JP6241194B2 - 暖房制御装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る暖房制御装置を搭載した車両1は、内燃機関型のエンジン2と、エンジン2を制御するためのエンジン制御ユニット(以下、単に「EG−ECU」という)3と、空調ユニット4と、空調ユニット4を制御するための空調用制御ユニット(以下、単に「AC−ECU」という)5とを含んで構成されている。
例えば、エンジン2は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を実行するとともに、圧縮行程と膨張行程との間に燃料と空気とを含む混合気に点火を行う4サイクルのエンジンによって構成されている。
なお、本実施の形態において、EG−ECU3及びAC−ECU5は、CANを介して通信を行うものとして説明するが、フレックスレイ等の他の規格に準拠したネットワークを介して通信を行うようにしてもよい。
また、EG−ECU3の出力ポートには、点火プラグ10及びインジェクタ11に加えて、エンジン2を始動させるためのスタータを駆動するスターターモータ18等の各種制御対象類が接続されている。
本実施の形態において、EG−ECU3は、アクセル開度センサ13によって検出されたアクセルペダル開度がほぼ0であり、ブレーキペダルポジションセンサ15によって検出されたブレーキペダル14の操作量が所定量以上であり、車速センサ16によって検出された車速が予め定められた閾値(例えば、1km/h)未満であるときに、停止条件が成立したと判断するものとする。
EG−ECU3は、エンジン2がアイドリング運転状態にあるときに停止条件が成立したことを条件として、点火プラグ10による点火およびインジェクタ11による燃料の噴射を停止することにより、エンジン2を停止させるようになっている。
本実施の形態において、EG−ECU3は、アクセル開度センサ13によって検出されたアクセルペダル12の開度が所定値以上であり、ブレーキペダルポジションセンサ15によって検出されたブレーキペダル14の操作量がほぼ0であるときに、再始動条件を満たしたと判断するものとする。
EG−ECU3は、アイドルストップ機能によりエンジン2を停止させている状態で、再始動条件が成立したことを条件として、スターターモータ18を駆動させると共に、点火プラグ10による点火およびインジェクタ11による燃料の噴射を開始させることにより、エンジン2を再始動させるようになっている。
外気導入口20aは、車室外の空気を空調ユニット4内に導入する導入口である。内気導入口20bは、車室内の空気を空調ユニット4内に導入する導入口、すなわち車室内で循環する空気を導入させるための導入口である。
空調ユニット4内には、デフロスタ排出口24aを開閉する吹出口切換ドア25aと、ベント排出口24b及び足元排出口24cを選択的に開閉する吹出口切換ドア25bとが設けられている。
吹出口切換ドア25aには、吹出口切換ドア25aを駆動するためのアクチュエータ26aが設けられている。アクチュエータ26aは、AC−ECU5による制御に応じて、吹出口切換ドア25aの位置を制御するようになっている。
吹出口切換ドア25bには、吹出口切換ドア25bを駆動するためのアクチュエータ26bが設けられている。アクチュエータ26bは、AC−ECU5による制御に応じて、吹出口切換ドア25bの位置を制御するようになっている。
エアミックスドア32には、エアミックスドア32を駆動するためのアクチュエータ35が設けられている。アクチュエータ35は、AC−ECU5による制御に応じて、エアミックスドア32の位置(以下、「エアミックスドア開度」ともいう)を制御するようになっている。
このように、ヒータコア33は、エンジン2の排熱で暖められて循環路41を循環するエンジン2の冷却水と車室内に吹き出される空気との間でヒータコア33によって熱交換を行わせることにより、車室内に吹き出される空気を暖める熱源として機能する。
AC−ECU5のROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをAC−ECU5として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、AC−ECU5において、CPUがROMからRAMにプログラムを読み込んで、読み込んだプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、AC−ECU5として機能する。
このため、熱負荷算出部61は、熱交換器温度推定部64によって推定されたヒータコア33の温度Hcと、通過空気温度検出部60によって検出された温度Heとの差を算出することにより、熱負荷HLを算出するようになっている。
なお、本実施の形態において、熱負荷算出部61は、熱負荷HLを予め実験的に定められた定数kで正規化するようになっている。具体的には、熱負荷算出部61は、熱負荷HL=(Hc−He)/kを算出するようになっている。したがって、熱負荷HLは、0%から100%までの範囲で算出される。
また、エバポレータコア31を通過した空気がヒータコア33を通過しない位置にエアミックスドア32があるときのエアミックスドア開度Ddを0%とし、エバポレータコア31を通過した空気がヒータコア33を最大限に通過する位置にエアミックスドア32があるときのエアミックスドア開度Ddを100%とする。
風負荷算出部62は、ブロワファン30の送風量Baと、エアミックスドア開度Ddとの積Ba×Ddを算出することにより、風負荷BLを算出するようになっている。したがって、風負荷BLは、0%から100%までの範囲で算出される。
例えば、車室内に吹き出される空気の導入口として、外気導入口20aに切り換えられているときの補正係数をk1とし、内気導入口20bに切り換えられているときの補正係数をk2とする。ここで、補正係数k1、k2は、実験により0から1までの範囲で予め定められているものとする。
風負荷算出部62は、車室内に吹き出される空気の導入口として、外気導入口20aに切り換えられている場合には、Ba×Dd×k1を算出することにより、風負荷BLを算出するようになっている。
一方、風負荷算出部62は、車室内に吹き出される空気の導入口として、内気導入口20bに切り換えられている場合には、Ba×Dd×k2を算出することにより、風負荷BLを算出するようになっている。
具体的には、低下温度算出部63は、図3に示すように、熱負荷HLと風負荷BLとに対して、単位時間dtあたりのヒータコア33の低下温度Tdが対応付けられたマップを参照し、熱負荷算出部61によって算出された熱負荷と、風負荷算出部62によって算出された風負荷BLとに基づいて、低下温度Tdを算出するようになっている。
なお、図3に示すマップは一例として図示されているが、低下温度算出部63が参照するマップは、熱負荷HLが大きくなるにつれて低下温度Tdが高くなるとともに、風負荷BLが大きくなるにつれて低下温度Tdが高くなるように対応付けられている。
具体的には、熱交換器温度推定部64は、推定したヒータコア33の温度Hpから低下温度算出部63によって算出された低下温度Tdを減じることによって、現在のヒータコア33の温度Hcを推定するようになっている。
ここで、熱交換器温度推定部64は、エンジン2が停止された後に初めてヒータコア33の温度Hcを推定することを条件として、EG−ECU3からCANを介して得られる冷却水の温度を現在のヒータコア33の温度Hcとして推定するようになっている。
しかしながら、エンジン2が停止した直後は、冷却水の温度とヒータコア33の温度とがほぼ等しいため、EG−ECU3から得られる冷却水の温度を現在のヒータコア33の温度Hcとして推定することができる。
ここで、AC−ECU5は、アイドルストップ状態にあると判断し、暖房装置が作動状態にあることを条件として、熱交換器温度推定部64によって推定されたヒータコア33の温度Hcに基づいて、エンジン2を再始動させるか否かを判断するようになっている。
具体的には、AC−ECU5は、推定したヒータコア33の温度Hcが予め定められた閾値Hth未満となったことを条件として、エンジン2を再始動させるようにEG−ECU3に要求するようになっている。
一方、暖房装置が作動状態にあると判断した場合には、AC−ECU5は、EG−ECU3からCANを介して得られる情報に基づいて、アイドルストップ状態にあるか否かを判断する(ステップS2)。
ここで、アイドルストップ状態にないと判断した場合には、AC−ECU5は、エンジン再始動動作を終了する。一方、アイドルストップ状態にあると判断した場合には、AC−ECU5は、図5に示す熱交換器温度推定処理を実行する(ステップS3)。
ここで、エンジン2が停止された後に初めてヒータコア33の温度Hcが推定すると判断した場合には、AC−ECU5は、EG−ECU3からCANを介して得られる冷却水の温度をヒータコア33の温度Hcとして推定し(ステップS5)、熱交換器温度推定処理を終了する。
一方、エンジン2が停止された後にヒータコア33の温度Hcを推定することが初めてではないと判断した場合には、AC−ECU5は、熱負荷算出部61として機能し、ヒータコア33から奪われる単位時間dtあたりの熱量に応じた熱負荷HLを算出する(ステップS6)。
次いで、AC−ECU5は、熱交換器温度推定部64として機能し、算出した低下温度Tdを推定したヒータコア33の温度Hpから減じることによって、現在のヒータコア33の温度Hcを推定し(ステップS9)、熱交換器温度推定処理を終了する。
一方、ヒータコア33の推定温度Hcが閾値Hth未満であると判断した場合には、AC−ECU5は、エンジン2を再始動させるようにEG−ECU3に要求し(ステップS11)、エンジン再始動動作を終了する。
すなわち、本発明に係る暖房制御装置は、回転電機のみで走行する条件が成立した場合には、エンジンを停止させ、エンジンを停止させている状態で、予め設定された再始動条件が成立した場合には、エンジンを再始動させ、暖房装置が作動状態にあることを条件として、少なくとも再始動条件にヒータコアの温度に関する条件を含むハイブリッド車両に適用することもできる。
2 エンジン(内燃機関)
4 空調ユニット(暖房装置)
5 AC−ECU(導入口切換部、熱負荷算出部、風負荷算出部、低下温度算出部、熱交換器温度推定部)
17 水温センサ
20a 外気導入口
20b 内気導入口
21 導入口切換ドア(導入口切換部)
22 アクチュエータ(導入口切換部)
30 ブロワファン
32 エアミックスドア
33 ヒータコア(熱交換器)
50 エバポレータ温度センサ(通過空気温度検出部)
60 通過空気温度検出部
61 熱負荷算出部
62 風負荷算出部
63 低下温度算出部
64 熱交換器温度推定部
Claims (4)
- 車室内に吹き出される空気と内燃機関の冷却水との間で熱交換を行わせる熱交換器を熱源として有する暖房装置を備え、予め設定された停止条件が成立した場合には、前記内燃機関を停止させ、前記内燃機関を停止させている状態で、予め設定された再始動条件が成立した場合には、前記内燃機関を再始動させ、前記暖房装置が作動状態にあることを条件として、少なくとも前記再始動条件に前記熱交換器の温度に関する条件を含む車両の暖房制御装置であって、
前記熱交換器から奪われる単位時間あたりの熱量に応じた値を熱負荷として算出する熱負荷算出部と、
前記熱交換器を通過する前記単位時間あたりの空気の流量に応じた値を風負荷として算出する風負荷算出部と、
前記熱負荷算出部によって算出された熱負荷及び前記風負荷算出部によって算出された風負荷に基づいて、前記単位時間あたりの前記熱交換器の低下温度を算出する低下温度算出部と、
前記低下温度算出部によって算出された低下温度に基づいて、前記内燃機関が停止されている状態における前記熱交換器の温度を推定する熱交換器温度推定部と、
前記内燃機関の冷却水の温度を検出する水温センサと、を備え、
前記熱交換器温度推定部は、前記内燃機関が停止された後に初めて前記熱交換器の温度を推定することを条件として、前記水温センサによって検出された前記冷却水の温度を前記熱交換器の温度として推定することを特徴とする暖房制御装置。 - 前記熱交換器を通過する前の空気の温度を検出する通過空気温度検出部を更に備え、
前記熱負荷算出部は、前記熱交換器温度推定部によって推定された熱交換器の温度と、前記通過空気温度検出部によって検出された温度との差を算出することにより、前記熱負荷を算出することを特徴とする請求項1に記載の暖房制御装置。 - 前記車室内に吹き出される空気を送風するブロワファンと、
前記熱交換器を通過する空気の流量を調整するエアミックスドアと、を更に備え、
前記風負荷算出部は、前記ブロワファンの送風量と、前記エアミックスドアの開度とに基づいて前記風負荷を算出することを特徴とする請求項1に記載の暖房制御装置。 - 前記車室内に吹き出される空気の導入口を車室外に連通する外気導入口と車室内に連通する内気導入口との間で切り換える導入口切換部を更に備え、
前記風負荷算出部は、前記導入口として前記外気導入口に切り換えられているか、前記内気導入口に切り換えられているかに応じて前記風負荷を補正することを特徴とする請求項3に記載の暖房制御装置。
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