JP2008126816A - 車両用空調装置 - Google Patents

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JP2008126816A JP2006313515A JP2006313515A JP2008126816A JP 2008126816 A JP2008126816 A JP 2008126816A JP 2006313515 A JP2006313515 A JP 2006313515A JP 2006313515 A JP2006313515 A JP 2006313515A JP 2008126816 A JP2008126816 A JP 2008126816A
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Abstract

【課題】冷媒蒸発器の実際の温度Teと目標温度TEOとのずれを防止し、かつ制御量の適合工数を短縮できるとともに、目標温度TEOに達するまでの温度変動が少ない容量制御ができる車両用空調装置を実現する。
【解決手段】エアコン制御装置3は、冷媒蒸発器11の温度Teと目標温度TEOとの温度偏差E(n)が所定値よりも大きいときに、飽和冷媒圧力記憶手段S400により目標温度TEOに応じて求められた飽和冷媒圧力となる第1制御値を算出し、この第1制御値を制御信号として冷媒圧縮機5に出力し、温度Teと目標温度TEOとの温度偏差E(n)が所定値よりも小さいときに、温度Teが目標温度TEOになる第2制御値を算出し、この第2制御値を制御信号として冷媒圧縮機5に出力する。これにより、制御量の適合工数を短縮できるとともに、目標温度TEOに達するまでの温度変動が少ない容量制御ができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸入圧制御弁を有する可変容量型圧縮機を備える車両用空調装置に関するものであり、特に、冷媒蒸発器の温度制御に関する。
従来、この種の車両用空調装置として、例えば、特許文献1に示されるものが知られている。すなわち、冷媒蒸発器の目標温度TEOに対応する吸入圧力となる制御信号の制御値を算出し、その制御値を初期値として可変容量型圧縮機の容量制御を行っている。
そして、初期値以降は、冷媒蒸発器の温度Teが目標温度TEOになる制御値を算出し、その算出された制御値によって可変容量型圧縮機の容量制御を行っている。これにより、車両の熱負荷、例えば、真夏ほど冷房能力を必要としない春、秋などの季節下で、目標温度TEOに達するまでの温度変動が少ない容量制御を行っている。
特開平6−255354号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、初期値の制御量は比較的短時間で算出することができる。一方、初期値以降の制御値においては、フィードバックゲインに基づいたフィードバック制御となっているため、概してフィードバックゲインを適切なものにするための適合検討を行うことが必要となる。
つまり、適合検討を行うための適合工数が増加する問題がある。しかも、初期値の制御量は、空調運転開始時などの空調状態が過度期であるため冷媒蒸発器の実際の温度Teと目標温度TEOとに相当なずれを発生ずる問題もある。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、実際の温度Teと目標温度TEOとのずれを防止し、かつ制御量の適合工数を短縮できるとともに、目標温度TEOに達するまでの温度変動が少ない容量制御ができる車両用空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1および請求項2に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、冷媒蒸発器(11)と、この冷媒蒸発器(11)で蒸発した冷媒を圧縮して吐出するとともに、外部からの制御信号に応じた吸入圧力となるように吐出容量制御を行う吸入圧制御弁(51)を有する可変容量型圧縮機(5)と、この可変容量型圧縮機(5)に制御信号を出力する制御手段(3)とを備える車両用空調装置において、
冷媒蒸発器(11)の温度(Te)を検出する温度検出手段(18)と、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件に基づいて冷媒蒸発器(11)の目標温度(TEO)を算出する目標温度演算手段(S370)と、この目標温度演算手段(S370)により算出された目標温度(TEO)と冷媒蒸発器(11)の飽和冷媒圧力との関係を示す制御特性が記憶された飽和冷媒圧力記憶手段(S400)とを有し、
制御手段(3)は、温度検出手段(18)により検出された温度(Te)と目標温度演算手段(S370)により算出された目標温度(TEO)との温度偏差(E(n))が所定値よりも大きいときに、飽和冷媒圧力記憶手段(S400)により目標温度(TEO)に応じて求められた飽和冷媒圧力となる第1制御値を算出し、この第1制御値を制御信号として可変容量型圧縮機(5)に出力し、温度検出手段(18)により検出された温度(Te)と目標温度演算手段(S370)により算出された目標温度(TEO)との温度偏差(E(n))が所定値よりも小さいときに、温度検出手段(18)により検出された温度(Te)が目標温度(TEO)になる第2制御値を算出し、この第2制御値を制御信号として可変容量型圧縮機(5)に出力することを特徴としている。
この発明によれば、温度偏差(E(n))に応じて第1制御値と第2制御値とを区分けすることで冷媒蒸発器(11)の温度(Te)が目標温度(TEO)に達するまでの温度変動が少ない容量制御ができる。
また、温度偏差(E(n))が所定値よりも小さいとき、すなわち目標温度(TEO)が安定したときに第2制御値を出力することで、例えば、フィードバックゲインに基づいたフィードバック制御であっても、フィードバックゲインを適切なものにするための適合検討およびその適合検討を行うための適合工数を短くすることができる。また、実際の温度(Te)と目標温度(TEO)とのずれを防止することができる。
また、温度偏差(E(n))が所定値よりも大きいときには、第1制御値によって目標温度(TEO)に応じた飽和冷媒圧力となるように吐出容量制御を行う吸入圧制御弁(51)が制御できる。これにより、実際の温度(Te)を目標温度(TEO)に早く近づけることができる。
請求項2に記載の発明では、温度検出手段(18)は、冷媒蒸発器(11)から吹き出される吹出空気温度(Te)、または冷媒蒸発器(11)のフィンの表面温度(Te)を検出することを特徴としている。この発明によれば、これら吹出空気温度(Te)、表面温度(Te)は、冷凍サイクルが変化したときにおいて冷媒蒸発器(11)の温度変化を的確に検出できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における車両用空調装置を図1ないし図3に基づいて説明する。図1は車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。図2はエアコン制御装置3における容量制御の制御処理を示すフローチャートである。図3は冷媒蒸発器11の温度Teと目標温度TEOとの関係を示す特性図である。
本実施形態の車両用空調装置1は、車両に搭載されるものであり、冷房手段を構成する冷凍サイクル装置2と制御手段であるエアコン制御装置3とを備える。冷凍サイクル装置2は、可変容量型圧縮機である冷媒圧縮機5、冷媒凝縮器7、受液器8、減圧装置である膨張弁9、冷媒蒸発器11の各機能部品より構成される。
冷媒圧縮機5は、電磁クラッチ4を介して車両の走行用エンジン(図示しない)の回転動力が伝達されることにより回転駆動し、冷凍サイクルを作動させて冷媒蒸発器11を冷却手段として機能させる。冷媒圧縮機5には、吸入室側に流入する低圧冷媒の吸入圧を制御する後述する低圧制御弁51が設けられている。
冷媒凝縮器7は、冷媒圧縮機5で圧縮された高温高圧のガス冷媒をファン6の送風を受けて凝縮液化する熱交換器であってエンジンルーム内に搭載されている。受液器8は、冷媒凝縮器7の冷媒下流に設けられて、冷凍サイクル内の過剰冷媒を一時的に蓄えるとともに、液冷媒を膨張弁9に流出する容器である。
膨張弁9は、受液器8により導かれた液冷媒を減圧膨脹する弁である。冷媒蒸発器11は,図示しない空調ケース内を通過する空気を冷却する冷凍サイクルの構成要素であって、車室内に搭載された空調ケース(図示せず)内に配置され、膨張弁9で減圧された低温低圧の冷媒を送風機10の送風を受けて蒸発させて空調ケース(図示せず)内を通過する空気を冷却する。
本実施形態の冷媒圧縮機5は、エアコン制御装置3より出力される制御信号として制御電流I(n)に応じて吐出容量が可変する可変容量型圧縮機であり、制御値として、制御電流I(n)が、例えば0Aの時に吐出容量が0%となるように制御される。
また、その制御電流I(n)を可変させることで、吸入圧制御弁51により制御電流I(n)に応じた吸入圧力となるように吐出容量が可変できるようになっている。従って、エアコン制御装置3により制御電流I(n)を制御信号として吸入圧制御弁51に出力される。
エアコン制御装置3は、ROM3a、RAM3b、CPU3c等から構成されるマイクロコンピュータで、イグニッションスイッチ12(以下IGスイッチ12と略す)をオンすることにより、バッテリ13を電源として作動する。エアコン制御装置3は、エアコン操作パネル14より出力される操作信号および各センサ(後述する)からの検出信号に基づいて、冷媒圧縮機5への制御電流I(n)を出力するとともに、各ダンパ(図示しない)やファン6、送風機10等の空調機器の作動を制御する。
ROM3aは、読出し専用のメモリで、車室内への目標吹出温度TAOの演算式、冷媒蒸発器11の目標温度TEOの演算式、この目標温度TEOと飽和冷媒圧力Pとの関係を示す制御特性、その飽和冷媒圧力Pと第1制御値である制御電流I(n)との関係を示す制御特性、第2制御値である制御電流I(n)の演算式、および所定の制御プログラム等が記憶保持されている。
また、RAM3bは、データの読み出し、書き込みを自由に行うことのできるメモリで、処理の途中に現れる一時的なデータの保持に使用される。CPU3cは、ROM3aに記憶された制御プログラムに基づいて、各種の演算、処理を行う中央処理装置である。
ここで、ROM3aに記憶された目標温度TEOと飽和冷媒圧力Pとの関係を示す制御特性および飽和冷媒圧力Pと第1制御値である制御電流I(n)との関係を示す制御特性について説明する。
第1制御値である制御電流I(n)は、目標温度TEOに応じた飽和冷媒圧力Pにより求めるように構成している。具体的には、図2に示すステップS400が目標温度TEOと飽和冷媒圧力Pと関係を示す制御特性であって、飽和冷媒の温度と圧力の関係式Yを用いて、目標温度TEOと等しい温度の飽和冷媒圧力Pを求めるようにしている。
そして、図2に示すステップS410では、ステップS400で求められた目標温度TEOと等しい温度の飽和冷媒圧力Pを制御信号の第1制御値である制御電流I(n)に換算するための制御特性である。
つまり、目標温度TEOに応じた冷媒圧力Pになるように制御電流I(n)がなる換算式Zが設定されており、この換算式Zを用いることで目標温度TEOに応じた飽和冷媒圧力Pが制御電流I(n)に置き換えられている。
これにより、冷媒圧縮機5の吸入圧力Psが目標温度TEOに応じた飽和冷媒圧力Pになる。例えば、真夏時ほど熱負荷が高くない春、秋等の季節では、冷媒蒸発器11の目標温度TEOが約10℃前後となる。この場合には、冷媒圧縮機5の吐出圧力Pdは5〜10Kg/cm2G程度となり、かつ冷媒流量が少ないことから冷媒配管の圧力損失が小さく、ほぼ冷媒蒸発器11の蒸発圧力と見做すことができる。
その結果、冷媒の飽和温度より、冷媒蒸発器11の温度効率を考慮すれば、冷媒蒸発器11より吹き出される実際の吹出空気温度TE、もしくは冷媒蒸発器11の実際の表面温度Teが分かる。より具体的には、冷媒蒸発器11の温度TEは、冷媒蒸発器11で熱交換された吹出空気温度TE、もしくは、冷媒蒸発器11のフィンの表面温度TEである。
そして、温度TEが吹出空気温度TEであれば、目標吹出空気温度TEOが目標温度TEOとなる。また、温度TEがフィンの表面温度TEであれば、目標表面温度TEOが目標温度TEOとなる。これにより、冷媒蒸発器11の圧力(=冷媒の飽和温度)≒吸入圧力Psであって、その吸入圧力Psは、吐出圧力Pd=5〜10Kg/cm2Gの範囲では、目標吹出空気温度TEO、もしくは目標表面温度TEOのいずれかに応じた飽和冷媒圧力Pになっている。
但し、このときの第1制御値である制御電流I(n)は、図2に示すステップS390に示すように、詳しくは後述するが温度偏差E(n)と所定値Xとを比較して、温度偏差E(n)が所定値Xよりも大きいときに出力するようにしている。また、温度偏差E(n)が所定値Xよりも小さいときには、図2に示すステップS420に示す第2制御値である制御電流I(n)を演算した後に冷媒圧縮機5に出力するようにしている。
各センサは、車室内温度Trを検出する内気温度センサ15、車室外温度Tamを検出する外気温度センサ16、日射量Tsを検出する日射センサ17、および冷媒蒸発器11の温度Teを検出する温度検出手段である温度センサ18などを備えている。
ここで、温度センサ18は、冷媒蒸発器11の温度Teを冷媒蒸発器11で熱交換された吹出空気温度TE、もしくは冷媒蒸発器11のフィンの表面温度TEを検出するセンサである。
そして、エアコン操作パネル14には、乗員の希望する車室内温度を設定する温度設定手段14a、車室内を温度設定手段14aで設定された温度に保つように空調機器の自動制御をエアコン制御装置3に指令するオートエアコンスイッチ14b、吹出口(図示しない)を選択するための吹出口モードスイッチ14c、内気モードと外気モードとのいずれか一方を選択する内外気モードスイッチ14d、送風機10の送風量を可変するファンスイッチ14e等が設けられている。
次に、冷媒圧縮機5の吸入制御弁11に制御電流I(n)を出力するエアコン制御装置3の作動を図2に示すフローチャートを基に説明する。まず、ステップS310にて、IGスイッチ12がオンされた後、ステップS320にてサンプリング回数nを「1」と置く。そして、ステップS330にて、先回の温度偏差E(n−1)を「0」にクリヤーする。
その後、ステップS340にて、エアコンがオン状態であるか否かを判断する。ここで、エアコンがオフ状態であれば、ステップS350にて電磁クラッチ4をオフにしてステップS320に戻る。ステップS340でエアコンがオン状態の場合(YES)は、ステップS360にて、各センサ(内気温度センサ15、外気温度センサ16、日射センサ17、温度センサ18)の検出信号を読み込むとともに、エアコン操作パネル14からの操作信号を読み込む。
次に、目標温度演算手段であるステップS370で冷媒蒸発器11の目標温度TEOを算出する。この目標温度TEOは、車室内の熱負荷に基づいて算出された目標吹出温度TAO(熱負荷)、および送風機10の印加電圧など、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件に基づいて算出される目標温度であり、これが小さいときには、すなわち冷房負荷が大きいときには低い目標温度が算出される。
次に、ステップS380にて、ステップS360で読み込まれた温度センサ18からの実際の温度TeとステップS370で算出された目標温度TEOとの温度偏差E(n)を算出する。具体的には、図3に示すように、目標温度演算手段であるステップS370で算出された目標温度TEOとステップS360で読み込まれた温度センサ18で検出された実際の温度Teとの温度差によって温度偏差E(n)を求める。
そして、ステップS390にて、算出された温度偏差E(n)を所定値Xとを比較する。ここで、温度偏差E(n)が所定値Xよりも大きいとき、すなわち、実際の温度Teが目標温度TEOより大きい偏差E(n)>所定値Xの時にはステップS400に移行し、実際の温度Teが目標温度TEOより小さい偏差E(n)≦所定値Xの時にはステップS420に移行する。
ステップS400にて、目標温度TEOと飽和冷媒圧力Pとの関係を示す制御特性より、目標温度TEOに応じた飽和冷媒圧力Pを求める。そして、ステップS410にて、この飽和冷媒圧力Pより制御電流I(n)を求める。ここで、ステップS400での制御処理を飽和冷媒圧力記憶手段と請求項では称している。
ところで、ステップS390にて、実際の温度Teが目標温度TEOより小さい偏差E(n)≦所定値Xの時にはステップS420で第2制御値としての制御電流I(n)を次式に基づいて算出する。
具体的には、制御電流I(n)=I(n−1)+Kp((E(n)−E(n−1))+(θ/Ti)×En ここで、Kpおよびθ/Tiは、フィードバックゲインである。ここでフィードバックゲインは、車室内の熱負荷、送風機10送風量、吹出モードなどの車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件に変化が生じたときに、これらの変化によって発生するフィードバック制御を行うための補正係数であって適宜空調状態に応じて決定される。
例えば、空調状態に及ぼす環境条件には、上述した各センサで検出された温度情報、日射情報の他にも、冷媒蒸発器11への送風量、吸い込み空気温度、湿度などの変化によって影響を受けるため、これらの環境条件における補正係数を設定しておいて適宜空調状態に応じて決定することが望ましい。従って、補正係数を決定するための適合工数が必要となる。
換言すると、実際の温度Teが目標温度TEOより大きいときの空調状態が過度期の時には補正係数を決定するための適合工数に時間を要するが、実際の温度Teが目標温度TEOより小さい空調状態が安定期の時には補正係数を決定するための適合工数が短縮できる利点がある。
そして、ステップS430にて、第1制御値としての制御電流I(n)もしくは第2制御値としての制御電流I(n)のいずれか一方の制御電流I(n)を出力する。そして、ステップS440にて、電磁クラッチ4を通電する。これにより、冷媒圧縮機5は、低圧制御弁51により制御電流I(n)に応じた容量制御が行われる。
そして、ステップS450にて、先回の制御電流I(n−1)の値を今回出力した制御電流I(n)の値に置き換え、先回の偏差E(n−1))の値を今回の偏差E(n)の値に置き換える。そして、ステップS460にてサンプリング回数n=n+1と置き換えた後、ステップS340へ戻る。
上述したように、本実施形態では、実際の温度Teと目標温度TEOとの温度偏差E(n)に応じて異なる制御電流I(n)を出力できるように構成することにより、冷媒蒸発器11の実際の温度Teが目標温度TEOに達するまでの温度変動が少ない容量制御ができる。具体的には、オーバーシュートや温度変動(ハンチング)が低減される。
また、温度偏差E(n)が所定値Xよりも小さいとき、すなわち目標温度TEOが安定したときに第2制御値を出力することで、例えば、フィードバックゲインに基づいたフィードバック制御であっても、フィードバックゲインを適切なものにするための適合検討およびその適合検討を行うための適合工数を短くすることができる。また、実際の温度Teと目標温度TEOとのずれを防止することができる。
また、温度偏差E(n)が所定値Xよりも大きいときには、第1制御値によって目標温度TEOに応じた飽和冷媒圧力Pとなるように吐出容量制御を行う吸入圧制御弁51が制御できる。これにより、実際の温度Teを目標温度TEOに早く近づけることができる。
また、温度センサ18は、冷媒蒸発器11から熱交換されて吹き出される吹出空気温度Te、または冷媒蒸発器11のフィン表面温度Teのいずれかの温度を検出することにより、これら吹出空気温度Teおよびフィン表面温度Teは、冷凍サイクルが変化したときにおいて冷媒蒸発器11の温度変化を的確に検出できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、ステップS390にて温度偏差E(n)と所定値Xとを比較する判定手段において、所定値Xにヒステリシスを設けるように構成している。具体的には、図4に示すように、ステップS390にて、温度偏差E(n)のヒステリシスに応じて所定値XをX1またはX2のいずれか一方の所定値で比較するように構成している。
より具体的には、所定値XをX1とX1よりも小さいX2に分けて区分し、制御モードフラグFの選択の判定にヒステリシスを設けている。従って、ステップS390にて、温度偏差E(n)の制御モードフラグFが1の時にはステップS400に移行し、温度偏差E(n)の制御モードフラグFが0の時にはステップS420に移行するように構成している。
これにより、温度偏差E(n)が所定値X1もしくはX2の近傍に達したときに、異なる制御値に頻繁に切り替わる動作を防止することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では空調状態が急変したときにおける容量制御であって、例えば、冷房負荷が急に低下して実際の温度Teが目標温度TEOよりも大幅に下回った場合には、図5に示すように、ステップS390において、温度偏差E(n)と所定値とを比較する。換言すると、このようなときには、所定値X3が目標温度TEOよりも負側に設定されていることになるため、この所定値X3と温度偏差E(n)とを比較する。
そして、ここで、このときの温度偏差E(n)が所定値X3よりも小さいときにはステップS400、S410にて第1制御値による制御電流I(n)を求めて冷媒圧縮機5に出力する。これによれば、冷房負荷が急激に低下したときに、冷媒圧縮機5の吐出容量を迅速に低下させることができる。
(第4実施形態)
以上の実施形態では、ステップS400において、目標温度TEOと飽和冷媒圧力Pとの関係式Yを用いて目標温度TEOと等しい温度の飽和冷媒圧力Pを求めるように制御特性を構成したが、これに限らず、関係式Yを空調状態に及ぼす環境条件の要因による補正を行っても良い。
具体的には、図6に示すように、ステップS400aにおいて、例えば、配管圧力損失、高圧圧力、送風量、吸い込み空気湿度などによる空調状態に及ぼす環境条件の要因を考慮して、関係式Yを図中の実線で示す関係式Y1に補正を行う。つまり、ステップS400aにおいては、空調状態に及ぼす環境条件の要因による補正を行った関係式Y1を用いて目標温度TEOと等しい温度の飽和冷媒圧力Pを求めるようにしている。
以上の構成によれば、関係式Yよりも関係式Y1の方が空調状態に及ぼす要因が考慮されているため、目標温度TEOと実際の温度Teとのずれが減少する。これにより、第1制御値による制御電流I(n)であっても精度良く目標温度TEOに実際の温度Teを適合させることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、所定値Xよりも大きい所定値X4を設定し、この所定値X4と温度偏差E(n)とを比較するように構成したものである。より具体的には、図7に示すように、ステップS390とステップS400との間に、ステップS395を設ける。そして、このステップS395にて、所定値X4と温度偏差E(n)とを比較する。
つまり、ステップS390にて、目標温度TEOと実際の温度Teとの温度偏差E(n)が所定値Xよりも大きいときには、ステップS395にて、温度偏差E(n)と所定値X4と比較する。ここで、温度偏差E(n)が所定値X4以上であれば、ステップ425にて、第1制御値による制御電流I(n)をImaxとする。
これにより、例えば、空調開始状態の開始時のように、冷房負荷が大きいときは、冷媒圧縮機5の容量が最大となる制御電流Imaxを出力して冷媒圧縮機5を最大能力で運転することができる。従って、速やかに実際の温度Teを目標温度TEOに近づけることができる。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、ステップS420において、今回の制御電流I(n)を先回の制御電流I(n−1)によるフィードバック制御するように算出するように構成したが、これに限らず、フィードフォワード制御を行うように構成しても良い。
また、以上の実施形態では、目標温度TEOと実際の温度Teとの温度偏差E(n)で算出したが、これに限らず、温度偏差E(n)の微分値、すなわち実際の温度Teの時間による変化値より算出しても良い。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態におけるエアコン制御装置3における容量制御の制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における冷媒蒸発器11の温度Teと目標温度TEOとの関係を示す特性図である。 本発明の第2実施形態におけるエアコン制御装置3における容量制御の制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態におけるエアコン制御装置3における容量制御の制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態におけるエアコン制御装置3における容量制御の制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態におけるエアコン制御装置3における容量制御の制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3…エアコン制御装置(制御手段)
5…冷媒圧縮機(可変容量型圧縮機)
11…冷媒蒸発器
18…温度センサ(温度検出手段)
51…低圧制御弁
S370…目標温度演算手段
S400…飽和冷媒圧力記憶手段
E(n)…温度偏差
Te…温度、吹出空気温度、表面温度
TEO…目標温度、目標吹出空気温度、目標表面温度

Claims (2)

  1. 冷媒蒸発器(11)と、
    前記冷媒蒸発器(11)で蒸発した冷媒を圧縮して吐出するとともに、外部からの制御信号に応じた吸入圧力となるように吐出容量制御を行う吸入圧制御弁(51)を有する可変容量型圧縮機(5)と、
    前記可変容量型圧縮機(5)に前記制御信号を出力する制御手段(3)とを備える車両用空調装置において、
    前記冷媒蒸発器(11)の温度(Te)を検出する温度検出手段(18)と、
    車室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件に基づいて前記冷媒蒸発器(11)の目標温度(TEO)を算出する目標温度演算手段(S370)と、
    前記目標温度演算手段(S370)により算出された目標温度(TEO)と前記冷媒蒸発器(11)の飽和冷媒圧力との関係を示す制御特性が記憶された飽和冷媒圧力記憶手段(S400)とを有し、
    前記制御手段(3)は、前記温度検出手段(18)により検出された温度(Te)と前記目標温度演算手段(S370)により算出された目標温度(TEO)との温度偏差(E(n))が所定値よりも大きいときに、前記飽和冷媒圧力記憶手段(S400)により前記目標温度(TEO)に応じて求められた飽和冷媒圧力となる第1制御値を算出し、この第1制御値を前記制御信号として前記可変容量型圧縮機(5)に出力し、
    前記温度検出手段(18)により検出された温度(Te)と前記目標温度演算手段(S370)により算出された目標温度(TEO)との温度偏差(E(n))が所定値よりも小さいときに、前記温度検出手段(18)により検出された温度(Te)が前記目標温度(TEO)になる第2制御値を算出し、この第2制御値を前記制御信号として前記可変容量型圧縮機(5)に出力することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記温度検出手段(18)は、前記冷媒蒸発器(11)から吹き出される空気温度(Te)、または前記冷媒蒸発器(11)のフィンの表面温度(Te)を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
JP2006313515A 2006-11-20 2006-11-20 車両用空調装置 Pending JP2008126816A (ja)

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