JP5181997B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、可変容量型圧縮機を有する車両用空調装置に関するものである。
従来、車両用空調装置に用いられている可変容量型圧縮機の制御において、冷房能力が制御される手法として、特開平6−255354号(以下、特許文献1という)が知られている。これは、目標蒸発器温度と実際の蒸発器の温度との偏差を無くす制御方法を用いたものである。
この特許文献1記載の装置では、起動時に、蒸発器の目標蒸発器温度に対応する制御信号の出力値(以下、制御出力値という)を初期出力値として、可変容量型圧縮機の容量制御を行う。これにより、蒸発器の実際の吹出温度が、目標蒸発器温度に安定するまでのオーバーシュートまたは温度変動を少なくしている。
以下、これについて説明する。真夏ほど冷房能力を必要としない春、秋等の季節下では、車両熱負荷、設定室内温度、および風量等により決定され目標蒸発器温度TEOは、10℃前後で充分である。
このため、圧縮機の容量を100%とする制御出力値を初期出力値として起動すると、実際の吹出温度TEが目標蒸発器温度に達するまでに大きなオーバーシュートが生じて、室内温度が不安定となる。
そのため、この特許文献1記載の技術は、車両の熱負荷より求められる蒸発器の目標蒸発器温度に対応する制御信号の出力値を算出し、この出力値を初期値として、可変容量型圧縮機の容量制御を行う。
その理由は以下の通りである。真夏時ほど熱負荷が高くない春、秋等の季節では、圧縮機の吸入圧力Psは、ほぼ制御量を成す制御電流値Inによって定まる。また、吸入圧力Psは、ほぼ蒸発器の蒸発圧力と見做すことができる(吸入圧力≒蒸発器の蒸発圧力)。
また、上記吸入圧力Psは、ほぼ制御電流値Inで定まることから、目標蒸発器温度TEOと初期の初期出力値Iとの間に、所定の関係が成り立つ。
これに鑑みて、特許文献1記載の技術は、蒸発器の目標蒸発器温度に対応する初期出力値Iを算出し、この初期出力値Iを初期値として、可変容量型圧縮機の容量制御を行うものである。
そして、蒸発器の目標蒸発器温度TEOに対応する初期出力値Iが、マップから求められている。つぎに、制御電流値Inが、次式に基づいて算出される。
(数式1)In=(In−1)+Kp{En−(En−1)}+(θ/Ti)En
但し、Kp:比例定数、En:偏差、θ:サンプリング・タイム、Ti:積分時間
そして、この制御電流値Inが圧縮機の制御量として出力される。この時、サンプリング回数n=1の時は、前述の初期出力値Iが、制御電流値Inの出力値となる。従って、サンプリング回数nが2回目以降は、そのまま制御電流値Inが出力される。
このようにして、蒸発器の目標蒸発器温度TEOに対応する初期出力値Iより開始されるフィードバック制御を行うことで、吐出容量を100%とする制御電流値を初期出力値として容量制御を行う従来の場合と比較して、実際の吹出温度TEが目標蒸発器温度TEOに達するまでのオーバーシュートまたは温度変動が低減される。
次に、特開2003−200730号(以下、特許文献2という)においては、実際の吹出温度を目標蒸発器温度に向かって急速に近づかせる追従性の確保と、実際の吹出温度のオーバ−シュート低減とを両立させている。
このために、実際の吹出温度と目標蒸発器温度との偏差Enに基づいて、比例積分制御の制御式を用いて、仮の制御電流値I’nが算出される。そして、偏差Enの大小を判定し、偏差Enが小さい場合は、上記の仮の制御電流値I’nが制御電流値Inとして圧縮機に出力される。
一方、偏差Enが大きい場合は、制御電流値Inとして最大容量に対応する電流値、または最小容量に対応する電流値が出力される。
具体的に特許文献2を説明する。この特許文献2は、偏差Enに基づいて比例積分制御により圧縮機制御のための制御電流値を算出する。また、急速冷房能力を満足するように、比例積分制御演算式における比例定数及び積分時間が設定される。
これによって、圧縮機の起動直後には、制御電流値が吐出容量を最大状態とする値となり、実際の蒸発器吹出温度が目標蒸発器温度に向かって急速に低下する。
この結果、圧縮機の起動時における蒸発器吹出温度が、目標蒸発器温度を大きく下回り、蒸発器吹出温度のオーバーシュートが増大する。一方、圧縮機の起動時における蒸発器吹出温度のオーバーシュートを防ぐように、上記比例積分制御演算式の定数等が設定されると、実際の蒸発器吹出温度が目標蒸発器温度に到達するまでの時間が長くなってしまう。
このため、特許文献2では、偏差Enの大小が判定されて、可変容量型圧縮機の容量制御機構を制御する「制御電流値を算出する制御式」が変更される。そして、偏差が大きい場合は、実際の吹出温度が目標蒸発器温度に向かって急速に変化する制御電流値が算出されて、圧縮機の吐出容量が制御される。
一方、偏差が小さい場合は、偏差が大きい場合とは別の制御式を用いて、蒸発器温度が急速に変化しない安定性を重視した制御電流値を算出している。
そして、車両が停車状態から走行状態へ移行した直後以外の状態にあるときは、仮の制御電流値I’nが、前回の仮の制御電流値I’n−1、今回の偏差En、前回の偏差En−1の関数として算出される。
この仮の制御電流値I’nの算出は、より具体的には、偏差Enに基づく比例積分制御の制御式(下記数式2)により算出される。
(数式2)I’n=I’n−1+Kp{En−(En−1)}+θ/Ti・En
但し、Kp :比例定数、θ :サンプリング・タイム、Ti :積分時間
次に、偏差Enの絶対値が所定値(例えば3℃)より小さいかどうかが判定される。この判定は、実際の吹出温度TEと、目標蒸発器温度TEOとのオフセットの程度が判定されるものである。
実際の吹出温度TEと目標蒸発器温度TEOとのオフセットが大きいときは、偏差Enが所定値(例えば3℃)より大きいか否かを判定したときに、判定結果がYESのときである。このときは、実際の吹出温度TEが、目標蒸発器温度TEOに対して、高温側で大きくオフセットしている。
そこで、制御電流値Inとして、最大容量に対応する電流値が演算される。また、判定がNOのときは、実際の吹出温度TEが目標蒸発器温度TEOに対して、低温側で大きくオフセットしている場合であるため、制御電流値Inとして最小容量に対応する電流値が算出される。
一方、偏差Enの絶対値が所定値(例えば3℃)より小さいと判定され、実際の吹出温度TEが目標蒸発器温度TEOに近接しているときは、制御電流値Inとして、上述の仮の制御電流値I’nが採用される。
また、圧縮機が、停止状態から稼働状態に移行すると、仮の制御電流値I’nが、圧縮機の再起動時点の偏差Enに対応した所定値Iに初期化されている。
そのため、仮の制御電流値I’nが、比例積分制御の制御式により算出されるに際して、圧縮機再起動時点での偏差Enに対応した、より的確な値が算出できる。このことで、実際の吹出温度TEのオーバーシュート低減効果をより一層向上できる。
簡単に言えば、特許文献2は、実際の吹出温度TEが、目標蒸発器温度TEOに対して高温側で大きくオフセットしているときは、吐出容量が最大容量にされて、実際の吹出温度TEが目標蒸発器温度TEOに対して低温側で大きくオフセットしているときは、吐出容量が最小容量になってしまう制御である。
特開平6−255354号公報 特開2003−200730号公報
しかし、上記特許文献1では、偏差が早く安定して小さくされるように、制御定数を、システム毎に設計者がチューニングして決定している。また、そのチューニングは、全熱負荷の変化にわたって、オールマイティに行われる必要がある。
更に、真夏ほど冷房能力が必要とされない春、秋等での起動時のオーバーシュートが防止できるが、フロスト防止と関連して、圧縮機が停止する期間が生じ、この間は、車両エンジンが圧縮機を駆動しなくてもよくなる。このため、車両乗員は、運転中に急に車両が加速するなどの、違和感を覚える。よって、運転性能の悪化が発生する。また、上記期間に異臭が発生することがある。
これについて、更に説明する。空調装置の運転中に、送風機のブロアレベルをHi(ハイ)からLo(ロー)に切替えると、前述の数式1に従って、制御電流値Inが低下する。しかしこの変化は、全ての熱負荷の変化に対応する定数を制御式に採用しているため、緩慢に推移する。
そのため、可変容量型圧縮機の吐出容量の低下も緩やかになり、蒸発器の温度が低下して、実際の吹出温度TEがフロスト判定値以下になると、制御電流値はゼロ、もしくは最低電流値の期間が生じる。その後、蒸発器の温度がある程度上昇するまでは、制御電流値が立ち上がらない。
次に、特許文献2においては、実際の吹出温度TEが、目標蒸発器温度TEOに対して、低温側で大きくオフセットしているときは、吐出容量を最小容量にしてしまう。従って、この圧縮機の最小容量(または停止)期間が発生すると、前述のように車両エンジンが圧縮機を駆動しなくなるので、車両エンジンの回転数が不安定になり、乗員の車両運転フィーリングが悪化する。
本発明の目的は、可変容量型圧縮機を備え、目標蒸発器温度TEOに、実際の吹出温度TEが、より早く安定して近づく温度制御を行う車両用空調装置において、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなったときに、臭いの問題が解消され、車両エンジンのフィーリング悪化が抑制される車両用空調装置を提案することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両のエンジン(22)により駆動され、吐出容量が変化するように構成された可変容量型の圧縮機(5)と、圧縮機(5)の作動により循環する冷媒が蒸発して、車両の車室内へ送風機(10)にて送風される空気が冷却されて車室内空調を行う蒸発器(11)と、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)と目標蒸発器温度(TEO)との偏差(En)に応じて圧縮機(5)の吐出容量を変化させる制御量(In)を算出する制御手段(3)と、圧縮機(5)に装備され、圧縮機(5)の吐出容量を制御量(In)により変化させる容量制御機構(23)を備え、制御手段(3)は、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなったか否かを判定する手段(S11a)と、判定結果が蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が小さいときに、制御量(In)を偏差(En)が少なくなるように演算する第1制御手段(S11b)と、判定結果が蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きときに、制御量(In)を車室内空調の熱負荷を表す必要制御値(Ik)と偏差(En)の大きさに応じて演算する第2制御手段(S11c、S11d)を備え、必要制御値(Ik)は、圧縮機(5)で加圧された冷媒の高圧圧力の値(Ph)、車両周辺の外気温度(TAM)、車両の室内温度(TR)、送風機の送風風量または送風機のブロアレベル(BLW)から求められ、高圧圧力の値(Ph)、外気温度(TAM)、室内温度(TR)、送風風量およびブロアレベル(BLW)が大きくなるにつれて、必要制御値(Ik)は大きくなるように設定され、第2制御手段(S11c、S11d)は、熱負荷を表す必要制御値が小さくなり偏差の絶対値が大きくなった場合には、第1制御手段(S11b)によって算出され必要制御値が小さくなり絶対値が大きくなった場合と同じ偏差の場合の制御量に比べて、実際の吹出温度(TE)がより急速に変化するように制御量(In)を算出することを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、車両用空調装置の可変容量型圧縮機(5)の制御において、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)を目標蒸発器温度(TEO)へ早く近づける制御を行うことが出来る。そして、この制御において、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなったときに、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)が一層急速に変化するように制御量(In)が演算される。よって、圧縮機の吐出容量の低下が迅速となる。この結果、蒸発器(11)のフロスト防止のための実質的な圧縮機停止を抑制できる。よって、車両エンジン(22)の負荷から圧縮機駆動動力に相当する負荷がなくなることに起因するトルク消失による車両運転フィーリング悪化が防止できる。また、実質的な圧縮機(5)の停止に伴う蒸発器(11)からの異臭発生が抑制される。
次に、請求項2に記載の発明では、第1制御手段(S11b)は、前回の制御量(In−1)と、前回の前記偏差(En−1)と今回の偏差(En)の差とに応じて制御量(In)を演算し、第2制御手段(S11c、S11d)は、前回の制御量(In−1)と、車室内空調の熱負荷から求めた必要制御値(Ik)と、偏差(En)の絶対値に応じて大きくなるゲインを成す変化量(A)とによって制御量の変化量(ΔI)を演算し、該制御量の変化量(ΔI)を考慮して制御量(In)を演算することを特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、変化量(A)を偏差(En)に応じて大きくなるように設定している。これにより、熱負荷に応じた必要制御値(Ik)を偏差の絶対値が大きくなるほど大きく反映させて制御量の変化量(ΔI)を演算できる。そして、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなったときに、蒸発器の実際の吹出温度(TE)が、より急速に変化するように制御量(In)を算出することができる。
次に、請求項に記載の発明では、更に、車両の外部から車室内へ送風機にて送風される空気を取り込む外気モードとするか、または、車室内の空気を循環させる内気モードとするかの切替を行う内外気切替装置(30)を備え、制御手段(3)は、外気モードのときに、必要制御値(Ik)を、車両周辺の外気温度(TAM)から求め、内気モードのときに、必要制御値(Ik)を、室内温度(TR)から求めることを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、外気モードと内気モードに応じて、夫々別々に必要制御値(Ik)を求めたので、一層正確な必要制御値(Ik)を求めることが出来る。
次に、請求項に記載の発明では、第1制御手段(S11b)と、第2制御手段(S11c、S11d)は、共に制御式を用いて制御量(In)を演算し、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が小さい場合に、制御量(In)を算出する第1制御手段の制御式と、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなった場合に、制御量(In)を算出する第2制御手段の制御式とは互いに異なり、
蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が小さい場合に比較して、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなった場合は、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)が急速に変化するように制御量(In)を算出することを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、異なる制御式を用いて、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなった場合は、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)が、より急速に変化するように制御量(In)を算出することが出来る。
次に、請求項に記載の発明では、第1制御手段の制御式(S11b)は、偏差(En)に基づく比例積分制御の制御式であることを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)よりも目標蒸発器温度(TEO)の方が小さい場合に演算する第1制御手段の制御式は、周知の比例積分制御の制御式を用いて構築できる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。先ず図1は、本発明の一実施例となる車両用空調装置の全体構成図である。図2は、上記空調装置の制御を示すフローチャートである。
この実施形態の車両用空調装置は、冷房手段を構成する冷凍サイクルRと、エアコン制御装置(エアコンECU)3を備える。冷凍サイクルRは、電磁クラッチ4を介して車両エンジン22によって駆動される圧縮機5を備える。
この圧縮機5は、吐出容量が変化するように構成された可変容量型圧縮機である。この可変容量型圧縮機5には、プーリ20が備えられており、ベルト21を介して車両エンジン22により回転駆動される。
また、圧縮機5には、吐出容量を可変制御する電磁式容量制御機構23が備えられている。圧縮機5は、具体的には周知の斜板式圧縮機で構成することができる。この斜板式圧縮機は、斜板が配置されている斜板室の制御圧力を、電磁式容量制御機構23により変化させる。
これにより、斜板の傾斜角度を変化させて、ピストンの作動ストロークを変化させ、圧縮機5の吐出容量を、0%付近の最小容量と最大容量(100%容量)との間で連続的に変化させることができる。
一方、電磁式容量制御機構23は、圧縮機5の吐出圧と吸入圧を利用して、制御圧力を変化させるものである。この電磁式容量制御機構23は、制御電流値Inにより電磁力が調整される図示されない電磁機構、およびこの電磁機構の電磁力と吸入圧との釣り合いによって変位する図示されない制御弁体を有する周知のものである。
そして、電磁式容量制御機構23は、上記制御弁体により、圧縮機5の吐出圧を斜板室内に導く通路の圧損を調整して、制御圧力を変化させるようになっている。
これによると、電磁式容量制御機構23の制御電流値Inにより、吸入圧の目標圧力を設定し、実際の吸入圧がこの目標圧力となるように、圧縮機5の吐出容量が制御される。なお、吸入圧は、蒸発器11の冷媒蒸発圧力とほぼ同じであるから、吸入圧の制御により、蒸発器11の温度(冷媒蒸発温度)を制御できる。
電磁式容量制御機構23の制御電流値Inは、後述するエアコン制御装置3の出力により可変制御される。動力断続用の電磁クラッチ4は、圧縮機5の作動を完全に停止するものである。
また、この圧縮機5で圧縮された高温高圧のガス冷媒が、図示されないファンの送風を受けて、凝縮液化する凝縮器7に送られる。そして、この凝縮器7の冷媒下流に設けられて、サイクル内の過剰冷媒を一時的に蓄えるとともに、液冷媒のみを流出するレシーバ(受液器)8を備える。
なお、50は圧力検出器であり、凝縮器7から後述する膨張弁9までの間の冷媒の高圧圧力の値Phを検出して、この値Phを、エアコン制御装置3に入力している。
そして圧縮機5から吐出された高温かつ高圧の過熱ガス冷媒は、凝縮器7に流入し、図示されない冷却ファンより送風される外気と熱交換して、冷却されて凝縮する。この凝縮器7で凝縮した冷媒は、次にレシーバ8に流入し、レシーバ8の内部で冷媒の気液が分離され、冷凍サイクルR内の余剰冷媒(液冷媒)が、レシーバ8内に蓄えられる。
このレシーバ8からの液冷媒は、減圧手段をなす膨張弁9により、低圧に減圧され、低圧の気液2相状態となる。膨張弁9は、蒸発器11の出口冷媒の温度を感知する感温部9aを有する温度式膨張弁である。
この膨張弁9からの低圧冷媒は、蒸発器11に流入する。この蒸発器11は、車両用空調装置の空調ケース25内に設置される冷房用熱交換器であって、蒸発器11に流入した低圧冷媒は、空調ケース25内の空気から吸熱して蒸発する。
蒸発器11の出口は、圧縮機5の吸入側に結合されている。蒸発器11の温度センサ26は、空調ケース25内で蒸発器11の空気吹出直後の部位に配置され、実際の吹出温度を成す蒸発器吹出温度TEを検出する。ここで、蒸発器11の温度センサ26の検出信号は、通常の空調装置と同様に、圧縮機5の吐出容量を可変制御して、上記蒸発器吹出温度TEを目標蒸発器温度(以下、目標蒸発器温度TEO、または単にTEOとも言う)に近づけるために使用される。
空調ケース25において、蒸発器11の上流側には、送風機10が配置され、送風機10には、遠心式の送風ファン10aと、駆動用モータ10bとが備えられている。送風ファン10aの吸入側には、内外気切替装置30が配置されている。
そして、上記内外気切替装置30内の内外気切替ドア31により、外気モード側の外気導入口32と、内気モード側の内気導入口33が開閉される。これにより、内外気切替装置30内に外気(車室外空気)、または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切替ドア31は、サーボモータからなる電気駆動装置31aにより駆動される。
空調装置通風系のうち、送風機10下流側に配置される空調ケース25の部分は、通常、車室内前部の計器盤内側において、車両幅方向の中央位置に配置される。
空調ケース25内で、蒸発器11の下流側には、図示されないエアミックスドアが配置されている。このエアミックスドアの下流側には、車両エンジン22の温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する、図示されない暖房用熱交換器として、温水式ヒータコアが設置されている。
そして、この温水式ヒータコアの側方(上方部)には、温水式ヒータコアをバイパスして空気(冷風)を流す図示されないバイパス通路が形成されている。エアミックスドアは、回動可能な板状ドアであり、サーボモータからなる電気駆動装置により駆動される。
エアミックスドアは、温水式ヒータコアを通過する温風と、バイパス通路を通過する冷風との風量割合を調整するものであって、この冷風温風の風量割合の調整により、車室内への吹出温度を調整する。従って、この実施形態においては、エアミックスドアにより吹出空気の温度調整手段が構成される。
温水式ヒータコアの下流側には、下側から上方へ延びる温風通路が形成され、この温風通路からの温風と、バイパス通路からの冷風が、空気混合部で混合されて、所望温度の空気が作り出される。
さらに、空調ケース25内で、空気混合部の下流側に、図示されない吹出モード切替部が構成されている。すなわち、空調ケース25の上面部には、デフロスタ開口部35が形成されている。
このデフロスタ開口部35は、図示されないデフロスタダクトを介して、車両フロントガラス内面に空気を吹き出すものである。また、デフロスタ開口部35は、図示されない回動自在な板状のデフロスタドアにより開閉される。
次に、空調ケース25の上面部で、デフロスタ開口部35より車両前方側の部位に、フェイス開口部36が形成されている。このフェイス開口部36は、図示されないフェイスダクトを介して、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すものである。また、このフェイス開口部36は、図示されない回動自在な板状のフェイスドアにより開閉される。
また、空調ケース25において、フェイス開口部36の下側部位に、フット開口部37が形成されている。このフット開口部37は、車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すものである。フット開口部37は、回動自在な図示されない板状のフットドアにより開閉される。
上記デフロスタドア、フェイスドア及びフットドアから成る各吹出モードドアは、共通のリンク機構(図示せず)に連結され、このリンク機構を介してサーボモータからなる電気駆動装置により駆動される。
なお、圧縮機5は、エアコン制御装置3より出力される制御電流値Inに応じて、吐出容量が可変する可変容量型圧縮機である。この一例では、制御電流値Inが0A(アンペア)の時に容量が実質0%となる。
エアコン制御装置3は、内部の図示されないCPU3A、ROM3B、RAM3C等を持つマイクロコンピュータで構成されている。このエアコン制御装置3は、図示されないイグニッションスイッチがオンされることにより、バッテリを電源として作動する。
また、エアコン制御装置3は、エアコン操作パネル14より出力される操作信号、及び各センサ(後述する)からの検出信号に基づいて、圧縮機5への制御電流値Inを出力するとともに、上記各吹出しモードドア(図示されない)及び送風機10等の空調機器の作動を制御する。
エアコン制御装置3には、上記温度センサ26の他に、空調制御のために、室内温度TR、外気温度TAM、日射量TS、温水温度TW等を検出する周知のセンサ群40から、検出信号が入力されている。また、車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネル14には、乗員により手動操作される、図示されない操作スイッチ群が備えられ、この操作スイッチ群の操作信号も、エアコン制御装置3に入力されている。
上記操作スイッチ群としては、設定温度Tsetの信号を発生する図示されない温度設定スイッチ、風量切替信号を発生する風量スイッチ、周知のように、フェイス(FACE)、フット(FOOT)、デフ(DEF)等の吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ、内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ、及び圧縮機5のオン信号及びオフ信号を発生するエアコンスイッチ等が設けられている。
ここで、エアコンスイッチからオフ信号が出ると、圧縮機5は、エアコン制御装置3により強制的に最小容量の状態にされる。また、エアコンスイッチからオン信号が出ると、圧縮機5は、エアコン制御装置3により制御された吐出容量で作動するようになっている。
さらに、エアコン制御装置3は、エンジン制御装置(エンジンECU)41にCANから成る車内ネットワークで接続されている。そして、エンジン制御装置41からエアコン制御装置3には、車両エンジン22の回転数信号及び車速信号等が入力される。
エンジン制御装置41は、周知のごとく車両エンジン22の運転状況等を検出するセンサ群41aからの信号(例えば、空気量、水温、気圧、及び燃料量等)に基づいて、車両エンジン22への燃料噴射量、及び点火時期等を総合的に制御するものである。
また、エアコン制御装置3は、車両エンジン22の停止後(圧縮機5の停止後)に、蒸発器吹出温度TEが、所定温度以上に上昇するか等を判定して、エンジン再稼働要求の信号を出力する。
エアコン制御装置3のROM3Bは、読出し専用のメモリで、車室内への目標吹出温度TAOの演算式、このTAOと蒸発器11の目標蒸発器温度TEOとの関係を示すデータ、制御電流値Inの演算式、TEOと制御電流値Inの初期出力値Iとの関係を示すデータ、及び所定の制御プログラム等が記憶保持されている。
RAM3Cは、データの読み出し、書き込みを自由に行うことのできるメモリで、処理の途中に現れる一時的なデータの保持に使用される。CPU3Aは、ROM3Bに記憶された制御プログラムに基づいて、各種の演算、処理を行う中央処理装置である。
ここで、ROM3Bに記憶された蒸発器の目標蒸発器温度TEOと、初期出力値Iとの関係を示すデータについて説明する。真夏時ほど熱負荷が高くない春または秋等の季節では、蒸発器の目標蒸発器温度TEOが10℃前後である。このことから、圧縮機5の吐出圧力Pd(図示されない)は、5〜10kg/cmG程度となる。
この吐出圧力Pdの範囲では、圧縮機5の吸入圧力Psは、ほぼ制御電流値Inによって定まると言える。また、吸入圧力Psは、大きな冷房能力を必要としない春または秋等の季節では、冷媒流量が少ないことから配管の圧力損失が小さいため、ほぼ蒸発器11の蒸発圧力と見做される。
その結果、冷媒の飽和温度と、蒸発器11の温度効率とを考慮すれば、蒸発器11より吹き出される実際の吹出温度TEが判る。つまり、「蒸発器11の圧力(冷媒の飽和温度で決まる)≒吸入圧力Ps」である。また、その吸入圧力Psは、「吐出圧力Pd=5〜10kg/cmG」の範囲では、ほぼ制御電流値Inで定まる。よって、蒸発器の目標蒸発器温度TEOと初期出力値Iとの間に、図3に示す関係が成り立つ。
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。最初に、図1に示す車両用空調装置全体の概略作動を説明する。
車両エンジン22により圧縮機5が駆動され、圧縮機5の吐出冷媒が、冷凍サイクルR内を循環する。そして、膨張弁9にて減圧された低温低圧の気液2相冷媒が、蒸発器11に流入し、この低圧冷媒が蒸発器11にて送風機10の送風空気から吸熱して蒸発することにより、送風空気が冷却及び除湿され、冷風となる。
蒸発器11の吹出温度TEは、後述するように圧縮機5の吐出容量の可変制御により、目標蒸発器温度TEOとなるように制御される。そして、蒸発器11通過後の冷風は、図示されないエアミックスドアの開度に従って、図示されないヒータコアの通風路とバイパス通路とに振り分けられ、温度調整される。この温度調整後の空調風が、デフロスタ開口部35、フェイス開口部36及びフット開口部37のいずれかから車室内へ吹き出されて、車室内が空調される。
次に、制御電流値Inを出力するエアコン制御装置3の作動を、図2に示すフローチャートを基に説明する。
図2は、エアコン制御装置3のマイクロコンピュータにより実行される空調全体制御の中で、圧縮機5の電磁式容量制御機構23の制御電流値Inを演算するためのフローチャートである。
図中、Inは、最終決定された制御電流値であり、本発明の制御量に相当する。なお、この実施形態では、制御電流値Inが小さくなると、圧縮機吐出容量が小容量側へ変化し、制御電流値Inが大きくなると、圧縮機吐出容量が大容量側へ変化する。
Enは、蒸発器11の実際の吹出温度TEと目標蒸発器温度TEOとの偏差であり、「En=TE−TEO」の関係がある。また、各符号の添え字nは、今回の算出値を示し、添え字n−1は前回の算出値を示す。
先ず、ステップS1では、IG(イグニッション)スイッチがオンされた後、サンプリング回数nを“1”と置く。その後、前述のエアコンスイッチからオン信号が出ているか否かを判断し(ステップS2)、オン信号が出ていないオフ状態の場合は、電磁クラッチ4をオフにして(ステップS3)、ステップS1に戻る。
ステップS2で、エアコンスイッチがオン信号を出している状態の場合(YES)は、図1の各センサ(内気センサ15、外気センサ16、日射センサ17、蒸発器下流側の温度センサ26、及び水温センサ18等の各検出信号TR、TAM、TS、TE、及びTW等を読み込む(ステップS4)。
つぎに、車室内への目標吹出温度TAO(熱負荷)が、次の数式3に基づいて算出される(ステップS5)。
(数式3) TAO=Kset・Tset−Kr・TR−Kam・TAM−Ks・TS+C
なお、Kset:温度設定定数、Kr:室内温度設定定数、Kam:外気温度定数、Ks:日射定数、C:補正定数である。
このように、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度TAOは、空調熱負荷条件の変動にかかわらず、図1の操作パネル14内における温度設定スイッチの設定温度Tsetに、車室内を維持するために必要な吹出温度である。
この目標吹出温度TAOは、周知のごとく、設定温度Tsetと、室内温度TRと、外気温度TAMと、日射量TSとに基づいて算出できる。
つぎに、ステップS5で算出されたTAOを基に、ステップS6のように蒸発器11の目標蒸発器温度TEOを求める。
また、目標蒸発器温度TEOは、蒸発器11のフロスト防止のために、通常0℃よりも若干量高い温度に設定され、かつ、空調環境条件の変化に応じて可変される値である。この目標蒸発器温度TEOは、具体的には、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度TAOに基づいて決定される。
続いて、蒸発器の目標蒸発器温度TEOと、実際の吹出温度TEとの偏差EnをTE−TEOから算出する(ステップS7)。
その後、サンプリング回数nが“1”であるか否かが判断され(ステップS8)、n=1の場合(YES)は、偏差Enの0回目の値と1回目の値を共に“0”と置く(ステップS9)。
そして、図1のROM3Bに記憶されたマップデータ(図3参照)より、ステップS6で求められた蒸発器11の目標蒸発器温度TEOに対応する初期出力値Iを求める(ステップS10)。
次に、制御電流値Inの算出について、ステップS11を詳述した図4について説明する。
先ず、ステップS11aで、ステップS7で求めた偏差Enが、0より小さいかどうか判定する。0より小さくなく、判定がNOのときは、ステップS11bに進み、制御電流値Inを次の数式4に基づいて算出する。
(数式4) In=(In−1)+Kp{En−(En−1)}+(θ/Ti)En
なお、Kpおよびθ/Tiは、フィードバックゲインである。また、θ:サンプリング・タイム、Ti:積分時間である。
そして、図2のステップS12で、算出された制御電流値Inが出力される。この時、サンプリング回数n=1の時は、ステップS10より求められる初期出力値Iが、制御電流値Inの出力値となる。
制御電流値Inが出力された後、ステップS13で、図1の電磁クラッチ4が通電される。これにより、圧縮機5は、制御電流値Inに応じた容量制御が行われる。そして、ステップS14で、サンプリング回数n=n+1と置き換えた後、ステップS2へ戻る。
また、図4のステップS11aで、偏差Enが、0より小さいかどうか判定して、偏差Enが0より小さく(偏差Enが負)、判定がYESのときは、ステップS11cに進み、制御電流値Inを次のようにして求める。
偏差Enが負となった時は、必要以上に冷房能力があるので、偏差Enで、図5に示すように、後述する数式5のゲインとなる変化量Aがチューニングされる。図5は、縦軸に変化量Aを取り、横軸に偏差Enを取ったものである。
偏差Enが0、または正の値のときは、A=0であり、偏差Enが負の値になったときは、偏差Enの絶対値が大きくなるにつれて、変化量Aが大きくなる。
次に、図6及び図7に示すように、熱負荷(外気モード時は、図6のように、外気温度TAMと送風機10のブロワレベルBLW、内気モード時は、図7のように室内温度TRとブロワレベルBLW)から、必要制御値Ik(必要制御電流値)をマップ演算で算出する。
そして、このように求めた必要制御電流値Ikと、ゲインとなる変化量Aを用いて、このときの制御電流値の変化量ΔIは、以下の数式5で求められる。
(数式5) ΔI={(In−1)−Ik}×A
即ち、制御電流値の変化量ΔIは、前回の制御電流値In−1から、必要制御値となる必要制御電流値Ikを差し引いた値に、上述の変化量Aを乗じた値となる。
なお、図6は、縦軸に図1の送風機10のハイ(Hi)からロー(Lo)までのブロワレベルBLWを取っており、外気温度TAMの変化との関係で、必要制御電流値Ikの値が予め設定されている。つまり、図6は、必要制御電流値Ikの値を求めるための3次元マップであり、図1のROM3B内に格納されている。
同様に、図7は、縦軸にハイ(Hi)からロー(Lo)までのブロワレベルBLWを取っており、内気温度TRの変化との関係で、必要制御電流値Ikの値が予め設定されている。つまり、図7も、必要制御電流値Ikの値を求めるための3次元マップであり、図1のROM3B内に格納されている。
そして、図4ステップS11dに進み、前回の制御電流値In−1から、制御電流値の変化量ΔIを差し引いた値が、今回の制御電流値Inに決定される。
この計算がされることで、偏差Enが負領域において(蒸発器11の実際の吹出温度TEよりも目標蒸発器温度TEOの方が大きくなった領域において)、熱負荷から求められる必要制御値Ikと変化量Aとを用いて、制御電流値Inを早めに下げることが可能となる。
次に、上記第1実施形態の作用について具体的に説明する。温度変化の生じやすい上記ブロアレベルBLWの急変時を例にとって説明する。図8のブロアレベルBLWがHiで、「TE≒TEO」となっている制御の局面おいて、例えば乗員の操作により、ブロアレベルBLWが落ち、Lo(ロー)となった時に、図1の送風機10の風量が低下する。
蒸発器11を通過する風量が急に低下すると、一時的に蒸発器11の冷房能力が過剰になって、吹出温度TEが低下し、偏差En(TE−TEO)が小さくなり、負の値になる。
(比較例の作動)
先ず、比較例となる特許文献1の場合について説明する。この比較例は、ブロワレベルBLWがハイからローに低下し、蒸発器11の吹出温度TEが、風速の低下に伴って低下して偏差En(TE−TEO)が負となった時(蒸発器11の前記実際の吹出温度TEよりも目標蒸発器温度TEOの方が大きくなった時)も、図4のステップS11bで示されるような、比例積分制御の制御式のみで制御されるものである。
比較例では、ブロワレベルBLWがハイからローになると、制御電流値Inの低下と共に、上述したように図1の圧縮機5の吐出容量が小容量側に変化する。ところが、制御電流値Inの低下は、上記比例積分制御の制御式に全ての熱負荷変化に対応する定数を採用しているため、図8の二点鎖線a1のように緩慢な低下となる。
そのため、曲線bのように、実際の蒸発器の吹出温度TEの温度低下が進み、吹出温度TEがフロスト判定値TEf以下となったとき、制御電流値Inは、二点差線a2のようにゼロもしくは最低電流値となり、冷媒の吐出流量も最低となる。
その後、実際の吹出温度TEが、ある程度(例えば図8のTEO+1℃に達したc点)まで上昇するまでは、制御電流値Inが、ゼロもしくは最低電流値に維持される。よって、図8の期間t0において、図1の車両エンジン22が圧縮機5を駆動する圧縮機駆動トルクが、ゼロもしくは最低値となり、トルク抜けの状態となる。このため、車両エンジン22の回転数が不安定となり、運転フィーリングが悪化する。
(上記第1実施形態の作動)
第1実施形態では、ブロアレベルHiで、実際の吹出温度TE≒目標蒸発器温度TEOとなっている制御の局面おいて、乗員の操作等により、ブロアレベルが落ちHiからLoとなった時に、図1の送風機10の風量が低下する。
そして、偏差En(TE−TEO)が、負の値と成ったとき、つまり、蒸発器11の実際の吹出温度TEよりも目標蒸発器温度TEOの方が大きくなったときは、制御電流値Inが上述の図4のステップS11c、S11dに従って低下する。
制御電流値Inの変化は次のようになる。図5で説明したように、偏差に応じてゲインを成す変化量Aが大きくなるように設定されているので、偏差が大きいほど制御電流値の変化量ΔIが大きくなる。よって、ステップS11dで求めた制御電流値Inは、上述の比較例よりも、図8の曲線hのように急速に小さくなる。その結果、圧縮機5(図1)の冷媒の吐出容量が急減に減少する。
そして、偏差が0(TE=TEO)になった図8の時点dにおいて、図5のように、ゲインを成す変化量Aがゼロの値になるため、図4のステップS11cにおける制御電流値の変化量ΔIが、ゼロの値になり、制御電流値Inは、図8の曲線iのように急に上昇する。そのため、冷媒吐出量が急増する。
図8の曲線hのように、制御電流値Inが急速に小さくなるため、蒸発器11の吹出温度TEの低下は、途中で反転し、フロスト判定値TEfより下がることが無い。よって圧縮機5の吐出容量が、急に0になること、もしくは圧縮機5が停止することが無くなる。これにより、車両エンジン22のトルク抜けが発生しない。よって、車両エンジン22の回転数が安定し、運転フィーリングが良好に保たれる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態で用いる3次元マップである。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態で用いた図6及び図7の3次元マップの代わりに、図9の3次元マップを使用するものである。
そして、図9は、縦軸にハイ(Hi)からロー(Lo)までの図1の送風機10のブロワレベルBLWを取っており、図1の圧力検出器50が検出した冷媒の高圧圧力の値Phとの関係で、必要制御電流値Ikの値を予め設定している。
つまり、図9も、必要制御電流値Ikの値を求めるための3次元マップであり、図1のROM3B内に格納されている。
そして、図4のステップS11aで、図2のステップS7で求めた偏差Enが、0より小さいかどうか判定して、偏差Enが0より小さく(偏差Enが負)、判定がYESのときは、つまり、蒸発器11の実際の吹出温度TEよりも目標蒸発器温度TEOの方が大きくなったときは、ステップS11cに進み、制御電流値Inを次のようにして求める。
偏差Enが負となった時は、必要以上に蒸発器11の冷房能力があるので、偏差Enで、図5に示されるように、前述の数式5に用いるゲインとなる変化量Aがチューニングされる。なお、図5は、縦軸に変化量Aを取り、横軸に図2のステップS7で求めた偏差Enを取ったものである。
偏差Enが0または正の値のときは、A=0であり、偏差Enが負の値になったときは、偏差Enの絶対値が大きくなるにつれて、変化量Aが大きくなる。
次に、図9に示すように、熱負荷(冷媒の高圧圧力の値Phと送風機10のブロワレベルBLW)から、必要制御値Ik(必要制御電流値)をマップ演算で算出する。
そして、このように求めた必要制御電流値Ikと、ゲインとなる上記変化量Aを用いて、このときの制御電流値の変化量ΔIは、上述の数式5で求められる。
そして、図4のステップS11dに進み、前回の制御値In−1から制御電流値の変化量ΔIを差し引いた値が、今回の制御量(制御電流値)Inに決定される。
この計算がなされることで、偏差Enが負領域において、熱負荷から求められる必要制御値Ikを用いて、制御電流値Inが早めに低下することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張をすることができる。
上述の実施形態では、図1の圧縮機1の吐出容量制御のための制御量として制御電流値Inが算出されているが、制御電流値Inの代わりに、制御電圧値が算出されるようにしてもよい。
また、制御電流値の増大により吐出容量が減少するタイプの可変容量型圧縮機を用いても良い。
また、上述の実施形態では、蒸発器11の吹出温度TEを検出する温度検出手段として、蒸発器吹出温度を検出する、図1の温度センサ26を用いているが、蒸発器11の冷媒通路壁面温度またはフィン表面温度を検出する温度センサを用いてもよい。
また、上述の実施形態では、目標蒸発器温度TEOが、図2のステップS6のように目標吹出温度TAOのみに基づいて算出されているが、特許文献2のように、目標吹出温度TAOから第1目標蒸発器温度を求め、外気温度TAMに基づいて第2目標蒸発器温度を求めて、第1目標蒸発器温度と第2目標蒸発器温度とを比較して、低い方の温度を最終的に目標蒸発器温度TEOとして決定しても良い。
また、これらTAO、TAM以外に、車室内湿度、及び/または蒸発器吸込み空気の湿度等に基づいて、目標蒸発器温度TEOが算出されるようにしてもよい。これによれば、圧縮機1の吐出流量制御にて、車室内吹出空気の湿度制御を行って、車両窓ガラスの防曇性向上、及び車室内の快適性向上を図ることができる。
上述の実施形態では、図示されないエアミックスドアが、冷風温風の風量割合を調整して、車室内への吹出温度が調整される場合について説明した。しかし、車両用空調装置では、ヒータコアの温水流量(または温水温度)を調整する温水弁を温水回路に備え、この温水弁の開度調整によりヒータコアの温水流量(または温水温度)が調整されて、ヒータコアの加熱能力が調整され、これにより、車室内への吹出温度が調整されるタイプのものも知られている。このようなタイプの車両用空調装置に、本発明を適用できることは勿論である。
また、可変容量型圧縮機として、その吐出容量を0%付近の最小容量まで減少できるものを用いて、動力断続用の電磁クラッチ4(図1)を省略することも可能である。
また、図6、図7、及び図9のブロワレベルBLWの代わりに、図1の送風機10の風量(送風機10の回転数または駆動用モータ10bへの印加電圧を含む)を採用して3次元マップを作成しても良い。
また、3次元マップによる制御は、2つの二次元マップの制御に分けて実施することが出来ることは勿論である。例えば、図6において、ブロワレベルBLWと外気温度TAMとから一気に必要制御電流値Ikを求めず、先ず、ブロワレベルBLWから中間値Xを求め、この中間値Xと外気温度TAMとから必要制御電流値Ikを求めても良い。
また、ブロワレベルBLWを省略して、必要制御電流値Ikを、外気温度TAM、室内温度TR、及び冷媒の高圧圧力Phのいずれかからのみで、求めても良い。
また、図5は直線状のグラフとしたが、曲線を用いても良い。この場合、偏差の絶対値が大きくなるにつれて、加速度的に変化量Aの値が大きくなるように設定可能である。
一実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。 上記一実施形態におけるエアコン制御装置の作動を示すフローチャートである。 上記一実施形態における初期出力値を求めるグラフである。 上記フローチャートにおける制御電流値の算出の具体的フローチャートである。 上記図4の具体的フローチャートに用いるゲインを成す変化量Aの大きさを、偏差に応じて求めるときのグラフである。 上記一実施形態における外気モード時において、外気温度と送風機のブロワレベルとから、必要制御電流値を演算する3次元マップである。 上記一実施形態における内気モード時において、内気温度と送風機のブロワレベルとから、必要制御電流値を演算する3次元マップである。 上記一実施形態と比較例における、ブロアレベル急変時の、実際の蒸発器の吹出温度と可変容量型圧縮機の制御電流値との変化を示すグラフである。 第2実施形態において使用され、圧縮機から吐出された冷媒の高圧圧力の値と、ブロワレベルとから必要制御電流値を演算する3次元マップである。
符号の説明
3…制御手段を成すエアコン制御装置
5…圧縮機
7…凝縮機
8…レシーバ
9…膨張弁
10…送風機
11…蒸発器
22…車両のエンジン
23…吐出容量制御機構
30…内外気切替装置
BLW…ブロアレベル
En…偏差
Ik…必要制御値となる必要制御電流値
In…制御量となる制御電流値
In−1…前回の制御電流値
S11b…第1制御手段
S11c、S11d…第2制御手段
TAM…外気温度
TE…実際の吹出温度
TEO…目標蒸発器温度
TR…室内温度
Ph…冷媒の高圧圧力の値
En…偏差(TE−TEO)

Claims (5)

  1. 車両のエンジン(22)により駆動され、吐出容量が変化するように構成された可変容量型の圧縮機(5)と、
    前記圧縮機(5)の作動により循環する冷媒が蒸発して、前記車両の車室内へ送風機(10)にて送風される空気が冷却されて車室内空調を行う蒸発器(11)と、
    前記蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)と目標蒸発器温度(TEO)との偏差(En)に応じて前記圧縮機(5)の吐出容量を変化させる制御量(In)を算出する制御手段(3)と、
    前記圧縮機(5)に装備され、前記圧縮機(5)の吐出容量を前記制御量(In)により変化させる容量制御機構(23)を備え、
    前記制御手段(3)は
    前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなったか否かを判定する手段(S11a)と、
    前記判定結果が前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が小さいときに、前記制御量(In)を前記偏差(En)が少なくなるように演算する第1制御手段(S11b)と、
    前記判定結果が前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が大きときに、前記制御量(In)を前記車室内空調の熱負荷を表す必要制御値(Ik)と前記偏差(En)の大きさに応じて演算する第2制御手段(S11c、S11d)を備え、
    前記必要制御値(Ik)は、前記圧縮機(5)で加圧された冷媒の高圧圧力の値(Ph)、前記車両周辺の外気温度(TAM)、前記車両の室内温度(TR)、前記送風機の送風風量、および前記送風機のブロアレベル(BLW)のうちの少なくともいずれか一つから求められ、
    記第2制御手段(S11c、S11d)は、前記熱負荷を表す前記必要制御値が小さくなり前記偏差の絶対値が大きくなった場合には、前記第1制御手段(S11b)によって算出され前記必要制御値が小さくなり前記絶対値が大きくなった場合と同じ前記偏差の場合の前記制御量に比べて、前記実際の吹出温度(TE)がより急速に変化するように前記制御量(In)を算出することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第1制御手段(S11b)は、前回の制御量(In−1)と、前回の前記偏差E(n−1)と今回の前記偏差(En)の差とに応じて前記制御量(In)を演算し、
    前記第2制御手段(S11c、S11d)は、前回の制御量(In−1)と、前記車室内空調の熱負荷から求めた必要制御値(Ik)と、前記偏差(En)の絶対値に応じて大きくなるゲインを成す変化量(A)とによって制御量の変化量(ΔI)を演算し、該制御量の変化量(ΔI)を考慮して前記制御量(In)を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 更に、前記車両の外部から前記車室内へ前記送風機にて送風される空気を取り込む外気モードとするか、または、前記車室内の空気を循環させる内気モードとするかの切替を行う内外気切替装置(30)を備え、
    前記制御手段(3)は、前記外気モードのときに、前記必要制御値(Ik)を、前記車両周辺の外気温度(TAM)から求め、前記内気モードのときに、前記必要制御値(Ik)を、前記室内温度(TR)から求めることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記第1制御手段(S11b)と前記第2制御手段(S11c、S11d)は共に制御式を用いて前記制御量(In)を演算し、前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が小さい場合に、前記制御量(In)を算出する前記第1制御手段の制御式と、前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなった場合に前記制御量(In)を算出する前記第2制御手段の制御式とは互いに異なり、前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が小さい場合に比較して前記蒸発器(11)の前記実際の吹出温度(TE)よりも前記目標蒸発器温度(TEO)の方が大きくなった場合は、前記蒸発器(11)の実際の吹出温度(TE)が急速に変化するように前記制御量(In)を算出することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記第1制御手段の制御式(S11b)は、前記偏差(En)に基づく比例積分制御の制御式であることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
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