに行えるブラシレス回転電機
の始動方法を提供すること。 【解決手段】 始動時に、初期励磁(ステップS1,S
2)として、前記第1、第2、第3の固定子巻線のいず
れか二つの巻線間にのみ通電して前記磁石回転子の位置
を固定し、次いで、強制転流(ステップS3)として、
通電量を徐々に増しながら前記各相の巻線間に順次強制
的に通電して前記磁石回転子を強制的に回転させる。こ
の強制転流時に、通電していない巻線に誘起される電圧
信号で回転位置検出信号を形成し、該形成された回転位
置検出信号に基づいて磁石回転子を駆動して内燃機関の
出力軸を駆動すると共に、該回転位置検出信号から内燃
機関の回転回数または回転数を検出して所定回転回数ま
たは回転数に到達した時点で通電を停止するようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラシレス回転電機
の始動方法に関し、特に、始動時に大きいトルクを発生
させるのに好適なブラシレス回転電機の始動方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】回転電機としてのブラシレスモータにお
いては、3相固定子巻線への通電を、回転子(以下、
「ロータ」という)が電気角で120°回転する毎に順
次切り換えてロータに回転を与えている。従来のブラシ
レスモータは、ロータの回転位置を検出するためのホー
ル素子等の位置検出素子を備えるのが一般的である。近
年、ブラシレスモータの小型化の要請に応えるため、位
置検出素子を使用しないブラシレスモータが提案されて
いる。
【0003】例えば、特公平5−24760号公報に記
載されたブラシレスモータでは、通電が3相固定子巻線
のうち順次異なる2相間で行われるのに鑑み、通電され
ていない相に誘起される電圧を検出し、この検出された
電圧に基づいてロータの位置を算出している。このブラ
シレスモータでは、始動時にはロータの位置を算出する
基準となる誘起電圧が得られないため、まず、ロータを
わずかに回転させる強制転流を行う。強制転流とは、ロ
ータの位置にかかわらず、ステータの各相間の任意のも
の、例えばU相およびV相間に通電する(以下、「1相
通電」という)ことをいう。そして、このときの誘起電
圧に基づいてロータの位置を検出し、その後は、この検
出位置を基準として通常の通電に移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】モータが通電されてい
ないフリーな状態で停止するときのロータと固定子(以
下、「ステータ」という)との相対位置関係は、磁石の
吸引力および反発力の関係で規定される。例えば、3相
の固定巻線を有するアウタロータ型のブラシレスモータ
の場合、ロータおよびステータの相対位置としての停止
位置は、図13に示されている6形態、すなわち停止位
置p1〜p6が存在する。なお、図13は前記モータが
フリーな状態で停止するときのロータとステータの相対
位置関係を示すと共に、ブラシレスモータの要部の構成
を示すものである。
【0005】図13において、ロータの回転方向は図中
反時計方向回転を正転Rs、時計方向回転を逆転Rrと
いう。ブラシレスモータの内周側にはステータ100が
外周にはロータ200が配置される。ステータ100は
U,V,W相の磁極300を有する。磁極300には、
図示しない巻線が巻回されている。ロータ200には円
周方向に交互にN極およびS極の極性を有する永久磁石
m1,m2,m3,…が設けられる。
【0006】これらの各停止位置p1〜p6から初期励
磁をしないでU相からW相に強制転流した場合のロータ
の動きを、以下に図に従って説明する。なお、U相から
W相に通電するとU相の極性はN極、W相はS極とな
る。
【0007】停止位置p1では、U相のN極に磁石m2
のS極が吸引され、W相のS極に磁石m2のS極が反発
されて、ロータ200は最大のトルクで正転方向Rsに
回転する。同様に、停止位置p2では、U相のN極に磁
石m2のS極が吸引されると共に、磁石m3のN極が反
発されてロータ200は最大のトルクで正転方向Rsに
回転する。また、停止位置p3では、U相のN極および
磁石m2のS極間の吸引力と、W相のS極および磁石m
1のN極間の吸引力とが互いにバランスするのでロータ
200に対する回転力が発生しない。
【0008】さらに、停止位置p4では、W相のS極に
磁石m2のN極が吸引されると共に、磁石m1のS極が
反発されて、ロータ200は逆転方向Rrに回転する。
同様に、停止位置p5では、U相のN極に磁石m3のS
極が吸引されると共に、磁石m2のN極が反発されて、
ロータ200は逆転方向Rrに回転する。また、停止位
置p6では、U相のN極および磁石m2のN極間の反発
力と、W相のS極および磁石m1のS極間の反発力とが
互いにバランスするのでロータ200に対する回転力は
発生しない。
【0009】このように、停止位置p3,p6では始動
トルクが発生しないか、発生しても小さいため、ブラシ
レスモータを始動できないことがある。特に、ブラシレ
スモータにつながれている負荷が大きくて、大きい始動
トルクが要求される場合に問題となりやすい。例えば、
内燃機関(エンジン)始動用のモータではエンジンのフ
リクションが大きいため、大きい能力のモータを使用し
たとしても、始動トルクが十分に得られない場合が多く
発生する。また、停止位置p4,p5ではロータが逆転
するので、ロータ位置検出のための必要な誘起電圧が得
られず、通常の通電に移行できない。このように、モー
タがフリーな状態に停止している状態から強制転流を行
うと、モータを正転させることのできる確率は、6回の
うちわずかに2回しか達成することができない。
【0010】本発明の目的は、上記課題を解消し、ロー
タの位置検出素子を使用しない場合でも大きな始動トル
クが得られるブラシレス回転電機の始動方法を提供する
ことにある。また、他の目的は、強制転流から通常運転
への切替を簡単かつ滑らかに行えるブラシレス回転電機
の始動方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明は、内燃機関の出力軸に連結される磁石
回転子と、電気角で120°の位相差をもたせて配置さ
れた第1、第2、第3相の固定子巻線とを有し、前記回
転子の回転位置検出信号に基づいて前記各固定子巻線に
順次通電して強制転流を行うように構成した内燃機関駆
動用ブラシレス回転電機の始動方法において、始動時
に、初期励磁として、前記第1、第2、第3の固定子巻
線のいずれか二つの巻線間にのみ通電して前記磁石回転
子の位置を固定し、次いで、前記強制転流として、通電
量を徐々に増しながら前記各相の巻線間に順次強制的に
通電して前記磁石回転子を強制的に回転させ、この時、
通電していない巻線に誘起される電圧信号で回転位置検
出信号を形成し、該形成された回転位置検出信号に基づ
いて前記磁石回転子を駆動して前記内燃機関の出力軸を
駆動すると共に、該回転位置検出信号から前記内燃機関
の回転回数または回転数を検出して所定回転回数または
回転数に到達した時点で通電を停止するようにした点に
第1の特徴がある。
【0012】この特徴によれば、位置検出素子を設ける
ことなく始動トルクの大きな内燃機関の始動を行うこと
ができるようになる。したがって、ブラシレス回転電機
をブラシレススタータモータと兼用することが容易にな
る。
【0013】また、本発明は、前記強制転流から通常通
電に移行するタイミングを、前記回転位置検出信号から
算出した回転回数または回転数が所定値に達したことで
判断するようにした点に第2の特徴がある。
【0014】この特徴によれば、内燃機関の回転回数ま
たは回転数が所定値に達したとき、すなわち転流動作と
回転との関係がある程度安定した後に自動的に通常運転
に切り替わるため、切替を簡単かつ滑らかに行うことが
できるようになる。
【0015】さらに、本発明は、前記初期励磁終了後の
通電は、通電電流を所定値に制限するリミッタを設けた
状態でPWMのデューティを徐々に増加させるようにし
た点に第3の特徴がある。
【0016】この特徴によれば、始動回転数の滑らかな
立ち上がりを確保しつつ、通電用ドライバの容量を小さ
く抑えることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の一
実施形態を詳細に説明する。図1はブラシレス回転電機
の一実施形態であるエンジン発電装置の側面図、図2は
図1のV−V断面図である。
【0018】エンジン発電装置1はエンジン2と発電機
3とを備える。発電機3は、磁石式多極発電機である。
エンジン2のクランク軸4は、クランクケース5の側壁
5aに設けられる軸受6で支持された状態でエンジン2
の外部に引き出される。クランク軸4を囲むクランクケ
ース5の側壁5aの周縁ボス部には環状星型鉄心7がボ
ルト8によって固着される。鉄心7は環状の継鉄部7a
とそれから放射状に突出せられる27個の突極部7bと
からなる。
【0019】前記突極部7aには、3相の巻線が順次交
互に巻回されてステータ8を構成する。鉄心7はこのよ
うに多極化することによって大出力が取り出せるように
なるとともに、環状の継鉄部7aおよび突極部7bの半
径方向の寸法を短くすることが可能となり、軽量化に寄
与する。
【0020】クランク軸4の先端には鍛造品のハブ9が
嵌着され、このハブ9にロータヨークを兼ねるフライホ
イール10が結合される。フライホイール10は高張力
鋼板をカップ状にプレス成形して形成されたディスク部
10aと円筒部10bとからなる。ディスク部10aが
ハブ9に固着され、円筒部10bが鉄心7の突極部7b
外側を覆うように取り付けられる。
【0021】フライホイール10の円筒部10bの内周
面には高い磁力を有するネオジウム系の磁石11が周方
向に亘って18個固着されてアウタロータ型磁石ロータ
12を構成する。このようなロータ12は磁石11を円
筒部10bの内周面に敷き詰めて形成されることで十分
なマスを確保され、これによってフライホイールとして
の機能を果たすことができる。
【0022】フライホイール10のディスク部10aに
は冷却ファン13が取り付けられる。冷却ファン13
は、円環状の基板13aの一方の側面に複数の羽根13
bが周方向に亘り立設されたもので、基板13aはフラ
イホイール10のディスク部10aの外表面に固着され
る。冷却ファン13を覆うファンカバー14は、フライ
ホイール10の側方からエンジン2に至る冷却風の導風
路14aを形成する。
【0023】図3は、エンジン発電装置1のシステム図
である。発電機3は(内燃)エンジン2で駆動されて3
相交流を発生する。発電機3の出力交流は半導体整流素
子をブリッジに組んだ整流回路からなるコンバータ15
で全波整流されて直流に変換される。コンバータ15か
ら出力される直流はコンデンサ平滑回路16で平滑化さ
れてインバータ17に入力され、インバータ17を構成
するFETのブリッジ回路で所定周波数の交流に変換さ
れる。インバータ17から出力される交流は復調フィル
タ18に入力され、低周波成分(例えば商用周波数)の
みが通過する。復調フィルタ18を通過した交流は、リ
レー19およびヒューズ20を介して出力端子21に接
続される。リレー19はエンジン2の始動時には「開」
になり、エンジン2が所定程度まで始動されると「閉」
になる。
【0024】エンジン発電装置1の発電機3は、エンジ
ン2を始動するためのスタータとして使用することがで
きる。発電機3はそのためのスタータドライバ22を有
する。スタータドライバ22にエンジン2の始動のため
の電流を供給するため、整流回路23と平滑回路24と
が設けられる。整流回路23は高調波フィルタ231と
コンバータ232から構成される。高調波フィルタ23
1は出力端子21に接続される。発電機3の出力側は、
例えば、交流200Vの単相電源25に接続されてい
て、この電源25から始動のための交流が供給される。
この交流は高調波フィルタ231に入力されて高調波が
除去され、コンバータ232で直流に変換された後、さ
らに平滑回路24を介してスタータドライバ22に供給
され、その電源として用いられる。
【0025】スタータドライバ22は、エンジン2を始
動させるため、発電機3の3相巻線の各相に予定の順序
で順次電流を供給する。各相の巻線に電流を順次供給す
るためのスイッチング素子(FET)221と、CPU
222と、ロータ12の位置を検出するためのセンサ
(磁極検出センサ)を使用しないセンサレス駆動部22
3とが設けられる。該センサレス駆動部223は、ロー
タの回転に伴って、電気角で120°の位相差をもたせ
て配置された第1、第2、第3の固定子巻線に誘起され
る電圧信号に基づいて、ロータの位置を検出し、該固定
子巻線への通電を決定する。
【0026】図4はエンジン発電装置1の始動制御のフ
ローチャートである。発電機3がフリーに回転を停止し
た状態から起動しようとすると、ロータ・ステータの相
互位置関係により強制転流時に大きい始動トルクが得ら
れないことがある。また、正転されないことがある。そ
こで、ステップS1、S2では、強制転流により最も大
きいトルクが得られ、かつ正転されるようなロータ・ス
テータの相互関係位置に、ロータ12を変位させるため
の第1、第2の初期励磁を行う。これらの初期励磁によ
って、最大トルクが得られる所定の位置へロータ12を
変位させることができるようになる。第1および第2初
期励磁は互いに通電する相は異なるが処理は同様である
(後述する)。後述のように、2回の初期励磁により、
ロータ・ステータが前記フリーの停止状態にある時、す
なわちどのような相互位置関係(図13の停止位置p1
〜p6)で停止しているときでも、前記所定の位置へロ
ータ12を変位させることができるようになる。なお、
初期励磁時間は、短すぎるとロータの動きが安定せず、
停止すべき位置で揺動するため、初期励磁の通電時間
は、ロータの位置が安定するまでの時間、例えば1秒程
度が好適である。
【0027】ステップS3では、強制転流を行う。強制
転流は前記第2初期励磁を終えた前記最大トルクが得ら
れるロータ・ステータの位置関係から1相通電を行う。
強制転流によって、通電していない相から誘起電圧を検
出し、この誘起電圧に基づいてロータ12の位置を検出
する。誘起電圧が検出されてロータ12の位置が検出さ
れると、ステップS4に進んで通常の通電、すなわち通
常通電を行う。
【0028】図5は初期励磁(第1および第2初期励磁
共通)の処理を示すフローチャートである。ステップS
10では、前記FET221を制御して、予め定められ
た相に通電する。第1初期励磁ではV相からU相へ通電
し、第2初期励磁ではV相からW相へ通電する。ステッ
プS11では通電デューティの初期値を予め定められた
増量値(例えば1%)増大させる。ステップS12で
は、逆起電力が発生した後にロータ・ステータのイニシ
ャル位置(後述のp1'〜p6')にロータ12が停止し
たか否かを判断する。停止していれば逆起電力が「0」
であるので、逆起電力が「0」か否かによって、イニシ
ャル位置にロータ12が停止しているか否かを判断でき
る。なお、この判断ステップでは、逆起電力が一旦発生
した後の逆起電力が「0」か否かを判断するものであ
り、一度も逆起電力を発生しない場合は「否」と判断さ
れる。ステップS12が肯定ならば、初期励磁は終了し
たと判断され、第1初期励磁のときは第2初期励磁に、
第2初期励磁のときは強制転流に移行する。
【0029】ステップS12が否定のときは、ステップ
S13に進んで、FET221の通電デューティが予定
の上限値(例えば50%)以上か否かを判断する。上限
値以上でなければ、現デューティで通電して(ステップ
S14)ステップS11に進む。デューティが上限値に
達してもロータ12がイニシャル位置に停止しない、も
しくは一度も逆起電力を発生しないときは、ステップS
13は肯定となり、ロック状態もしくは過負荷状態にあ
ると判断してステップS15でデューティを「0」にし
て、フェイル終了する(ステップS16)。
【0030】ここで、前記第1初期励磁および第2初期
励磁の動作を、図6および図7を参照して具体的に説明
する。図6、図7の一番左側の停止位置p1〜p6は、
発電機が自然停止したときのステータ100に対するロ
ータ200の初期停止位置を示し、これは図13のp1
〜p6と同じである。いま、第1初期励磁のために、V
相からU相への通電をすると、V相の極性はN極、U相
の極性はS極となる。このため、初期停止位置p1にあ
るロータ200の永久磁石m2はV相N極に吸引され、
永久磁石m3はU相S極に吸引されて、ステータ100
とロータ200の磁極とのバランスが取れるため、ロー
タ200は動かず、停止位置p1'となる。初期停止位
置p2〜p6の場合のステータ100とロータ200の
相互位置関係も、同様の理由により、それぞれ、停止位
置p2'〜p6'になる。明らかなように、停止位置p
1'〜p6'のうち、停止位置p4'だけが他の停止位置
と異なることになる。
【0031】次に、第2初期励磁のために、V相からW
相へ通電すると、V相の極性はN極、W相の極性はS極
となる。これにより、W相S極にロータ200のS極が
反発、N極が吸引されて、V相N極の位置にS極の永久
磁石m2、W相S極の位置にN極の永久磁石m1がきた
状態で、ロータ200は停止する。この停止位置p1''
は、前記第1初期励磁の結果得られた全ての停止位置p
1'〜p6'に第2初期励磁を施すと得られることは明ら
かである。つまり、最初の停止位置p1〜p6に第1、
第2の初期励磁を施すと、一つの停止位置p1''に収斂
させることができる。このステータとロータの位置関係
は、次の強制転流であるU相からW相への通電によりU
相N極、W相S極となった時に、正転時に最も大きな起
動トルクを出す位置である。
【0032】したがって、前記停止位置p1''の状態に
ある発電機に強制転流を施すと、発電機は、最も大きな
トルクがでるロータ、ステータの位置関係から起動され
るため、発電機は滑らかに正転側に回転を開始するよう
になる。
【0033】次に、前記第1、第2初期励磁の励磁時間
について、図11を参照して説明する。図11は、前記
初期停止位置p1〜p6にあるステータとロータに1相
励磁をしたときに、ロータの動きが安定するまでに要す
る時間を示すものである。初期励磁時間が短すぎるとロ
ータの動きが安定せず、停止すべき位置で揺動する。図
から明らかなように、初期励磁を開始してからロータの
動きが安定するまでの時間は、初期停止位置p5の時に
一番大きい、すなわち約0.7秒になることが分かる。
したがって、安全を見越すと、ロータの動きが安定する
までの初期励磁の通電時間は、例えば1秒程度にするの
が好適である。
【0034】図8は強制転流の処理を示すフローチャー
トである。ステップS20では、予め定められた相、例
えばU相からW相への通電を行う。ステップS21で
は、PWMのデューティを徐々に、例えば1%ずつ増加
させる。ステップS22では、エンジンを始動させるに
必要なトルク、例えば特に大きなトルクが必要な乗り越
しトルクを得るときの電流が通電許容値を基準にして設
定した上限値を越える値(=過電流)になったか否かの
判断がなされる。
【0035】このステップS22の判断が肯定になった
場合、すなわち上限値になった場合には、ドライバのス
イッチング素子などの保護のためにステップS24に進
んでデューティを、例えば1%減少させる。そして、ス
テップS25では、この1%減少したデューティで強制
転流を実行/継続する。
【0036】また、このステップS22の判断が否定の
時には、内燃機関の回転数が予め設定された回転回数、
例えば10回転以上になったか否かの判断がなされ、こ
の判断が肯定になると、強制転流による回転が安定域に
至ったと判断して強制転流は終了し、図10の通常通電
に移行する。なお、該回転回数に代えて、回転数にして
も良い。
【0037】前記の動作中、前記センサレス駆動部22
3は通電していない巻線に誘起される電圧信号で回転位
置検出信号を形成し、該回転位置検出信号に基づいて前
記ロータを駆動する。また、前記内燃機関の回転回数ま
たは回転数は、該回転位置検出信号から検出することが
できる。
【0038】上記のように、通電電流を所定値に制限す
るリミッタを設け、予め設定した上限値になるまで、P
WMのデューティを徐々に増加させるため、無駄な大電
流通電がなくなり各巻線への通電を効率良く行わせるこ
とができる。また、上限値となった場合には、デューテ
ィを減少させるため、各巻線への通電を過電流にならな
いデューティで継続できるようになる。
【0039】図9は、強制転流の変形例を示すフローチ
ャートである。エンジン発電装置1のスイッチング素子
およびドライバ等の能力から、実際には上限値を越えた
過電流状態でも何回か強制転流を実行し、前記乗り越し
トルクを乗り越える必要が生じる場合がある。この変形
例は、このような場合に好適な処理であり、図8の処理
と同じまたは同等の処理には同じステップ番号を付し
て、説明を省略する。
【0040】ステップS22で過電流であると判定され
た時には、ステップS31に進みカウンタ値を1カウン
トアップする。ステップS32では、該カウンタ値が例
えば10より大きくなったか否かの判断がなされ、否定
の場合には、ステップS25に進んで該過電流のデュー
ティで強制転流を実行する。該過電流による強制転流を
カウンタ値が10になるまで続け、それでも過電流が継
続する場合に(ステップS32の判断が否定)、デュー
ティを1%減じるようにする。
【0041】図10は通常通電の処理を示すフローチャ
ートである。ステップS41では、デューティを1%増
量し、ステップS42では、予め設定した上限値である
か、すなわち過電流であるか否かの判断をし、この判断
が否定の時にはステップS43に進んで回転数が設定回
転数(例えば、800rpm)以上になったか否かの判
断がなされる。この判断が肯定になると、エンジンは始
動したと判定し、スタータの働きを終了する。すなわ
ち、ステップS44に進んで、デューティを0%にす
る。一方、前記ステップS42の判断が肯定の時には、
過電流を解消するためにステップS45に進んで、デュ
ーティを1%減量し、ステップS46ではその時のデュ
ーティで動作を実行する。
【0042】図12は、初期励磁終了後の強制転流から
通常通電に至るまでの通電電流の変化、PWMデューテ
ィの変化、およびエンジンのクランク回転数の変化の一
例を示すグラフである。このグラフから、エンジンの始
動時の強制転流から通常転流へ移行する過程において、
エンジンの回転数が滑らかに立ち上がるのがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1〜請求項3の発明によれば、始動トルクの大きな内燃
機関の始動を、ホール素子などの位置検出素子を設けて
いないブラシレス回転電機を用いて行うことができるよ
うになる。また、ブラシレス発電機をブラシレススター
タモータとして兼用することが容易になる。
【0044】また、請求項2の発明によれば、さらに、
通電していない巻線に誘起される電圧信号を基に形成さ
れた回転位置検出信号に基づいて内燃機関の回転回数ま
たは回転数を検出し、該内燃機関の回転回数または回転
数が所定値に達した時に自動的に通常運転に切り替わる
ようにしたので、強制転流から通常通電への切替が簡単
かつ滑らかに行えるようになる。
【0045】また、請求項3の発明によれば、初期励磁
終了後の通電は、通電電流を所定値に制限するリミッタ
を設けた状態でPWMのデューティを徐々に増加させる
ようにしたので、始動回転数の立ち上がりを滑らかに確
保しつつ、通電用ドライバの容量を小さく抑えることが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるブラシレス回転電機の一
実施形態であるエンジン発電装置の側面図である。
【図2】 図1のV−V断面図である。
【図3】 エンジン発電装置のシステム図である。
【図4】 エンジン発電装置の始動制御のフローチャー
トである。
【図5】 初期励磁の制御のフローチャートである。
【図6】 第1、第2初期励磁の動作の説明図である。
【図7】 第1、第2初期励磁の動作の説明図である。
【図8】 強制転流の第1実施例の制御のフローチャー
トである。
【図9】 強制転流の第2実施例の制御のフローチャー
トである。
【図10】 通常通電の制御のフローチャートである。
【図11】 初期停止位置p1〜p6において、1相励
磁した場合のロータの安定時間を示す図である。
【図12】 初期励磁終了後の強制転流から通常通電に
至るまでの通電電流の変化、PWMデューティの変化、
およびエンジンのクランク回転数の変化を示す図であ
る。
【図13】 フリーな状態で停止させた時のステータと
ロータの相対位置関係を示す図である。
【符号の説明】
3・・・発電機、15・・・コンバータ、17・・・インバー
タ、18・・・復調フィルタ、19・・・リレー、22・・・ス
タータドライバ、23・・・整流回路、25・・・電源、10
0・・・ステータ、200・・・ロータ、300・・・U,V,
W相の磁極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 満 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 脇谷 勉 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H560 AA10 BB04 BB07 BB12 DA13 DB20 EB01 HA04 HA09 SS07 UA06 XA12 5H607 AA12 BB01 BB09 BB14 BB17 BB26 BB27 CC01 DD01 DD19 FF02 GG08 HH01 HH06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力軸に連結される磁石回転
    子と、電気角で120°の位相差をもたせて配置された
    第1、第2、第3相の固定子巻線とを有し、前記回転子
    の回転位置検出信号に基づいて前記各固定子巻線に順次
    通電して強制転流を行うように構成した内燃機関駆動用
    ブラシレス回転電機の始動方法において、 始動時に、初期励磁として、前記第1、第2、第3相の
    固定子巻線のいずれか二つの巻線間にのみ通電して前記
    磁石回転子の位置を固定し、 次いで、前記強制転流として、通電量を徐々に増しなが
    ら前記各相の巻線間に順次強制的に通電して前記磁石回
    転子を強制的に回転させ、 この時、通電していない巻線に誘起される電圧信号で回
    転位置検出信号を形成し、該形成された回転位置検出信
    号に基づいて前記磁石回転子を駆動して前記内燃機関の
    出力軸を駆動すると共に、該回転位置検出信号から前記
    内燃機関の回転回数または回転数を検出して所定回転回
    数または回転数に到達した時点で通電を停止するように
    したことを特徴とする内燃機関駆動用ブラシレス回転電
    機の始動方法。
  2. 【請求項2】 前記強制転流から通常通電に移行するタ
    イミングは、前記回転位置検出信号から算出した回転回
    数または回転数が所定値に達したことで判断するように
    したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関駆動用
    ブラシレス回転電機の始動方法。
  3. 【請求項3】 前記初期励磁終了後の通電は、通電電流
    を所定値に制限するリミッタを設けた状態でPWMのデ
    ューティを徐々に増加させるようにしたことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の内燃機関駆動用ブラシレス
    回転電機の始動方法。
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