JP4578112B2 - 塗布具 - Google Patents

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本発明は、芯の突出及び収納をノックにより行う塗布具に関するものであり、特に後端の操作部材を繰り返して押圧し芯の突出及び収納を行うダブルノック式塗布具に関するものである。また本発明は、芯を吐出したままポケットなどに塗布具を差し込んだ際には芯が収納されて、服などが汚すことのないセーフティー機構を有する塗布具に関するものである。
なお、本発明における塗布具とは、塗布される対象物に対し、芯の先から連続的に塗布できるものであれば良く、ボールペン等の筆記具や修正液等を塗布するための塗布具などが含まれる。
従来より、後端の操作部材を押圧して芯の突出及び収納を行うダブルノック式塗布具が実用化されている。そして、このダブルノック式塗布具は、操作部材の押圧によって芯の収納を行うため、芯の先端にはキャップが無く、誤って芯の収納を忘れて芯を突出したままポケットに収納して服を汚してしまうことがあった。
そこでポケットに収納する際には必ず芯が軸筒内に収納される機構が望ましい。そして、本出願人は、特許文献1に記載されている塗布具を開発した。
特開2003−260894号公報
特許文献1の塗布具は、軸筒と、軸筒内部に設けられた回転子とが設けられている。そして、操作部を押圧して除荷する操作であるノックを行うと、回転子は前進してやや後退し、所定の位置で回転し、クリップの内側係止部と回転子の係合部が係合して塗布部が突出状態となる。また、塗布部が突出状態で再びノック操作を行うと、回転子はやや前進して後退し、所定の位置で回転する。さらに、この回転子の回転の動きは、塗布部の収納状態から突出状態への回転子の主な回転方向と、突出状態から収納状態への回転子の主な回転方向とは、逆回転であり、収納状態から突出状態となり再び収納状態となる間に回転子の回転方向の動きは、揺動するものである。
特許文献1の塗布具では、通常のダブルノックと同様に、同じ操作部をノック操作することで突出・退入の操作が可能なダブルノック機構を備え、さらに、ポケットに収納する際等には、クリップが離れるので塗布部が退入するセーフティ機構を備えている。また、回転子が揺動して、塗布部の収納、突出を行うので、回転子の耐久性に優れる。
そして、特許文献1の塗布具の回転子には接触片が設けられ、軸筒に設けられたガイド壁に接触することにより、回転子の回転方向の規制し、また回転方向の誘導等を行っている。
操作部によるノック操作は、押すときには人の力により行われ、その後離すときにはばねなどの付勢部材により行われる。したがって、ノック操作の離すときに作用する力は安定しているが、ノック操作の押すときに、作用する力は使用する人によって異なる。
そのため、上記したように、回転子が前進するときに、接触片をガイド壁を接触させて回転子を回転させると、予期せぬ力が接触子やガイド壁に作用してスムーズにノック操作ができなくなるおそれがあった。また、ノック操作の途中で、接触片とガイド壁との摩擦により押圧力が変化し、操作する人によっては押し切ったと勘違いして正しく操作できないおそれがあった。
そこで、本発明は、同じ操作部をノック操作することで突出・退入の操作が可能なダブルノック機構を備え、ポケットに収納する際等には、クリップが離れて塗布部が退入するセーフティ機構を備え、回転子の耐久性に優れ、さらに、スムーズなノック操作が可能となる塗布具を提供することを目的とする。
そして、上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、軸筒と、先端に塗布部を有して軸筒内部に配置された芯部材と、前記芯部材を後方へ付勢する付勢手段と、軸筒外部に配置されたクリップと、一部が軸筒より突出して軸方向に移動する操作部材と、軸筒の内部であって操作部材と芯部材の間に配された回転子を有し、前記操作部材は回転子を介して前記芯部材と連動可能であり、軸筒には窓孔を有し、回転子には係合部を有し、クリップには前記窓孔に相当する位置に内側係止部を有しており、操作部材を押圧して除荷するとクリップの内側係止部と回転子の係合部が係合することによって塗布部の突出状態を保持し、塗布部が突出状態で操作部材を再押圧して除荷すると内側係止部と回転子の係合が解除されて塗布部が収納され、クリップが持ち上げられると内側係止部と回転子の係合部が離れることにより芯部材が軸筒内に収納されるものであり、操作部材を押圧して塗布部を突出させてさらに再押圧して塗布部を収納する間に、回転子は両方向に同じだけ回転して元の位置に戻る塗布具において、 回転子には径方向に突出する接触片と、軸方向に対して傾斜成分を有して操作部材側に突出するカム突起とが設けられ、前記接触片は前記軸筒に設けられたガイド壁に沿って移動することにより回転子を誘導することができ、前記カム突起は前記操作部材の当接部に噛み合って回転子が所定の回転位置である中立位置となる方向に回転子にトルクを発生させることができ、前記中立位置は複数設けられて中立位置同士の間にはトルクの回転方向が変化する境界位置を有しており、ガイド壁には軸方向に対して傾斜する1又は2カ所以上の横方向ガイド壁が設けられ、前記横方向ガイド壁の少なくとも1カ所はその壁面が塗布部側に向いており、操作部材を押圧の後に除荷して後退させる際に前記横方向ガイド壁によって接触片を誘導して境界位置を越えるように回転子を回転させることが可能であり、さらに再押圧して除荷する際にガイド壁によって回転子を他方の方向に回転させることが可能であることを特徴とする塗布具である。
請求項1に記載の発明は、操作部材を押圧して除荷すると塗布部の突出状態を保持し、塗布部が突出状態で操作部材を再押圧して除荷すると塗布部が収納され、クリップが持ち上げられると塗布部が軸筒内に収納される、いわゆるダブルノックタイプであり、塗布部が突出した状態でクリップの使用を防ぐセーフティー機能を有する塗布具の発明である。そして、この機構は、クリップに設けられた内側係止部と回転子の係合部の係合によって塗布部の突出状態を維持するものであり、さらに、回転子は操作部材の押圧・除荷により前進・後退しながら所定の位置で回転する。
また、操作部材を押圧して塗布部を突出させてさらに再押圧して塗布部を収納する間に、回転子は両方向に同じだけ回転し、回転子は揺動するように動くものであり、この回転子の回転は、回転子のカム突起により、回転トルクが発生して行われるものと、回転子の接触片が横方向ガイド壁によって誘導されるものとがある。
そして、本願発明では、操作部材を押圧の後に除荷して後退させる際に前記横方向ガイド壁によって接触片を誘導して回転子を回転させるが、操作部材の除荷の際の荷重は付勢部材による力であるので、塗布具の使用者によらず安定させることができる。また、この横方向ガイド壁による回転子の回転は境界位置を越えるので、中立位置から境界位置に向かって回転する方向に回転させ、さらにカム突起により同じ方向に回転させることが可能となる。そして、横方向ガイド壁の位置や、中立位置及び境界位置を所定の配置とすることによって、前進・後退の際における回転位置や回転角度を決めることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、横方向ガイド壁として第1横方向ガイド壁及び第3横方向ガイド壁が設けられ、さらに第1横方向ガイド壁に隣接する溝部が設けられており、塗布部が収納されている状態から操作部材を押圧してさらに除荷する一連の操作において、押圧により接触片が回転子が前進してカム突起によるトルクにより一方の方向に回転して中立位置となって第1横方向ガイド壁の軸上に至り、除荷の際には付勢手段により回転子が後退して接触片が第1横方向ガイド壁により誘導されて一方の方向に回転して境界位置を越えて溝部に至って、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合して塗布部が突出して保持する状態となり、塗布部が突出されている状態から操作部材を再押圧してさらに除荷する一連の操作において、再押圧の際に回転子は接触片が前進してカム突起によるトルクにより一方の方向に回転して、除荷の際には付勢手段により回転子が後退して、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合した状態における接触片の位置よりも操作部材側に設けられた第3横方向ガイド壁により回転子を他方の方向に回転させることを特徴とする請求項1に記載の塗布具である。
請求項2に記載の発明によれば、横方向ガイド壁と、中立位置及び境界位置との関係を適正な関係にすることによって、操作部材の操作をスムーズに行うことができる。すなわち、押圧して押し切ったときは回転位置は中立位置であり、接触片の位置は第1横方向ガイド壁に対向している。そして除荷の際には第1横方向ガイド壁によって回転子が一方の方向に回転して、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合して塗布部が突出して保持する。したがって、回転子の係合部が内側係止部を避けて前進させ回転して後退し係合が可能となる。また、この状態で再押圧した場合には、カム突起によるトルクにより一方方向に回転して後退するので、回転子の係合部が内側係止部を避けて後退させることが出来る。
そして、押圧から除荷によって回転子が後退する時には一方方向に回転して軸方向に後退し、回転子の係合部が係合している状態で再押圧して回転子が前進する時には軸方向に前進して一方方向に回転するものであり、接触片は同じルートを通らない。また、接触片が第1横方向ガイド壁によって誘導される始めるときには中立状態であり、誘導され始めて回転子が回転すると、境界位置に至るまでは回転方向とは反対側に向かうトルクが発生するので、接触片が第1横方向ガイド壁に密着して確実に誘導する。
請求項3に記載の発明は、横方向ガイド壁として第1乃至第3横方向ガイド壁が設けられ、第1横方向ガイド壁と第2横方向ガイド壁との間には溝部が設けられており、塗布部が突出されている状態から操作部材を再押圧してさらに除荷する一連の操作において、再押圧の際に回転子は接触片が前進してカム突起によるトルクにより一方の方向に回転して中立位置となって第2横方向ガイド壁の軸上に至り、除荷の際には付勢手段により回転子が後退して接触片が第2横方向ガイド壁により誘導されて一方の方向に回転して後退し、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合した状態における接触片の位置よりも操作部材側に設けられた第3横方向ガイド壁により回転子を他方の方向に回転させることを特徴とする請求項2に記載の塗布具である。
請求項3に記載の発明によれば、再押圧して除荷する際に第2横方向ガイド壁により回転させるので、回転子を確実に回転して後退させることができる。
請求項4に記載の発明は、接触片の操作部材側の形状は、第1横方向ガイド壁の傾斜に対応した斜状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の塗布具である。
請求項4に記載の発明によれば、接触片の操作部材側の形状は、第1横方向ガイド壁の傾斜に対応した斜状であるので、第1横方向ガイド壁による回転子の誘導がスムーズとなる。
請求項5に記載の発明は、回転子の接触片は、回転子の内側に移動することが可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布具である。
請求項5に記載の発明によれば、回転子の接触片は、回転子の内側に移動することが可能であるので、回転子が傾斜する部分を移動する際にもスムーズに移動可能である。
本発明の塗布具は、ダブルノック機構及びセーフティ機構を備え、回転子の耐久性に優れ、スムーズなノック操作が可能となる。
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における塗布具の正面図である。図2は、本発明の第1の実施形態における塗布具の先端部及び後端部の断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態における塗布具の軸筒の正面図、左側面図及び正面断面図である。図4は、本発明の下側軸筒の正面図、側面図、平面図、底面図及び正面断面図である。図5は、本発明の上側軸筒の正面図、側面図、平面図、底面図及び正面断面図である。図6は、本発明の第1の実施形態における塗布具の軸筒の内部に有するリブと窓孔の拡大図である。図7は、回転子の斜視図である。図8は、操作部材の正面図、平面図、側面図、底面図である。図9は、クリップの正面図、側面図、平面図、正面断面図、平面断面図である。図10は、本発明の第1の実施形態における塗布具の軸筒の内側から見て接触片と係合部の動きを表した説明図である。図11は、図10の接触片の動きを拡大して表した図である。
本発明の第1の実施形態における塗布具1は、具体的にはボールペンであって図1、図2に示されるように、軸筒10、レフィル(芯部材)11、スプリング(付勢手段)12、回転子13、操作部材14、クリップ15及びグリップ筒16を有している。
軸筒10は、分割することができるものであり、下側軸筒10aと上側軸筒10bを有している。図4に示される様に、下側軸筒10aは筒状であり、雄ねじ部17aとグリップ筒保持部17bが設けられている。
また、図5に示される様に、上側軸筒10bは筒状であり、下側軸筒10aの雄ねじ部17aと螺合することができる雌ねじ部18aと、窓孔23が設けられている。窓孔23は、下側軸筒10aの内部と外部を貫通するものである。
さらに軸筒10の後端側の端部には、ほぼ正方形の切り欠き19aが設けられている。切り欠き19aの位置は、窓孔23と同一軸線上であり、クリップ15の軸筒固定部45とクリップ本体46との間の部分が挿入される。
そして、下側軸筒10aと上側軸筒10bとを螺合すると、全体が筒状となる。
図1〜図3に示される様に、軸筒10の螺合した状態での外形形状は、ほぼ円筒状であり、先端の外径は後端側より細い状態となる。そして、軸筒10の先端側には、軸方向に丸孔20aが開口している。一方、軸筒10の後端側には軸方向に向かって丸孔20bが開口している。前記した先端側に設けられた丸孔20aの内径は、軸筒10の胴部の内径よりも小さい。先端側の丸孔20aは、後述するレフィル11の筆記部(塗布部)27が出没可能であり、且つ筆記部27が出て、筆記する際にがたつきが生じない程度の大きさである。
なお、軸筒10の内部の構造は、図6に示されており、先端側内面部21a及び後端側内面部21bが設けられて、後端側内面部21bには第1のリブ81、第2のリブ82、第3のリブ89などを有しているが、詳しい説明は後述する。
レフィル11は、具体的には水性ボールペンの替え芯であり、樹脂製の筒の内部にインクが充填されている。レフィル11は、塗布具1の芯部材となるもので、先端部26は、筆記の際に筆記対象に接触する筆記部27を有し、先端部26付近の外径は筒よりも細くなっている。スプリング12は、内径がレフィル11の先端部26の外径よりも大きく、外径が軸筒10の内径よりもやや小さい圧縮ばねである。また、グリップ筒16は、筒状の部材であり、下側軸筒10aのグリップ筒保持部17bに挿入されて保持される。
回転子13は図7に示される。回転子13は、操作部材14の押圧により作動し、作動子として機能する。回転子13は筒状であり、回転子13の胴部の外形は、三段形状となっており、先端側胴部13a、中央胴部13b及び後端側胴部13cからなる。先端側胴部13aの外径は軸筒10の先端側内面部21aの内径とほぼ同じであり、先端側胴部13aの外径が一番大きく、中央胴部13b、後端側胴部13cの順に外径が小さくなる。先端側胴部13aと中央胴部13bとの間には段部31aがある。回転子13の先端側の端部には、2カ所の突起状の係合部29を有している。
そして、中央胴部13bの後端側寄りであり、係合部29から軸心を中心として、方向を変えて90°回転した位置に2カ所の接触片28を有している。
接触片28は、軸筒10の径方向から見ると軸方向に延びる一対の平行な対辺を持ち、軸の操作部材14側の辺が周方向に対して平行でない斜状部37を有する台形である。また、突出する高さは場所によって異なっており、表面は全体的に傾斜している。
そして、斜状部37は、後述する第1横方向ガイド壁86及び第2横方向ガイド壁87の傾斜に合わせられている。2つの接触片28の最外部同士の幅は、回転子13の中央胴部13bの外径より大きく、回転子13の先端側胴部13aの外径よりやや小さい。
接触片28付近にはスリット35が設けられている。さらに詳しく説明すると、接触片28の操作部材14側及び筆記部27側には周方向のスリット35a及びスリット35cがあり、スリット35a及びスリット35cをつなぐように軸方向に延びるスリット35bを有している。そして、スリット35は全体としてほぼ「コ」字状となる。すなわち接触片28の部位は、片持ち梁構造となっており、その自由端側に接触片28が設けられている。そのため接触片28を押圧すると、片持ち梁の部分が撓み、接触片28は回転子13の内側に移動する。すなわち接触片28に外側から負荷を与えると、接触片28同士の幅が中央部の胴部の外径とほぼ同じ長さまで弾性変形可能である。
また回転子13の後端側の端部には周方向に一周してつながる突起44aを有している。
さらに前記した中央胴部13bと後端側胴部13cとの間には、複数のカム突起33が設けられている。カム突起33は、側面側から見て三角形をして軸方向に対して傾斜しており、その先端は、角状であって操作部材14側に向いている。
なお、回転子13は、180°回転対称形であり、180°回転した状態でも使用することができる。
操作部材14は、図8に示されている。そして、使用の際には図1に示されるように、一部が軸筒10より突出して、レフィル11の筆記部27の突出・収納を行うものである。操作部材14の形状は、一方のみが開口し、他方は開口がなく、内部が空洞である円筒のキャップ状である。操作部材14の外径は2段になっており、開口を有する側の外径は、段部38を境界として他方よりも大きい。
段部38付近の先端側(回転子13側)の胴部には180°回転した2カ所に凸部40を有している。さらに、操作部材14には、凸部40の先端側の端部にほぼ三角形の切り欠き部(当接部)43が設けられている。切り欠き部43は、回転子13のカム突起33に対応する形状であり、カム突起33と噛み合うことができるものであり、傾斜部43aを有している。操作部材14の内側には周方向の突起44bを有しており、塗布具1が組み立てられる時には、回転子13の突起44aが突起44bよりも内側に入って組み立てられる。
クリップ15は、図9に示され、軸筒10の内側に挿入されて固定される軸筒固定部45と軸筒10外側で接触するクリップ本体46を有し、クリップ本体46と軸筒10の間で挟むことにより、塗布具1のクリップとして使用される。
軸筒固定部45は円筒状であり、内面には軸方向に平行な筋状の凹部49を有する。軸筒固定部45の外径は軸筒10の丸孔20bの内径とほぼ同じであり、軸筒固定部45は軸筒10の後端側の丸孔20bに挿入可能である。
クリップ本体46は棒状であり、クリップ本体46の後端側端部と軸筒固定部45の後端側の胴部で接続している。また、クリップ本体46の先端側端部付近の軸筒10側には、内側係止部52を有している。そしてクリップ15を軸筒10に固定すると内側係止部52は窓孔23の中に位置する。内側係止部52は内側突起部53を有し、内側突起部53は回転子13の係合部29と係合して回転子13を保持することができる。内側突起部53は後端側が段状である。
さらに、軸筒固定部45の内側には、第3横方向ガイド壁88が設けられており、後述する様に、回転子13の動きを誘導する。
次に軸筒10及びクリップ15の軸筒固定部45の内部について説明する。なお、この内容の説明における高さの方向は、軸筒10の軸心方向に向かう高さである。
軸筒10及びクリップ15の軸筒固定部45の内面は、図6に示されている。そして、軸筒10の上側軸筒10bには、図5などにも示される様に、周方向に渡る段部21が設けられている。前記段部21を境界として、先端側は後端側より内径がやや大きい。すなわち段部21を境界として、先端側は先端側内面部21aであり、後端側は後端側内面部21bとなっている。言い換えると、段部21は後端部から先端部に向かって内径を大きくするような段である。
また、図5に示される様に、後端側内面部21bの、さらに後端側にはクリップ挿入部21cが設けられている。クリップ挿入部21cは、後端側内面部21bの内径よりも大きく、クリップ15の軸筒固定部45が挿入することができる。そして、クリップ挿入部21cにクリップ15の軸筒固定部45を挿入すると、図6に示される様に、軸筒固定部45の内面と後端側内面部21bの内面とが同一面状となる。
また図6及び図10に示されるように、軸筒10の内部の後端側内面部21b側には、第1のリブ81、第2のリブ82及び第3のリブ89が設けられ、クリップ15の軸筒固定部45の内面には、高部62及び斜面部56が設けられている。そして、第1のリブ81、第2のリブ82、第3のリブ89及び高部62は、内側に突出しており、これらの高さがほぼ同じ高さとなっている。また、斜面部56は全体的に回転方向に傾斜した曲面である。すなわち斜面部56の高部62側は高さが低く、その反対側は高さが高い。
図6では、軸筒10の周方向の半分しか図示していないが、図示しない反対側についても180°回転対称であって同様な構造であり、説明を省略する。
斜面部56は、操作部材14側(図6において右上側)から見て時計回りに向かうほど低く、また、操作部材14側に向かうほど、高くなるように傾斜している。筆記部27側(図6において左下側)の高さは、後端側内面部21bの高さに一致している。
そして、傾斜部56の範囲は、図6,図10に示されるように、操作部材14側(図6において右上側)が軸方向に対して傾斜した三角形状である。
そして、この傾斜部56は高部62との境界で、斜面部56が低い段状となって第3横方向ガイド壁88を形成している。また、斜面部56の第3横方向ガイド壁88とは反対側は軸方向に平行であり、斜面部56側が高い段状となって壁部83が形成されている。壁部83の筆記部27側(図6において左下側)は、第1のリブ81の側面につながっている。
また、高部62の高さは変わらないので、第3横方向ガイド壁88は壁部83側ほどに壁の高さが低くなっている。そして、第3横方向ガイド壁88の操作部材14側の端部は壁部83で交わっている。
第1のリブ81の筆記部27側(図6において左下側)には、第1横方向ガイド壁86が設けられている。第1横方向ガイド壁86の面は筆記部27側に向いており軸方向に対して傾斜している。また、第2のリブ81の筆記部27側には、第2横方向ガイド壁87が設けられている。第2横方向ガイド壁87の面は筆記部27側に向いており軸方向に対して傾斜している。
第1のリブ81と第2のリブ82との間には第1溝部84を有している。また、第2のリブ82と第3のリブ89との間には第2溝部85を有している。第1溝部84及び第2溝部85は、軸方向に延びる溝状である。したがって、第1溝部84は第1横方向ガイド壁86と第2横方向ガイド壁87との間に位置している。また、第2溝部85は第2横方向ガイド壁87と高部62との間に位置している。
第1溝部84及び第2溝部85は、斜面部56と段差無くつながっている。また、高部62と、第3のリブ89とが段差無くつながっている。
塗布具1は、以下のように組み立てられる。
まず、下側軸筒10aの後端側の丸孔30から、スプリング12及びレフィル11を入れる。このとき、レフィル11は筆記部27側から入れる。
また、上側軸筒10bの先端側の丸孔32から回転子13及び操作部材14を挿入する。そして、このような状態で、下側軸筒10aと上側軸筒10bとを螺合する。上側軸筒10bの丸孔20bにクリップ15を挿入して、クリップ15と軸筒10を固定する。
回転子13を挿入する際は、係合部29が窓孔23に入るようにする。なお、係合部29は2カ所設けられているが、いずれの係合部29でもよい。また、操作部材14は、図8のように操作部材14の切り欠き部43と回転子13のカム突起33を合わせるようにして軸筒10の内部に挿入する。このとき、回転子13の後端側胴部13cは、操作部材14の内部に入る。クリップ15は、操作部材14の凸部40の位置をクリップ15の凹部49に合わせるようにして挿入する。
また、それぞれの部材は次のように移動が制限される。
クリップ15は軸筒10に固定されているので、固定部分は軸筒10に対して移動できない。ただしクリップ15のクリップ本体46は、自己の弾性によって開閉方向に姿勢を変更することができる。
操作部材14の凸部40がクリップ15の凹部49によって回転方向の動きを妨げるので、操作部材14は、軸筒10に対して、軸方向のみに移動可能である。なお、凹部49は、後端側の端部に至らないので、後端側から操作部材14が抜けることがない。
回転子13は軸筒10や軸筒固定部45に対して、軸方向及び周方向の動きが制限される。具体的には、接触片28が、壁部83、第1、第2溝部84、85、第1、第2、第3横方向ガイド壁86、87、88により、動きが規制される。なお、径方向の内側には、スリット35が設けられているので、移動することができる。
スプリング12が設けられ、また、操作部材14を押してノック操作するので、操作部材14と回転子13の間に圧縮力が加わるが、切り欠き部43とカム突起33の回転方向の位置の角度がずれている場合には、切り欠き部43とカム突起33の位置が合うように戻る回転方向のトルクが発生する。操作部材14は凸部40によって軸筒10に対して周方向には回転しないので、回転子13は軸筒10に対して噛み合いが合致する方向にトルクが発生し、回転子13に周方向のトルクを与えることが可能となる。そして、相対的な回転によって、カム突起33と切り欠き部43との噛み合いがずれると、トルクの方向が反対側となる。このカム突起33と切り欠き部43の傾斜は、図示している様に、左右で傾斜が異なるので、トルクが発生する向きの占める範囲に大小ができる。
なお、このトルクの発生は後述する。
次に、塗布具1のノック操作などによる筆記部27の出没について説明する。図10は、軸筒10の内側から見た図であり、P1〜P4は回転子13の接触片28の位置を示し、S1〜S4はクリップ15の係合部29の位置を示す。またリフィル11の筆記部27が収納されている時の接触片28はP1の位置であり、係合部29はS1の位置にある。係合部29のS1の位置は本発明の原点である。
なお、接触片28は2カ所設けられているが、軸筒10及び回転子13は180°回転対称であるので、相対回転による移動については位置関係は変わらないので、1カ所のみについて説明を行う。
接触片28がP1の位置で、係合部29はS1の位置の状態である原点でのカム突起33と切り欠き部43との関係は回転方向の位置角度がずれた状態となっている。そして、回転方向の位置角度がずれると、回転子13にトルクが発生する。
上記したように、カム突起33と切り欠き部43との噛み合いが完全に合って、トルクが発生しない位置を中立位置A1、A2、A3とし、相対的な回転によってカム突起33と切り欠き部43との噛み合いがずれてトルクの方向が反対側となる境界の位置を境界位置B1、B2として説明する。この中立位置A1、A2、A3と境界位置B1、B2は、軸筒10と回転子13の位置関係によって定まるものであるので、接触片28の回転方向の位置によって決まる。図11は、回転子の中立位置A1、A2、A3と境界位置B1、B2を、接触片28の回転位置によって示した図である。
そして、接触片28が、図11における中立位置A1、A2、A3上に位置するときトルクは発生せず、任意の中立位置A1、A2、A3と境界位置B1、B2との間に位置するとき、中立位置A1、A2、A3側に回転するようにトルクが発生する。また、切り欠き部43とカム突起33の傾斜角度は、上記した様に左右で異なっているので、トルクの発生する方向が同一の領域の割合が異なり、後端側(操作部材14側)から見て回転子13が時計方向に回転する方向にトルクが発生する領域が多く、図11において、中立位置A1、A2、A3が左側で境界位置B1、B2が右側となる範囲が広い。
なお、図10、図11における、接触片28及び係合部29が右側に向かう方向は、塗布具1の操作部材14側から見て時計回りの方向である。
そして、P1、S1の原点の状態から、操作部材14にスプリング12の付勢力より大きい力が加えられると、回転子13はスプリング12に抗して先端方向に移動する。このとき、回転子13には操作部材14の切り欠き部43とカム突起33により、中立位置A1側、すなわち操作部材14側から見て時計回り(図10、図11における右側)にトルクが発生しているが、接触片28は壁部83に接触しているので、回転子13は回転することができない。そのため回転子13は、壁部83に誘導され軸方向に直線的に進む。
さらに接触片28が前進して、壁部83の端部を越えると上記トルクによって、操作部材14側から見て時計回りに回転する。そして操作部材14の切り欠き部43と、回転子13のカム突起33が合致し、接触片28は中立位置A1上となり、回転子13の回転が停止する。この状態がP2、S2の状態であり、接触片28及び係合部29は、それぞれ図10中のP1からP2、S1からS2をつないでいる矢印に沿って移動する。
なお、この位置は操作部材14を押し切った状態である。接触片28がP2の位置では、接触片28の斜状部37が、第1横方向ガイド壁86に対向する状態である。
上記した様に、操作部材14の操作に伴い、回転子13は、最初直線的に移動し、一定の位置で回転運動をするが、この間における回転子13の係合部29と、クリップ15の内側突起部53の関係は次の通りである。すなわち操作部材14を押圧して回転子13が直線的に先端に向かって移動する時、回転子13の係合部29は、内側突起部53の横を直線的にすり抜ける。次に回転子13のカム突起33によるトルクにより、回転子13が回転する位置は、回転子13の係合部29は、クリップ15の内側突起部53の先端側である。
回転子13の動作説明に戻ると、操作部材14に加えている力を抜いて除荷した時、スプリング12により、回転子13は後端側に移動する。このとき、接触片28の斜状部37が第1横方向ガイド壁86に当接して誘導されることにより、操作部材14側から見て時計回りに回転する。
そして、この第1横方向ガイド壁86による回転子13の回転は、境界位置B1を越えるものである。
除荷にされて、第1横方向ガイド壁86により回転子13が回転すると、接触片28は第1溝部84に至る。接触片28が第1溝部84に至ると、接触片28は中立位置A2と境界位置B1との間に位置しているので、中立位置A2に向かう方向、すなわち操作部材14側から見て時計回りの方向にトルクに発生する。したがって、第1溝部84の中立位置A2側の壁部に誘導されながら後退する。
一方、この時の回転子13の係合部29と、クリップ15との関係に注目すると、回転子13の係合部29は、第1横方向ガイド壁86による回転子13の回転によって、クリップ15の内側突起部53の軸線上に至る。そして、この軸線上を後退する。したがって回転子13の係合部29は、クリップ15の内側突起部53を迂回し、さらに直線上を後端側に戻って内側突起部53と当接する。
さらに、操作部材14に掛ける力を抜いて回転子13が後退すると、係合部29は、クリップ15の内側突起部53に引っかかって係合する。そしてこのとき、回転子13は後退せず、回転子13は軸方向に固定されて筆記部27が出ている状態となる。この状態の接触片28及び係合部29は、図10中のP3、S3の状態である。この状態では、筆記部27が突出しており筆記可能である。
筆記部27が丸孔20aから突出している状態で、さらに、操作部材14を再度押圧すると、回転子13は前進するが、中立位置A2側に向かう方向にトルクが発生しており、第1溝部84を越えると、中立位置A2側である操作部材14側から見て時計回りの方向に回転する。そして操作部材14の切り欠き部43と、回転子13のカム突起33が合致し、接触片28は中立位置A2上となり、回転子13の回転が停止する。この状態がP4、S4の状態であり、接触片28及び係合部29は、それぞれ図10、図11中のP3からP4、S3からS4をつないでいる矢印に沿って移動する。
なお、この位置は操作部材14を押し切った状態である。接触片28がP4の位置では、接触片28の斜状部37が、第2横方向ガイド壁87に対向する状態である。
さらに、操作部材14に掛ける力を抜いて除荷すると、回転子13はスプリング12に押されて後端側に移動する。このとき、接触片28の斜状部37が第2横方向ガイド壁87に当接して誘導されることにより、操作部材14側から見て時計回りに回転する。
そして、この第2横方向ガイド壁87による回転子13の回転は、境界位置B2を越えるものである。
上記のように操作部材14を再度押圧した場合に、回転子13は前進して、回転して、後退するので、回転子13の係合部29と、クリップ15の内側突起部53の係合が解ける。
さらに、回転子13が後退すると、接触片28が第3横方向ガイド壁88に誘導されて、回転子13が操作部材14側から見て反時計回りに回転する。このとき、接触片28は斜面部56を通過するが、スリット35によって内側に撓むことができるので、接触片28が内側に移動しながら移動する。本実施形態では、接触片28の表面が斜面部56の傾斜と同方向に傾いているので、スムーズに作動させることができる。
なお、第3横方向ガイド壁88は、クリップ15の内側突起部53に回転子13の係合部29が係合した状態における接触片28の位置P3よりも操作部材14側に設けられている。
そして、接触片28は、壁面83を越える。そうして、接触片28及び係合部29は、図10中のP1、S1の状態であり、原点へ戻る。
また、筆記部27が出ている状態で、クリップ15と軸筒10の間に物を挟むなどにより、クリップ15と軸筒10の間が開くと、内側突起部53との係合部29の係合が解ける。そして、回転子13はスプリング12の付勢力により操作部材14側に移動して、接触片28が第3横方向ガイド壁88に接触して、図10、図11の点線の矢印に示されるような方向に移動し、接触片28及び係合部29は、図10中のP1、S1の状態となり、原点へ戻る。
筆記部27の出没は、上記のように行われるので、操作部材14を押圧すると軸筒10の先端からレフィル11の筆記部27が突出して突出状態を保持し、さらに操作部材10を押圧することで係止が解除されてレフィル11が収納されるダブルノック機構を有しており、また、クリップ15が持ち上げられて、軸筒10とクリップ15の内側突起部53が離れることにより芯を収容する、セーフティー機構を有している。
本実施形態の塗布具1は、上記したようにダブルノック機構とセーフティー機構とが設けられている。この構造は、回転子13の係合部29が、操作部材14の押圧により内側係止部53を避けて前進して、その後に後退して内側係止部53と係合する。また、係合部29と内側係止部53と係合している状態で操作部材14を再押圧することにより前進して回転し、内側係止部53を避けて後退して係合が解かれて原点に戻るものである。
そして、本実施形態の塗布具1では、操作部材14によるノック操作がスムーズである。すなわち、操作部材14の押圧して除荷する前までは接触片28が第1、第2、第3横方向ガイド壁86、87、88に接触することが無く、軸方向に傾斜する第1、第2、第3横方向ガイド壁86、87、88により接触片28の進行方向を変えるのは操作部材14の除荷の際である。そして、第1、第2、第3横方向ガイド壁86、87、88により接触片28の進行方向を変えられる際には、接触により摩擦力が発生するが、操作部材14の押圧時にはこのような摩擦力が発生せず操作がスムーズである。
操作部材14の除荷の際に働く力は、スプリング12による力であり、常にほぼ一定であり、スプリング12の付勢力以上の力は働かないので、どのような人が使用しても確実に操作が可能であり、破損のおそれもほとんどない。
本発明の第1の実施形態における塗布具の正面図である。 本発明の第1の実施形態における塗布具の先端部及び後端部の断面図である。 本発明の第1の実施形態における塗布具の軸筒の正面図、左側面図及び正面断面図である。 本発明の下側軸筒の正面図、側面図、平面図、底面図及び正面断面図である。 本発明の上側軸筒の正面図、側面図、平面図、底面図及び正面断面図である。 本発明の第1の実施形態における塗布具の軸筒の内部に有するリブと窓孔の拡大図である。 回転子の斜視図である。 操作部材の正面図、平面図、側面図、底面図である。 クリップの正面図、側面図、平面図、正面断面図、平面断面図である。 本発明の第1の実施形態における塗布具の軸筒の内側から見て接触片と係合部の動きを表した説明図である。 図10の接触片の動きを拡大して表した図である。
符号の説明
1 塗布具
10 軸筒
11 レフィル(芯部材)
12 スプリング(付勢部材)
13 回転子
14 操作部材
15 クリップ
23 窓孔
27 筆記部(塗布部)
28 接触片
29 係合部
33 カム突起
37 斜状部
43 切り欠き部(当接部)
52 内側係止部
84 第1溝部
86 第1横方向ガイド壁
87 第2横方向ガイド壁
88 第3横方向ガイド壁
A1、A2、A3 中立位置
B1、B2 境界位置

Claims (5)

  1. 軸筒と、先端に塗布部を有して軸筒内部に配置された芯部材と、前記芯部材を後方へ付勢する付勢手段と、軸筒外部に配置されたクリップと、一部が軸筒より突出して軸方向に移動する操作部材と、軸筒の内部であって操作部材と芯部材の間に配された回転子を有し、前記操作部材は回転子を介して前記芯部材と連動可能であり、軸筒には窓孔を有し、回転子には係合部を有し、クリップには前記窓孔に相当する位置に内側係止部を有しており、操作部材を押圧して除荷するとクリップの内側係止部と回転子の係合部が係合することによって塗布部の突出状態を保持し、塗布部が突出状態で操作部材を再押圧して除荷すると内側係止部と回転子の係合が解除されて塗布部が収納され、クリップが持ち上げられると内側係止部と回転子の係合部が離れることにより芯部材が軸筒内に収納されるものであり、操作部材を押圧して塗布部を突出させてさらに再押圧して塗布部を収納する間に、回転子は両方向に同じだけ回転して元の位置に戻る塗布具において、
    回転子には径方向に突出する接触片と、軸方向に対して傾斜成分を有して操作部材側に突出するカム突起とが設けられ、前記接触片は前記軸筒に設けられたガイド壁に沿って移動することにより回転子を誘導することができ、前記カム突起は前記操作部材の当接部に噛み合って回転子が所定の回転位置である中立位置となる方向に回転子にトルクを発生させることができ、前記中立位置は複数設けられて中立位置同士の間にはトルクの回転方向が変化する境界位置を有しており、
    ガイド壁には軸方向に対して傾斜する1又は2カ所以上の横方向ガイド壁が設けられ、前記横方向ガイド壁の少なくとも1カ所はその壁面が塗布部側に向いており、操作部材を押圧の後に除荷して後退させる際に前記横方向ガイド壁によって接触片を誘導して境界位置を越えるように回転子を回転させることが可能であり、さらに再押圧して除荷する際にガイド壁によって回転子を他方の方向に回転させることが可能であることを特徴とする塗布具。
  2. 横方向ガイド壁として第1横方向ガイド壁及び第3横方向ガイド壁が設けられ、さらに第1横方向ガイド壁に隣接する溝部が設けられており、
    塗布部が収納されている状態から操作部材を押圧してさらに除荷する一連の操作において、押圧により接触片が回転子が前進してカム突起によるトルクにより一方の方向に回転して中立位置となって第1横方向ガイド壁の軸上に至り、除荷の際には付勢手段により回転子が後退して接触片が第1横方向ガイド壁により誘導されて一方の方向に回転して境界位置を越えて溝部に至って、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合して塗布部が突出して保持する状態となり、
    塗布部が突出されている状態から操作部材を再押圧してさらに除荷する一連の操作において、再押圧の際に回転子は接触片が前進してカム突起によるトルクにより一方の方向に回転して、除荷の際には付勢手段により回転子が後退して、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合した状態における接触片の位置よりも操作部材側に設けられた第3横方向ガイド壁により回転子を他方の方向に回転させることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 横方向ガイド壁として第1乃至第3横方向ガイド壁が設けられ、第1横方向ガイド壁と第2横方向ガイド壁との間には溝部が設けられており、
    塗布部が突出されている状態から操作部材を再押圧してさらに除荷する一連の操作において、再押圧の際に回転子は接触片が前進してカム突起によるトルクにより一方の方向に回転して中立位置となって第2横方向ガイド壁の軸上に至り、除荷の際には付勢手段により回転子が後退して接触片が第2横方向ガイド壁により誘導されて一方の方向に回転して後退し、クリップの内側係止部に回転子の係合部が係合した状態における接触片の位置よりも操作部材側に設けられた第3横方向ガイド壁により回転子を他方の方向に回転させることを特徴とする請求項2に記載の塗布具。
  4. 接触片の操作部材側の形状は、第1横方向ガイド壁の傾斜に対応した斜状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の塗布具。
  5. 回転子の接触片は、回転子の内側に移動することが可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布具。
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