JP2010065918A - 熱交換器および流体過冷却化装置 - Google Patents

熱交換器および流体過冷却化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010065918A
JP2010065918A JP2008232201A JP2008232201A JP2010065918A JP 2010065918 A JP2010065918 A JP 2010065918A JP 2008232201 A JP2008232201 A JP 2008232201A JP 2008232201 A JP2008232201 A JP 2008232201A JP 2010065918 A JP2010065918 A JP 2010065918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outside air
heat exchange
temperature
supercooling
fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008232201A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Nishikawa
道夫 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008232201A priority Critical patent/JP2010065918A/ja
Publication of JP2010065918A publication Critical patent/JP2010065918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】低外気温時においても流体を過冷却状態となるまで冷却して流出させることができる流体過冷却化装置を提供する。
【解決手段】冷媒と外気とを熱交換させて冷媒を凝縮させる凝縮部20の外気流れ上流側に、凝縮部20にて凝縮した液相冷媒と外気とを熱交換させて冷媒を過冷却する過冷却部40における熱交換量を調整する熱交換量調整手段としての横通風ドア80を設け、低外気温時に横通風ドア80の開度を縮小させて、凝縮部20における冷媒と外気との熱交換量を低下させる。これにより、過冷却部40における液相冷媒と外気との温度差を確保して、過冷却部40における液相冷媒と外気と熱交換量を増加させることができ、過冷却部40から確実に過冷却状態の冷媒を流出させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体と空気とを熱交換させる熱交換器、及び過冷却状態の流体を流出する流体過冷却化装置に関するものである。
従来、蒸気圧縮式冷凍サイクル、或いはランキンサイクルに適用されて、流体である冷媒を外気と熱交換させて、冷媒を冷却して凝縮させる凝縮用の熱交換器(凝縮器)が知られている。さらに、この種の凝縮器として、気相冷媒を凝縮させる凝縮部、凝縮部から流出した冷媒を気液分離する気液分離部、及び気液分離部から流出した液相冷媒を過冷却する過冷却部を有して構成される、いわゆるサブクールタイプの凝縮器も知られている。
例えば、特許文献1には、その内部の冷媒流通経路を切り替え可能に構成され、サブクールタイプの凝縮器として適用可能な熱交換器が開示されている。
特開平4−309765号公報
しかしながら、サブクールタイプの凝縮器を低外気温条件で使用すると、凝縮部にて冷媒を外気温と同等の温度まで十分に冷却することはできるものの凝縮部から流出する冷媒は過冷却状態とはならず、さらに、過冷却部から流出する冷媒も過冷却状態とならないことがある。
その理由は、モリエル線図上における冷媒の飽和液線は、冷媒のエンタルピの増加に伴って、冷媒圧力が上昇するように変化するからである。つまり、凝縮部において、冷媒が外気温と同等の温度まで十分に冷却されて圧力低下してしまうと、凝縮部出口側の冷媒圧力における飽和液線上の冷媒のエンタルピも低下する。従って、凝縮部にて冷媒が十分に冷却されても、凝縮部から流出する冷媒は、過冷却状態とはならず、気液二相状態のままで流出してしまう。一方、過冷却部に流入する気液二相状態の冷媒は、既に、外気温と同等の温度まで冷却されているので、過冷却部において外気温と熱交換しにくくなる。その結果、低外気温条件では、過冷却部において、冷媒を過冷却状態とすることができなくなってしまう。
そして、例えば、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、凝縮器から流出する冷媒が過冷却状態となっていないと、凝縮器の下流側に接続される膨張弁に異音を発生させる原因となり得る。また、ランキンサイクルにおいて、凝縮器から流出する冷媒が過冷却状態となっていないと、凝縮器の下流側に接続される液ポンプの吸入口でキャビテーションを生じ、液ポンプが冷媒を循環させることができないといった不具合を生じる可能性がある。
本発明は、上記問題に鑑み、低外気温時においても流体を過冷却状態となるまで冷却して流出させることができる熱交換器を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、低外気温時においても流体を過冷却状態となるまで冷却して流出させることができる過冷却供給装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に係る発明では、流体と外気とを熱交換させて、流体を冷却する凝縮部と、凝縮部から流出した流体を気液分離する気液分離部と、気液分離部から流出した液相流体と外気とを熱交換させて、液相流体を過冷却する過冷却部とを備え、外気の温度に基づいて、過冷却部における熱交換量を調整する熱交換量調整手段とを備える熱交換器を特徴とする。
これにより、液相流体を過冷却する過冷却部における流体と外気との熱交換量を調整させることが可能となる。その結果、例えば、外気の温度が低く、過冷却状態の流体を流出させ難い場合においても、流体を過冷却状態となるまで冷却して流出させることが可能となる。
請求項2に係る発明では、熱交換量調整手段は、凝縮部における熱交換量を調整することによって、過冷却部における熱交換量を調整することを特徴とする。
これによれば、過冷却部より流体流れの上流側に配設される凝縮部における熱交換量を調整することによって、凝縮部から流出する流体の温度を調整することが可能となる。つまり、過冷却部へ流入する流体の温度を調整することが可能となる。その結果、過冷却部における熱交換量を調整することが可能となる。例えば、外気の温度の低下に伴って、過冷却部における熱交換量が減少する場合には、熱交換量調整手段によって、凝縮部における熱交換量を調整し減少させることにより、凝縮部から流出する流体の温度を上昇させることができる。つまり、過冷却部へ流入する流体の温度を上昇させることができる。よって、過冷却部へ流入する流体の温度と外気の温度との温度差を増加させることができる。その結果、外気の温度低下に伴う過冷却部における熱交換量の減少を抑制することが可能となる。よって、外気の温度が低く、過冷却状態の流体を流出し難い場合においても、流体を過冷却状態となるまで冷却して流出させることが可能となる。
請求項3に係る発明では、熱交換量調整手段は、凝縮部を通過する外気の通風量を調整することによって、凝縮部における熱交換量を調整することを特徴とする。
これにより、凝縮部を通過する外気の通風量を調整するという容易な作動で、凝縮部における熱交換量を調整することが可能となる。
請求項4に係る発明では、熱交換量調整手段は、凝縮部へ流入する外気が流れる風路の通風抵抗を変化させる通風ドアであることを特徴とする。
これにより、簡素な構成で、凝縮部における熱交換量を調整することが可能となる。
請求項5に係る発明では、熱交換量調整手段は、外気の温度より高温の空気を凝縮部に導入させることによって、凝縮部における熱交換量を調整することを特徴とする。
これにより、外気の温度より高温の空気を凝縮部に導入させるという容易な作動で、凝縮部における熱交換量を調整することが可能となる。
請求項6に係る発明では、熱交換量調整手段は、高温の空気が凝縮部へ向かって流れる風路の通風抵抗を変化させる導入ドアであることを特徴とする。
これにより、簡素な構成で、凝縮部における熱交換量を調整することが可能となる。
請求項7に係る発明では、上述の熱交換器と、凝縮部へ流入する流体の圧力を検出する圧力センサと、外気の温度を検出する外気温度センサと、圧力センサにより検出された検出圧力、及び外気温度センサにより検出された検出外気温度に基づいて、過冷却部へ流入する流体の温度を推定する流体温度推定手段と、過冷却部から流出する流体が過冷却状態となるように、過冷却部に流入する流体の温度と外気の温度との目標温度差を決定する目標温度差決定手段とを備え、熱交換量調整手段は、流体温度推定手段が推定した推定値から検出外気温度を減算した値が、目標温度差となるように制御される流体過冷却化装置を特徴とする。
これによれば、流体温度推定手段が推定した過冷却部へ流入する流体の温度と、外気温度センサが検出した外気の温度との温度差を目標温度差となるように目標温度差決定手段が制御されるので、過冷却部から流出する流体は、確実に過冷却状態となる。
請求項8に係る発明では、車両に適用される請求項7に記載の流体過冷却化装置であって、目標温度差決定手段は、目標温度差を、車速の増加に伴って減少するように決定することを特徴とする。
ここで、車速の増加に伴って、凝縮部、及び過冷却部へ通風する走行風の風量が増加するので、凝縮部、及び過冷却部の熱交換性能も向上する。従って、過冷却部へ流入する流体の温度を上昇させても、凝縮部にて十分に冷却された流体を過冷却部に供給し、かつ過冷却部にて冷媒を過冷却状態となるまで十分に冷却して流出させることができる。
請求項9に係る発明では、熱交換量調整手段は、凝縮部の熱伝達率を調整することによって、凝縮部における熱交換量を調整することを特徴とする。
これにより、凝縮部の熱交換効率を調整するという容易な作動で、凝縮部における熱交換量を調整することが可能となる。
請求項10に係る発明では、凝縮部は、流体が流れる複数のチューブと、隣接するチューブ間に配設され熱交換を促進する複数のフィンとを有し、熱交換量調整手段は、形状記憶合金で形成されるとともに、外気の温度の変化に伴って外気の流れる方向を変化させるルーバであることを特徴とする。
これにより、簡素な構成で、凝縮部における熱交換量を調整することが可能となる。形状記憶合金で形成されたルーバは、外気温度に応じた記憶形状に変形するため、外気温度に応じて凝縮部の熱交換効率を調整する熱交換量調整手段を簡素な構成で提供することが可能となる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態における流体過冷却化装置101の構造について、図1、及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態における流体過冷却化装置101のブロック図である。ここで、図1の下方向は、車両に搭載された際の重力方向を示している。図2は、本実施形態における流体過冷却化装置101の側面を示す模式図である。
流体過冷却化装置101が有する熱交換器100は、自動車用空気調和装置の冷凍サイクルに適用されるものである。冷凍サイクルは圧縮機、熱交換器100、膨張弁、及び蒸発器を備えている。これらの装置は、冷媒配管によって順に接続されている。熱交換器100は、自動車のエンジンルーム内の走行風を受け易い位置に配設されたエンジン冷却水冷却用ラジエータの走行風流れ前方に設けられており、図示しない取付ブラケットを介して車体に取り付けられている。
熱交換器100は、凝縮部20、気液分離部30、過冷却部40、第1タンク部50、及び第2タンク部60とを備えている。凝縮部20は、圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒を室外空気と熱交換させて冷却して、凝縮させる部分である。気液分離部30は、気相冷媒と液相冷媒とに分離させ、液相冷媒を貯留する部分である。過冷却部40は、内部に導かれた液相冷媒を室外空気と熱交換させて、過冷却する部分である。これらの構成部品は、全てアルミニウム製であり、全て一体的に設けられている。
凝縮部20は、水平方向に延びる複数のチューブ5を積層して成る凝縮チューブ群5aと、各チューブ5の間に配設されるコルゲートフィン6とを備えている。チューブ5、及びコルゲートフィン6は、ろう付けにより接合されている。チューブ5は、アルミニウムを押出し加工することによって成形され、断面形状が偏平な長円形状に形成されている。チューブ5の内部には、複数の図示しない冷媒流路が並列に形成されている。
過冷却部40は、水平方向に延びる複数のチューブ5を積層して成る過冷却チューブ群5bと、各チューブ5の間に配設されるコルゲートフィン6とを備えている。チューブ5、及びコルゲートフィン6は、ろう付けにより接合されている。過冷却部40を構成するチューブ5とコルゲートフィン6の基本的構成は、凝縮部20と同様である。
凝縮部20と過冷却部40とは、内部を流れる冷媒と被加熱空気(室外空気)とを熱交換させる熱交換部10を構成している。熱交換部10の被加熱空気流れ方向A(以下、空気流れ方向Aという)の上流側には、外気温度Taを検出する外気温度センサ10aが配設されている。外気温度センサ10aは、熱交換部10のうち、過冷却部40側に位置している。ここで、過冷却チューブ群5bは、凝縮チューブ群5aと比べて数が少なく、本実施形態では、過冷却チューブ群5bの数は、凝縮チューブ群5aの数の1/3程度である。
第1タンク部50は、チューブ5の長手方向の一端に設けられている。第1タンク部50の内部には、複数のチューブ5の一端の全てが開口している。第1タンク部50は、筒形状であり、複数のチューブ5の積層方向(重力方向)に延びている。第1タンク部50の内部には、第1仕切り板53が配設されている。第1仕切り板53は、第1タンク部50の内部空間を、複数のチューブ5の積層方向に仕切っている。凝縮部20を構成する凝縮チューブ群5aの一端は、第1タンク部50の内部空間のうち、第1仕切り板53より重力方向上側の空間である第1分配室51に開口している。一方、過冷却部40を構成する過冷却チューブ群5bの一端は、第1タンク部50の内部空間のうち、第1仕切り板53より重力方向下側の空間である第1集合室52に開口している。つまり、第1タンク部50の内部には、凝縮部20へ冷媒を分配する第1分配室51、及び過冷却部40から冷媒を集合させる第1集合室52が形成されている。
第1タンク部50には、流入管54、及び流出管55が接続されている。流入管54は、第1タンク部50の重力方向の上側に接続されている。流出管55は、第1タンク部50の重力方向の下側に接続されている。流入管54には、熱交換器100へ流入する冷媒の圧力P1を検出する圧力センサ54aが設けられている。
第2タンク部60は、チューブ5の長手方向の他端に設けられている。第2タンク部60の内部には、複数のチューブ5の他端の全てが開口している。第2タンク部60は、筒形状であり、複数のチューブ5の積層方向(重力方向)に延びている。第2タンク部60の内部には、第2仕切り板63が配設されている。第2仕切り板63は、第2タンク部60の内部空間を、複数のチューブ5の積層方向に仕切っている。第2タンク部60の内部空間のうち、第2仕切り板63より重力方向上側の空間である第2集合室61には、凝縮部20を構成する凝縮チューブ群5aの他端が開口している。一方、第2タンク部60の内部空間のうち、第2仕切り板63より重力方向下側の空間である第2分配室62には、過冷却部40を構成する過冷却チューブ群5bの他端が開口している。第2タンク部60における第2仕切り板63の位置は、第1タンク部50における第1仕切り板53の位置と同じである。つまり、第2タンク部60の内部には、凝縮部20から冷媒を集合させ、気液分離部30に冷媒を流出する第2集合室61、及び気液分離部30から冷媒が流入し、過冷却部40へ冷媒を分配する第2分配室62が形成されている。
気液分離部30は、第2タンク部60の長手方向に沿って一体的に設けられている。気液分離部30は、筒形状であり、複数のチューブ5の積層方向(重力方向)に延びている。気液分離部30には、第2タンク部60の第2集合室61と気液分離部30の内部空間とを連通させる図示しない第1連通路、及び第2タンク部60の第2分配室62と気液分離部30の内部空間とを連通させる図示しない第2連通路が形成されている。より具体的には、第1連通路は、第2集合室61と気液分離部30の重力方向の中間部とを接続している。第2連通路は、第2分配室62と気液分離部30の重力方向の下部とを接続している。
さらに、熱交換器100は、通風制御装置70、及び複数の横通風ドア80を加えて、流体過冷却化装置101を構成している。横通風ドア80は、回転軸81と、ドア部82とを備えている。回転軸81は、棒形状であり、水平方向に延びている。回転軸81の一端は、モータ群80aに接続されている。横通風ドア80は、回転軸81の軸を中心として回転する。ドア部82は、回転軸81の長手方向に沿って回転軸に固定されている。ドア部82の長手方向(回転軸方向)の寸法は、チューブ5の長手方向の寸法と略同じ大きさである。ドア部82の長手方向に直交する幅方向の寸法は、各回転軸81の間の間隔と同じ大きさである。回転軸81は、ドア部82の長手方向に直交する幅方向の中間に位置している。
横通風ドア80の全閉状態時において、隣接する横通風ドア80のドア部82同士の間に間隙は形成されない。また、ドア部82は、隣接する横通風ドア80のドア部82と干渉し合うこともない。横通風ドア80の全開状態時において、ドア部82は、熱交換部10に干渉することはない。ここで、横通風ドア80の全閉状態とは、ドア部82の幅方向が複数のチューブ5の積層方向と一致している状態である。横通風ドア80の全開状態とは、ドア部82の幅方向が複数のチューブ5の積層方向と直交する方向と一致している状態である。
横通風ドア80は、回転軸81を回転させ、ドア部82を回転軸81の軸を中心に回転させることで、横通風ドア80の開度を調整している。横通風ドア80は、その開度により、横通風ドア80の空気流れ方向Aの下流側に配設される凝縮部20の一部と熱交換する被加熱空気量を調整している。従って、本実施形態の横通風ドア80は、熱交換量調整手段を構成している。ここで、凝縮部20の一部とは、凝縮部20の全体の半分より少ない部分であり、凝縮部20のうち、重力方向の上側に位置する部分であって、凝縮部20のうち全体の1/4〜1/3程度の部分である。
通風制御装置70は、外気温度センサ10a、圧力センサ54a、及び複数の横通風ドア80を駆動するモータ群80aに接続されている。通風制御装置70は、外気温度センサ10aが検出した検出外気温度Tam、及び圧力センサ54aが検出した検出圧力P1に基づいて、複数の横通風ドア80の開度を調整している。通風制御装置70は、複数の横通風ドア80の開度を調整することで、複数の横通風ドア80の空気流れ方向Aの下流側に配設される凝縮部20における熱交換量を調整している。
通風制御装置70は、CPU71と、横通風ドア80を駆動するモータ群80aに接続される駆動回路74とを備えている。CPU71は、流体温度推定手段72aと目標温度差決定手段72bと判定手段73とを有している。流体温度推定手段72aには、圧力センサ54aから検出圧力P1が入力され、駆動回路74から横通風ドア80の開度情報が入力される。流体温度推定手段72aは、その入力値に基づいて、過冷却部40へ流入する冷媒の温度の推定冷媒温度Tkを推定し、冷媒温度Tkを判定手段73に出力する。目標温度差決定手段72bには、図示しない車速センサ(エンジン回転数センサ)によって検出された車速Sが入力される。目標温度差決定手段72bは、その入力値に基づいて、過冷却部40へ流入する冷媒温度Tkと外気の温度との目標温度差Txを算出し、目標温度差Txを判定手段73に出力する。判定手段73には、流体温度推定手段72aから推定冷媒温度Tkが入力され、外気温度センサ10aから外気温度Tamが入力され、目標温度差決定手段72bから目標温度差Txが入力される。判定手段73は、推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの温度差が、目標温度差Txの近傍であるか否かを判定する。判定手段73は、推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が目標温度差Txの近傍でない場合、判定結果を駆動回路74に出力する。
ここで、本実施形態における目標温度差Txについて、図3を用いて詳しく説明する。図3は、本実施形態における目標温度差Txと車速Sとの関係を示すグラフである。縦軸に目標温度差Txを、横軸に車速Sを示している。
目標温度差Txは、車速Sに応じて変化する値である。目標温度差Txと車速Sとの関係は、比例関係である。すなわち、車速Sが大きくなると、目標温度差Txは、一次関数的に小さくなる。また、目標温度差Txは、車速Sと比例関係にある基準値αから所定値βを加算、又は減算した値である。換言すると、目標温度差Txは、不等式α−β≦Tx≦α+βを満たす値である。つまり、上記記載の目標温度差Txの近傍とは、この不等式を満たす範囲内の値である。換言すると、判定手段73は、推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が、不等式α−β≦Tk−Tam≦α+βを満たすか否かを判定する手段である。
次に、本実施形態における流体過冷却化装置101の作動について説明する。まず、熱交換器100の作動について説明すると、自動車用空気調和装置の運転が開始されると、圧縮機から気相冷媒が吐出される。圧縮機から吐出された気相冷媒は、流入管54を介して第1タンク部50の第1分配室51に流入する。第1分配室51に流入した気相冷媒は、凝縮部20の凝縮チューブ群5a内に分配される。凝縮チューブ群5a内に流入した冷媒は、走行風である被加熱空気と熱交換する。ここで、熱交換する被加熱空気量は、複数の横通風ドア80によって調整されている。被加熱空気と熱交換した気相冷媒は、冷却され凝縮する。その結果、冷媒は、ガス冷媒を一部含む飽和液相冷媒となる。この飽和液相冷媒は、第2タンク部60の第2集合室61に流入する。第2集合室61にて集合した冷媒は、第1連通路を介して気液分離部30内に流入する。
気液分離部30にて、ガス冷媒を一部含む飽和液相冷媒は、気液分離される。ここで、気液分離される冷媒は、気液分離部30内に配設される図示しない乾燥剤により、その冷媒中の水分が除去される。気液分離された液相冷媒は、第2連通路を介して、第2タンク部60の第2分配室62に流入する。第2分配室62に流入した液相冷媒は、過冷却部40の過冷却チューブ群5b内に分配される。過冷却部40の過冷却チューブ群5bに流入した液相冷媒は、被加熱空気と熱交換し再度冷却され、過冷却状態となる。過冷却された液相冷媒は、第1タンク部50の第1集合室52に集合する。そして、過冷却された液相冷媒は、流出管55から膨張弁に供給される。
次に、本実施形態における通風制御装置70の作動について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態における通風制御装置70の通風制御を示すフローチャートである。このフローチャートのうち、ステップ103の演算処理によって、図1の流体温度推定手段72aという機能的構成要素が提供されている。ステップS104の演算処理によって、図1の目標温度差決定手段72bという機能的構成要素が提供されている。そして、ステップS105の演算処理によって、図1の判定手段73という機能的構成要素が提供されている。また、このフローチャートは、自動車用空気調和装置の運転が開始されると同時にスタートする。
まず、ステップS101にて、横通風ドア80の開度を初期化する。横通風ドア80の初期位置は、通常の使用温度(例えば、15〜35℃)時において、横通風ドア80によって凝縮部20への通風を抑制する必要がないため、全開状態の位置である。次に、ステップS102にて、外気温度センサ10aから外気温度Tamを読み込む。さらに、同時に圧力センサ54aから圧力P1を読み込む。ステップS103にて、横通風ドア80の開度、及び圧力P1に基づき、過冷却部40へ流入する推定冷媒温度Tkを推定する。ステップS104にて、車速Sに基づき、目標温度差Txを算出する。
そして、ステップS105にて、推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が、目標温度差Txの近傍であるか否かを判定する。換言すると、推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が、不等式α−β≦Tk−Tam≦α+βを満たすか否かを判定する。推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が、目標温度差Txの近傍である場合、すなわち不等式を満たす場合、横通風ドア80の開度は、そのまま維持され、ステップS102に戻る。一方、推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が、目標温度差Txの近傍でない場合、すなわち不等式を満たさない場合、ステップS106にて、横通風ドア80の開度を変更する。そして、ステップS102に戻る。
具体的に説明すると、ステップS105にて、α+β≦Tk−Tamの場合、ステップS106にて推定冷媒温度Tkを下げるために、横通風ドア80は、開くようにその開度を制御される。横通風ドア80の開度が開くように制御されると、凝縮部20へ流入する外気が流れる風路の通風抵抗は、減少する。外気が流れる風路の通風抵抗が減少し、凝縮部20を通過する外気の通風量が増加すると、凝縮部20における熱交換量は、増加する。凝縮部20における熱交換量が増加すると、過冷却部40へ流入する冷媒の温度と外気の温度との温度差は、減少する。その結果、過冷却部40へ流入する冷媒の温度と外気の温度との温度差を、目標温度差Txに近づけることが可能となる。つまり、過冷却部40における熱交換量を調整することができ、冷媒を過冷却状態となるまで冷却して過冷却部40から流出させることが可能となる。
一方、ステップS105にて、Tk−Tam≦α−βの場合、ステップS106にて推定冷媒温度Tkを上げるために、横通風ドア80は、閉まるようにその開度を制御される。横通風ドア80の開度が閉まるように制御されると、凝縮部20へ流入する外気が流れる風路の通風抵抗は、増加する。外気が流れる風路の通風抵抗が増加し、凝縮部20を通過する外気の通風量が減少すると、凝縮部20における熱交換量は、減少する。凝縮部20における熱交換量が減少すると、過冷却部40へ流入する冷媒の温度と外気の温度との温度差は、増加する。その結果、過冷却部40へ流入する冷媒の温度と外気の温度との温度差を、目標温度差Txに近づけることが可能となる。つまり、過冷却部40における熱交換量を調整することができ、冷媒を過冷却状態となるまで冷却して過冷却部40から流出させることが可能となる。
ここで、横通風ドア80の全開状態時において、ステップS105にて、α+β≦Tk−Tamの場合は、ステップS106では、そのまま全開状態が維持されるように制御される。横通風ドア80の全閉状態時において、ステップS105にて、Tk−Tam≦α−βの場合は、ステップS106では、そのまま全閉状態が維持されるように制御される。
次に、本実施形態の流体過冷却化装置101の優れた効果について説明する。流体過冷却化装置101は、低外気温時において、凝縮部20の一部への通風を抑制する横通風ドア80を有している。横通風ドア80により一部の通風が抑制される凝縮部20は、外気温度Tamまで冷媒を冷却してしまう従来の凝縮部と比べて熱交換量が少ない。その結果、凝縮部20から流出した冷媒は、従来技術の凝縮部から流出した冷媒と比べて温度が高い状態にある。つまり、凝縮部20から流出した冷媒は、外気温度Tamより温度が高い状態にある。その結果、過冷却部40へ流入する液相冷媒は、外気温度Tamの被加熱空気と熱交換することが可能となる。よって、本実施形態の流体過冷却化装置101は、十分に冷却され、過冷却状態となった冷媒を流出することが可能となる。
また、本実施形態における流体過冷却化装置101は、過冷却部40へ流入する推定冷媒温度Tkと外気温度Tamとの差が、目標温度差Txの近傍の値である。ここで目標温度差Txは、車速Sに基づく変数である。車速Sが大きい場合、走行風の風量も増えるため、過冷却部40における熱交換量も増加する。そのため、目標温度差Txが小さい値に決定されても、過冷却部40から流出する冷媒は、十分に冷却され、過冷却状態となって流出することが可能となる。具体的な作動として、目標温度差Txが小さい値となると、横通風ドア80は開くようにその開度が制御される。その結果、凝縮部20から流出する冷媒は、凝縮部20にて十分に冷却され、横通風ドア80を閉じている場合よりも温度が低い状態となる。つまり、凝縮部20における熱交換量も確保することが可能となる。換言すると、凝縮部20における熱交換量と、過冷却部40における熱交換量とのバランスをとることができる。その結果、過冷却部40から流出する冷媒は、過冷却状態となるとともに、外気の温度に応じた冷却可能な温度にまで冷却されて流出させることが可能となる。
この効果について、図5を用いて詳細に説明する。図5は、本実施形態における流体過冷却化装置101の効果を示すモリエル線図である。横軸にエンタルピを示し、縦軸に圧力を示す。従来のサブクールタイプの凝縮器の状態変化を破線で示し、本実施形態の熱交換器100の状態変化を実線で示す。
モリエル線図上における冷媒の飽和液線は、冷媒のエンタルピの増加に伴って、冷媒圧力が上昇するように変化している。従来の凝縮器の冷媒は、外気温と同等の温度まで十分に冷却されて圧力低下してしまい、凝縮部出口側の冷媒圧力における飽和液線上の冷媒のエンタルピも低下している。従って、凝縮部にて冷媒が十分に冷却されても、凝縮部から流出する冷媒は、過冷却状態とはならず、気液二相状態のままで流出してしまう。また、過冷却部に流入する液相冷媒は、既に、外気温と同等の温度まで冷却されているので、過冷却部において外気温と熱交換しにくくなっており、その結果、低外気温条件では、過冷却部において、冷媒を過冷却状態とすることができなくなってしまう。
一方、本実施形態における熱交換器100の冷媒は、横通風ドア80によって、外気温と同等の温度まで十分に冷却されない為、圧力が低下せず、凝縮部出口側の冷媒圧力における飽和液線上の冷媒のエンタルピも低下していない。よって、過冷却部に流入する液相冷媒は、外気温と同等の温度まで冷却されていないので、過冷却部において外気温と熱交換することができ、その結果、低外気温条件で、過冷却部において、冷媒を過冷却状態とすることが可能となる。
そして、例えば、蒸気圧縮式冷凍サイクルに本実施形態の流体過冷却化装置101が適用される場合において、流体過冷却化装置101から流出する冷媒が過冷却状態となっていると、流体過冷却化装置101の下流側に接続される膨張弁の異音の発生を抑制することが可能となる。また、ランキンサイクルに本実施形態の流体過冷却化装置101が適用される場合において、流体過冷却化装置101から流出する冷媒が過冷却状態となっていると、流体過冷却化装置101の下流側に接続される液ポンプの吸入口でキャビテーションが生じ、液ポンプが冷媒を循環させることができないといった不具合の発生を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における流体過冷却化装置200について、図6、及び図7を用いて説明する。本実施形態を含む以下の各実施形態において、既に説明した実施形態と同一、又は相当する構成については、同一符号を付し、その重複説明を省略する。本実施形態の流体過冷却化装置は、第1実施形態における横通風ドア80に代えて、熱交換量調整手段としての導入ドア280を備えている。図6は、本実施形態における流体過冷却化装置201、車両内燃機関202、及び導入ドア280の配置関係を示す配置図であり、ボンネットを上方から見た模式的な上面図である。図7は、本実施形態における導入ドア280の模式図である。
導入ドア280は、車両内燃機関202の放熱を回りこみを防止する防止板である。ここで、本実施形態において、導入ドア280は、車両用に用いられているが、車両用に限らず、外気の温度より高温の空気を凝縮部20に導入させることによって、凝縮部20における熱交換量を調整するものであればよい。
導入ドア280は、図6に示すように、流体過冷却化装置201の周囲に配設されている。導入ドア280は、通常の使用温度時には、温風が、矢印Cのように、凝縮部20、及び過冷却部40に対する空気流れ方向A上流側へ回りこむことを防止している。ここで、内燃機関202は、流体過冷却化装置201の後方に配置されている。つまり、導入ドア280は、温風が凝縮部20へ向かって流れる風路の通風抵抗を増加させている。ここで、温風の風路は、図6に示すボディ203、及び導入ドア280によって区画されている。導入ドア280は、その主面を車両内燃機関202の放熱が回りこむ方向である矢印Cと交差する向きで配置されている。一方、導入ドア280は、低外気温時には、凝縮部20、及び過冷却部40の空気流れ方向A上流側への温風の回りこみを許容する。つまり、導入ドア280は、温風が凝縮部20へ向かって流れる風路の通風抵抗を減少させている。
具体的には、導入ドア280は、襖のような構造を有している。導入ドア280は、数枚の板部材をスライド可能に組み立てられている。通常の使用温度時には、導入ドア280は、複数の板部材を図7中に示す矢印Bの閉方向にスライドさせて、車両内燃機関202の放熱の回りこみを防止している。閉方向とは、図6における前方である。低外気温時には、導入ドア280は、複数の板部材を図7中に示す矢印Bの開方向にスライドさせて、車両内燃機関の放熱の回りこみを許容している。開方向とは、図6における後方である。導入ドア280は、図示しない導入制御装置によって制御されている。ここで、導入ドア280の詳細な制御は、図4に示す第1実施形態における横通風ドア70の制御フローと同様の制御を行い、過冷却部40における熱交換量を調整する。
この本実施形態の構成によっても、導入ドア280によって外気の温度より高温の空気を凝縮部20に導入させることによって、過冷却部40の熱交換量を調整することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態のように車両用に適用されている場合、車両内燃機関の廃熱を有効に利用することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における熱交換器について、図8、及び図9を用いて説明する。本実施形態における熱交換器は、第1実施形態におけるコルゲートフィン6に代えて、ルーバ306aが形成されたコルゲートフィン306を備えている。また、本実施形態における熱交換器には、第1実施形態における横通風ドア80が設けられていない。図8、9は、本実施形態におけるコルゲートフィン306を空気流れ方向Aに垂直な水平方向から見た模式図である。図8に示すコルゲートフィン306は、ルーバ306aが開状態であり、図9に示すコルゲートフィン306は、ルーバ306aが閉状態である。ここで、凝縮部20には、コルゲートフィン306が配設され、過冷却部40には、第1実施形態におけるコルゲートフィン6が配設されている。
コルゲートフィン306には、複数のルーバ306aが形成されている。ここで、本実施形態では、コルゲートフィン306に複数のルーバ306aが形成されているが、コルゲートフィン306と複数のルーバ306aとは、別体であってもよい。複数のルーバ306aのうち、空気流れ方向Aの上流側に形成されたルーバ306aは、空気流れ方向Aの上流側に向かって傾斜して延び出している。複数のルーバ306aのうち、空気流れ方向Aの下流側に形成されたルーバ306aは、空気流れ方向Aの下流側に向かって傾斜して延び出している。また、コルゲートフィン306は、形状記憶合金で成形されている。つまり、ルーバ306aも形状記憶合金で成形されている。ルーバ306aは、通常の使用温度時において、空気流れ方向Aと直交する方向に向かって変位するように記憶されている。また、ルーバ306aは、低外気温時において、空気流れ方向Aに向かって変位するように記憶されている。ここで、本実施形態では、コルゲートフィン306及びルーバ306aは、形状記憶合金で成形されているが、各々が別体で構成される場合には、ルーバ306aのみが形状記憶合金としてもよい。
次に、コルゲートフィン306に形成されたルーバ306aの詳細について説明する。まず、図8に示す通常の使用温度時には、空気流れ方向Aと直交する方向に向かって変位したルーバ306aにより、凝縮部20の熱伝達率を増加させる。その結果、凝縮部20における熱交換量は、増加し、過冷却部40における熱交換量は、減少する。
一方、図9に示す低外気温時の外気の風路は、空気流れ方向Aに向かって変位したルーバ306aにより、各ルーバ306a間を通過していない。従って、凝縮部20の熱伝達率は、減少する。その結果、凝縮部20における熱交換量は、減少し、過冷却部40における熱交換量は、増加する。
この本実施形態の構成によっても、ルーバ306aによって凝縮部20の熱伝達率を調整することで、過冷却部40における熱交換量を調整することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態における熱交換器は、外気の温度によってルーバ306aを制御する制御装置を有さず、外気温度に応じて変形するように形状記憶されたルーバ306aを有している。よって、本実施形態における熱交換器は、コスト低減を図ることが可能となる。
(他の実施形態)
上記第1〜第3実施形態では、熱交換量調整手段は、凝縮部20における熱交換量を調整することによって、過冷却部40における熱交換量を調整している。熱交換量調整手段として、第1実施形態では、横通風ドア80が用いられ、第2実施形態では、導入ドア280が用いられ、第3実施形態では、ルーバ306aが形成されたコルゲートフィン306が用いられている。これに対して、熱交換量調整手段として、例えば、過冷却部40の空気流れ方向Aの上流側に、促進ファンを設ける構成を用いてもよい。促進ファンは、低外気温時において回転し、過冷却部40へ通風する風量を増加させる機能を有する。その結果、過冷却部40における熱交換量の調整を図ることが可能となる。
また、熱交換量調整手段として、上記第1実施形態では、横通風ドア80が用いられ、上記第2実施形態では、導入ドア280が用いられ、上記第3実施形態では、ルーバ306aが形成されたコルゲートフィン306が用いられている。さらに、これらの熱交換量調整手段を、組み合わせて用いてもよい。
また、上記第1実施形態では、熱交換量調整手段として横通風ドア80が用いられている。さらに、熱交換量調整手段として、例えば、図10に示すような縦通風ドア480を用いてもよい。図10は、他の実施形態における流体過冷却化装置401を示す模式図である。縦通風ドア480は、横通風ドア80の回転軸81を重力方向と一致する方向に配置させたドアである。また、熱交換量調整手段は、例えば、図11に示すようなフィルムドア580であってもよい。図11は、他の実施形態における流体過冷却化装置501の側面を示す模式図である。フィルムドア580は、回転軸581に巻き取られるフィルム部582の巻き取り量によって、凝縮部20の一部への通風を抑制している。フィルムドア580を用いると、流体過冷却化装置の規格を小さくすることが可能となる。
また、上記第1実施形態では、横通風ドア80の開度を制御する通風制御装置70を備えている。また、上記第2実施形態においても、導入ドア280の開度を制御する図示しない導入制御装置を備えている。しかし、これらのドア80、280は、例えば、形状記憶合金で形成され、外気温度によって形状を変化させる貫通孔681が形成されたものであってもよい。図12は、他の実施形態における通風導入ドア680を示す模式図である。通風導入ドア680は、形状記憶合金で形成されている。また、通風導入ドア680には、外気温度に応じて形状を変化させる複数の貫通孔681が形成されている。その結果、制御装置を有する流体過冷却化装置と比べて安価な熱交換器を提供することが可能となる。
具体的には、通風導入ドア680は、横通風ドア80のように凝縮部20へ流入する外気の通風抵抗を変化させるものとして用いることができる。その場合、通風導入ドア680は、凝縮部20の空気流れ方向Aの上流側に配置される。通風導入ドア680は、その主面を空気流れ方向Aと直交する向きで配置されている。ここで、通風導入ドア680の貫通孔681は、通常の使用温度時には、開状態となるように形状記憶されている。一方、低外気温時には、閉状態となるように形状記憶されている。
また、通風導入ドア680は、導入ドア280のように外気の温度より高温の空気が凝縮部20へ向かって流れる風路の通風抵抗を変化させるものとして用いることができる。その場合、通風導入ドア680は、導入ドア280と同様の位置に配置される。通風導入ドア680は、その主面を車両内燃機関の放熱が回りこむ方向と交差する向きで配置されている。ここでは、通風導入ドア680の貫通孔681は、通常の使用温度時には、閉状態となるように形状記憶されている。一方、低外気温時には、開状態となるように形状記憶されている。通風導入ドア680は、通常の使用温度時には、貫通孔681を閉状態にさせて、車両内燃機関の放熱の回りこみを防止している。低外気温時には、通風導入ドア680は、貫通孔681を開状態にさせて、車両内燃機関の放熱の回りこみを許容している。
また、第1実施形態では、圧力センサ54aは、流入管54に設けられている。しかし、例えば、圧力センサ54aは、第2分配室62に設けられていてもよい。その場合、流体温度推定手段72aは、圧力センサ54aによって検出される第2分配室62内の圧力P2に基づいて、過冷却部40へ流入する推定冷媒温度Tkが推定される。
また、第1実施形態では、目標温度差Txは、車速Sに基づいて算出されている。さらに、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、目標温度差Txは、車速Sに基づいて算出されている。しかし、目標温度差Txは、一定の規定値であってもよい。
また、上記第2実施形態では、導入ドア280が用いられている。しかし、例えば、導入ドア280に代えて、車両内燃機関の放熱を凝縮部20の空気流れ方向Aの上流側へ送風するファンであってもよい。
また、上記第3実施形態では、コルゲートフィン306が用いられている。コルゲートフィン306には、複数のルーバ306aが形成されている。しかし、例えば、コルゲートフィン306には、通風孔である複数のスリットが形成されていてもよい。その場合、コルゲートフィン306に形成されたスリットは、通常の使用温度時には、開状態となるように形状記憶され、低外気温時には、閉状態となるように形状記憶されている。
また、上記第3実施形態では、コルゲートフィン306に形成された複数のルーバ306aは、形状記憶合金で成形されている。しかし、複数のルーバ306aは、電子制御されていてもよい。その場合、流体過冷却化装置として、熱交換率制御装置、圧力センサ54a、外気温度センサ10a、及びルーバ306aを駆動する駆動用モータ群を備えており、その熱交換率制御装置により、上記第1実施形態における通風制御装置70の制御と同様の制御を行う。
本発明の第1実施形態における流体過冷却化装置のブロック図である。 第1実施形態における流体過冷却化装置の側面を示す模式図である。 第1実施形態における目標温度差と車速との関係を示すグラフである。 第1実施形態における通風制御装置の通風制御を示すフローチャートである。 第1実施形態における流体過冷却化装置の効果を示すモリエル線図である。 第2実施形態における流体過冷却化装置、車両内燃機関、及び導入ドアの配置関係を示す配置図である。 第2実施形態における導入ドアの模式図である。 第3実施形態におけるコルゲートフィンの模式図である。 第3実施形態におけるコルゲートフィンの模式図である。 他の実施形態における流体過冷却化装置を示す模式図である。 他の実施形態における流体過冷却化装置の側面を示す模式図である。 他の実施形態における通風導入ドアを示す模式図である。
符号の説明
5…チューブ、10a…外気温度センサ、20…凝縮部、30…気液分離部、40…過冷却部、54a…圧力センサ、70…通風制御装置、80…通風ドア(熱交換量調整手段)、280…導入ドア(熱交換量調整手段)、306…コルゲートフィン、306a…ルーバ(熱交換量調整手段)、480…通風ドア(熱交換量調整手段)、580…通風ドア(熱交換量調整手段)、680…通風ドア(導入ドア、熱交換量調整手段)。

Claims (10)

  1. 流体と外気とを熱交換させて、前記流体を冷却する凝縮部と、
    前記凝縮部から流出した流体を気液分離する気液分離部と、
    前記気液分離部から流出した液相流体と外気とを熱交換させて、前記液相流体を過冷却する過冷却部とを備え、
    前記外気の温度に基づいて、前記過冷却部における熱交換量を調整する熱交換量調整手段とを備えることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記熱交換量調整手段は、前記凝縮部における熱交換量を調整することによって、前記過冷却部における熱交換量を調整することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記熱交換量調整手段は、前記凝縮部を通過する外気の通風量を調整することによって、前記凝縮部における熱交換量を調整することを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記熱交換量調整手段は、前記凝縮部へ流入する外気が流れる風路の通風抵抗を変化させる通風ドアであることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記熱交換量調整手段は、前記外気の温度より高温の空気を前記凝縮部に導入させることによって、前記凝縮部における熱交換量を調整することを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  6. 前記熱交換量調整手段は、前記高温の空気が前記凝縮部へ向かって流れる風路の通風抵抗を変化させる導入ドアであることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の熱交換器と、
    前記凝縮部へ流入する流体の圧力を検出する圧力センサと、
    前記外気の温度を検出する外気温度センサと、
    前記圧力センサにより検出された検出圧力、及び前記外気温度センサにより検出された検出外気温度に基づいて、前記過冷却部へ流入する流体の温度を推定する流体温度推定手段と、
    前記過冷却部から流出する流体が過冷却状態となるように、前記過冷却部に流入する流体の温度と前記外気の温度との目標温度差を決定する目標温度差決定手段とを備え、
    前記熱交換量調整手段は、前記流体温度推定手段が推定した推定値から前記検出外気温度を減算した値が、前記目標温度差となるように制御されることを特徴とする流体過冷却化装置。
  8. 車両に適用される請求項7に記載の流体過冷却化装置であって、
    前記目標温度差決定手段は、前記目標温度差を、車速の増加に伴って減少するように決定することを特徴とする流体過冷却化装置。
  9. 前記熱交換量調整手段は、前記凝縮部の熱伝達率を調整することによって、前記凝縮部における熱交換量を調整することを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  10. 前記凝縮部は、前記流体が流れる複数のチューブと、隣接する前記チューブ間に配設され熱交換を促進する複数のフィンとを有し、
    前記熱交換量調整手段は、形状記憶合金で形成されるとともに、前記外気の温度の変化に伴って前記外気の流れる方向を変化させるルーバであることを特徴とする請求項9に記載の熱交換器。
JP2008232201A 2008-09-10 2008-09-10 熱交換器および流体過冷却化装置 Pending JP2010065918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008232201A JP2010065918A (ja) 2008-09-10 2008-09-10 熱交換器および流体過冷却化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008232201A JP2010065918A (ja) 2008-09-10 2008-09-10 熱交換器および流体過冷却化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010065918A true JP2010065918A (ja) 2010-03-25

Family

ID=42191649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008232201A Pending JP2010065918A (ja) 2008-09-10 2008-09-10 熱交換器および流体過冷却化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010065918A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4918162U (ja) * 1972-05-17 1974-02-15
JPS51148057U (ja) * 1975-05-22 1976-11-27
JPS5487957A (en) * 1977-12-26 1979-07-12 Toyo Seisakusho Kk Device for automatically controlling condensation pressure of cooling circuit
JPS5575773U (ja) * 1978-11-17 1980-05-24
JPS5932263U (ja) * 1982-08-25 1984-02-28 三洋電機株式会社 凝縮温度調整装置
JPH0381878U (ja) * 1989-12-13 1991-08-21
JP2003278660A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Calsonic Kansei Corp 可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置
JP2006023070A (ja) * 2004-06-11 2006-01-26 Daikin Ind Ltd 過冷却装置
JP2007139269A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Denso Corp 超臨界冷凍サイクル

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4918162U (ja) * 1972-05-17 1974-02-15
JPS51148057U (ja) * 1975-05-22 1976-11-27
JPS5487957A (en) * 1977-12-26 1979-07-12 Toyo Seisakusho Kk Device for automatically controlling condensation pressure of cooling circuit
JPS5575773U (ja) * 1978-11-17 1980-05-24
JPS5932263U (ja) * 1982-08-25 1984-02-28 三洋電機株式会社 凝縮温度調整装置
JPH0381878U (ja) * 1989-12-13 1991-08-21
JP2003278660A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Calsonic Kansei Corp 可変容量コンプレッサの駆動トルク算出装置
JP2006023070A (ja) * 2004-06-11 2006-01-26 Daikin Ind Ltd 過冷却装置
JP2007139269A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Denso Corp 超臨界冷凍サイクル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6138427B2 (ja) 車両用ヒートポンプ空調システム
US9851154B2 (en) Condenser for vehicle
US20130146257A1 (en) Condenser for vehicle
EP2449321B1 (en) System for limiting pressure differences in dual compressor chillers
JP2017125673A (ja) 輸送用冷凍装置
KR20130012986A (ko) 쿨링모듈 및 그 제어 방법
JP4178472B2 (ja) 熱交換器及び空気調和機
JP2018136107A (ja) 冷凍サイクル装置
CN109631455B (zh) 冰箱
JP2005121242A (ja) 冷凍サイクル装置
JP5681572B2 (ja) 車両用空調装置
JP2008051369A (ja) 冷凍システムおよびこれを備えた保冷庫
JP6590957B2 (ja) 冷凍装置
JP2011189824A (ja) 車両用空調システム
WO2022030376A1 (ja) 熱交換器
JP6025716B2 (ja) 車両用空調装置
JP2010065918A (ja) 熱交換器および流体過冷却化装置
JP6537928B2 (ja) 熱交換器及びヒートポンプシステム
CN115279603A (zh) 车辆空调机及其控制方法
JP2019211138A (ja) 空気調和装置
JP3677898B2 (ja) 複式熱交換器
KR102161475B1 (ko) 차량용 에어컨 시스템
WO2017094391A1 (ja) 屋根設置ユニット
EP4134613A1 (en) A heat exchanger
EP4134612A1 (en) A heat exchanger

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20100922

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120315

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120403

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120731