JP5851901B2 - 積層コンデンサ - Google Patents
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このような積層コンデンサは、第1内部電極と第2内部電極との間に絶縁層が挟まれてなる複数のコンデンサを並列接続した構造を有し、小型で大容量のコンデンサとして広く利用されている。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、クラックに起因した故障の発生を抑制する技術を提供することを目的とする。
このように構成された積層コンデンサでは、複数の第1共通電極が組毎に分割されているため、複数の組に区分された第1共通電極のうち或る組の第1共通電極が破損した場合に、その破損の影響が他の組の第1共通電極に及ぶのを抑制することができる。すなわち、或る組の第1共通電極が破損することによって、この第1共通電極により複数の容量部が並列接続された第1電極積層部が故障した場合に、この故障の影響を、他の組の第1共通電極により複数の容量部が並列接続された第1電極積層部にまで及ぶのを抑制することができる。
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
図1は、本発明が適用された第1実施形態の積層コンデンサ1の概略構成を示す断面図である。
そして積層コンデンサ1は、コンデンサ10とコンデンサ20との間に中間電極層30,40を挟んで、コンデンサ10とコンデンサ20とを積層方向SDに沿って互いに対向するように配置することにより構成されている。
表面電極70は、積層コンデンサ1の表面側と裏面側において、接続導体24の端部に配置されている。
そして、図2(a)に示すように、複数の表面電極60,70は、矩形を構成する一辺に平行な方向RD(列方向RD)と、列方向RDに直交する方向(行方向CD)のそれぞれに沿って、表面電極60と表面電極70とが交互に配置されるようにして二次元格子状に配列されている。さらに、複数の共通導体50は、列方向RDと行方向CDのそれぞれに沿って、表面電極60と表面電極70との間に配置されるようにして二次元格子状に配列されている。
(1)スラリーの調製
まず、チタン酸バリウム粉末と、MgO,CaO,SiO2,MnO2,Y2O3などが混合されている誘電体セラミック粒子粉末と、分散剤と、可塑剤とを、エタノールおよびトルエンの混合溶媒中で湿式混合した。その後、ブチラール系バインダを添加して更に混合することにより、グリーンシート用スラリーを調製した。
調製したグリーンシート用スラリーを、ドクターブレード法などの汎用の方法により、所望の厚さとなるように塗工し乾燥させて、未焼成セラミックグリーンシートを得た。
導電性粒子(ニッケル粉末)と共材粉末(チタン酸バリウム粉末)と有機ビヒクル成分とを所定の体積割合で湿式混合して、内部電極用ペーストを得た。また本実施形態において、共材とは、グリーンシートを構成する材料と共通の成分を含む材料である。
導電性粒子(ニッケル粉末)と共材粉末(チタン酸バリウム粉末)と有機ビヒクル成分とを、内部電極用ペーストの調製とは異なる所定の体積割合で湿式混合して、接続導体14,24および共通導体50用のペースト(以下、ビア導体用ペーストという)を得た。
ニッケル粉末と所定量の共材粉末とを混合して表面電極用ペーストを得た。共材には、チタン酸バリウム粉末と、チタン酸バリウムを主材とする誘電体磁器組成物(MgO,CaO,SiO2,MnO2,Y2O3等の希土類を主に含んでいる)の粉末を使用した。
上記(2)で得られたセラミックグリーンシートの表面に、上記(3)で得られた内部電極用ペーストをスクリーン印刷により印刷した。
(7)ビアホール形成工程
上記(6)で得られた未焼成積層体に、レーザ成形機を用いて、ビアホールを穿孔した。
上記(7)で得られた未焼成積層体のビアホール内に、上記(4)で得られたビア導体用ペーストをスクリーン印刷により充填して、未焼成ビア電極を形成した。
上記(8)で得られた積層体を、80℃、100MPaの条件にて熱圧着を行った。
(10)未焼成表面電極形成工程
上記(9)で得られた未焼成積層体をスクリーン印刷装置にセットし、メッシュマスクを、未焼成積層体の上に重ね合わせるようにして配置する。このメッシュマスクは、表面電極を形成すべき箇所にメッシュ部が形成されている。そして、メッシュマスクの上面に、上記(5)で得られた表面電極用ペーストを供給し、スキージの移動によって表面電極用ペーストを刷り込む。これにより、メッシュ部に表面電極パターンが形成される。その後、メッシュマスクを未焼成積層体から引き離すとともに、未焼成積層体をスクリーン印刷装置から取り外し、取り外した未焼成積層体を乾燥することにより、表面電極パターンをある程度固化させる。
上記(10)で得られた未焼成積層体を、大気中300℃で15時間脱脂した後、還元雰囲気中1300℃で焼成することにより、焼成積層体を得た。その後、焼成積層体を個片に分割して、複数個のビアアレイ型積層セラミックコンデンサを得た。
以下に本発明の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
また、共通電極12および共通電極22は、それぞれ図5(c)と図6(c)に示すように、矩形状に形成されており、矩形を構成する一辺に平行な方向CD(行方向CD)に沿って整列している1組の接続導体14と共通導体50と接続導体24毎に設けられている。このため、複数の共通電極12,22は、行方向CDと、行方向CDに直交する方向RD(列方向RD)のそれぞれに沿って二次元格子状に配列されている。さらに共通電極12,22は、矩形を構成する辺が対向している状態で隣接する共通電極12,22に対して、互いに所定の間隔離間して配置されている。また、共通電極12,22は、接続導体14,24が形成されている領域に、接続導体14,24の断面積より大きい開口面積を有するクリアランスホールCH9が設けられている。また共通電極12,22は、共通電極12,22内に含まれる1組の接続導体14と共通導体50と接続導体24を構成する共通導体50とは異なる共通導体50が形成されている領域に共通導体50の断面積より大きい開口面積を有するクリアランスホールCH10を形成できる形状に成形されている。
以下に本発明の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態の積層コンデンサ1は、図7(a)に示すように、中間電極層30と中間電極層40との間に、例えばチタン酸バリウム等の誘電体セラミックを材料とする絶縁層80(以下、中間絶縁層80という)が形成されている点以外は第1実施形態と同じである。
以下に本発明の第4実施形態を図面とともに説明する。なお第4実施形態では、第3実施形態と異なる部分のみを説明する。
第4実施形態の積層コンデンサ1は、図7(b)に示すように、中間絶縁層80内に、内部電極11、共通電極12、内部電極21、および共通電極22と電気的に接続されない中間金属層81が形成されている点以外は第3実施形態と同じである。
以下に本発明の第5実施形態を図面とともに説明する。
図8(a)は、本発明が適用された第5実施形態の積層コンデンサ101の概略構成を示す断面図である。図8(b)は、図8(a)のA−A断面部を示す図である。図9(a)は、図8(a)のB−B断面部を示す図である。図9(b)は、図8(a)のC−C断面部を示す図である。図9(c)は、図8(a)のD−D断面部およびE−E断面部を示す図である。
そして積層コンデンサ101は、図8(a)に示すように、コンデンサ110とコンデンサ120との間に中間電極層130,140を挟んで、コンデンサ110とコンデンサ120とを積層方向SDに沿って互いに対向するように配置することにより構成されている。
Claims (5)
- 複数の第1内部電極と複数の第1共通電極とを第1絶縁層を介して交互に積層した第1積層部と、前記第1積層部と積層方向に対向して配置され、複数の第2内部電極と複数の第2共通電極とを第2絶縁層を介して交互に積層した第2積層部とを有する積層コンデンサであって、
複数の前記第1内部電極を前記積層方向に接続する第1接続導体により、複数の容量部が並列接続された第1電極積層部を前記第1積層部に有し、
前記第1電極積層部と前記積層方向と直交する方向において非対向となるようにして配置され、複数の前記第2内部電極を積層方向に接続する第2接続導体により、複数の容量部が並列接続された第2電極積層部を前記第2積層部に有し、
前記第1内部電極および前記第2内部電極と電気的に接続されない共通導体により、前記第1共通電極と前記第2共通電極とを互いに電気的に接続し、前記第1電極積層部に形成される容量部と前記第2電極積層部に形成される容量部とを直列に接続させた
ことを特徴とする積層コンデンサ。 - 前記第1電極積層部と前記第2電極積層部との間において、前記積層方向に沿って前記第1内部電極および前記第2内部電極と対向するように配置され、且つ、前記共通導体と電気的に接続される共通電極が絶縁層内に形成された中間電極層を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の積層コンデンサ。 - 前記第1接続導体は、複数の第2内部電極に設けられたクリアランスホールを貫通することにより、前記第2内部電極とは絶縁され、
前記第2接続導体は、複数の第1内部電極に設けられたクリアランスホールを貫通することにより、前記第1内部電極とは絶縁される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層コンデンサ。 - 前記複数の第1共通電極は、電気的に接続されない複数の組に区分される
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。 - 前記第1積層部と前記第2積層部との間に、前記第1内部電極、前記第2内部電極、前記第1共通電極、及び、前記第2共通電極と電気的に接続されない中間金属層が形成された中間絶縁層が配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の積層コンデンサ。
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