JP4581744B2 - セラミック素子 - Google Patents

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Description

本発明は、主電極と中継用電極とがセラミック層を介して交互に積層されてなる圧電素子等のセラミック素子に関するものである。
セラミック素子の中には、例えば特許文献1に記載されているような圧電アクチュエータがある。この文献に記載の圧電アクチュエータは、内部電極が印刷された圧電セラミックグリーンシートを複数積層して一体化し、焼成した圧電セラミック体を有し、この圧電セラミック体には、積層方向に延在するスルーホールが形成され、このスルーホールの内部には、各層の内部電極同士を電気的に接続する導体リードが設けられている。このようにスルーホールを積層方向に対してストレートに形成した場合には、グリーンシート積層時の位置ズレや、焼成時におけるスルーホール内の導電材料(導体リード)の収縮により、導電材料の断線が生じるという問題があった。
このような不具合を解決するためには、例えば特許文献2に記載されているように、ダミー電極を介して上下のスルーホール同士を接続すると共に、上下のスルーホールが同軸とならないように、積層方向に対してスルーホールを1層おきに千鳥状に配置することが知られている。
特開2000−261055号公報 特開2002−374685号公報
しかしながら、素子の小型化を実現しようとしたり、1素子内に内部電極(主電極)を高密度に配置しようとした場合には、上記従来技術(特許文献2)のようにダミー電極(中継用電極)を挟んで上下に位置するスルーホール同士を単純にずらしただけでは、上下の各スルーホール内に充填された導電材料同士を確実に接続することは困難であり、各層の主電極の接続不良(断線)を引き起こすことがある。
本発明の目的は、スルーホール及び中継用電極を介して、各層の主電極同士の電気的接続を確実に行うことができるセラミック素子を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、セラミック層に設けるスルーホールの径、中継用電極の面積、中継用電極を挟んで配置されるスルーホールの位置関係が最適化されていないと、素子の小型化及び高集積化を実現しようとした場合に、焼成時に生じるスルーホールの収縮等によって、スルーホール内の導電材料の断線が起こりやすくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、主電極と中継用電極とがセラミック層を介して交互に積層されてなるセラミック素子であって、セラミック層における中継用電極に対応する領域内には、導電材料が充填され主電極と中継用電極とを電気的に接続するスルーホールが設けられており、中継用電極は、実質的に矩形状をなしていると共に、主電極の延びる方向に対して垂直な方向に延びており、中継用電極の面積が0.25mm以下であり、中継用電極に対して積層方向の両側に位置する各スルーホールは、セラミック層における中継用電極の対角線上に対応する部位において中継用電極の中心を挟むように形成されており、スルーホールの最大半径をrとしたときに、中継用電極に対して積層方向の両側に位置する各スルーホール同士は、積層方向に対して垂直な方向にr以上離れていることを特徴とするものである。
このようなセラミック素子においては、中継用電極の面積を0.25mm以下とすることにより、素子の小型化及び主電極の高密度化を図ることが可能となる。このとき、中継用電極に対して積層方向の両側に位置する各スルーホール同士を、積層方向に対して垂直な方向にスルーホールの最大半径r以上だけ離すことにより、セラミック素子を作製すべく、主電極及び中継用電極とセラミック層とを積層してなる積層体を一体焼成したときに、各スルーホールの収縮(特にスルーホール内に充填された導電材料の収縮)の影響が互いに及ぶことが抑えられる。この事は、本発明者等による実験やシミュレーション等によって明らかにされている。これにより、スルーホール内の導電材料の断線が防止されるため、各層の主電極同士の電気的接続を確実に行うことができる。
また、中継用電極の形状を矩形状とすることにより、複数の主電極をマトリクス状に配列した構成とする場合に、主電極をスペース効率良く配置可能となるため、素子の小型化及び主電極の高密度化に有利となる。なお、中継用電極の形状としては、完全矩形状に限らず、略矩形状であっても良い。また、中継用電極に対して積層方向の両側に位置する各スルーホールを、セラミック層における中継用電極の対角線上に対応する部位に形成することにより、中継用電極を挟んで位置する各スルーホール間の距離、中継用電極の縁から各スルーホールまでの距離を十分にとることができる。
好ましくは、スルーホールは、中継用電極の縁から、積層方向に対して垂直な方向にr以上離れている。この場合には、主電極及び中継用電極とセラミック層とを積層してなる積層体を一体焼成したときに、スルーホール内の導電材料と中継用電極とセラミック層との収縮の差による影響が互いに及ぶことも抑えられる。これにより、スルーホール内の導電材料の断線が更に防止されるため、各層の主電極同士の電気的接続をより確実に行うことができる。
さらに、好ましくは、スルーホールの最大半径rが50μm以下である。これにより、面積が0.25mm以下である中継用電極に対して、中継用電極を挟んで位置する各スルーホール間の最適距離、中継用電極の縁から各スルーホールまでの最適距離を得ることが可能となる。
本発明によれば、スルーホール及び中継用電極を介して、各層の主電極同士の電気的接続を確実に行うことができる。これにより、セラミック素子の小型化及び高集積化に十分に対処することが可能となる。
以下、本発明に係わるセラミック素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるセラミック素子の一実施形態として積層型圧電素子を示す分解斜視図である。同図において、積層型圧電素子1は、複数の内部個別電極2及びコモン中継用電極3が形成されたセラミック層である圧電体4,5と、内部コモン電極6及び複数の個別中継用電極7が形成されたセラミック層である圧電体8,9と、複数の個別端子電極10及びコモン端子電極11が形成されたセラミック層である圧電体12とを備えている。
積層型圧電素子1は、上から順に圧電体12、圧電体8、圧電体4、圧電体8、圧電体4、圧電体8、圧電体4、圧電体8、圧電体5及び圧電体9を積み重ねた構造をなしている。つまり、内部個別電極2と個別中継用電極7とは、圧電体8及び圧電体4を介して交互に積層され、内部コモン電極6とコモン中継用電極3とは、圧電体4,5及び圧電体8を介して交互に積層されている。
圧電体4,5、圧電体8,9及び圧電体12は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした圧電セラミック材料で形成されている。内部個別電極2、コモン中継用電極3、内部コモン電極6及び個別中継用電極7は、例えばAg及びPdで形成されている。個別端子電極10及びコモン端子電極11は、例えばAg、Au、Cuのいずれかで形成されている。圧電体4等の寸法は、例えば10mm×30mm程度であり、圧電体4等の1層当たりの厚みは、例えば15〜100μm程度である。
圧電体4の上面には、図2に示すように、複数の内部個別電極2及びコモン中継用電極3が形成されている(上述)。内部個別電極2及びコモン中継用電極3は、いずれも矩形状をなしている。内部個別電極2は、圧電体4の上面にマトリックス状に配列されている。このとき、内部個別電極2の形状は長方形状であるため、内部個別電極2のマトリックス化をスペース効率良く行うことが可能となる。コモン中継用電極3は、圧電体4の上面の一端部に配置されている。
また、圧電体4において、各内部個別電極2に対応する領域内にはスルーホール13がそれぞれ形成され、コモン中継用電極3に対応する領域内にはスルーホール14が形成されている。スルーホール13,14は、圧電体4の縁部近傍に形成されている。スルーホール13,14内には、例えばAg及びPdからなる導電材料が充填されている。このとき、導電材料は、スルーホール13,14を形成する圧電体4の内壁面のみに充填(図7及び図8の導電材料Pを参照)しても良く、或いはスルーホール13,14全体に充填しても良い。スルーホール13内の導電材料は内部個別電極2と電気的に接続され、スルーホール内14の導電材料はコモン中継用電極3と電気的に接続されている。
圧電体5の上面には、図3に示すように、圧電体4と同様に、複数の内部個別電極2及びコモン中継用電極3が形成されている(上述)。圧電体5には、圧電体4と同じスルーホール14が形成されているが、上記のスルーホール13は形成されていない。
圧電体8の上面には、図4に示すように、内部コモン電極6及び複数の個別中継用電極7が形成されている(上述)。内部コモン電極6及び個別中継用電極7は、いずれも矩形状をなしている。内部コモン電極6は、圧電体8の上面における両側縁部を除いた領域に略ベタ状に形成されている。複数の個別用中継電極7は、圧電体8の上面の両側縁部に内部コモン電極6を挟むように形成されている。
また、圧電体8において、内部コモン電極6に対応する領域内にはスルーホール15が形成され、各個別中継用電極7に対応する領域内にはスルーホール16がそれぞれ形成されている。スルーホール15,16は、圧電体8の縁部近傍に形成されている。スルーホール15,16内には、上記のスルーホール13,14と同様に導電材料が充填されている。スルーホール15内の導電材料は内部コモン電極6と電気的に接続され、スルーホール16内の導電材料は個別中継用電極7と電気的に接続されている。
圧電体9の上面には、図5に示すように、圧電体8と同様に内部コモン電極6が形成されている。圧電体9には、圧電体8に形成したような個別中継用電極7及びスルーホール15,16は設けられていない。なお、内部コモン電極6は、圧電体9の上面全面にベタ状に形成しても良い。
圧電体12の上面には、図6に示すように、複数の個別端子電極10及びコモン端子電極11が形成されている(上述)。個別端子電極10及びコモン端子電極11は、いずれも矩形状をなしている。個別端子電極10は、個別中継用電極7に対応する部位に形成され、コモン端子電極11は、コモン中継用電極8に対応する部位に形成されている。
また、圧電体12において、各個別端子電極10に対応する領域内にはスルーホール17がそれぞれ形成され、コモン端子電極11に対応する領域内にはスルーホール18が形成されている。スルーホール17,18は、圧電体12の縁部近傍に形成されている。スルーホール17,18内には、上記のスルーホール13,14と同様に導電材料が充填されている。スルーホール17内の導電材料は個別端子電極10と電気的に接続され、スルーホール18内の導電材料はコモン端子電極11と電気的に接続されている。
このような積層型圧電素子1において、個別端子電極10は、スルーホール17、個別中継用電極7、スルーホール16及びスルーホール13を介して各層の内部個別電極2と電気的に接続されている。コモン端子電極11は、スルーホール18、スルーホール15、コモン中継用電極3及びスルーホール14を介して各層の内部コモン電極6と電気的に接続されている。なお、スルーホール13,14、スルーホール15,16及びスルーホール17,18の形状としては、導電材料を充填しやすくするために、上面側の径が下面側の径よりも大きいテーパー状であるのが好ましい(図7参照)。
個別端子電極10と個別中継用電極7と内部個別電極2とをつなぐためのスルーホール13,17及びスルーホール16は、図7に示すように、積層方向に対して1層おきに千鳥状に配置されている。また、コモン端子電極11とコモン中継用電極3と内部コモン電極6とをつなぐためのスルーホール15及びスルーホール14,18も、図示はされていないが、積層方向に対して1層おきに千鳥状に配置されている。
ここで、個別中継用電極7の面積が大きいほど、個別中継用電極7に対して上下に位置するスルーホール13,17とスルーホール16との接続が行いやすくなるが、これでは素子の小型化及び内部個別電極2の高密度化が困難となる。1素子内に300個以上の内部個別電極2を効率良く高密度に配列する場合には、個別中継用電極7の面積を0.25mm以下とする必要がある。
また、個別中継用電極7の大きさに併せて、スルーホール13,16,17の径を大きくしたほうが、スルーホール13,16,17内への導電材料Pの充填が容易に行えるが、圧電体4,8,12の厚みに対してスルーホール13,16,17の径を必要以上に大きくすると、焼成時(後述)にスルーホール部分での歪みが大きくなる。このため、スルーホール13,16,17の最大直径としては、圧電体4,8,12の厚みの1.5倍を越えない範囲とするのが望ましい。このとき、例えば個別中継用電極7の面積が0.25mm以下である場合には、スルーホール13,16,17の最大半径(以下、スルーホール最大半径)rは50μm以下であるのが望ましい。
個別中継用電極7に対して上側に位置するスルーホール13,17と個別中継用電極7に対して下側に位置するスルーホール16とは、図8に示すように、個別中継用電極7の一方の対角線上に対応する部位において個別中継用電極7の中心を挟むように形成されているのが好ましい。なお、図7は、個別中継用電極7の一方の対角線に沿った断面図である。そして、スルーホール13,17の縁とスルーホール16の縁との間の積層方向に対して垂直な方向に沿った最短距離Dは、スルーホール最大半径r以上である。また、個別中継用電極7の縁とスルーホール13,16,17の縁との間の積層方向に対して垂直な方向の最短距離Dは、好ましくはスルーホール最大半径r以上である。このとき、スルーホール13,17とスルーホール16とを個別中継用電極7の対角線上に対応する部位に離して配置することにより、上記の距離D,Dがかせぎやすくなる。
コモン中継用電極3の面積は、上記の個別中継用電極7の面積と同じであり、スルーホール14,15,18の最大半径は、上記のスルーホール最大半径rと同じである。また、コモン中継用電極3に対して上側に位置するスルーホール15とコモン中継用電極3に対して下側に位置するスルーホール14との位置関係は、上記のスルーホール13,17とスルーホール16との位置関係と同じであり、コモン中継用電極3とスルーホール14,15との位置関係は、上記の個別中継用電極7とスルーホール13,16,17との位置関係と同じである。
以上のように構成された積層型圧電素子1において、何れかの個別端子電極10とコモン端子電極11との間に所定の電圧を印加すると、当該個別端子電極10に対応する内部個別電極2と内部コモン電極6との間に電圧が印加されることとなる。これにより、圧電体4,8において当該内部個別電極2と内部コモン電極6とに挟まれた部分(圧電活性部)に電界が生じ、その圧電活性部が積層方向に変位するようになる。
次に、上述した積層型圧電素子1を製造する手順について説明する。まず、例えばPZTを主成分とした圧電セラミックを用意し、これに有機バインダ・有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、PETフィルムをキャリアフィルムとしてペーストをシート成形することで、上記の圧電体(セラミック層)4,8,12となるセラミックグリーンシートを形成する。シート成形後、グリーンシートは、キャリアフィルムごとリールに巻き取られ、次工程に用いられる。
続いて、グリーンシートをキャリアフィルムごと加工装置内に搬送し、例えばYAGの3次高調波レーザ光をグリーンシートの所定位置に対して照射することで、グリーンシートにスルーホールを形成する。このとき、レーザの照射条件(マスク径、加工エネルギー等)を変えることにより、スルーホールの径及び形状を変えることが可能となる。そして、例えばAg:Pd=7:3の比率で構成された導電材料と有機バインダ・有機溶剤等とを混合した導電ペーストを作製し、スクリーン印刷法等によりスルーホール内に導電ペーストを充填する。
続いて、例えばスルーホール内に充填されたものと同じ導電ペーストを用いて、スクリーン印刷法等によりグリーンシートの表面の所定領域に、上記の内部個別電極2、コモン中継用電極3、内部コモン電極6及び個別中継用電極7となる内部電極パターンを形成する。
続いて、内部電極パターンが印刷された各種のグリーンシートを所定の枚数だけ所定の順序で積層し、更にその上に、内部電極パターンが印刷されていないグリーンシートを積層することにより、グリーン積層体を形成する。このとき、グリーンシート上の基準位置を基にしてカメラによる画像処理を行い、積層するグリーンシートの位置決めを行うことで、内部電極パターンの相対位置が分かりやすくなり、グリーンシート同士の積層ズレを避けることが可能となる。
続いて、グリーン積層体に対し、例えば60℃程度の熱を加えながら100MPa程度の圧力でプレス加工を行い、各層のグリーンシートを圧着させる。その後、グリーン積層体を所定の寸法に切断する。
続いて、グリーン積層体をセッターに載せ、グリーン積層体の脱脂(脱バインダ)を例えば400℃前後の温度で10時間程度行う。その後、グリーン積層体が載置されたセッターを密閉匣鉢内に入れ、グリーン積層体の焼成を例えば1100℃程度の温度で2時間程度行い、焼結体を得る。
続いて、焼成後の素子の上面に、例えばAgからなる個別端子電極10及びコモン端子電極11を形成する。端子電極10,11の形成手法としては、焼付、スパッタリング、無電解メッキ法などが用いられる。
最後に、例えば温度120℃の環境下で、圧電体4,8の厚みに対する電界強度が3kV/mmとなるように電圧を例えば3分間印加することにより、素子の分極処理を行う。これにより、圧電セラミックアクチュエータとしての積層型圧電素子1が完成する。
このような積層型圧電素子1の製造工程において、グリーン積層体をプレスしたときには、グリーン積層体の積層方向にスルーホールが押しつぶされることで変形し、スルーホールの開口部が広がってしまう傾向にある。このとき、個別中継用電極7に対して上下に位置するスルーホール13,17とスルーホール16とが積層方向に対して垂直な方向に近づきすぎていると、グリーン積層体のプレス時に、スルーホール13,17とスルーホール16とが重なってしまう。このため、グリーン積層体の焼成時に、グリーンシートの収縮率よりもスルーホール13,16,17内の導電材料Pの収縮率が大きくなることから、導電材料Pの断線が起こりやすくなる。また、その時には導電材料Pの接続状態が確保されていても、その後の素子の分極時や駆動時に、素子の歪みにより導電材料Pが断線することがある。このような不具合は、コモン中継用電極3の上下に位置するスルーホール14,15同士でも起こりうる。
これに対し、本実施形態の積層型圧電素子1では、個別中継用電極7に対して上下に位置するスルーホール13,17とスルーホール16とをスルーホール最大半径r以上離して配置するようにしたので、グリーン積層体のプレス時に、スルーホール13,17とスルーホール16とが重なってつながることが防止される。このため、その後のグリーン積層体の焼成時に、スルーホール13,16,17内に充填された導電材料Pの収縮の影響による導電材料Pの断線が起こりにくくなる。また、素子の分極時や駆動時に発生する歪みによる導電材料Pの断線も起こりにくくなる。さらに、スルーホール13,16,17は、個別中継用電極7の縁からスルーホール最大半径r以上離れて配置されているので、グリーン積層体の焼成時に、スルーホール13,16,17内の導電材料Pと個別中継用電極7とグリーンシートとの収縮率の差による影響に起因した導電材料Pの断線も起こりにくくなる。
また、コモン中継用電極3に対して上下に位置するスルーホール14,15同士をスルーホール最大半径r以上離して配置すると共に、スルーホール14,15を個別中継用電極7の縁からスルーホール最大半径r以上離して配置したので、グリーン積層体の焼成時などにおいて、スルーホール14,15内に充填された導電材料Pの断線が起こりにくくなる。
このように各スルーホール内の導電材料Pの断線不良が防止されるので、個別端子電極10と各層の内部個別電極2との電気的接続、コモン端子電極11と各層の内部コモン電極6との電気的接続を確実に確保することができる。従って、積層型圧電素子1の小型化及び内部個別電極2の高密度化を図りつつ、積層型圧電素子1の信頼性を向上させることが可能となる。
以上のような本発明に係わる積層型圧電素子において、個別中継用電極に対して上下に位置する各スルーホール間の距離がスルーホール内の導電材料の断線に与える影響について、実際に検証を行った。
ここで、使用する素子内には、200組の個別電極がマトリックス状に配置されている。また、個別中継用電極の面積は0.25mm(0.625mm×0.4mm)、各スルーホールの最大半径rは50μmとなっている。
このような積層型圧電素子を20個作製し、200組全ての個別電極に対応するスルーホール内の導電材料が接続されている素子数を調べた。このとき、全ての個別電極に対して所定の素子容量が得られる素子を良品とした。なお、素子容量の測定は、LCRメータによって行った。その時の結果を図9に示す。
図9から分かるように、個別中継用電極に対して上下に位置する各スルーホール間の距離がスルーホール最大半径r(50μm)以上である場合には、素子の良品率が100%であった。これにより、本発明の効果が実証できた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、内部個別電極2及び内部コモン電極6が交互に複数層積層されてなる構造としたが、特に大きな変位量を必要としないのであれば、個別電極及びコモン電極の層数は各々1層だけであっても良い。この場合には、個別中継用電極7及びコモン中継用電極3も、1層だけあれば良い。
また、上記実施形態では、個別中継用電極7及びコモン中継用電極3の形状を、正方形を含む完全矩形状または略矩形状としたが、中継用電極の形状としては特にこれには限られず、例えば円形状や楕円形状などであっても良い。
さらに、上記実施形態は圧電素子についてであるが、本発明のセラミック素子は、特に圧電素子に限定されず、セラミックコンデンサ等にも適用可能である。
本発明に係わるセラミック素子の一実施形態として積層型圧電素子を示す分解斜視図である。 図1に示した内部個別電極及びコモン中継用電極が形成された圧電体の平面図である。 図1に示した内部個別電極及びコモン中継用電極が形成された他の圧電体の平面図である。 図1に示した内部コモン電極及び個別中継用電極が形成された圧電体の平面図である。 図1に示した内部コモン電極及び個別中継用電極が形成された他の圧電体の平面図である。 図1に示した個別端子電極及びコモン端子電極が形成された圧電体の平面図である。 図1に示した積層型圧電素子の垂直方向拡大断面図である。 図4に示した圧電体において個別中継用電極の部分の平面図である。 個別中継用電極に対して上下に位置する各スルーホール間の距離と素子良品率との関係についての検証結果を示したグラフである。
符号の説明
1…積層型圧電素子(セラミック素子)、2…内部個別電極(主電極)、3…コモン中継用電極、4,5…圧電体(セラミック層)、6…内部コモン電極(主電極)、7…個別中継用電極、8,9…圧電体(セラミック層)、10…個別端子電極(主電極)、11…コモン端子電極(主電極)、12…圧電体(セラミック層)、13〜18…スルーホール、P…導電材料。

Claims (3)

  1. 主電極と中継用電極とがセラミック層を介して交互に積層されてなるセラミック素子であって、
    前記セラミック層における前記中継用電極に対応する領域内には、導電材料が充填され前記主電極と前記中継用電極とを電気的に接続するスルーホールが設けられており、
    前記中継用電極は、実質的に矩形状をなしていると共に、前記主電極の延びる方向に対して垂直な方向に延びており、
    前記中継用電極の面積が0.25mm以下であり、
    前記中継用電極に対して積層方向の両側に位置する前記各スルーホールは、前記セラミック層における前記中継用電極の対角線上に対応する部位において前記中継用電極の中心を挟むように形成されており、
    前記スルーホールの最大半径をrとしたときに、前記中継用電極に対して積層方向の両側に位置する各スルーホール同士は、前記積層方向に対して垂直な方向にr以上離れていることを特徴とするセラミック素子。
  2. 前記スルーホールは、前記中継用電極の縁から、前記積層方向に対して垂直な方向にr以上離れていることを特徴とする請求項1記載のセラミック素子。
  3. 前記スルーホールの最大半径rが50μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック素子。
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