JP4161445B2 - 自動変速機 - Google Patents

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  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に縦置式に搭載される自動変速機に関し、特に、そのギヤトレインにおける各変速機構成要素の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のドライバビリティの確保のみならず、省エネルギに不可欠な燃費の向上のために、車両用自動変速機には多段化の要求があり、こうした要求から、変速機構は従来の前進4速のものから5速のものへと移行しつつある。こうしたなかで、限られた車両搭載スペース内で更なる多段化を実現するには、ギヤトレインの一層の小要素化、機構の簡素化が必要となる。そこで、最小限の変速要素からなるプラネタリギヤセットを用い、それを操作する3つのクラッチと2つのブレーキとで、前進6速・後進1速を達成するギヤトレインが特開平4−219553号公報において提案されている。この提案に係るギヤトレインは、エンジン出力回転、厳密にはトルクコンバータのタービン出力回転と、それを減速した回転とを3つのクラッチを用いて適宜変速機構の4つの変速要素からなるプラネタリギヤセットへ2つの速度の異なる入力として入力させ、2つのブレーキで2つの変速要素を係止制御することで多段の前進6速を達成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案に係るギヤトレイン構成は、変速段当たりの変速要素数、必要とするクラッチ及びブレーキの数において非常に合理的なものであるが、実用面での改善すべき問題点を含んでいる。特に、上記ギヤトレインの特徴として、減速プラネタリギヤによりトルク増幅された動力をプラネタイリギヤセットに伝達する構成となるため、プラネタイリギヤセットが大型化するのみならず、こうした動力の伝達に関与するクラッチの摩擦部材や、その係合のための油圧サーボのトルク容量も増幅トルクに見合うように増大させなければならない。そのため、上記従来技術における自動変速機は、前進6速を達成するものとしては、コンパクトな構造ではあるが、在来の5速以下の自動変速機に比較すると、やはり大型大重量とならざるを得ない。
【0004】
ところで、自動変速機の重量増大の一つの要因として、オイルポンプの大型化がある。一般にオイルポンプは、そのボディで自動変速機の変速機ケースの前側開口を塞いで、変速機ケースとトルクコンバータハウジングとの間を隔て、変速機構の軸とトルクコンバータの軸とを支持するサポート隔壁としての役目を果たすため、自動変速機の外径が大きくなることに伴う変速機ケース開口径の大型化によりますます大型化する。これに対する軽量化策として、オイルポンプボディの材質の変更による軽量化、例えばアルミボディ化が考えられるが、周知のように、オイルポンプボディの内部には、ギヤが配置されているため、ギヤ同士の噛み合いや、ボディとの摺動による摩耗を考慮すると、やはり耐久性に優れた鉄製とすることが望ましい。
【0005】
他方、オイルポンプボディの軽量化策として、薄肉化も考えられるが、変速機ケースの前端壁部を構成するオイルポンプボディには、油圧制御装置から供給される油圧を変速機軸方向に導くため、その外周から内径部に向かって形成される複数の油路、例えば、オイルポンプ自体のギヤ室と油圧制御装置とを連通する吸い込み油路及び吐き出し油路、トルクコンバータのロックアップクラッチのオン・オフ圧の給排のための入力油路及び出力油路、変速機構各部の潤滑のための潤滑圧の供給油路、変速機構のクラッチ及びブレーキへのサーボ圧供給のための供給油路等があり、強度保持上薄肉化が困難な状況にある。
【0006】
そこで、本発明は、変速機構のクラッチ及びブレーキへのサーボ圧供給のための供給油路を変速機ケースの前端壁部を介することなく配置可能な機構配列を得ることにより、変速機ケースの前端壁部を構成するオイルポンプの薄肉化を可能とし、もって軽量化を実現する自動変速機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、変速機ケースに、入力軸と、出力軸と、少なくとも4つの変速要素を有するプラネタリギヤセットと、減速プラネタリギヤと、少なくとも2つの係止手段と、3つのクラッチと、油圧制御装置が配置された自動変速機であって、プラネタリギヤセットは、その第1の変速要素が第1のクラッチにより減速プラネタリギヤを介して入力軸に連結され、第2の変速要素が第3のクラッチにより減速プラネタリギヤを介して入力軸に連結されるとともに、第1の係止手段により変速機ケースに係止可能とされ、第3の変速要素が第2のクラッチにより入力軸に連結されるとともに、第2の係止手段により変速機ケースに係止可能とされ、第4の変速要素が出力軸に連結され、前記各クラッチ及び係止手段が、油圧制御装置によるそれらクラッチ及び係止手段の各油圧サーボの油圧の給排により選択的に係合解放されて、後進を含む複数の変速段を達成するものにおいて、前記変速機ケースの前端壁部は、オイルポンプで構成され、油圧制御装置は、前端壁部より軸方向後方に配置され、変速機ケースに径方向壁部を連結して、該径方向壁部の内周部を軸方向に延びる円筒部を有するサポート部材が設けられ、該サポート部材は、その軸方向の全長が油圧制御装置に対して径方向に重なる位置に配置され、かつ径方向壁部が変速機ケースの中間部に固定され、第1〜第3のクラッチの油圧サーボは、サポート部材の円筒部の外周上に配置され、油圧制御装置から第1〜第3のクラッチの油圧サーボに個々に油圧を供給する油路が、それぞれサポート部材に形成された油路を介して連結された、ことを特徴とする。
【0008】
そして、3つのクラッチの配置に関して、前記サポート部材は、径方向壁部の内周部から前方に延びる前側円筒部と、後方に延びる後側円筒部を有し、第2のクラッチの油圧サーボは、前側円筒部の外周上に配置され、第1及び第3のクラッチの油圧サーボは、後側円筒部の外周上に配置され、第3のクラッチの油圧サーボは、第1のクラッチの油圧サーボの前方に配置された構成とするのが有効である。
【0009】
また、減速プラネタリギヤの配置に関して、前記変速機ケースは、その前端壁部から内方に延びる円筒ボス部を有し、該円筒ボス部に固定要素としてのサンギヤが固定された減速プラネタリギヤが該円筒ボス部の外周に配置された構成とするのが有効である。
【0010】
更に、前記第2の変速要素を係止する第1の係止手段は、第1のブレーキと、それに並列させて配置され、かつ互いに直列に連結されたワンウェイクラッチと第2のブレーキから構成され、該第2のブレーキの油圧サーボは、サポート部材の径方向壁部に内包され、かつ前記ワンウェイクラッチの外周側において、少なくともその一部が該ワンウェイクラッチと径方向に一部重なるように配置された構成とするのが有効である。
【0011】
そして、第1の係止手段の配置に関して、前記第1のクラッチの油圧サーボは、該油圧サーボを内包する第1のクラッチのドラムにより減速プラネタリギヤに連結され、第3のクラッチの油圧サーボは、該油圧サーボを内包する第3のクラッチのドラムにより第2の変速要素に連結され、第1の係止手段は、第3のクラッチのドラムを変速機ケースに係止すべく第3のクラッチのドラムの外周側に配置され、第1の係止手段の油圧サーボは、サポート部材の径方向壁部に内包された構成とするのが有効である。
【0012】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1記載の構成では、全てのクラッチの油圧サーボへの油圧供給がサポート部材を通ってなされるので、オイルポンプである前端壁部を通ってクラッチの各油圧サーボに連通する油路をなくすことができる。そのため、オイルポンプの半径方向に延びる油路形成部分を必要最小限とすることで、重量の大きなオイルポンプの油路形成部を避けて肉抜き部分を多く採ることができるようになり、オイルポンプの軽量化を達成することができる。また、各クラッチの油圧サーボへの油圧供給を、油圧制御装置に対して径方向に重合しない変速機ケースの前端壁部や円筒ボス部からは行わずに、油圧制御装置に対して、径方向に重合するサポート部材を通して行うことで、変速機ケースとオイルポンプの合わせ面に形成される油路数を必要最小限とすることができ、それにより、変速機ケースとオイルポンプの合わせ面における油路配置にも余裕を持たせることができる。更に、油圧制御装置から各油圧サーボに至る油路について、油圧制御装置から変速機ケースの前端壁部を通って油圧サーボに至るまで軸方向に往復するような長い油路をなくすことができるため、各油圧サーボからの油圧の給排を迅速化することができ、それにより各クラッチの係合解放レスポンスを良好にすることができる。
【0013】
更に、請求項2記載の構成では、各クラッチの油圧サーボをサポート部材の円筒部に前後に分けて配置することで、油圧制御装置から各油圧サーボに至る油路について、極端に長い油路をなくすことができるため、各油路からの油圧の給排を迅速化することができ、それにより各クラッチの係合解放レスポンスを良好にすることができる。
【0014】
次に、請求項3記載の構成では、反力を取るための固定要素としてのサンギヤを静止部材に固定することを必須とする減速プラネタリギヤを、サポート部材への支持を避けて、変速機ケースの前端壁部側の円筒ボス部に配置したので、サポート部材の円筒部外周に配置されるクラッチの油圧サーボとサポート部材の径方向壁部との間の距離を短くすることができ、それによる一層の油路短縮が可能となる。
【0015】
また、請求項4記載の構成では、1→2変速時の変速ショック軽減のために必要とされる複雑なサーボ油圧の制御を避けるべく、ワンウェイクラッチを用いる場合、ワンウェイクラッチと直列するブレーキを必要とするが、こうしたブレーキを配設する場合において、その油圧サーボをサポート部材に内包させることで、ブレーキの油圧サーボを構成する部材の削減が可能となり、部品点数の増加を抑制することができる。
【0016】
また、請求項5記載の構成では、プラネタリギヤセットの第2の変速要素を係止するための第1の係止手段の油圧サーボをサポート部材に内包させることで、油圧サーボを構成する部材の削減が可能となり、部品点数の増加を抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明を適用した自動変速機の第1実施形態のギヤトレインをスケルトンで示す。この自動変速機は、変速機ケース10に、入力軸11と、出力軸19と、少なくとも4つの変速要素S2,S3,C2(C3),R3(R2)を有するプラネタリギヤセットGと、減速プラネタリギヤG1と、少なくとも2つの係止手段B−1,B−3と、3つのクラッチC−1,C−2,C−3と、図示しない油圧制御装置とが配置された構成とされている。
【0018】
そして、プラネタリギヤセットGの第1の変速要素S3が第1のクラッチC−1により減速プラネタリギヤG1を介して入力軸11に連結され、第2の変速要素S2が第3のクラッチC−3により減速プラネタリギヤG1を介して入力軸11に連結されるとともに第1の係止手段B−1により変速機ケース10に係止可能とされ、第3の変速要素C3が第2のクラッチC−2により入力軸11に連結されるとともに第2の係止手段B−3により変速機ケース10に係止可能とされ、第4の変速要素R3(R2)が出力軸19に連結されている。これにより、各クラッチ及び係止手段が、油圧制御装置によるそれらクラッチ及び係止手段の各油圧サーボの油圧の給排により選択的に係合解放されて、後進を含む前進6速の変速段を達成する。
【0019】
以下、この実施形態のギヤトレインを更に詳細に説明する。図1を参照して、この自動変速機では、その機構の最前部に、図示しないエンジンに連結されるロックアップクラッチ20付のトルクコンバータ2が配置され、その後部に前進6速・後進1速を達成する変速機構が配置された構成が採られている。トルクコンバータ2は、ポンプインペラ21と、タービンランナ22と、それらの間に配置されたステータ23と、ステータ23を変速機ケース10に一方向回転係合させるワンウェイクラッチ24と、ワンウェイクラッチのインナレースを変速機ケース10に固定するステータシャフト25とを備える。
【0020】
変速機構の主体をなすプラネタリギヤセットGは、大小径の異なる一対のサンギヤS2,S3と、互いに噛合して一方が大径のサンギヤS2に噛合するとともにリングギヤR3(R2)に噛合し、他方が小径のサンギヤS3に噛合するロングピニオンP2及びショートピニオンP3と、両ピニオンを支持するキャリアC2(C3)からなるラビニヨ式のギヤセットで構成されている。そして、この形態では、小径のサンギヤS3が第1の変速要素、大径のサンギヤS2が第2の変速要素、キャリアC2(C3)が第3の変速要素、リングギヤR3(R2)が第4の変速要素とされている。
【0021】
減速プラネタリギヤG1は、シンプルプラネタリギヤで構成され、その入力要素としてのリングギヤR1を入力軸11に連結され、出力要素としてのキャリアC1を第1のクラッチC−1を介して第1の変速要素すなわち小径サンギヤS3に連結されるとともに、第3のクラッチC−3を介して第2の変速要素すなわち大径のサンギヤS2に連結され、反力を取る固定要素としてのサンギヤS1を変速機ケース10に固定されている。
【0022】
こうした構成からなる自動変速機は、図示しない電子制御装置と油圧制御装置とによる制御で、運転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車両負荷と車速に基づき、変速を行う。図3は各クラッチ及びブレーキの係合及び解放(○印で係合、無印で解放、△印でエンジンブレーキ時のみの係合、●印で変速段の達成に直接作用しない係合を表す)で達成される変速段を図表化して示す。また、図2は各クラッチ及びブレーキの係合(●印でそれらの係合を表す)により達成される変速段と、そのときの各変速要素の回転数比との関係を速度線図で示す。
【0023】
図2及び図3を併せ参照してわかるように、第1速(1ST)は、クラッチC−1 とブレーキB−3の係合(本形態において、作動表を参照してわかるように、このブレーキB−3の係合に代えてワンウェイクラッチF−2の自動係合が用いられているが、この係合を用いている理由及びこの係合がブレーキB−3の係合に相当する理由については後に詳述する。)により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1経由で小径サンギヤS3に入力され、ワンウェイクラッチF−2の係合により係止されたキャリアC3に反力を取って、リングギヤR3(R2)の最大減速比の減速回転が出力軸19に出力される。
【0024】
次に、第2速(2ND)は、クラッチC−1 とブレーキB−1の係合に相当するワンウェイクラッチF−1の係合とそれを有効にするブレーキB−2の係合(これらの係合がブレーキB−1の係合に相当する理由についても後に詳述する。)により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1経由で小径サンギヤS3に入力され、ブレーキB−2及びワンウェイクラッチF−1の係合により係止された大径サンギヤS2に反力を取って、リングギヤR3(R2)の減速回転が出力軸19に出力される。このときの減速比は、図2にみるように、第1速(1ST)より小さくなる。
【0025】
また、第3速(3RD)は、クラッチC−1とクラッチC−3の同時係合により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1とクラッチC−3経由で同時に大径サンギヤS2と小径サンギヤS3に入力され、プラネタリギヤセットGが直結状態となるため、両サンギヤへの入力回転と同じリングギヤR3(R2)の回転が、入力軸11の回転に対しては減速された回転として、出力軸19に出力される。
【0026】
更に、第4速(4TH)は、クラッチC−1とクラッチC−2の同時係合により達成される。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−1経由でサンギヤS3に入力され、他方で入力軸11からクラッチC−2経由で入力された非減速回転がキャリアC3に入力され、2つの入力回転の中間の回転が、入力軸11の回転に対しては僅かに減速されたリングギヤR3(R2)の回転として出力軸19に出力される。
【0027】
次に、第5速(5TH)は、クラッチC−2とクラッチC−3の同時係合により達成される。この場合、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−3経由でサンギヤS2に入力され、他方で入力軸11からクラッチC−2経由で入力された非減速回転がキャリアC2に入力され、リングギヤR3(R2)の入力軸11の回転より僅かに増速された回転が出力軸19に出力される。
【0028】
そして、第6速(6TH)は、クラッチC−2とブレーキB−1の係合により達成される。この場合、入力軸11からチクラッチC−2経由で非減速回転がキャリアC2にのみ入力され、ブレーキB−1の係合により係止されたサンギヤS2に反力を取り、リングギヤR3(R2)の更に増速された回転が出力軸19に出力される。
【0029】
なお、後進(REV)は、クラッチC−3とブレーキB−3の係合により達成される。この場合、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がクラッチC−3経由でサンギヤS2に入力され、ブレーキB−3の係合により係止されたキャリアC2に反力を取り、リングギヤR3(R2)の逆転が出力軸19に出力される。
【0030】
このようにして達成される各変速段は、図2の速度線図上で、リングギヤR2,R3の速度比を示す○印の上下方向の間隔を参照して定性的にわかるように、各変速段に対して比較的等間隔の良好な速度ステップとなる。この関係を具体的に数値を設定して、定量的に表すと、図3に示すギヤ比及びギヤ比間のステップとなる。この場合のギヤ比は、減速プラネタリギヤG1のサンギヤS1とリングギヤR1の歯数比λ1=0.556、プラネタリギヤセットGの大径サンギヤ側のサンギヤS2とリングギヤR2(R3)の歯数比λ2=0.458、小径サンギヤ側のサンギヤS3とリングギヤR3の歯数比λ3=0.375に設定した場合であり、ギヤ比幅は6.049となる。
【0031】
ここで、先に触れたワンウェイクラッチF−2とブレーキB−3との関係及びワンウェイクラッチF−1と両ブレーキB−1,B−2との関係について説明する。上記の第1速と第2速時の両ブレーキB−1,B−3の係合・解放関係にみるように、これら両ブレーキは、両変速段間でのアップダウンシフト時に、一方の解放と同時に他方の係合が行われる、いわゆる掴み替えされる摩擦要素となる。こうした摩擦要素の掴み替えは、それらを操作する油圧サーボの係合圧と解放圧の精密な同時制御を必要とし、こうした制御を行うには、そのためのコントロールバルブの付加や油圧回路の複雑化等を招くこととなる。そこで、本形態では、第1速と第2速とで、キャリアC2(C3)にかかる反力トルクが逆転するのを利用して、ワンウェイクラッチF−2の係合方向を第1速時の反力トルク支持方向に合わせた設定とすることで、ワンウェイクラッチF−2に実質上ブレーキB−3の係合と同等の機能を発揮させて、第1速時のブレーキB−3の係合に代えて(ただし、ホイール駆動の車両コースト状態ではキャリアC2(C3)にかかる反力トルクの方向がエンジン駆動の状態に対して逆転するので、エンジンブレーキ効果を得るためには、図3に△印で示すようにブレーキB−3の係合を必要とする)、キャリアC2(C3)の係止を行っているわけである。したがって、変速段を達成する上では、ワンウェイクラッチを設けることなく、ブレーキB−3の係合により第1速を達成する構成を採ることもできる。
【0032】
上記と同様の関係がサンギヤS2の場合について成り立ち、この場合は、ワンウェイクラッチF−1の係合方向を第2速時の反力トルク支持方向に合わせた設定とすることで、ワンウェイクラッチF−1に実質上ブレーキB−1の係合と同等の機能を発揮させることができる。ただし、このサンギヤS2は、キャリアC2(C3)とは異なり、第2速時のエンジンブレーキ効果を得るために係合するだけでなく、第6速達成のためにも係止される変速要素であるため、ブレーキB−1が必要となる。また、サンギヤS2は、図2の速度線図でも分かるように、第1速達成時には入力回転方向に対して逆方向に回転するが、第3速以上の変速段の場合は、入力回転方向と同じ方向に回転する。したがって、ワンウェイクラッチF−1は、直接固定部材に連結することができないため、ブレーキB−2との直列配置により係合状態の有効性を制御可能な構成としている。
【0033】
次に、図4は上記ギヤトレインの変速機構部を更に詳細に模式化した断面で示す。先にスケルトンを参照して説明した各構成要素については、同じ参照符号を付して説明に代えるが、スケルトンから参照し得ない細部について、次に説明する。なお、本明細書を通じて、各クラッチ及びブレーキという用語は、摩擦部材と油圧サーボを総称するものとする。したがって、クラッチC−1は、油圧サーボ30と摩擦部材35で構成される。同様に、クラッチC−2は油圧サーボ50と摩擦部材55で、クラッチC−3は油圧サーボ40と摩擦部材45で構成されている。また、バンドブレーキB−1はバンド6と図示しない油圧サーボで構成され、多板ブレーキB−3は油圧サーボ70と摩擦部材75で構成され、多板ブレーキB−2は各クラッチやブレーキB−3と同様の油圧サーボ80と摩擦部材85で構成されている。
【0034】
本発明の基本的特徴に従い、変速機ケース10は、その開口を覆う前端壁部10aを構成するオイルポンプ、詳しくはオイルポンプボディから内部に向かって延在する円筒ボス部10bと、変速機ケース10の後端壁部10cから内部に向かって延在する円筒ボス部10dとを有する筒状に構成され、変速機ケース10の中間部に固定されたサポート部材10Aとを有する。サポート部材10Aは、変速機ケース10に連結された径方向壁部10eと、径方向壁部10eの内周側で軸方向に延びる円筒部10fとを有し、円筒部10fは、径方向壁部10eから前方に延びる前側円筒部10f’と、後方に延びる圧側円筒部10f”を有する構成とされている。なお、符号Snは、変速制御のための入力回転センサを示す。
【0035】
次に、入力軸11は、減速プラネタリギヤG1への連結部で終端する前側部分11Aと、変速機構のほぼ全長にわたって延びる後側部分11Bとに分割されている。入力軸11の前側部分11Aは、トルクコンバータ2のタービンランナ22(図1参照)に連結され、変速機ケース10内において、前後の端部をベアリングを介して前端壁部10aの内周に支持され、変速機ケース10に対して回転自在とされている。入力軸後側部分11Bの前端部は、前側部分11Aの凹部内周にベアリングを介して支持され、前側部分11Aを介して変速機ケース10に回転自在に支持され、後端部は、出力軸19の凹部内周にベアリングを介して支持され、出力軸19を介して変速機ケース10の円筒ボス部10dに回転自在に支持されている。そして、減速プラネタリギヤG1への入力部は、前側部分11Aの後端部付近に形成されたフランジとされ、このフランジがリングギヤR1に連結されている。また、プラネタリギヤセットGのキャリアC3への連結部は、後側部分11Bの後端部付近に形成されたフランジとされている。
【0036】
出力軸19は、その前端部をベアリングを介して変速機ケース10の円筒ボス部10dの内周に回転自在に支持され、後端部をベアリングを介して変速機ケース10の最後部に固定されたエクステンションハウジングに回転自在に支持されている。プラネタリギヤセットGのリングギヤR3への連結部は、出力軸19先端のフランジとされ、それに固定されたドラム状部材を介してリングギヤR3に連結されている。
【0037】
プラネタリギヤセットGは、入力軸11の後側部分11Bの後部外周側に配置され、入力軸11の外周にサンギヤS3が回転自在に支持され、更にサンギヤS3の軸部外周にサンギヤS2が回転自在に支持されている。ロングピニオンP2とショートピニオンP3を支持するキャリアC2,C3は一体化され、その前端部はサンギヤS2の軸部に回転自在に支持され、後端部は入力軸11の後側部分11Bの前記フランジに連結支持されている。このプラネタリギヤセットGは、その一方のプラネタリギヤG2の外周にリングギヤがないことから、リングギヤR3のあるプラネタリギヤG3とは互いに外径が異なっている。
【0038】
減速プラネタリギヤG1は、変速機ケース10の前端壁部10aの円筒ボス部10bの先端外周に配置され、その固定要素としてのサンギヤS1は、円筒ボス部10bにスプライン嵌合等で固定されている。減速プラネタリギヤG1の出力要素を構成するキャリアC1は、それを第1のクラッチC−1のドラム31に連結する動力伝達部材11Cに片持支持されている。
【0039】
第1のクラッチC−1は、その油圧サーボ30が、プラネタリギヤセットGの前方で、サポート部材10Aの後側円筒部10f”の外周上にベアリングを介して配置され、摩擦部材35が、油圧サーボ30とプラネタリギヤセットGとの間に配置されている。このクラッチの油圧サーボ30は、内周部をサポート部材10Aの円筒部10fの内周を通る動力伝達部材11Cを介して減速プラネタリギヤG1のキャリアC1に連結され、拡径された外周部の内周側を摩擦部材35の支持部とするドラム31に内包された形態で構成され、ドラム31の内側をシリンダとし、それに軸方向摺動自在に嵌挿されたピストン32と、ドラム31の内周部に軸方向止めされたキャンセルプレートと、ピストン32とキャンセルプレートとの間に配設されたリターンスプリングとを備えた構成とされている。クラッチC−1の多板の摩擦材とセパレータプレートからなる摩擦部材35は、セパレータプレートをドラム31の外周部の内周側に係合支持され、摩擦材の内周をハブ36の外周側に係合支持されて、ドラム31とハブ36との間に配置されている。そして、ハブ36は、プラネタリギヤセットGのサンギヤS3に連結されている。
【0040】
第3のクラッチC−3は、その油圧サーボ40が、第1のクラッチC−1の油圧サーボ30の前方で、サポート部材10Aの後側円筒部10f”の外周上にベアリングを介して支持され、摩擦部材45が、第1のクラッチC−1の油圧サーボ30の外周に、その摩擦部材35と並べて、その前方に配置されている。このクラッチの油圧サーボ40は、拡径された外周部の内周側を摩擦部材45の支持部とするドラム41に内包された形態で構成され、ドラム41の内側をシリンダとし、それに軸方向摺動自在に嵌挿されたピストン42と、ドラム41の内周部に軸方向止めされたキャンセルプレートと、ピストン42とキャンセルプレートとの間に配設されたリターンスプリングとを備えた構成とされている。クラッチC−3の多板の摩擦材とセパレータプレートからなる摩擦部材45は、セパレータプレートをドラム41の外周部の内周側に係合支持され、摩擦材の内周をハブ46の外周側に係合支持されて、ドラム41とハブ46との間に配置されている。そして、ハブ46は、第1のクラッチC−1のドラム31に連結され、ドラム41の外周部が動力伝達部材10Eを介してプラネタリギヤセットGのサンギヤS2に連結されている。
【0041】
第2のクラッチC−2は、その油圧サーボ50が、減速プラネタリギヤG1の後方で、サポート部材10Aの前側円筒部10f’の外周上にベアリングを介して支持され、摩擦部材55が、減速プラネタリギヤG1の外周に配置されている。このクラッチの油圧サーボ50は、拡径された外周部の内周側を摩擦部材55の支持部とするドラム51に内包された形態で構成され、ドラム51の内側をシリンダとし、それに軸方向摺動自在に嵌挿されたピストン52と、ドラム51の内周部に軸方向止めされたキャンセルプレートと、ピストン52とキャンセルプレートとの間に配設されたリターンスプリングとを備えた構成とされている。クラッチC−2の多板の摩擦材とセパレータプレートからなる摩擦部材55は、セパレータプレートをドラム51の外周部の内周側に係合支持され、摩擦材の内周をハブ56の外周側に係合支持されて、ドラム51とハブ56との間に配置されている。そして、ハブ56は、減速プラネタリギヤG1のリングギヤR1と共に入力軸の前側部分11Aのフランジに連結され、ドラム51の内周部は、入力軸の後側部分11Bの前端部に連結されている。
【0042】
第1の係止手段は、この形態では、第1のブレーキB−1と、それに並列させて配置され、かつ互いに直列に連結されたワンウェイクラッチF−1と第2のブレーキB−2から構成され、その一方を構成するブレーキB−1は、第3のクラッチC−3のドラム41の外周部に係合するバンド6を備えるバンドブレーキとされている。なお、このブレーキの油圧サーボについては、図示を省略されている。
【0043】
第1の係止手段の他方を構成するワンウェイクラッチF−1は、そのインナレースを第3のクラッチC−3のドラム41に連結され、アウタレースをブレーキB−2のハブ86と一体化された構成とされ、第3のクラッチC−3の前方、すなわちサポート部材10Aの径方向壁部10eと油圧サーボ40との間に配置されている。ワンウェイクラッチF−1のアウタレースを変速機ケース10に係止するブレーキB−2は、ハブ86に係合支持された摩擦材と、変速機ケース10の内周スプラインに係合支持されたセパレータプレートを摩擦部材85とする多板構成のブレーキとされている。ブレーキB−2の油圧サーボ80は、サポート部材10Aの径方向壁部10eをシリンダとし、それに摺動自在に嵌挿されたピストン82と、径方向壁部10eに軸方向止めされてピストン82に当接するリターンスプリングとを備えた構成とされ、サポート部材10Aの径方向壁部10eに後向きに内包されている。
【0044】
第2の係止手段は、この形態では、互いに並列なブレーキB−3とワンウェイクラッチF−2とで構成されている。そして、第2の係止手段の一方を構成するブレーキB−3は、多板の摩擦材とセパレータプレートを摩擦部材75とする多板ブレーキとされ、セパレータプレートが変速機ケース10内周に係止支持され、摩擦材がキャリアC2に固定されたハブ76に係合支持されて、プラネタリギヤセットGの小径のプラネタリギヤG2の外周側に径方向に重合させて配置されている。ブレーキB−3の油圧サーボ70は、変速機ケース10の後端壁部10cと円筒ボス部10dをシリンダとし、それに摺動自在に嵌挿されたピストン72と、変速機ケース10の円筒ボス部10dに軸方向止めされてピストン72に当接するリターンスプリングとを備えた構成とされている。ピストン72の変速機ケース10の周壁に沿って延長されて摩擦部材75の後端に至る延長部は、その外周を変速機ケース10周壁のスプラインに嵌合させて回り止めされている。
【0045】
第2の係止手段の他方を構成するワンウェイクラッチF−2は、そのインナレースをキャリアC2の前端部に連結され、アウタレースを変速機ケース10の内周に係合させて、第1のクラッチC−1とプラネタリギヤセットGとの間に配置されている。
【0046】
図5は、油圧制御装置を構成するバルブボディ9と、変速機ケース10の油路構成との関係を示す。バルブボディ9は、変速機ケース10の下側の開口部に取付けられており、第1のクラッチC−1に油圧を供給する油路Lは、サポート部材10Aの径方向壁部10eを経て後側円筒部10f”の外周に開口している。第3のクラッチC−3に油圧を供給する油路Lも同様に、サポート部材10Aの径方向壁部10eを経て後側円筒部10f”の外周に開口している。また、第2のクラッチC−2に油圧を供給する油路Lは、サポート部材10Aの径方向壁部10eを経て前側円筒部10f’の外周に開口している。そして、両円筒部10fに開口する各油路L,L,Lは、両円筒部10f外周の周溝を経て各油圧サーボ30,40,50のシリンダ内に連通し、各油圧サーボを包含するドラム31,41,51との相対回転部を前後一対のシールリングで漏止めされている
【0047】
このように、第1実施形態の構成では、全てのクラッチの油圧サーボ30,40,50への油圧供給がサポート部材10Aを通る油路L1 ,L2 ,L3 によりなされるので、オイルポンプのボディである前端壁部10aを通って各クラッチの油圧サーボに連通する油路をなくすことができる。そのため、オイルポンプボディの半径方向に延びる油路形成部分を必要最小限とすることで、重量の大きなオイルポンプの油路形成部を避けて肉抜き部分を多く採ることができるようになり、オイルポンプの軽量化を達成することができる。
【0048】
しかもこの構成では、図5に示すように、各クラッチの油圧サーボ30,40,50への油圧供給を、バルブボディ9に対して径方向に重合しない変速機ケース10の前端壁部10aや円筒ボス部10bからは行わずに、バルブボディ9に対して、径方向に重合するサポート部材10Aを通して行うことで、図6に変速機ケース10の開口部を示すように、変速機ケース10とオイルポンプボディの合わせ面に形成される油路数を必要最小限とすることができ、それにより、変速機ケース10とオイルポンプボディの合わせ面10pにおける油路配置にも余裕を持たせることができる。なお、図6において、符号10tは、変速機ケース10とトルクコンバータハウジングとの合わせ面を示す。上記必要最小限の油路としては、バルブボディ9とオイルポンプボディのギヤ室とをつなぐ吸い込み油路LS 、同じく吐き出し油路LD 、バルブボディ9とトルクコンバータ2のロックアップオン室とをつなぐ油路LN 、同じくロックアップオフ室とをつなぐ油路LF 及びトルクコンバータ2からの油をオイルクーラに戻す油路Lcがある。
【0049】
更に、各クラッチの油圧サーボ30,40,50をサポート部材10Aの円筒部10fに前後に分けて配置することで、バルブボディ9から各油圧サーボに至る油路L1 ,L2 ,L3 について、極端に長い油路をなくすことができるため、各油路からの油圧の給排を迅速化することができ、それにより各クラッチの係合解放レスポンスを良好にすることができる。
【0050】
また、反力を取るためのサンギヤS1を静止部材に固定することを必須とする減速プラネタリギヤG1を、サポート部材10Aへの支持を避けて、変速機ケース10の前端壁部10a側の円筒ボス部10bに配置したので、サポート部材10Aの円筒部10f外周に配置されるクラッチの油圧サーボとサポート部材の径方向壁部との間の距離を短くすることができ、それによる一層の油路短縮が可能となる。
【0051】
また、1→2変速時の変速ショック軽減のために必要とされる複雑なサーボ油圧の制御を避けるべく配設されたワンウェイクラッチF−1係合を有効とさせるブレーキB−2の油圧サーボ80をサポート部材10Aに内包させることで、ブレーキB−2の油圧サーボを構成するシリンダが不要となり、部品点数の増加を抑制することができる。
【0052】
ところで、前記第1実施形態では、1→2変速時のクラッチ係合ショック軽減を複雑な油圧制御なしで可能とするために、ブレーキB−1と並列にワンウェイクラッチF−1とそれに直列配置の第2のブレーキB−2を設けているが、これらをなくすことで、変速機構の軸長の短縮を図ることもできる。図7はワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2をなくした第2実施形態を示す。こうした形態は、ブレーキB−1の係合制御に関して、特にそれがバンドブレーキである場合の油圧サーボの制御が複雑になる点は否めないが、変速機の軸長の短縮には極めて有効である。
【0053】
次に、図8は第2実施形態に対して、ブレーキB−1の制御性を向上させるべく、それを多板構成に変更した第3実施形態を示す。この形態の場合、ブレーキB−1は、第1実施形態におけるブレーキB−2と同様に、ハブ66に係合支持された摩擦材と、変速機ケース10の内周スプラインに係合支持されたセパレータプレートを摩擦部材65とする多板構成のブレーキとされている。ブレーキB−1の油圧サーボ60は、サポート部材10Aの径方向壁部10eをシリンダとし、それに摺動自在に嵌挿されたピストン62と、径方向壁部10eに軸方向止めされてピストン62に当接するリターンスプリングとを備えた構成とされ、サポート部材10Aの径方向壁部10eに後向きに内包されている。このブレーキB−1の摩擦部材65は、第3のクラッチC−3の油圧サーボ40の外周に、ドラム41と一体化させたハブ66に支持した配置とすることで、変速機構の軸長の増加を抑えることができる。
【0054】
特に、この第3実施形態では、プラネタリギヤセットGのサンギヤS2を係止するための第1の係止手段としてのブレーキB−1の油圧サーボ60をサポート部材10Aに内包させることで、油圧サーボを構成する部材の削減が可能となり、部品点数の増加を抑制することができる利点が得られる。
【0055】
次に、図9は第2実施形態に対して、サポート部材10Aの前側円筒部をなくした第4実施形態を示す。この形態の場合、第2のクラッチC−2の油圧サーボ50は、サポート部材10Aの後側円筒部10f”の最後端の外周上に配置され、それに伴い、入力軸11の構成も変更されている。この場合の入力軸11の前側部分11Aは、その後端をサポート部材10Aの後側円筒部10f”の最後端まで延長され、入力軸11の後側部分11Bは、そに伴って短縮されている。また、第2のクラッチC−2については、その向きが逆向きとされ、ワンウェイクラッチF−2の外周に摩擦部材55が配置されている。なお、この実施形態の配列において、前記第1実施形態と同様に、ワンウェイクラッチF−1とブレーキB−2を設けることも当然に可能である。
【0056】
以上の各実施形態は、減速プラネタリギヤG1を変速機ケース10の前側ボス部10bに支持したものであるが、減速プラネタリギヤG1もサポート部材10Aに支持する構成の採用も可能である。図10及び図11は、こうした形態を採る第5実施形態を示す。この配列の場合、図10に示すスケルトン上のギヤトレイン配置(係合要素にのみ符号を付す)と、図1の配置との対比で判るように、第2のクラッチC−2に対する動力伝達部材の取回しの関係上、減速プラネタリギヤG1と第2のクラッチの油圧サーボ50の位置関係は第1〜第3実施形態に対し前後逆配置となる。
【0057】
図11に詳細を示すように、減速プラネタリギヤG1は、変速機ケース10のサポート部材10Aの前側円筒部10f’の外周に、径方向壁部10eに隣接させて配置され、その固定要素としてのサンギヤS1は、前側円筒部10f’にスプライン嵌合等で固定されている。この場合も減速プラネタリギヤG1のキャリアC1は、それを第1のクラッチC−1のドラム31に連結する動力伝達部材11Cに片持支持されている。
【0058】
第2のクラッチC−2は、その油圧サーボ50が、減速プラネタリギヤG1の前方で、サポート部材10Aの前側円筒部10f’の外周上にベアリングを介して支持され、摩擦部材55が、減速プラネタリギヤG1の外周に配置されている。そして、ドラム51の内周部は、入力軸の後側部分11Bの前端部に連結されている。なお、この実施形態の配列を採る場合においても、前記第1実施形態と同様に、ワンウェイクラッチC−1とブレーキB−2の併設も当然に可能である。
【0059】
以上、本発明を想定される数種の実施形態を挙げて詳説したが、これら各実施形態はいずれも例示のためのものであり、本発明は、特許請求の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で種々に具体的な構成を変更して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動変速機の第1実施形態のギヤトレインを示すスケルトン図である。
【図2】上記ギヤトレインの速度線図である。
【図3】上記ギヤトレインの作動及び達成されるギヤ比並びにギヤ比ステップを示す図表である。
【図4】上記ギヤトレインの変速機構部を模式化して示す軸方向断面図である。
【図5】上記自動変速機の油圧制御装置と各クラッチの油圧サーボとを連結する油路構成を模式化して示す軸方向断面図である。
【図6】上記自動変速機の変速機ケースの前端開口部の油路配置を示す正面図である。
【図7】変速機構部を変更した第2実施形態の模式化軸方向断面図である。
【図8】変速機構部を更に変更した第3実施形態の模式化軸方向断面図である。
【図9】変速機構部を更に変更した第4実施形態の模式化軸方向断面図である。
【図10】変速機構部を更に変更した第5実施形態のスケルトン図である。
【図11】第5実施形態の変速機構部を模式化して示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
G プラネタリギヤセット
G1 減速プラネタリギヤ
R1 出力要素
S3 第1の変速要素
S2 第2の変速要素
C3,C2 第3の変速要素
R3 第4の変速要素
B−1 第1のブレーキ(第1の係止手段)
F−1 ワンウェイクラッチ(第1の係止手段)
B−2 第2のブレーキ(第1の係止手段)
B−3 ブレーキ(第2の係止手段)
F−2 ワンウェイクラッチ(第2の係止手段)
C−1 第1のクラッチ
C−2 第2のクラッチ
C−3 第3のクラッチ
9 バルブボディ(油圧制御装置)
10 変速機ケース
10A サポート部材
10a 前端壁部(オイルポンプ)
10b 円筒ボス部
10e 径方向壁部
10f 円筒部
10f’ 前側円筒部
10f” 後側円筒部
11 入力軸
19 出力軸
30,40,50,60,70,80 油圧サーボ
31,41,51 ドラム
35 摩擦部材
1 ,L2 ,L3 油路

Claims (5)

  1. 変速機ケースに、入力軸と、出力軸と、少なくとも4つの変速要素を有するプラネタリギヤセットと、減速プラネタリギヤと、少なくとも2つの係止手段と、3つのクラッチと、油圧制御装置が配置された自動変速機であって、
    プラネタリギヤセットは、その第1の変速要素が第1のクラッチにより減速プラネタリギヤを介して入力軸に連結され、第2の変速要素が第3のクラッチにより減速プラネタリギヤを介して入力軸に連結されるとともに、第1の係止手段により変速機ケースに係止可能とされ、第3の変速要素が第2のクラッチにより入力軸に連結されるとともに、第2の係止手段により変速機ケースに係止可能とされ、第4の変速要素が出力軸に連結され、
    前記各クラッチ及び係止手段が、油圧制御装置によるそれらクラッチ及び係止手段の各油圧サーボの油圧の給排により選択的に係合解放されて、後進を含む複数の変速段を達成するものにおいて、
    前記変速機ケースの前端壁部は、オイルポンプで構成され、
    油圧制御装置は、前端壁部より軸方向後方に配置され、
    変速機ケースに径方向壁部を連結して、該径方向壁部の内周部を軸方向に延びる円筒部を有するサポート部材が設けられ、
    該サポート部材は、その軸方向の全長が油圧制御装置に対して径方向に重なる位置に配置され、かつ径方向壁部が変速機ケースの中間部に固定され、
    第1〜第3のクラッチの油圧サーボは、サポート部材の円筒部の外周上に配置され、
    油圧制御装置から第1〜第3のクラッチの油圧サーボに個々に油圧を供給する油路が、それぞれサポート部材に形成された油路を介して連結された、
    ことを特徴とする自動変速機。
  2. 前記サポート部材は、径方向壁部の内周部から前方に延びる前側円筒部と、後方に延びる後側円筒部を有し、
    第2のクラッチの油圧サーボは、前側円筒部の外周上に配置され、
    第1及び第3のクラッチの油圧サーボは、後側円筒部の外周上に配置され、
    第3のクラッチの油圧サーボは、第1のクラッチの油圧サーボの前方に配置された、請求項1記載の自動変速機。
  3. 前記変速機ケースは、その前端壁部から内方に延びる円筒ボス部を有し、該円筒ボス部に固定要素としてのサンギヤが固定された減速プラネタリギヤが該円筒ボス部の外周に配置された、請求項2記載の自動変速機。
  4. 前記第2の変速要素を係止する第1の係止手段は、第1のブレーキと、それに並列させて配置され、かつ互いに直列に連結されたワンウェイクラッチと第2のブレーキから構成され、
    該第2のブレーキの油圧サーボは、サポート部材の径方向壁部に内包され、かつ前記ワンウェイクラッチの外周側において、少なくともその一部が該ワンウェイクラッチと径方向に一部重なるように配置された、請求項1、2又は3記載の自動変速機。
  5. 前記第1のクラッチの油圧サーボは、該油圧サーボを内包する第1のクラッチのドラムにより減速プラネタリギヤに連結され、
    第3のクラッチの油圧サーボは、該油圧サーボを内包する第3のクラッチのドラムにより第2の変速要素に連結され、
    第1の係止手段は、第3のクラッチのドラムを変速機ケースに係止すべく第3のクラッチのドラムの外周側に配置された、請求項4記載の自動変速機。
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