JP4046266B2 - 内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法 - Google Patents

内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシレス回転電機の始動方法に関し、特に、始動時に大きいトルクを発生させるのに好適なブラシレス回転電機の始動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転電機としてのブラシレスモータにおいては、3相固定子巻線への通電を、回転子(以下、「ロータ」という)が電気角で120°回転する毎に順次切り換えてロータに回転を与えている。従来のブラシレスモータは、ロータの回転位置を検出するためのホール素子等の位置検出素子を備えるのが一般的である。近年、ブラシレスモータの小型化の要請に応えるため、位置検出素子を使用しないブラシレスモータが提案されている。
【0003】
例えば、特公平5−24760号公報に記載されたブラシレスモータでは、通電が3相固定子巻線のうち順次異なる2相間で行われるのに鑑み、通電されていない相に誘起される電圧を検出し、この検出された電圧に基づいてロータの位置を算出している。このブラシレスモータでは、始動時にはロータの位置を算出する基準となる誘起電圧が得られないため、まず、ロータをわずかに回転させる強制転流を行う。強制転流とは、ロータの位置にかかわらず、ステータの各相間の任意のもの、例えばU相およびV相間に通電する(以下、「1相通電」という)ことをいう。そして、このときの誘起電圧に基づいてロータの位置を検出し、その後は、この検出位置を基準として通常の通電に移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
モータが通電されていないフリーな状態で停止するときのロータと固定子(以下、「ステータ」という)との相対位置関係は、磁石の吸引力および反発力の関係で規定される。例えば、3相の固定巻線を有するアウタロータ型のブラシレスモータの場合、ロータおよびステータの相対位置としての停止位置は、図13に示されている6形態、すなわち停止位置p1〜p6が存在する。なお、図13は前記モータがフリーな状態で停止するときのロータとステータの相対位置関係を示すと共に、ブラシレスモータの要部の構成を示すものである。
【0005】
図13において、ロータの回転方向は図中反時計方向回転を正転Rs、時計方向回転を逆転Rrという。ブラシレスモータの内周側にはステータ100が外周にはロータ200が配置される。ステータ100はU,V,W相の磁極300を有する。磁極300には、図示しない巻線が巻回されている。ロータ200には円周方向に交互にN極およびS極の極性を有する永久磁石m1,m2,m3,…が設けられる。
【0006】
これらの各停止位置p1〜p6から初期励磁をしないでU相からW相に強制転流した場合のロータの動きを、以下に図に従って説明する。なお、U相からW相に通電するとU相の極性はN極、W相はS極となる。
【0007】
停止位置p1では、U相のN極に磁石m2のS極が吸引され、W相のS極に磁石m2のS極が反発されて、ロータ200は最大のトルクで正転方向Rsに回転する。同様に、停止位置p2では、U相のN極に磁石m2のS極が吸引されると共に、磁石m3のN極が反発されてロータ200は最大のトルクで正転方向Rsに回転する。また、停止位置p3では、U相のN極および磁石m2のS極間の吸引力と、W相のS極および磁石m1のN極間の吸引力とが互いにバランスするのでロータ200に対する回転力が発生しない。
【0008】
さらに、停止位置p4では、W相のS極に磁石m2のN極が吸引されると共に、磁石m1のS極が反発されて、ロータ200は逆転方向Rrに回転する。同様に、停止位置p5では、U相のN極に磁石m3のS極が吸引されると共に、磁石m2のN極が反発されて、ロータ200は逆転方向Rrに回転する。また、停止位置p6では、U相のN極および磁石m2のN極間の反発力と、W相のS極および磁石m1のS極間の反発力とが互いにバランスするのでロータ200に対する回転力は発生しない。
【0009】
このように、停止位置p3,p6では始動トルクが発生しないか、発生しても小さいため、ブラシレスモータを始動できないことがある。特に、ブラシレスモータにつながれている負荷が大きくて、大きい始動トルクが要求される場合に問題となりやすい。例えば、内燃機関(エンジン)始動用のモータではエンジンのフリクションが大きいため、大きい能力のモータを使用したとしても、始動トルクが十分に得られない場合が多く発生する。また、停止位置p4,p5ではロータが逆転するので、ロータ位置検出のための必要な誘起電圧が得られず、通常の通電に移行できない。このように、モータがフリーな状態に停止している状態から強制転流を行うと、モータを正転させることのできる確率は、6回のうちわずかに2回しか達成することができない。
【0010】
本発明の目的は、上記課題を解消し、ロータの位置検出素子を使用しない場合でも大きな始動トルクが得られるブラシレス回転電機の始動方法を提供することにある。また、他の目的は、強制転流から通常運転への切替を簡単かつ滑らかに行えるブラシレス回転電機の始動方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、本発明は、内燃機関の出力軸に連結される磁石回転子と、電気角で120°の位相差をもたせて配置された第1、第2、第3相の固定子巻線とを有し、前記回転子の回転位置検出信号に基づいて前記各固定子巻線に順次通電して通常通電を行うように構成した内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法において、始動時に、前記第1、第2、第3相の固定子巻線において、第2相巻線から第1相巻線に強制通電して第1初期励磁を行い、次いで、第2相巻線から第3相巻線に強制通電して第2初期励磁を行い、次いで、第1相巻線から第3相巻線へ強制転流し、通電量を徐々に増しながら前記各相の巻線間に順次強制転流をして前記磁石回転子を強制的に回転させ、この強制転流時に通電していない巻線に誘起される電圧信号で回転位置検出信号を形成し、この回転位置検出信号から算出した回転回数または回転数が所定値に達したことで前記強制転流から通常通電に移行するタイミングを判断し、前記通常通電に移行後は前記回転位置検出信号に基づいて前記磁石回転子を駆動して前記内燃機関の出力軸を駆動すると共に、該回転位置検出信号から前記内燃機関の回転回数または回転数を検出して所定回転回数または回転数に到達した時点で通電を停止するようにした点に第1の特徴がある。
【0012】
この特徴によれば、位置検出素子を設けることなく始動トルクの大きな内燃機関の始動を行うことができるようになる。したがって、ブラシレス回転電機をブラシレススタータモータと兼用することが容易になる。また、内燃機関の回転回数または回転数が所定値に達したとき、すなわち転流動作と回転との関係がある程度安定した後に自動的に通常運転に切り替わるため、切替を簡単かつ滑らかに行うことができるようになる。
【0015】
さらに、本発明は、前記初期励磁終了後の通電は、通電電流を所定値に制限するリミッタを設けた状態でPWMのデューティを徐々に増加させるようにした点に第の特徴がある。
【0016】
この特徴によれば、始動回転数の滑らかな立ち上がりを確保しつつ、通電用ドライバの容量を小さく抑えることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1はブラシレス回転電機の一実施形態であるエンジン発電装置の側面図、図2は図1のV−V断面図である。
【0018】
エンジン発電装置1はエンジン2と発電機3とを備える。発電機3は、磁石式多極発電機である。エンジン2のクランク軸4は、クランクケース5の側壁5aに設けられる軸受6で支持された状態でエンジン2の外部に引き出される。クランク軸4を囲むクランクケース5の側壁5aの周縁ボス部には環状星型鉄心7がボルト8によって固着される。鉄心7は環状の継鉄部7aとそれから放射状に突出せられる27個の突極部7bとからなる。
【0019】
前記突極部7aには、3相の巻線が順次交互に巻回されてステータ8を構成する。鉄心7はこのように多極化することによって大出力が取り出せるようになるとともに、環状の継鉄部7aおよび突極部7bの半径方向の寸法を短くすることが可能となり、軽量化に寄与する。
【0020】
クランク軸4の先端には鍛造品のハブ9が嵌着され、このハブ9にロータヨークを兼ねるフライホイール10が結合される。フライホイール10は高張力鋼板をカップ状にプレス成形して形成されたディスク部10aと円筒部10bとからなる。ディスク部10aがハブ9に固着され、円筒部10bが鉄心7の突極部7b外側を覆うように取り付けられる。
【0021】
フライホイール10の円筒部10bの内周面には高い磁力を有するネオジウム系の磁石11が周方向に亘って18個固着されてアウタロータ型磁石ロータ12を構成する。このようなロータ12は磁石11を円筒部10bの内周面に敷き詰めて形成されることで十分なマスを確保され、これによってフライホイールとしての機能を果たすことができる。
【0022】
フライホイール10のディスク部10aには冷却ファン13が取り付けられる。冷却ファン13は、円環状の基板13aの一方の側面に複数の羽根13bが周方向に亘り立設されたもので、基板13aはフライホイール10のディスク部10aの外表面に固着される。冷却ファン13を覆うファンカバー14は、フライホイール10の側方からエンジン2に至る冷却風の導風路14aを形成する。
【0023】
図3は、エンジン発電装置1のシステム図である。発電機3は(内燃)エンジン2で駆動されて3相交流を発生する。発電機3の出力交流は半導体整流素子をブリッジに組んだ整流回路からなるコンバータ15で全波整流されて直流に変換される。コンバータ15から出力される直流はコンデンサ平滑回路16で平滑化されてインバータ17に入力され、インバータ17を構成するFETのブリッジ回路で所定周波数の交流に変換される。インバータ17から出力される交流は復調フィルタ18に入力され、低周波成分(例えば商用周波数)のみが通過する。復調フィルタ18を通過した交流は、リレー19およびヒューズ20を介して出力端子21に接続される。リレー19はエンジン2の始動時には「開」になり、エンジン2が所定程度まで始動されると「閉」になる。
【0024】
エンジン発電装置1の発電機3は、エンジン2を始動するためのスタータとして使用することができる。発電機3はそのためのスタータドライバ22を有する。スタータドライバ22にエンジン2の始動のための電流を供給するため、整流回路23と平滑回路24とが設けられる。整流回路23は高調波フィルタ231とコンバータ232から構成される。高調波フィルタ231は出力端子21に接続される。発電機3の出力側は、例えば、交流200Vの単相電源25に接続されていて、この電源25から始動のための交流が供給される。この交流は高調波フィルタ231に入力されて高調波が除去され、コンバータ232で直流に変換された後、さらに平滑回路24を介してスタータドライバ22に供給され、その電源として用いられる。
【0025】
スタータドライバ22は、エンジン2を始動させるため、発電機3の3相巻線の各相に予定の順序で順次電流を供給する。各相の巻線に電流を順次供給するためのスイッチング素子(FET)221と、CPU222と、ロータ12の位置を検出するためのセンサ(磁極検出センサ)を使用しないセンサレス駆動部223とが設けられる。該センサレス駆動部223は、ロータの回転に伴って、電気角で120°の位相差をもたせて配置された第1、第2、第3の固定子巻線に誘起される電圧信号に基づいて、ロータの位置を検出し、該固定子巻線への通電を決定する。
【0026】
図4はエンジン発電装置1の始動制御のフローチャートである。発電機3がフリーに回転を停止した状態から起動しようとすると、ロータ・ステータの相互位置関係により強制転流時に大きい始動トルクが得られないことがある。また、正転されないことがある。そこで、ステップS1、S2では、強制転流により最も大きいトルクが得られ、かつ正転されるようなロータ・ステータの相互関係位置に、ロータ12を変位させるための第1、第2の初期励磁を行う。これらの初期励磁によって、最大トルクが得られる所定の位置へロータ12を変位させることができるようになる。第1および第2初期励磁は互いに通電する相は異なるが処理は同様である(後述する)。後述のように、2回の初期励磁により、ロータ・ステータが前記フリーの停止状態にある時、すなわちどのような相互位置関係(図13の停止位置p1〜p6)で停止しているときでも、前記所定の位置へロータ12を変位させることができるようになる。なお、初期励磁時間は、短すぎるとロータの動きが安定せず、停止すべき位置で揺動するため、初期励磁の通電時間は、ロータの位置が安定するまでの時間、例えば1秒程度が好適である。
【0027】
ステップS3では、強制転流を行う。強制転流は前記第2初期励磁を終えた前記最大トルクが得られるロータ・ステータの位置関係から1相通電を行う。強制転流によって、通電していない相から誘起電圧を検出し、この誘起電圧に基づいてロータ12の位置を検出する。誘起電圧が検出されてロータ12の位置が検出されると、ステップS4に進んで通常の通電、すなわち通常通電を行う。
【0028】
図5は初期励磁(第1および第2初期励磁共通)の処理を示すフローチャートである。ステップS10では、前記FET221を制御して、予め定められた相に通電する。第1初期励磁ではV相からU相へ通電し、第2初期励磁ではV相からW相へ通電する。ステップS11では通電デューティの初期値を予め定められた増量値(例えば1%)増大させる。ステップS12では、逆起電力が発生した後にロータ・ステータのイニシャル位置(後述のp1'〜p6')にロータ12が停止したか否かを判断する。停止していれば逆起電力が「0」であるので、逆起電力が「0」か否かによって、イニシャル位置にロータ12が停止しているか否かを判断できる。なお、この判断ステップでは、逆起電力が一旦発生した後の逆起電力が「0」か否かを判断するものであり、一度も逆起電力を発生しない場合は「否」と判断される。ステップS12が肯定ならば、初期励磁は終了したと判断され、第1初期励磁のときは第2初期励磁に、第2初期励磁のときは強制転流に移行する。
【0029】
ステップS12が否定のときは、ステップS13に進んで、FET221の通電デューティが予定の上限値(例えば50%)以上か否かを判断する。上限値以上でなければ、現デューティで通電して(ステップS14)ステップS11に進む。デューティが上限値に達してもロータ12がイニシャル位置に停止しない、もしくは一度も逆起電力を発生しないときは、ステップS13は肯定となり、ロック状態もしくは過負荷状態にあると判断してステップS15でデューティを「0」にして、フェイル終了する(ステップS16)。
【0030】
ここで、前記第1初期励磁および第2初期励磁の動作を、図6および図7を参照して具体的に説明する。図6、図7の一番左側の停止位置p1〜p6は、発電機が自然停止したときのステータ100に対するロータ200の初期停止位置を示し、これは図13のp1〜p6と同じである。いま、第1初期励磁のために、V相からU相への通電をすると、V相の極性はN極、U相の極性はS極となる。このため、初期停止位置p1にあるロータ200の永久磁石m2はV相N極に吸引され、永久磁石m3はU相S極に吸引されて、ステータ100とロータ200の磁極とのバランスが取れるため、ロータ200は動かず、停止位置p1'となる。初期停止位置p2〜p6の場合のステータ100とロータ200の相互位置関係も、同様の理由により、それぞれ、停止位置p2'〜p6'になる。明らかなように、停止位置p1'〜p6'のうち、停止位置p4'だけが他の停止位置と異なることになる。
【0031】
次に、第2初期励磁のために、V相からW相へ通電すると、V相の極性はN極、W相の極性はS極となる。これにより、W相S極にロータ200のS極が反発、N極が吸引されて、V相N極の位置にS極の永久磁石m2、W相S極の位置にN極の永久磁石m1がきた状態で、ロータ200は停止する。この停止位置p1''は、前記第1初期励磁の結果得られた全ての停止位置p1'〜p6'に第2初期励磁を施すと得られることは明らかである。つまり、最初の停止位置p1〜p6に第1、第2の初期励磁を施すと、一つの停止位置p1''に収斂させることができる。このステータとロータの位置関係は、次の強制転流であるU相からW相への通電によりU相N極、W相S極となった時に、正転時に最も大きな起動トルクを出す位置である。
【0032】
したがって、前記停止位置p1''の状態にある発電機に強制転流を施すと、発電機は、最も大きなトルクがでるロータ、ステータの位置関係から起動されるため、発電機は滑らかに正転側に回転を開始するようになる。
【0033】
次に、前記第1、第2初期励磁の励磁時間について、図11を参照して説明する。図11は、前記初期停止位置p1〜p6にあるステータとロータに1相励磁をしたときに、ロータの動きが安定するまでに要する時間を示すものである。初期励磁時間が短すぎるとロータの動きが安定せず、停止すべき位置で揺動する。図から明らかなように、初期励磁を開始してからロータの動きが安定するまでの時間は、初期停止位置p5の時に一番大きい、すなわち約0.7秒になることが分かる。したがって、安全を見越すと、ロータの動きが安定するまでの初期励磁の通電時間は、例えば1秒程度にするのが好適である。
【0034】
図8は強制転流の処理を示すフローチャートである。ステップS20では、予め定められた相、例えばU相からW相への通電を行う。ステップS21では、PWMのデューティを徐々に、例えば1%ずつ増加させる。ステップS22では、エンジンを始動させるに必要なトルク、例えば特に大きなトルクが必要な乗り越しトルクを得るときの電流が通電許容値を基準にして設定した上限値を越える値(=過電流)になったか否かの判断がなされる。
【0035】
このステップS22の判断が肯定になった場合、すなわち上限値になった場合には、ドライバのスイッチング素子などの保護のためにステップS24に進んでデューティを、例えば1%減少させる。そして、ステップS25では、この1%減少したデューティで強制転流を実行/継続する。
【0036】
また、このステップS22の判断が否定の時には、内燃機関の回転数が予め設定された回転回数、例えば10回転以上になったか否かの判断がなされ、この判断が肯定になると、強制転流による回転が安定域に至ったと判断して強制転流は終了し、図10の通常通電に移行する。なお、該回転回数に代えて、回転数にしても良い。
【0037】
前記の動作中、前記センサレス駆動部223は通電していない巻線に誘起される電圧信号で回転位置検出信号を形成し、該回転位置検出信号に基づいて前記ロータを駆動する。また、前記内燃機関の回転回数または回転数は、該回転位置検出信号から検出することができる。
【0038】
上記のように、通電電流を所定値に制限するリミッタを設け、予め設定した上限値になるまで、PWMのデューティを徐々に増加させるため、無駄な大電流通電がなくなり各巻線への通電を効率良く行わせることができる。また、上限値となった場合には、デューティを減少させるため、各巻線への通電を過電流にならないデューティで継続できるようになる。
【0039】
図9は、強制転流の変形例を示すフローチャートである。エンジン発電装置1のスイッチング素子およびドライバ等の能力から、実際には上限値を越えた過電流状態でも何回か強制転流を実行し、前記乗り越しトルクを乗り越える必要が生じる場合がある。この変形例は、このような場合に好適な処理であり、図8の処理と同じまたは同等の処理には同じステップ番号を付して、説明を省略する。
【0040】
ステップS22で過電流であると判定された時には、ステップS31に進みカウンタ値を1カウントアップする。ステップS32では、該カウンタ値が例えば10より大きくなったか否かの判断がなされ、否定の場合には、ステップS25に進んで該過電流のデューティで強制転流を実行する。該過電流による強制転流をカウンタ値が10になるまで続け、それでも過電流が継続する場合に(ステップS32の判断が否定)、デューティを1%減じるようにする。
【0041】
図10は通常通電の処理を示すフローチャートである。ステップS41では、デューティを1%増量し、ステップS42では、予め設定した上限値であるか、すなわち過電流であるか否かの判断をし、この判断が否定の時にはステップS43に進んで回転数が設定回転数(例えば、800rpm)以上になったか否かの判断がなされる。この判断が肯定になると、エンジンは始動したと判定し、スタータの働きを終了する。すなわち、ステップS44に進んで、デューティを0%にする。一方、前記ステップS42の判断が肯定の時には、過電流を解消するためにステップS45に進んで、デューティを1%減量し、ステップS46ではその時のデューティで動作を実行する。
【0042】
図12は、初期励磁終了後の強制転流から通常通電に至るまでの通電電流の変化、PWMデューティの変化、およびエンジンのクランク回転数の変化の一例を示すグラフである。このグラフから、エンジンの始動時の強制転流から通常転流へ移行する過程において、エンジンの回転数が滑らかに立ち上がるのがわかる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1〜請求項3の発明によれば、始動トルクの大きな内燃機関の始動を、ホール素子などの位置検出素子を設けていないブラシレス回転電機を用いて行うことができるようになる。また、ブラシレス発電機をブラシレススタータモータとして兼用することが容易になる。
【0044】
また、請求項の発明によれば、さらに、通電していない巻線に誘起される電圧信号を基に形成された回転位置検出信号に基づいて内燃機関の回転回数または回転数を検出し、該内燃機関の回転回数または回転数が所定値に達した時に自動的に通常運転に切り替わるようにしたので、強制転流から通常通電への切替が簡単かつ滑らかに行えるようになる。
【0045】
また、請求項の発明によれば、初期励磁終了後の通電は、通電電流を所定値に制限するリミッタを設けた状態でPWMのデューティを徐々に増加させるようにしたので、始動回転数の立ち上がりを滑らかに確保しつつ、通電用ドライバの容量を小さく抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるブラシレス回転電機の一実施形態であるエンジン発電装置の側面図である。
【図2】 図1のV−V断面図である。
【図3】 エンジン発電装置のシステム図である。
【図4】 エンジン発電装置の始動制御のフローチャートである。
【図5】 初期励磁の制御のフローチャートである。
【図6】 第1、第2初期励磁の動作の説明図である。
【図7】 第1、第2初期励磁の動作の説明図である。
【図8】 強制転流の第1実施例の制御のフローチャートである。
【図9】 強制転流の第2実施例の制御のフローチャートである。
【図10】 通常通電の制御のフローチャートである。
【図11】 初期停止位置p1〜p6において、1相励磁した場合のロータの安定時間を示す図である。
【図12】 初期励磁終了後の強制転流から通常通電に至るまでの通電電流の変化、PWMデューティの変化、およびエンジンのクランク回転数の変化を示す図である。
【図13】 フリーな状態で停止させた時のステータとロータの相対位置関係を示す図である。
【符号の説明】
3・・・発電機、15・・・コンバータ、17・・・インバータ、18・・・復調フィルタ、19・・・リレー、22・・・スタータドライバ、23・・・整流回路、25・・・電源、100・・・ステータ、200・・・ロータ、300・・・U,V,W相の磁極。

Claims (2)

  1. 内燃機関の出力軸に連結される磁石回転子と、電気角で120°の位相差をもたせて配置された第1、第2、第3相の固定子巻線とを有し、前記回転子の回転位置検出信号に基づいて前記各固定子巻線に順次通電して通常通電を行うように構成した内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法において、
    始動時に、前記第1、第2、第3相の固定子巻線において、第2相巻線から第1相巻線に強制通電して第1初期励磁を行い、次いで、第2相巻線から第3相巻線に強制通電して第2初期励磁を行い、
    次いで、第1相巻線から第3相巻線へ強制転流し、通電量を徐々に増しながら前記各相の巻線間に順次強制転流をして前記磁石回転子を強制的に回転させ、
    この強制転流時に通電していない巻線に誘起される電圧信号で回転位置検出信号を形成し、この回転位置検出信号から算出した回転回数または回転数が所定値に達したことで前記強制転流から通常通電に移行するタイミングを判断し、
    前記通常通電に移行後は前記回転位置検出信号に基づいて前記磁石回転子を駆動して前記内燃機関の出力軸を駆動すると共に、該回転位置検出信号から前記内燃機関の回転回数または回転数を検出して所定回転回数または回転数に到達した時点で通電を停止するようにしたことを特徴とする内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法。
  2. 前記初期励磁終了後の通電は、通電電流を所定値に制限するリミッタを設けた状態でPWMのデューティを徐々に増加させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関駆動用ブラシレス回転電機の始動方法。
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