JP4580816B2 - 可変容量コンプレッサのトルク算出装置およびトルク算出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置の冷凍サイクルに設けられる可変容量コンプレッサのトルク算出装置および算出方法に関する。
可変容量コンプレッサは、省動力化を図るべく外部制御信号によって冷媒の吐出容量を可変する。冷媒の吐出容量が可変すると、エンジンに対する負荷が変動するため、エンジン制御側は例えばアイドリングモードでのエンスト、空吹かし等を防止するために吸入空気量(燃料供給量)を制御する必要がある。エンジン制御側がこのような制御を行うため、可変容量コンプレッサのトルクを認識する必要があり、従来より種々のトルク算出装置が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特許文献1では、各種のセンサ情報、例えば冷凍サイクルの高圧圧力、凝縮器の冷媒温度、外気温度等から冷媒流量を算出し、算出した冷媒流量からトルクを推定している。この方法では可変容量コンプレッサの運転中のトルク、つまり、定常トルクを推定することは可能である。
特開平5−99156号公報 特開2004−211663号公報 特開2003−278660号公報
しかし、可変容量コンプレッサの運転当初は冷媒流れが安定していないため冷媒流量より起動トルク(起動直後の約4秒間のトルク)を推定することができない。例えば可変容量コンプレッサが斜板式のものにあっては、可変容量コンプレッサの運転をオフした直後は、斜板角度(ピストンストローク)がどのような状態であるか推定することは困難であり、運転オフ直後に運転が再開されると、可変容量コンプレッサの起動トルクを推定できなかった。そのため、従来では、可変容量コンプレッサの運転オフ直後の10秒は運転を再起動できないようにしていた。しかし、可変容量コンプレッサの制御自由度の観点からは、可変容量コンプレッサを必要に応じてオン・オフできるようにすることが好ましい。
そこで、本発明は、運転オフ直後に再起動された場合においても起動トルクを推定し、エンジン安定作動のための可変容量コンプレッサのトルク算出装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、エアコンの内外の状態を検出する状態検出手段と、前記クラッチオフ直前の前記状態検出手段で検出したエアコンの内外の第1の状態に基づいて定常トルクを算出し記憶するオフトルク算出手段と、前記クラッチオン後の前記状態検出手段で検出したエアコンの内外の第2の状態に基づいて起動トルクを算出する起動トルク算出手段と、前記クラッチオン後の前記状態検出手段で検出したエアコンの内外の第3の状態に基づいて、フルストローク状態の定常トルクを算出する定常フルストローク算出手段と、前記クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、前記オフトルク算出手段および前記起動トルク算出手段および前記定常フルストロークトルク算出手段の算出値のうちの最大値を判定して出力する判定手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、 前記起動トルク算出手段は、前記状態検出手段で検出した前記第2の状態である冷凍サイクルの高圧側圧力および外気温度に基づいて起動トルクを算出することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、 前記定常フルストローク算出手段は、前記状態検出手段で検出した前記第3の状態である冷凍サイクルの高圧側圧力に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、前記オフトルク算出手段は、前記状態検出手段で検出した前記第1の状態である冷凍サイクルの高圧側圧力およびエバポレータの前後温度差およびコントロールバルブを制御する外部制御信号であるデューティ比およびコンプレッサ回転数情報に基づいて定常トルクを算出することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、前記可変容量コンプレッサは、エンジンからの回転を連結・遮断するクラッチと、前記クラッチが連結時に前記エンジンからの動力で回転駆動する回転軸と、前記回転軸の回転に伴って往復動し吸入室から流入した冷媒を圧縮して圧縮した冷媒を吐出室に吐出する冷媒圧縮部材と、吐出室とクランク室の間を連通する供給通路と、クランク室と吸入室の間を連通する抽気通路と、供給通路と抽気通路のいずれか一方の通路面積を可変でき且つ外部制御信号によって制御されるコントルールバルブと、を備え、クランク室の圧力を変化させるものであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、前記可変容量コンプレッサは、前記クラッチがオンされると、前記冷媒圧縮部材がフルストローク位置となるようにコントロールバルブを制御することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5または6に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、前記可変容量コンプレッサは、エバポレータ出口側温度が所定温度以下の時に、可変容量コンプレッサのクラッチをオフする制御を行うことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5〜7の何れか1項に記載の可変容量コンプレッサのトルク算出装置であって、前記可変容量コンプレッサは、目標吹き出し温度に基づいてエバポレータ出口側温度目標を定め、この目標に応じて可変容量コンプレッサの容量をコントロールし、前記コンプレッサ容量制御部は、冷凍サイクル(7)の低圧側圧力を導入し低圧側圧力が低下すると開弁方向に移動し、低圧側圧力が上昇すると閉弁方向に移動するよう前記コントルールバルブに外部制御信号を出力し、外部制御信号が一定値であっても低圧側圧力に応じて容量を制御することを特徴とする。
請求項9の発明は、可変容量コンプレッサのトルク算出方法であって、エアコンの内外の状態を検出し、前記クラッチオフ直前の前記エアコンの内外の第1の状態に基づいて定常トルクを算出し記憶し、前記クラッチオン後の前記エアコンの内外の第2の状態に基づいて起動トルクを算出し、前記クラッチオン後の前記エアコンの内外の第3の状態に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出し、前記クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、前記3つの算出値の最大値を判定して出力することを特徴とする。
請求項1によれば、可変容量コンプレッサの起動時(クラッチオン時)に3つの算出値の最大値を判定して出力することにより、実際のトルクよりも小さな値をエンジン制御部に出力することでエンジンがエンストしてしまうようなことを防止でき、エンジンの安全運転性が確保される。
請求項2によれば、少ない入力情報で起動トルクを算出できる。
請求項3によれば、少ない入力情報で定常フルストロークトルクを算出できる。
請求項4によれば、比較的少ない入力情報で正確なトルクを算出できる。
請求項5によれば、コンプレッサの容量制御の迅速となる。
請求項6によれば、クラッチがオンされた際に、冷媒圧縮部材がフルストローク位置となるようにしているため、起動時の推定トルクと、実際の起動時のトルクと、大きく離れてしまうことを防止でき、算出精度が向上する。
請求項7によれば、エバポレータ出口側温度に応じてクラッチをオン・オフするような運転を行う場合にも起動トルクを推定できる。
請求項8によれば、外部制御信号の値を一定値とする指示があっても実測温度と目標吹き出し温度との間に差があると速やかに最大容量になるよう制御される場合でも起動トルクを推定することができる。
請求項9によれば、可変容量コンプレッサの起動時(クラッチオン時)に3つの算出値の最大値を判定して出力することにより、エンジンがエンストすることないトルクを出力することができ、エンジンの安全運転性が確保される。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図16は本発明の可変容量コンプレッサのトルク算出装置を適用した実施形態を示す。図1は車両用空調装置6のシステム図、図2は可変容量コンプレッサ8の断面図、図3は可変容量コンプレッサ8の容量可変制御を説明する図である。
図1において、エンジン1は、燃料噴射のためのフューエルインジェクタ2を有する。フューエルインジェクタ2は、エンジンコントロールユニット3の制御信号により制御され、フューエルインジェクタ2の制御によりエンジン回転数が所定の回転数に可変される。ラジエータ4は、冷却水配管(特に、符号を付さず)を介してエンジン1に連結されている。
車両用空調装置6の冷凍サイクル7は、可変容量コンプレッサ8とコンデンサ9とリキッドタンク10と温度式自動膨脹弁11とエバポレータ12とこれらを連結する冷媒配管(特に、符号を付さず)とから構成されている。
可変容量コンプレッサ8は、エンジン1の回転側との連結をオン・オフできるA/Cクラッチ(図示せず)を有する。A/Cクラッチのオフ時には、エンジン1の回転側との連結が切断され、可変容量コンプレッサ8の駆動が停止される。A/Cクラッチのオン時には、エンジン1の回転により可変容量コンプレッサ8が駆動され、エバポレータ12から送られてくる低温低圧の気化冷媒を高温高圧の気化冷媒としてコンデンサ9に送る。又、可変容量コンプレッサ8は、コントロールバルブ13を有する。コントロールバルブ13は、空調コントロールユニット14からの外部制御信号である制御パルス信号のデューティ比によって冷媒の吐出容量を可変する。可変容量コンプレッサ8の構成及び可変容量制御の詳しい内容は、下記する。
コンデンサ9は、ラジエータ4の前面に配置されている。コンデンサ9は、走行風や冷却電動ファン15の風によって高温高圧の気化冷媒を凝縮点まで冷却して高圧中温の液化冷媒とする。そして、高圧中温の液化冷媒をリキッドタンク10に送る。
リキッドタンク10は、高圧中温の液化冷媒に含まれる水分やゴミを取り除き、冷媒が円滑に供給できるように溜める。そして、このように溜められた液化冷媒を温度式自動膨脹弁11に送る。
温度式自動膨脹弁11は、高圧中温の液化冷媒を急激に膨脹させ、低圧低温の霧状の液化冷媒としてエバポレータ12に送る。
エバポレータ12は、霧状の液化冷媒を、ブロワファン16により車室内へと送られる送風の熱を奪うことによって蒸発させ、低圧低温の気化冷媒とする。そして、低圧低温の気化冷媒を可変容量コンプレッサ8に送る。
冷却電動ファン15は、ファンモータ17の駆動力によって回転される。ファンモータ17は、空調コントロールユニット14からのモータ駆動電圧をPWMモジュール18でPWM(パルス幅変調)された信号によって駆動される。
ブロワファン16の吸い込み側には内外気切り替え箱39が設けられ、この内外気切り替え箱39には、車室内の空気である内気を吸い込む内気吸い込み口と、車室外の空気である外気を吸い込み外気吸い込み口が設けられている。内気と外気の吸い込みは、インテークドア41によって切り替え可能になっている。ブロワファン16は、ブロワファンモータ19の駆動力によって回転される。ブロワファン16が回転すると、内気及び/又は外気を吸い込み、この吸い込んだ送風をエバポレータ12に圧送し、冷たくなった空気を車室内に送風する。ブロワファンモータ19は、空調コントロールユニット14からの駆動制御信号によって駆動される。
エンジンコントロールユニット3は、双方向通信線を介して空調コントロールユニット14に接続されている。エンジンコントロールユニット3にはエンジン制御センサ群20のセンサ検出データが入力され、エンジンコントロールユニット3はこれらセンサ検出データやエンジン制御指令に基づいてエンジン1を制御すると共に、可変容量コンプレッサ8のA/Cクラッチ(図示せず)のオン・オフを制御する。エンジン制御センサ群20は、車速センサ20a、エンジン回転センサ20b、アクセル開度センサ20c、アイドルスイッチ20dなどである。
空調コントロールユニット14は、ファンモータ制御部14aとコンプレッサ容量制御部14bとトルク算出装置であるコンプレッサトルク算出部14c等を内蔵する。ファンモータ制御部14aは、上述したようにファンモータ17の駆動を制御する。コンプレッサ容量制御部14bは、上述したようにコントロールバルブ13を制御する。
又、空調コントロールユニット14には空調制御センサ群21のセンサ検出データが入力され、空調コントロールユニット14はこれらセンサ検出データや空調制御指令に基づいて可変容量コンプレッサ8やブロワファンモータ19等を制御する。空調制御センサ群21は、車両用空調装置6に通常設置される既設のセンサであり、エアコンスイッチ21a、モードスイッチ21b、デフスイッチ21c、オートスイッチ21d、FREスイッチ21e、RECスイッチ21f、温度調整スイッチ21g、オフスイッチ21h、車室内の温度を検出する内気温度検出手段である内気温度センサ21i、外気の温度を検出する外気温度検出手段である外気温度センサ21j、日射センサ21k、エバポレータ12の出口側空気温度検出手段である吸込温度センサ21l、水温センサ21m、可変容量コンプレッサ8のコンプレッサ吐出側圧力を検出する冷媒圧力センサ21n等である。
インテークドア40は、FREスイッチ若しくはRECスイッチによる外気吸い込み(FRE)と内気吸い込み(REC)の選択に基づき、又は、空調制御指令に基づきドア切替駆動部41が駆動されることによって切り替えられる。
図2において、可変容量コンプレッサ8は、周方向に複数のハウジングボア22aが形成されたハウジング22と、このハウジング22の中心位置に配置され、プーリ23の回転によって回転される回転軸24と、この回転軸24に斜板駆動体25を介して連結された斜板26と、この斜板26の回転に応じて各ハウジングボア22a内を往復移動し、この往復ストロークを斜板26の傾斜角によって可変する複数の冷媒圧縮部材であるピストン27と、ピストン背圧に作用するクランク室圧Pcを変化させ、これで斜板26の傾斜角が可変することによって冷媒の吐出容量を制御するコントロールバルブ13とを備えている。
ピストン27は、往復運動によって吸入室50の冷媒をシリンダ室51に吸引し、シリンダ室51で吸引した冷媒を圧縮し、この圧縮した冷媒を吐出室29に吐出する。斜板26及びピストン27は、可変容量コンプレッサ8の運転停止時において、吐出室29の高圧側圧力と吸入室50の低圧側圧力が均等になると第1バネ52と第2バネ53のスプリング力によって初期位置である中間位置(ピストン27のフルストローク位置とディストローク位置の中間)に位置するようになっている。
吐出室29とクランク室30の間は供給通路54によって、クランク室30と吸入室50の間は抽気通路(図示せず)によってそれぞれ連通されている。供給通路55の途中には、その通路面積を可変できるコントルールバルブ13が配置されている。
空調コントロールユニット14は、各種センサの検出値と温度調整スイッチにより乗員が設定した目標室内温度から、車両用空調装置6からの目標吹き出し温度、目標吹き出し風量などを演算する。この時、目標エバポレータ出口側空気温度を求め、更に、可変容量コンプレッサ8のデューティ比を算出する。コントロールバルブ13は、この算出されたデューティ比により可変容量コンプレッサ8の容量を制御する。
コントロールバルブ13は、図3に示すように、ハウジング22に対して往復移動自在に配置された制御体28を有する。この制御体28は、吐出室29からクランク室30への冷媒流量をリフト量によって制御する高圧ボール31と、吸入室50のコンプレッサ吸入側圧力Psが作用されたダイアフラム32と、セットバネ33のバネ力が作用されたバネ受け部34とを一体に有し、電磁コイル35の通電によって発生する電磁力を移動方向に受けるように形成されている。電磁コイル35には、空調コントロールユニット14からの制御パルス信号のデューティ比による通電が行われ、デューティ比に比例する電磁力が制御体28に作用する。これにより、高圧ボール31のリフト量が可変され、高圧ボール31のリフト量によって斜板26の傾斜角が可変される。
以上より、空調コントロールユニット14がコントロールバルブ13に送る制御パルス信号のデューティ比によって可変容量コンプレッサ8の冷媒の吐出容量が制御される。具体的には、最大容量運転信号とすると、つまりこの例ではデューティ比:MAX状態(100%)とすると、コントロールバルブ13が閉位置に位置してクランク室30の圧力が低下し、斜板26が最大傾斜角で、ピストン27がフルストローク位置側に位置する。最小容量運転信号とすると、つまりこの例ではデューティ比:MIN状態(0%)とすると、コントロールバルブ13が開位置に位置してクランク室30の圧力が上昇し、斜板26が最小傾斜角で、ピストン27がディストローク位置側に位置することになる。このように可変容量コンプレッサ8は、吐出室29からクランク室30への冷媒流量を調整することで冷媒の吐出容量を制御できるため、デューティ比とコンプレッサ吐出側圧力からコンプレッサ吸入側圧力をほぼ特定できる。
又、これを利用してデューティ比モードによる制御を行う。つまり、デューティ比MAXモードでは、デューティ比を最大デューティ比(100%)で固定する。デューティ比NORMALモードでは、デューティ比を目標エバポレータ後温度と実エバポレータ後温度とにより算出した値とする。デューティ比MINモードでは、デューティ比を最低デューティ比(0%)で固定する。
本実施形態の可変容量コンプレッサ8では、電磁コイル35に非通電状態(つまり、デューティ比=0%)では、図5のduty=0%線図(一点鎖線)の吐出側圧力(高圧側圧力)Pd、吸入側圧力(低圧側圧力)Psの関係になるようにコントロールバルブ13のダイヤフラム32、セットスプリング33が設定されている。吸入側圧力(低圧側圧力)Psが非常に高い状態(例えば5Kg/cm2G)では、ダイヤフラム32に5Kg/cm2Gの圧力が作用し、制御体28、高圧ボール31が押し下げられて全閉位置となる。全閉位置では、クランク室30が吸入室50にのみ連通する状態となり、吸入側圧力(低圧側圧力)と同等となり、ピストンストロークが最大(最大容量)となる。すると、吸入側圧力(低圧側圧力)は徐々に低下する。duty=0%線図に近くなると、ダイヤフラム32に作用する吸入側圧力(低圧側圧力)も低下し制御体28、高圧ボール31の押し下げ量が低下する。すると、クランク室30への冷媒流量も低下し、ピストン背面に作用する圧力上昇により徐々にピストンストロークも低下し容量制御状態となり圧力がduty=0%線図上で安定する。
例えば、空調コントロールユニット14からデューティ比60%とするようにコントロールバルブ13に制御パルス信号が出力されると、可変容量コンプレッサ8はduty=60%線図(短点線)の吐出側圧力(高圧側圧力)Pd、吸入側圧力(低圧側圧力)Psの関係になるように制御する。電磁コイル35に通電されているが、吸入側圧力(低圧側圧力)が非常に高い状態(例えば5Kg/cm2G)では、ダイヤフラム32に5Kg/cm2Gの圧力が作用し、制御体28、高圧ボール31が押し下げられる。これにより、クランク室30は吸入室50の吸入側圧力と同等となり、ピストンストロークが最大(最大容量)となる。すると、吸入側圧力(低圧側圧力)は徐々に低下する。duty=60%線図に近くなると、ダイヤフラム32に作用する吸入側圧力(低圧側圧力)も低下し制御体28、高圧ボール31の押し下げ量が低下する。すると、クランク室30への冷媒流量も低下し、ピストン背面に作用する圧力上昇により徐々にピストンストロークも低下し容量制御状態となり圧力がduty=60%線図上で安定する。
次に、可変容量コンプレッサ8の定常運転時のトルクの算出方法と起動運転時のトルクの算出方法について説明する。なお、明細書中で定常運転とはクラッチがオフからオンしてから所定時間(この例では4秒)以上経過して冷媒が流れている場合をいい、起動運転時のトルクとはクラッチがオフからオンしてから所定時間(この例では4秒)以内で冷媒がまだ流れていない状態または流れ始めている場合をいう。
(定常運転時のトルク)
先ず、定常運転時のトルクすなわち定常トルクの算出を説明する。定常トルクは、エバポレータ12の入口側空気温度とエバポレータ12の出口側空気温度との温度差であるエバ前後温度差データと、コンプレッサ吐出側圧力データと、コントロールバルブ13を制御する外部制御信号であるデューティ比データとコンプレッサ回転数データとから算出する。以下、図4〜図10を用いて説明する。
図4はモリエル線とこれに対応するよう記載された冷凍サイクル7とを示す図、図5はデューティ比をパラメータとするコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ吐出側圧力の特性線図、図6は冷凍サイクル負荷(エバポレータ負荷)を一定とした場合にあって、デューティ比をパラメータとするコンプレッサ吐出側圧力とトルクの特性線図、図7はコンプレッサデューティー比を一定(60%)とした場合にあって、冷凍サイクル負荷(エバポレータ吸気の空気温度(℃)、湿度(%)、送風機電圧(V))を変動させた場合のコンプレッサ吐出側圧力とトルクの特性線図、図8はコンプレッサデューティー比を一定(60%)とした場合にあって、冷凍サイクル負荷(エバポレータ吸気の空気温度(℃)、湿度(%)、送風機電圧(V))を変動させた場合のトルクとエバ前後温度差とコンプレッサ吐出側圧力の比の特性線図、図9は定常トルク算出処理のフローチャート、図10は本実施形態によって算出した推定トルクと実際に測定した実トルクとの特性線図である。
可変容量コンプレッサ8のトルクTcを求める理論式の一つとして下記の式(1)がある。
Tc=(i1−i2)×Gr×ηm/Nc・・・(1)
但し、i1はコンプレッサ吐出冷媒エンタルピ、i2はコンプレッサ吸入冷媒エンタルピ、Grは冷媒流量、ηmはコンプレッサ機械効率、Ncはコンプレッサ回転数である。
図4に示すように、コンプレッサ吐出冷媒エンタルピi1とコンプレッサ吸入冷媒エンタルピi2は、それぞれi1=f(Pd)、i2=f(Ps)の関数で表すことができるため、上記(1)式は、下記の式(2)で表すことができる。
Tc={f(Pd)−f(Ps)}×Gr×ηm/Nc・・・(2)
(2)式において、ηmはコンプレッサ圧縮比(Pd/Ps)及び冷媒流量Grにて変化し、コンプレッサ機種固有の値である。又、Ncは既知の値であるため、コンプレッサ吐出側圧力Pd、コンプレッサ吸入側圧力Ps及び冷媒流量Grが読み取りできればトルク推定ができることになる。
コンプレッサ吐出側圧力Pdは、冷媒圧力センサ21nのセンサ検出値より読み取り可能である。コンプレッサ吸入側圧力Psは、本可変容量コンプレッサ8ではコントロールバルブ13への制御パルス信号のデューティ比によってコンプレッサ吸入側圧力Psを制御するため、コンプレッサ吐出側圧力Pdとデューティ比から読み取ることができる。つまり、図5に示すように、コンプレッサ吸入側圧力Psとコンプレッサ吐出側圧力Pdがデューティ比によって所定の特性線を示すことになるため、外部制御信号であるデューティ比とコンプレッサ吐出側圧力Pdによりコンプレッサ吸入側圧力Psをほぼ特定できる。
従って、上記式(2)は、下記の式(3)で表すことができる。
Tc={f(Pd)−f(Pd,デューティ比)}×Gr×ηm/Nc・・・(3)
式(3)を更にまとめると、下記の式(4)で表すことができる。
Tc=F1(Pd,デューティ比)×Gr×ηm/Nc・・・(4)
次に、式(4)の変数の絞り込みを行う。冷凍サイクル負荷(エバポレータ吸気負荷)を一定(25℃、湿度50%、送風量(ブロワ電圧5V))とした時のデューティ比をパラメータとした際のコンプレッサ吐出側圧力PdとトルクTcの相関関係は、図6に示すものとなる。図6からデューティ比ベースでコンプレッサ吐出側圧力Pdとデューティ比からトルクTcを充分に推定可能と考えることができる。
従って、冷凍サイクル負荷(エバポレータ吸気負荷)が一定であれば、Grはf1(Pd,Ps)、ηmはf2(Pd,Pd)の関数で表される。従って、式(4)は下記の式(5)で表現できる。
Tc=F(Pd,デューティ比)/Nc・・・(5)
次に、冷凍サイクル負荷(エバポレータ吸気負荷)が変化した場合にどのようなトルク変動が起こるか検証する。エバポレータ12の吸気温度を一定の25℃とし、湿度及び送風量(ブロワファンモータ19への電圧)を変化させると、図7に示すように、コンプレッサ吐出側圧力PdとトルクTcの相関関係が認められる。つまり、可変領域のトルクが違い、冷凍サイクル負荷(エバポレータ吸気負荷)が変化した場合に冷媒流量Grが変化する。従って、冷媒流量Grを推定する要素が必要であり、この要素をエバポレータ負荷による冷房性能の下記式より検討する。
エバポレータ冷媒吸熱量をQevap、エバポレータ入口側冷媒エンタルピをi3、エバポレータ出口側エンタルピをi2(コンプレッサ吸入側エンタルピと同値のため、同じ記号を使用)とすると、
Qevap=(i3−i2)×Gr・・・(6)
従って、Gr=Qevap/(i3−i2)・・・(7)
ここで、エバポレータ空気吸熱量Qevap(空気)は、下記の式で表せる。 Qevap(空気)={(エバ前空気吸熱量)−(エバ後空気吸熱量)}×(エバ風量)/(空気比容積)
エバポレータ冷媒吸熱量Qevapはエバポレータ空気側吸熱量Qevap(空気)と同値であり、エバポレータ入口側空気温度と出口側空気温度との温度差に比例するため、エバポレータ冷媒吸熱量Qevapはエバ前後温度差(Δt)より読み取ることで推定できる。従って、Qevap=f(Δt)の関数で表すことができる。
又、図4に示すように、エバポレータ入口側エンタルピi3とエバポレータ出口側エンタルピi2は、それぞれi3=f(Pd)、i2=f(Ps)の関数で表すことができるため、上記(7)式は、下記の式(8)で表すことができる。
Gr=f3(Δt)/f4(Pd)−f(Pd,デューティ比)・・・(8)
上記式(8)は、分母がPd、デューティ比の関数であるため、これをまとめると下記の式(9)で表せる。
Gr=f3(Δt)/F2(Pd,デューティ比)・・・(9)
この式(9)と上記した式(4)より、トルクTcは下記の式(10)で表せる。
Tc=F1(Pd,デューティ比)×{f3(Δt)/F2(Pd,デューティ比)}/Nc・・・(10)
上記式(10)を更にまとめると、下記式(11)になる。
Tc=f(Δt)/f(Pd,デューティ比)/Nc・・・(11)
上記のトルク演算式(11)より、Δt/PdとトルクTcの関係をグラフに表すと、図8に示すものとなる。図8よりエバポレータ負荷(吸気湿度、送風量)の差を吸収できる結果となった。以上より、可変容量コンプレッサ8のトルクTcを、エバポレータ12の入口側空気温度とエバポレータの出口側空気温度との温度差であるエバ前後温度差Δtと、コンプレッサ吐出側圧力Pdと、コントロールバルブ13を制御する制御パルス信号のデューティ比とコンプレッサ回転数Ncより算出できる。
本実施形態では、アイドリング時や減速時フューエルカット時等における可変容量コンプレッサ8のトルクTcを簡単に算出するために、上記式(11)において、コンプレッサ回転数Ncとして一定値(アイドリング時や減速時フューエルカット時の通常回転数値)を使用すると共に、エバ前後温度差Δt、コンプレッサ吐出側圧力Pdを変数項とし、デューティ比及びエバ前後温度差Δtに応じて、実車での計測値に基づいて決定されるデータ値を定数項A,Bとする下記のトルク演算式(12)を用いる。
Tc=A×LN(Pd/Δt)+B・・・(12)
コンプレッサトルク算出部14cは、上記トルク演算式(12)と各種条件毎の測定により得られる定数項A,Bのデータ値とを外付け又は内蔵のメモリ(図示せず)に記憶し、トルク演算式(12)の変数項及び定数項に該当する各データを入力して計算を実行することによりトルクを算出する。
また、容量制御状態での定常トルクは、上記トルク演算式(12)のように、コンプレッサ吐出側圧力Pdとエバ前後温度差Δtの関係となるが、フルストローク状態でのトルク(定常フルストロークトルク)Tは、固定コンプレッサと同様に、コンプレッサ吐出側圧力Pdのみの関数(T=f(Pd)、図6参照)によってトルク推定できる。
次に、定常トルク(アイドリング時や減速時フューエルカット時等を含む)のトルク演算処理を図9のフローに基づいて説明する。図9に示すように、先ず、定常時になると、コントロールバルブ13へのデューティ比をNORMALモードとする(ステップS1)。そして、デューティ比に目標エバポレータ後温度と実エバポレータ後温度とにより算出した値を採用する(ステップS2)。次に、FREスイッチ21eとRECスイッチ21fからの出力情報によりインテークドア40が外気導入位置であるか内気循環位置であるかを判別する(ステップS3)。外気導入位置であれば、エバポレータ入口側空気温度として外気温度センサ21jの検出温度を取り込み、この検出データを遅延補正した外気温度センサ認識値をコンプレッサトルク算出部14cに入力する(ステップS4)。内気循環位置であれば、エバポレータ入口側空気温度として内気温度センサ21iの検出温度を取り込み、この検出データを遅延補正した内気温度センサ認識値をコンプレッサトルク算出部14cに入力する(ステップS5)。
次に、エバポレータ出口側空気温度である吸込温度センサ21lの検出温度を取り込み、この検出データを遅延補正した吸込温度センサ認識値をコンプレッサトルク算出部14cに入力する(ステップS6)。
次に、上記データよりエバ前後温度差データΔtを算出する(ステップS7)。つまり、外気導入であれば、外気温度センサ認識値から吸込温度センサ認識値を減算し、内気循環であれば、内気温度センサ認識値から吸込温度センサ認識値を減算してエバ前後温度差データΔtを算出する。
次に、冷媒圧力センサ21nの検出圧力を取り込み、この検出データを遅延補正したコンプレッサ吐出側圧力認識値をコンプレッサトルク算出部14cに入力する(ステップS8)。
次に、コンプレッサ容量制御部14bがコントロールバルブ13に送る制御パルス信号のデューティ比をコンプレッサトルク算出部14cに入力する(ステップS9)。
次に、コンプレッサトルク算出部14cは、入力デューティ比が90%以上であれば、フルストローク推定算出式(図6参照)に基づき定常トルクを算出する(ステップS11)。入力デューティ比が90%未満であれば、入手した上記各データをトルク演算式(12)に入力して計算を実行することによりトルクを算出する(ステップS12)。そして、算出したトルクをエンジンコントロールユニット3に送信する(ステップS13)。以上の処理を繰り返すことによってリアルタイムに可変容量コンプレッサ8のトルクを算出する。エンジンコントロールユニット3は送信されて来るトルクを元に、例えばアイドリングモードでのエンスト、空吹かし等を防止すべく吸気空気量(燃料供給量)を制御する。
次に、上記定常トルクの算出手段の変形例を説明する。コンプレッサトルク算出部14cは、エバ前後温度差データΔt、コンプレッサ吐出側圧力データPd及びデューティ比データ、コンプレッサ回転数データNcを変数とするトルク演算式(11)を外付け又は内蔵のメモリ(図示せず)に記憶し、トルク演算式(11)に入手した上記各データを入力して計算を実行することによりトルクを算出する。トルク演算処理過程では、上記実施形態で入力した各種データに加えてコンプレッサ回転数データNcを入力する。このように構成すれば、メモリに記憶するデータ量が少なくて済む。又、アイドリング時や減速時フューエルカット時等に拘わらず、車両用空調装置6の全作動中におけるトルクも算出できる。
尚、トルク演算式(11)内のコンプレッサ回転数Ncを一定値(アイドリング時や減速時フューエルカット時の通常回転数値)としたトルク演算式を記憶するようにしても良い。このようにすれば、アイドリング時や減速時フューエルカット時のようにコンプレッサ回転数Ncが所定の回転数でほぼ一定である場合にあって、取得するデータを削減できると共にトルク演算式の計算が容易になる。
(起動運転時のトルク)
次に、起動運転時のトルクの算出方法を説明する。
この実施形態の起動運転時のトルク算出装置14cは、エアコン6の内外の状態を検出する状態検出手段21と、クラッチオフ直前の前記状態検出手段21で検出した状態に基づいて定常トルクを算出し記憶するオフトルク算出手段(ステップS2〜S12およびS22)と、クラッチオン後の状態検出手段で検出した状態に基づいて起動トルクを算出する起動トルク算出手段(ステップS45)と、クラッチオン後の前記状態検出手段で検出した状態に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出する定常フルストローク算出手段(ステップS46)と、クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、前記オフトルク算出手段および起動トルク算出手段および前記定常フルストロークトルク算出手段の算出値のうちの最大値を判定してエンジン制御部へ出力する判定手段(ステップS47)と、を備えたものである。
以下、図11〜図16に基づいて説明する。図11は可変容量コンプレッサ8の運転停止時の動作フローチャート、図12は可変容量コンプレッサ8の再起動時の動作フローチャート、図13は起動トルク算出のフローチャート、図14は可変容量コンプレッサ8の運転停止時のA/Cクラッチと出力デューティ比のタイミングチャート、図15は可変容量コンプレッサ8の再起動時のA/Cクラッチ、出力デューティ比、トルク算出パターンのタイミングチャート、図16は実験等より得た起動トルクの算出特性線図である。
先ず、可変容量コンプレッサ8の運転停止時の動作を説明する。図11に示すように、エアコンスイッチ(図示せず)がオンからオフに切り替えられると(ステップS20)、エンジンコントロールユニット3が空調停止条件のチェック後に、A/Cクラッチ(図示せず)をオンからオフとする(ステップS21)。すると、先ず、空調コントロールユニット14は、A/Cクラッチがオフされる直前に算出した定常トルクつまりオフトルク(Tc=Tm)をメモリに記憶する(ステップS22)。そして、空調コントロールユニット14はデューティ比モードをMAXを選択し、図14に明示するように、コンプレッサ容量制御部14bがコントロールバルブ13にデューティ比=100%の制御パルス信号を出力する(ステップ23,S24)。又、空調コントロールユニット14は、A/Cクラッチがオフされた時点からのオフ時間をカウントアップする(ステップS25)。そして、オフ時間が10秒を経過するまでは、空調コントロールユニット14は現在のトルクとしてオフトルクTmを採用し、オフトルクTmをエンジンコントロールユニット3に出力し続ける(ステップS26,S27,S28)。
可変容量コンプレッサ8の運転が停止されてから10秒経過すると、空調コントロールユニット14はデューティ比モード:MINを選択し、コンプレッサ容量制御部14bがコントロールバルブ13にデューティ比=0%の制御パルス信号を出力する(ステップ29,S30)。そして、空調コントロールユニット14は現在のトルクとしてTc=0を採用し、Tc=0をエンジンコントロールユニット3に出力する(ステップS26,S27,S28)。
上記動作過程において、可変容量コンプレッサ8の運転停止時に、A/Cクラッチがオフされるとその後10秒間だけコントロールバルブ13への出力デューティ比=100%とすることで(図14参照)、コントロールバルブ13を全閉位置に位置させている。これは、クランク室30内の圧力を急変させずに保持させる為である。コントロールバルブ13が全閉位置とされると、吐出室29とクランク室30の冷媒流通が遮断される。すると、吐出室29の高圧冷媒がクランク室30に流入しない。クランク室30は吸入室50と抽気通路で常時連通しているため、クランク室30の冷媒が吸入室50に流入し、クランク室30の圧力が吸入室50の低圧側圧力に安定する。その結果、クランク室30及び吸入室50の各圧力は運転オフ時から所定時間(約6秒)をかけて除々に均等な圧力に戻る。
吐出室29の高圧冷媒がクランク室30に流入しないことによってクランク室30の圧力変化が極力抑えられるため、斜板26、ピストン27は、安定した所定の挙動を示すことになり、起動トルク値の精度向上に寄与する。
次に、可変容量コンプレッサ8の再起動時の動作を説明する。図12に示すように、エアコンスイッチ(図示せず)がオフからオンに切り替えられると(ステップS40)、エンジンコントロールユニット3が空調駆動条件のチェック後、A/Cクラッチ(図示せず)をオフからオンとする(ステップS41)。すると、先ず、空調コントロールユニット14は、A/Cクラッチがオンされた時点からの時間をカウントアップする(ステップS42)。そして、空調コントロールユニット14はデューティ比モード:MAXを選択し、図15に明示するように、コンプレッサ容量制御部14bがコントロールバルブ13にデューティ比=100%の制御パルス信号を出力する(ステップ43,S44)。デューティ比=100%の制御パルス信号は10秒間出し続ける。デューティ比=100%の制御パルス信号を出力すると、コントロールバルブ13が全閉位置となり、吸入室50の低圧側圧力が安定化し、起動トルクの推定精度が向上する。又、デューティ比=100%の制御パルス信号の出力時間を10秒間とするのは、吸入室50の吸入側圧力が安定するまでの時間は外気温度によって異なり、その影響を受けないようにするためである。
次に、空調コントロールユニット14は、起動トルク算出マップ(図16参照)に基づいて起動トルクTを算定する(ステップS45)。このステップ45が起動トルク算出手段に相当する。続いてフルストローク状態の定常トルクを定常フルトロークトルク算出マップ(図6参照)に基づいてフルストロークトルクTfを算出する(ステップS46)。このステップ46が本発明の定常フルストローク算出手段に相当する。次に、算出された起動トルクTおよび定常フルストロークトルクTfと、ステップS22で記憶したクラッチオフ時の定常トルクTmと、のうち最大値を選択する(ステップ47)。このステップ46が本発明の判定手段に相当する。選択した値をエンジンコントロールユニット3に出力する(ステップ48)。このような演算処理(S45、S46、S47、S48)は、再起動から4秒間続ける(ステップS49)。
再起動から4秒経過すると(ステップS49)、定常トルクにおけるフルストローク算出マップ(図6参照)に基づいてフルストロークトルクTfを算出する(ステップS50)。再起動から4秒経過すれば(つまりデューティー100%で最大容量制御を4秒間やれば)、フルストロークになっているはずであるから、定常フルストロークトルクTFを算出し、このトルクTFをエンジンコントロールユニット3に出力する(ステップS51)。そして、再起動から10秒経過すると(ステップS52)、上記した定常トルク算出フローに移行し、定常トルクを算出する。
次に、起動トルクTの算出処理を説明する。図13に示すように、空調コントロールユニット14は、外気温度センサ21jのTa認識値を入力し、高圧側の冷媒圧力センサ21nのPd認識値を入力する(ステップS60,S61)。
次に、得られた外気温度Taと高圧圧力Pdとの情報をもとに、図16に示す起動トルク推定マップ(図16)から起動トルクTを求める(ステップS67)。
図16の起動トルク推定マップは、当該可変容量コンプレッサ8を停止状態から起動した時の起動トルクの実験データ等に基づいて作成され、外気温度と冷凍サイクル7の高圧側圧力をパラメータとする。起動トルク特性線Tmid(図16中の実線で示す)より起動トルクTmidを求める(ステップ67)。このとき、起動トルクTmidの他に、フルストローク位置での起動トルクTmaxも求める(ステップS67)。そして、起動トルクTmidがフルストローク位置での起動トルクTmaxより小さければ、そのまま起動トルクTmidを起動トルクTとして採用する(ステップS65、S67)。コンプレッサ8の機械的な要因からTmidの上限がTmaxであるから、起動トルクTmidがフルストローク位置での起動トルクTmaxより大きければ、Tmidが異常値であり、Tmaxを上限値として切り捨てるべくフルストローク位置での起動トルクTmaxを起動トルクとして採用する(ステップS65、S66)。 次に本実施形態の効果をまとめる。
(i)本実施形態のトルク算出装置は、エアコン6の内外の状態を検出する状態検出手段21と、クラッチオフ直前の状態検出手段21で検出した状態に基づいて定常トルクを算出し記憶するオフトルク算出手段(ステップS2〜12およびステップS22に相当)と、クラッチオン後の状態検出手段で検出した状態に基づいて、起動トルクを算出する起動トルク算出手段(ステップS45に相当)と、クラッチオン後の状態検出手段で検出した状態に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出する定常フルストローク算出手段(ステップS46に相当)と、クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、オフトルク算出手段および起動トルク算出手段および定常フルストロークトルク算出手段の算出値のうちの最大値を判定してエンジン制御部へ出力する判定手段(ステップS47に相当)と、を備える。言い換えると、本実施形態のトルク算出方法は、エアコンの内外の状態を検出し、クラッチオフ直前のエアコン6の内外の状態に基づいて定常トルクを算出し記憶し(ステップS2〜12およびS22)、クラッチオン後のエアコン6の内外の状態に基づいて起動トルクを算出し(ステップS45)、クラッチオン後のエアコン6の内外の状態に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出し(ステップS46)、クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、3つの算出値の最大値を判定してエンジン制御部3に出力する(ステップS47、S48)。そのため、可変容量コンプレッサ8の起動時(クラッチオン時)に3つの算出値の最大値を判定して出力することにより、実際のトルクよりも小さな値をエンジン制御部に出力することでエンジンがエンストしてしまうようなことを防止でき、エンジンの安全運転性が確保される。
(ii)本実施形態によれば、起動トルク算出手段(ステップS45)は、状態検出手段21で検出した冷凍サイクルの高圧側圧力Pdおよび外気温度Taに基づいて起動トルクを算出する。そのため、少ない入力情報で起動トルクを算出できる。
(iii)本実施形態によれば、定常フルストローク算出手段(ステップS46)は、状態検出手段で検出した冷凍サイクルの高圧側圧力Pdに基づいて起動トルクを算出する。そのため、少ない入力情報で定常フルストロークトルクTMを算出できる。
(iv)本実施形態によれば、オフトルク検出手段(ステップS4〜12およびステップS22)は、状態検出手段21で検出した冷凍サイクルの高圧側圧力Pdおよびエバポレータの前後温度差ΔTおよびコントロールバルブ13を制御する外部制御信号であるデューティ比およびコンプレッサ回転数Nc情報に基づいてオフトルク(オフ時の定常トルク)Tmを算出する。そのため、比較的少ない入力情報で正確なオフトルクTmを算出できる。
(v)本実施形態によれば、可変容量コンプレッサ8は、エンジン1からの回転を連結・遮断するクラッチと、クラッチが連結時にエンジン1からの動力で回転駆動する回転軸24と、回転軸24の回転に伴って往復動し吸入室50から流入した冷媒を圧縮して圧縮した冷媒を吐出室29に吐出する冷媒圧縮部材27と、吐出室29とクランク室30の間を連通する供給通路54と、クランク室30と吸入室50の間を連通する抽気通路と、供給通路54と抽気通路のいずれか一方の通路面積を可変でき且つ外部制御信号によって制御されるコントルールバルブ13と、を備え、クランク室30の圧力を変化させるものである。そのため、コンプレッサ8の容量が迅速に制御される。
(vi)本実施形態によれば、可変容量コンプレッサ8は、クラッチがオンされると、冷媒圧縮部材27がフルストローク位置となるようにコントロールバルブ13を制御する。つまり、クラッチがオンされた際に、冷媒圧縮部材27がフルストローク位置となるようにしているため、起動時の推定トルクと、実際の起動時のトルクと、が大きく離れてしまうことを防止でき、算出精度が向上する。
上記実施形態の作用では、エアコンスイッチのオン・オフによってA/Cクラッチがオン・オフする場合について説明したが、エアコンスイッチのオン・オフ以外でA/Cクラッチがオン・オフ制御されるものであっても良い。例えば、エバポレータ出口側温度が所定温度以下の時に、可変容量コンプレッサ8のA/Cクラッチをオフする場合であり、エバポレータ出口側温度に応じてA/Cクラッチをオン・オフする場合にも起動トルクを推定できる。
また上記実施形態では、可変容量コンプレッサ8は、目標吹き出し温度に基づいてエバポレータ出口側温度目標を定め、この目標に応じて可変容量コンプレッサ8の容量をコントロールし、コンプレッサ容量制御部14bは、冷凍サイクル7の低圧側圧力を導入し低圧側圧力が低下すると開弁方向に移動し、低圧側圧力が上昇すると閉弁方向に移動するようコントルールバルブ13に外部制御信号を出力し、外部制御への制御が一定でも低圧側圧力に応じて容量を制御する場合にも本発明を適用できる。つまり、外部制御信号の値を一定値とする指示があっても実測温度と目標吹き出し温度との間に差があると速やかに最大容量になるよう制御する場合にも起動トルクを推定できる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく本発明の技術的思想の範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、コントロールバルブ13は、図3に示すように、吸入側圧力(低圧側圧力)を感知して弁開度を制御するタイプであるが、特開2001−317467号公報に開示の既知の絞り通路に圧力感知部を設け、吐出側圧力(高圧側圧力)を導びくタイプのものであっても良い。
また、上記実施形態では、可変容量コンプレッサ8内の圧力が均等状態になると、斜板26、ピストン27の戻る初期位置がフルストローク位置とディストローク位置の中立位置であるものについて説明したが、初期位置が中立位置以外の位置であっても同様に本発明を適用できる。この場合には、当該初期位置に基づいて起動トルク推定マップを作成することになる。
また、記実施形態では、可変容量コンプレッサ8の冷媒の吐出容量を外部より制御する外部制御信号として制御パルス信号のデューティ比を使用したが、各種の電気量を使用可能であり、デューティ比に限定されるものでない。
また、上記実施形態では、エンジン駆動による可変容量コンプレッサ8を用いた例を説明したが、電動モータの駆動による可変容量コンプレッサにも同様に本発明を適用できる。
また、上述の実施形態では、起動トルクTを、起動トルク推定マップ(図16)から高圧側圧力Pdおよび外気温度Taの情報に基づいて算出しているが、その他の起動トルク推定マップにより起動トルクを算出してもよい。
また、上述の実施形態では、定常トルクは、定常トルク推定マップ(図6および図6)から高圧側圧力Pdおよびエバポレータの前後温度差ΔTおよびデューティ比およびコンプレッサ回転数Nc情報に基づいて算出しているが、例えば特開平5−99156号の数式12および数式13などによって定常トルクを算出してもよい。また、本願図5に示すように低圧側圧力Psと高圧側圧力Pdがデューティー比によって所定の特性性を示すことを利用するとともに、特開平5−99156号の数式12および数式13を利用して、定常トルクを算出してもよい。また、その他の定常トルク推定マップにより定常トルクを算出してもよい。
本発明の一実施形態を示し、車両用空調装置のシステム図である。 本発明の一実施形態を示し、可変容量コンプレッサの断面図である。 本発明の一実施形態を示し、可変容量コンプレッサの容量可変制御を説明する図である。 本発明の一実施形態を示し、モリエル線とこれに対応するよう記載された冷凍サイクルとを示す図である。 本発明の一実施形態を示し、デューティ比をパラメータとするコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ吐出側圧力の特性線図である。 本発明の一実施形態を示し、冷凍サイクル負荷(エバポレータ負荷)を一定とした場合にあって、デューティ比をパラメータとするコンプレッサ吐出側圧力とトルクの特性線図である。 本発明の一実施形態を示し、冷凍サイクル負荷(エバポレータ負荷)が変動する場合にあって、コンプレッサ吐出側圧力とトルクの特性線図である。 本発明の一実施形態を示し、デューティ比を一定(60%)とした場合にあって、トルクとコンプレッサ吐出側圧力の特性線図である。 本発明の一実施形態を示し、定常トルク算出処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態を示し、推定トルクと実トルクの特性線図である。 本発明の一実施形態を示し、可変容量コンプレッサの運転停止時の動作フローチャートである。 本発明の一実施形態を示し、可変容量コンプレッサの再起動時の動作フローチャートである。 本発明の一実施形態を示し、起動トルク算出のフローチャートである。 本発明の一実施形態を示し、可変容量コンプレッサの運転停止時のA/Cクラッチと出力デューティ比のタイミングチャートである。 本発明の一実施形態を示し、可変容量コンプレッサの再起動時のA/Cクラッチ、出力デューティ比、トルク算出パターンのタイミングチャートである。 本発明の一実施形態を示し、実験等より得た起動トルクの特性線図である。
符号の説明
1 エンジン
3 エンジンコントロールユニット(エンジン制御部)
6 車両用空調装置(エアコン)
7 冷凍サイクル
8 可変容量コンプレッサ
13 コントロールバルブ
14 空調コントロールユニット(空調制御部)
14c トルク算出部
20 エンジン制御センサ群(状態検出手段)
21 空調制御センサ群(状態検出手段)
S2〜12、S22 オフトルク算出手段
S45 起動トルク算出手段
S46 定常フルストローク算出手段
S47 判定手段

Claims (9)

  1. 可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    エアコン(6)の内外の状態を検出する状態検出手段(20、21)と、
    前記クラッチオフ直前の前記状態検出手段で検出したエアコン(6)の内外の第1の状態に基づいて定常トルクを算出し記憶するオフトルク算出手段と、
    前記クラッチオン後の前記状態検出手段で検出したエアコン(6)の内外の第2の状態に基づいて起動トルクを算出する起動トルク算出手段と、
    前記クラッチオン後の前記状態検出手段で検出したエアコン(6)の内外の第3の状態に基づいて、フルストローク状態の定常トルクを算出する定常フルストローク算出手段と、
    前記クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、前記オフトルク算出手段および前記起動トルク算出手段および前記定常フルストロークトルク算出手段の算出値のうちの最大値を判定して出力する判定手段と、
    を備えることを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  2. 請求項1に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記起動トルク算出手段は、前記状態検出手段(20、21)で検出した前記第2の状態である冷凍サイクルの高圧側圧力(Pd)および外気温度(Ta)に基づいて起動トルクを算出することを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  3. 請求項1に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記定常フルストローク算出手段は、前記状態検出手段で検出した前記第3の状態である冷凍サイクルの高圧側圧力(Pd)に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出することを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  4. 請求項1に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記オフトルク算出手段は、前記状態検出手段(20、21)で検出した前記第1の状態である冷凍サイクルの高圧側圧力(Pd)およびエバポレータの前後温度差(ΔT)およびコントロールバルブを制御する外部制御信号であるデューティ比およびコンプレッサ回転数(Nc)情報に基づいて定常トルクを算出することを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記可変容量コンプレッサ(8)は、エンジン(1)からの回転を連結・遮断するクラッチと、前記クラッチが連結時にエンジン(1)からの動力で回転駆動する回転軸(24)と、前記回転軸の回転に伴って往復動し吸入室(50)から流入した冷媒を圧縮して圧縮した冷媒を吐出室(29)に吐出する冷媒圧縮部材(27)と、吐出室(29)とクランク室(30)の間を連通する供給通路(54)と、クランク室(30)と吸入室(50)の間を連通する抽気通路と、供給通路(54)と抽気通路のいずれか一方の通路面積を可変でき、外部制御信号によって制御されるコントルールバルブ(13)とを備え、クランク室(30)の圧力を変化させるものであることを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  6. 請求項5に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記可変容量コンプレッサ(8)は、前記クラッチがオンされると、前記冷媒圧縮部材(27)がフルストローク位置となるように前記コントロールバルブ(13)を制御することを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  7. 請求項5または6に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記可変容量コンプレッサ(8)は、エバポレータ出口側温度が所定温度以下の時に、可変容量コンプレッサ(8)のクラッチをオフする制御を行うことを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  8. 請求項5〜7の何れか1項に記載の可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置であって、
    前記可変容量コンプレッサ(8)は、目標吹き出し温度に基づいてエバポレータ出口側温度目標を定め、この目標に応じて可変容量コンプレッサ(8)の容量をコントロールし、前記コンプレッサ容量制御部(14b)は、冷凍サイクル(7)の低圧側圧力を導入し低圧側圧力が低下すると開弁方向に移動し、低圧側圧力が上昇すると閉弁方向に移動するよう前記コントルールバルブ(13)に外部制御信号を出力し、外部制御信号が一定値であっても低圧側圧力に応じて容量を制御することを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出装置。
  9. 可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出方法であって、
    エアコン(6)の内外の状態を検出し、前記クラッチオフ直前の前記エアコン(6)の内外の第1の状態に基づいて定常トルクを算出し記憶し、前記クラッチオン後の前記エアコン(6)の内外の第2の状態に基づいて起動トルクを算出し、前記クラッチオン後の前記エアコン(6)の内外の第3の状態に基づいてフルストローク状態の定常トルクを算出し、前記クラッチがオンされてからの経過時間が所定時間以下の場合に、前記3つの算出値の最大値を判定して出力することを特徴とする可変容量コンプレッサ(8)のトルク算出方法。
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