JP2007211703A - 容量可変型圧縮機における流量検出装置 - Google Patents

容量可変型圧縮機における流量検出装置 Download PDF

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太田  雅樹
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Abstract

【課題】圧縮機の低流量時に正確な流量検出を行える信頼性のある流量検出装置を提供する。
【解決手段】密封された密封室36には、スプール41が摺動可能に装填され、有底部43側に磁石44が埋設される。有底部43側にバランススプリング45が、筒状部42側に非線形スプリングである不等ピッチスプリング46がそれぞれ介在される。不等ピッチスプリング46はL1部分が狭い間隔で巻かれてばね力が強く、L2部分が広い間隔で巻かれてばね力が弱くなるように設定される。圧縮機の低流量時の低い差圧がスプール41にかかると、広い間隔部分L2が大きく撓む。高い差圧がかかると、狭い間隔部分L1の付勢により変位量が小さくなる。この結果、流量に対する磁気センサー55の出力が直線的な変化に変えられ、検出感度が一定となるので吐出流量の低流量域から高流量域に至る流量変化を正確に検出することができる。
【選択図】図3

Description

本願発明は、容量可変型圧縮機において冷媒ガスの吐出流量の変化に対応して移動する可動体を磁気的に検出する流量検出装置に関するものである。
容量可変型圧縮機(以下、単に圧縮機という)は、例えば特許文献1に開示されているように、制御弁CVに流量指令を出し、制御弁CVの開度を調整することによって斜板15の傾斜角を変更し、吐出容量(本願明細書では、圧縮機の1回転毎の吐出流量をいう)を変更するように構成されている。
しかし、特許文献1のような吐出容量変更制御は制御弁CVに一方的に流量変更指令を出すのみで、制御弁CVによって制御された結果である実際の吐出容量を知ることができないという問題がある。
また、吐出容量が変更されると圧縮機の動力も変化することになるが、その必要な動力は流量指令値に基づく計算値で推測しているのが現状である。
このため、例えば流量変更指令後の吐出容量が指令値に達するまでの間は、実際の圧縮機の動力と前記計算値との間で誤差が生じる。特に、車両エンジンの運転開始時に圧縮機を起動したような場合は特に誤差が大きくなる。このため、必要な車室内温度に達する時間が長くなったり、車両側のエンジンへの負担が増加するなど、適切な制御を行いにくい状態がある。
従って、圧縮機において冷媒ガスの吐出流量を正確に検出できれば、実際の吐出容量や動力を計算によって知ることができ、極めて有用である。
そこで、例えば特許文献2の図2に開示されるような電子式流量計を利用し、圧縮機の吐出流量を検出する方法が考えられる。
特許文献2の電子式流量計は、流量と2点間の流体の差圧が比例関係にあることを利用したもので、以下の構造を有する。オリフィス8を設けた流路7から高圧導圧路9及び低圧導圧路10を介してベロフラム12及びマグネット13を装填した差圧検出部11へ流体を供給する。高圧導圧路9の流体は、図においてベロフラム12の左側の部屋へ流入し、低圧導圧路10の流体はベロフラム12の右側の部屋へ流入する。このため、ベロフラム12は差圧によってマグネット13とともに左方又は右方へ移動する。差圧検出部11の外部にはマグネット13と対向する近接位置にホール素子15が設置されている。
従って、差圧検出部11へ導入される流体の差圧によりマグネット13が左右に移動し、ホール素子15との距離が変化するため、ホール素子15は差圧変化に基づくマグネット13の磁束密度の変化を感知し、流量を検出することができる。
ところで、流量は差圧、即ちマグネット13の変位量の平方根に比例し、ホール素子15の出力はマグネット13との距離の2乗に反比例する。このため、特許文献2では、ホール素子15の出力とマグネット13の変位量との関係に電気回路を用いた座標変換等の補正を加えることにより、ホール素子15の出力と流量との関係を計量領域において近似直線関係の特性が出るように構成している。
特開2002−332962号公報 実願昭62−68457号全文明細書(実開昭63−177715号)
圧縮機では、車両エンジンの運転開始時における圧縮機の立ち上がり時は冷媒ガスの吐出流量が極めて少なく、それに比例するマグネット13の変位も微小となる。このため、ホール素子15の出力変化を正確に検出できないという問題がある。特に、圧縮機では車両エンジンや圧縮機へのフィードバックのために、低流量時の流量検出を正確に行えることが重要である。
前記特許文献2に開示された技術は補正によりホール素子15の出力と流量との関係を近似直線関係の特性が出るようにしたと説明しているが、その内容は具体的でなく、特に低流量時の検出能力については何ら開示されていない。一定以上の流量が存在し、その中で生じる流量変化を検出する場合は特許文献2に記載の技術で十分と考えられる。しかし、圧縮機のように流量零から立ち上がる流量変化を検出する必要が有る場合、立ち上がり時の流量が低流量であるためにベロフラム12の移動が小さく、ホール素子15の明確な出力変化を得ることができない。このため、特許文献2に記載の技術では圧縮機の低流量時の流量検出を正確に行えないという問題がある。
本願発明の目的は、圧縮機の低流量時においても正確な流量検出を行うことができる信頼性のある流量検出装置を提供することにある。
請求項1に記載の本願発明は、容量可変型圧縮機において、前記ハウジング内もしくは密封されたケース内に冷媒ガスの流量変化に応じた流体圧力により移動する可動体を収容し、前記可動体を非線形スプリングにより前記流体圧力と対抗する方向に付勢し、前記可動体に磁石を取り付けるとともに前記ハウジングもしくは前記ケースの外方に前記磁石と対向する磁気センサーを配設したことを特徴とする
請求項1記載の本願発明によれば、前記可動体を非線形ばねにより付勢したため、冷媒ガスの吐出流量が低流量時であっても前記可動体の応答性が高く、正確な流量検出を行えることができ、信頼性のある圧縮機の流量検出装置を提供することができる。特に、低流量時の正確な流量検出は圧縮機の吐出容量制御や車両エンジンの回転数制御、その他の機器のより適切な制御に利用することが可能となる。
請求項2に記載の本願発明は、前記非線形スプリングを不等ピッチスプリングにより構成することを特徴とするため、スプリングを比較的低コストで構成でき、簡単な構成の流量検出装置を提供することができる。
請求項3に記載の本願発明は、前記非線形スプリングを円錐スプリングにより構成することを特徴とするため、スプリングの自由長を比較的短くでき、コンパクトな流量検出器を提供することができる。
請求項4に記載の本願発明は、前記密封室には、車両用空調装置の冷媒回路に設けた絞り部の上流側冷媒通路の高圧流体と前記絞り部の下流側冷媒通路の低圧流体が供給され、前記可動体は両流体の差圧により移動されることを特徴とするため、流量検出装置を圧縮機外部へ容易に設置することができ、流量検出装置を簡単な構成とすることができる。
本願発明は、圧縮機立ち上がり時のような低流量時においても正確な流量検出を行うことができる信頼性のある流量検出装置を得ることができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は圧縮機の概要を示す。ハウジング1内には、制御室としてのクランク室2が区画されている。クランク室2内には、駆動軸3が回転可能に配設されている。駆動軸3は、車両に積載されたエンジン4に作動連結され、エンジン4からの動力供給によって回転駆動される。
クランク室2において、駆動軸3上にはラグプレート5が一体回転可能に固定されている。また、クランク室2内には斜板6が収容されている。斜板6は駆動軸3に設定された傾斜角で嵌合し、駆動軸3の軸線方向に傾動可能に支持されるとともに駆動軸3上をスライド移動可能に設けられている。ヒンジ機構7はラグプレート5と斜板6との間に介在されている。従って、斜板6はヒンジ機構7を介してラグプレート5及び駆動軸3と同期回転するとともに、駆動軸3の軸線方向に対して傾動する。また、斜板6の傾斜角は後述する容量制御装置21によって制御される。
ハウジング1内には複数(図面には一つのみ示す)のシリンダボア8が形成されており、各シリンダボア8内には片頭型のピストン9が往復動可能に収容されている。各ピストン9はシュー10を介して斜板6の外周部に係留されている。従って、駆動軸3の回転にともなう斜板6の回転運動がシュー10を介してピストン9の往復運動に変換される。
シリンダボア8内の背面側(図面右方)には、ピストン9とハウジング1に内装された弁・ポート形成体11とで囲まれた圧縮室12が区画されている。ハウジング1の背面側の内部には、吸入圧力領域としての吸入室13及び吐出圧力領域としての吐出室14がそれぞれ区画形成されている。
そして、吸入室13の冷媒ガスは、各ピストン9が上死点位置から下死点位置へ移動することにより、弁・ポート形成体11に形成された吸入ポート15及び吸入弁16を介して圧縮室12に吸入される。圧縮室12に吸入された冷媒ガスは、ピストン9が下死点位置から上死点位置へ移動することにより所定の圧力にまで圧縮され、弁・ポート形成体11に形成された吐出ポート17及び吐出弁18を介して吐出室14に吐出される。
ハウジング1内には抽気通路19及び給気通路20が設けられている。抽気通路19はクランク室2と吸入室13とを連通する。給気通路20は吐出室14とクランク室2とを連通する。ハウジング1において、給気通路20の途中には制御弁22を備えた容量制御装置21が配設されている。
なお、制御弁22は、第1検圧回路23を介して吐出室14に連通し、また、後述する外部冷媒回路24に図示しない第2検圧回路を介して連通し、制御信号及び両検圧回路の2点間差圧に基づいて制御弁22の開度が調整される。
そして、容量制御装置21の制御弁22の開度を調節することで、給気通路20を介してクランク室2へ導入される高圧冷媒ガスの導入量と抽気通路19を介してクランク室2から導出される冷媒ガス導出量とのバランスが制御され、クランク室2の内圧が決定される。クランク室2の内圧に応じて、ピストン9を介した圧縮室12の内圧との差が変更され、斜板6は駆動軸3に対する傾斜角が変更される。この結果、圧縮機はピストン9のストローク、即ち冷媒ガスの吐出容量を変更することができる。
例えば、クランク室2の内圧が低下すると斜板6の傾斜角度が増大し、圧縮機の吐出容量が増大される。図1の二点鎖線は斜板6がラグプレート5に当接した最大傾斜角度の状態を示している。逆に、クランク室2の内圧が上昇すると斜板6の傾斜角度が減少し、圧縮機の吐出容量が減少される。図1の実線は斜板6が最小傾斜角度の状態を示している。
車両用空調装置の冷媒回路(冷凍サイクル)は、前記圧縮機と吐出室14及び吸入室13を繋ぐ外部冷媒回路24とから構成されている。なお、冷媒としては、例えば二酸化炭素やフロンが用いられている。外部冷媒回路24は、吐出室14側から順に、絞り部25、凝縮器26、レシーバタンク27、膨張弁28及び蒸発器29を備えている。また、凝縮器26とレシーバタンク27を繋ぐ冷媒通路には、冷媒の圧力を検出する圧力センサー30が配設される。圧力センサー30の検出信号は電気的な接続線31、データ入力手段32及び接続線33を介して圧縮機の容量制御装置21を制御するアンプ34に送信される。なお、アンプ34の吐出容量変更指令は接続線59を介して容量制御装置21に発信される。
一方、ハウジング1の背面には、図2に詳細を示した圧縮機の流量検出装置35が設置されている。即ち、中央部に貫通孔で形成した密封室36を備えた本体37、本体37の一方(図2の上側)を閉鎖するカバー38及び本体37の他方(図2の下側)を閉鎖するカバー39によってケース40が形成される。
密封室36には、可動体として有底筒型形状のスプール41が摺動可能に装填されている。スプール41の筒状部42は密封室36の内径とほぼ同径に形成され、有底部43は筒状部42よりも小径に形成されるとともにその端面側に磁石44が埋設されている。また、スプール41の有底部43とカバー38の間及び筒状部42とカバー39との間にはそれぞれバランススプリング45及び非線形スプリングである不等ピッチスプリング46が介在され、スプール41のバランス位置を定めている。
密封室36内にスプール41を装填した構成について、図3に基づき更に詳細に説明する。バランススプリング45は所定のばね定数を有するスプリングを等ピッチで巻いたコイルスプリングで構成され、カバー38とスプール41の有底部43との間に介在されている。図3の位置はスプール41に流体圧力がかかっていないバランス状態を示し、バランススプリング45は撓み零かスプール41を若干下方に付勢した状態である。
一方、不等ピッチスプリング46は所定のばね定数のスプリングについて、図3のL1の長さを狭い間隔で巻き、L2の長さを広い間隔で巻いたコイルスプリングの構成である。この構成により不等ピッチスプリング46は、広い間隔部分L2のばね力が弱いので小さい圧力で撓み、狭い間隔部分L1のばね力が強く大きな圧力でのみ撓むことになる。なお、広い間隔部分L2のばね力は圧縮機の最小吐出流量で大きく撓むように設定されている。また、不等ピッチスプリング46は狭い間隔部分L1が筒状部42側に位置し、広い間隔部分L2がカバー39側に位置するように配置されている。
上記のように構成されたスプール41は、有底部43側に圧力がかかると不等ピッチスプリング46の広い間隔部分L2が大きく撓み始め、圧力の増加に伴い広い間隔部分L2の間隔が零になった時点で狭い間隔部分L1が撓み始めることにより、図3の位置から図の下方に移動する。
本体37には、スプール41の有底部43側の密封室36に、ほぼ直角に接続した流体供給孔47が形成されている。
カバー38は密封室36と対応する外面に他よりも厚みを薄くした窪み部48を有する。また、カバー38は複数のボルト49(図2では1個のみを示す)によって本体37に固定されている。
カバー39はスプール41の筒状部42と対向する位置で密封室36に接続する流体供給孔50を有するとともに複数のボルト51によって本体37に固定されている。
なお、密封室36は、本体37とカバー38及びカバー39との間に介在した2本のリング状のシール52により密封状態に構成されている。
本体37の流体供給孔47は吐出室14と凝縮器26を繋ぐ冷媒通路に設けられた絞り部25の上流側冷媒通路に管路53で接続され、スプール41の有底部43側密封室36に冷媒ガスの高圧流体を供給する。また、カバー39の流体供給孔50は絞り部25の下流側冷媒通路に管路54で接続され、スプール41の筒状部42側密封室36に冷媒ガスの低圧流体を供給する。
従って、密封室36内のスプール41は有底部43側にかかる高圧流体と筒状部42側にかかる低圧流体との差圧によって図2の上方又は下方に移動する。容量制御装置21の制御により吐出容量が変更されると、吐出室14の吐出流量が変化するため、スプール41にかかる差圧が変化し、スプール41は差圧に応じて図2の上方又は下方に移動する。
一方、ケース40の外部にホール素子あるいはMIセンサー等の磁気センサー55が配設される。磁気センサー55はカバー38の窪み部48内に臨み、ケース40との間に隙間を空けて配置され、スプール41の有底部43に埋設した磁石44と対向する。また、磁気センサー55は接続線56によってアンプ34に電気的に接続されている。
従って、磁気センサー55は磁石44に発生する磁束密度に応じた電気的な検出信号を出力し、アンプ34に送信する。
なお、データ入力手段32は圧力センサー30からの冷媒ガスの圧力データのほか車室内温度情報や圧縮機のプーリ比等をアンプ32に入力する。
また、アンプ32には、車両のエンジン制御手段57が接続線58を介して接続され、エンジン回転数が入力されている。
以上のように構成された第1の実施形態の作用を以下に説明する。
圧縮機はエンジン4から動力を得て駆動軸3が回転され、斜板6を回転するため、ピストン9の往復運動によりシリンダボア8内に吸入された冷媒ガスが圧縮され、吐出室14に送り出される。例えばデータ入力手段32からの車室内温度情報に基づきアンプ34から接続線59を介して容量制御装置21に吐出容量の変更指令が出されると、斜板6の傾斜角が図1の実線位置から仮想線位置までの間で適宜変更され、ピストン9のストロークを変更するため、吐出容量が種々変更される。
例えば、斜板6が図1の実線位置にあるとき最小の吐出容量で運転されており、吐出室14から送り出される冷媒ガスの流量は最小となる。このため、流量検出装置35の密封室36に供給される流体の差圧も最小となり、スプール41の磁石44は磁気センサー55に最も近い図2の位置に存在する。従って、磁気センサー55は流量が最小であることを示す検出信号をアンプ34に出力する。
容量制御装置21によって斜板6の傾斜角が図1の仮想線方向に制御されると、吐出容量が増加して冷媒ガスの流量が増加し、スプール41にかかる差圧が増加する。このため、スプール41は図2の下方に移動し、磁気センサー55と磁石44との距離が開き始める。従って、磁気センサー55は磁石44との距離に応じてその時の流量を示す検出信号をアンプ34に出力する。このようにして流量検出装置35は冷媒ガスの流量をリアルタイムで検出することができる。
ところで、吐出室14から吐出される流量は、図4(a)に示すように、スプール41にかかる差圧の平方根に比例する。この差圧とスプール41の変位量とは比例するので、例えば前記特許文献2の従来装置の場合、スプール41は図4(b)の仮想線のように直線的に変位する。このため、流量の変化に対するスプール41の変位量の関係で見ると、図4(c)の仮想線のような曲線を描き、圧縮機の立ち上がり時など吐出流量の少ない低流量域では、流量が変化してもスプール41の変位量はほとんど変化しない状態が続く。この結果、磁気センサー55が検出する磁束密度、即ち磁気センサー55からの出力は図4(d)の仮想線のように図の上方へ膨らむ反比例の曲線を描く。従って、吐出流量の低流量域では磁束密度の変化が微小になり、磁気センサー55の明確な出力変化が得られないため、磁気センサー55による正確な検出が期待できない。
これに対し、第1の実施形態に示した流量検出装置35では、スプール41にかかる差圧に対抗して不等ピッチスプリング46を配置したことにより、以下のように作用する。
圧縮機の低流量域で生じる低い差圧がスプール41にかかると、不等ピッチスプリング46のばね力の小さい広い間隔部分L2が大きく撓む。また、流量が増加して高い差圧がかかるようになると、スプール41は不等ピッチスプリング46のばね力の大きい狭い間隔部分L1によって付勢されるため、変位量が小さくなる。
この結果、スプール41は図4(b)の実線のように、低い差圧時に変位量が大きく、高い差圧時に変位量が小さい曲線を描く。このため、流量の変化に対するスプール41の変位量の関係では、図4(c)の実線のように、低流量域のスプール41が大きく変化する曲線を描くことになる。この結果、磁気センサー55からの出力は図4(d)の実線のように、流量に対する検出感度が一定となる直線的な変化に変えることができ、低流領域の検出能力を大きく向上する。従って、磁気センサー55は吐出流量の低流量域から高流量域に至る流量変化を正確に検出し、アンプ34に出力することができる。
アンプ32には、磁気センサー55からの冷媒ガスの流量に関するデータのほか、データ入力手段54からの車室内温度情報、圧縮機のプーリ比及び圧力センサー30からの冷媒ガスの圧力データ等が入力され、また、車両のエンジン制御手段55からエンジン回転数が入力されている。
従って、アンプ32は磁気センサー52によって得られる冷媒ガスの流量データを基にリアルタイムで吐出容量を算出して容量制御装置21へのフィードバック制御を行い、最適な吐出容量制御を行うことができる。
また、磁気センサー52によって得られる冷媒ガスの流量データを基に圧縮機のトルクを算出することが可能となるため、車両のエンジン回転数に対応した吐出容量制御が行えるとともにエンジン制御手段55へのフィードバックにより最適なエンジン回転数制御へも利用可能となる。
前記した本願発明の第1の実施形態は、以下の作用効果が得られる。
(1)吐出流量の低流量域における正確な流量検出が可能なため、特に車両エンジンの運転開始時における容量制御やエンジン回転数制御を的確に行うことができる。
(2)吐出流量の高流量域では不等ピッチスプリング46のばね力の高い狭い間隔部分L1が作用するため、スプール41が必要以上に移動してしまうことが無く、低流量域と同様に正確な流量検出を行うことができる。
(第2の実施形態)
図5及び図6に示した第2の実施形態は、第1の実施形態の流量検出装置35を圧縮機のハウジング1内に設置した構成である。なお、第1の実施形態と同一構成部品については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態における流量検出装置60は、図5に示すように、ハウジング1の一部である吐出フランジ61内に設置されている。吐出フランジ61はハウジング1のシリンダブロック62にガスケット63を介在して固定されている。図6に示されるように、吐出フランジ61の内部には、密封室36が形成され、密封室36内に磁石44を埋設したスプール41が装填されている。また、密封室36を挟んで高圧流体室64及び低圧流体室65が区画形成され、両流体室64、65は区画壁に形成した絞り部66で連通されている。
高圧流体室64は、図5に示したように、吐出通路67a、67b、67cを介して吐出室14に連通するとともに連通路68を介してスプール41の有底部側密封室36に連通している。低圧流体室65は、連通路69を介してスプール41の筒状部側密封室36に連通するとともに吐出ポート70を介して外部冷媒回路に連通している。なお、図6の符号71は固定ボルトの挿通孔である。
また、吐出フランジ61の外部には、スプール41の磁石44と対向して磁気センサー55が設置される。磁石42と対向する磁気センサー55は吐出フランジ61との間に所定の隙間が空けられている。磁気センサー55が接続線56を介してアンプ34に接続される点は第1の実施形態と同一である。
第2の実施形態は前記した構成により、吐出室14から吐出された冷媒は吐出通路67a、67b、67cを通り、高圧流体室64に供給される。高圧流体室64内の冷媒は、一部が連通路68を介して密封室36内に高圧流体として供給される。
一方、高圧流体室64内の冷媒は、絞り部66を通り低圧流体室65内に低圧力となって流入し、その一部が連通路69を介して密封室36内に低圧流体として流入する。
なお、低圧流体室65内の冷媒は吐出ポート70を介して外部冷媒回路に供給されている。
従って、スプール41は密封室36内に流入した高圧流体と低圧流体の差圧により図6の上下方向に移動される。この移動により、磁気センサー55と磁石44との距離が変動し、磁気センサー55から所定の検出値が出力される点は第1の実施形態と同一あり、同一の作用効果を得ることができる。
本願発明は、前記した実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1の実施形態では、不等ピッチスプリング46のピッチ変更を狭い間隔部分L1と広い間隔部分L2の2段階で構成したが、複数段階でピッチ変更した構成とすることができ、多段階になるほど流量に対するスプール41の感度をきめ細かく設定することが可能となる。
(2)第1の実施形態では、非線形スプリングとして不等ピッチスプリングを使用したが、円錐スプリングの使用も可能である。この場合、スプール41に差圧がかかると、円錐スプリングのばね力の小さい小径側が先に大きく撓み、差圧が大きくなるに従いばね力の大きい大径側が撓むように作用する。
(3)非線形スプリングのばね力の変化を種々変更することにより、図4(d)の実線で示した反比例する直線は図の下方に湾曲する曲線に変えることもでき、これにより磁気センサー55の検出能力について、特定の流量域で検出感度を上げる等、用途に応じた設定をすることができる。
(4)前記各実施例では可動体としてスプール41を使用する例を示したが、差圧によって移動可能なものならば、例えばベローズを使用するなど可動体の構造、形態を問わない。
(5)第1の実施形態及び第2の実施形態では、ケース40又は吐出フランジ61(ハウジング1)と磁気センサー55との間に隙間を空ける構成を説明したが、両者を接触させた状態でも実施することができる。
(6)第1の実施形態及び第4の実施形態において説明した絞り部25、74は、可変絞り弁で実施してもよい。
(7)前記各実施例は高圧流体と低圧流体を取り込む2点間差圧により移動するスプール41等の可動体に設けた磁石44の磁束密度を磁気センサー55により検出するという間接的な流量検出方法であるが、磁気センサーを用いる流量検出方式であれば、2点間差圧を利用するものに限らず、流量を直接検出する方式やフロート弁を利用して流量を検出する方式においても実施することが可能である。
(8)前記第1の実施形態に示した容量制御装置21の制御弁22は、2点間差圧を用いた流量の制御弁として説明しているが、本願発明では磁気センサー55により検出した流量に基づき圧縮機のトルクを検出することができるので、第1検圧回路23を吸入室13に接続したPs制御弁に変更して実施することが可能である。
第1の実施形態における容量可変型圧縮機を一部断面した概略図である。 流量検出装置を示す一部断面図である。 流量検出装置の一部を示す断面図である。 流量、スプールの変位、磁気センサーの出力の関係を示した説明図である。(a)流量と差圧との関係を示す線図である。(b)差圧とスプールの変位量との関係を示す線図である。(c)流量とスプールの変位量との関係を示す線図である。(d)流量と磁気センサーの出力との関係を示す線図である。 第4の実施形態を示す圧縮機の一部拡大図である。 図5のA−A線断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
3 駆動軸
6 斜板
8 シリンダボア
9 ピストン
21 容量制御装置
24 外部冷媒回路
25、66 絞り部
32 データ入力手段
34 アンプ
35、60 流量検出装置
36 密封室
37 本体
38、39 カバー
40 ケース
41 可動体としてのスプール
42 筒状部
43 有底部
44 磁石
45 バランススプリング
46 非線形スプリングとしての不等ピッチスプリング
47、50 流体供給孔
55 磁気センサー
57 エンジン制御手段
61 吐出フランジ
62 シリンダブロック
63 ガスケット
64 高圧流体室
65 低圧流体室
67a、67b、67c 吐出通路
68、69 連通路
70 吐出ポート

Claims (4)

  1. ハウジング内に駆動軸と複数のシリンダボア及びピストンが設置され、前記駆動軸の回転に伴い駆動軸の軸線方向に往復運動する斜板によって前記ピストンが駆動されるとともに容量制御装置によって前記斜板の傾斜角が制御され、前記ピストンのストロークを変化するように構成した容量可変型圧縮機において、
    前記ハウジング内もしくは密封されたケース内に形成された密封室に冷媒ガスの流量変化に応じた流体圧力により移動する可動体を収容し、前記可動体を非線形スプリングにより前記流体圧力と対抗する方向に付勢し、前記可動体に磁石を取り付けるとともに前記ハウジングもしくは前記ケースの外方に前記磁石と対向する磁気センサーを配設したことを特徴とする容量可変型圧縮機における流量検出装置。
  2. 前記非線形スプリングは不等ピッチスプリングにより構成することを特徴とした請求項1に記載の容量可変型圧縮機における流量検出装置。
  3. 前記非線形スプリングは円錐スプリングにより構成することを特徴とした請求項1に記載の容量可変型圧縮機における流量検出装置。
  4. 前記密封室には、車両用空調装置の冷媒回路に設けた絞り部の上流側冷媒通路の高圧流体と前記絞り部の下流側冷媒通路の低圧流体が供給され、前記可動体は両流体の差圧により移動されることを特徴とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の容量可変型圧縮機における流量検出装置。
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