JP5169944B2 - 積層貫通コンデンサの製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層貫通コンデンサの製造方法に関する。
積層貫通コンデンサとして、誘電体層と信号用内部電極及び接地用内部電極とが交互に積層されたコンデンサ素体と、当該コンデンサ素体に形成された信号用端子電極及び接地用端子電極とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。積層貫通コンデンサを製造する場合、誘電体層となるセラミックグリーンシートそれぞれの上面に印刷形成される内部電極の厚みで段差が生じるため、各グリーンシートをそのまま積層して圧着すると、段差により、クラックなどの内部構造欠陥を発生させてしまう懼れがあった。このため、例えば特許文献2に記載された製造方法では、内部電極の非形成領域(段差部)に対応する開口を有するスクリーン製版を用いてグリーンシート上の段差部にセラミックペースト等を塗布して段差吸収層を形成し、これにより、内部構造欠陥の発生を抑制させていた。
特開平1−206615号公報 特開2001−126951号公報
しかしながら、段差吸収層の形成の際に位置ずれやパターンの変形等が生じてしまうことがあった場合、本来、段差吸収層が形成されないはずの内部電極上に段差吸収層が形成され、段差を吸収するための段差吸収層が新たな段差を生じさせてしまうこととなっていた。このため、内部電極の厚みに起因する内部構造欠陥の発生を段差吸収層で抑制させることはできるものの、この段差吸収層が内部電極上にも形成されてしまうことにより、内部電極上の段差吸収層の厚みに起因するデラミネーション(層間剥離)やクラックといった内部構造欠陥が新たに発生してしまうといった問題があった。
本発明は、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することが可能な積層貫通コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層貫通コンデンサの製造方法は、第1のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、第1の方向で対向する一端から他端に延出するように第1の内部電極を形成し、第1の方向に平行な外縁に沿って第1の内部電極上に第1段差吸収層を形成する第1形成工程と、第2のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、第1の方向で対向する一端及び他端に至らない範囲で延出すると共に当該延出する部分から第1の方向に交差する第2の方向で対向する一端及び他端に引き出されるように第2の内部電極を形成し、第1の方向に平行な外縁及び第2の方向に平行な外縁に沿って第2の内部電極と離間して第2段差吸収層を形成する第2形成工程と、第3のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、第1の内部電極の第2の方向における幅よりも狭い幅で第1の方向で対向する一端から他端に延出するように第3の内部電極を形成し、第1の方向に平行な外縁に沿って第3の内部電極と離間して第3段差吸収層を形成する第3形成工程と、第4のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、第2の内部電極の延出する部分の第1の方向における幅よりも広く且つ第1の方向で対向する一端及び他端に至らない範囲で延出すると共に、当該延出する部分から第2の方向で対向する一端及び他端に、第2の内部電極の引き出される部分の第1の方向における幅よりも広い幅で引き出されるように第4の内部電極を形成し、第1の方向に平行な外縁に沿って第4の内部電極上に第4段差吸収層を形成し且つ第2の方向に平行な外縁に沿って第4の内部電極上に第5段差吸収層を形成する第4形成工程と、第1及び第3の内部電極が第2の内部電極を挟むと共に第2及び第4の内部電極が第3の内部電極を挟むように、第1、第2、第3及び第4のグリーンシートを積層する積層工程と、を備え、第1形成工程、第2形成工程、第3形成工程、第4形成工程及び積層工程の少なくともいずれか1つの工程において、積層方向からみて、第1段差吸収層が、第2の内部電極の第1の方向に平行な外縁と第2段差吸収層とが離間した間の第1離間領域に位置するように第1のグリーンシートと第2のグリーンシートとの位置合わせを行い、且つ、第4段差吸収層が、第3の内部電極と第3段差吸収層とが離間した間の第2離間領域に位置するように第3のグリーンシートと第4のグリーンシートとの位置合わせを行い、且つ、第5段差吸収層が、第2の内部電極の第2の方向に平行な外縁と第2段差吸収層とが離間した間の第3離間領域に位置するように第2のグリーンシートと第4のグリーンシートとの位置合わせを行うことを特徴とする。
本発明に係る積層貫通コンデンサの製造方法では、第1形成工程において、第1の内部電極上に第1段差吸収層を形成し、第4形成工程において、第4の内部電極上に第4段差吸収層及び第5段差吸収層を形成している。また、第2形成工程において、第2段差吸収層を離間形成して第1離間領域及び第3離間領域を設け、第3形成工程において、第3段差吸収層を離間形成して第2離間領域を設けている。そして、積層方向からみて、第1段差吸収層が第1離間領域に、第4段差吸収層が第2離間領域に、第5段差吸収層が第3離間領域にそれぞれ位置するように各グリーンシートを位置合わせしている。このように、内部電極上に積極的に段差吸収層を形成すると共に、その段差吸収層に対向する箇所に離間領域が当初から設けられるように設定されているため、段差吸収層が多少ずれて形成されたとしても、あらかじめ設けられた離間領域で吸収することができ、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
好ましくは、第1形成工程及び第3形成工程において、第1の内部電極の電極形成領域と第3の内部電極の電極形成領域とが第1の方向に隣接して交互に配置されるように第1の内部電極と第3の内部電極とを同一のグリーンシート上に形成したものを第1及び第3のグリーンシートとして少なくとも2つ作製し、第2形成工程及び第4形成工程において、第2の内部電極の電極形成領域と第4の内部電極の電極形成領域とが第1の方向に隣接して交互に配置されるように第2の内部電極と第4の内部電極とを同一のグリーンシート上に形成したものを第2及び第4のグリーンシートとして少なくとも2つ作製し、積層工程において、第1及び第3のグリーンシートとして作製された両グリーンシートの一方に形成された第1の内部電極の電極形成領域と他方に形成された第3の内部電極の電極形成領域とが積層方向からみて一致するように第1及び第3のグリーンシートのうち少なくとも一方を第1の方向にずらして積層し、積層工程において、第2及び第4のグリーンシートとして作製された両グリーンシートの一方に形成された第2の内部電極の電極形成領域と他方に形成された第4の内部電極の電極形成領域とが積層方向からみて一致するように第2及び第4のグリーンシートのうち少なくとも一方を第1の方向にずらして積層する。このようにすれば、2種類のグリーンシートを作製するだけで第1〜第4のグリーンシートを得ることができるため、製造工程を複雑にすることなく、段差吸収層による内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
好ましくは、第1形成工程、第2形成工程、第3形成工程及び第4形成工程の少なくともいずれかの1つの工程において、第1段差吸収層の第2の方向における乗上幅、第4段差吸収層の第2の方向における乗上幅、及び第5段差吸収層の第1の方向における乗上幅の少なくともいずれかの1つの乗上幅が、第1離間領域、第2離間領域及び第3離間領域のうち位置合わせされる離間領域の同方向における離間幅以下となるように形成する。この場合、内部電極上の段差吸収層の乗上幅が、その段差吸収層に対応する離間領域の離間幅以下となっているため、段差吸収層が多少ずれて形成されたとしても、幅広な離間領域で吸収することができ、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
好ましくは、第1形成工程及び第4形成工程のうち少なくともいずれか一方の工程において、第1及び第4の内部電極の少なくとも一方の内部電極を、縁部の積層方向における厚みが当該内部電極において最大厚みとなるように形成し、第1段差吸収層、第4段差吸収層、及び第5段差吸収層の少なくともいずれかの1つの段差吸収層を、最大厚みとなる縁部に重なるように形成する。この場合、段差吸収層が、その段差吸収層が形成される内部電極の最大厚みとなる端部に重なるように形成されているため、段差吸収層が多少ずれて形成されたとしても、段差吸収層が十分に形成されることとなり、不要な隙間が形成されにくくなる。これにより、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
本発明によれば、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することが可能な積層貫通コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層貫通コンデンサの斜視図である。 図1に示した積層貫通コンデンサの層構造を示す断面図である。 各内部電極層の平面図である。 図1に示した積層貫通コンデンサの製造工程を示すフローチャートである。 グリーンシート上に形成された電極パターンや吸収層パターンを示す図である。 各内部電極層の積層順序を図3のVI-VI線に沿って模式的に示す図である。 各内部電極層の積層順序を図3のVII-VII線に沿って模式的に示す図である。 内部電極層の別の例を示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る積層貫通コンデンサの製造方法によって製造される積層貫通コンデンサ1の構成について説明する。積層貫通コンデンサ1は、コンデンサ素体2と、信号用端子電極3,3と、接地用端子電極4,4と、第1及び第2の信号用内部電極層10,30と、第1及び第2の接地用内部電極層20,40とを備えて構成されている。
コンデンサ素体2は、図2に示すように、複数の誘電体層5が積層されて形成され、略直方体形状をなしている。誘電体層5は、例えばBaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、(Ba,Ca)TiO系といった電歪特性を有する誘電体材料によって形成されている。
信号用端子電極3,3は、コンデンサ素体2における長手方向の端面2a,2aを覆うようにそれぞれ形成され、互いに対向した状態となっている。信号用端子電極3は、多層化されており、コンデンサ素体2に接する内側の層には、例えばCu,Ni,Ag−Pdなどが用いられ、外側の層には、例えばNi−Snなどのめっきが施されている。
接地用端子電極4,4は、コンデンサ素体2において、端面2a,2aと直交する端面2b,2bの略中央部分にそれぞれ形成され、互いに対向した状態となっている。接地用端子電極4は、信号用端子電極3と同様の材料によって多層化されている。また、接地用端子電極4は、コンデンサ素体2の表面において、信号用端子電極3とは互いに電気的に絶縁されている。
第1及び第2の信号用内部電極層10,30と第1及び第2の接地用内部電極層20,40とは、コンデンサ素体2内において、少なくとも1層の誘電体層5を挟むようにして交互に積層されている。第1及び第2の信号用内部電極層10,30と第1及び第2の接地用内部電極層20,40との間に介在する誘電体層5の厚さは、例えば2〜3μm程度に薄層化されている。
ここで、第1及び第2の信号用内部電極層10,30と第1及び第2の接地用内部電極層20,40とについて図3を参照して詳細に説明する。説明の便宜上、端面2a,2aの対向方向(第1の方向)をX軸方向とし、端面2b,2bの対向方向(第2の方向)をY軸方向とする。
第1の信号用内部電極層10は、図3(a)に示されるように、第1の信号用内部電極(第1の内部電極)11と、信号用段差吸収層12と、信号用段差吸収層(第1段差吸収層)13とを有する。第1の信号用内部電極11は、誘電体層5上のY軸方向の中央部に、X軸方向に対向する一方の端面2aから他方の端面2aに同一幅で延出するように形成された矩形状の内部電極である。第1の信号用内部電極11は、積層時に第1の接地用内部電極層20と対向する対向部11aと、当該対向部11aから両端面2aに向かって引き出される引出部11bとを含む。第1の信号用内部電極11は、上記構成により、両端面2aに形成される信号用端子電極3を互いに電気的に接続する。
信号用段差吸収層12は、第1の信号用内部電極11の積層方向の厚み(段差)による内部構造欠陥を防止するための段差吸収層である。信号用段差吸収層12は、第1の信号用内部電極11のX軸方向に平行な外縁に沿って誘電体層5上に形成される。信号用段差吸収層12の積層方向における厚みは、第1の信号用内部電極11の積層方向の厚みと同程度の厚みである(図6参照)。
信号用段差吸収層13は、X軸方向に平行な外縁に沿って第1の信号用内部電極11の対向部11a上に形成される矩形状の段差吸収層である。信号用段差吸収層13は、第2の信号用内部電極層30に形成される離間領域33(詳細は後述する)の一部に対応する第1吸収部13aと、第1吸収部13aの端部に連接して形成され、第1の接地用内部電極層20に形成される離間領域23(詳細は後述する)に対応する第2吸収部13bとを含む。信号用段差吸収層13のY軸方向における乗上幅は、第1の接地用内部電極層20に形成される離間領域23のY軸方向における離間幅以下である。
第1の接地用内部電極層20は、図3(b)に示されるように、第1の接地用内部電極(第2の内部電極)21と、接地用段差吸収層(第2段差吸収層)22とを有する。第1の接地用内部電極21は、誘電体層5上の中心部に十字形状のパターンをなして形成され、X軸方向に沿って延出する対向部21aとY軸方向に沿って延出する引出部21bとを含む。対向部21aは、X軸方向で対向する両端面2aに至らない範囲で延出するように形成された矩形状の部分である。対向部21aは、積層された際には、第1の信号用内部電極11(対向部11a)と互いに対向する。引出部21bは、対向部21aのX軸方向における中央部から両端面2bに向かって所定の幅で引き出される矩形状の部分である。引出部21bが両端面2bに引き出されることから、第1の接地用内部電極21は、Y軸方向に対向する一方の端面2bから他方の端面2bに延出する。これにより、第1の接地用内部電極21は、両端面2bに形成された接地用端子電極4を互いに電気的に接続する。
接地用段差吸収層22は、第1の接地用内部電極21の積層方向の厚み(段差)による内部構造欠陥を防止するための段差吸収層である。接地用段差吸収層22は、X軸及びY軸によるXY平面において第1の接地用内部電極21を全体的に囲むと共に、X軸方向に平行な外縁及びY軸方向に平行な外縁に沿って第1の接地用内部電極21と所定距離離間するように誘電体層5上に形成される。第1の接地用内部電極21のX軸方向に平行な外縁と接地用段差吸収層22との間の離間領域(第1離間領域)23には、第1の信号用内部電極層10の信号用段差吸収層13の第2吸収部13bが入り込むようになっている。また、第1の接地用内部電極21のY軸方向に平行な外縁と接地用段差吸収層22との間の離間領域(第3離間領域)24には、第2の接地用内部電極40に形成される段差吸収層44(詳細は後述する)が入り込むようになっている。
第2の信号用内部電極層30は、図3(c)に示されるように、第2の信号用内部電極(第3の内部電極)31と、信号用段差吸収層(第3段差吸収層)32とを有する。第2の信号用内部電極31は、誘電体層5上のY軸方向の中央部に、X軸方向に対向する一方の端面2aから他方の端面2aに延出するように形成された略矩形状の内部電極である。
第2の信号用内部電極31は、第2の接地用内部電極層40と対向する矩形状の対向部31aと、当該対向部31aから両端面2aに向かって対向部31aのY軸方向の幅よりも広い幅で引き出される引出部31bとを含む。第2の信号用内部電極31は、上記構成により、両端面2aに形成される信号用端子電極3を互いに電気的に接続する。
信号用段差吸収層32は、第2の信号用内部電極31の積層方向の厚み(段差)による内部構造欠陥を防止するための段差吸収層である。信号用段差吸収層32は、第2の信号用内部電極31のX軸方向に平行な外縁に沿って第2の信号用内部電極31の対向部31aと所定距離離間すると共に引出部31bとは離間しないように誘電体層5上に形成される。第2の信号用内部電極31(対向部31a)のX軸方向に平行な外縁と信号用段差吸収層32との間の離間領域(第2離間領域)33は、第1の信号用内部電極層10の信号用段差吸収層13の第1吸収部13aが入り込む第1領域33aと、第2の接地用内部電極層40の段差吸収層43(詳細は後述する)が入り込む第2領域33bとを含む。信号用段差吸収層32の積層方向における厚みは、第2の信号用内部電極31の積層方向の厚みと同程度の厚みである(図6参照)。
第2の接地用内部電極層40は、図3(d)に示されるように、第2の接地用内部電極(第4の内部電極)41と、接地用段差吸収層42と、接地用段差吸収層(第4段差吸収層)43と、接地用段差吸収層(第5段差吸収層)44とを有する。
第2の接地用内部電極41は、誘電体層5上の中心部に十字形状のパターンをなして形成され、X軸方向に沿って延出する対向部41aとY軸方向に沿って延出する引出部41bとを含む。対向部41aは、X軸方向で対向する両端面2aに至らない範囲であって且つ第1の接地用内部電極21のX軸方向における幅よりも広くなるように延出して形成された矩形状の部分である。対向部41aは、積層された際には、第2の信号用内部電極31(対向部31a)と互いに対向する。引出部41bは、対向部41aのX軸方向における中央部から両端面2bに向かって第1の接地用内部電極21の引出部21bのX軸方向における幅よりも広い幅で引き出される矩形状の部分である。引出部41bが両端面2bに引き出されることから、第2の接地用内部電極41は、Y軸方向に対向する一方の端面2bから他方の端面2bに延出する。これにより、第2の接地用内部電極41は、両端面2bに形成された接地用端子電極4を互いに電気的に接続する。
接地用段差吸収層42は、第2の接地用内部電極41の積層方向の厚み(段差)による内部構造欠陥を防止するための段差吸収層である。接地用段差吸収層42は、X軸及びY軸によるXY平面において第2の接地用内部電極41を全体的に囲むと共に、X軸方向に平行な外縁及びY軸方向に平行な外縁に沿って第2の接地用内部電極41と離間しないように誘電体層5上に形成される。
接地用段差吸収層43は、X軸方向に平行な外縁に沿って第2の接地用内部電極41上に形成される矩形状の段差吸収層である。接地用段差吸収層43は、X軸方向に平行な両外縁の各2箇所に形成され、第2の信号用内部電極層30に形成される離間領域33(33b)に対応するようになっている。接地用段差吸収層43のY軸方向における乗上幅は、第2の信号用内部電極層30に形成される離間領域33(33b)のY軸方向における離間幅以下である。
接地用段差吸収層44は、Y軸方向に平行な外縁に沿って第2の接地用内部電極41上に形成される矩形状の段差吸収層である。接地用段差吸収層44は、Y軸方向に平行な両外縁の各2箇所に形成され、第1の接地用内部電極層20に形成される離間領域24に対応するようになっている。接地用段差吸収層44のX軸方向における乗上幅は、第1の接地用内部電極層20に形成される離間領域24のX軸方向における離間幅以下である。各接地用段差吸収層44は、接地用段差吸収層43のいずれかの端部に連接されており、2つの接地用段差吸収層43と3つの接地用段差吸収層44とが一体的に形成される。
続いて、上述した構成を有する積層貫通コンデンサ1の製造方法について説明する。
図4は、積層貫通コンデンサ1の製造工程を示すフローチャートである。積層貫通コンデンサ1の製造にあたっては、まず、誘電体層5や段差吸収層12,13,22,32,42〜44を形成するためのセラミックペーストP1と、各内部電極11,21,31,41を形成するための内部電極ペーストP2とを準備する。
セラミックペーストP1は、誘電体層5等を構成する誘電体材料の原料に、有機ビヒクルなどを混合・混錬することによって得られる。誘電体材料として、例えばBaTiO系、B(Ti,Zr)O系、(Ba,Ca)TiO系といった複合酸化物に含まれる各金属原子の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などの組み合わせが挙げられる。有機ビヒクルは、バインダ及び溶剤を含むものである。バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などが挙げられる。溶剤としては、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、キシレン、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤が挙げられる。
内部電極ペーストP2中には、適宜、可塑剤を含有させてもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、リン酸エステル、グリコール類などを適用できる。
上述したセラミックペーストP1及び内部電極ペーストP2を準備した後、例えばドクタブレード法を用いることにより、PETなどからなるキャリアシート上にセラミックペーストP1を塗布し、誘電体層5の前駆体である複数のグリーンシート50(図5参照)を生成する(ステップS01)。
続いて、後述するスクリーン印刷用に各グリーンシート50を所定の位置に配置する。この配置により、それぞれのグリーンシート50上において、積層方向と交差する面(XY面)での積層貫通コンデンサ1の大きさに相当する電極形成領域Rが画定する。電極形成領域Rは、図5(a)及び(b)に示されるように、切断予定線X1〜X5のうち隣接する2本の切断予定線と切断予定線Y1〜Y5のうち隣接する2本の切断予定線とで囲まれる矩形領域である。本実施形態では、一つのグリーンシート50上に4行4列の計16個の電極形成領域Rが画定される。
続いて、一対のグリーンシート50Aを用意し、一対のグリーンシート50Aそれぞれの上において、切断予定線X1〜X5のうち隣接する2本の切断予定線で囲まれる各領域のY軸方向の各中央部に、例えばスクリーン印刷を用いて内部電極ペーストP2を印刷し、略矩形状の信号用電極パターン51を4つ形成する(ステップS02)。各信号用電極パターン51は、2つの信号用内部電極11と2つの信号用内部電極31とに対応し、信号用内部電極11,31の前駆体が交互に連接したものである。信号用電極パターン51を上記したように形成することで、グリーンシート50A上の各電極形成領域RにおいてX方向に対向する一端から他端に延出するように信号用内部電極11,31の前駆体がそれぞれ形成される。
続いて、信号用電極パターン51が形成されたグリーンシート50Aに対して、各切断予定線X1〜X5と信号用電極パターン51とで囲まれる各領域に、スクリーン製版等を用いたスクリーン印刷を用いてセラミックペーストP1を印刷し、矩形状の吸収層パターン52を形成する(ステップS03)。各吸収層パターン52は、2つの信号用段差吸収層12と2つの信号用段差吸収層32とに対応し、信号用段差吸収層12,32の前駆体が交互に連接したものである。吸収層パターン52を上記のように形成することで、グリーンシート50上の各電極形成領域Rにおいて、信号用電極パターン51のX軸方向に平行な外縁に沿って信号用段差吸収層12,32の前駆体がそれぞれ形成される。吸収層パターン52は、信号用段差吸収層32の前駆体に対応する部分で信号用電極パターン51と離間するようになっており、これにより各離間領域33が画定する。
また、グリーンシート50Aの信号用電極パターン51上のX軸方向に平行な外縁に沿った一部の領域にスクリーン製版等を用いたスクリーン印刷を用いてセラミックペーストP1を印刷し、矩形状の吸収層パターン53を形成する(ステップS03)。各吸収層パターン53は、信号用段差吸収層13に対応する。吸収層パターン53を上記のように形成することで、グリーンシート50A上の各電極形成領域Rにおいて、X軸方向に平行な外縁に沿って第1の信号用内部電極11の対向部11aの前駆体上に信号用段差吸収層13の前駆体が形成される。
続いて、一対のグリーンシート50Bを用意し、一対のグリーンシート50Bそれぞれの上において、切断予定線Y1〜Y5のうち隣接する2本の切断予定線で囲まれる各領域のX軸方向の各中央部に、例えばスクリーン印刷を用いて内部電極ペーストP2を印刷し、十字形状の連続体である第1及び第2の接地用電極パターン54,55を各2つ形成する(ステップS04)。第1の接地用電極パターン54は、4つの第1の接地用内部電極21に対応する。第2の接地用電極パターン55は、4つの第2の接地用内部電極41に対応する。第2の接地用電極パターン55のX軸方向の幅は、上述したように、第1の接地用電極パターン54の対応する箇所のX軸方向の幅よりも広くなっている。第1及び第2の接地用電極パターン54,55を上記したように形成することで、グリーンシート50B上の各電極形成領域Rにおいて、X軸方向に対向する一端及び他端に至らない範囲で延出すると共にY軸方向に対向する一端及び他端に引き出されるように第1及び第2の接地用内部電極21,41の前駆体が形成される。
続いて、第1及び第2の接地用電極パターン54,55が形成されたグリーンシート50Bに対して、所定の箇所に開口を有するスクリーン製版等を用いたスクリーン印刷によってセラミックペーストP1を印刷し、各吸収層パターン56〜58を形成する(ステップS05)。
吸収層パターン56は、4つの接地用段差吸収層22に対応する。切断予定線Y1及びY2で囲まれる電極形成領域R及び切断予定線Y3及びY4で囲まれ電極形成領域Rのうち所定の箇所にセラミックペーストP1を印刷して、吸収層パターン56を形成する。具体的には、各電極形成領域Rにおいて、接地用電極パターン54の各外縁に所定距離離間して沿うようにグリーンシート50B上にセラミックペーストP1を印刷して、接地用段差吸収層22の前駆体を形成する。所定距離離間して接地用段差吸収層22の前駆体が形成されるため、離間領域23,24が画定する。
吸収層パターン57は、4つの接地用段差吸収層42に対応する。切断予定線Y2及びY3で囲まれる電極形成領域R及び切断予定線Y4及びY5で囲まれ電極形成領域Rのうち所定の箇所にセラミックペーストP1を印刷して、吸収層パターン57を形成する。具体的には、各電極形成領域Rにおいて、接地用電極パターン55の各外縁に沿うようにグリーンシート50B上にセラミックペーストP1を印刷して、接地用段差吸収層42の前駆体を形成する。
吸収層パターン58は、2つの接地用段差吸収層43と3つの接地用段差吸収層44とを1組とした4組の接地用段差吸収層に対応する。切断予定線Y2及びY3で囲まれる電極形成領域R及び切断予定線Y4及びY5で囲まれ電極形成領域Rのうち所定の箇所にセラミックペーストP1を印刷して、吸収層パターン58を形成する。具体的には、各電極形成領域Rにおいて、接地用電極パターン55のX軸方向に平行な各外縁及びY軸方向に平行な各外縁に沿って接地用電極パターン55上にセラミックペーストP1を印刷して、接地用段差吸収層43,44の前駆体を形成する。
続いて、グリーンシート50Aとグリーンシート50Bとが交互になるように、信号用電極パターン51が形成された一対のグリーンシート50Aと接地用電極パターン54,55が形成された一対のグリーンシート50Bとを積層する(ステップS06)。ステップS06の積層の際、一方のグリーンシート50Aに形成された第1の信号用内部電極層10の電極形成領域Rと、他方のグリーンシート50Aに形成された第2の信号用内部電極層30の電極形成領域Rとが積層方向で対応するように、一対のグリーンシート50Aの一方のグリーンシート50Aを電極形成領域R分、X方向にずらす。これにより、積層方向からみて、信号用段差吸収層13の第1吸収部13aが離間領域33の第1領域33aに位置するように位置合わせされる。
また、ステップS06の積層の際、一方のグリーンシート50Bに形成された第1の接地用内部電極層20の電極形成領域Rと、他方のグリーンシート50Bに形成された第2の接地用内部電極層40の電極形成領域Rとが積層方向で対応するように、一対のグリーンシート50Bのうち一方のグリーンシート50Bを電極形成領域R分、X方向にずらす。これにより、図7に示されるように、積層方向からみて、接地用段差吸収層44が離間領域24に位置するように位置合わせされる。また、ステップS06の積層の際、一方のグリーンシート50Aに形成された第1の信号用内部電極層10の電極形成領域Rと、一方のグリーンシート50Bに形成された第1の接地用内部電極層20の電極形成領域Rとが積層方向で対応するように、両グリーンシート50A,50Bの位置合わせを行う。これにより、図6に示されるように、積層方向からみて、信号用段差吸収層13の第2吸収部13bが離間領域23に位置するように位置合わせされる。また、ステップS06の積層の際、他方のグリーンシート50Aに形成された第2の信号用内部電極層30の電極形成領域Rと、他方のグリーンシート50Bに形成された第2の接地用内部電極層40の電極形成領域Rとが積層方向で対応するように、両グリーンシート50A,50Bの位置合わせを行う。これにより、図6に示されるように、積層方向からみて、接地用段差吸収層43が離間領域33の第2領域33bに位置するように位置合わせされる。
続いて、積層されたグリーンシート50A,50Bを積層方向から加圧してグリーン積層体を得る(ステップS07)。加圧する際、積層方向に対応するように配置された各段差吸収層に相当する部分が各離間領域に入り込むようになって不要な厚み部分が相殺され、貫通積層コンデンサ全体として、より平坦となる。上述したように、段差吸収層13,43,44の乗上幅が対応する離間領域23,24,33の離間幅以下となっているため、段差吸収層が多少ずれて形成されたとしても、幅広な離間領域23,24,33で吸収することができ、段差吸収層13,43,44の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することができる。その後、グリーン積層体を切断機で各電極形成領域Rに対応する大きさとなるように切断予定線X1〜X5及びY1〜Y5で切断し、グリーンチップを得る(ステップS08)。
続いて、グリーンチップの脱バインダ処理を行い、その後、グリーンシートを焼成する(ステップS09)。この焼成により、グリーンシート50が誘電体層5となり、また、各電極パターン51,54,55がそれぞれ第1及び第2の信号用内部電極11,31と第1及び第2の接地用内部電極21,41となり、さらに、吸収層パターン52,56〜58がそれぞれ段差吸収層12,13,22,32,42〜44となり、コンデンサ素体2が得られる。脱バインダ処理は、グリーンチップを空気中、又は、N及びHの混合ガスなどの還元雰囲気中で、200〜600℃程度に加熱することにより行われる。焼成は、脱バインダ処理後のグリーンチップを、例えば還元雰囲気下で1100〜1300℃程度に加熱することにより行われる。グリーンチップの焼成後、得られた焼成物に、必要に応じて800〜1100℃、2〜10時間程度のアニール処理を施す。
続いて、コンデンサ素体2の端面2a,2a及び端面2b,2bに導電性ペーストを塗布して焼付けし、更にめっきを施すことにより、信号用端子電極3,3及び接地用端子電極4,4を形成する(S10)。導電性ペーストは、例えばCuを主成分とする金属粉末に、ガラスフリット及び有機ビヒクルを混合したものを用いることができる。金属粉末は、Ni,Ag−PdあるいはAgを主成分とするものであってもよい。めっきは、Ni,Sn,Ni−Sn合金,Sn−Ag合金,Sn−Bi合金などの金属めっきが用いられる。また、金属めっきは、例えば、NiとSnとで2層以上形成した多層構造としてもよい。以上により、図1及び図2に示した積層貫通コンデンサ1が複数得られる。
以上のように、本実施形態に係る積層貫通コンデンサ1の製造方法では、吸収層パターンの形成工程S03において、第1の信号用内部電極11の前駆体上に信号用段差吸収層13の前駆体を形成し、吸収層パターンの形成工程S05において、第2の接地用内部電極41の前駆体上に段差吸収層43,44の各前駆体を形成している。また、吸収層パターンの形成工程S05において、接地用段差吸収層22の前駆体を離間形成して離間領域23,24を設け、吸収層パターンの形成工程S03において、段差吸収層32の前駆体を離間形成して離間領域33を設けている。そして、積層方向からみて、信号用段差吸収層13の前駆体が離間領域23に、段差吸収層43の前駆体が離間領域33に、段差吸収層44の前駆体が離間領域24にそれぞれ位置するように各グリーンシート50A,50Bを位置合わせしている。このように、内部電極上に積極的に段差吸収層を形成すると共に、その段差吸収層に対向する箇所に離間領域が当初から設けられるように設定されているため、段差吸収層が多少ずれて形成されたとしても、あらかじめ設けられた離間領域で吸収することができ、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
また、信号用電極パターンの形成工程S02において、第1の信号用内部電極11の電極形成領域Rと第2の信号用内部電極31の電極形成領域RとがX軸方向に隣接して交互に配置されるように信号用電極パターン51を同一のグリーンシート50A上に形成したものを少なくとも2つ作製し、接地用電極パターン形成工程S04において、第1の接地用内部電極21の電極形成領域Rと第2の接地用内部電極41の電極形成領域RとがX軸方向に隣接して交互に配置されるように接地用電極パターン54,55を同一のグリーンシート50B上に形成したものを少なくとも2つ作製している。そして、積層工程S05において、両グリーンシート50Aの一方に形成された第1の信号用内部電極11の電極形成領域Rと他方に形成された第2の信号用内部電極31の電極形成領域Rとが積層方向からみて一致するように両グリーンシート50Aの一方をX軸方向にずらして積層している。また、積層工程S05において、両グリーンシート50Bの一方に形成された第1の接地用内部電極21の電極形成領域Rと他方に形成された第2の接地用内部電極41の電極形成領域Rとが積層方向からみて一致するように両グリーンシート50Bの一方をX軸方向にずらして積層する。これにより、2種類のグリーンシート50A,50Bを作製するだけで第1及び第2の信号用内部電極11,31と第1及び第2の接地用内部電極21,41とを形成するためのグリーンシートを得ることができる。このため、製造工程を複雑にすることなく、段差吸収層による内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1及び第2の信号用内部電極層10,30に対応する電極パターンとして、1種類の信号用電極パターン51をグリーンシート50Aに形成していたが、第1及び第2の信号用内部電極層10,30それぞれに対応する2種類の電極パターンを別のグリーンシート上に形成するようにしてもよい。また、上記実施形態では、接地用電極パターン54,55を同一のグリーンシート50Bに形成していたが、接地用電極パターン54,55をそれぞれ別のグリーンシートに形成するようにしてもよい。また、上記実施形態では、吸収層パターンの形成工程S03,S05で各段差吸収層と離間領域との位置決めをあらかじめ行っておき、積層工程S06では、電極形成領域Rを一致させるだけで、積層方向からみて、信号用段差吸収層13の前駆体が離間領域23に、接地用段差吸収層43の前駆体が離間領域33に、接地用段差吸収層44の前駆体が離間領域24に位置するようにしていたが、このような位置合わせ全般を積層工程S06で行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、内部電極11,41等の積層方向における厚みが当該内部電極において略均一の場合で説明したが(図6参照)、内部電極11,41等の積層方向における厚みが略均一でなく、例えば、内部電極11,41等の厚みが外縁付近(端部)で突出して他の部分よりも厚みが大きくなる場合がある。このような場合には、内部電極11,41上に形成される段差吸収層13,43,44は、内部電極11,41の積層方向における最大厚み部分である外縁付近の突出した箇所に重なるように形成されるようにしてもよい。このように段差吸収層13,43,44を外縁付近に重ねるように形成しておくと、段差吸収層13,43,44が多少ずれて形成されたとしても、必要とされる箇所に段差吸収層13,43,44が十分な量で形成されることが担保され、不要な隙間が形成されにくくなる。これにより、段差吸収層の厚みによる内部構造欠陥の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、各内部電極層として図3に示される各内部電極層10,20,30,40を用いたが、各内部電極層は図3に示される形状や配置に限定されるわけではなく、例えば、図8に示されるような内部電極層10,20,30,40であってもよい。
1…積層貫通コンデンサ、2…コンデンサ素体、3…信号用端子電極、4…接地用端子電極、5…誘電体層、10…第1の信号用内部電極層、11…第1の信号用内部電極、12,13,32…信号用段差吸収層、20…第1の接地用内部電極層、21…第1の接地用内部電極、22,42,43,44…接地用段差吸収層、30…第2の信号用内部電極層、31…第2の信号用内部電極、40…第2の接地用内部電極層、41…第2の接地用内部電極、50…グリーンシート、51…信号用電極パターン、52,56,57,58…吸収層パターン、54,55…接地用電極パターン、R…電極形成領域。

Claims (4)

  1. 第1のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、第1の方向で対向する一端から他端に延出するように第1の内部電極を形成し、前記第1の方向に平行な外縁に沿って前記第1の内部電極上に第1段差吸収層を形成する第1形成工程と、
    第2のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、前記第1の方向で対向する一端及び他端に至らない範囲で延出すると共に当該延出する部分から前記第1の方向に交差する第2の方向で対向する一端及び他端に引き出されるように第2の内部電極を形成し、前記第1の方向に平行な外縁及び前記第2の方向に平行な外縁に沿って前記第2の内部電極と離間して第2段差吸収層を形成する第2形成工程と、
    第3のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、前記第1の内部電極の前記第2の方向における幅よりも狭い幅で前記第1の方向で対向する一端から他端に延出するように第3の内部電極を形成し、前記第1の方向に平行な外縁に沿って前記第3の内部電極と離間して第3段差吸収層を形成する第3形成工程と、
    第4のグリーンシート上の矩形状の電極形成領域に、前記第2の内部電極の前記延出する部分の前記第1の方向における幅よりも広く且つ前記第1の方向で対向する一端及び他端に至らない範囲で延出すると共に、当該延出する部分から前記第2の方向で対向する一端及び他端に、前記第2の内部電極の前記引き出される部分の前記第1の方向における幅よりも広い幅で引き出されるように第4の内部電極を形成し、前記第1の方向に平行な外縁に沿って前記第4の内部電極上に第4段差吸収層を形成し且つ前記第2の方向に平行な外縁に沿って前記第4の内部電極上に第5段差吸収層を形成する第4形成工程と、
    前記第1及び第3の内部電極が前記第2の内部電極を挟むと共に前記第2及び第4の内部電極が前記第3の内部電極を挟むように、前記第1、第2、第3及び第4のグリーンシートを積層する積層工程と、を備え、
    前記第1形成工程、前記第2形成工程、前記第3形成工程、前記第4形成工程及び前記積層工程の少なくともいずれか1つの工程において、積層方向からみて、前記第1段差吸収層が、前記第2の内部電極の前記第1の方向に平行な外縁と前記第2段差吸収層とが離間した間の第1離間領域に位置するように前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートとの位置合わせを行い、且つ、前記第4段差吸収層が、前記第3の内部電極と前記第3段差吸収層とが離間した間の第2離間領域に位置するように前記第3のグリーンシートと前記第4のグリーンシートとの位置合わせを行い、且つ、前記第5段差吸収層が、前記第2の内部電極の前記第2の方向に平行な外縁と前記第2段差吸収層とが離間した間の第3離間領域に位置するように前記第2のグリーンシートと前記第4のグリーンシートとの位置合わせを行うことを特徴とする積層貫通コンデンサの製造方法。
  2. 前記第1形成工程及び前記第3形成工程において、前記第1の内部電極の電極形成領域と前記第3の内部電極の電極形成領域とが前記第1の方向に隣接して交互に配置されるように前記第1の内部電極と前記第3の内部電極とを同一のグリーンシート上に形成したものを前記第1及び第3のグリーンシートとして少なくとも2つ作製し、
    前記第2形成工程及び前記第4形成工程において、前記第2の内部電極の電極形成領域と前記第4の内部電極の電極形成領域とが前記第1の方向に隣接して交互に配置されるように前記第2の内部電極と前記第4の内部電極とを同一のグリーンシート上に形成したものを前記第2及び第4のグリーンシートとして少なくとも2つ作製し、
    前記積層工程において、前記第1及び第3のグリーンシートとして作製された両グリーンシートの一方に形成された前記第1の内部電極の電極形成領域と他方に形成された前記第3の内部電極の電極形成領域とが積層方向からみて一致するように前記第1及び第3のグリーンシートのうち少なくとも一方を前記第1の方向にずらして積層し、
    前記積層工程において、前記第2及び第4のグリーンシートとして作製された両グリーンシートの一方に形成された前記第2の内部電極の電極形成領域と他方に形成された前記第4の内部電極の電極形成領域とが積層方向からみて一致するように前記第2及び第4のグリーンシートのうち少なくとも一方を前記第1の方向にずらして積層することを特徴とする請求項1に記載の積層貫通コンデンサの製造方法。
  3. 前記第1形成工程、前記第2形成工程、前記第3形成工程及び前記第4形成工程の少なくともいずれかの1つの工程において、前記第1段差吸収層の前記第2の方向における乗上幅、前記第4段差吸収層の前記第2の方向における乗上幅、及び前記第5段差吸収層の前記第1の方向における乗上幅の少なくともいずれかの1つの乗上幅が、前記第1離間領域、前記第2離間領域及び前記第3離間領域のうち位置合わせされる離間領域の同方向における離間幅以下となるように形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層貫通コンデンサの製造方法。
  4. 前記第1形成工程及び前記第4形成工程のうち少なくともいずれか一方の工程において、前記第1及び第4の内部電極の少なくとも一方の内部電極を、縁部の積層方向における厚みが当該内部電極において最大厚みとなるように形成し、前記第1段差吸収層、前記第4段差吸収層、及び前記第5段差吸収層の少なくともいずれかの1つの段差吸収層を、最大厚みとなる前記縁部に重なるように形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層貫通コンデンサの製造方法。
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