JP4575183B2 - 椅子 - Google Patents

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本発明は背もたれを備えた椅子に関し、特に、背もたれの取付け構造に特徴を有する椅子に関するものである。
背もたれを備えた椅子は、例えばパイプ椅子のように背もたれが後傾しない固定タイプと、事務用回転椅子のように背もたれが後傾動するロッキングタイプとがある。また、背もたれをその構造と素材から見ると、後傾動の有無に関係なく、背もたれ荷重が直接に又はクッション体を介して作用する背板を合成樹脂製とすることが多く行われている。背板に樹脂製品が多用されているのは、樹脂製品は、複雑な形状であっても量産によって安価に製造できる、美感に優れている、適度の弾性と強度とを備えている、錆びがなく耐候性に優れていると言った多くの利点を有するからである。
会議室用のパイプ椅子の場合、合成樹脂製の背板がむき出しのままであることが多く、この背板の左右両側部に下向きに開口した筒部を形成し、この筒部を、座の後方に立設した支柱に嵌め込むことが行われいる。すなわち、人の背中を直接(勿論、クッションを設ける場合もある)に支持し得る合成樹脂製の背板を支柱に直接に取付けることが行われている(例えば特許文献1参照)。
他方、ロッキングタイプの椅子では、背もたれは後傾動する背受けフレームに取付けることになるが、人の上半身が直接に当たり得る背板の下部を背受けフレームに直接に取付けることは一般に行われておらず、背板の後方に、バックフレームやアウターシェル等の受け部材を設け、この受け部材に背板を取付けているのが一般的である。人の背が直接に又はクッション体を介して当たる背板は、モックフレームでアウターシェルによって隠れていることから、インナーシェルと呼ばれることが多い。
特開2003−159150号公報
インナーシェルと通称されていた背板、すなわち人の背中を直接に当てることが可能(勿論、クッションを介在させても良い)となるように表面を滑らかに形成している背板の下部を背受けフレームに直接に取付けると、部材点数を少なくしてコストダウンを図ることができると共に、デザインもすっきりできる利点がある。にも拘らず、ロッキングタイプの椅子において合成樹脂製の背板の下部を背受けフレームに直接に取付けていないのは、ロッキングタイプの椅子では、人が背もたれにもたれ掛かることによって背板の下部に大きなモーメントが作用するため、背板の強度を保持することができないからである。
本願発明は、このような現状を改善することを課題とするものである。
本願発明の椅子は、基本構成として、座と、人が直接に又はクッション体を介して背中を当てることができるシェル状の合成樹脂製背板と、前記背板が取付く背受けフレームとを備えており、着座した人がもたれ掛かることによって生じる背もたれ荷重を前記背板で受けるようになっている。
そして、前記背板の下部のうち最下端よりも上方の部位でかつ背板の縦長中心線を挟んだ左右両側の部位に、上下長手で下向きに開口した2つの取付け穴が平行に延びるように形成されている一方、前記背受けフレームは脚に設けた座受けベースに後傾動自在に取付けられており、前記背受けフレームに、前記背板の取付け穴に下方から嵌入する2本の支柱部と、前記背板のうち前記取付け穴よりも下方の部位でかつ前記左右の取付け穴の間の部位に手前から当接する支持部とを設けており、更に、前記背受けフレームのうち背板の取付け穴よりも下方の部位及び前記背板に、前記背受けフレームの支柱部を背板の取付け穴に差し込むと弾性変形によって嵌合して背板を背受けフレームから上向きずれ不能に保持する係合手段が設けられている。
更に、前記係合手段は、前記背受けフレームに設けた水平部と、前記背板に前向き突設したリブとで構成されており、前記リブの溝に水平部が手前から係合することで背板が背受けフレームから上向きずれ不能に保持されている。
既述のように、単に背受けフレームの支柱部を背板の取付け穴に差し込んだものの場合、人がもたれ掛かることによる背もたれ荷重が背板に掛かると、荷重は背受けフレームの支柱部と背板の取付け穴との嵌合部に曲げモーメントとして作用し、背板のうち支柱部に嵌まっている部分は、その上部は後方に移動し勝手となって下部は手前に移動し勝手になっており、いわば、取付け穴の箇所には前後方向にねじるような外力が作用する。このため、取付け穴の箇所に応力が集中し、その結果、破断しやすくなる。
これに対して本願発明では、人が背中を直接に当て得る背板は取付け穴のよりも下方に位置する部分を有しており、背板のうち取付け穴よりも下方に位置した部分が背受けフレームで手前側から支持されるため、背板のうち取付け穴の箇所にねじり作用が生じることを著しく抑制して、背板のうち取付け穴の箇所に大きな応力が集中することを防止できる。その結果、樹脂製の背もたれに大きな背もたれ荷重が作用しても取付け穴の箇所が破断することはない。
よって、本願発明によると、ロッキングタイプの椅子であっても、樹脂製の背板の下部を背受けフレームに直接に取付けるという形態を支障無く適用できるのであり、その結果、従来のバックフレームやアウターシェルを無くすことが可能になって、ロッキングタイプの椅子のコストダウンやデザインのスッキリ化に貢献できるのである。
背板が背受けフレームの支柱部から抜けないように保持する手段としては、背板と背受けフレームとをビスやピン等のファスナー手段で固定したり、支柱部と取付け穴とを接着剤で固定するなど多くの方法が考えられるが、本願発明の係合手段は、特別の固定部材を要することなく背板を背受けフレームから抜け不能に保持できるため、部材管理の手間や背もたれ取付け作業の手間を軽減できると共にコストダウンにも貢献できる。
(1).椅子の概要
次に、本願発明の実施形態を図面にも基づいて説明する。まず、図1〜図4に基づいて概要を説明する。図1は椅子の正面図、図2のうち(A)は平面図、(B)は左側面図、図3のうち(A)は背面図、(B)〜(D)は(A)のB−B、C−C、D−Dの切断線で示した断面図、図4は脚を省略した状態での底面図である。
これらの図から理解できるように、椅子は、脚1と座2と背もたれ3、左右一対の肘掛け装置4を備えている(肘掛け装置4は左右一対あるが、図では片方しか表示していない。)。脚1は、ガスシリンダから成る脚支柱5とこの脚支柱5から放射状に延びる複数本(5本)の枝足6とを備えており、各枝足6の先端にはキャスター7を設けている。
脚支柱の上端には上向きに開口した座受けベース8が取付けられており、この座受けベース8の上面に座受けシェル9が取付けられており、更に、この座受けシェル9に座2が取付けられている。座受けベース8の左側面からは、背もたれ3を後傾動可能な状態と後傾動不能な状態とに切り換えるためのロックレバー10が露出しており、また、座受けベース8の前面からは、座2の高さ調節を行うための昇降レバー11が露出している。昇降レバー11は、座2の前部の下面に沿って左右方向に長く延びる指掛け13を備えている。
背もたれ3は、その主要メンバーである合成樹脂製の背板14を備えており、その前面は滑らかで人が背を直接に当てることが可能になっている。背板14は、着座した人の背中を支持する背当て部15と着座した人の腰部を支持する腰当て部16とが上下に連続した形態に形成されており、更に、腰当て部16には座2よりも下方に延びる取付け部17が一体に連続している。図3に示すように、取付け部17は背面視下向き凸で丸みを帯びた山形に形成されている。背当て部15と腰当て部16との前面には、互いに分離したクッション体18,19を配置している。
背もたれ3の背当て部15はその上部が最も広巾で下方に向けて横幅が小さくなる略逆台形状に形成されている一方、腰当て部16は正面視で略楕円状に形成されており、このため、背当て部15と腰当て部16との境界部は、正面視で滑らかなカーブを描いたくびれ部3aになっている。
また、腰当て部16の左右端部は背当て部15よりも手前に張り出した前向き張り出し部16aになっている。前向き張り出し部16aは側面視で前向き凸の山形に形成されており、全体として丸みを帯びている。また、図3(B)に示すように、前向き張り出し部16aは他の部分よりも遥かに厚肉に形成されている。背当て部15及び腰当て部16の正面視における最大横幅は座2の左右横幅と殆ど同じ寸法に設定されている。
背板14の上端には、衣服を掛けることのできるハンガー20がねじ止めによって着脱自在に取付けられている。もちろん、ハンガー20は背もたれ3の必須部材ではない。
(2).座受け部の概略と背もたれの取付け構造
次に、図5以下の図面も参照して、座受け部の概略と背もたれの取付け構造を説明する。図5は各種部材の分離斜視図、図6のうち(A)は椅子の部分的な縦断側面図、(B)は(A)の部分拡大図である。
本実施形態の座受けベース8はアルミダイカストのような金属又は樹脂の成形品である。座2は合成樹脂製のシェル状の座板22とその上面に張ったクッション体23とを備えている。詳細は省略するが、座板22が座受けシェル9に取り外し可能に取付けられている。また、座受けシェル9は座受けベース8に前後位置調節可能に取付けられている。
図7は背もたれ3を取付ける部材の分離斜視図であり、この図に示すように、背もたれ3は、背受けフレーム24とばねユニット25とを介して座受けベース8に取付けられている。
図8は背受けフレーム24の斜視図(一部の材を省略している)、図9は背受けフレーム24の側断面図、図10はばねユニット25の部分の断面図、図11のうち(A)は背もたれ3の縦断側面図、(B)は(A)の部分的な拡大図、(C)は(B)を矢印C方向から見た図、(D)は(A)のD−D視図、図12のうち(A)は背もたれ3(背板14)の底面図、(B)は背板14のうち取付け部17の下部の平断面図、(C)は図3(A)のXIIA-XIIA 視断面図、図13は背板14の下部の斜視図、図14は背板14と背受けフレーム24との関係を示す分離平面図である。
背板14の取付け構造の説明に先立って、背板14の形態説明しておく。図3(B)(C)(D)に示すように、背板14はその全長にわたって前向き凹状に凹んでいるが、凹みの程度は腰当て部16の箇所において最も大きく、上方に行くに従って平坦に近い状態になっている(上端部を平坦に平成してもよい)。また、例えば図11に示すように、背板14は腰当て部の箇所の箇所を頂点にして前向き凸状に形成されているが、この場合、腰当て部16は側断面視形状が湾曲しているのに対して、背当て部15はの側断面形状はフラットに近い形状になっている。
そして、腰当て部16は平断面及び側断面で湾曲していることと前向き張り出し部16aが厚肉であることとにより、着座者の荷重が作用しても基本的には変形しない剛体構造になっている。このため、着座した人の腰部を的確にサポートして、着座した人は高い安定性を得ることができる。
他方、背当て部15は厚さが全体にわたって略等しいことと、側断面形状は略フラットであることと、平断面視での凹みの程度が上部に行くに従って小さくなっていることとにより、着座者の背もたれ荷重によって撓み変形することが許容されており、これにより、ロッキング時のクッション性を得ることができる。
次に、背板14の取付け構造を説明する。図5や図7に示すように、背受けフレーム24は、丸パイプを折り曲げて形成した平面視略U文字状のフロントメンバー26と、フロントメンバー26の後端部に溶接によって固着した中間金具27と、中間金具27に溶接によって固定された左右一対のリアメンバー28とを備えており、リアメンバー28に背板14が取付けられている。
背受けフレーム24におけるフロントメンバー26の左右長手の前端部は回動軸26aになっており、この回動軸26aが座受けベース8に回転可能に取付けられている。具体的には、図5及び図6に示すように、座受けベース8の内部に、回動軸26aに下方から重なる下軸受け29と上方から重なる上軸受け30とを重ねて配置し、両軸受け29,30を押さえ部材31によって離脱不能に保持している。
上下の軸受け29,30は、座受けベース8に形成したリブによって前後左右にずれ不能に保持されており、また、押さえ部材31は、座受けベース8に形成したボス部32の上面にビス33で固定されている。上下の軸受け29,30はずれないように互いに嵌まり合っている。また、本実施形態では、下軸受け29は昇降レバー11の抜け止めと軸受けの機能も備えている。
図5に概略を示すように、座受けベース8の後部には、左右両側部を上下長手に形成した樹脂製のガイド部材34が差し込み装着されている。背受けフレーム24は、前記したガイド部材34により、左右ずれ不能に保持されている。また、背受けフレーム24を構成するフロントメンバー26は、座受けベース8にビス止めされた左右長手の金属製ステー35により、上向き回動が阻止されている。この場合、ステー35の下面に樹脂製ガイド部材34の上部を配置することにより、背受けフレーム25の戻り回動に対する緩衝作用を保持せしめている。
図5及び図6に示すように、前記ロックレバー10には、座受けベース8の内部に位置した左右一対のストッパー36が相対回転不能に取付けられている。ストッパー36は背受けフレーム24におけるフロントメンバー26の前後長手部の下方に位置しており、ロックレバー10を回転してストッパー36を上向きの姿勢と横向きの姿勢とに変えることにより、背受けフレーム24が後傾可能状態と後傾不能状態とに切り換えられる。図6(A)では回動不能なロック状態を表示している。
詳細は省略するが、左右ストッパー36の下方には、座受けベース8の底部にずれ不能に配置された受け部材37を配置している。受け部材37は弾性変形してストッパー36に嵌脱する係合部37aを備えており、係合部37aの作用により、ストッパー36はロック姿勢に保持される。
背受けフレーム24のリアメンバー28は金属丸パイプ製であり、背板14の取付け部17の前面縁に重なるように形成されており、かつ、左右両端には支柱部28aが形成されている。また、支柱部28aには、先端に向けて細くなっている段違い状のロッド38を強制嵌合又はビス止めによって抜け不能に嵌め込んでいる。ロッド38のうち径が変わる段部はテーパ状に形成されており、また、先端は丸みを帯びている。
他方、背板14における腰当て部16の左右端部には、リアメンバー28の支柱部28a及びロッド38が嵌まる下向き開口の取付け穴39が空けられており、取付け穴39と支柱部28a及びロッド38との嵌まり合いにより、背板14が背受けフレーム24に固定されている。取付け穴39は、腰当て部16のうち前向き張り出し部16の付け根部に位置しており、取付け穴39がある部分は肉厚になっている。なお、取付け穴39はロッド38に対応した断面異径であるが、図2,3,11では、取付け穴39は便宜的に全体にわたってストレートに描いている。
例えば図3(A)や図5、図12(A)(B)に示すように、背受けフレーム24のリアメンバー28の下端部は水平部28bになっている。本実施形態では、リアメンバー28の露出部の全体が請求項に記載した支持部を構成している。そして、背板14における取付け部17の下部の前面には、リアメンバー28の水平部28bが嵌まり込む上下のリブ40,41を突設している。
例えば図10に示すように、下方のリブ41の下面は側面視で前傾した傾斜面41aになっており、リアメンバー28の支柱部28aを背板14の取付け穴39に挿入する終期近くにおいて、リアメンバー28の水平部28bが下方のリブ41の傾斜面41aに当たるように設定している。
そして、主としてリアメンバー28を弾性変形させて支柱部28aを取付け穴39に挿入し切ると、リアメンバー28の水平部28bが下方のリブ41を乗り越えて、水平部28bは上下リブ40,41の間の溝に嵌まり込むように設定している。
背板14における上下のリブ40,41は左右一対ずつ形成されている一方、背受けフレーム24における中間金具27には、図8や図14に示すように、上部のリブ40に外側から嵌合する切欠き42を形成している。また、背受けフレーム24におけるフロントメンバー26の左右後端部を切欠き42の箇所に配置しており、フロントメンバー26の左右後端部が背板14における上部のリブ40の中空部内に入り込むように設定している。
これら切欠き42及びフロントメンバー26とリブ40との嵌まり合いにより、背板14は背受けフレーム24に対して左右ずれ不能に保持される。また、リアメンバー28の水平部28bが上下リブ40,41の間に嵌まり込むことと、フロントメンバー26の後端部が上方のリブ40の中空部に嵌まり込むこととにより、背板14はビス等の固定手段を要することなく背受けフレーム24に対して上下動不能に保持される。背板14のリブ40,41と背受けフレーム24におけるリアメンバー28の水平部28bとは係合手段を構成している。
更に、図11〜13に示すように、背板14における取付け部17の周縁部には、背受けフレーム24のリアメンバー28のうち水平部と支柱部28aとの間の部分が嵌まり込む凹所43を形成している。凹所43は一連に延びているが、これは、リブ効果による強度の向上と美的効果とを狙ったものである。
(3).ばねユニット
次に、主として図7と図10とに基づいてばねユニット25について説明する。ばねユニット25は、ばね体の一例としての圧縮コイルばね44と、この圧縮コイルばね44を手前から受ける前部ばね受け45と、圧縮コイルばね44を後部からける後部ばね受け46と、前後ばね受け45,46に嵌まった調節ロッド(調節ボルト)47と、調節ロッド47に後方から嵌まったハンドル(摘まみ)48と、前部ばね受け45に手前側から嵌まった軸支部材49とを備えている。ばねユニット25はカバー50で下方から覆われている。
軸支部材49は、合成樹脂製の受け部材51を介して座受けベース8の後端部で支持されている。軸支部材49と受け部材51との接触面は側断面で円弧状に形成されているため、軸支部材49の回動が許容され、かつ、上下離脱不能に保持されている。
図7に示すように、軸支部材49と前部ばね受け45との嵌合部は断面角形(非円形)であり、このため、前部ばね受け45は回転不能に保持されており、かつ、前部ばね受け45は軸支部材49に対して前後スライド自在に嵌まっている。
他方、後部ばね受け46は、背受けフレーム24における中間金具27の空所に入り込んでいる。また、後部ばね受け46には、調節ロッド47が嵌まる筒状のボス部46a後向きに突設ており、ボス部46aは、中間金具27に設けた穴から後方に露出している。
前部ばね受け45にはナット53を回転不能に埋め込んでおり、このナット53に調節ロッド47がねじ込まれている。また、調節ロッド47の前端部にはスペーサ(カラー)54が嵌まっており、スペーサ54は軸支部材49に内装されている。調節ロッド47の前端面には、座金がビス52で固定されている。これは、調節ロッド47に作用した荷重を分散させるためである。
調節ロッド47の後端には六角等の非円形の頭47aを一体に設けており、この頭47aにハンドル48のボス部48aを嵌め込んでいる。頭へのハンドル48の嵌め込みは後方から強制的に押し込むことによって行っており、ハンドル48は後方に強く引っ張ると調節ロッド47から抜き外すことができる。
ハンドル48のボス部48aは背もたれ3の貫通穴55に遊嵌している。本実施形態では、ハンドル48は前後2つの部材の嵌め合わせによって成形している。また、ハンドル48は、全体に丸みを帯びつつハンドル48と直交した方向に長手の略卵形に形成されている。すなわち、長手方向の一端部が太くて他端部が細くなるような卵形に形成されており,太い部分に調節ロッド47の頭47aが取付けられている。
図10では、圧縮コイルばね44の初期弾性力が最も弱い状態に近い状態を示しており、この状態からハンドル48を回転操作すると、前部ばね受け45が引っ張られて後方に移動し、初期弾性力が強くなる。また、初期弾性力を最も弱い状態にするとスペーサ54がストッパーになって、前部ばね受け45の前進動が阻止される。
着座した人が背もたれ3にもたれ掛かると、背受けフレーム24の傾動支点とばねユニット25の傾動支点とが相違することに起因して後部ばね受け46は手前側に押され、これにより、背もたれ3は圧縮コイルばね44を圧縮変形させながら後傾動する。背もたれ3の後傾動に際してばねユニット25も後傾動し、かつ、後部ばね受け46は調節ロッド47と相対的に摺動する。
背もたれ2のクッション体18,19は、クリップ部材56(図3及び図11参照)により、背板14に着脱自在に取付けられている。なお、クッション体は背板14の略全面に広がる単一構造でも良い。クッション体は着脱式でなくてもよいし、また、分離方式にせずに、背板14の前面の略全体にクッション体を張ることも可能である。
(4).まとめ
次に、図15に基づいて作用を説明する。(A)〜(D)は特許文献1のような比較例の概略図であり、(A)は一部破断正面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図に応力分布図を付加した図、(D)は(A)の概略平面図である。先ず、比較例について説明する。
この比較例では、取付け穴62は背板61の最下面に開口している。符号63は支柱である。そして、背板61に背もたれ荷重が掛かると、(C)に示すように、取付け穴62の箇所には、その上下中間点を境にして、中間点より上方の部分には正面方向からの力が作用し、中間点よりも下方の部分には手前に向けた力が作用する。すなわち、中間点を支点にして力の掛かる方向が逆になり、かつ、(C)のグラフに示すように、背板61に生じる応力Sは取付け穴62の上下中間点から遠ざかるほど大きくなる。
そして、取付け穴62の箇所に作用する外力は、支柱63の上端部で背板61を突き破る作用を生じ、また、取付け穴62の下部では破断するように作用するが、取付け穴62の上下両側に行くに従って応力が大きくなるため、取付け部は破断しやすい。
更に、背板61は左右両端部のみが支柱63で支持されているに過ぎないため、背もたれ荷重が掛かると背板61は(D)に一点鎖線で示すように変形する傾向を呈して、取付け穴62の箇所には更に引っ張り力作用し、これにより、一層強度が低下する。加えて、背板61には、人が勢い良くもたれ掛かることによる動荷重も作用するため、破断は切実な問題となる。
図15の(E)〜(H)では本実施形態の作用を模式的に示している。(E)は一部破断正面図、(F)は(E)のF−F視断面図、(F)は(E)のG−G視断面図、(H)は(E)の概略平断面図である。
本実施形態では、背受けフレーム24におけるリアメンバー28が取付け穴39よりも下方の部位において背板14の取付け部17に前方から当接しているため、背板14は、いわばリアメンバー28の下端水平部28aを支点にして後傾動するような傾向を呈することになり、このため、(G)の応力分布図に示すように、取付け穴39の箇所には前方からの力が作用するに過ぎない。
また、リアメンバー28の下端と取付け穴39の間の間隔(スパン)が広いため、てこの原理と逆の理由により、背板14における取付け穴62の箇所に作用する外力は小さくなる。このため、(G)の応力分布図に示すように、背板16に比較例と同じ背もたれ荷重が作用しても、取付け穴39の箇所に生じる応力Sは比較例に比べて格段に小さくなる。
更に、背板14の取付け部17はその左右中間部がリアメンバー28の下端部によって手前から支持されているため、換言すると、背板14の取付け部17は平面視で3点支持の状態でリアメンバー28に支持されているため、取付け部17が背もたれ荷重によって伸び変形する傾向を呈することはない。
これらの作用により、背板14は、ロッキングタイプの椅子であっても、高い耐荷重性能を発揮するのである。本実施形態のように、支柱部28aに外形が段違い状に変化する共に段違い部をテーパ状に形成しているロッド38を設けると、ロッド38の各段に取付け穴39の内面が当るため、すなわち、取付け穴39の内面に作用する荷重を分散させることができるため、特定部分に応力が集中することを防止して強度を一層向上できる利点がある。
(5).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば背受けフレームの形態はデザイン等の要請に基づいて任意に変更できる。背板のうち取付け穴よりも下方の部位を背受けフレームで支持する態様としては、左右中間部のみを背受けフレームで支持しても良い。また、上記した実施形態のような中間金具を備えている場合、中間金具で背板の下端部を支持しても良い。
更に、本願発明は、座が背もたれの後傾動に連動して後退動及び後傾動するシンクロ構造の椅子に適用することも可能である
また、背板にスリットの群や穴の群を形成したり、大きく抉ることによってフレーム構造となし、これにネットを張るといったことも可能である。更に、背板を上下に分離し、両者を嵌め合わせた構造とすることも可能である。敢えて述べるまでもないが、背板の正面形状は任意に設定することができる。
背受けフレームはアルミ等のダイカスト製としたり板金製としたり、或いは樹脂製としたりすることができる。ダイキャスト製のフレーム本体に別体の支柱部を立設するなどしても良い。
本願発明の実施形態に係る椅子の椅子の正面図である。 (A) は椅子の平面図、 (B)は左側面図である。 (A) は椅子の背面図、 (B)〜 (D)は (A)の断面図である。 脚を省略した状態での底面図である。 座受けベースの周辺の部材の分離斜視図である。 (A) は座受け部の縦断側面図、 (B)は (A)の部分拡大図である。 背もたれを取付けに要する部材の分離斜視図である。 背受けフレームの斜視図である。 背受けフレームの側断面図である。 ばねユニットの部分の断面図である。 背もたれの縦断側面図である。 (A) は背もたれの底面図、 (B)は背板のうち取付け部の下部の平断面図、 (C)は図3(A)のXIVA-XIVA 視断面図である。 背板の下部の斜視図である。 背板と背受けフレームとの関係を示す分離平面図である。 作用の説明図である。
3 背もたれ
8 座受けベース
14 背板
17 背板のうち背受けフレームに対する取付け部
39 ばねユニット
26 背受けフレームのフロントメンバー
28 背受けフレームのリアメンバー
28a リアメンバーの支柱部
28b 背受けフレームの支持部と係合手段とを構成する水平部
39 取付け穴
40,41 背板の係合手段を構成するリブ

Claims (1)

  1. 座と、人が直接に又はクッション体を介して背中を当てることができるシェル状の合成樹脂製背板と、前記背板が取付く背受けフレームとを備えており、着座した人がもたれ掛かることによって生じる背もたれ荷重を前記背板で受けるようになっている椅子であって、
    前記背板の下部のうち最下端よりも上方の部位でかつ背板の縦長中心線を挟んだ左右両側の部位に、上下長手で下向きに開口した2つの取付け穴が平行に延びるように形成されている一方、
    前記背受けフレームは脚に設けた座受けベースに後傾動自在に取付けられており、前記背受けフレームに、前記背板の取付け穴に下方から嵌入する2本の支柱部と、前記背板のうち前記取付け穴よりも下方の部位でかつ前記左右の取付け穴の間の部位に手前から当接する支持部とを設けており、
    更に、前記背受けフレームのうち背板の取付け穴よりも下方の部位及び前記背板に、前記背受けフレームの支柱部を背板の取付け穴に差し込むと弾性変形によって嵌合して背板を背受けフレームから上向きずれ不能に保持する係合手段が設けられている、
    という構成において、
    前記係合手段は、前記背受けフレームに設けた水平部と、前記背板に前向き突設したリブとで構成されており、前記リブの溝に水平部が手前から係合することで背板が背受けフレームから上向きずれ不能に保持されている、
    椅子。
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