JP3763462B2 - 自己始動式同期電動機及びこれを用いた圧縮機 - Google Patents

自己始動式同期電動機及びこれを用いた圧縮機 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自己始動式永久磁石同期電動機およびそれを用いた圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機とスクロールとを一体で容器内に密封した圧縮機においては、別置のインバータにより速度制御される可変速機と、定電圧定周波数の電源から直接給電され一定の回転速度で運転される定速機とがある。
【0003】
定速機では、インバータ装置を用いず、電動機としては、回転子にかご型巻線を持つ自己始動可能な誘導電動機が用いられてきた。
【0004】
しかしながら、誘導電動機は効率が低いことから、▲1▼特開平4−210758号公報、▲2▼特開平6−284660号公報、▲3▼特開2001−78401号公報等に示されるように、かご型巻線の内側に永久磁石を埋め込み、誘導電動機としての電動トルクで起動加速し、定格速度では同期電動機として運転するいわゆる自己始動式同期電動機あるいは誘導同期電動機と呼ばれる電動機を採用することが提案されている。
【0005】
また、▲4▼特開2001−157427号公報には、上記のような自己始動式同期電動機において、固定子に集中巻と分布巻の2つの電機子巻線を並存させ、分布巻の電機子巻線を用いた誘導電動機として起動加速し、高速域では集中巻の電機子巻線を用いた同期電動機に切替えることが開示されている。
【0006】
なお、永久磁石式同期電動機においては、固定子と回転子間のエアーギャップを不等ギャップとすることが、▲5▼特開平8−111968号公報や▲6▼特開平11−89197号公報等に開示され、同じく、永久磁石の着磁方向に関しては、▲7▼特開平7−39090号公報や▲8▼特開平7−212994号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、かご型誘導電動機として起動加速することから、いずれも固定子には分布巻の電機子巻線を備えており、1ターン当たりの巻線長が大きくなるので銅損が大となり、高効率化の妨げになる。また、分布巻の電機子巻線を備えることから、コイルエンド部が長大であり、電動機が大型化するため、適用される例えば圧縮機等では、圧縮機本体の小形化に対する妨げになる。さらに、大掛かりな生産設備が必要となり、コスト上の問題も生じる。
【0008】
上記▲4▼特開2001−157427号公報の技術では、上記の外に、別置の切替えスイッチが必要であること、製造ラインに集中巻と分布巻のそれぞれの巻線機が必要になること、等の理由でコスト的に問題がある。また、始動時にのみ用いる分布巻電機子巻線は2極(2n極)で巻かれているのに対し、磁石配置は4極(4n極)で構成されていることから、始動時は2極用の巻線に4極磁束が鎖交するので、2倍の周波数を有する高調波成分が発生し、始動トルク特性を劣化させると考えられる。さらに、回転子に設けられている始動用導体がパイプ状の円環導体を用いているので、磁気的なギャップとなり、定格運転時では有効磁束が減少し、特性劣化に繋がる、始動時に導体に誘導される電流が渦状に分布する為、固定子側の磁束と直交できず、有効な始動トルクを確保できない、別途回転子の組立てラインが必要となるので、コスト的に不利等のデメリットもある。
【0009】
本発明の目的は、小形で高効率の圧縮機駆動用等の自己始動式同期電動機(誘導同期電動機)及びこれを用いた圧縮機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
自己始動式(誘導)同期電動機は、かご型巻線を備え誘導電動機としてのトルクを利用して起動加速し、定格速度に達すると永久磁石又は電磁石の界磁による同期電動機としてのトルクを利用して運転する。このため、誘導電動機として、▲1▼トルク脈動、▲2▼損失、及び▲3▼電源への悪影響を防止するために、上記各公報にも見られるように、分布巻の電機子コイルが必須と考えられてきた。しかしながら、本発明者の解析によれば、誘導電動機としての定格速度(付近)までの起動加速時間は1秒以内にでき、この僅かの時間だけ、前記▲1▼〜▲3▼の課題をクリアし、あるいはこれらを軽減する方策を取れれば、後は高効率の同期電動機として運転できる。
【0011】
そこで、本発明は、その一面において、誘導電動機トルクで起動加速し、同期電動機トルクで定速運転する自己始動式同期電動機において、その電機子巻線を集中巻としたことを特徴とする。
【0012】
このように、誘導電動機トルクでの起動加速時をも含めて電機子巻線を集中巻としたことにより、コイルエンド部が小さくなり、小型化した自己始動式同期電動機が得られる。
【0013】
本発明は、他の一面において、誘導電動機トルクで起動加速し、永久磁石式同期電動機トルクで定速運転する自己始動式同期電動機において、その電機子巻線を集中巻とするとともに、永久磁石を、前記回転子の回転軸の原点Oから当該磁極の中心を通って放射状に伸びる回転子磁極中心線と平行に着磁したことを特徴とする。
【0014】
本発明は又、他の一面において、自己始動式同期電動機において、電機子巻線を集中巻とするとともに、永久磁石を、磁束が外周方向に向って回転子の回転軸の原点Oから当該磁極の中心を通って放射状に伸びる回転子磁極中心線に集束するように着磁したことを特徴とする。
【0015】
本発明は、更に他の一面において、自己始動式同期電動機において、電機子巻線を集中巻とするとともに、永久磁石の極間にもかご型導体を設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明は、更に他の一面において、自己始動式同期電動機において、その電機子巻線を集中巻とするとともに、固定子と回転子との間に不等ギャップを設けたことを特徴とする。
【0017】
本発明の望ましい実施態様においては、固定子鉄心の複数のスロットに巻き回された集中巻の電機子巻線と、回転子鉄心の外周部近傍に設けた複数のスロット内に導電性材料を埋設して形成したかご型巻線と、このかご型巻線の内周側に埋設された複数の略アーク形永久磁石とを備える。
【0018】
これらにより、誘導電動機としての起動加速時に、それぞれ、▲1▼トルク脈動、▲2▼損失、及び▲3▼電源への悪影響を軽減する手段を付加したことによって、小型化した高効率の自己始動式同期電動機を得ることができる。
【0019】
本発明では更に、上述した自己始動式同期電動機を備えた圧縮機を提案する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。自己始動式同期電動機は、固定子1と回転子10とを備えている。固定子1は、固定子鉄心2と、それに施された3個のスロット3と、これらのスロット3で3個に分割されたティース4を備えている。前記スロット3を利用してティース4に電機子巻線5が集中巻に巻かれている。図では、電機子巻線5は、U相巻線5A,V相巻線5B及びW相巻線5Cからなり、誘導電動機トルクでの起動加速から、同期電動機としての低速運転までの全速度域において、一定周波数の交流電源(給電手段)から給電される。
【0022】
回転子10では、回転子鉄心6が、かご型導体7と永久磁石8とを有し、クランクシャフト9上に固定されている。複数のかご型導体7はかご型誘導電動機としての始動用であり、永久磁石8は同期電動機としての定格速度での運転用である。永久磁石8は、クランクシャフト9と同心のアーク形を形成し、2つに分割され2つの磁極を構成するように回転子鉄心6に埋設している。この永久磁石の界磁を持つ自己始動式同期電動機は、固定子鉄心2に3個のスロット3と、回転子鉄心6に2個の永久磁石8を埋設した「2極−3スロット」構造である。
【0023】
ここで、電機子巻線5(5A、5B、5C)は、固定子鉄心2のティース4に集中巻の巻線方式で巻装され、スロット3に納められている。
【0024】
図2は、本発明の一実施例による自己始動式同期電動機の永久磁石の着磁方向を示す径方向断面構造の一部拡大図である。永久磁石8の着磁は、矢印で示すように、磁石による磁束の方向が回転子の回転軸の原点Oから当該磁極の中心を通って放射状に伸びる回転子磁極中心線11と平行になるように、磁区(図示せず)の角度を調整した上で着磁を施している。すなわち、磁性材料粉を磁界中(ここでは平行磁界中)で成型することで一定の着磁方向(この場合は平行着磁)を有する永久磁石を作成する。回転子磁極中心線11と矢印で示す着磁方向の角度は、図2では理想状態の0°で示しているが、製造上の公差を勘案した場合、±1°以内とすることが望ましい。
【0025】
以上のように構成すれば、(1)電機子巻線5の配線長を最短にし、したがって巻線抵抗を最小限に小さくできるので、運転中の銅損が低減され、高効率化を図ることができる。また、(2)コイルエンド部を小さく構成でき、電動機自体及び適用される圧縮機等の小型化を図ることができる。さらに、(3)分布巻に比べ、生産設備も簡単で済む。また、(4)永久磁石8の着磁を平行着磁としているので、誘導起電力波形を正弦波に近付けることができ、誘導電動機としての起動加速中の高調波損失の低減、振動・騒音の抑制を図ることができる。実験の結果、図1の電機子巻線5を分布巻としたものに比べ、効率を5%向上することができた。
【0026】
図3は、本発明の他の実施例による永久磁石の着磁方向を示す径方向断面構造の一部拡大図である。図において、永久磁石8には、磁束が外周方向に向かって回転子磁極中心線11に集まる(集束する)ように磁区を調整した上で、磁石8の極配向着磁を施してある。前述した実施例では、永久磁石8は、磁束が回転子磁極中心線11と平行になるように着磁されていたが、図3に示す着磁永久磁石を適用すれば、前述同様の効果が得られる外に、電機子と界磁間のギャップの磁束分布をより正弦波状にすることができるので、誘導電動機としての起動加速時のトルク特性や振動・騒音に対しさらに優れた特性を得ることができる。
【0027】
図4は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図1と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図1と構成の異なる部分は、固定子鉄心2にスロット3を6個、回転子鉄心6に極性の異なる永久磁石8を4個埋設した、4極−6スロット構造となっている点にある。
【0028】
このように構成しても、図1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
図5は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図1と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図1と構成の異なる部分は、2つの永久磁石8の2つの極間にそれぞれかご型導体7Aを配置している点にある。
【0030】
このように構成した場合、図1と同様の効果を得ることができる上、誘導電動機としてのトルクの増強が期待できるとともに、同期電動機としては、高調波を含む電機子反作用磁束が、極間から回転子鉄心6へ流入するのを抑止することができるため、さらなる高効率化を図ることができる。
【0031】
図6は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図4、5と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図5と構成の異なる部分は、固定子鉄心2にスロット3を6個、回転子鉄心6に極性の異なる永久磁石8を4個埋設した「4極−6スロット」構造となっている点にある。
【0032】
このように構成しても、図5と同様の効果を得ることができる。
【0033】
図7は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図1、5と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図1、5と構成の異なる部分は、2つの永久磁石8の極間にそれぞれ他のかご形導体7よりも断面積の大きいかご形導体7Bを配置した点にある。
【0034】
このように構成した場合、図6と同様の効果を得ることができる上、極性の異なる2つの永久磁石8の極間に生ずる漏洩磁束(図示せず)を防ぎ有効磁束を増やす作用があるため、より特性の改善を図ることができる。
【0035】
図8は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図6、7と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図7と構成の異なる部分は、固定子鉄心2にスロット3を6個、回転子鉄心6に極性の異なる永久磁石8を4個埋設した「4極−6スロット」構造となっている点にある。
【0036】
このように構成しても、図7と同様の効果を得ることができる。
【0037】
図9は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図1と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図1と構成の異なる部分は、ティース4の両端部4Aを外径側に広げ、固定子1の内径と回転子10の外径とのギャップ長が、スロット開口部3A付近で大きく、ティース4の周方向中心部分で小さくなるような不等ギャップを形成している点にある。
【0038】
このように構成することで、図1と同様の効果が得られる上、ギャップの磁束分布をより正弦波に近づけることができるので、始動時の誘導電動機としての異常トルクを軽減し、かつ同期電動機として運転中の脈動トルクを低減することが可能となる。
【0039】
図10は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図9と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図9と構成の異なる部分は、固定子鉄心2にスロット3を6個、回転子鉄心6に極性の異なる永久磁石8を4個埋設した「4極−6スロット」構造となっている点にある。
【0040】
このように構成で、図9で説明したと同様の効果を得ることができる。
【0041】
図11は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図5と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図5と構成の異なる部分は、ティース4の両端部4Aを外径側に広げ、固定子1の内径と回転子10の外径とのギャップ長が、スロット開口部3A付近で大きく、ティース4の周方向中心部分で小さくなるような不等ギャップを形成している点にある。
【0042】
このように構成することで、図5と同様の効果が得られる上、始動時の異常トルクを軽減し、かつ運転中の脈動トルクを低減することが可能となる。
【0043】
図12は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図11と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図11と構成の異なる部分は、固定子鉄心2にスロット3を6個、回転子鉄心6に極性の異なる永久磁石8を4個埋設した「4極−6スロット」構造となっている点にある。
【0044】
このように構成しても、図11と同様の効果を得ることができる。
【0045】
図13は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図7と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図7と構成の異なる部分は、ティース4の両端部4Aを外径側に広げ、固定子1の内径と回転子10の外径とのギャップ長が、スロット開口部3A付近で大きく、ティース4の周方向中心部分で小さくなるような不等ギャップを形成している点にある。
【0046】
このように構成することで、図1と同様の効果が得られる上、始動時の異常トルクを軽減し、かつ運転中の脈動トルクを低減することが可能となる。
【0047】
図14は、本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す構造図である。図中、図13と同一物には同一符号を付し、重複説明は避ける。図において、図13と構成の異なる部分は、固定子鉄心2にスロット3を6個、回転子鉄心6に極性の異なる永久磁石8を4個埋設した「4極−6スロット」構造となっている点にある。
【0048】
このように構成しても、図13と同様の効果を得ることができる。
【0049】
以上の実施例によれば、固定子は集中巻のみで構成されている為、コイル端部の寸法を小さくすることができ、巻線に生ずる銅損低減による効率向上、及び小型化が可能となる。また、巻線機は集中巻の巻線機のみで製造可能であることから、コスト的に有利である外、磁石の極数に合わせた巻線仕様であるため、トルク特性に悪影響を及ぼさない。
【0050】
さらに、回転子に設けられた始動用導体はかご型で構成している為、▲1▼磁気的なギャップは最小限に抑えることが出来るので、定格時でも有効磁束を確保できる。▲2▼導体に流れる誘導電流と固定子側から回転子に流入する磁束は直交して流れる為、トルク特性を確保できる。▲3▼従来の誘導電動機の回転子製造ライン(ダイカスト装置等)をそのまま使用できるので、コストメリットも大きい。
【0051】
図15は、本発明による自己始動式同期電動機を用いた圧縮機の断面構造図である。圧縮機構部は、固定スクロール部材12の端板13に直立する渦巻状ラップ14と、旋回スクロール部材15の端板16に直立する渦巻状ラップ17とを噛み合わせて形成し、旋回スクロール部材15をクランクシャフト9によって旋回運動させることで圧縮動作を行う。
【0052】
固定スクロール部材12及び旋回スクロール部材15によって形成される圧縮室18(18a、18b、……)のうち、最も外径側に位置している圧縮室18は、旋回運動に伴って両スクロール部材12、15の中心に向かって容積が次第に縮小するように圧縮され、圧縮室18内の圧縮ガスは圧縮室18の中央部と連通した吐出口19から吐出される。
【0053】
吐出された圧縮ガスは、固定スクロール部材12及びフレーム20に設けられたガス通路(図示せず)を通ってフレーム20の下部の圧力容器21内に至り、圧力容器21の側壁に設けられた吐出パイプ22から圧縮機外に排出される。
【0054】
また、本圧縮機では、圧力容器21内に、駆動用電動機23が内封されており、一定速度で回転し、上記の圧縮動作の原動機となる。
【0055】
駆動用電動機23の下部には、油溜め部24が設けられている。油溜め部24内の油は回転運動により生ずる圧力差によって、クランクシャフト9内に設けられた油孔25を通って、旋回スクロール部材15とクランクシャフト9との摺動部、滑り軸受26等の潤滑に供される。
【0056】
駆動用電動機23は、これまで図1〜14で説明したように、固定子1と回転子10とで構成される自己始動式同期電動機である。固定子1は、固定子鉄心2とそれに巻き回された電機子巻線5とで構成され、回転子10は、クランクシャフト9上に、複数の始動用かご型導体7と永久磁石8とを有する回転子鉄心6から構成されている。
【0057】
電動機23として、図1,2に示す自己始動式同期電動機を採用して実験した結果、分布巻の自己始動式同期電動機を採用した圧縮機に比べ、圧縮機全体として、効率を0.2%向上できた。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、小形・軽量で高効率な自己始動式同期電動機を提供できる。また、小形・軽量で高効率な圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状を示す図。
【図2】本発明の一実施例による自己始動式同期電動機の永久磁石の着磁方向を示す径方向断面構造の一部拡大図。
【図3】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の永久磁石の着磁方向を示す径方向断面構造の一部拡大図。
【図4】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図5】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図6】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図7】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図8】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図9】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図10】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図11】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図12】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図13】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図14】本発明の他の実施例による自己始動式同期電動機の径方向断面形状構造図。
【図15】本発明の一実施例による圧縮機の断面構造図。
【符号の説明】
1…固定子、2…固定子鉄心、3…スロット、4…ティース、5(5A,5B,5C)…電機子(固定子)巻線、6…回転子鉄心、7…かご型導体、8…永久磁石、9…クランクシャフト、10…回転子、11…回転子磁極中心線、12…固定スクロール部材、13…端板、14…渦巻状ラップ、15…旋回スクロール部材、16…端板、17…渦巻状ラップ、18…圧縮室、19…吐出口、20…フレーム、21…圧力容器、22…吐出パイプ、23…駆動用電動機、24…油溜め部、25…油孔、26…滑り軸受。

Claims (9)

  1. 固定子鉄心と、この固定子鉄心に巻かれた電機子巻線と、回転子鉄心と、この回転子鉄心に磁極毎に埋設された永久磁石と、前記回転子鉄心に設けられたかご型巻線とを備えた自己始動式同期電動機において、前記電機子巻線を集中巻とするとともに、前記永久磁石を、前記回転子の回転軸の原点Oから当該磁極の中心を通って放射状に伸びる回転子磁極中心線と平行に着磁したことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  2. 固定子鉄心と、この固定子鉄心に巻かれた電機子巻線と、回転子鉄心と、この回転子鉄心に磁極毎に埋設された永久磁石と、前記回転子鉄心に設けられたかご型巻線とを備えた自己始動式同期電動機において、前記電機子巻線を集中巻とするとともに、前記永久磁石を、磁束が外周方向に向って前記回転子の回転軸の原点Oから当該磁極の中心を通って放射状に伸びる回転子磁極中心線に集束するように着磁したことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  3. 固定子鉄心と、この固定子鉄心に巻かれた電機子巻線と、回転子鉄心と、この回転子鉄心に埋設された永久磁石と、前記回転子鉄心に設けられたかご型巻線とを備えた自己始動式同期電動機において、前記電機子巻線を集中巻とするとともに、前記永久磁石の極間にもかご型導体を設けたことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  4. 請求項3において、極間に設けた前記かご型導体の断面積を、他の前記かご形導体よりも大きく形成したことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  5. 固定子鉄心と、この固定子鉄心に巻かれた電機子巻線と、回転子鉄心と、この回転子鉄心に埋設された永久磁石と、前記回転子鉄心に設けられたかご型巻線とを備えた自己始動式同期電動機において、前記電機子巻線を集中巻とするとともに、前記固定子と回転子との間に不等ギャップを設けたことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  6. 請求項5において、ティース幅中央位置よりもスロット開口部で大きなギャップ長となる不等ギャップを設けたことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  7. 固定子鉄心と、この固定子鉄心に備えた複数のスロットに巻き回された電機子巻線と、回転子鉄心と、この回転子鉄心の外周部近傍に設けた複数のスロット内に導電性材料を埋設して形成したかご型巻線と、このかご型巻線の内周側に埋設された複数の永久磁石とを備えた自己始動式同期電動機において、前記電機子巻線を集中巻とするとともに、前記固定子と回転子との間に、ティース幅中央位置よりもスロット開口部で大きなギャップ長となる不等ギャップを設けたことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記磁石を略アーク形状の永久磁石で構成したことを特徴とする自己始動式同期電動機。
  9. 冷媒を吸い込んで圧縮し吐出する圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機部を備えた圧縮機において、前記電動機を請求項1〜のいずれかに記載の自己始動式同期電動機としたことを特徴とする圧縮機。
JP2001317911A 2001-10-16 2001-10-16 自己始動式同期電動機及びこれを用いた圧縮機 Expired - Lifetime JP3763462B2 (ja)

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