JP4581912B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
現在、広く利用されているナビゲーション装置では、ユーザがピンポイントで目的地を設定する必要がある。すなわち、表示部に表示された地図上で目的地点を指定したり、住所や施設をメニューから選択することによって指定したり、メモリに記憶された場所を指定したりする等して、目的地(訪問場所)を設定する必要がある。
しかしながら、具体的な訪問場所は思い浮かばないが、行きたい場所の条件だけが決まっているような場合も往々にしてある。そのため、行きたい場所の条件を入力するだけで、その条件にかなった訪問場所を検索して提案してくれるナビゲーション装置が考えられている。
例えば、下記の特許文献1に記載の技術は、経路案内の開始の先立ち、目的地までの距離、目的地に着くまでの所要時間などをユーザに入力してもらい、その条件にあった場所を画面にリストとして表示させ、その中からユーザに所望の場所を選択してもらうことにより目的地を具体的に決定する技術である。
また、下記の特許文献2に記載の技術は、経路案内の開始の先立ち、ユーザが行きたい方面、旅行期間、旅費の予算等をユーザに入力してもらい、その条件を満たす施設を目的地として設定する技術である(特許文献2の段落「0037」参照)。
特開2004−132884号公報 特開2004−340757号公報
ところで、一般的にユーザが近場を行き先とする場合は、訪問場所を具体的に思い浮かべることが多いが、遠方の場所を行き先とする場合には、具体的な訪問場所や訪問順序まで思い浮かべずに、当該場所に近づいた際に訪問場所や訪問順序を決定する場合も多い。具体的には例えば、ユーザが自宅のある名古屋からドライブに行くケースにおいて、とりあえず木曽路方面に行こうとだけユーザは決定する。そして、出発後、中央自動車道の中津川ICを下りる頃までに、まず、馬籠宿に寄り、次に妻籠宿に寄り、寝覚の床まで行く。寝覚の床まで行ったら帰途につき、昼神温泉に寄って帰ってくるというような具体的な予定をたてる場合である。
一般的なナビゲーション装置では、このように出発時点で訪問場所が明確に決まっていない場合、出発時点から経路案内を開始することができない。また、上述した特許文献1や特許文献2に記載の技術でも、結局は出発時点で訪問場所が具体的に決定されるため、ユーザが行き先方面だけを出発時に決定し、経路途中で具体的に訪問場所や訪問順序を決定することができない。仮に、ユーザが経路途中で訪問場所や訪問順序を決定した場合は、既に決定されている目的地を変更するための操作が必要となる。
しかしながら、一般的なナビゲーション装置では経路案内中に訪問場所や訪問順序を変更することは容易ではない。なぜなら、多くのナビゲーション装置は車両走行中には、細かい操作を受け付けないようになっているからである。また、そもそも訪問場所や訪問順序の変更が必ずなされるということ自体が想定されていない。
本発明は、このような問題にかんがみなされたものであり、目的地の決定タイミングの自由度を高めたナビゲーション装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載のナビゲーション装置は、車両において用いられるナビゲーション装置であって、地図情報取得手段と、指示情報受付手段と、報知手段と、制御手段とを備える。このうち、地図情報取得手段は、案内経路を算出する際に必要な地図情報および経路案内を実行する際に必要な地図情報を取得する手段であり、指示情報受付手段は、ユーザからの指示情報を受け付ける手段である。また、報知手段は、ユーザへ情報を報知する手段であり、制御手段は、指示情報受付手段が受け付けた指示情報および地図情報取得手段が取得した地図情報に基づいて案内経路を算出し、算出した案内経路を報知手段に報知させて案内を行う手段である。
なお、制御手段は、第一の経路算出手段と、第二の経路算出手段と、案内手段と、を有する。第一の経路算出手段は、指示情報受付手段が受け付けた目的地域に関する情報に基づいて、車両の停車可能な場所を経由するように出発地から目的地域までの案内経路を算出する手段であり、第二の経路算出手段は、第一の経路算出手段によって算出された案内経路の途中で、停車可能な場所に車両が到達した際に、目的地を特定するために必要な情報の入力を報知手段によってユーザへ促し、指示情報受付手段を介して目的地を特定するために必要な情報が入力されると当該目的地までの案内経路を算出する手段である。また、案内手段は、第二の経路算出手段と、第一の経路算出手段および第二の経路算出手段により算出された案内経路を報知手段に報知させる手段である。
このようなナビゲーション装置によれば、ユーザは出発時点において目的地域だけを明らかにすればよく目的地(訪問場所)を明確にしなくてもよい。そして、案内経路の途中において具体的な目的地を特定する情報を入力すればよい。したがって、本ナビゲーション装置を利用すれば、目的地の設定タイミングについてのユーザ自由度が高まり、ユーザは快適に経路案内を受けることができる。また、目的地を特定するために必要な情報の入力場所を、はじめから想定して経路案内が実行されるようになっていているので、ユーザは車両の停車可能な場所を探す必要がなくなり、落ち着いてドライブを楽しむことができる。
ところで、目的地域を決定する方法は、ユーザがその目的地域の名称を直接入力することにより決定するようになっていてもよいが、ユーザが訪問目的(例えば「○○がしたい」等)を条件として入力するようになっていてもよい。その場合は、請求項2に記載のように、第一の経路算出手段は、指示情報受付手段を介して訪問目的を受け付け、その訪問目的に対応する施設の分布密度が高いものから順に目的地域を報知手段によってユーザへ報知し、その報知した目的地域の一つを特定するための情報を指示情報受付手段を介してユーザから受け付け、その情報によって特定される目的地域までの案内経路を算出するようになっているとよい。なお、ここで言う「分布密度」というのは、一般的な概念によって区分けされた各地域における該当施設の分布度合いを意味する。具体例については、下記の「発明を実施するための最良の形態」の欄にて説明する。
このようになっていれば、ユーザは訪問目的を条件として指定するだけで後は自動的に目的地域の候補が的確に選択されて提示されるため、ユーザにとって便利である
また、目的地を特定するために必要な情報を受け付ける時は経路途中であるため、音声によって入力操作が行えるようになっていることが好ましい。したがって、指示情報受付手段は、ユーザの発話に基づく音声認識を行うことによって指示情報を受け付けることができるようになっている場合、特に、第二の経路算出手段が用いる目的地を特定するために必要な情報を受け付ける際には、専用の音声認識辞書を用いるようになっているとよい(請求項)。
このようになっていれば、専用の音声認識辞書を目的地特定のための単語に特化することができるため、音声認識の際の認識率の向上に役立つ。
ところで、目的地を特定するために必要な情報をユーザが入力する場所は、ユーザにとって入力操作を行いやすい場所に車両が停止している状態が好ましい。具体的には、請求項に記載のように、車両が停車可能場所に停車しているとき、第二の経路算出手段が、目的地を特定するために必要な情報の入力を報知手段によってユーザへ促すようになっているとよい。
このようになっていれば、ユーザは時間をかけて目的地を特定するために必要な情報の入力を行うことができる
お、目的地点は一つだけユーザが指定できるようになっていてもよいが、複数指定できるようになっていてもよい。その場合、第二の経路算出手段が、複数の目的地を特定するために必要な情報と複数の目的地の訪問順序を特定するために必要な情報とを指示情報受付手段を介して受け付け、その受け付けた情報に基づいて複数の目的地を訪問順序にしたがってたどる案内経路を算出するようになっているとよい(請求項)。
このようになっていれば、複数の目的地をユーザの希望通りに案内する経路案内が実行されるため、使い勝手が向上する。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
図1は、本発明の実施形態であるナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置20は車両に搭載され、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、目的地域分布密度データベース30と、ルート結合率データベース31と、通常用音声認識辞書32と、目的地限定用音声認識辞書33と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部通信機24,地図データ入力器25,マイクロフォン28,目的地域分布密度データベース30,ルート結合率データベース31,通常用音声認識辞書32,目的地限定用音声認識辞書33からの入力に応じて各種処理を実行し、外部通信機24,表示部26,音声出力部27を制御する制御部29とを備えている。
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21cからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
操作スイッチ群22は、表示部26の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。尚、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
音声出力部27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声を出力することができる。
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
目的地域分布密度データベース30は、後述する目的地設定処理において用いられるデータベースであり、地域別、目的別の分布密度からなるデータベースである。当該データベースには、例えば、A地域のスキー場の分布密度、B地域のスキー場の分布密度、C地域のスキー場の分布密度、A地域の温泉の分布密度、B地域の温泉の分布密度、C地域の温泉の分布密度というようなデータが蓄えられており、地域と目的とを指定するとその目的をかなえるための施設の分布密度が得られるようになっている。なお、ここで言う「分布密度」というのは、各地域の施設数を当該地域の面積で割ったものに所定の値をかけ合わせたものである。
ルート結合率データベース31は、後述する目的地設定処理において用いられるデータベースであり、リンク別、条件別の優位度合いからなるデータベースである。当該データベースには、例えば、リンクAの時間的な優位度合い、リンクBの時間的な優位度合い、リンクCの時間的な優位度合い、リンクAの距離的な優位度合い、リンクBの距離的な優位度合いリンクCの距離的な優位度合いというようなデータが蓄えられており、リンクと条件とを指定すると優位度合いが得られるようになっている。なお、ここで言う「優先度合い」というのは、相対的、または絶対的な評価値であり、この優先度合いを比較することにより、指定条件において何れのリンクが優れているのかがわかる値である。
通常用音声認識辞書32は、各種操作(設定、変更等)の際に用いられる音声認識辞書であり、ユーザから入力された音声とマッチするデータが当該音声認識辞書から検索されて利用される。
目的地限定用音声認識辞書33は、後述する目的地限定処理の際に用いられる音声認識辞書であり、目的地限定処理の実行の際に入力された音声とマッチするデータが当該音声認識辞書から検索されて利用される。
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部26に表示する処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
[動作の説明]
次に、制御部29が実行する処理のうち、目的地設定処理、目的地限定処理について説明する。なお、一般的なナビゲーション装置の制御部が実行する経路案内処理等については説明を省略する。
(1)目的地設定処理
まず、目的地設定処理について図2のフローチャートを用いて説明する。この目的地設定処理は、目的地設定処理の実行を意味する操作スイッチ群22をユーザが押下した際に制御部29にて実行が開始される処理である。
制御部29は、目的地設定処理の実行を開始すると、まず、過去に行ったことがある場所から目的地を選択するか否かをユーザへ問い合わせる(S110)。具体的な問い合わせ方法は、表示部26に問い合わせメッセージを表示させたり、音声出力部27に問い合わせメッセージを音声として出力させる。そして、そのメッセージに対し、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、ユーザの意志を確認する。
このS110において、過去に行ったことがある場所から目的地を選択することをユーザが希望していと確認された場合は(S110:Yes)、S160に処理を移行し、過去に行ったことがある場所から目的地を選択せずに新たに目的地を指定することをユーザが希望していると確認された場合は(S110:No)、S115に処理を移行する。
新たに目的地を指定することをユーザが希望していると確認され場合に進むS115では、具体的に目的地を設定するか、曖昧に目的地を設定するかをユーザに問い合わせる。この問い合わせは、上述したS110の場合と同様の方法で行う。この問い合わせの結果、具体的に目的地を設定することをユーザが希望していると確認された場合は(S115:Yes)、S155に処理を移行し、曖昧に目的地を設定することをユーザが希望していると確認された場合は(S115:No)、S120に処理を移行する。
曖昧に目的地を設定することをユーザが希望していた場合に進むS120では、ユーザに目的地に行く目的を問い合わせる。ここで言う「目的」というのは、例えば、買い物、観光、温泉入浴、遊園地で遊ぶ、スキー、ゴルフ等である。なお、この問い合わせは、上述したS110の場合と同様の方法で行う。
続いて、大まかな行き先をユーザに問い合わせる(S125)。ここで言う「大まかな行き先」というのは、県をまたがった地方(例えば、関東、関西、北陸、信州等)や、県、地域(尾張地方、三河地方等)、市等である。なお、この問い合わせは、上述したS110の場合と同様の方法で行う。
続いて、目的地域分布密度データベース30を参照し、条件に合う目的地域の中から分布密度の高い目的地域をいくつか(例えば、5件程度)表示部26にリストとして表示させる(S130)。具体的には、目的として「スキー」、大まかな行き先として「長野県」が入力されたとすれば、これらを条件として目的地域分布密度データベース30を参照し、長野県内の地域名称とその地域のスキー場の分布密度とをリスト表示させる(図3(a)参照)。なお、ここでの「分布密度」は、各地域のスキー場数を当該地域の面積で割ったものに所定の値をかけ合わせたものである。
続いて、ユーザから目的地域の選択操作を受け付ける(S135)。これは、S130において表示部26に表示させたリストの中からユーザが選択した一の目的地域を特定することである。具体的には、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、一の目的地域を特定する。
続いて、ユーザから経路算出条件を受け付ける(S138)。このステップは、「時間を優先」「距離を優先」「通行料金を優先」をユーザに提示し、何れの条件をユーザが選択したかを特定するステップである。なお、この問い合わせは、上述したS110の場合と同様の方法で行う。
続くS140では、地図データ入力器25を介して得られる地図データに基づいて、経路案内の開始地点(例えば、現在位置)から、S135でユーザから選択操作を受け付けて特定した目的地域までの経路を5つ算出する。なお、経路の算出にあたり、経路終了点は全て同一である必要はなく、経路毎に異なっていてもよい。また、経路終了点は、目的地域内の場所であれば何れの場所であってもよい。例えば、目的地域に進入する主要幹線道路の進入点を経路終了点としたり、目的地域の中心点を経路終了点とすればよい。また、経路算出アルゴリズは、広く知られたダイクストラ法等のアルゴリズムによって算出する。
続くS143では、S140にて算出した経路毎の結合率をルート結合率データベース31を参照して算出する。具体的には、算出した経路を構成するリンクと、S138で受け付けた条件とを指定してルート結合率データベース31を検索し、得られる優先度合いを足し合わせることによって算出する。そして、算出した経路の内容と算出した結合率とを組にして表示部26にリスト表示させる(図3(b)参照)。
続いて、ユーザから経路の選択操作を受け付ける(S145)。これは、S143において表示部26に表示させたリストの中からユーザが選択した一の経路を特定することである。具体的には、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、一の経路を特定する。
続いて、S145では、ユーザから選択操作を受け付けて特定した経路の案内(経路案内処理)を開始し、本処理(目的地設定処理)を終了する。なお、本ステップによって開始される案内の目的地は最終的な目的地ではないため、案内が終了するまでに後述する目的地限定処理が実行される必要がある。このため、目的地限定処理を実行させるための実行フラグ(制御部29内のRAMに設けられたフラグ)をオンにしておく。
一方、上述したS115にて、具体的に目的地を設定することをユーザが希望していると確認された際に進むS155では、ユーザから具体的な目的地を受け付ける。これは、一般的に知られた手法、例えば、目的地をユーザに発話してもらい、その音声を認識することによって目的地を特定したり、表示部26に50音表を表示させてユーザに目的地の読みを順に選択してもらうことによって目的地を特定したりする。
このS155において、目的地を特定すると、S170に処理を移行する。
また、上述したS110にて、過去に行ったことがある場所から目的地を選択することをユーザが希望していると確認された際に進むS160では、制御部29のSRAM等に記憶されている過去に行ったことのある場所の情報に基づいて、表示部26に目的地のリストを表示させる。
続いて、ユーザから目的地の選択操作を受け付ける(S165)。これは、S160において表示部26に表示させたリストの中からユーザが選択した目的地を特定することである。具体的には、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、目的地を特定する。
続くS170では、S155またはS165で特定した目的地までの推奨経路をいくつか(例えば、5件程度)算出し、算出した経路を表示部26にリスト表示させる。そして、ユーザから経路の選択操作を受け付ける(S175)。これは、S170において表示部26に表示させたリストの中からユーザが選択した経路を特定することである。具体的には、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、経路を特定する。
続くS180では、S170にて特定した経路の案内(経路案内処理)を開始し、本処理(目的地設定処理)を終了する。なお、目的地限定処理を実行させるための実行フラグはオフにしておく。
(2)目的地限定処理
次に、目的地限定処理について図4のフローチャートを用いて説明する。この目的地限定処理は、実行フラグがオンであることを条件として、目的地限定処理の実行を意味する操作スイッチ群22がユーザによって押下された際、または、経路案内中に所定の条件が満たされた際に制御部29にて実行が開始される処理である。
ここで言う「所定の条件」というのは、例えば「全行程の50%を過ぎた以降、全行程の80%に到達する前であり、かつ、5分以上停止した際」という条件や、「全行程の40%を過ぎた以降、全行程の90%に到達する前であり、かつ、サービスエリアやコンビニエンスストアに停車した際」という条件である。つまり、ある程度の行程を経た後であって、ユーザが入力操作に適した状態であると推測できる条件である。
制御部29は、目的地設定処理の実行を開始すると、まず、ユーザに目的地限定処理の実行を開始するか否かを問い合わせる(S210)。具体的な問い合わせ方法は、表示部26に問い合わせメッセージを表示させたり、音声出力部27に問い合わせメッセージを音声として出力する。そして、そのメッセージに対し、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、ユーザの意志を確認する。
このS210において、目的地限定処理の実行をユーザが希望していると確認された場合は(S210:Yes)、S215に処理を移行し、目的地限定処理の実行をユーザが希望していないと確認された場合は(S210:No)、本処理(目的地限定処理)を終了する。
目的地限定処理の実行をユーザが希望していると確認された場合に進むS215では、ピンポイントで目的地を指定するか否かをユーザに問い合わせる。ここで言う「ピンポイントで目的地を指定」というのは、ユーザが具体的な目的地を指定することを意味し、例えば、住所を指定したり、施設名称を指定したり、表示部26に表示された地図上で場所を指定したりすることである。なお、問い合わせ自体は、上述したS210の場合と同様の方法で行う。
このS215において、ピンポイントで目的地を指定することをユーザが希望していると確認された場合は(S215:Yes)、S245に処理を移行し、ピンポイントで目的地を指定することをユーザが希望していないと確認された場合は(S215:No)、S220に処理を移行する。
ピンポイントで目的地を指定することをユーザが希望していないと確認された場合に進むS220では、ユーザから目的地についての詳細地域情報を受け付ける。ここで言う「詳細地域情報」というのは、上述した目的地設定処理の目的地域よりも狭い範囲の地域であり、例えば、地区名や町名や方角(方面)等である。
続くS225では、S220で受け付けた詳細地域情報と、上述した目的地設定処理のS120で受け付けた目的とに合致する目的地の候補を選出し、各候補の推奨経路をそれぞれ一つずつ表示部26にリスト表示させる。
続くS230では、S220で選出された一の目的地の候補とその推奨経路とを音声出力部27を介して音声出力させる。なお、出力させる一の目的地の候補とその推奨経路とは、未出力のもののみである。
続くS235では、S230にて音声出力させた目的地とその推奨経路でよいか否かをユーザに問い合わせる(S235)。具体的な問い合わせ方法は、S230での音声出力に続けて「この目的地と経路でよろしいですか?」という問い合わせメッセージを音声出力する。そして、そのメッセージに対し、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、ユーザの意志を確認する。
このS235において、S230にて音声出力させた目的地とその推奨経路でよいと確認された場合は(S235:Yes)、S240に処理を移行し、S230にて音声出力させた目的地とその推奨経路ではよくないと確認された場合は(S235:No)、S230に処理を戻す。
S240では、S235にて確認された目的地まで、確認された経路の案内(経路案内処理)を開始し、本処理(目的地限定処理)を終了する。
一方、S215において、ピンポイントで目的地を指定することをユーザが希望していると確認された場合に進むS245では、ユーザから具体的な目的地を受け付ける。これは、一般的に知られた手法、例えば、目的地をユーザに発話してもらい、その音声を認識することによって目的地を特定したり、表示部26に50音表を表示させてユーザに目的地の読みを順に選択してもらうことによって目的地を特定したりする。
続くS250では、S245にて特定した目的地までの推奨経路をいくつか(例えば、5件程度)算出し、算出した経路を表示部26に表示させる。そして、ユーザから経路の選択操作を受け付ける(S255)。これは、S250において表示部26に表示させたリストの中からユーザ選択した経路を特定することである。具体的には、操作スイッチ群22がユーザから受け付けた操作やマイクロフォン28がユーザから受け付けた音声によって、経路を特定する。
続くS260では、S255にて特定した経路の案内(経路案内処理)を開始し、本処理(目的地限定処理)を終了する。
[実施形態の実例および効果]
上記実施形態の実例および効果について、図5の説明図を用いて説明する。
本実施形態のナビゲーション装置20によれば、次のような手順を経て経路案内がなされる。
(1)出発地点において、ユーザが曖昧に目的地を設定することを希望すると、まず、目的と大まかな行き先を入力するように促される(S120,S125)。ここで、ユーザが目的を「スキー」、大まかな行き先を「長野県」と入力すると、条件に合致する地域(例えば、白馬地域、白樺湖地域等)が提示される(S130)。ここで、ユーザが「白馬地域」と入力すると、白馬地域までの経路が算出されて経路の候補が提示される(S143)。ここで、ユーザが何れかの経路を選択すると、その選択された経路(例えば、地点A(出発地点)→地点C(名古屋IC)→地点D(岡谷JC)→地点F(豊科IC)→白馬地域という経路)に基づく案内が開始される(S150)。
(2)次にユーザが、地点Eの梓川SAで休憩15分程度とったとする。すると、目的限定処理の実行が開始され、目的地限定処理を続行するか否かの問い合わせがなされる(S210)。ここで、ユーザが目的地限定処理を続行する旨の入力を行うと(S210:Yes)、目的地をピンポイントで指定するか否かの問い合わせがなされる(S215)。ここで、ユーザがピンポイントでの指定を行わない旨の入力を行うと(S215:No)、詳細地域情報の入力が促される(S220)。ここで、ユーザが詳細地域情報として「小谷村」という情報を入力すると、小谷村に存在するスキー場(例えば、栂池高原スキー場、白馬乗鞍スキー場、コルチナ国際スキー場等)が検索され、推奨経路と共に提示される(S225)。その際、表示部26に表示されるだけでなく、音声によっても提示され、ユーザも音声によってスキー場を指定することができる(S230,S235)。 ユーザが何れかのスキー場を選択すると、そのスキー場までの経路案内の実行が開始される(S240)。
以上実例を用いて説明したように、本実施形態のナビゲーション装置20によれば、ユーザは、出発時点において目的地(訪問場所)を明確にしなくてもよく目的地域だけを明確にすればよい。そして、目的地域に近づいた段階で、ナビゲーション装置20側より目的地の決定を行うように促されるため、ユーザはその時点で具体的な目的地を決定すればよい。したがって、ユーザにとって目的地の決定タイミングを遅らせることができるため使い勝手がよい。
また、ナビゲーション装置20側より目的地の決定を行うように促されるタイミングは、ユーザが入力操作に適した状態、例えば「全行程の50%を過ぎた以降、全行程の80%に到達する前であり、かつ、5分以上停止した状態」や、「全行程の40%を過ぎた以降、全行程の90%に到達する前であり、かつ、サービスエリアやコンビニエンスストアに停車した状態」である。したがって、ユーザは落ち着いて目的地を決定することができる。
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
(1)上記実施形態では、目的地限定処理は、実行フラグがオンであることを条件として、目的地限定処理の実行を意味する操作スイッチ群22がユーザによって押下された際、または、経路案内中に所定の条件が満たされた際に制御部29にて実行が開始されるようになっていたが、出発時点から目的地限定処理を実行する場所を経由するように経路案内がなされてもよい。つまり、上記実例で言えば、出発時点から梓川SAに寄るように経路を算出して案内するようになっていてもよい。このようになっていれば、確実に目的地限定処理が実行される。
また、目的地限定処理の実行を意味する操作スイッチ群22がユーザによって押下された際には、最も近くに存在する、ユーザが入力操作に適した状態になれる場所まで経路案内するようになっていてもよい。
このようになっていれば、ユーザの好きな時点で目的地限定処理の実行を開始させることができ、その場合であってもユーザは落ち着いて目的地を特定するために必要な情報の入力を行うことができる。
(2)上記実施形態では、目的地限定処理において決定できる目的地は一つだけであったが、複数の目的地とその訪問順序も入力できるようになっていてもよい。つまり、目的地限定処理のS220やS245を繰り返し実行し、複数の目的地を入力できるようになっていてもよい。そして、入力された順に訪問するように経路案内を行うようになっていてもよい。このようになっていれば、ユーザの使い勝手が向上する。
[特許請求の範囲との対応]
実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応を示す。
地図データ入力器25が地図情報取得手段に相当し、操作スイッチ群22,リモコン23a,マイクロフォン28が指示情報受付手段に相当し、表示部26,音声出力部27が報知手段に相当し、制御部29が制御手段に相当する。
また、制御部29が実行する目的地設定処理のS120〜S150における処理が、第一の経路算出手段としての機能に相当し、制御部29が実行する目的地限定処理のS220〜S240における処理が、第二の経路算出手段としての機能に相当する。
また、目的地設定処理のS150および目的地限定処理のS240において開始される経路案内を主導する制御部29の機能が、案内手段としての機能に相当する。
実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。 目的地設定処理を説明するためのフローチャートである。 目的地域選択リストおよび経路選択リストの一例である。 目的地限定処理を説明するためのフローチャートである。 実例を説明するための説明図である。
符号の説明
20…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部、30…目的地域分布密度データベース、31…ルート結合率データベース、32…通常用音声認識辞書、33…目的地限定用音声認識辞書。

Claims (5)

  1. 車両において用いられるナビゲーション装置であって、
    案内経路を算出する際に必要な地図情報および経路案内を実行する際に必要な地図情報を取得する地図情報取得手段と、
    ユーザからの指示情報を受け付ける指示情報受付手段と、
    ユーザへ情報を報知する報知手段と、
    前記指示情報受付手段が受け付けた指示情報および前記地図情報取得手段が取得した前記地図情報に基づいて案内経路を算出し、算出した案内経路を前記報知手段に報知させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記指示情報受付手段が受け付けた目的地域に関する情報に基づいて、前記車両の停車可能な場所を経由するように出発地から前記目的地域までの案内経路を算出する第一の経路算出手段と、
    前記第一の経路算出手段によって算出された前記案内経路の途中で、前記停車可能な場所に前記車両が到達した際に、目的地を特定するために必要な情報の入力を前記報知手段によってユーザへ促し、前記指示情報受付手段を介して目的地を特定するために必要な情報がユーザより入力されると、その情報に基づいて目的地を特定してその目的地までの案内経路を算出する第二の経路算出手段と、
    前記第一の経路算出手段および前記第二の経路算出手段により算出された前記案内経路を前記報知手段に報知させて案内を行う案内手段と、
    を有すること、
    を特徴とするナビゲーション装置。
  2. 請求項1に記載のナビゲーション装置において、
    前記第一の経路算出手段は、前記指示情報受付手段を介して訪問目的を受け付け、その訪問目的に対応する施設の分布密度が高いものから順に目的地域を前記報知手段によってユーザへ報知し、その報知した目的地域の一つを特定するための情報を前記指示情報受付手段を介してユーザから受け付け、その情報によって特定される目的地域までの案内経路を算出すること、
    を特徴とするナビゲーション装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、
    前記指示情報受付手段は、ユーザの発話に基づく音声認識を行うことによって指示情報を受け付けることができ、特に、前記第二の経路算出手段が用いる目的地を特定するために必要な情報を受け付ける際には、専用の音声認識辞書を用いること、
    を特徴とするナビゲーション装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーション装置において、
    前記第二の経路算出手段は、前記車両が停車可能な場所に停車しているときに、前記目的地を特定するために必要な情報の入力を前記報知手段によってユーザへ促すこと、
    を特徴とするナビゲーション装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のナビゲーション装置において、
    前記第二の経路算出手段は、複数の目的地を特定するために必要な情報と前記複数の目的地の訪問順序を特定するために必要な情報とを前記指示情報受付手段を介して受け付け、その受け付けた情報に基づいて前記複数の目的地を前記訪問順序にしたがってたどる案内経路を算出すること、
    を特徴とするナビゲーション装置。
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