JP4577145B2 - 自動変速機の潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車輌等に搭載される自動変速機の潤滑装置に係り、詳しくは、軸方向にて複数の異なるギヤに噛合するロングピニオンを回転自在に支持するピニオンシャフトに、軸方向に異なる位置に複数の排出油路を備えた自動変速機の潤滑装置に関する。
従来、例えば車輌等に搭載される自動変速機には、プラネタリギヤを有する変速歯車機構が備えられており、この変速歯車機構における伝達経路を変更することで変速や前後進切換等を可能にしている。このような変速歯車機構のプラネタリギヤは、一般に、サンギヤ、リングギヤ、該サンギヤや該リングギヤに噛合するピニオンを回転自在に支持するキャリヤ等で構成されており、また、これらギヤにおける磨耗や焼きつき等を防止して耐久性を向上するため、これらギヤに潤滑油を供給することによって適宜潤滑を行う潤滑油路(潤滑装置)が設けられている。
ところで、上記プラネタリギヤにおいては、ピニオンがピニオンシャフトに被嵌して回転自在に支持されており、該ピニオンと該ピニオンシャフトとの摺動部分(特にニードルローラ等)を潤滑する必要がある。そこで、ピニオンシャフトの内部に軸方向の油路と、該軸方向の油路より外周側に開口する油路とを穿設し、それら油路を介して潤滑油をピニオンとピニオンシャフトとの間に適宜供給するものが提案されている(特許文献1)。
このものは、該ピニオンないし該ピニオンシャフトにおいては、変速段や駆動源(エンジン等)の回転数によって荷重する位置(以下、「荷重ポイント」という)や荷重の大きさが変化するため、上述した軸方向の油路より外周側に開口する油路をピニオンシャフトの荷重領域と非荷重領域間に(つまり荷重ポイントを狙って)開口させ、ピニオンシャフトに磨耗が発生することを防止している。
特許第2792783号
ところで、上述のような変速歯車機構のプラネタリギヤの中には、例えばラビニヨタイプのように、軸方向にて異なる複数のギヤに噛合するロングピニオンを有するものがあり、このようなロングピニオンを支持するピニオンシャフトは、一般的なシンプルプラネタリギヤに比して、軸方向に長くなってしまう。このように長いピニオンシャフト内に軸方向の油路を設け、該軸方向の油路より例えば中央付近の1箇所に外周側に開口する油路を設けて潤滑油を供給しても、軸方向の端部において潤滑油量が不足する虞がある。そのため、上記ピニオンシャフト内の軸方向の油路より外周側に開口する油路を軸方向の異なる位置に複数穿設することが考えられる。
しかしながら、上記ピニオンシャフト内の軸方向の油路から単に軸方向の異なる位置で外周側に開口する油路を穿設すると、該ピニオンシャフト内の軸方向の油路に潤滑油を供給する側に近い油路と遠い油路とから排出される油量が相異してしまい、結局は長いピニオンシャフトにおける軸方向の位置で潤滑油量が不足する部分が生じてしまう虞がある。
また、上述のような例えばラビニヨタイプのプラネタリギヤは、ロングピニオンの軸方向の異なる位置に例えば2つのサンギヤ(例えば1つはショートピニオンを介して)と1つのリングギヤが噛合するものがあり、変速段や各ギヤに入力される回転数、或いは入力される(伝達する)トルク等に応じて荷重ポイントが大幅に変化してしまうという問題がある。そのため、単に荷重ポイントを狙って油路を開口させることは難しく、軸方向にあって荷重を大きく受ける部分に対しては潤滑油量を多く供給するように構成することが求められる。
更に、上述の荷重ポイントを狙って油路を開口させるものは、ピニオンシャフトの公転軌道の内周側に開口しているため、該ピニオンシャフトを有するキャリヤが高回転となると遠心力により排出される潤滑油量が減少してしまうという問題がある。このようなものは、荷重ポイントがあまり変化せず、荷重ポイント近傍だけ潤滑することが求められるものにあってはよいが、上述のように荷重ポイントが大幅に変化するものにあっては、高回転となると共に潤滑油量が不足することは耐久性の向上の妨げになる虞があった。
そこで本発明は、複数の排出油路をピニオンシャフトの公転軌道の中心からの放射方向に対し、公転方向の前方側又は後方側に傾斜させて穿設し、もって軸方向にて異なる位置にある複数の排出油路から排出される潤滑油量を最適化することが可能な自動変速機の潤滑装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図14参照)、ピニオン(例えばLP)と該ピニオン(例えばLP)を回転自在に支持するピニオンシャフト(PS)とを備えたキャリヤ(CR2)を有するプラネタリギヤ(PU)を備えた自動変速機(10)の潤滑装置(1)において、
前記ピニオンシャフト(PS)の内部に軸方向に穿設された軸方向油路(a6)と、
前記軸方向油路(a6)の一方の端部より潤滑油を供給する供給油路(a5)と、
前記軸方向油路(a6)より前記ピニオンシャフト(PS)の外周側に開口すると共に、軸方向にて異なる位置に1本ずつ穿設された複数の排出油路(a7,a8)と、を備え、
前記複数の排出油路(a7,a8)は、前記ピニオンシャフト(PS)の中心(CT2)の公転軌道(Or)より外周側に向けて穿設されると共に、前記ピニオンシャフト(PS)の中心(CT2)の公転軌道(Or)の中心(CT1)からの放射方向(例えば矢印A)に対し、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における前方側又は後方側に傾斜させて穿設されてなる、
ことを特徴とする自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図1乃至図14参照)、前記複数の排出油路は、前記軸方向にて前記供給油路(a5)に近い手前側排出油路(a7)と、前記軸方向にて該手前側排出油路(a7)よりも前記供給油路(a5)から遠い奥側排出油路(a8)と、からなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図5、図6、図13、及び図14参照)、前記手前側排出油路(a7,a7)は、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における前方側に傾斜されて穿設されてなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1,1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図5、図13、及び図14参照)、前記奥側排出油路(a8)は、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における前方側に傾斜されて穿設されてなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6、図13、及び図14参照)、前記奥側排出油路(a8)は、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における後方側に傾斜されて穿設されてなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項に係る本発明は、前記自動変速機(10)は、前記キャリヤ(CR2)の回転が上昇するにつれて、入力トルク及び遠心力に基づき、前記手前側排出油路(a7,a7)近傍における前記ピニオンシャフト(即ちPSr)の外周側に作用する荷重(FPr)が減少し、かつ前記奥側排出油路(a8,a8)近傍における前記ピニオンシャフト(即ちPSf)の外周側に作用する荷重(FPf)が増加してなる、
ことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか記載の自動変速機の潤滑装置(1,1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図7、図8、図13、及び図14参照)、前記手前側排出油路(a7,a7)は、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における後方側に傾斜されて穿設されてなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1,1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図8、図13、及び図14参照)、前記奥側排出油路(a8)は、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における前方側に傾斜されて穿設されてなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図7、図13、及び図14参照)、前記奥側排出油路(a8)は、前記ピニオンシャフト(PS)の公転回転方向(ω)における後方側に傾斜されて穿設されてなる、
ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項10に係る本発明は(例えば図1乃至図14参照)、前記プラネタリギヤ(PU)は、ラビニヨタイプのプラネタリギヤからなり、
前記複数の異なるギヤは、前記ロングピニオン(LP)に噛合する第1サンギヤ(S2)と、前記第1サンギヤ(S2)と軸方向の異なる位置にて、第2サンギヤ(S3)に噛合すると共に前記ロングピニオン(LP)に噛合するショートピニオン(SP)と、前記第2サンギヤ(S3)の外周側にて前記ロングピニオン(LP)に噛合するリングギヤ(R2)と、であり、
前記ピニオンシャフト(PS)は、前記ロングピニオン(LP)を回転自在に支持してなる、
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
請求項11に係る本発明は、前記自動変速機(10)は、前方から後方に亘って配置される中心軸(12,13)と、該中心軸(12,13)の前方部分を回転自在に支持する隔壁部材(11b,11c)を有するケース(11)と、該隔壁部材(11b)内に配設されたオイルポンプ(15)と、を備え、
前記隔壁部材(11c)は、前記オイルポンプ(15)の排出部に連通されると共に前記中心軸(12)の外周部に開口する隔壁内油路(a0)を有し、
前記中心軸(12)は、前記隔壁内油路(a0)に連通すると共に、該中心軸(12,13)内にて軸方向後方に連通された中心軸内油路(a1,a2,a3,a4)を有し、
前記プラネタリギヤ(PU)は、前記中心軸(12,13)の後方部分の外周側に配設され、
前記供給油路(a5)は、前記キャリヤ(CR2)の後方側の側板(CRr)内に備えられると共に、前記中心軸内油路(a4)に連通し、
前記オイルポンプ(15)で発生した油圧に基づき、該オイルポンプ(15)から、前記隔壁内油路(a0)、前記中心軸内油路(a1,a2,a3,a4)、前記供給油路(a5)を介して前記軸方向油路(a6)に潤滑油を供給してなる、
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか記載の自動変速機の潤滑装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、複数の排出油路をピニオンシャフトの中心の公転軌道より外周側に向けて穿設したので、該ピニオンシャフトを有するキャリヤが高回転となっても、遠心力によって排出される潤滑油量が減少することを防止することができ、常時潤滑油量を確保することができる。これにより、ピニオンとピニオンシャフトとの間で磨耗や焼きつき等が生じることを防ぐことができ、耐久性の向上を図ることができる。また、軸方向にて異なる位置に1本ずつ穿設された複数の排出油路が、ピニオンシャフトの中心の公転軌道の中心からの放射方向に対し、ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側又は後方側に傾斜させて穿設されているので、供給油路から軸方向油路に供給された潤滑油を適宜分配することを可能とすることができる。
請求項に係る本発明によると、複数の排出油路は、軸方向にて供給油路に近い手前側排出油路と、軸方向にて該手前側排出油路よりも供給油路から遠い奥側排出油路とからなるので、ピニオンとピニオンシャフトとの間における軸方向の異なる位置で潤滑油を適宜分配することができる。
請求項に係る本発明によると、手前側排出油路は、ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤが高回転になるにつれて手前側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができ、また、奥側排出油路に供給する潤滑油量を適宜に増加させることも可能にすることができる。
請求項に係る本発明によると、奥側排出油路は、ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤが高回転になるにつれて奥側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができる。
請求項に係る本発明によると、奥側排出油路は、ピニオンシャフトの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤが高回転になるにつれて奥側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に増加させることができる。
請求項に係る本発明によると、自動変速機において、キャリヤの回転が上昇するにつれて、入力トルク及び遠心力に基づき、手前側排出油路近傍におけるピニオンシャフトの外周側に作用する荷重が減少し、かつ奥側排出油路近傍におけるピニオンシャフトの外周側に作用する荷重が増加するが、キャリヤが高回転になるにつれて手前側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができ、かつ奥側排出油路に供給する潤滑油量を適宜に増加させることができるので、本自動変速機の潤滑装置を用いて潤滑を最適化することができる。
請求項に係る本発明によると、手前側排出油路は、ピニオンシャフトの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤが高回転になるにつれて手前側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に増加させることができ、また、奥側排出油路に供給する潤滑油量を適宜に減少させることも可能にすることができる。
請求項に係る本発明によると、奥側排出油路は、ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤが高回転になるにつれて奥側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができる。
請求項に係る本発明によると、奥側排出油路は、ピニオンシャフトの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤが高回転になるにつれて奥側排出油路から排出する潤滑油量を適宜に増加させることができ、上記手前側排出油路から排出する潤滑油量が増加することと相俟って、相対的に手前側排出油路及び奥側排出油路から排出する潤滑油量を均等化することができる。
請求項10に係る本発明によると、プラネタリギヤがラビニヨタイプのプラネタリギヤからなり、複数の異なるギヤが、ロングピニオンに噛合する第1サンギヤと、第1サンギヤと軸方向の異なる位置にて第2サンギヤに噛合すると共にロングピニオンに噛合するショートピニオンと、第2サンギヤの外周側にてロングピニオンに噛合するリングギヤとであり、ピニオンシャフトがロングピニオンを回転自在に支持するので、変速段や駆動源の回転数、並びに駆動源より入力されるトルクに応じて荷重ポイント及びその荷重が大幅に変化するが、排出油路をピニオンシャフトの公転軌道より外周側に向けて穿設することで、常時潤滑油量を確保することができ、ロングピニオンとピニオンシャフトとの間で磨耗や焼きつき等が生じることを防ぐことができて、耐久性の向上を図ることができる。また特に、手前側排出油路及び奥側排出油路を、放射方向に対してピニオンシャフトの公転回転方向における前方側又は後方側に適宜傾斜させて穿設することで、軸方向の異なる位置で潤滑油を適宜分配することができ、荷重ポイント及びその荷重の大幅な変化に対応することができる。
請求項11に係る本発明によると、オイルポンプで発生した油圧に基づき該オイルポンプから、隔壁内油路、中心軸内油路、供給油路を介して軸方向油路に潤滑油を供給するので、軸方向油路に供給される潤滑油量が少ないが、キャリヤが高回転となっても、遠心力によって排出される潤滑油量が減少することを防止することができるので、潤滑油量を確保することを可能とすることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図に沿って説明する。まず、本発明を適用し得る自動変速機の概略構成及び動作を図1及び図2に沿って説明する。
図1に示すように、例えばFRタイプの車輌に用いて最適である自動変速機10は、ケース11内にトルクコンバータ5及び変速機構2を備えており、エンジン(駆動源)からの出力が、自動変速機10の入力軸3に入力され、該トルクコンバータ5を介して変速機構2の入力軸(中心軸)12に入力されている。また、該トルクコンバータ5には、ロックアップクラッチ4が備えられている。
変速機構2には、シンプルプラネタリギヤPRと、2つのプラネタリギヤが連結されるような形であるラビニョタイプのプラネタリギヤユニット(プラネタリギヤ)PUとが備えられている。該シンプルプラネタリギヤSPは、サンギヤS1と、ピニオンP1を介して該サンギヤS1に噛合するキャリヤCR1と、該キャリヤCR1に噛合するリングギヤR1とから構成されており、該シンプルプラネタリSPのリングギヤR1に上記入力軸12が連結されている。また、サンギヤS1は、詳しくは後述する上記ケース11に固定されたボス部材11c及びスリーブ状部材11eに回転不能に固定支持されており、キャリヤCRは、クラッチC−3及びクラッチC−1に連結されている。
一方、上記プラネタリギヤユニットPUは、2つのサンギヤS2(複数の異なるギヤ)及びサンギヤS3と、ロングピニオンLP及びショートピニオンSP(複数の異なるギヤ)を有してサンギヤS2,S3に噛合するキャリヤCR2と、該キャリヤCR2に噛合するリングギヤR2(複数の異なるギヤ)とから構成されている。該サンギヤS2は、上記クラッチC−3に連結されていると共にブレーキB−1に連結されており、該クラッチC−3が係合すると上記キャリヤCR1に連結され、ブレーキB−1によりケース11に対して係止されると回転不能に固定される。また、サンギヤS3は、クラッチC−1に連結されており、該クラッチC−1が係合すると上記キャリヤCR1に連結される。
上記キャリヤCR2は、一端がクラッチC−2に連結されており、該クラッチC−2が係合すると中間軸(中心軸)13を介して入力軸12に連結され、また、他端がワンウェイクラッチF−1に連結されていると共にブレーキB−2に連結されており、該ワンウェイクラッチF−1により一方向の回転が規制されていると共にブレーキB−1によりケース11に対して係止されると回転不能に固定される。そして、上記リングギヤR3は、変速機構2の出力軸14に連結されており、クラッチC−1,C−2,C−3,及びブレーキB−1,B−2の係合状態により前進6速段、後進1速段の回転が該出力軸14に伝達されて、不図示の駆動車輪に出力される。
つづいて、自動変速機10の作動について沿って説明する。図2に示すように、シフトレンジがP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジである場合、クラッチC−1,C−2,C−3及びブレーキB−1,B−2は全て解放状態であり、特にクラッチC−1,C−2,C−3が解放されているので、入力軸12と出力軸14との動力伝達が切断されている状態である。
前進1速段(1st)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−1が係合されると共にワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がリングギヤR1に入力されて、固定されているサンギヤS1によりキャリヤCR1から減速回転が出力され、クラッチC−1を介してサンギヤS3に該減速回転が入力される。そして、サンギヤS3の減速回転が、ワンウェイクラッチF−1により一方向の回転が規制されているキャリヤCR2を介して更に減速されてリングギヤR3に入力され、1速段の減速回転として出力軸14に伝達される。なお、エンジンブレーキ時には、上記ワンウェイクラッチF−1に代わってブレーキB−2が係合され、キャリヤCR2の回転が固定される。
前進2速段(2nd)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−1及びブレーキB−1が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がリングギヤR1に入力されて、固定されているサンギヤS1によりキャリヤCR1から減速回転が出力され、クラッチC−1を介してサンギヤS3に該減速回転が入力される。一方、ブレーキB−1によりサンギヤS2の回転がケース11に対して固定される。そして、固定されたサンギヤS2とサンギヤS3の減速回転によりキャリヤCR2が減速回転し、該サンギヤS3の減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR3に出力され、2速段の減速回転として出力軸14に伝達される。
前進3速段(3rd)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がリングギヤR1に入力されて、固定されているサンギヤS1によりキャリヤCR1から減速回転が出力され、クラッチC−1を介してサンギヤS3に該減速回転が入力され、更に、クラッチC−3を介してサンギヤS2にも同じ減速回転が入力される。そして、サンギヤS2及びサンギヤS3の減速回転によりキャリヤCR2及びリングギヤR3が同じ減速回転となって該リングギヤR3より出力され、3速段の減速回転として出力軸14に伝達される。
前進4速段(4th)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がリングギヤR1に入力されて、固定されているサンギヤS1によりキャリヤCR1から減速回転が出力され、クラッチC−1を介してサンギヤS3に該減速回転が入力される。一方、クラッチC−2を介してキャリヤCR2にも入力軸12の回転が入力される。そして、サンギヤS3の減速回転とキャリヤCR2の入力軸12の回転とにより、僅かに減速される減速回転としてリングギヤR3に出力され、4速段の減速回転として出力軸14に伝達される。
前進5速段(5th)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がリングギヤR1に入力されて、固定されているサンギヤS1によりキャリヤCR1から減速回転が出力され、クラッチC−3を介してサンギヤS2に該減速回転が入力される。一方、クラッチC−2を介してキャリヤCR2にも入力軸12の回転が入力される。そして、サンギヤS2の減速回転とキャリヤCR2の入力軸12の回転とにより、僅かに増速される増速回転としてリングギヤR3に出力され、5速段の増速回転として出力軸14に伝達される。
前進6速段(6th)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−2及びブレーキB−1が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がクラッチC−2を介してキャリヤCR2に入力される。一方、ブレーキB−1によりサンギヤS2の回転がケース11に対して固定される。そして、固定されたサンギヤS2とキャリヤCR2の入力軸12の回転とにより増速回転としてリングギヤR3に出力され、6速段の増速回転として出力軸14に伝達される。
後進1速段(R)の状態においては、図2に示すように、不図示の油圧制御装置によりクラッチC−3及びブレーキB−2が係合される。すると、図1に示すように、入力軸12の回転がリングギヤR1に入力されて、固定されているサンギヤS1によりキャリヤCR1から減速回転が出力され、クラッチC−3を介してサンギヤS2に該減速回転が入力される。一方、ブレーキB−2によりキャリヤCR2の回転がケース11に対して固定される。そして、固定されたキャリヤCR2によりサンギヤS2の減速回転が逆転回転としてリングギヤR3に出力され、後進1速段の逆転回転として出力軸14に伝達される。
ついで、自動変速機の潤滑装置1について図3に沿って説明する。
図3に示すように、自動変速機10は、変速機構2を内包するミッションケース11aを備えており、該ミッションケース11aの前方側(図中左方)には、変速機構2と上記トルクコンバータ5との間を隔離する隔壁部材11bが固着されて備えられている。該隔壁部材11b内には、上記自動変速機10としての入力軸3に連動するオイルポンプ15が配設されており、該オイルポンプ15を閉塞する形で該隔壁部材11bに固着されたボス部材11cが備えられている。更に、該ボス部材11cの内周側には、上記トルクコンバータ5のステータを固定するためのスリーブ状部材11eが固着されており、該スリーブ状部材11eの後端外周部分には、上記サンギヤS1の歯面が形成されている。一方、ミッションケース11aの後方側(図中右方)には、不図示のエクステンションケースとの間を隔離する隔壁部材11dが一体的に固着されて備えられており、これらミッションケース11a、隔壁部材11b、ボス部材11c、及び隔壁部材11dが一体的に構成され、自動変速機10のケース11を構成している。
上記スリーブ状部材11eの内周側には、入力軸12が該スリーブ状部材11eに被嵌されて回転自在に支持されており、該入力軸12の後端には、該入力軸12に対して回転自在に支持される中間軸13が備えられている。該中間軸13の更に後端側は、出力軸14が被嵌しており、該出力軸14が上記隔壁部材11dに回転自在に支持されている。これにより、入力軸12、中間軸13、出力軸14は、同軸上において、ケース11に対してそれぞれ回転自在に支持されている。
上記中間軸13の外周側には、本発明の要部となるプラネタリギヤユニットPUが配設されている。該プラネタリギヤユニットPUは、上述したようにサンギヤS2、サンギヤS3、ロングピニオンLP及びショートピニオンSPを有するキャリヤCR2、リングギヤR2を備えて構成されている。
詳細には、中間軸13の外周側に回転自在に被嵌されたスリーブ16が備えられており、該スリーブ16の後端外周部分にサンギヤS3として歯面が形成されている。また、該スリーブ16の更に外周側に回転自在に被嵌されたスリーブ17が備えられており、該スリーブ17の後端外周部分にサンギヤS2として歯面が形成されている。更に該スリーブ17の外周側には、キャリヤCR2の前側の側板である前キャリヤプレートCRfが被嵌されて備えられている。
一方、上記中間軸13の外周側にあって、スリーブ16のサンギヤS3より後方側には、キャリヤCR2の後側の側板である後キャリヤプレートCRrが被嵌されて備えられている。これら前キャリヤプレートCRf及び後キャリヤプレートCRrには、軸方向に円柱状のピニオンシャフトPSが固着されて備えられており、該ピニオンシャフトPSの外周側には、ロングピニオンLPが、前方側のニードルベアリングbf及び後方側のニードルベアリングbrを介して回転自在に支持されて備えられている。そして、該ロングピニオンLPは、前側の略々半分がサンギヤS2に噛合していると共に、後側の略々半分が図示を省略したショートピニオンSPとリングギヤR2とに噛合している。
続いて、自動変速機の潤滑装置1を構成する潤滑油路について説明する。上記スリーブ部材11eの外周側には、ボス部材11cにより閉塞されることで油路a0が形成されており、該油路a0は、オイルポンプ15の排出口に連通して、該オイルポンプ15の発生圧を元圧とした潤滑油が供給されている。該油路a0は、シールリングc1,c2によりスリーブ状部材11eと入力軸12との間がシールされて入力軸12内の油路a1に連通しており、該油路a1は、該入力軸12内において軸方向に穿設された油路a2に連通している。
該油路a2の軸方向後端側は、中間軸13に向けて開口しており、入力軸12と中間軸13との間がシールリングc3にシールされて、該油路a2と中間軸13内に軸方向に穿設された油路a3とが連通している。該油路a3には、上記後キャリヤプレートCRrに対応する位置に放射方向に向けて穿設された油路a4が連通しており、該油路a4は、該後キャリヤプレートCRr内に穿設され、後述の軸方向油路a6の一端(一方の端部)に接続された供給油路a5に連通されている。
なお、上記中間軸13内の軸方向の油路a3からは、出力軸14に向けて開口する油路a10や、それぞれ外周部分に開口する油路a11,a12,a13,a14,a15,a16,a17,a18,a19等が穿設されており、また、スリーブ16及びスリーブ17には、油路a20,a21,a22,a23,a25,a26等が穿設されて、出力軸14との摺動部分やプラネタリギヤユニットPUの各摺動部分等に潤滑油を供給して潤滑することが可能に構成されている。
また、上記入力軸12内の軸方向の油路a2からは、外周部分に開口する油路a34,a35,a36等が穿設されており、図3中では図示を省略したプラネタリギヤPRの各摺動部分等に潤滑油を供給して潤滑することが可能に構成されている。更に、上記スリーブ状部材11eに形成された油路a0からは、外周部分に開口する油路a31,a332,a33等が穿設されて、図3中では図示を省略したプラネタリギヤPRの各摺動部分等に潤滑油を供給して潤滑することが可能に構成されている。
なお、上記供給油路a5まで潤滑油を供給する油路は、上述した油路の経路に限らず、例えば不図示の油圧制御装置を介して出力軸側から供給する油路の経路であってもよく、供給油路a5まで潤滑油が供給されるものであれば、どのようなものであってもよい。
上記ピニオンシャフトPS内には、図4(a)及び(b)に示すように、該ピニオンシャフトPSの中心CT2に軸方向に穿設された軸方向油路a6を備えており、該軸方向油路a6の後側端部の開口部分が上記供給油路a5に連通して、供給油路a5に供給されてきた潤滑油が該軸方向油路a6に供給される。そして、該軸方向油路a6からは、上記キャリヤCR2の公転回転に伴って、中間軸13(即ち中心軸)の中心CT1上を公転回転するピニオンシャフトPSの中心CT2の公転軌道Orより外周側に向けて開口された2つの排出油路a7,a8が穿設されている。
この2つの排出油路は、ロングピニオンLPがリングギヤR2及びショートピニオンSPに噛合する位置に軸方向において対応するピニオンシャフト後側部分PSrに穿設された油路a7と、ロングピニオンLPがサンギヤS2に噛合する位置に軸方向において対応するピニオンシャフト前側部分PSfに穿設された油路a8とからなる。該油路a7は、軸方向において上記供給油路a5に近く、供給されてくる潤滑油を手前側で排出し、また、該油路a8は、軸方向にて該油路a7よりも供給油路a5から遠く、供給されてくる潤滑油を手前側で排出する。このため、本明細書中において、該油路a7を「手前側排出油路」、該油路a8を「奥側排出油路」とする。
つづいて、手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8の傾斜方向について図5乃至図10に沿って説明する。なお、図5乃至図8に示す自動変速機の潤滑装置1,1,1,1は、本発明に係る実施例であり、図9及び図10に示す自動変速機の潤滑装置101,101は、本発明の効果を比較するための参考例である。
図5(a)に示すように、自動変速機の潤滑装置1において、ピニオンシャフトPSは、大まかにピニオンシャフト前側部分PSf、ピニオンシャフト中央部分PSc、ピニオンシャフト後側部分PSrで構成されており、ピニオンシャフト後側部分PSrに手前側排出油路a7とピニオンシャフト前側部分PSfに奥側排出油路a8とが穿設されている。該手前側排出油路a7は、上述の後方側のニードルベアリングbrの略々中央に開口され、また、該奥側排出油路a8は、上述の前方側のニードルベアリングbfの略々中央に開口されている。
図5(b)に示すように、ピニオンシャフト前側部分PSfにおいて、奥側排出油路a8は、中間軸13の中心、即ちピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1(図4参照)より放射方向(図4(b)中矢印A方向)に対して、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して穿設されている。また、図5(c)に示すように、ピニオンシャフト中央部分PScには、排出油路が設けられていない。そして、図5(d)に示すように、ピニオンシャフト後側部分PSrにおいて、手前側排出油路a7も同様に、中間軸13の中心、即ちピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT2(図4参照)より放射方向(図4(b)中矢印A方向)に対して、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して穿設されている。
また、図6(a)に示す自動変速機の潤滑装置1においては、図6(b)に示すように、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向(矢印A方向)に対して(図4参照)、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して穿設されており、また、図6(d)に示すように、手前側排出油路a7は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向(矢印A方向)に対して(図4参照)、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して穿設されている。なお、図6(c)に示すように、ピニオンシャフト中央部分PScには、同様に排出油路が設けられていない。
更に、図7(a)に示す自動変速機の潤滑装置1においては、図7(b)に示すように、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向(矢印A方向)に対して(図4参照)、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して穿設されており、また、図7(d)に示すように、手前側排出油路a7は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向(矢印A方向)に対して(図4参照)、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して穿設されている。なお、図7(c)に示すように、ピニオンシャフト中央部分PScには、同様に排出油路が設けられていない。
そして、図8(a)に示す自動変速機の潤滑装置1においては、図8(b)に示すように、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向(矢印A方向)に対して(図4参照)、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して穿設されており、また、図8(d)に示すように、手前側排出油路a7は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向(矢印A方向)に対して(図4参照)、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して穿設されている。なお、図8(c)に示すように、ピニオンシャフト中央部分PScには、同様に排出油路が設けられていない。
なお、図9(a)に示す参考例としての自動変速機の潤滑装置101においては、図9(b)に示すように、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心CT1より放射方向に対して、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して穿設されているが、図9(d)に示すように、手前側排出油路a7は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orより内周側に向けて穿設されており、特に公転軌道Orの最後尾の位置より公転回転方向ωの更に後方側に傾斜して穿設されている。なお、図9(c)に示すように、ピニオンシャフト中央部分PScには、同様に排出油路が設けられていない。
また、図10(a)に示す参考例としての自動変速機の潤滑装置101においては、図10(b)に示すように、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orの中心より放射方向に対して、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して穿設されているが、図10(d)に示すように、手前側排出油路a7は、ピニオンシャフトPSの公転軌道Orより内周側に向けて穿設されており、同様に公転軌道の最後尾の位置より公転回転方向ωの更に後方側に傾斜して穿設されている。なお、図10(c)に示すように、ピニオンシャフト中央部分PScには、同様に排出油路が設けられていない。
ところで、図5乃至図8(b)に示すように、上記ピニオンシャフト前側部分PSfの外周側には、変速段や回転数、並びにエンジンから入力されるトルク(以下、単に「入力トルク」という)に応じて、図中複数の矢印で示す荷重FPfが荷重ポイント(作用する位置)が変化する形で作用する。また、図5乃至図8(d)に示すように、上記ピニオンシャフト後側部分PSrの外周側にも、変速段や回転数、並びに入力トルクに応じて、図中複数の矢印で示す荷重FPrが荷重ポイント(作用する位置)が変化する形で作用する。
ここで、荷重FP及びその荷重ポイントについて図11及び図12に沿って簡単に説明する。
図12(a)に示すように、ピニオンシャフトPSの外周側には、ロングピニオンLPよりニードルベアリングbf,brに作用する荷重FPが該ニードルベアリングbf,brを介して作用する。この荷重FPは、入力トルクに基づき生じる接線力F、ロングピニオンLP及び該ロングピニオンLPに噛合するギヤのヘリカル歯面に基づき生じるスラスト力T、各変速段における伝達経路に基づき生じるセパレート力S、該ロングピニオンLP自体の遠心力V’、によって発生する。
即ち、図12(b)に示すように、ピニオンシャフト前側部分PSfの外周側に作用する荷重FPfは、サンギヤS2によってロングピニオンLPの前側部分に作用する接線力F、スラスト力T、及びセパレート力Sと、上記ロングピニオンLP自体の遠心力V’とが合成されて作用することになる。また、ピニオンシャフト後側部分PSrの外周側に作用する荷重FPrは、リングギヤR2によってロングピニオンLPの後側部分に作用する接線力F、スラスト力T、及びセパレート力Sと、上記ロングピニオンLP自体の遠心力V’とが合成されて作用することになる。
これを図11に示すように、前進1速段におけるエンジン回転数Ne1の際、エンジン回転数Ne2の際、前進5速段におけるエンジン回転数Ne1の際、エンジン回転数Ne2の際(但し、Ne1<Ne2)、のそれぞれにおいて、ピニオンシャフト前側部分PSfの外周側に作用する荷重FPfと、ピニオンシャフト後側部分PSrの外周側に作用する荷重FPrとで見てみる。
すると、前進1速段であってエンジン回転数Ne1の状態では、ピニオンシャフト前側部分PSfには、図中真下よりやや左側において荷重ポイントがあり、例えばX1[Nm]の荷重FPfが作用しており、ピニオンシャフト後側部分PSrには、図中右側よりやや下方において荷重ポイントがあり、例えばX2[Nm](但し、X1<X2)の荷重FPrが作用している。
また、前進1速段であってエンジン回転数Ne2の状態では、ピニオンシャフト前側部分PSfには、同様に図中真下よりやや左側において荷重ポイントがあり、例えば同様のX1[Nm]の荷重FPfが作用しており、ピニオンシャフト後側部分PSrには、図中右側よりやや下方側において荷重ポイントがあり、例えば同様のX2[Nm](但し、X1<X2)の荷重FPrが作用している。なお、本実施の形態における自動変速機10にあって前進1速段においては、キャリヤCR2の回転は、ワンウィクラッチF−1又はブレーキB−2により停止されている。
一方、前進5速段であってエンジン回転数Ne1の状態では、ピニオンシャフト前側部分PSfには、図中左下側において荷重ポイントがあり、例えばX3[Nm]の荷重FPfが作用しており、ピニオンシャフト後側部分PSrには、図中右下側において荷重ポイントがあり、例えばX4[Nm](但し、X3>X4)の荷重FPrが作用している。
そして、前進5速段であってエンジン回転数Ne2の状態では、ピニオンシャフト前側部分PSfには、図中左側のやや下方側において荷重ポイントがあり、例えばX3よりも大きなX5[Nm]の荷重FPfが作用しており、ピニオンシャフト後側部分PSrには、図中真下よりやや左側において荷重ポイントがあり、例えばX4よりも小さなX6[Nm](但し、X5>X6)の荷重FPrが作用している。
このように、本自動変速機10におけるプラネタリギヤユニットPUにあっては、変速段やエンジン回転数に応じて荷重ポイントが変化すると共に、高速段で高回転となる程、つまりピニオンシャフトPSの回転数が高回転となる程、ピニオンシャフト前側部分PSfの荷重ポイントにおける荷重FPfの大きさが増加するのに対し、ピニオンシャフト後側部分PSrの荷重ポイントにおける荷重FPrの大きさが減少することが分かる。
つづいて、上記手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8の穿設方向の違いによって生じる排出流量の違いについて図13及び図14に沿って説明する。
図13に示すように、参考例である自動変速機の潤滑装置101,101においては、上述したように手前側排出油路a7,a7がピニオンシャフトPSの公転軌道Orより内周側に向けて開口しているため、ピニオンシャフト回転数が上昇すると遠心力の影響を受け、該手前側排出油路a7,a7から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って直ぐに大幅に減少してしまう。また、該手前側排出油路a7,a7から排出される潤滑油の流量が減少することに伴って、奥側排出油路a8,a8から排出される潤滑油の流量は、回転数の上昇に伴って直ぐに大幅に増加してしまう。
しかしながら、本発明に係る自動変速機の潤滑装置1,1,1,1においては、上述したように手前側排出油路a7,a7,a7,a7がピニオンシャフトPSの公転軌道Orより外周側に向けて開口しているため、ピニオンシャフト回転数が上昇しても遠心力の影響を受けることがない。それにより、該手前側排出油路a7,a7,a7,a7から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って大幅に減少することを防ぐことができ、ピニオンシャフト後側部分PSrとロングピニオンLPとの間(即ちニードルベアリングbrの部分)において適宜な潤滑油量を確保することができる。
また、該手前側排出油路a7,a7,a7,a7から排出される潤滑油の流量がピニオンシャフト回転数の上昇に伴って大幅に減少することがないので、上記奥側排出油路a8,a8,a8,a8から排出される潤滑油の流量がピニオンシャフト回転数の上昇に伴って大幅に増加することを防ぐことができ、ピニオンシャフト前側部分PSfとロングピニオンLPとの間(即ちニードルベアリングbfの部分)において適宜な潤滑油量を確保することができる。
ところで、上述したように自動変速機10においては、例えば前進1速段においてキャリヤCR2の回転が停止しており、かつピニオンシャフト後側部分PSrに対して大きな荷重FPrが生じる。一方、該自動変速機10においては、例えば前進5速段においてキャリヤCR2の回転がエンジン回転数に伴って上昇すると、ピニオンシャフト後側部分PSrに対して生じる荷重FPrが減少していくと共に、ピニオンシャフト前側部分PSfに対して生じる荷重FPfが増加していく。
即ち、本自動変速機10においては、ピニオンシャフト回転数が上昇する状態で、ピニオンシャフト後側部分PSrとロングピニオンLPとの間における潤滑油の流量が僅かに減少しても足り、かつピニオンシャフト前側部分PSfとロングピニオンLPとの間における潤滑油の流量が僅かに増加することが好ましい。
このため、本発明に係る自動変速機の潤滑装置1においては(図5参照)、上述のように手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8がピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して開口しており、ピニオンシャフト回転数の上昇に伴い、該手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8内の潤滑油に僅かに公転回転の慣性力が排出する方向と逆方向に生じるように構成されている。
これにより、図14に示すように、手前側排出油路a7から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って僅かに減少し、それに伴って奥側排出油路a8から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って僅かに増加する。つまり自動変速機の潤滑装置1は、本自動変速機10のように、例えばピニオンシャフト回転数が高くなるにつれてピニオンシャフト後側部分PSrの荷重FPrが小さくなり、かつピニオンシャフト回転数が高くなるにつれてピニオンシャフト前側部分PSfの荷重FPfの大きさが大きくなるようなものに用いて最適なものである。
また、本発明に係る自動変速機の潤滑装置1においては(図6参照)、上述のように手前側排出油路a7がピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して開口し、かつ奥側排出油路a8がピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して開口しており、ピニオンシャフト回転数の上昇に伴い、特に手前側排出油路a7内の潤滑油に僅かに公転回転の慣性力が排出する方向と逆方向に生じるように構成されている。
これにより、図14に示すように、手前側排出油路a7から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って僅かに減少し、それに伴って奥側排出油路a8から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って僅かに増加する。つまり自動変速機の潤滑装置1にあっても、本自動変速機10のように、例えばピニオンシャフト回転数が高くなるにつれてピニオンシャフト後側部分PSrの荷重FPrが小さくなり、かつピニオンシャフト回転数が高くなるにつれてピニオンシャフト前側部分PSfの荷重FPfの大きさが大きくなるようなものに用いて好適なものである。
一方、本発明に係る自動変速機の潤滑装置1においては(図7参照)、上述のように手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8がピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して開口しており、ピニオンシャフト回転数の上昇に伴い、該手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8内の潤滑油に僅かに公転回転の慣性力が排出する方向に生じるように構成されている。
これにより、図14に示すように、手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って微量に増減するが、略々一定の流量となる。つまり自動変速機の潤滑装置1は、例えばピニオンシャフト回転数によって、ピニオンシャフト後側部分PSrの荷重FPr、及びピニオンシャフト前側部分PSfの荷重FPfの大きさがあまり変化しない自動変速機に用いて好適なものである。
そして、本発明に係る自動変速機の潤滑装置1においては(図8参照)、上述のように手前側排出油路a7がピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの後方側に傾斜して開口し、かつ奥側排出油路a8がピニオンシャフトPSの公転回転方向ωの前方側に傾斜して開口しており、ピニオンシャフト回転数の上昇に伴い、特に手前側排出油路a7内の潤滑油に僅かに公転回転の慣性力が排出する方向に生じ、奥側排出油路a8内の潤滑油に僅かに公転回転の慣性力が排出する方向と逆方向に生じるように構成されている。
これにより、図14に示すように、手前側排出油路a7から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って僅かに増加し、それに伴って奥側排出油路a8から排出される潤滑油の流量が回転数の上昇に伴って僅かに減少する。つまり自動変速機の潤滑装置1にあっては、例えばピニオンシャフト回転数が高くなるにつれてピニオンシャフト後側部分PSrの荷重FPrが大きくなり、かつピニオンシャフト回転数が高くなるにつれてピニオンシャフト前側部分PSfの荷重FPfの大きさが小さくなるような自動変速機に用いて好適なものである。
以上のように本発明に係る自動変速機の潤滑装置1によると、手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8をピニオンシャフトPSの中心CT2の公転軌道ORより外周側に向けて穿設したので、該ピニオンシャフトPSを有するキャリヤCR2が高回転となっても、遠心力によって排出される潤滑油量が減少することを防止することができ、常時潤滑油量を確保することができる。これにより、ロングピニオンLPとピニオンシャフトPSとの間で磨耗や焼きつき等が生じることを防ぐことができ、耐久性の向上を図ることができる。
また、手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8が、ピニオンシャフトPSの中心CT2の公転軌道Orの中心CT1からの放射方向(矢印A方向)に対し、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωにおける前方側又は後方側に傾斜させて穿設されているので、供給油路a5から軸方向油路a6に供給された潤滑油を適宜分配することを可能とすることができる。
特に軸方向にて供給油路a5に近い手前側排出油路a7と、軸方向にて該手前側排出油路a7よりも供給油路a5から遠い奥側排出油路a8とから構成されるので、ロングピニオンLPとピニオンシャフトPSとの間における軸方向の異なる位置で潤滑油を適宜分配することが可能とされる。
また、手前側排出油路a7,a7は、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωにおける前方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤCR2が高回転になるにつれて手前側排出油路a7,a7から排出する潤滑油量を公転回転の慣性力によって適宜に減少させることができ、また、奥側排出油路a8,a8に供給する潤滑油量を適宜に増加させることを可能にすることができる。特に奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωにおける前方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤCR2が高回転になるにつれて奥側排出油路a8から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができる。また特に、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤCR2が高回転になるにつれて奥側排出油路a8から排出する潤滑油量を適宜に増加させることができる。
これにより、自動変速機10において、キャリヤCR2の回転が上昇するにつれて、手前側排出油路a7近傍におけるピニオンシャフトPSの外周側に作用する荷重FPrが減少し、かつ奥側排出油路a8近傍におけるピニオンシャフトPSの外周側に作用する荷重FPfが増加するが、キャリヤCR2が高回転になるにつれて手前側排出油路a7から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができ、かつ奥側排出油路a8に供給する潤滑油量を適宜に増加させることができるので、本自動変速機の潤滑装置1,又は1を用いて潤滑を最適化することができる。
また、手前側排出油路a7,a7は、ピニオンシャフトPSの公転回転方向ωにおける後方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤCR2が高回転になるにつれて手前側排出油路a7,a7から排出する潤滑油量を適宜に増加させることができ、また、奥側排出油路a8,a8に供給する潤滑油量を適宜に減少させることも可能にすることができる。特に、奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤCR2が高回転になるにつれて奥側排出油路a8から排出する潤滑油量を適宜に減少させることができる。また特に奥側排出油路a8は、ピニオンシャフトPSの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されているので、キャリヤCR2が高回転になるにつれて奥側排出油路a8から排出する潤滑油量も適宜に増加させることができ、相対的に手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8から排出する潤滑油量を均等化することができる。
また、ラビニヨタイプのプラネタリギヤユニットPUであって、ロングピニオンLPに噛合するサンギヤS2と、サンギヤS2と軸方向の異なる位置にてサンギヤS3に噛合すると共にロングピニオンLPに噛合するショートピニオンSPと、サンギヤS3の外周側にてロングピニオンLPに噛合するリングギヤR2とで構成されるので、変速段や駆動源の回転数、並びに入力トルクに応じて荷重ポイント及びその荷重FPが大幅に変化するが、手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8をピニオンシャフトPSの公転軌道より外周側に向けて穿設することで、常時潤滑油量を確保することができ、ロングピニオンLPとピニオンシャフトPSとの間で磨耗や焼きつき等が生じることを防ぐことができて、耐久性の向上を図ることができる。そして上述のように、手前側排出油路a7及び奥側排出油路a8を、放射方向に対してピニオンシャフトPSの公転回転方向ωにおける前方側又は後方側に適宜傾斜させて穿設することで、軸方向の異なる位置、即ちピニオンシャフト前側部分PSf及びピニオンシャフト後側部分PSrとロングピニオンLPとの間で潤滑油を適宜分配することができ、荷重ポイント及びその荷重FPf,FPrの大幅な変化に対応することができる。
また特に、オイルポンプ15で発生した油圧に基づき該オイルポンプ15から、隔壁11c,11e内の油路a0、中心軸12,13内の油路a1,a2,a3,a4、供給油路a5を介して軸方向油路a6に潤滑油を供給するので、軸方向油路a6に供給される潤滑油量が少ないが、キャリヤCR2が高回転となっても、遠心力によって排出される潤滑油量が減少することを防止することができるので、潤滑油量を確保することを可能とすることができる。
なお、以上説明した本実施の形態において、例えばFRタイプの車輌に用いて最適な、前進6速段及び後進1速段を達成する自動変速機10における、特にラビニヨタイプのプラネタリギヤユニットPUのロングピニオンLP及びそのピニオンシャフトPSの部分に本発明を適用した場合を説明したが、勿論、ピニオンシャフトに複数の排出油路を備えているものであれば、自動変速機はどのようなものであっても、またどのようなピニオンシャフトであっても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態において説明した排出油路は、手前側排出油路a7と奥側排出油路a8との2つの油路だけのものであったが、3つ以上の排出油路を備えたものであってもよい。また特に3つ以上の排出油路を備えたものにあっても、それら排出油路をピニオンシャフトの公転回転方向の前方側又は後方側に適宜傾斜させることで、各排出油路から排出される潤滑油の流量を調整し得ることはいうまでもない。
更に、本実施の形態において説明した排出油路は、単純にピニオンシャフトの公転回転方向の前方側又は後方側に傾斜させたものであったが、ピニオンシャフトの公転軌道の外周側に向けて開口する範囲内であれば、その角度を自在に設定することで、各排出油路から排出される潤滑油の流量を調整することが可能であることはいうまでもない。また特にピニオンシャフトの公転回転方向の前方側又は後方側に傾斜してない、つまりピニオンシャフトの公転軌道の中心から放射方向に穿設されて開口した排出油路であっても、複数の排出油路がピニオンシャフトの公転軌道より外周側に向けて開口するものであれば、本発明の特許請求の範囲内である。
本発明を適用し得る自動変速機のスケルトン図。 自動変速機の係合表。 本発明を適用し得る自動変速機の一部省略断面図。 ピニオンシャフトの部分を詳示する図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフトと公転軌道との関係を示す図。 本発明に係る潤滑装置1を示す図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフト前側部分の断面図、(c)はピニオンシャフト中央部分の断面図、(d)はピニオンシャフト後側部分の断面図。 本発明に係る潤滑装置1を示す図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフト前側部分の断面図、(c)はピニオンシャフト中央部分の断面図、(d)はピニオンシャフト後側部分の断面図。 本発明に係る潤滑装置1を示す図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフト前側部分の断面図、(c)はピニオンシャフト中央部分の断面図、(d)はピニオンシャフト後側部分の断面図。 本発明に係る潤滑装置1を示す図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフト前側部分の断面図、(c)はピニオンシャフト中央部分の断面図、(d)はピニオンシャフト後側部分の断面図。 参考例である潤滑装置101を示す図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフト前側部分の断面図、(c)はピニオンシャフト中央部分の断面図、(d)はピニオンシャフト後側部分の断面図。 参考例である潤滑装置101を示す図で、(a)はキャリヤの断面図、(b)はピニオンシャフト前側部分の断面図、(c)はピニオンシャフト中央部分の断面図、(d)はピニオンシャフト後側部分の断面図。 変速段と回転数との関係に基づく荷重ポイント及びその荷重を示す説明図。 荷重ポイントの荷重として作用する力関係を示す説明図。 ピニオンシャフトの回転数と排出油路から排出される流量との関係を示す図。 図13における流量のスケールを拡大した図。
符号の説明
1 自動変速機の潤滑装置
10 自動変速機
CR2 キャリヤ
LP ロングピニオン
PS ピニオンシャフト
PU プラネタリギヤ(プラネタリギヤユニット)
S2 複数の異なるギヤ、第1サンギヤ
S3 第2サンギヤ
SP 複数の異なるギヤ、ショートピニオン
R2 複数の異なるギヤ、リングギヤ
a6 軸方向油路
a5 供給油路
a7 排出油路、手前側排出油路
a8 排出油路、奥側排出油路
ω 公転回転方向

Claims (11)

  1. ピニオンと該ピニオンを回転自在に支持するピニオンシャフトとを備えたキャリヤを有するプラネタリギヤを備えた自動変速機の潤滑装置において、
    前記ピニオンシャフトの内部に軸方向に穿設された軸方向油路と、
    前記軸方向油路の一方の端部より潤滑油を供給する供給油路と、
    前記軸方向油路より前記ピニオンシャフトの外周側に開口すると共に、軸方向にて異なる位置に1本ずつ穿設された複数の排出油路と、を備え、
    前記複数の排出油路は、前記ピニオンシャフトの中心の公転軌道より外周側に向けて穿設されると共に、前記ピニオンシャフトの中心の公転軌道の中心からの放射方向に対し、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側又は後方側に傾斜させて穿設されてなる、
    ことを特徴とする自動変速機の潤滑装置。
  2. 前記複数の排出油路は、前記軸方向にて前記供給油路に近い手前側排出油路と、前記軸方向にて該手前側排出油路よりも前記供給油路から遠い奥側排出油路と、からなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  3. 前記手前側排出油路は、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  4. 前記奥側排出油路は、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  5. 前記奥側排出油路は、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  6. 前記自動変速機は、前記キャリヤの回転が上昇するにつれて、入力トルク及び遠心力に基づき、前記手前側排出油路近傍における前記ピニオンシャフトの外周側に作用する荷重が減少し、かつ前記奥側排出油路近傍における前記ピニオンシャフトの外周側に作用する荷重が増加してなる、
    ことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか記載の自動変速機の潤滑装置。
  7. 前記手前側排出油路は、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  8. 前記奥側排出油路は、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における前方側に傾斜されて穿設されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  9. 前記奥側排出油路は、前記ピニオンシャフトの公転回転方向における後方側に傾斜されて穿設されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の自動変速機の潤滑装置。
  10. 前記プラネタリギヤは、ラビニヨタイプのプラネタリギヤからなり、
    前記複数の異なるギヤは、前記ロングピニオンに噛合する第1サンギヤと、前記第1サンギヤと軸方向の異なる位置にて、第2サンギヤに噛合すると共に前記ロングピニオンに噛合するショートピニオンと、前記第2サンギヤの外周側にて前記ロングピニオンに噛合するリングギヤと、であり、
    前記ピニオンシャフトは、前記ロングピニオンを回転自在に支持してなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の自動変速機の潤滑装置。
  11. 前記自動変速機は、前方から後方に亘って配置される中心軸と、該中心軸の前方部分を回転自在に支持する隔壁部材を有するケースと、該隔壁部材内に配設されたオイルポンプと、を備え、
    前記隔壁部材は、前記オイルポンプの排出部に連通されると共に前記中心軸の外周部に開口する隔壁内油路を有し、
    前記中心軸は、前記隔壁内油路に連通すると共に、該中心軸内にて軸方向後方に連通された中心軸内油路を有し、
    前記プラネタリギヤは、前記中心軸の後方部分の外周側に配設され、
    前記供給油路は、前記キャリヤの後方側の側板内に備えられると共に、前記中心軸内油路に連通し、
    前記オイルポンプで発生した油圧に基づき、該オイルポンプから、前記隔壁内油路、前記中心軸内油路、前記供給油路を介して前記軸方向油路に潤滑油を供給してなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか記載の自動変速機の潤滑装置。
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