JP4576565B2 - 演奏装置および演奏処理のプログラム - Google Patents
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Description
例えば、ある提案の電子楽器においては、ポルタメント又はグリッサンドの実行時間が押鍵の鍵域によって変動せずに、鍵盤の押鍵速度に応じてのみ変化するようになっている。この提案の構成では、前の演奏操作に対応した周波数データから今回の演奏操作に対応する周波数データまで所定値を加減算する際に、加減算する所定値はその周波数データの差分値により算出される変化データを用い、この算出された変化データ又は演算時間間隔を演奏操作部材の操作状態に対応するデータによって可変する。(特許文献1参照)
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、ポルタメント又はグリッサンドの鍵数が多い場合でも、不自然な演奏になるのを回避できることを目的とする。
また、本発明は、一定の時間でポルタメント又はグリッサンドの発音を行う場合でも、不自然な演奏になるのを回避できることを目的とする。
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、特殊演奏の鍵域の鍵数を検出する検出手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度を設定する設定手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、検出手段によって検出された鍵数が所定の鍵数以内である場合には、設定手段によって設定された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、検出手段によって検出された鍵数が所定の鍵数を超える場合には、設定手段によって設定された移動速度よりも速い移動速度で変化する音高の楽音を発生する楽音発生手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、を備えた構成になっている。
請求項1の演奏装置において、請求項3に記載したように、設定手段は、押鍵された一方および他方の端の鍵の鍵域に応じて移動速度を設定するような構成にしてもよい。
請求項1の演奏装置において、請求項4に記載したように、設定手段は、過去の単位時間内に押鍵された鍵数に応じて移動速度を設定するような構成にしてもよい。
請求項1の演奏装置において、請求項5に記載したように、設定手段は、過去の単位時間内における押鍵のベロシティに応じて移動速度を設定するような構成にしてもよい。
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、特殊演奏の鍵域の鍵数を検出する検出手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度の上限値を設定する設定手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、検出手段によって検出された鍵数の特殊演奏が所定時間になるように現在の音高から次の音高に変化する移動速度を演算する演算手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、演算手段によって演算された移動速度が設定手段によって設定された上限値以下である場合には、当該演算された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、演算手段によって演算された移動速度が設定手段によって設定された上限値を超える場合には、当該上限値の移動速度で変化する音高の楽音を発生する楽音発生手段(実施形態においては、図1の音源6に相当する)と、を備えた構成になっている。
請求項6の演奏装置において、請求項8に記載したように、設定手段は、過去の単位時間内に押鍵された鍵数に応じて移動速度の上限値を設定するような構成にしてもよい。
請求項6の演奏装置において、請求項9に記載したように、設定手段は、過去の単位時間内における押鍵のベロシティに応じて移動速度の上限値を設定するような構成にしてもよい。
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、特殊演奏の鍵域の鍵数を検出するステップAと、特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度を設定するステップBと、ステップAによって検出された鍵数が所定の鍵数以内である場合には、ステップBによって設定された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、ステップAによって検出された鍵数が所定の鍵数を超える場合には、ステップBによって設定された移動速度よりも速い移動速度で変化する音高の楽音を発生するステップCと、を実行する構成になっている。
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、特殊演奏の鍵域の鍵数を検出するステップAと、特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度の上限値を設定するステップBと、ステップAによって検出された鍵数の特殊演奏が所定時間になるように現在の音高から次の音高に変化する移動速度を演算するステップCと、ステップCによって演算された移動速度がステップBによって設定された上限値以下である場合には、当該演算された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、ステップCによって演算された移動速度がステップBによって設定された上限値を超える場合には、当該上限値の移動速度で変化する音高の楽音を発生するステップDと、を実行する構成になっている。
また、本発明の演奏装置および演奏処理のプログラムによれば、一定の時間でポルタメント又はグリッサンドの発音を行う場合でも、不自然な演奏になるのを回避できるという効果が得られる。
図1は、本発明の演奏装置の実施形態である電子鍵盤楽器のシステムを示すブロック図である。図1において、CPU1は、システムバス2を介して、ROM3、RAM4、キースキャナ5、音源6に接続され、これら各部との間でコマンドおよびデータの授受を行って、この電子鍵盤楽器を制御する。
以下、ポルタメント演奏スイッチがオンされて、各音高が独立した楽音として順に発音される演奏処理について説明する。各音高が切れ目なく連続した楽音として発音されるグリッサンドの演奏処理も基本的な動作はポルタメントの場合と同じであるので説明は省略する。
Portament Modeは、ポルタメントの動作モードの選択のためのフラグであり、モードスイッチの操作に応じて、時間を制限する「モード0」又は移動速度を制限する「モード1」となる。
Portament Rateは、モード0において、現在の発音の音高から次の発音の音高に変化する基準速度で、「0〜16383sent/sec」の範囲の値である。ここで、1sentは半音(semitone)の1/100である。
Portament Interval Limitは、モード0の時に時間固定に切り替わる音高差すなわち鍵数であり、「0〜127semitone」の範囲の値である。
Portament Timeは、モード1の基準時間であり、「0〜16383msec」の範囲の値である。
Portament Rate Limitは、モード1の時の移動速度の上限値であり、「0〜16383sent/sec」の範囲の値である。
図5において、CPU1は、所定のイニシャライズ(ステップSA1)の後、モードスイッチがオンされたか否かを判別する(ステップSA2)。このスイッチがオンされたときは、現在のモードが「0」であるか否かを判別し(ステップSA3)、現在のモードが「0」の場合はモード「1」に切り替える(ステップSA4)。一方、現在のモードが「1」の場合には、モード「0」に切り替える(ステップSA5)。モードを切り替えた後は、そのモードを音源6に送付する(ステップSA6)。
まず、今回のイベントのPK(新たな押鍵の鍵番号)、mode、および、CP(現在の音高(ピッチ))の値を取得する(ステップSC1)。次に、TP(目的の音高)を計算してレジスタTPに格納する(ステップSC2)。次に、modeの値が「0」であるか又は「1」であるかを判別する(ステップSC3)。
図9は、発音中処理のフローチャートである。まず、CP(現在の音高)、TP(目的の音高)、r(移動速度)を取得する(ステップSE1)。次に、CPの音高とTPの音高とが一致したか否かを判別する(ステップSE2)。すなわち、移動速度rに応じて変化する現在の発音の音高が目的の音高に達して、今回演奏されたポルタメントの一連の発音が終了したか否かを判別する。CPの音高とTPの音高とが一致しない場合には、CPの値にrの値を加算してレジスタpにストアする(ステップSE3)。次に、rが負であるか否かを判別する(ステップSE4)。ポルタメントが低い音高から高い音高に移動する場合には移動速度rは正であり、ポルタメントが高い音高から低い音高に移動する場合には移動速度rは負である。
この場合において、音源6は、ポルタメントの鍵数Xが所定の鍵数PILを超える場合には、ポルタメントの鍵数Xを所定時間PILで除算して求めた移動速度PR*(X/PIL)で変化する音高の楽音を発生する。
したがって、ポルタメントの鍵数が多くない場合には、設定された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、ポルタメントの鍵数が多い場合には、鍵数に応じて移動速度を速くして楽音を発生するので、ポルタメントの鍵数が多い場合でも、不自然な演奏になるのを回避できる。
したがって、一定の時間でポルタメントの発音を行う場合に、演算した移動速度が上限値以下のときは、ポルタメントの鍵数に応じて比例する移動速度で変化する音高の楽音を発生し、演算した移動速度が上限値を超えるときは、上限値の移動速度で変化する音高の楽音を発生するので、一定の時間でポルタメントの発音を行う場合でも、不自然な演奏になるのを回避できる。
この場合において、押鍵された一方および他方の端の鍵の鍵域、すなわちポルタメントの鍵数に応じて移動速度の上限値PRLを設定するような構成にしてもよい。このような構成にすれば、一定の時間でポルタメントの発音を行う場合でも、不自然な演奏になるのをよりいっそう回避できる。
あるいは、過去の単位時間内に押鍵された鍵数に応じて移動速度を設定する構成にしてもよいし、過去の単位時間内における押鍵のベロシティに応じて移動速度を設定する構成にしてもよい。
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、前記特殊演奏の鍵域の鍵数を検出するステップAと、前記特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度を設定するステップBと、前記ステップAによって検出された鍵数が所定の鍵数以内である場合には、前記ステップBによって設定された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、前記ステップAによって検出された鍵数が所定の鍵数を超える場合には、前記ステップBによって設定された移動速度よりも速い移動速度で変化する音高の楽音を発生するステップCと、を実行する。
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、前記特殊演奏の鍵域の鍵数を検出するステップAと、前記特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度の上限値を設定するステップBと、前記ステップAによって検出された鍵数の特殊演奏が所定時間になるように現在の音高から次の音高に変化する移動速度を演算するステップCと、前記ステップCによって演算された移動速度が前記ステップBによって設定された上限値以下である場合には、当該演算された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、前記ステップCによって演算された移動速度が前記ステップBによって設定された上限値を超える場合には、当該上限値の移動速度で変化する音高の楽音を発生するステップDと、を実行する。
3 ROM
4 RAM
5 キースキャナ
6 音源
7 鍵盤
8 D/Aコンバータ回路
9 出力回路
Claims (11)
- 鍵盤における任意の鍵域を一方の端の鍵から他方の端の鍵まで順次押鍵することにより、押鍵に対応する音高の楽音を順次発音させる特殊演奏を、当該一方および他方の端の鍵の押鍵のみによって実現する演奏装置であって、
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、前記特殊演奏の鍵域の鍵数を検出する検出手段と、
前記特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度を設定する設定手段と、
前記検出手段によって検出された鍵数が所定の鍵数以内である場合には、前記設定手段によって設定された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、前記検出手段によって検出された鍵数が所定の鍵数を超える場合には、前記設定手段によって設定された移動速度よりも速い移動速度で変化する音高の楽音を発生する楽音発生手段と、
を備えたことを特徴とする演奏装置。 - 前記楽音発生手段は、前記検出手段によって検出された鍵数が所定の鍵数を超える場合には、当該検出された鍵数を所定時間で除算して求めた移動速度で変化する音高の楽音を発生することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
- 前記設定手段は、押鍵された一方および他方の端の鍵の鍵域に応じて移動速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
- 前記設定手段は、過去の単位時間内に押鍵された鍵数に応じて移動速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
- 前記設定手段は、過去の単位時間内における押鍵のベロシティに応じて移動速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の演奏装置。
- 鍵盤における任意の鍵域を一方の端の鍵から他方の端の鍵まで順次押鍵することにより、押鍵に対応する音高の楽音を順次発音させる特殊演奏を、当該一方および他方の端の鍵の押鍵のみによって実現する演奏装置であって、
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、前記特殊演奏の鍵域の鍵数を検出する検出手段と、
前記特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度の上限値を設定する設定手段と、
前記検出手段によって検出された鍵数の特殊演奏が所定時間になるように現在の音高から次の音高に変化する移動速度を演算する演算手段と、
前記演算手段によって演算された移動速度が前記設定手段によって設定された上限値以下である場合には、当該演算された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、前記演算手段によって演算された移動速度が前記設定手段によって設定された上限値を超える場合には、当該上限値の移動速度で変化する音高の楽音を発生する楽音発生手段と、
を備えたことを特徴とする演奏装置。 - 前記設定手段は、押鍵された一方および他方の端の鍵の鍵域に応じて移動速度の上限値を設定することを特徴とする請求項6に記載の演奏装置。
- 前記設定手段は、過去の単位時間内に押鍵された鍵数に応じて移動速度の上限値を設定することを特徴とする請求項6に記載の演奏装置。
- 前記設定手段は、過去の単位時間内における押鍵のベロシティに応じて移動速度の上限値を設定することを特徴とする請求項6に記載の演奏装置。
- 鍵盤における任意の鍵域を一方の端の鍵から他方の端の鍵まで順次押鍵することにより、押鍵に対応する音高の楽音を順次発音させる特殊演奏を、当該一方および他方の端の鍵の押鍵のみによって実現する演奏装置内のコンピュータによって実行される演奏処理のプログラムであって、
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、前記特殊演奏の鍵域の鍵数を検出するステップAと、
前記特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度を設定するステップBと、
前記ステップAによって検出された鍵数が所定の鍵数以内である場合には、前記ステップBによって設定された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、前記ステップAによって検出された鍵数が所定の鍵数を超える場合には、前記ステップBによって設定された移動速度よりも速い移動速度で変化する音高の楽音を発生するステップCと、
を実行することを特徴とする演奏処理のプログラム。 - 鍵盤における任意の鍵域を一方の端の鍵から他方の端の鍵まで順次押鍵することにより、押鍵に対応する音高の楽音を順次発音させる特殊演奏を、当該一方および他方の端の鍵の押鍵のみによって実現する演奏装置内のコンピュータによって実行される演奏処理のプログラムであって、
押鍵された一方および他方の端の鍵に基づき、前記特殊演奏の鍵域の鍵数を検出するステップAと、
前記特殊演奏において順次発音されるべき音高の変化の度合いを表す移動速度の上限値を設定するステップBと、
前記ステップAによって検出された鍵数の特殊演奏が所定時間になるように現在の音高から次の音高に変化する移動速度を演算するステップCと、
前記ステップCによって演算された移動速度が前記ステップBによって設定された上限値以下である場合には、当該演算された移動速度で変化する音高の楽音を発生し、前記ステップCによって演算された移動速度が前記ステップBによって設定された上限値を超える場合には、当該上限値の移動速度で変化する音高の楽音を発生するステップDと、
を実行することを特徴とする演奏処理のプログラム。
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