JP2006273027A - 車両用空調装置のコンプレッサ制御装置及びエンジンの燃料噴射量制御システム - Google Patents

車両用空調装置のコンプレッサ制御装置及びエンジンの燃料噴射量制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】 コンプレッサ駆動トルクを精度良く予測できるようにした車両用空調装置のコンプレッサ制御装置を提供する。
【解決手段】 車室内の熱環境を検出する熱環境検出手段33と、冷凍サイクルの物理状態を検出する冷凍サイクル状態検出手段34と、熱環境検出手段及び冷凍サイクル状態検出手段の検出結果に基づいて車室内を所定温度に保つためのコンプレッサの駆動トルクを算出する冷房能力算出手段35とを備え、熱環境検出手段は、エバポレータの入口側の空気の湿度を検出する入口側空気湿度センサを有し、冷房能力算出手段は、熱環境検出手段及び冷凍サイクル状態検出手段の検出結果に基づいて冷媒流量を算出し、これに基づいてコンプレッサの駆動トルクを算出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用空調装置のコンプレッサ制御装置及びエンジンの燃料噴射量制御システムに関し、より詳しくは、車両用空調装置の消費エネルギーの要求が高い車両に好適なものに関する。
従来、外部の信号により単位時間当たりの理論吐出容量を任意に変化させることができる可変容量型のコンプレッサを冷凍サイクルに用いた車両用空調装置において、冷凍サイクルの駆動力を低減させる技術としては、車室内の熱環境を検出する熱環境検出手段と、冷凍サイクルの物理状態を検出する冷凍サイクル状態検出手段との少なくとも一方の検出結果を用いて、車室内の熱環境を快適に維持するために必要最低限の冷房能力を算出し、これに基づいてコンプレッサの吐出容量を制御するようにしたものが一般的に知られている。
また、車両が通常停車を含む低車速状態のうちでアクセル開度がほぼ全閉となる減速時においては、エンジンの燃料噴射を一時的にストップさせ、あるエンジン回転数に至る際に燃料噴射を再開することが一般的なエンジン制御方法として知られているが、この時、可変容量型のコンプレッサについては、その駆動トルクを低下させることが可能であり、それによって燃料噴射量を積極的に低減させることができるメリットがある。この時、コンプレッサの駆動トルクが分かれば、空調装置負荷分の燃料噴射量をエンジン制御装置により調整することで、適切な燃料噴射量にすることができる。そこで、前記熱環境検出手段や冷凍サイクル状態検出手段からの情報に基づいてアイドリング直前のコンプレッサ駆動トルクを予測する技術も提案されている。
従来、このコンプレッサ駆動トルクを予測する技術としては、車両速度が変動するため、高圧側の冷媒圧力と外気温を検出し、その時の冷凍サイクル上のコンデンサ側の負荷により放熱量を予測し、その値によって冷媒流量を推定してコンプレッサの駆動トルクを予測するようにしていた。
しかしながら、上記従来の技術では、コンプレッサの駆動トルク予測に際して、主としてコンデンサ側からの情報に基づいて予測しており、エバポレータ側の情報が欠けているため、コンプレッサ駆動トルクを精度良く予測できているとは言い難かった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンプレッサ駆動トルクを精度良く予測できるようにした車両用空調装置のコンプレッサ制御装置、及びそれを用いたエンジンの燃料噴射量制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明は、外部の信号により単位時間当たりの理論吐出容量を任意に変化させることができる可変容量型のコンプレッサと、このコンプレッサにより圧縮された冷媒を凝縮させるコンデンサと、このコンデンサにより凝縮した冷媒を膨張させる膨張手段と、この膨張手段により膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータとを含む冷凍サイクルを備えた車両用空調装置の前記コンプレッサを制御するためのものであって、車室内の熱環境を検出する熱環境検出手段と、前記冷凍サイクルの物理状態を検出する冷凍サイクル状態検出手段と、前記熱環境検出手段及び前記冷凍サイクル状態検出手段の検出結果に基づいて車室内を所定温度に保つための前記コンプレッサの駆動トルクを算出する冷房能力算出手段とを備え、前記熱環境検出手段は、外気温センサと、室温センサと、前記エバポレータの入口側の空気の湿度を検出する入口側空気湿度センサと、前記エバポレータの出口側の空気の温度を検出する出口側空気温度センサとを有し、前記冷凍サイクル状態検出手段は、前記コンデンサで凝縮した冷媒の圧力を検出する高圧側冷媒圧力センサを有し、前記度冷房能力算出手段は、前記熱環境検出手段及び前記冷凍サイクル状態検出手段の検出結果に基づいて冷媒流量を算出し、この冷媒流量に基づいて前記コンプレッサの駆動トルクを算出することを特徴とする車両用空調装置のコンプレッサ制御装置である。
また、第2の発明は、前記コンプレッサ制御装置と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記冷房能力算出手段及び前記走行状態検出手段からの情報に基づいてエンジンを制御するエンジン制御装置とを備え、前記走行状態検出手段により車両が停止又は発進しようとする状態が検出された場合には、前記冷房能力算出手段は、アイドリング時における前記コンプレッサの予測トルクを算出し、前記エンジン制御装置は、その予測トルクに基づいてアイドリング直前の前記エンジンの燃料噴射量を制御することを特徴とするエンジンの燃料噴射量制御システムである。
本発明によれば、エバポレータの入口側の空気の湿度に基づいて冷媒流量を算出し、この冷媒流量に基づいて必要冷房能力を算出するようにしたことで、コンプレッサ駆動トルクを精度良く予測することができ、車両のエンジンの燃料噴射量を適切に制御することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のコンプレッサ制御装置を適用した車両用空調装置の概略構成図、図2は図1の車両用空調装置の冷凍サイクルの概略構成図、図3は本実施形態のエンジンの燃料噴射量制御システムの概略構成を示すブロック図、図4は図3の燃料噴射量制御システムによる燃料噴射量制御の手順を示すフローチャート、図5は本実施形態のコンプレッサ制御装置による必要冷房能力の算出手順を示すフローチャートである。
まず、本実施形態のコンプレッサ制御装置が適用される車両用空調装置の概略構成を説明する。
図1に示すように、この車両用空調装置では、車室内に設置されるユニットケース1の一端側に内気導入口2と外気導入口3が設けられており、これらはインテークドア4によって選択的に開閉されるようになっている。
ユニットケース1の一端側の内部にはブロワ5が設けられており、このブロワ5により車室内外の空気が内気導入口2及び外気導入口3を介してユニットケース1内に導入される。
また、ユニットケース1内には、ブロワ5が導入した空気を冷却するエバポレータ6が設けられている。
エバポレータ6の下流側にはヒータコア7が設けられており、このヒータコア7には配管部材及びバルブを介してエンジン冷却水(温水)が循環するようになっている。
ヒータコア7の前方にはミックスドア8が設けられており、エバポレータ6を通過した風をヒータコア7に通す方向又はヒータコア7の上方を通る方向に選択的に導くか、あるいは両方向に適宜の比率で分配する。
ヒータコア7の上方は、エバポレータ6を通過した冷風とヒータコア7を通過した温風とを混合するためのエアミックスチャンバ9とされている。
エアミックスチャンバ9上方のユニットケース1の上壁には前席の乗員の上半身側に向けて風を吹き出すベント吹出口10が設けられている。このベント吹出口10からの吹き出し風量はベントドア11により調節されるようになっている。
12はフロントガラスに向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口で、その下方に設けられたデフロスタドア13により吹き出し風量が調節されるようになっている。
ヒータコア7の下方には、後方に向けて延出したダクト14が設けられており、その前端部側にはミックスドア15が設けられており、エバポレータ6を通過した風をヒータコア7に通す方向又はヒータコア7の下方を通る方向に選択的に導くか、あるいは両方向に適宜の比率で分配するようになっている。
ダクト14の後端部は後方に向けて延びる第1の通路16と、上方に向けて延びる第2の通路17とに分岐している。第1の通路18の先端面には後席の乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口18が形成され、第2の通路17の先端面には後席の乗員の上半身側に向けて風を吹き出すベント吹出口19が形成されている。
そして、第1の通路16と第2の通路17の分岐点にはこれらを選択的に開閉するベント/フットドア20が設けられている。また、第2の通路17の基端部の前方には第1及び第2の通路16、17を同時に開閉する遮蔽ドア21が設けられている。
エアミックスチャンバ9の後部側には、隔壁22によって、ダクト14の両側に位置する一対のフット通路23、23が形成されている(一方のみ図示)。このフット通路23は上下に延びると共に下端部が後方に屈曲しており、その後端面には後席の乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口24が形成されている。また、フット通路23の途中には前席の乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口25が形成されている。なお、フット通路23はベントドア11により開閉される。
図2に示すように、エバポレータ6は、コンプレッサ24、コンデンサ25、リキッドタンク26、及び膨張弁27が配管部材を介してこの順に接続され、冷凍サイクルを構成している。
コンプレッサ24は、外部の信号により単位時間当たりの理論吐出容量を任意に変化させることができる可変容量型のもので、ベルト28を介してエンジン29に伝動連結されており、エンジン29の駆動トルクにより回転して冷媒を圧縮する。
コンプレッサ24により圧縮された冷媒は、車外に配置されたコンデンサ25で外気と熱交換して凝縮し、リキッドタンク26で気相冷媒と液相冷媒とに分離される。そして、液相冷媒は膨張弁27に送られて膨張し、エバポレータ6で蒸発してブロワ5(図1参照)から送られてくる風を冷却した後、再びコンプレッサ24に戻る。
この車両用空調装置は、インストルメントパネルから入力された設定温度や空調モード(フットモード、デフロスタモード、ベントモード)等の入力情報や各種センサ(室温センサ、日射センサ等)の検出値に基づいて、ドア4、8、11、13、15、20、21やブロワ5を制御して、車室内を空調する。
図3に示す燃料噴射量制御システムは、コンプレッサ24を制御するコンプレッサ制御装置30と、エンジン29を制御するエンジン制御装置31と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段32とを備えている。
コンプレッサ制御装置30は、車室内の熱環境を検出する熱環境検出手段33と、冷凍サイクルの物理状態を検出する冷凍サイクル状態検出手段34と、熱環境検出手段33及び冷凍サイクル状態検出手段34の検出結果に基づいて車室内を所定温度に保つためのコンプレッサ24の駆動トルクを算出する冷房能力算出手段35とを備えている。
熱環境検出手段33は、外気温センサ36、室温センサ37、エバポレータ6の入口側の空気の湿度を検出する入口側空気湿度センサ38、エバポレータ6の出口側の空気の温度を検出する出口側空気温度センサ39等を有しており、これらの検出値とブロワ5のファンスピード、空調モード等に基づいて車室内の熱環境を検出する。
冷凍サイクル状態検出段34は、リキッドタンク26に設けられコンデンサ25で凝縮した冷媒の圧力を検出する高圧側冷媒圧力センサ40、エバポレータ6の出口側の冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ41等を有している。
冷房能力算出手段35は、マイクロコンピュータのROMに格納されたプログラムにより構成され、熱環境検出手段33及び冷凍サイクル状態検出手段34の検出結果に基づいて車室内を所定温度に保つためのコンプレッサ24の駆動トルクを算出する。
走行状態検出手段32は、アクセル開度センサ42、車速センサ43、エンジン回転数センサ44等を有しており、これらの検出値に基づいて車両の走行状態(例えば、通常走行、停止、発進等)を検出する。
エンジン制御装置31は、冷房能力算出手段35及び走行状態検出手段32からの情報に基づき、エンジンの燃料噴射量が最適になる(無駄が無くなる)ように制御信号を出力する。
本実施形態による燃料噴射量制御の手順を図4に基づいて説明する。
まず、熱環境検出手段33により車室内の熱環境が検出される(ステップS10)。
次いで、冷凍サイクル状態検出手段34により冷凍サイクルの冷媒の物理的状態が検出される(ステップS20)。
次いで、熱環境検出手段33及び冷凍サイクル状態検出手段34の検出結果に基づいて、冷房能力算出手段35が、車室内を所定の快適温度に保つためのコンプレッサ24の必要最小限の駆動トルクを算出する(ステップS30)。
次いで、走行状態検出手段32により、車両の走行状態が検出される(ステップS40)。
次いで、エンジン制御装置31は、検出された走行状態が停止又は発進しようとする状態のいずれかであるか否かを認識し(ステップS50)、いずれかの状態と判定した場合には、冷房能力算出手段35がアイドリング時に必要なコンプレッサ24の駆動トルクを算出し(ステップS60)、この駆動トルクがエンジン制御装置31に出力され(ステップS70)、エンジン制御装置31は、これに基づいてエンジン29における燃料噴射量を制御する。
車両が停止するか否かの判定は、例えば、アクセル開度が1/8以下、車速が20km/h以下、エンジン回転数が1200rpm以下の三条件がANDとなったか否かで判定する。
また、車両が発進するか否かの判断は、例えば、アクセル開度が1/8以上、車速が20km/h以上、エンジン回転数が1200rpm以上の三条件がANDとなったか否かで判定する。
なお、ステップS50において、車両が停止又は発進しようとする状態のいずれでもないと判定された場合には、ステップS60、S70の処理が行われず、このフローが終了する。
また、ステップS50で車両が停止又は発進しようとする状態と判定された場合で、且つステップS30で算出した駆動トルクが所定値以下である場合(必要冷房能力が小さい場合)には、ステップS60の前でコンプレッサ24の容量を変化させて駆動トルクを減少させるようにするとよい。
このようにすると、エンジン29の必要燃料噴射量を少なくすることができると共に、アイドル時のコンプレッサ24の駆動トルクの予測精度を上げることができる。
ステップS10において、熱環境検出手段33が車室内の熱環境を検出する手順を詳細に説明する。
まず、エバポレータ6の性能(吸熱量)を予測する。エバポレータ6の吸熱量を空気側から計算した値をQevap(air)とすると、この値は下記の式で表すことができる。
Qevap(air)=(ia1-ia2)×Ga/v
ここでia1はエバポレータ6の入口側空気エンタルピ、ia2はエバポレータ6の出口側空気エンタルピ、Gaは風量(体積流量)、vはエバポレータ6の吸入空気比容積である。
ia1及びvについては、インテークドア4が外気導入側で且つ車両走行時であれば、外気温センサ36の検出値と入口側空気湿度センサ38の検出値、インテークドア4が内気導入側であれば、室温センサ37の検出値と入口側空気湿度センサ38の検出値から求めることができる。
ia2については、エバポレータ6の出口側空気温度センサ39の検出値と相対湿度から求めることができる。なお、相対湿度は実験により設定することができるが、95%程度に設定しておけばよい。
Gaについても、空調モード、ブロワ5のファン速度を指示する制御信号等により、台上実験によって正確に求めることができる。したがって、Qevap(air)が求まることになる。
図5は、本実施形態でQevap(air)を算出する手順を示したフローチャートである。
まず、インテークドア4が外気導入側であるかを認識し(ステップS110)、YESの場合には外気温センサ36の検出値を認識する(ステップS120)。ステップS110でNOの場合には室温センサ37の検出値を認識する(ステップS130)。
次いで、ブロワ5のファンスピードの指示値、空調モードを認識し(ステップS140、S150)、車室内への送風量を算出する(ステップS160)。
次いで、エバポレータ6の入口側空気湿度センサ38の検出値とエバポレータ6の出口側の空気温度を認識し(ステップS170、S180)、Qevapを算出する(ステップS190)。
このQevap(air)に対し、冷媒側から計算したエバポレータ6の吸熱量をQevap(冷媒)とすると、この値は下記の式で表すことができる。
Qevap(冷媒)=(Ievap1-Ievap2)×Gr
ここでIevap1はエバポレータ6の入口側の冷媒エンタルピ、Ievap2はエバポレータ6の出口側の冷媒エンタルピ、Grは冷媒流量である。
Ievap1は高圧側の膨張弁27の前のエンタルピと同じであり、これはリキッドタンク26に設定してある高圧側冷媒圧力センサ40による検出値と、その時に取れるSC(サブクール)とで一義的に決まる。SCについては、最近主流であるSCコンデンサであれば車速とほぼ比例関係であり、アイドル直前の車速を定義してしまえば外気との関数になる。
Ievap2については、実際のエバポレータ6の出口側冷媒圧力を検出すれば最も的確であるが、エバポレータ効率を表す下記の式によって低圧圧力を求めることにより算出することができる。
ηevap=(ia1-ia2)/(ia1-i(Tevap))
この式でi(Tevap)はエバポレータ6の出口側の飽和冷媒温度を空気側のエンタルピとして計算したものである。したがって、ηevapの値を算出するためのマップを実験で取得しておけば(図6参照)、エバポレータ6の出口側の飽和冷媒温度が求まり、その値からエバポレータ6の出口側冷媒圧力も簡単に算出できる。
ちなみに、ηevapは実験的に求めることができるとしたが、実際にはエバポレータ6のサイズ、タイプによりほぼ一定の値を示すことが知られており、車種別に細かいマップを取得する必要は無い。
Qevap(air)=Qevap(冷媒)であることにより、冷媒流量Grが逆算できる。こうして求めたGrにて、コンプレッサ吸入圧力Psは、エバポレータ6以降のコンプレッサ24までの配管による圧力損失ΔP(low)を考慮すれば、Ps=Pe-ΔP(low)によって算出でき、ΔP(low)はΔP(low)=k×Gr^mで求まり(図7参照)、各係数は各車両毎の配管レイアウトにて台上実験で求まる。
同様に、リキッドタンク26に設定してある高圧側冷媒圧力センサ40の検出値はコンデンサ25の出口側冷媒圧力であるため、この値にコンデンサ25の圧力損失ΔP(cond)を足せばPdが求まる。ここでΔP(cond)はΔP(cond)=K×Gr^nで求まる。
以上のように、コンプレッサ24の理論動力をあらわす次の式のうち、Pd、Psが求まったことになる。
P=k/(k-1)×PsV×{(Pd/Ps)^(k-1/k)-1}
なお、kは断熱係数である。
この式で求めていないVはコンプレッサ24の吸入容積であるが、実際の吸入容積は理論式通りにゆかず、Ps∝kGrの関係より換算した方が実際と良く合うことが判明している。
以上により、コンプレッサ24の駆動トルクを精度良く予測することができるため、エンジン制御装置31により、アイドル時の燃料噴射量を適切に制御することが可能となる。
図8は、本発明によるエンジンの燃料噴射量制御の効果の説明図である。なお、破線は従来技術の場合を示している。
本発明による制御を行った場合、アイドリングになる前にコンプレッサのトルクを予測でき、コンプレッサの容量を変化させて吐出容量を下げることが可能となるため、高圧側の冷媒圧力Pdの上昇が少なくなり、コンデンサに風を吹き付ける電動ファンの電圧を低くした状態でアイドリング状態にすることができるので、省動力化を図ることができる。
同様に、発進時においても、事前にコンプレッサの吐出容量を変化させることにより、Pdの急激な上昇が無くなり、電動ファンの電圧を早めに落とすことができるので、省動力化を図ることができる。
以上、具体例を挙げて本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
実施形態のコンプレッサ制御装置を適用した車両用空調装置の概略構成図である。 図1の車両用空調装置の冷凍サイクルの概略構成図である。 実施形態のエンジンの燃料噴射量制御システムの概略構成を示すブロック図である。 図3の燃料噴射量制御システムによる燃料噴射量制御の手順を示すフローチャートである。 実施形態のコンプレッサ制御装置による必要冷房能力の算出手順を示すフローチャートである。 Qevapとηevapの関係を示すグラフである。 GrとΔPの関係を示すグラフである。 本発明によるエンジンの燃料噴射量制御の効果の説明図である。
符号の説明
6 エバポレータ
24 コンプレッサ
25 コンデンサ
27 膨張弁(膨張手段)
29 エンジン
30 コンプレッサ制御装置
31 エンジン制御装置
32 走行状態検出手段
33 熱環境検出手段
34 冷凍サイクル状態検出手段
35 冷房能力算出手段
36 外気温センサ
37 室温センサ
38 入口側空気湿度センサ
39 出口側空気温度センサ
40 高圧側冷媒圧力センサ

Claims (3)

  1. 外部の信号により単位時間当たりの理論吐出容量を任意に変化させることができる可変容量型のコンプレッサと、このコンプレッサにより圧縮された冷媒を凝縮させるコンデンサと、このコンデンサにより凝縮した冷媒を膨張させる膨張手段と、この膨張手段により膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータとを含む冷凍サイクルを備えた車両用空調装置の前記コンプレッサを制御するためのものであって、
    車室内の熱環境を検出する熱環境検出手段と、前記冷凍サイクルの物理状態を検出する冷凍サイクル状態検出手段と、前記熱環境検出手段及び前記冷凍サイクル状態検出手段の検出結果に基づいて車室内を所定温度に保つための前記コンプレッサの駆動トルクを算出する冷房能力算出手段とを備え、
    前記熱環境検出手段は、外気温センサと、室温センサと、前記エバポレータの入口側の空気の湿度を検出する入口側空気湿度センサと、前記エバポレータの出口側の空気の温度を検出する出口側空気温度センサとを有し、
    前記冷凍サイクル状態検出手段は、前記コンデンサで凝縮した冷媒の圧力を検出する高圧側冷媒圧力センサを有し、
    前記度冷房能力算出手段は、前記熱環境検出手段及び前記冷凍サイクル状態検出手段の検出結果に基づいて冷媒流量を算出し、この冷媒流量に基づいて前記コンプレッサの駆動トルクを算出することを特徴とする車両用空調装置のコンプレッサ制御装置。
  2. 請求項1記載のコンプレッサ制御装置と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記冷房能力算出手段及び前記走行状態検出手段からの情報に基づいてエンジンを制御するエンジン制御装置とを備え、前記走行状態検出手段により車両が停止又は発進しようとする状態が検出された場合には、前記冷房能力算出手段は、アイドリング時における前記コンプレッサの予測トルクを算出し、前記エンジン制御装置は、その予測トルクに基づいてアイドリング直前の前記エンジンの燃料噴射量を制御することを特徴とするエンジンの燃料噴射量制御システム。
  3. 前記走行状態検出手段により車両が停止又は発進しようとする状態が検出された場合で且つ前記冷房能力算出手段が算出した駆動トルクが所定値以下の場合には、アイドリング直前に前記コンプレッサの吐出容量を変化させて前記コンプレッサの駆動トルクを低下させることを特徴とする請求項2記載のエンジンの燃料噴射量制御システム。
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