JP4941363B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルの冷媒流量を検出する流量検出装置を有する冷凍サイクル装置に関する。
従来、冷凍サイクル内の圧縮機の吐出冷媒の流量を検出する流量検出装置が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、流量検出装置で検出された冷媒流量により算出された精度の高い圧縮機のトルクの情報をエンジンの制御装置に入力することで、適切なエンジン制御の実現を図っていた。
特開2007−211703号公報
ところで、特許文献1に記載の流量検出装置は、ケース内部の密封室内に収納され、冷媒の流量変化に応じた流体圧力により移動するスプールと、スプールを流体圧力に対向する方向に付勢するスプリングと、スプールに取り付けられた磁石と、ケースの外方に磁石と対向するように配設された磁気センサとで構成されている。
しかしながら、このような構成では、スプールと密封室との間の摺動部に異物等が挟まった場合に、スプールが固着する可能性があった。スプールが固着した状態では、圧縮機の吐出冷媒の流量、圧縮機のトルクが正確に算出されないため、適切なエンジン制御が行なわれず、エンジンストール等の問題が発生する可能性があった。
本発明は、上記点に鑑み、流量検出装置におけるスプールの固着の有無を判定可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機(2)と、圧縮機(2)の吐出側に設けられた絞り部(31)と、絞り部(31)における圧力損失に応じて移動するスプール(36)、スプール(36)の移動量を検出する移動量検出手段を有し、スプール(36)の移動量により圧縮機(2)の吐出冷媒の流量を検出する流量検出手段(32)と、冷媒の圧力を検出する圧力検出手段と、少なくとも圧力検出手段の検出値が所定変化量を超えて変化した場合において、移動量検出手段により検出されたスプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定する固着判定手段とを備えることを特徴としている。
このように、冷媒の圧力が所定量を超えて変化した場合において、スプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することで、スプール(36)の固着により発生する問題を事前に回避可能となる。ここで、圧力検出手段は、冷媒の圧力を直接的に検出するものに限定されず、間接的に検出するものも含んでいる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、圧力検出手段は、圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力を検出する高圧圧力検出手段を有し、固着判定手段は、圧縮機(2)の起動前の高圧圧力に対して起動後の高圧圧力が所定上昇量を超えて上昇した場合において、移動量検出手段により検出されたスプール(36)の移動量が前記所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することを特徴としている。
このように、圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力が圧縮機起動前に比べて起動後に所定上昇量を超えて上昇した場合において、スプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することができる。ここで、高圧圧力検出手段は、圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力を直接的に検出するものに限定されず、間接的に検出するものも含んでいる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、圧力検出手段は、圧縮機(2)の吸入側の低圧圧力を検出する低圧圧力検出手段を有し、固着判定手段は、圧縮機(2)の起動前の低圧圧力に対して起動後の低圧圧力が所定低下量を超えて低下した場合において、移動量検出手段により検出されたスプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することを特徴としている。
このように、圧縮機(2)の吸入側の低圧圧力が圧縮機起動前に比べて所定低下量を越えて低下した場合において、スプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することができる。ここで、低圧圧力検出手段は、圧縮機(2)の吸入側の低圧圧力を直接的に検出するものに限定されず、間接的に検出するものも含んでいる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、圧力検出手段は、圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力を検出する高圧圧力検出手段、圧縮機(2)の冷媒吸入側の低圧圧力を検出する低圧圧力検出手段を有し、固着判定手段は、圧縮機(2)の起動前の高圧圧力に対して起動後の高圧圧力が所定上昇量を超えて上昇し、かつ、圧縮機(2)の起動前の低圧圧力に対して起動後の低圧圧力が所定低下量を超えて低下した場合において、移動量検出手段により検出されたスプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することを特徴としている。
このように、圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力が圧縮機起動前に比べて起動後に所定上昇量を超えて上昇し、圧縮機(2)の吸入側の低圧圧力が圧縮機の起動前に比べて所定低下量を越えて低下した場合において、スプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール(36)が固着していると判定することができる。
これにより、スプール(36)の固着判定を、圧縮機起動前後における圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力の変化と圧縮機(2)の吸入側の低圧圧力の変化に基づいて行なうため、スプール(36)の固着判定の精度を向上させることができる。ここで、高圧圧力検出手段及び低圧圧力検出手段は、冷媒の圧力を直接的に検出するものに限定されず、間接的に検出するものも含んでいる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項2または4に記載の発明において、高圧圧力検出手段は、圧縮機(2)の吐出側に設けられた高圧圧力センサ(125)であることを特徴としている。
このように、圧縮機(2)の吐出側に高圧圧力センサ(125)を設ける構成とすることで、圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力を直接的に精度良く検出できるため、スプール(36)の固着判定の精度を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項3または4に記載の発明において、圧縮機(2)の冷媒吸入側に接続され、冷媒を蒸発させて冷却する蒸発器(6)と、蒸発器(6)の冷媒温度を検出する蒸発器温度検出手段(124)とを備え、低圧圧力検出手段は、蒸発器温度検出手段(124)の検出値に応じて算出される蒸発器(6)内の冷媒圧力を低圧圧力とすることを特徴としている。
このように、圧縮機(2)の冷媒吸入側の低圧圧力を、蒸発器(6)の蒸発器温度により間接的に検出することで、低圧圧力を検出する専用の圧力センサを設ける必要がないため、冷凍サイクル装置の部品点数の増加を抑制することができる。
また、請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発明において、圧縮機(2)は、外部からの制御電流により吐出容量を可変する吐出容量可変手段を有する可変容量型圧縮機であって、吐出容量可変手段は、制御電流が所定電流以上となる場合に吐出容量を可変するように構成されており、固着判定手段は、制御電流が所定電流以上である場合にスプール(36)が固着しているか否かを判定することを特徴としている。
このように、圧縮機(2)として可変容量型圧縮機を採用する場合には、吐出容量可変手段に入力される制御電流が所定電流以上となる場合に、スプール(36)の固着判定を行なうことで、スプール(36)の固着判定の精度を向上させることができる。さらに、固定容量型圧縮機と異なり、圧縮機(2)起動後においても吐出容量の変化に伴い、冷媒流量が変化することになるため、圧縮機(2)の起動時に限らず冷媒流量の変化時にスプール36の固着判定を行なうことができる。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の発明において、移動量検出手段は、スプール(36)に設けられた磁性体(37)に対向するように配設され、磁性体(37)の移動により変化する磁束密度を検出する磁束密度センサ(42)で構成してもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態は、車両用空調装置に本発明を適用したものである。ここで、図1は、車両用空調装置の全体構成の概要を示す全体構成図である。
車両用空調装置の一部を構成する冷凍サイクル装置1は、エンジンルーム内に配置され、圧縮機2を有して構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル装置1において、後述する蒸発器6下流側の冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、電磁クラッチ9およびベルト機構10を介してエンジン11から駆動力が伝達されて回転駆動される。圧縮機2の概略構成については後述する。
圧縮機2の吐出側は、凝縮器3入口側に接続されている。この凝縮器3は、エンジンルーム内にてエンジン11と車両フロントグリル(図示せず)との間に配置されており、圧縮機2から吐出された冷媒と送風ファン(図示せず)により送風された外気とを熱交換させて、冷媒を冷却する放熱器である。
凝縮器3の出口側は、気液分離器4の入口側に接続されている。気液分離器4は、凝縮器3で冷却された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離するものである。
気液分離器4の液相冷媒出口側は、膨張弁5に接続されている。膨張弁5は、気液分離器4で分離された液相冷媒を減圧膨張させるとともに、膨張弁5出口側から流出する冷媒の流量を調整するものである。具体的には、膨張弁5は、圧縮機2と後述する蒸発器6間の冷媒温度を検出する感温筒5aを有しており、圧縮機2に吸入される冷媒の温度と圧力とに基づいて圧縮機吸入側冷媒の過熱度を検出し、この過熱度が予め設定された所定過熱度となるように弁開度を調整している。
膨張弁5の下流側は、蒸発器6に接続されている。蒸発器6は、空調ユニットの空調ケース7内に配置されており、膨張弁5にて減圧膨張された冷媒と空調ケース7内に配置された送風ファン12によって送風された送風空気とを熱交換させる熱交換器である。
ここで、空調ケース7に設けられた周知の内外気切替箱(図示せず)から吸入された車室内の空気(内気)または車室外の空気(外気)が送風機12により空調ケース7内を車室内へ向かって送風される。この送風空気は、蒸発器6を通過した後に、ヒータユニット(図示せず)を通過して吹出口から車室内に吹き出すようになっている。
また、空調ケース7内のうち、蒸発器6の空気吹出直後の部位には、蒸発器6を通過した直後の吹出空気温度(蒸発器温度)を検出するサーミスタからなる蒸発器温度センサ124が設けられている。なお、蒸発器温度センサ124は、蒸発器6のフィン温度(蒸発器温度)を検出するように構成してもよい。
さらに、空調ケース7の空気下流端には、図示しない車室内乗員の上半身に空気を吹き出すフェイス吹出口、車室内乗員の足元に空気を吹き出すフット吹出口、フロントガラス内面に空気を吹き出すデフロスタ吹出口が形成され、これらの吹出口を切替開閉する吹出モードドア(図示せず)が備えられている。
蒸発器6の下流側は、圧縮機2の後述する吸入口21と接続されており、蒸発後の冷媒は再び圧縮機2に流入する。このように、冷凍サイクル装置1では、圧縮機2→凝縮器3→気液分離器4→膨張弁5→蒸発器6→圧縮機2の順で冷媒が循環するようになっている。
次に、本実施形態の電気制御部100の概要を説明する。電気制御部100は、エアコン制御部100a(エアコンECU)とエンジン制御部100b(エンジンECU)を備えており、それぞれ、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータおよびその周辺回路から構成される。
ここで、エアコン制御部100aは、空調用センサ群121〜125からのセンサ検出信号、車室内前部の計器盤付近に配置される空調操作パネル126に設けられた各種空調操作スイッチSWから操作信号に基づいて、車両用空調装置の総合的な制御を行なうものである。また、エアコン制御部100aは、マイクロコンピュータのROM内に空調制御機器9等の制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算処理を行う。
空調用センサ群としては、外気温Tamを検出する外気センサ121、内気温Trを検出する内気センサ122、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ123、蒸発器6の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度TEを検出する蒸発器温度センサ124、圧縮機2から吐出される吐出冷媒の圧力(高圧圧力)Phを検出する高圧圧力センサ(高圧圧力検出手段)125、流量検出装置30等が設けられている。
ここで、本実施形態では、高圧圧力センサ125が、圧縮機2の吐出側から凝縮器3の入口側の間に設けられ、圧縮機2の吐出側の高圧圧力Phを検出する高圧圧力検出手段を構成している。流量検出装置30については後述する。なお、圧縮機2の吐出側の高圧圧力とは、圧縮機2の吐出口から膨張弁5の冷媒入口までの間の冷媒圧力を意味している。
空調操作パネル126に設けられた各種空調操作スイッチSWとして、圧縮機2の作動指令信号を出すエアコンスイッチ、吹出モードを設定する吹出モードスイッチ、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ、車室内温度を設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ等が設けられている。
次に、エアコン制御部100aのマイクロコンピュータの出力側には、周辺回路である各種アクチュエータ駆動用の駆動回路(図示せず)を介して、電磁クラッチ9、蒸発器6の送風ファン12等が接続される。そして、これらの各種アクチュエータ9、12の作動がエアコン制御部100aの出力信号により制御される。
また、エアコン制御部100aは、車両側のエンジン制御部100bに接続されており、これらの両制御部100a、100bは、相互間で信号を入出力できるようになっている。
エンジン制御部100bは、周知のごとく車両エンジン11の運転状況等を検出するエンジン用センサ群(図示せず)からのセンサ検出信号等に基づいて、車両エンジン11への燃料噴射量、点火時期等を最適値に制御するものである。エンジン制御部100bは、マイクロコンピュータのROM内に制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算処理を行う。
次に、本実施形態で用いる圧縮機2についての概略構成を図2〜図4に基づいて説明する。図2は、本実施形態の圧縮機2の概略構成を示す概略構成図、図3は、流量検出装置の流量検出部の概略図、図4は流量検出装置の磁束密度センサの出力電圧と圧縮機の吐出側の冷媒流量を関連付けた制御特性図である。
本実施形態の圧縮機2は、周知の固定容量型圧縮機を用いており、具体的には、スクロール型圧縮機、ベーン型圧縮機等の各種圧縮機構を採用できる。圧縮機2は、蒸発器6下流側の冷媒を吸入する吸入口21と、後述する圧縮室26で圧縮された冷媒を吐出する吐出口22を有するハウジング20を備えている。
ハウジング20内には、吸入口21と圧縮室26とを接続する吸入通路25、および圧縮室26と吐出口22を接続する吐出通路27が設けられている。蒸発器6から吸入された冷媒は、吸入通路25を通過して圧縮室26に流入され、圧縮室26で圧縮された冷媒は、吐出通路27を通過して凝縮器3に流出される。
圧縮室26と吐出口22の間の吐出通路27には、圧縮機2の冷媒吐出流量を検出する流量検出装置30が設けられている。この流量検出装置30により検出された圧縮機2の吐出側の冷媒流量に基づいて、圧縮機2のトルクが算出される。圧縮機2のトルクは、電気制御部100で算出され、エンジン11の回転数設定等に用いられる。
流量検出装置30は、吐出通路27において吐出冷媒に圧力損失(前後差圧)を発生させる絞り部31と、絞り部31の前後差圧により圧縮機2の吐出冷媒の流量を検出する流量検出部32等を有して構成されている。なお、流量検出部32は、流量検出手段を構成している。
ここで、圧縮室26と絞り部31との間で吐出通路27から分岐するように形成された上流側冷媒通路33、及び、絞り部31と吐出口22との間で吐出通路27から分岐するように形成された下流側冷媒通路34が、流量検出部32に接続されている。
次に、流量検出部32について図3に基づいて説明する。圧縮機2のハウジング20内には、上流側冷媒通路33及び下流側冷媒通路34と接続される円筒状の収納室35が形成されている。この収納室35には、室内を図3における上下方向に摺動可能に設けられたスプール36が収納されている。
図3におけるスプール36の上側の上端部36aには、磁石等の磁性体37が埋設されている。また、図3におけるスプール36の下側の下端部36bは、収納室35を摺動可能に収納室35と略同径に形成されている。
また、スプール36は、収納室35の上側壁部35aとスプール36の上端部36aとの間及び収納室35の下側壁部35bとスプール36の下端部36bとの間に第1、第2スプリング38、39が介在され、スプール36のバランス位置を定めている。
収納室35内には、スプール36の上端部36aの上側領域40に上流側連通口35cが形成され、スプール36の下端部36bの下側領域41に下流側連通口35dが形成されている。
上流側連通口35cは、上流側冷媒通路33に接続され、収納室35内の上側領域40に絞り部31の冷媒流れ上流側の冷媒が流通するようになっている。また、下流側連通口35dは、下流側冷媒通路34に接続され、収納室35内の下側領域41に絞り部31の冷媒流れ下流側の冷媒が流通するようになっている。
したがって、収納室35内のスプール36は、上端部36aにかかる上流側冷媒通路33を流れる冷媒の圧力と下端部36bにかかる下流側冷媒通路34を流れる冷媒の圧力との差圧により、図3の上方又は下方に移動する。
本実施形態では、固定容量型圧縮機を用いているため、圧縮機2の吐出側の高圧圧力が変化する圧縮機2の起動時等に、圧縮機2の吐出流量が変化するため、スプール36にかかる差圧が変化し、スプール36は、差圧に応じて図3の上方又は下方に移動する。
一方、ハウジング20の外側にホール素子若しくはMIセンサ等の磁束密度センサ42が配設されている。磁束密度センサ42は、収納室35の上側壁部35aに面して、ハウジング20に対して隙間を空け、スプール36に埋設した磁性体37と対向するように配置されている。
磁束密度センサ42は、磁性体37に発生する磁束密度に応じた電気的な検出信号(出力電圧)を制御装置100に出力するように構成されている。ここで、磁束密度センサ42で出力する出力電圧の変化が、スプール36の移動量と対応しており、磁束密度センサ42がスプール36の移動量を検出する移動量検出手段を構成している。
ここで、エアコン制御部100aには、図4に示すような磁束密度センサ42の出力電圧と冷媒流量との関係を関連付けた制御マップが予め記憶され、この制御マップに基づいて圧縮機2の吐出冷媒の流量が検出される。なお、制御マップは、予め実験等により得られた情報に基づいた制御特性である。
次に、本実施形態において、電気制御部100が実行する制御処理を図5〜図7に基づいて説明する。図5は、スプールの固着判定制御のフローチャートを示し、図6は、圧縮機起動後からの時間経過と圧縮機2吐出側の高圧圧力の変化との関係を示し、図7は、外気温度の変化と圧縮機2吐出側の高圧圧力変化との関係を示している。
図5に示すフローチャートは、車両エンジン11のイグニッションスイッチが投入され、電気制御部100にバッテリB(図示しない)から電源供給された状態で、空調操作スイッチSWからの操作信号に応答してスタートする。
まず、ステップS10で、エアコンスイッチがONされた否かを判定する。エアコンスイッチがONされた場合は、ステップS20で、各種センサの初期値の検出を行なう。本実施形態では、高圧圧力センサ125により圧縮機2起動前の吐出側の高圧圧力の初期圧力Ph0、磁束密度センサ42により圧縮機2起動前のスプール36の初期位置H0を検出する。
ステップS20で初期値を検出した後、ステップS30で圧縮機2を起動させる。圧縮機2の起動後に、ステップS40で高圧圧力センサ125により圧縮機2の吐出側の高圧圧力Phを検出する。
ここで、図5に示すように、圧縮機2起動後の吐出側の高圧圧力Phは、圧縮機2起動前の初期圧力Ph0に比べて時間経過とともに上昇し、その後所定圧力に安定する。また、図6に示すように外気温度の上昇とともに、圧縮機2起動前の初期圧力Ph0が上昇し、圧縮機起動後の安定した吐出側の高圧圧力Phも同様に上昇する関係となっている。つまり、外気温度の変化に関わらず、圧縮機2起動後の吐出側の高圧圧力Phは、圧縮機2起動前の初期圧力Ph0に対して高い値となる。
図4に戻り、ステップS50で、ステップS20で検出した初期圧力Ph0に対するステップS40で検出した吐出側の高圧圧力Phの上昇量が所定上昇量に達したか否かを判定する。ここで、所定上昇量は、圧縮機2により冷凍サイクル装置1内を冷媒が循環する程度の上昇量に設定され、例えば、0.05MPaに設定される。初期圧力Ph0に対する吐出側の高圧圧力Phの上昇量が所定上昇量に達するまで、ステップS40、ステップS50が繰り返される。
ステップS50で、圧縮機2の初期圧力Ph0に対する吐出側の高圧圧力Phの上昇量が所定上昇量に達したと判定された場合は、ステップS60で、流量検出装置30によりスプール36の移動位置Hを検出する。なお、スプール36の移動位置Hは、磁束密度センサ42の出力電圧の変化により検出される。
ここで、初期圧力Ph0に対して吐出側の高圧圧力Phの上昇量が所定上昇量となると、冷媒が安定して冷凍サイクル装置1内を循環するため、圧縮機2の吐出側に設けられた絞り部31の前後で差圧が発生し、スプール36の固着がなければ、流量検出部32のスプール36が収納室35内において上方又は下方に移動することとなる。
次に、ステップS70で、スプール36の初期位置H0から移動位置Hまでの移動量が
所定移動量を超えているか否かを判定する。スプール36の移動量が、所定移動量を超えている場合は、スプール36が固着していないものとしてステップS80に進み、スプールの固着なしと判断する。
一方、スプール36の移動量が、所定移動量を超えていない場合は、スプール36が固着しているものとしてステップS90に進み、スプールの固着ありと判断する。そして、ステップS100で電磁クラッチ9を切り離して圧縮機2を停止する。ここで、ステップS40〜ステップS90までの制御処理が、本実施形態におけるスプール固着判定手段を構成している。
以上説明したように、本実施形態では、圧縮機2で吐出側の高圧圧力Phが初期圧力Ph0に対して所定上昇量を超えて変化した場合において、スプール36の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール36が固着していると判定することができる。
このように、流量検出装置30におけるスプール36の固着判定を行なうことができ、スプール36が固着していると判定された場合には、圧縮機2を停止することができるため、スプールの固着により発生するエンジンストール等の問題を事前に回避可能となる。
また、圧縮機2で吐出側の高圧圧力を専用の圧力センサ125で検出する構成であり、高圧圧力を精度よく検出することができるため、スプール36の固着判定の精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8〜図10に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図8は、本実施形態におけるスプールの固着判定制御のフローチャートを示し、図9は、圧縮機起動後からの時間経過と吸入側の低圧圧力の変化との関係を示し、図7は、外気温度の変化と吸入側の低圧圧力の変化との関係を示している。
第1実施形態では、圧縮機2の吐出側の高圧圧力Phの変化とスプール36の移動量とに基づいてスプール36の固着判定を行なったが、本実施形態では、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plの変化とスプール36の移動量とに基づいてスプール36の固着判定を行なう。
ここで、本実施形態においては、低圧圧力を検出する低圧圧力センサ(低圧圧力検出手段)を蒸発器6と圧縮機2の間に設け、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plを検出可能に構成されている。なお、圧縮機2の吸入側の低圧圧力とは、膨張弁5の冷媒出口から圧縮機2の吸入口までの間の冷媒圧力を意味している。
具体的に本実施形態の固着判定制御について図8のフローチャートに沿って説明すると、まず、ステップS20で、低圧圧力センサにより圧縮機起動前の吸入側の低圧圧力の初期圧力Pl0、磁束密度センサ42により圧縮機2起動前のスプール36の初期位置H0を検出する。
圧縮機2の起動後、ステップS40で低圧圧力センサにより圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plを検出する。ここで、図9に示すように、圧縮機2起動後の吸入側の低圧圧力Plは、圧縮機2起動前の初期圧力Pl0に比べて時間経過とともに低下し、その後所定圧力に安定する。ここで、図10に示すように、外気温が所定基準温度(例えば、7℃)以上である場合には、圧縮機2起動前の初期圧力Ph0が、圧縮機起動後の安定した吸入側の低圧圧力Plよりも高い圧力となる。つまり、外気温が所定基準温度(例えば、7℃)以上である場合には、圧縮機2起動後の吸入側の低圧圧力Plは、圧縮機2起動前の初期圧力Ph0に対して低い値となる。
図8に戻り、ステップS50で、ステップS20で検出した初期圧力Pl0に対するステップS40で検出した吸入側の低圧圧力Plの低下量が所定低下量に達したか否かを判定する。ここで、所定低下量は、圧縮機2により冷凍サイクル装置1内を冷媒が循環する程度の低下量に設定され、例えば、0.05MPaに設定される。
ここで、吸入側の低圧圧力の初期圧力Pl0に対して吸入側の低圧圧力Plの低下量が所定低下量となると、冷媒が安定して冷凍サイクル装置1内を循環するため、圧縮機2の吐出側に設けられた絞り部31の前後で差圧が発生し、スプール36の固着がなければ、流量検出部32のスプール36は、収納室35内において上方又は下方に移動することとなる。
そして、スプール36の初期位置H0から移動位置Hまでの移動量が所定移動量を超えているか否かを判定し、所定移動量を超えていない場合は、スプール36が固着していると判断して圧縮機2を停止する(ステップS60〜ステップS100)。
このように、冷凍サイクル装置1内の圧縮機2の吸入側の低圧圧力が圧縮機起動前に比べて所定低下量を越えて低下した場合において、スプール36の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール36が固着していると判定することができる。
これにより、外気温度が所定基準温度よりも高い状態であれば、圧縮機2の吐出側の高圧圧力を検出する高圧圧力センサ124を設けなくても、圧縮機2の吸入側の低圧圧力の変化とスプール36の移動量との関係によりスプール36の固着判定制御を行なうことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図11、図12に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。上記第1実施形態では、圧縮機2として固定容量側圧縮機を採用した例について説明したが、本実施形態では、可変容量型圧縮機を採用した例について説明する。
本実施形態の圧縮機2は、エアコン制御部100aから出力される制御信号(制御電流)によって吐出容量を連続的に変更可能に構成された周知の斜板式可変容量型圧縮機である。なお、吐出容量とは冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積、すなわちピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
具体的に圧縮機2は、吸入冷媒と吐出冷媒とを導入させる斜板室(図示せず)、斜板室へ導入させる吸入冷媒と吐出冷媒との割合を調整する電磁式容量制御弁(図示せず)、斜板室の圧力に応じて傾斜角度を変位させる斜板(図示せず)を有して構成されている。そして、この斜板の傾斜角度に応じてピストンストローク(吐出容量)が変更される。
電磁式容量制御弁は、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plと吐出側の高圧圧力Phとの差圧による力を発生する圧力応動機構と、この差圧による力と対向する電磁力を発生する電磁機構とを内蔵しており、差圧による力と電磁力との釣り合いによって弁開度(吸入冷媒と吐出冷媒との割合)を調整して斜板室の圧力を変化させる。
また、電磁機構の電磁力は、エアコン制御部100aから出力される制御電流Iによって決定され、制御電流Iを増加させると、斜板室の圧力が低下し、斜板の傾斜角度が増加する。これにより、ピストンストローク(吐出容量)が増加する。逆に、制御電流Iを減少させると、斜板室の圧力が上昇し、斜板の傾斜角度が減少する。これにより、ピストンストローク(吐出容量)が減少する。本実施形態では、電磁式容量制御弁が吐出容量可変手段を構成する。
制御電流Iの出力は、具体的には電流制御回路の構成上、デューティ制御により変化させる方式とするのが通常であるが、制御電流Iの値をデューティ制御によらず直接、連続的(アナログ的)に変化させてもよい。このように制御電流Iが調整されることによって、圧縮機41では、吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させることができる。
次に、本実施形態のスプール36の固着判定制御について図11、図12に基づいて説明する。ここで、図11は、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plと制御電流Iとの関係により定まる圧縮機2の吐出容量の状態を示し、図12は、本実施形態におけるスプールの固着判定制御のフローチャートを示している。
可変容量型圧縮機は、上述のように制御電流Iの増加により吐出容量が増加し、制御電流Iの減少により吐出容量が減少する関係となるが、図11に示すように、制御電流Iが所定制御電流以上にまで増加しないと圧縮機2の吐出容量が変化しないようになっている。
つまり、図11における制御電流Iと吸入側の低圧圧力Plがともに高い領域(図中、実線の上側領域)では、圧縮機2の吐出容量が100%となり、実線上では、吐出容量が0〜100%の間を可変する状態(可変域)となる。また、制御電流Iが低く吸入側の低圧圧力Plが高い領域、制御電流Iが高く吸入側の低圧圧力Plが低い領域、制御電流Iと吸入側の低圧圧力Plがともに低い領域では、圧縮機2の吐出容量が0%となる。
したがって、制御電流Iが、所定電流以上に増加されないと圧縮機2で冷媒が圧縮されず、実質的に圧縮機2は停止した状態となる。このように、圧縮機2が実質的に停止した状態では、冷凍サイクル装置1内を冷媒が循環しないため、絞り部31で圧力損失(差圧)が発生せず、スプール36が移動しない状態となる。
そのため、本実施形態では、図12に示すように、ステップS30において圧縮機2の起動後、ステップS31で、エアコン制御部100aが圧縮機2の電磁式容量制御弁に出力する制御電流Iを検出して、ステップS32で制御電流Iが所定電流値を越えたか否かを判定する。なお、制御電流Iの検出値は、エアコン制御100aからの出力値を用いている。
そして、制御電流Iが所定電流値を越えた場合に、ステップS40に進み、以降スプール36の固着判定を行なう。ここで、所定電流値は、車両空調装置における冷凍サイクル装置1の吸入側の低圧圧力Plの最小圧力値付近(例えば、0.1MPaG)において、圧縮機2の吐出容量が100%となる制御電流(例えば、0.7A以上)に設定すればよい。
このように、圧縮機2として可変容量型圧縮機を採用した場合には、制御電流Iが所定電流値以上であるときに、スプール36が固着したか否かを判断することで、スプール36の固着判定制御の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、圧縮機2として可変容量型圧縮機を採用しているため、スプール36が固着していると判断された場合の圧縮機2の停止を、制御電流Iを所定電流以下に下げることで、圧縮機2の吐出容量を強制的に略0%付近の最小容量まで減少させ、圧縮機10を実質上停止させるようにしてもよい。このようにすれば、圧縮機2の電磁クラッチ9を廃止できるので、圧縮機2をクラッチレス構造にすることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図13、図14に基づいて説明する。上記第2実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図13は、蒸発器吹出空気温度(蒸発器温度)と圧縮機2の吸入側の低圧圧力との関係を定めた特性図を示し、図14は、本実施形態におけるスプールの固着判定制御のフローチャートを示している。
第2実施形態では、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plを低圧圧力センサにより検出し、スプール36の固着判定制御を圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plの変化、及び、スプール36の移動量に基づいて行なっている。本実施形態では、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plを蒸発器吹出空気温度TEから推定するとともに、スプール36の固着判定制御を、圧縮機2の吐出側の高圧圧力Phの変化、圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plの変化、及び、スプール36の移動量に基づいて行なう。
圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plは、蒸発器温度センサ124で検出された蒸発器吹出空気温度TEを蒸発器6の冷媒蒸発温度と同程度となるため、蒸発器吹出空気温度TEにより図14の蒸発器吹出空気温度TEと吸入側の低圧圧力Plとの関係を示す制御マップ(飽和圧力線)に基づいて圧縮機2の吸入側の低圧圧力Plを算出することができる。ここで、本実施形態における蒸発器温度センサ124、制御マップ等が、低圧圧力検出手段を構成している。なお、この制御マップは、予めエアコン制御部100aのROM等に記憶されている。
また、本実施形態のスプール36の固着判定制御は、図14に示すように、ステップS20で、高圧圧力センサ125により圧縮機2起動前の吐出側の高圧圧力の初期圧力Ph0、蒸発器温度センサ124により圧縮機2起動前の蒸発器吹出空気温度の初期温度TE0、磁束密度センサ42により圧縮機2起動前のスプール36の初期位置H0を検出する。ここで、本実施形態では、蒸発器吹出空気温度の初期温度TE0に基づいて圧縮機2の吸入側の低圧圧力の初期圧力Pl0を推定する。
ステップS30で圧縮機2を起動した後、ステップS40で圧縮機起動後の蒸発器吹出空気温度TEを検出する。そして、ステップS41で、ステップS40で検出した蒸発器吹出空気温度TEに基づいて圧縮機2の吸入側の低圧圧力Pl(図14におけるf(TE))を推定し、ステップS50に進む。
ステップS50で、圧縮機2の吸入側の低圧圧力の初期圧力Pl0に対する吸入側の低圧圧力Plの低下量が所定低下量に達したか否かを判定し、圧縮機2の吸入側の低圧圧力の初期圧力Pl0に対する吸入側の低圧圧力Plの低下量が所定低下量に達したと判定された場合に、ステップS51で、高圧圧力センサ125で圧縮機2の吐出側の高圧圧力Phを検出する。
そして、ステップS52で、ステップS20で検出した吐出側の高圧圧力の初期圧力Ph0に対するステップS51で検出した吐出側の高圧圧力Phの上昇量が所定上昇量に達したか否かを判定する。
ステップS52で圧縮機2の吐出側の高圧圧力の初期圧力Ph0に対する吐出側の高圧圧力Phの上昇量が所定上昇量に達したと判定された場合に、スプール36の初期位置H0から移動位置Hまでの移動量が所定移動量を超えているか否かを判定し、所定移動量を超えていない場合は、スプール36が固着していると判断して圧縮機2を停止する(ステップS60〜ステップS100)。
このように、圧縮機2の吐出側の高圧圧力が圧縮機起動前に比べて起動後に所定上昇量を超えて上昇し、圧縮機2の吸入側の低圧圧力が圧縮機起動前に比べて所定低下量を越えて低下した場合において、スプール36の移動量が所定移動量を超えないときに、スプール36が固着していると判定することができる。
これにより、スプール36の固着判定を、圧縮機2の吐出側の高圧圧力の変化と圧縮機2の吸入側の低圧圧力の変化の2つの判定に基づいて行なうため、スプール36の固着判定の精度を向上させることができる。
また、圧縮機2の冷媒吸入側の低圧圧力を、蒸発器6の蒸発器吹出空気温度TEにより算出することで、低圧圧力を検出する専用の圧力センサを設ける必要がないため、冷凍サイクル装置1の部品点数の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態では、圧縮機2の吸入側の低圧圧力が圧縮機起動前に比べて所定低下量を越えて低下した後、圧縮機2の吐出側の高圧圧力が圧縮機起動前に比べて起動後に所定上昇量を超えて上昇したか否かを判定しているが、圧縮機2の吐出側の高圧圧力が圧縮機起動前に比べて起動後に所定上昇量を超えて上昇した後、圧縮機2の吸入側の低圧圧力が圧縮機起動前に比べて所定低下量を越えて低下したか否かを判定してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、圧縮機2の吸入側の高圧圧力を高圧圧力センサ125により直接検出しているが、これに限定されるものではない。例えば、外気センサ121で検出される外気温Tamは、凝縮器3出口側の冷媒温度と同程度の温度となるため、外気温度と圧縮機2の吐出側の高圧圧力との関係を定めた制御マップに基づいて圧縮機2の高圧圧力を間接的に検出してもよい。
これにより、高圧圧力センサ125を設けることなく圧縮機2の吐出側の高圧圧力を検出することができる。ここで、外気温度センサ121、制御マップ等が高圧圧力検出手段を構成している。なお、制御マップは、予め実験等により求め、エアコン制御部100aのROM等に記憶しておけばよい。
(2)上述の実施形態では、移動量検出手段として、スプール36の移動量(出力電圧)を検出するために磁束密度センサ42を設ける構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、リニアポテンショメータによりスプール36の移動量を検出するように構成してもよい。
(3)上述の実施形態では、流量検出装置30の収納室35は、圧縮機2のハウジング20に設ける構成としたが、ハウジング20の外部にケースを設置し、そのケース内に形成する構成としてもよい。
(4)上述の実施形態では、圧縮機2のハウジング20と磁束密度センサ42との間に隙間を設ける構成としているが、両者を接触させた状態でもよい。
(5)上述の第3実施形態では、圧縮機2の起動前後における高圧圧力の上昇量とスプール36の移動量とに基づいて、スプール36の固着判定制御を行なっているが、これに限定されるものではない。圧縮機2として可変容量型圧縮機を採用している場合であれば、圧縮機2の起動前後における低圧圧力の低下量とスプール36の移動量等とに基づいて、スプール36の固着判定制御を行なってもよい。
さらに、固定容量型圧縮機と異なり、圧縮機2起動後においても吐出容量の変化に伴い、冷媒流量が変化するため、圧縮機2の起動時に限らず冷媒流量の変化時にスプール36の固着判定を行なってもよい。例えば、所定間隔毎の圧縮機2の吐出側の高圧圧力の変化量が所定変化量を越えて変化した場合に、スプール36の移動量が所定移動量を超えないときにスプール36が固着していると判断すればよい。
(6)上述の実施形態では、本発明の冷凍サイクル装置1を車両用空調装置に適用した例を説明しているが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、業務用冷蔵冷凍装置、家庭用冷蔵庫等に適用してもよい。
第1実施形態に係る車両空調装置の全体構成図である。 第1実施形態に係る圧縮機の概略構成図である。 第1実施形態に係る流量検出装置の流量検出部の概略構成図である。 磁束密度センサの出力電圧と圧縮機の吐出冷媒の流量との関係を示す特性図である。 第1実施形態に係るスプール固着判定制御のフローチャートである。 圧縮機起動後の経過時間と高圧圧力の変化を説明する説明図である。 外気温度の変化に伴う高圧圧力の変化を説明する説明図である。 第2実施形態に係るスプール固着判定制御のフローチャートである。 圧縮機起動後の経過時間と低圧圧力の変化を説明する説明図である。 外気温度の変化に伴う低圧圧力の変化を説明する説明図である。 低圧圧力と制御電流との関係により定まる可変容量型圧縮機の吐出容量の状態を説明する状態説明図である。 第3実施形態に係るスプール固着判定制御のフローチャートである。 蒸発器吹出空気温度と低圧圧力との関係を説明する説明図である。 第4実施形態に係るスプール固着判定制御のフローチャートである。
符号の説明
1 冷凍サイクル装置
2 圧縮機
31 絞り部
32 流量検出部(流量検出手段)
36 スプール
42 磁束密度センサ(磁束密度検出手段)

Claims (8)

  1. 冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機(2)と、
    前記圧縮機(2)の吐出側に設けられた絞り部(31)と、
    前記絞り部(31)における圧力損失に応じて移動するスプール(36)、前記スプール(36)の移動量を検出する移動量検出手段を有し、前記スプール(36)の移動量により前記圧縮機(2)の吐出冷媒の流量を検出する流量検出手段(32)と、
    冷媒の圧力を検出する圧力検出手段と、
    少なくとも前記圧力検出手段の検出値が所定変化量を超えて変化した場合において、前記移動量検出手段により検出された前記スプール(36)の移動量が所定移動量を超えないときに、前記スプール(36)が固着していると判定する固着判定手段とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記圧力検出手段は、前記圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力を検出する高圧圧力検出手段を有し、
    前記固着判定手段は、前記圧縮機(2)の起動前の前記高圧圧力に対して起動後の前記高圧圧力が所定上昇量を超えて上昇した場合において、前記移動量検出手段により検出された前記スプール(36)の移動量が前記所定移動量を超えないときに、前記スプール(36)が固着していると判定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記圧力検出手段は、前記圧縮機(2)の吸入側の低圧圧力を検出する低圧圧力検出手段を有し、
    前記固着判定手段は、前記圧縮機(2)の起動前の前記低圧圧力に対して起動後の前記低圧圧力が所定低下量を超えて低下した場合において、前記移動量検出手段により検出された前記スプール(36)の移動量が前記所定移動量を超えないときに、前記スプール(36)が固着していると判定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記圧力検出手段は、前記圧縮機(2)の吐出側の高圧圧力を検出する高圧圧力検出手段、前記圧縮機(2)の冷媒吸入側の低圧圧力を検出する低圧圧力検出手段を有し、
    前記固着判定手段は、前記圧縮機(2)の起動前の前記高圧圧力に対して起動後の前記高圧圧力が所定上昇量を超えて上昇し、かつ、前記圧縮機(2)の起動前の前記低圧圧力に対して起動後の前記低圧圧力が所定低下量を超えて低下した場合において、前記移動量検出手段により検出された前記スプール(36)の移動量が前記所定移動量を超えないときに、前記スプール(36)が固着していると判定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記高圧圧力検出手段は、前記圧縮機(2)の吐出側に設けられた高圧圧力センサ(125)であることを特徴とする請求項2または4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記圧縮機(2)の冷媒吸入側に接続され、冷媒を蒸発させて冷却する蒸発器(6)と、
    前記蒸発器(6)の冷媒温度を検出する蒸発器温度検出手段(124)とを備え、
    前記低圧圧力検出手段は、前記蒸発器温度検出手段(124)の検出値に応じて算出される前記蒸発器(6)内の冷媒圧力を前記低圧圧力とすることを特徴とする請求項3または4に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記圧縮機(2)は、外部からの制御電流により吐出容量を可変する吐出容量可変手段を有する可変容量型圧縮機であって、
    前記吐出容量可変手段は、前記制御電流が所定電流を超える場合に吐出容量を可変するように構成されており、
    前記固着判定手段は、前記制御電流が所定電流を越える場合に前記スプール(36)が固着しているか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記移動量検出手段は、前記スプール(36)に設けられた磁性体(37)に対向するように配設され、前記磁性体(37)の移動により変化する磁束密度を検出する磁束密度センサ(42)であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つの冷凍サイクル装置。
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