JP5869335B2 - 積層コンデンサ - Google Patents
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Description
このような積層コンデンサは、第1内部電極層と第2内部電極層との間に絶縁層が挟まれてなる複数のコンデンサを並列接続した構造を有し、小型で大容量のコンデンサとして広く利用されている。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、耐電圧性に起因した故障の発生を抑制する技術を提供することを目的とする。
さらに、第2配置方向が第1配置方向と直交するとともに第3配置方向が第1配置方向と逆になっている。このため、第1,3内部電極層に所定の第1電圧を印加するともに、第2,4内部電極層に第1電圧と異なる第2電圧を印加すると、第1,2コンデンサで流れる電流の向きと、第3,4コンデンサで流れる電流の向きとを逆にすることができる。そして、第1,2コンデンサは第3,4コンデンサと隣接しているため、第1,2コンデンサで発生する磁束と第3,4コンデンサで発生する磁束が互いに打ち消しあい、これにより、第1,2コンデンサと第3,4コンデンサが配置されている領域でインダクタンスを低減することができる。この場合、第1,3内部電極層は同極性となり、第2,4内部電極層は同極性となる一方、第1内部電極層と第2内部電極層は異極性となる。
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
図1は、本発明が適用された第1実施形態の積層コンデンサ1の概略構成を示す断面図である。
電極積層部30は、複数のセラミック層2と複数の内部電極層3とが積層方向SDに沿って交互に積層された構造を有している。以下、電極積層部30を構成する内部電極層3を内部電極層33という。
積層コンデンサ1は、図2に示すように、平面視で矩形状に形成されている。
(1)スラリーの調製
まず、チタン酸バリウム粉末と、MgO,CaO,SiO2,MnO2,Y2O3などが混合されている誘電体セラミック粒子粉末と、分散剤と、可塑剤とを、エタノールおよびトルエンの混合溶媒中で湿式混合した。その後、ブチラール系バインダを添加して更に混合することにより、グリーンシート用スラリーを調製した。
調製したグリーンシート用スラリーを、ドクターブレード法などの汎用の方法により、所望の厚さとなるように塗工し乾燥させて、未焼成セラミックグリーンシートを得た。
導電性粒子(ニッケル粉末)と共材粉末(チタン酸バリウム粉末)と有機ビヒクル成分とを所定の体積割合で湿式混合して、内部電極用ペーストを得た。また本実施形態において、共材とは、グリーンシートを構成する材料と共通の成分を含む材料である。
導電性粒子(ニッケル粉末)と共材粉末(チタン酸バリウム粉末)と有機ビヒクル成分とを、内部電極用ペーストの調製とは異なる所定の体積割合で湿式混合して、ビア導体用ペーストを得た。
ニッケル粉末と所定量の共材粉末とを混合して表面電極用ペーストを得た。共材には、チタン酸バリウム粉末と、チタン酸バリウムを主材とする誘電体磁器組成物(MgO,CaO,SiO2,MnO2,Y2O3等の希土類を主に含んでいる)の粉末を使用した。
上記(1)で得られたセラミックグリーンシートの表面に、上記(3)で得られた内部電極用ペーストをスクリーン印刷により印刷した。
(7)ビアホール形成工程
上記(6)で得られた未焼成積層体に、レーザ成形機を用いて、ビアホールを穿孔した。
上記(7)で得られた未焼成積層体のビアホール内に、上記(4)で得られたビア導体用ペーストをスクリーン印刷により充填して、未焼成ビア電極を形成した。
上記(8)で得られた積層体を、80℃、100PMaの条件にて熱圧着を行った。
(10)未焼成表面電極形成工程
上記(9)で得られた未焼成積層体をスクリーン印刷装置にセットし、メッシュマスクを、未焼成積層体の上に重ね合わせるようにして配置する。このメッシュマスクは、表面電極を形成すべき箇所にメッシュ部が形成されている。そして、メッシュマスクの上面に、上記(5)で得られた表面電極用ペーストを供給し、スキージの移動によって表面電極用ペーストを刷り込む。これにより、メッシュ部に表面電極パターンが形成される。その後、メッシュマスクを未焼成積層体から引き離すとともに、未焼成積層体をスクリーン印刷装置から取り外し、取り外した未焼成積層体を乾燥することにより、表面電極パターンをある程度固化させる。
上記(10)で得られた未焼成積層体を、大気中300℃で15時間脱脂した後、還元雰囲気中1300℃で焼成することにより、焼成積層体を得た。その後、焼成積層体を個片に分割して、複数個のビアアレイ型積層セラミックコンデンサを得た。
以上説明した実施形態において、内部電極層13は本発明における第1内部電極層、セラミック層12は本発明における第1絶縁層、ビア導体14は本発明における第1ビア導体、電極積層部10は本発明における第1電極積層部、内部電極層23は本発明における第2内部電極層、セラミック層22は本発明における第2絶縁層、ビア導体24は本発明における第2ビア導体、電極積層部20は本発明における第2電極積層部、内部電極層33は本発明における第1非接続電極層である。
以下に本発明の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態の積層コンデンサ1は、図3(a)に示すように、電極積層部30の代わりに電極積層部40を設けた点以外は第1実施形態と同じである。
さらに、電極積層部10aから電極積層部20aへ向う方向が電極積層部10cから電極積層部20cへ向う方向と逆になっている。このため、第1,2コンデンサで流れる電流の向きと、第3,4コンデンサで流れる電流の向きとを逆にすることができる。そして、第1,2コンデンサは第3,4コンデンサと隣接しているため、第1,2コンデンサで発生する磁束と第3,4コンデンサで発生する磁束が互いに打ち消しあい、これにより、第1,2コンデンサと第3,4コンデンサが配置されている領域でインダクタンスを低減することができる。
以下に本発明の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
そして、積層コンデンサ1の上面と下面のそれぞれに設けられている表面電極5のうち、下面側の表面電極5は、第1実施形態の表面電極5と同じである。また、積層コンデンサ1の上面と下面のそれぞれに設けられている表面電極6のうち、上面側の表面電極6は、第1実施形態の表面電極6と同じである。
さらに、積層コンデンサ1において、図5(b)に示すように、電極積層部10a,20cに対応した内部電極層532aと、電極積層部20a,10cに対応した内部電極層532bとが設けられている。
以下に本発明の第4実施形態を図面とともに説明する。なお第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
電極積層部60は、複数のセラミック層2と複数の内部電極層3とが積層方向SDに沿って交互に積層された構造を有している。以下、電極積層部60を構成する内部電極層3を内部電極層63という。
(第5実施形態)
以下に本発明の第5実施形態を図面とともに説明する。なお第5実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第5実施形態の積層コンデンサ1は、図7に示すように、複数の電極積層部10と、複数の電極積層部20とを、積層方向SDに直交する方向に沿って交互に配置するとともに、電極積層部10,20に電気的に接続されていない電極積層部70を、電極積層部10と電極積層部20との間に配置して構成される。
第5実施形態の積層コンデンサ1は、図8に示すように、平面視で矩形状に形成されている。
(第6実施形態)
以下に本発明の第6実施形態を図面とともに説明する。なお第6実施形態では、第5実施形態と異なる部分のみを説明する。
そして、積層コンデンサ1の上面と下面のそれぞれに設けられている表面電極5のうち、下面側の表面電極5は、第5実施形態の表面電極5と同じである。また、積層コンデンサ1の上面と下面のそれぞれに設けられている表面電極6のうち、上面側の表面電極6は、第5実施形態の表面電極6と同じである。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
Claims (7)
- 複数の第1内部電極層と複数の第1絶縁層とを交互に積層して構成される第1積層部分と、前記第1積層部分の積層方向に沿って前記第1積層部分を貫通する第1ビア導体とを有する第1電極積層部と、
前記積層方向に直交する方向に沿って前記第1電極積層部に隣接し、複数の第2内部電極層と複数の第2絶縁層とを前記積層方向に沿って交互に積層して構成される第2積層部分と、前記積層方向に沿って前記第2積層部分を貫通する第2ビア導体とを有する第2電極積層部と、
前記積層方向に沿って互いに隣接する2つの前記第1内部電極層間において該第1内部電極層と対向するように配置されるとともに、前記積層方向に沿って互いに隣接する2つの前記第2内部電極層間において該第2内部電極層と対向するように配置されるとともに前記積層方向に直交する面において全体に亘って形成され、且つ、前記第1内部電極層および前記第2内部電極層と電気的に接続されない内部電極層である第1非接続電極層とを備え、
前記積層方向に直交する列方向および行方向のそれぞれに沿って前記第1電極積層部と前記第2電極積層部が交互に配置される二次元格子状配列されている
ことを特徴とする積層コンデンサ。 - 前記積層方向に直交する方向に沿って前記第2電極積層部に隣接し、複数の第3内部電極層と複数の第3絶縁層とを前記積層方向に沿って交互に積層して構成される第3積層部分と、前記積層方向に沿って前記第3積層部分を貫通する第3ビア導体とを有する第3電極積層部を備え、
前記第1非接続電極層は、前記積層方向に沿って前記第3内部電極層と非対向となるように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。 - 前記第3内部電極層は、前記第1内部電極層と電気的に接続され、
前記積層方向に直交する方向に沿って前記第3電極積層部に隣接し、前記第2内部電極層と電気的に接続される複数の第4内部電極層と複数の第4絶縁層とを前記積層方向に沿って交互に積層して構成される第4積層部分と、前記積層方向に沿って前記第4積層部分を貫通する第4ビア導体とを有する第4電極積層部と、
前記積層方向に沿って互いに隣接する2つの前記第3内部電極層間において該第3内部電極層と対向するように配置されるとともに、前記積層方向に沿って互いに隣接する2つの前記第4内部電極層間において該第4内部電極層と対向するように配置され、且つ、前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および前記第1非接続電極層と電気的に接続されない内部電極層である第2非接続電極層とを備え、
前記第1ビア導体から前記第2ビア導体へ向う方向を第1配置方向とし、前記第2ビア導体から前記第3ビア導体へ向う方向を第2配置方向とし、前記第3ビア導体から前記第4ビア導体へ向う方向を第3配置方向として、
前記第2配置方向が前記第1配置方向と直交するように前記第3電極積層部は配置されるとともに、前記第3配置方向が前記第1配置方向と逆になるように前記第4電極積層部は配置され、
前記第2非接続電極層は、前記積層方向に沿って前記第1内部電極層と非対向となるとともに、前記積層方向に沿って前記第2内部電極層と非対向となるように配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の積層コンデンサ。 - 前記積層方向に沿って、1つの前記第1内部電極層を挟んで前記第1非接続電極層とは反対側に配置されるとともに、1つの前記第4内部電極層を挟んで前記第2非接続電極層とは反対側に配置され、且つ、前記第1内部電極層および前記第2内部電極層と電気的に接続されない内部電極層である第3非接続電極層と、
前記積層方向に沿って、1つの前記第2内部電極層を挟んで前記第1非接続電極層とは反対側に配置されるとともに、1つの前記第3内部電極層を挟んで前記第2非接続電極層とは反対側に配置され、且つ、前記第1内部電極層、前記第2内部電極層、および前記第3非接続電極層と電気的に接続されない内部電極層である第4非接続電極層とを備える
ことを特徴とする請求項3に記載の積層コンデンサ。 - 前記積層方向に直交する方向に沿って前記第2電極積層部に隣接して配置され、複数の第3内部電極層と複数の第3絶縁層とを前記積層方向に沿って交互に積層して構成される第3積層部分と、前記積層方向に沿って前記第3積層部分を貫通する第3ビア導体とを有する第3電極積層部と、
前記積層方向に沿って、1つの前記第1内部電極層を挟んで前記第1非接続電極層とは反対側に配置されるとともに、1つの前記第2内部電極層を挟んで前記第1非接続電極層とは反対側に配置され、且つ、前記第1内部電極層および前記第2内部電極層と電気的に接続されない内部電極層である第5非接続電極層とを備え、
前記第1非接続電極層は、前記積層方向に沿って前記第3内部電極層と対向するように配置され、
前記第5非接続電極層は、前記積層方向に沿って前記第3内部電極層と非対向となるように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。 - 前記第1ビア導体と前記第2ビア導体と間に配置されて前記積層方向に沿って貫通し、且つ、前記第1内部電極層および前記第2内部電極層と電気的に接続されない第5ビア導体を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の積層コンデンサ。 - 前記積層方向に沿って貫通するとともに、前記第1非接続電極層と電気的に接続され、かつ前記第1内部電極層および前記第2内部電極層と電気的に接続されない第1非接続ビア導体を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の積層コンデンサ。
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