JP4119142B2 - 可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載される空調装置の冷凍サイクルに採用された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置としては、例えば、特開平5−99156号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、外気温度と回転速度と高圧側圧力と車速に基づいて可変容量コンプレッサの可変領域にある容量を計算し、この計算した容量と高圧側圧力とを用いて可変領域にある駆動トルクを計算すると共に、最大容量と高圧側圧力とを用いて最大容量に達した後の駆動トルクを計算する。そして、計算した両駆動トルクのうちで小さい方を最終的な駆動トルクと決定する装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にあっては、冷凍サイクル上で高圧側(コンデンサ側)からの高圧側圧力を主としてコンプレッサ駆動トルクを推定するものであるため、冷凍サイクル上で低圧側(エバポレータ側)の情報が欠けたものとなっており、しかも、コンプレッサ駆動トルクを推定するのに重要な冷媒流量が何ら考慮されていないことで、計算されたコンプレッサ駆動トルクは推定精度の低い情報になってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、冷凍サイクルのエバポレータを流れる冷媒流量を考慮することで、高い推定精度によりコンプレッサ駆動トルクを算出することができる可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、車両用空調装置の冷凍サイクルに設けられ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理論吐出容量を制御することができる可変容量コンプレッサにおいて、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポレータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレータを流れる冷媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するコンプレッサ駆動トルク算出手段を設け、前記コンプレッサ駆動トルク算出手段は、
冷凍サイクルに設けられるエバポレータを経過して車室に流れ込む室内風量を算出する室内風量算出部と、前記室内風量と、エバポレータ前後の空気エンタルピの変化によりエバポレータ空気吸熱量を算出するエバポレータ空気吸熱量算出部と、算出されたエバポレータ空気吸熱量と、エバポレータ前後の冷媒エンタルピの変化によりエバポレータを流れる冷媒流量を算出する冷媒流量算出部と、算出された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するコンプレッサ駆動トルク算出部と、を有し、 冷凍サイクルの低圧側に設けられる低圧冷媒圧力検出手段と、冷凍サイクルの高圧側に設けられる高圧冷媒圧力検出手段とを設け、前記コンプレッサ駆動トルク算出部は、前記冷媒流量算出部からの冷媒流量による配管の圧力損失と低圧冷媒圧力検出値に基づいてコンプレッサ吸入側圧力を求め、前記冷媒流量算出部からの冷媒流量による配管の圧力損失と高圧冷媒圧力検出値に基づいてコンプレッサ吐出側圧力を求め、前記冷媒流量算出部からの冷媒流量に基づいてコンプレッサ吸入容積を求め、求められたコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ吸入容積と断熱係数を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するようにした。
【0007】
【発明の効果】
本発明の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にあっては、エバポレータを流れる冷媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するようにしたため、冷媒流量が考慮された高い推定精度によりコンプレッサ駆動トルクを算出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置を実現する実施の形態を、請求項1〜4に係る発明に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0009】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置が適用された車両用空調システム図である。図1において、1はエンジン、2はラジエータ、3は外部制御型コンプレッサ(可変容量コンプレッサ)、4はコンデンサ、5はリキッドタンク、6は温度式自動膨張弁、7はエバポレータ、8はオルタネータ、9は冷却電動ファン、10はファンモータ、11はコントロールバルブ、12はブロワファン、13はブロワファンモータ、14はフューエルインジェクタである。
【0010】
前記エンジン1は、燃料噴射のためのフューエルインジェクタ14を有し、エンジン1とラジエータ2とは、エンジン冷却水入口管とエンジン冷却水出口管により連結されている。
【0011】
第1実施例装置におけるエアコンサイクルは、外部制御型コンプレッサ3とコンデンサ4とリキッドタンク5と温度式自動膨張弁6とエバポレータ7とにより構成される。以下、各構成要素について説明する。
【0012】
前記外部制御型コンプレッサ3は、前記エンジン1により駆動され、エバポレータ7から送られる低温低圧の気体による冷媒を高圧高温の気体にしてコンデンサ4に送る。この外部制御型コンプレッサ3は、内蔵されたコントロールバルブ11に対するデューティ信号によりコンプレッサ容量が外部から可変に制御される。なお、外部制御型コンプレッサ3の詳しい構成は後述する。
【0013】
前記コンデンサ4は、前記ラジエータ2の前面に配置され、走行風や冷却電動ファン9によって得られる風で、高圧高温の冷媒を凝縮点まで冷却し高圧中温の液体にしリキッドタンク5へ送る。
【0014】
前記リキッドタンク5は、コンデンサ4から送られる高圧中温の液体による冷媒に含まれる水分やゴミを取り除き、冷媒が円滑に供給できるように溜めて、温度式自動膨張弁6へ送る。
【0015】
前記温度式自動膨張弁6は、リキッドタンク5から送られる高圧中温の液体による冷媒を急激に膨張させ、低温低圧の液体(霧状)にし、エバポレータ7に送る。
【0016】
前記エバポレータ7は、温度式自動膨張弁6から送られる霧状の冷媒を、ブロワファン12により送られる車内空気からの熱を奪いながら蒸発させることで低圧低温の気体とし、この低圧低温の気体による冷媒を外部制御型コンプレッサ3に送る。
【0017】
前記冷却電動ファン9は、前記エンジン1により駆動されるオルタネータ8の端子電圧を電源として作動されるファンモータ10を有する。このファンモータ10は、モータ駆動電圧がPWM制御(PWM=Pulse Width Modulationの略称)され、ファンモータ10の作動によるコンデンサ冷却能力が可変に制御される。
【0018】
前記ブロワファン12は、ブロワファンモータ13により駆動され、車室内の空気である内気を吸い込み、前記エバポレータ7に圧送し、冷たくなった空気を車室内に送り出す。
【0019】
次に、電子制御系について説明する。図1において、20は空調コントロールユニット、20aはコンプレッサ駆動トルク算出部(コンプレッサ駆動トルク算出手段)、20bはファンモータ制御部、20cはコンプレッサ容量制御部、21は空調制御入力センサ系、22はPWMモジュール、23はエンジンコントロールユニット、24はエンジン制御入力センサ系である。
【0020】
前記空調コントロールユニット20は、冷凍サイクルの低圧側(エバポレータ7)の冷媒流量Grに基づいてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出するコンプレッサ駆動トルク算出部20aと、PWMモジュール22に対し出力するデューティ信号を演算するファンモータ制御部20bと、コントロールバルブ11へ出力するデューティ信号を演算するCOMP容量制御部20cと、を有する。
【0021】
前記空調制御入力センサ系21として、エアコンスイッチ21-1、モードスイッチ21-2、デフスイッチ21-3、オートスイッチ21-4、FREスイッチ21-5、RECスイッチ21-6、温度調整スイッチ21-7、オフスイッチ21-8、内気温度センサ21-9(内気循環モードでのエバ前温度検出手段)、外気温度センサ21-10(外気導入モードでのエバ前温度検出手段)、日射センサ21-11、吸込温度センサ21-12(エバ後温度検出手段)、水温センサ21-13、冷媒圧力センサ21-14(高圧冷媒圧力検出手段)が設けられている。
【0022】
これら既設の空調制御入力センサ系21に、エバポレータ7の入口湿度を検出するエバ前湿度センサ21-15(エバ前湿度検出手段)が追加されている。
【0023】
前記エンジンコントロールユニット23は、双方通信線を介して空調コントロールユニット20に接続され、エンジン制御入力センサ系24として、車速センサ24-1、エンジン回転数センサ24-2、アクセル開度センサ24-3、アイドルスイッチ24-4等が設けられている。
【0024】
図2は外部制御型コンプレッサ3を示す断面図であり、図3は外部制御型コンプレッサ3のコントロールバルブ11に対するデューティ信号によるコンプレッサ容量(吐出側圧力)の制御作用説明図である。
【0025】
前記外部制御型コンプレッサ3は、多気筒斜板式であり、コンプレッサケース30と、プーリ31と、駆動軸32と、斜板駆動体33と、斜板34と、ピストン35と、高圧ボール弁36と、コントロールバルブ11と、高圧室37と、クランク室38と、を有して構成されている。
【0026】
この外部制御型コンプレッサ3は、内蔵された斜板34の傾きを変化させることにより、吐出容量の制御を行う。つまり、外部制御型コンプレッサ3内に組み込まれたコントロールバルブ11に対するデューティ信号により、高圧ボール弁36のリフト量を変化させる。これにより、高圧室37(=吐出側圧力Pd)から高圧ボール弁36を経過してクランク室38へ流れ込む冷媒流量を制御し、コンプレッサ3内のクランク室38の圧力(=クランク室圧力Pc)を変え、斜板34の傾きを変化させる。
【0027】
高圧ボール弁36のリフト量は、図3に示すように、コントロールバルブ11のダイヤフラムに係る低圧圧力(=吸込側圧力Ps)とセットスプリングのバネ荷重と電磁コイルに発生する磁力のバランスにより決まる。
【0028】
前記コントロールバルブ11内の電磁コイルには、コンプレッサ容量制御部20cから、例えば、400HzのパルスON-OFF信号(デューティ信号)が送られ、デューティ比による実効電流により発生する磁力の変化で高圧ボール弁36のリフト量を制御する。
【0029】
次に、作用を説明する。
【0030】
図4はエアコンコントロールユニット20のコンプレッサ駆動トルク算出部20aにて実行される駆動トルク算出処理の流れを示すフローチャートであり、このフローチャートに沿って外部制御型コンプレッサ3の駆動トルク算出作用を説明する。
【0031】
なお、この駆動トルク算出処理は、クーラ作動中において常時実行するようにしても良いし、また、減速時フューエルカット制御やアイドル回転数制御等においてエンジンコントロールユニット23から要求により実行するようにしても良い。
【0032】
[室内風量(体積流量)の演算]
まず、ステップS1では、吸込口スイッチ(FREスイッチ21-5及びRECスイッチ21-6)からの信号に基づいて、ブロワファン12の吸気ダクトに設けられたインテークドアが、外気導入位置か内気循環位置か否かが判断され、外気導入位置である場合にはステップS2へ移行し、内気循環位置である場合にはステップS6へ移行する。
【0033】
外気導入モードである場合、ステップS2において、外気温度センサ21-10による検出温度を遅延補正した外気温度センサ認識値を入力し、ステップS3において、ブロワファンモータ13へのブロワファンモータ駆動信号(デューティ比)を遅延補正したブロワファン回転数認識値を入力し、ステップS4において、モードスイッチ21-2及びデフスイッチ21-3からの信号に基づいて判断された空調モードを入力する。次のステップS5では、外気導入モードにおける入力情報に基づいて室内風量Gaを算出する(室内風量算出部)。
【0034】
一方、内気循環モードである場合、ステップS6において、内気温度センサ21-9による検出温度を遅延補正した内気温度センサ認識値を入力し、ステップS7において、ブロワファンモータ13へのブロワファンモータ駆動信号(デューティ比)を遅延補正したブロワファン回転数認識値を入力し、ステップS8において、モードスイッチ21-2及びデフスイッチ21-3からの信号に基づいて判断された空調モードを入力する。次のステップS9では、内気循環モードにおける入力情報に基づいて室内風量Gaを算出する(室内風量算出部)。
【0035】
このように、エバポレータ7を介して車室内に流れ込む室内風量Gaは、外気導入モードにおける各空調モード毎に、あるいは、内気循環モードにおける各空調モード毎に、ブロワファン回転数等の条件設定を変えながら実験を行い、その測定データに基づいてマップ(演算式や表等)を設定しておけば、入力情報とマップを用いて精度良く算出することができる。そして、ステップS4またはステップS8において、室内風量Gaが算出されるとステップS10へ移行する。
【0036】
[エバポレータ空気吸熱量の算出]
まず、ステップS10では、エバ前湿度センサ21-15による検出湿度を遅延補正したエバ前湿度センサ認識値を入力し、ステップS11では、吸込温度センサ21-12による検出温度を遅延補正したエバ後温度センサ認識値を入力し、ステップS12へ移行する。
【0037】
次のステップS12では、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を、エバポレータ前後の空気エンタルピ差(ia1−ia2)と乾き空気の体積流量Ga'を用いた下記の式により算出する(エバポレータ空気吸熱量算出部)。
Qevap(air)=(ia1−ia2)×Ga' ...(1)
ここで、ia1はエバ入口空気エンタルピ、ia2はエバ出口空気エンタルピ、Ga'は乾き空気の体積流量であり、Ga'=Ga/vi(vi:エバ入口空気比容積)により求められる。
【0038】
エバ入口空気エンタルピia1を求めるには、図5に示すように、エバ入口側温度t1とエバ入口側湿度ψ1を測定する必要がある。これに対し、エバ入口側温度t1は、外気導入モードの時は外気温度センサ認識値であり、内気循環モードの時は内気温度センサ認識値である。また、エバ入口側湿度ψ1は、エバ前湿度センサ認識値である。よって、これらの認識値によりエバ入口空気エンタルピia1を求めることができる。
【0039】
エバ出口空気エンタルピia2を求めるには、図5に示すように、エバ出口側温度t2とエバ出口側湿度ψ2を測定する必要がある。これに対し、エバ出口側温度t2は、エバ後温度センサ認識値である。また、エバ出口側湿度ψ2は、実験結果により95%程度で設定しておけばよい。よって、エバ後温度センサ認識値とエバ出口側湿度設定値によりエバ出口空気エンタルピia2を求めることができる。
【0040】
室内風量Gaは、湿り空気の体積流量を示すため、これを乾き空気の体積流量Ga'(=Ga/vi)に換算する必要がある。このため、エバ入口空気比容積viを用いるが、エバ入口空気比容積viを求めるには、図5に示すように、エバ入口側温度t1とエバ入口側湿度ψ1を測定する必要がある。これに対し、エバ入口側温度t1は、外気導入モードの時は外気温度センサ認識値であり、内気循環モードの時は内気温度センサ認識値である。また、エバ入口側湿度ψ1は、エバ前湿度センサ認識値である。よって、これらの認識値により乾き空気の体積流量Ga'を求めることができる。
【0041】
このように、車室内風量Gaと、外気温度センサ認識値または内気温度センサ認識値によるエバ入口側温度t1と、エバ前湿度センサ認識値によるエバ入口側湿度ψ1と、エバ後温度センサ認識値によるエバ出口側温度t2と、実験に基づく設定値によるエバ出口側湿度ψ2とを用いて、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を精度良く算出することができる。そして、ステップS12においてエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)が算出されるとステップS13へ移行する。
【0042】
[エバポレータ冷媒吸熱量の算出]
図6に示すモリエル線図は、冷媒の単位重量当たりの状態を示すものであるため、エバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)を求めるには、実際どれだけの冷媒が循環しているかが必要である。その量を冷媒流量Grとすると、エバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)は、エバポレータ7が外部から熱を奪って冷媒のエンタルピが変化した分になる。
【0043】
そこで、ステップS13では、エバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)を、エバポレータ前後の冷媒エンタルピ差(ievap1−ievap2)と冷媒流量Grを用いた下記の式により算出する。
Qevap(冷媒)=(ievap1−ievap2)×Gr ...(2)
ここで、ievap1はエバ入口冷媒エンタルピ、ievap2はエバ出口冷媒エンタルピ、Grは冷媒流量である。
【0044】
エバ入口冷媒エンタルピievap1は、高圧側の温度式自動膨張弁6より上流側の冷媒エンタルピと同じであり(図6の線c−d)、この高圧冷媒エンタルピは、高圧側のリキッドタンク5の出口側に設定されている冷媒圧力センサ21-14による冷媒圧力センサ認識値と、その時とれるサブクール(過冷却、つまり、リキッドタンクを出た後の液冷媒を再びコンデンサのサブクール部で冷やすことをいう。)とで一義的に決まる。サブクールについては、最近主流であるコンデンサとリキッドタンクとを一体化し、サブクーラサイクルとしたサブクールコンデンサを採用した場合、外気温と車速によりほぼ比例関係にあり、例えば、アイドリング域の車速を一定値で与えれば、外気温の関数となる。
【0045】
エバ出口冷媒エンタルピievap2を求めるには、エバポレータ7の出口圧力を検出すれば一番的確であるが、ここでは、下記に示すエバポレータ効率ηevapの式に基づいてエバ出口圧力を求める。
ηevap=(ia1−ia2)/(ia1−i(Tevap)) ...(3)
ここで、i(Tevap)はエバ出口の飽和冷媒温度Tevapにおけるエバ出口空気エンタルピである。
【0046】
すなわち、実際の冷凍サイクルをみると、エバポレータやコンデンサの圧力が一定でなく、冷媒の流れがあるため、圧力降下が存在する。配管部についても同じである。また、コンプレッサについても吸入・吐出で圧力損失があるほか、機械摩擦により冷媒に熱が加えられたり、内部漏れが存在したり非常に複雑である。この挙動をモリエル線図に示すと、図7に示すようになる。
▲1▼,▲2▼:エバポレータ、コンデンサは冷媒の流れにより、圧力降下を伴いながらエンタルピが増減する。
▲3▼,▲4▼:配管による圧力降下は熱の授受が無いため、エンタルピは一定である。
▲5▼:コンプレッサの圧縮はエントロピが一定ではなく、損失で発生する熱の分だけエントロピは増加し、等エントロピ線よりも右に傾く。
上記▲1▼〜▲5▼の損失により、実際のエバポレータ効率ηevapは、理想時よりも低下する。
【0047】
従って、エバポレータ効率ηevapを実験で取得しておけば、エバ出口の飽和冷媒温度Tevapにおけるエバ出口空気エンタルピi(Tevap)が求まり、その結果からエバ出口圧力Pevapが算出される。
【0048】
ちなみに、エバポレータ効率ηevapを実験で取得するとしたが、実際には条件による大きな差はなく、例えば、図8に示すように、エバポレータのサイズ、タイプによりほぼ一定の値を示すことが知られており、車種別に細かいマップ取得の必要はない。
【0049】
このように、上記(2)式において、エバ入口冷媒エンタルピievap1とエバ出口冷媒エンタルピievap2を既知の値とし、冷媒流量Grを未知の値とするエバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)を算出することができる。そして、ステップS13においてエバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)が算出されるとステップS14へ移行する。
【0050】
[冷媒流量の算出]
上記エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)と上記エバポレータ冷媒吸熱量Qevap(冷媒)とは、Qevap(air)=Qevap(冷媒)という関係にある。よって、ステップS14では、冷媒流量Grを下記の式により算出する(冷媒流量算出部)。
Gr=Qevap(air)/(ievap1−ievap2) ...(4)
このステップS14において、冷媒流量Grを算出したらステップS15へ移行する。
【0051】
[コンプレッサ吸入側圧力の算出]
ステップS15では、ステップS13で求めたエバ出口圧力Pevapとエバポレータ7から外部制御型コンプレッサ3までの配管による圧力損失△P(low)とを用いて、コンプレッサ吸入側圧力Psを下記の式により算出する。
Ps=Pevap−△P(low) ...(5)
ここで、圧力損失△P(low)は、冷媒流量Grに対して図9に示すような関係にあり、この冷媒流量Grを用いた下記の式により求まる。
△P(low)=k×Grm ...(6)
ここで、k,mは係数であり、各車両毎の配管レイアウトにて台上実験を行うことにより求めることができる。
【0052】
[コンプレッサ吐出側圧力の算出]
次のステップS16では、コンデンサ出口圧力Pcondoutと圧力損失△P(cond)とを用いた下記の式によりコンプレッサ吐出側圧力Pdを算出する。
Pd=Pcondout+△P(cond) ...(7)
ここで、冷媒圧力センサ21-14が高圧側のリキッドタンク5の出口部に設けてあることで、冷媒圧力センサ認識値をコンデンサ出口圧力Pcondoutとすることができる。また、コンデンサ4での圧力損失△P(cond)は、冷媒流量Grを用いた下記の式であらわされる。
△P(cond)=k×Grn ...(8)
ここで、k,nは係数であり、適用されるコンデンサを用いて台上実験を行うことにより求めることができる。
【0053】
[コンプレッサ吸入容積の算出]
次に、コンプレッサ吸入容積Vcompは、コンプレッサシリンダ体積V1と、コンプレッサ回転数Ncompと、体積効率ηvとを用いた下記の理論式により算出することができる。
Vcomp=(60・V1・Ncomp・ηv)/106 ...(9)
ここで、コンプレッサシリンダ体積V1は適用するコンプレッサの種類により決まる値である。コンプレッサ回転数Ncompは、エンジン駆動の場合にはNcomp=エンジン回転数となり、電動モータ駆動の場合にはモータ回転数となる。体積効率ηvは、予め実験を行うことにより求めることができる。
【0054】
しかしながら、実際のコンプレッサ吸入容積Vcompは、理論式通りにいかず冷媒流量Grを用いた下記の関係により換算した方が良く合うことが判明した。
そこで、ステップS17では、下記の関係によりコンプレッサ吸入容積Vcompを求める。
Vcomp∝k・Gr ...(10)
ここで、kは定数であり、実験データにより設定する。
【0055】
[コンプレッサ駆動トルクの算出]
ステップS18では、コンプレッサ吸入側圧力Psと、コンプレッサ吐出側圧力Pdと、コンプレッサ吸入容積Vcompと、断熱係数kと、を用いてコンプレッサ駆動トルクTcompを下記の式により算出する(コンプレッサ駆動トルク算出部)。
Tcomp=k/(k-1)・Ps・Vcomp・{(Pd/Ps)(K-1)/k-1} ...(11)
なお、図10で示すP−V線図で囲まれた面積が、(11)式により得られるコンプレッサ駆動トルクTcompの理論値である。しかし、コンプレッサ駆動トルクTcompの理論値(1,2,3,4で囲まれた面積)に比べ、実際のコンプレッサ駆動トルクTcomp(1',2',3',4'で囲まれた面積)は、図中の各損失が加わることで大きくなる。よって、コンプレッサ効率ηcompを考慮して(11)式で求めたコンプレッサ駆動トルクTcompを補正し、補正した値を最終的なコンプレッサ駆動トルクTcompとして求めるようにしても良い。
【0056】
[コンプレッサ駆動トルク情報の利用]
ステップS19では、ステップS18で算出されたコンプレッサ駆動トルクTcompを、エンジンコントロールユニット23やコンプレッサ容量制御部20cに送信する。
【0057】
このエンジンコントロールユニット23への送信により、エンジン制御側でコンプレッサ負荷を正確に把握することができ、例えば、減速時フューエルカット制御やアイドル回転数制御等の様々なエンジン制御にコンプレッサ駆動トルク情報を活用することができる。すなわち、エンジン制御側では、エンジンストールが生じないように、最大コンプレッサ駆動トルクを想定して制御に用いるしきい値や目標値を設定していたのに対し、これらの値をコンプレッサ駆動トルク情報に応じた値により与えることができる。
【0058】
さらに、コンプレッサ容量制御部20cへの送信により、例えば、減速時フューエルカット制御やアイドル回転数制御が行われる時には、要求冷房能力が低ければ空調制御側でコンプレッサ容量を下げるというように、空調制御とエンジン制御とを協調させた総合制御を行うこともできる。
【0059】
次に、効果を説明する。
【0060】
第1実施例の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0061】
(1) 車両用空調装置の冷凍サイクルに設けられ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理論吐出容量を制御することができる外部制御型コンプレッサ3において、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポレータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレータ7を流れる冷媒流量Grを推定し、推定された冷媒流量Grを用いてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出するコンプレッサ駆動トルク算出部20aを空調コントロールユニット20に設けたため、冷凍サイクルのエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを考慮した高い推定精度によりコンプレッサ駆動トルクTcompを算出することができる。
【0062】
(2) コンプレッサ駆動トルク算出部20aは、冷凍サイクルに設けられるエバポレータ7を経過して車室に流れ込む室内風量Gaを算出する室内風量算出ステップ(ステップS1〜ステップS9)と、室内風量Gaと、エバポレータ前後の空気エンタルピの変化によりエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を算出するエバポレータ空気吸熱量算出ステップ(ステップS12)と、算出されたエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)と、エバポレータ前後の冷媒のエンタルピ変化量(ievap1−ievap2)によりエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを算出する冷媒流量算出ステップ(ステップS14)と、算出された冷媒流量Grを用いてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出するコンプレッサ駆動トルク算出ステップ(ステップS18)と、を有するため、コンプレッサ駆動トルクTcompの推定精度を左右する冷凍サイクルのエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)の算出により、高い精度により推定することができる。
【0063】
(3) 室内風量算出ステップ(ステップS1〜ステップS9)は、外気導入モードと内気循環モードに分け、各モードについてブロワファン回転数と空調モードに応じて室内風量Gaを算出するため、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)の算出要素である室内風量Gaを、外気導入モードであるか内気循環モードであるかにかかわらず、精度良く推定することができる。
【0064】
(4) エバポレータ7の入口湿度ψ1を検出するエバ前湿度センサ21-15を追加し、エバポレータ空気吸熱量算出ステップ(ステップS12)は、エバポレータ7の入口温度t1と入口湿度ψ1によりエバ入口空気エンタルピia1を求め、エバポレータ7の出口温度t2と出口湿度ψ2によりエバ出口空気エンタルピia2を求め、エバ入口空気エンタルピia1からエバ出口空気エンタルピia2を差し引いて空気エンタルピ差(ia1−ia2)を求め、算出された室内風量Gaと、空気エンタルピ差(ia1−ia2)とを用いてエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を算出するため、室内風量Gaと空気エンタルピ差(ia1−ia2)により精度良くエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を算出することができる。
【0065】
加えて、第1実施例では、エバポレータ7の入口温度t1は既存の内気温度センサ21-9または外気温度センサ21-10を用いて検出し、エバポレータ7の出口温度t2は既存の吸込温度センサ21-12を用いて検出し、エバポレータ7の出口湿度ψ2は計測するまでもなくほぼ一定値であることで固定値により与えたため、エバポレータ7の入口湿度ψ1を検出するエバ前湿度センサ21-15を追加するだけのシステムで、コスト増を抑えながら精度良くエバポレータ空気吸熱量Qevap(air)を算出することができる。
【0066】
(5) 冷媒流量算出ステップ(ステップS14)は、冷媒圧力センサ21-14からの冷媒圧力検出値に基づいてエバ入口冷媒エンタルピievap1を求め、エバポレータ効率ηevapに基づいてエバ出口冷媒エンタルピievap2を求め、エバ入口冷媒エンタルピievap1からエバ出口冷媒エンタルピievap2を差し引いて冷媒エンタルピ差(ievap1−ievap2)を求め、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)と、冷媒エンタルピ差(ievap1−ievap2)とを用いてエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを算出するため、エバポレータ空気吸熱量Qevap(air)と冷媒エンタルピ差(ievap1−ievap2)により精度良くエバポレータ7を流れる冷媒流量Grを算出することができる。
【0067】
(6) コンプレッサ駆動トルク算出ステップ(ステップS18)は、エバ出口圧力Pevapとエバポレータ7から外部制御型コンプレッサ3までの配管による圧力損失△P(low)(=k×Grm)とを用いてコンプレッサ吸入側圧力Psを求め、コンデンサ出口圧力Pcondoutと圧力損失△P(cond)(=k×Grn)とを用いてコンプレッサ吐出側圧力Pdを求め、冷媒流量Grを用いてコンプレッサ吸入容積Vcompを求め、求められたコンプレッサ吸入側圧力Psとコンプレッサ吸入側圧力Pdとコンプレッサ吸入容積Vcompと断熱係数kを用いてコンプレッサ駆動トルクTcompを算出するため、コンプレッサ吸入側圧力Psとコンプレッサ吸入側圧力Pdとコンプレッサ吸入容積Vcompとの3つのトルク算出要素を冷媒流量Grに基づいて求めることで、精度良くコンプレッサ駆動トルクTcompを算出することができる。
【0068】
以上、本発明の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0069】
例えば、第1実施例では、コンプレッサとしてエンジン駆動による外部制御型コンプレッサを用いる例を示したが、モータにより駆動される可変容量の電動コンプレッサを備えた冷凍サイクルにも適用できる。
【0070】
第1実施例では、センサとしてエバ前湿度センサを追加するだけの好ましい例を示したが、エバ前湿度センサ以外のセンサ類を追加したものであっても、要するに、冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポレータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレータを流れる冷媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するものであれば本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置が適用された車両用空調システム図である。
【図2】第1実施例装置が適用された冷凍サイクルに有する外部制御型コンプレッサを示す断面図である。
【図3】第1実施例装置に適用された冷凍サイクルに有する外部制御型コンプレッサでの容量可変制御作用の説明図である。
【図4】第1実施例のエアコンコントロールユニットのコンプレッサ駆動トルク算出部にて実行される駆動トルク算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】エバポレータの前後位置でのエバ入口空気エンタルピとエバ出口空気エンタルピとの関係を示す図である。
【図6】理想の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
【図7】実際の冷凍サイクルを示すモリエル線図である。
【図8】エバポレータ吸熱量に対するエバポレータ効率特性図である。
【図9】冷媒流量に対する圧力損失特性図である。
【図10】往復式コンプレッサにおける理想の圧縮線図に対する実際の圧縮線図を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ラジエータ
3 外部制御型コンプレッサ(可変容量コンプレッサ)
4 コンデンサ
5 リキッドタンク
6 温度式自動膨張弁
7 エバポレータ
8 オルタネータ
9 冷却電動ファン
10 ファンモータ
11 コントロールバルブ
12 ブロワファン
13 ブロワファンモータ
14 フューエルインジェクタ
20 空調コントロールユニット
20a コンプレッサ駆動トルク算出部(コンプレッサ駆動トルク算出手段)
20b ファンモータ制御部
20c コンプレッサ容量制御部
21 空調制御入力センサ系
21-9 内気温度センサ(内気循環モードでのエバ前温度検出手段)
21-10 外気温度センサ(外気導入モードでのエバ前温度検出手段)
21-12 吸込温度センサ(エバ後温度検出手段)
21-14 冷媒圧力センサ(高圧冷媒圧力検出手段)
21-15 エバ前湿度センサ(エバ前湿度検出手段)
22 PWMモジュール
23 エンジンコントロールユニット
24 エンジン制御入力センサ系
Claims (4)
- 車両用空調装置の冷凍サイクルに設けられ、外部からの信号により任意に単位時間当たりの理論吐出容量を制御することができる可変容量コンプレッサにおいて、
冷凍サイクルの低圧側に設けられるエバポレータ前後のエンタルピの変化に基づいて、エバポレータを流れる冷媒流量を推定し、推定された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するコンプレッサ駆動トルク算出手段を設け、
前記コンプレッサ駆動トルク算出手段は、
冷凍サイクルに設けられるエバポレータを経過して車室に流れ込む室内風量を算出する室内風量算出部と、
前記室内風量と、エバポレータ前後の空気エンタルピの変化によりエバポレータ空気吸熱量を算出するエバポレータ空気吸熱量算出部と、
算出されたエバポレータ空気吸熱量と、エバポレータ前後の冷媒エンタルピの変化によりエバポレータを流れる冷媒流量を算出する冷媒流量算出部と、
算出された冷媒流量を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出するコンプレッサ駆動トルク算出部と、を有し、
冷凍サイクルの低圧側に設けられる低圧冷媒圧力検出手段と、冷凍サイクルの高圧側に設けられる高圧冷媒圧力検出手段とを設け、
前記コンプレッサ駆動トルク算出部は、
前記冷媒流量算出部からの冷媒流量による配管の圧力損失と低圧冷媒圧力検出値に基づいてコンプレッサ吸入側圧力を求め、
前記冷媒流量算出部からの冷媒流量による配管の圧力損失と高圧冷媒圧力検出値に基づいてコンプレッサ吐出側圧力を求め、
前記冷媒流量算出部からの冷媒流量に基づいてコンプレッサ吸入容積を求め、
求められたコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ吸入側圧力とコンプレッサ吸入容積と断熱係数を用いてコンプレッサ駆動トルクを算出することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置。 - 請求項1に記載された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置において、
前記室内風量算出部は、外気導入モードと内気循環モードに分け、各モードについてブロワファン回転数と空調モードに応じて室内風量を算出することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置。 - 請求項1または請求項2の何れかに記載された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置において、
エバポレータの入口温度を検出するエバ前温度検出手段と、エバポレータの入口湿度を検出するエバ前湿度検出手段と、エバポレータの出口温度を検出するエバ後温度検出手段と、エバポレータの出口湿度を検出するエバ後湿度検出手段とを設け、
前記エバポレータ空気吸熱量算出部は、
エバポレータの入口温度と入口湿度によりエバ入口空気エンタルピを求め、
エバポレータの出口温度と出口湿度によりエバ出口空気エンタルピを求め、
前記エバ出口空気エンタルピからエバ入口空気エンタルピを差し引いて空気エンタルピ差を求め、
前記室内風量算出部により算出された室内風量と、前記空気エンタルピ差とを用いてエバポレータ空気吸熱量を算出することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れかに記載された可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置において、
冷凍サイクルの高圧側に設けられる高圧冷媒圧力検出手段を設け、
前記冷媒流量算出部は、
冷媒圧力検出値に基づいてエバ入口冷媒エンタルピを求め、
エバポレータ効率に基づいてエバ出口冷媒エンタルピを求め、
前記エバ入口冷媒エンタルピからエバ出口冷媒エンタルピを差し引いて冷媒エンタルピ差を求め、
前記エバポレータ空気吸熱量算出部により算出されたエバポレータ空気吸熱量と、冷媒エンタルピ差とを用いてエバポレータを流れる冷媒流量を算出することを特徴とする可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置。
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