JP4570443B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地震による載置物の落下や転倒を防止して載置物の破損を防止する免震装置に関するもので、例えば、図書館における書架に免震性を持たせるのに、あるいは、美術品、学術的価値のある資料などの保管に好適なものである。
従来、例えば、図書館などに設置されている自立式の開架書架として、地震時の利用者の身の安全を図り、あるいは、書架の転倒防止、収蔵書籍の落下防止のために、免震自立棚が提案され、普及しつつある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1記載の発明は、固定棚の免震装置に関するもので、車輪を回転不能にロックしまたこのロックを解除する制限機構と、震動感知機構の作動によって上記制限機構をロック解除状態に切り換える伝達手段とを有し、上記制限機構は、固定シャフトに車輪の車軸を選択的に連結して拘束するクラッチを有してなるものである。特許文献2記載の発明は、移動棚の免震機構に関するもので、移動棚がその走行方向に振動を受けたとき慣性によって運動する錘をその棚に設け、この錘の運動により、移動棚の動力伝達機構を構成するチェーンまたはベルトを、テンショナーの姿勢を変えることによってスプロケットまたはプーリから離脱させることにより機械的結合状態を解除させ、移動棚を自由に移動させることができるようにしたものである。
開架書架にせよ閉架書架にせよ、従来の免震機能を持った書架ないしは棚は、もともと設計の段階から免震機能を持ったものとして設計され製造されるものであり、既に存在している免震性のない書架ないしは棚については、地震などによって設置床が大きく揺れた場合の、棚の転倒防止効果、収納物品の落下防止効果を期待することはできない。したがって、既存の書架ないしは棚に免震機能を持たせようとすると、既存の書架ないしは棚を撤去して、免震機能を有する書架ないしは棚に入れ替えなければならず、大幅なコスト高になる難点があった。また、免震機能つきの書架ないしは棚に入れ替えるには、設置工事に日数がかかり、図書館であれば長い間休館せざるを得ず、その間利用者が書籍等の閲覧ができないという難点もあった。
特許第2728061号公報 特許第3056060号公報
そこで本出願人は、物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠と、台枠の底部に装着された走行装置と、走行装置が載せられて地震時に台枠を移動させることができるレールと、台枠を移動不能に規制するロック位置と規制を解除する非ロック位置との間で移動することができるロック手段と、地震などによる床面の震動を感知しロック手段を非ロック位置に移動させる規制解除手段と、レールの両端部に設けられていて台枠の移動範囲を規制する移動規制手段と、を有し、複数のレール上には一台の台枠が載せられていることを最も主要な特徴とする免震装置に関して先に特許出願した。特願2003−408034にかかる発明がそれである。
上記出願にかかる発明によれば、免震機能のない既存の書架あるいは棚などの物品収納手段を台枠上に載置することによって、容易に免震機能つきの物品収納手段に変更することができる。免震装置自体は台枠部分に装着されていればよく、この台枠の上に既存の物品収納手段を載置するだけでよいため、当初より免震機能を備えている従来の書架あるいは棚などの物品収納手段と比較して、簡単な構成で低コストの免震装置を提供することができる。
本発明は、上記出願にかかる発明をさらに改良して、免震効果をよりいっそう高めたものである。すなわち、上記出願にかかる発明のうち、ばねによる緩衝効果を利用した実施例においては、大地震時においても所期の免震効果を発揮させるためには、ばねのストロークを十分に長くしておく必要があり、ばねが大型化して実用的ではない。また、ばねなどの弾性体による緩衝は、弾性体が外力を蓄勢することによって緩衝するものであるため、ストロークを十分に長くしたとしても蓄勢力による反動があり、十分な免震効果を得ることはできない。十分な免震効果を得るためには、積載重量によって弾性体による付勢力を変える必要があった。上記出願にかかる発明のうち、平常時は台枠を移動不能にロックし、地震による揺れを検知したときロックを解除して免震効果を持たせるようにした実施例においては、上記のような問題はない。しかし、台枠が移動不能にロックされている平常状態から、地震による揺れを検知してロックを解除するまでにはある程度の時間を要し、その間に棚が加速度を持ってしまい、限られたレールの長さでは免震機能を発揮することができない。
そこで本発明は、地震の初期微動でもこれを検知してすばやくロックを解除することで、限られたレール長でも十分な免震効果を発揮することができる免震装置を提供することを目的とする。
また、ロック解除状態では台枠が自由に移動することができるようにして免震効果を高めることができる免震装置を提供することを目的とする。
上記出願にかかる発明のうち、平常時は台枠を移動不能にロックし、地震による揺れを検知したときロックを解除して免震効果を持たせるようにした実施例においては、台枠を移動不能にロックした平常時に、任意にロックを解除することができない。
そこで本発明は、平常時においても任意にロックを解除することができるようにし、例えば、物品の出し入れ時は台枠を移動不能にロックし、それ以外はロックを解除して免震効果を高めることができるようにした免震装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、棚をレール上の任意の位置に移動させてロックすることにより、棚のレイアウトを自由に変更することができる固定棚として、また、レールを台枠とほぼ同じ長さにすることにより、平常時、レールが使用者の邪魔にならない固定棚として、したがって、開架式の書架として利用することができる免震装置を提供することを目的とする。
本発明は、物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠と、台枠に装着された走行装置と、走行装置が載せられて地震時に台枠を相対移動させることができるレールと、付勢力に抗して移動し台枠を移動不能に規制するロック態様と付勢方向に移動し規制を解除する非ロック態様とをとることができるロック部材と、ロック部材をロック態様で係止することができ係止を解除することによってロック部材を非ロック態様にする係止部材と、地震などによる床面の振動を感知し係止部材を作動させてロック部材を非ロック態様にする係止解除手段と、を有し、ロック部材には、これを外部から操作することができる手動操作部材が設けられており、手動操作部材は、ロック部材を付勢力に抗して移動させてロック部材をロック態様におくことができるように構成され、走行装置は、台枠を構成するフレームに結合された梁とこの梁に回転自在に設けられた車輪を有してなり、一つの台枠に走行装置が複数個取り付けられ、一つの走行装置に、ロック部材、係止部材、感震手段、ロック解除部材を含むロック及びロック解除ユニットが組み付けられ、レールの長さは、台枠に載置される物品収納手段の奥行き方向の寸法と同じであるか、または、それよりも短くかつレール上に配置された車輪の回転中心軸間距離よりも長く、係止部材は、上記ロック部材の移動方向に配置されるとともにロック部材近傍の軸を中心として揺動可能に取り付けられ、ロック部材をロック態様で係止しているときロック部材の付勢力を受ける面と軸とを結ぶ線の方向がロック部材の移動方向であり、係止解除手段は、地震などによる床面の振動を感知する感震手段と、この感震手段の感震動作により係止部材を作動させてロック部材を非ロック態様にするロック解除部材を有し、感震手段は、地震の揺れを感知して台枠の移動方向に対し直交する方向であって水平方向に移動するように台枠内に取り付けられていて、直交する方向と同じ振動方向成分乃至は分力による床面の振動を感知することを特徴とする免震装置であることを最も主要な特徴とする。
係止部材を、ロック部材の移動方向に配置するとともにロック部材近傍の軸を中心として揺動可能に取り付け、ロック部材をロック態様で係止しているときロック部材の付勢力を受ける面と上記軸とを結ぶ線の方向がロック部材の移動方向になるように構成したことにより、ロック部材と係止部材の係止面を小さくしても確実な係止力を確保することができるので、係止部材がロック部材をロック態様で係止している状態において、この係止を解除するのに要する力量は小さい力量で足りる。したがって、地震の初期微動のような僅かな震動でも係止部材によるロック解除が可能であり、地震発生から免震効果を発揮するまでの所要時間を短縮することができ、免震効果を高めることができる。
係止解除手段を構成するロック解除部材が、揺動中心に対して対称に二つの腕を有し、係止部材は上記二つの腕が当接する二つの当接縁を有し、ロック解除部材がいずれの向きに揺動しても係止部材を作動させてロック部材を非ロック態様にする構成とすることにより、感震手段によって揺れを検知してからロック解除までの時間を短縮することができ、この点からも免震効果を高めることができる。
以下、図面を参照しながら本発明にかかる免震装置の実施例を説明する。
図1、図2において、符号12は、物品あるいは物品収納手段を載置するための載置面を有する台枠を示している。台枠12の底部には、走行車輪14を有してなる走行装置2が装着されている。走行車輪14は、免震装置を設置する床5に敷設された複数(図示の例では2本)のレール40の上に載せられ、レール40上を走行車輪14が転動することによって台枠12がレール40の方向に相対移動することができるようになっている。図示の例では、2本のレール40が対をなして平行に敷設され、この一対のレール40の上には、一台の台枠12の、走行装置2を構成する車輪14が載せられている。移動方向はレール40の長手方向であり、台枠12の幅方向である。したがって、地震時に床5がレール40の長さ方向及び斜め方向に揺れると、揺れるレール40上を走行車輪14が転動し、レールの長さ方向に関しては、台枠12はほぼその場に留まる。換言すれば、レール40に上記走行装置2が載せられることにより、地震時に台枠12がレール40に対して相対移動することができるようになっている。
図2に示すように、走行車輪14は一つの台枠12につき4個用いられ、台枠12の長手方向の一つの軸線上に2個一対の走行車輪14が配置され、もう一つの軸線上にも2個一対の走行車輪14が配置されている。これら2個一対の走行車輪14は通し軸13によって結合され、通し軸13によって一体に結合された2個一対の走行車輪14が2対、台枠の移動方向に所定の間隔をおいて配置されている。台枠12の長手方向両端部に、台枠12の移動方向に並ぶ2個の車輪14は、梁30によって、適宜の軸受と回転軸を介して回転自在に支持されている。上記梁30は、台枠12の走行方向前後端を構成する一対のフレーム18の両端部に連結され、台枠12の一部を構成している。梁30と車輪14によって走行装置2が構成され、この走行装置2が2対、台枠12の移動方向に向けて、台枠12の左右両端部に配置されている。
本発明にかかる免震装置は、固定棚にも移動棚にも適用可能である。周知の移動棚は、移動可能な複数の棚を使用し、すべての棚を収束させた状態と、任意の棚間に物品の出し入れ作業を行うための通路を形成した状態とを作り出すようにしたものであって、空間の利用効率を高めることを目的としている。したがって、上記レールは、移動棚全体の移動範囲にまたがる長さのものが用いられる。
本発明の一実施例にかかる図1に示す例は移動棚の免震装置として構成されていて、台枠12の上面の載置面に物品収納手段10が載せられて台枠12に一体に結合され、物品収納手段10の一側面の操作に適した高さ位置にパネル102が固定され、パネル102には、台枠12とともに物品収納手段10をレール40に沿って手動力により移動させるためのハンドル104が固定されている。図1に示す例において、レール40の長さを台枠12の幅とほぼ同じ長さにして、一対のレール40上に一つの台枠12を載せれば、固定棚の免震装置とすることができる。
レール40の長さを台枠12の幅とほぼ同じ長さにして、固定棚の免震装置として構成した場合、走行車輪14は台枠12内に装着されているため、走行車輪14の回転中心軸間距離はレール40の長さよりも短く、レール40の長さと移動方向前後に配置された走行車輪14の回転中心軸間距離との差の範囲内で台枠12がレール40に対して相対移動できるように構成される。レール40の長さは、台枠12の幅方向すなわち台枠12の移動方向の寸法と等しいか、または、それよりも短く、かつ、車輪14の回転中心軸間距離よりも長ければよい。
台枠12の上面は物品あるいは物品収納手段10の載置面となっている。図1に示す例では、載置面に物品収納手段10が載せられ、適宜の結合手段によって台枠12と物品収納手段10が一体に結合されている。物品収納手段10は、投影平面において、長手方向の寸法および幅方向の寸法は、台枠12の長手方向の寸法および幅方向の寸法とほぼ同じになっている。しかし、物品収納手段10の長手方向の寸法および/または幅方向の寸法は、物品収納手段10とともに台枠12が安定に起立する範囲内で、台枠12の長手方向の寸法および/または幅方向の寸法よりも大きく、物品収納手段10が台枠12から幅方向にはみ出していても差し支えない。ここで、長手方向とは、物品収納手段10の間口面すなわち書籍などの物品を出し入れする面と平行な方向であり、幅方向とは、物品収納手段10の移動方向すなわち物品収納手段10の奥行き方向である。図示の物品収納手段10は、いわゆる複柱式の棚であって、台枠12の長手方向両端部と中央部に、また、台枠12の前後に、合計6本の支柱が平行に立てられ、これらの支柱の上下を結合する天板と地板によって骨組みが構成され、この骨組みによって適宜段数の棚板が支持されている。なお、物品収納手段10の形式は問わない。例えば、単柱式の棚であってもよいし、ロッカーのようなものであってもよい。
以下、固定棚の免震装置として構成されていることを想定して説明する。レール40上で車輪14が転動することができる範囲は、免震機能が有効に働く振幅の範囲であり、レール40の長さによって決まり、また、移動方向前後の車輪14の間隔によって決まる。一定長さのレール40に対して車輪14の間隔が狭ければ、車輪が転動できる範囲が広くなり、免震機能が働く範囲も広くなる。そこで、図示の実施例では、図3に示すように、移動方向前後の車輪14の間隔が比較的狭くなっている。ところが、前後の車輪14の間隔を狭くすると、台枠12およびこれと一体の物品収納手段10が自立するのに不安定となる。この不安定さをなくすために、転倒防止手段6、補助輪ユニット4が装着されている。また、物品収納手段10の間口面側から見て左右方向に対をなす車輪14は、一体に回転することができるように通し軸13で一体に結合されている。さらに、上記各通し軸13の両端部には同径のスプロケット21が一体に設けられ、移動方向前後方向で対をなす車輪14と一体の上記スプロケット21に無端のチェーン22が掛けられることにより、移動方向前後方向で対をなす車輪14は同期して回転することができるように工夫されている。かかる工夫により、地震によって車輪14がレール40上を転動するとき、移動方向前後方向に対をなす車輪14および間口面から見て左右の車輪14が同期して回転し、台枠12がレール40と平行に直線的に円滑に移動できる構造になっている。換言すれば、スプロケット21とチェーン22で、前後左右すべての車輪が同期して回転する同期回転手段を構成している。上記通し軸13、チェーン22等によってすべての車輪が同期して回転するように構成することにより、ロック時の固定力が高まる効果もある。また、各車輪14は両側にフランジを有し、両側のフランジがレール40を挟むことにより、台枠12が斜行しにくい構造になっている。
図1、図2に示す実施例は、間口面側から見て物品収納区画が左右方向に2区画形成された2連構成になっているが、間口方向の連数は限定されるものではなく、1連でもよいし、3連以上であってもよい。図1乃至図5に示すように、台枠12は、間口面方向前後に配置された長尺の部材であるフレーム18を主体としてなる。前後のフレーム18はその両端部が走行装置2を構成する梁30の両端部に結合されることによって一体に結合され、台枠12の基礎を構成している。フレーム18は長尺の金属板を横断面U字状に折り曲げた部材で、前後二つのフレーム18はU字の開放端を互いに対向させて配置されている。上記梁30も金属板を横断面U字状に折り曲げた部材で、U字の開放端を下向きにしてその両端部を前後のフレーム18の断面U字形の内方に挿入し、適宜の結合手段によって連結されている。梁30は車輪支持部材として機能し、梁30の長さ方向の2箇所で車輪14が適宜の軸受を介して回転自在に支持されている。
図2乃至図4に示すように、台枠12の底部には、走行装置2にそれぞれ隣接して転倒防止手段6が取り付けられている。また、台枠12の底部には、2個の補助輪ユニット4が取り付けられている。上記転倒防止手段6の具体的構成および前後の車輪14相互の寸法と転倒防止手段6の前後方向の寸法関係等を次に説明する。
図3、図4は、車輪ユニット2と転倒防止手段6を含む部分を示す。図3、図4において、台枠12の上には、台枠12の移動方向前後方向すなわち奥行き方向の寸法よりも奥行き方向寸法の大きな棚などの物品収納手段10を載せることができる。レール40の長さは物品収納手段10の奥行き方向寸法と同じかこれよりも短く、物品収納手段10の投影平面からレール40がはみ出ないようになっている。前後方向の車輪14相互の回転中心間隔をAとし、これら回転中心からレール40の末端までの水平距離、したがって車輪14が転動することができる範囲をBとする。AはBより大きいものの、台枠12の前後方向寸法に対し前後の車輪14の間隔は狭くなっていて、BはAに近い寸法に設定されている。
図3、図4において、転倒防止手段6は、レール40と平行に固定されたローラーガイド28と、ローラー26を有してなる。ローラーガイド28は、例えば金属板を横断面U字状に折り曲げて形成されたチャンネル状の部材で、横断面U字の開放端縁側を横向きにしてレールプレート42の側面に固定されている。台枠12の下面側には、台枠12を構成する前後のフレーム18にまたがって横断面L字形のローラーホルダ27が固定され、ローラーホルダ27の垂直片に水平方向に固定された水平軸の一端側に、上記ローラー26が回転自在に支持されている。ローラーホルダ27の長さは、台枠12の幅方向の寸法とほぼ同じで、レール40の長さよりもわずかに短くなっている。ローラー26は、一つのローラーホルダ27に3個、ローラーホルダ27の長さ方向両端部と長さ方向中心位置に配置されている。ローラー26は、ローラーガイド28にその開放端縁側から挿入され、台枠12の移動に伴ってローラー26を転動させるとともにこのローラー26を上下方向に位置規制している。
ローラーホルダ27の長さに対する3個のローラーが上記のように配置され、また、前述のように前後の車輪間隔が狭くなっているため、図3(a)(b)に示すように、転倒防止手段6の移動方向両側部のローラー26は上記二つの車輪14よりも台枠12の移動方向外側に配置されている。したがって、図3(b)(c)からわかるように、地震などによってレール40に対して車輪14が転動し、台枠12が移動すると、すぐに一方端部のローラー26がローラーガイド28から外れる。しかし、前後の車輪14がレール40に乗っている間は台枠12およびこれと一体の物品収納手段10が転倒することはない。また、仮に大地震によってレール40と台枠12が大きく相対移動し、前後方向一方の車輪14がレール40の一端から外れたとしても、転倒防止手段6を構成する2個のローラー26はローラーガイド28内にあって上下方向の位置規制がなされているため、台枠12およびこれと一体の物品収納手段10が転倒することはない。加えて、転倒防止手段6はローラー26とローラーガイド28を有してなり、ローラー26がローラーガイド28に沿って転動しながら転倒防止機能を発揮し、台枠12の移動に対する抵抗力も比較的小さいので、転倒防止手段を設けたことによって免振効果が得られなくなることもない。
前後方向一方の車輪14がレール40の一端から外れてしまうと、転倒防止手段6を構成する2個のローラー26に過大な荷重がかかり、台枠12の円滑な移動に支障を生じ、免振効果が低下することになるので、図示の実施例では、台枠12に、車輪14がレール40の長さ方向端部から外れたとき、床面に接して台枠12を支持する補助輪24を設けている。補助輪24は、前後のフレーム18をつなぐ梁に2個、回転自在に設けられ、この2個の補助輪24と梁によって補助輪ユニット4を構成している。補助輪ユニット4は2ユニットあって、転倒防止手段6の近傍に配置されている。
以上説明したように、台枠12は車輪14がレール40上を転動しレール40に沿って移動することができるため、地震時にはレール40に対し軽快に移動し、免震効果を得ることができる。しかしながら、物品の出し入れ時は、みだりに移動することなく一定の位置を安定に保持しているのが望ましい。そこで、台枠12の移動を一時的に規制するロック装置を設け、物品の出し入れ時以外はロック装置によるロックを解除するロック装置及びロック解除手段を設けるのが望ましい。あるいは、平常時は台枠12を移動不能にロックし、地震が発生するとこれを検知してロック装置による移動規制を解除するロック解除手段を設けるのが望ましい。以下、このようなロック装置及びロック解除手段の例について説明する。
図5ないし図10において、前後の車輪14の一方側の車輪であって、前記チェーン22が掛けられるスプロケット21を有する車輪とは反対側の車輪14には、これと一体の軸を介してロック手段としてのスプロケット77が固着されている。台枠12内には、前記梁30の側面に固定された支持板301に固定された適宜形状の2個の滑り受け部材74によって、円柱の棒状のロック部材73が台枠12の前後方向すなわち奥行き方向に移動可能に保持されている。ロック部材73はスプロケット77とともにロック手段を構成していて、ロック部材73の一端は上記スプロケット77の外周に対峙している。ロック部材73にはカラー76が嵌められて固着され、カラー76と一つの受け部材74との間に圧縮コイルばねからなる付勢手段75が介在している。
図6、図7に示すように、ロック部材73は、その一端がスプロケット77の外周から離間する向きに付勢手段75によって付勢されている。ロック部材73からは、カラー76に隣接しかつ付勢手段75とは反対側において、ロック部材73の長さ方向に対し直交する方向に揺動板82が伸び出ている。揺動板82の先端部からは手動操作部材80が一体に伸び出ている。手動操作部材80は、図1、図8、図9に示すように、台枠12の側面に固定された側パネル122の正方形の孔124から外方に突出し、手動により操作することができるようになっている。手動操作部材80は、これを揺動板82とともにロック部材73の長さ方向に移動させると、ロック部材73をその長さ方向に移動させることができ、また、ロック部材73を軸として垂直面内において回転操作することができるようになっている。したがって、手動操作部材80は、ロック部材73と実質一体に設けてもよいし、ロック部材73の長さ方向の移動に対してはロック部材73と一体で、回転方向についてはロック部材73に対し相対回転可能に設けてもよい。上記孔124は、手動操作部材80の水平方向への移動と回転方向への移動を許容できる大きさになっている。
手動操作部材80を水平方向に移動させて、ロック部材73を揺動板82とともにその長さ方向に付勢力に抗して移動させると、図6に示すように、係止部材70がカラー76の側方に落ち込んで付勢力によるロック部材73の移動を阻止するように構成されている。また、このようにロック部材73が付勢力による移動を阻止された態様では、ロック部材73の一端部がスプロケット77の外周に形成されている切り欠きの一つに落ち込んで車輪14の回転を阻止し、台枠12を移動不能にロックしている。上記係止部材70は、横断面が逆U字状になるように形成されるとともに、ロック部材73の上方に、長手方向をロック部材73の方向に向けて配置されている。係止部材70の一端部は、前記支持板301に固定された別の支持板302を介して、ロック部材73方向に対し直交する方向に支持された軸71によって支持されている。したがって、係止部材70は軸71を中心に垂直面内において揺動可能となっている。上記支持板302は横断面が逆U字状に形成されていて、支持板302内に係止部材70を抱え込んだ形になっている。係止部材70は、先端部に、下方に向けて折り曲げることによって形成された係止片702を有していて、平常時は自重により揺動して上記係止片702がカラー76の側面と係合し、ロック部材73の付勢力による移動を阻止している。係止部材70は、上記のようにロック部材73の移動方向に配置されるとともにロック部材73近傍の軸71を中心として揺動可能に取り付けられている。これによって、ロック部材73をロック態様で係止しているとき、ロック部材73の付勢力を受ける点すなわち係止部材70の係止片702とカラー76が当接する点と、上記軸71とを結ぶ線が、ロック部材73の近傍においてその移動方向とほぼ平行になるように設定されている。
係止部材70の下方には、ロック部材73を中心として揺動可能に設けられた前記手動操作部材80と一体の揺動板82が、係止部材70の長さ方向に対し直交する方向に位置している。係止部材70は、上記のように構成されることによって揺動板82に向かって下方に伸びた当接縁を有し、上記のように係止片702がロック部材73の付勢力による移動を阻止している動作態様では、係止部材70の当接縁の直下に揺動板82の上縁が位置している。
次に、上記実施例の使用方法について説明する。物品収納手段10に物品の出し入れ作業を行わない平常時は、図7に示すように、ロック部材73が付勢手段75の付勢力によって移動し、ロック部材73の一端が前記スプロケット77の切り欠きから離間したロック解除の作動態様にしておく。このときの手動操作部材80の位置は、図9に示すように、側パネル122の孔124の右下にある。この作動態様は、台枠12がレールに沿って移動可能な態様であるから、地震が発生したとき免震効果を発揮し、収納物品の転倒、転落を防止することができる。
物品の出し入れ作業を行うときは、手動操作部材80を手動操作することによって図9に示す矢印のように左側に押し、図8に示すように上記孔124の左下まで移動させる。手動操作部材80およびこれと一体の揺動板82とともにロック部材73が付勢力に抗して図6、図7において左に向かって移動する。ロック部材73とともにこれと一体のカラー76も移動し、カラー76が所定距離移動すると、カラー76上を滑っていた係止部材70の係止片702がカラー76の側面に沿って落ち込み、係止部材70は自重で図6に示すように反時計方向に揺動する。この動作態様ではロック部材73の一端部がスプロケット77の切り欠きに係合して台枠12を移動不能にロックし、上記係止片702がカラー76を係止して上記ロック態様を保持する。係止部材70が上記のように揺動することにより、その当接縁が揺動板82の上縁にほぼ接する位置まで降下する。
物品の出し入れ作業が完了したときは、手動操作部材80を手動操作することによって図8に矢印で示すように上に向かって移動させる。手動操作部材80はロック部材73を中心として図10に示すように時計方向上方に回転し、揺動板82の上縁が係止部材70の当接縁に当接してこれを押し上げ、図6に矢印で示すように係止部材70を時計方向に揺動させる。この係止部材70の揺動によってカラー76と係止部材70の係止片702との係止が外れ、ロック部材73は付勢力によって図7に示すようなロック解除位置に移動する。ロック部材73とともに手動操作部材80も移動し、手動操作部材80はまたその操作を解除することによってロック部材73を中心として下方に回動し、図9に示す元の位置に戻る。
以上説明した実施例によれば、ロック部材73をロック態様で係止しているとき、ロック部材73の付勢力を受ける点すなわち係止部材70の係止片702とカラー76が当接する点と、上記軸71とを結ぶ線がロック部材73の近傍においてロック部材73の移動方向とほぼ平行になるように設定されているため、ロック部材73の付勢力に打ち勝って係止部材70をロック解除方向に揺動させるのに必要な力量は小さくてもよい。また、ロック部材73と係止部材70の関係を上記のようにすることによって、ロック部材73をロック態様に確実に保持することができる。よって、台枠12のロック操作、ロック解除操作を円滑に行うことができる。
以上説明した実施例は、固定棚の免震装置としてばかりでなく、移動棚の免震装置としても有効である。複数の移動棚を置き並べ、物品の出し入れ作業を行う棚の前面にのみ作業通路を形成し、他の棚を収束させるようにした移動棚装置において、各移動棚に上記のようなロック装置及びロック解除手段を設けるとよい。物品の出し入れ作業を行う移動棚の前面に作業通路を形成したとき、この作業通路に面する移動棚のロック装置をロック態様にし、作業を完了したときロックを解除する。こうすることによって、平常時はすべての棚が免震状態に置かれることになる。
次に、平常時はロック装置がロック状態に置かれ、地震発生時にこれを検知して直ちにロックを解除して免震機能を発揮するようにした実施例について説明する。図11乃至図19に示す実施例はその一つである。地震などによる床面の震動を感知する感震手段と、この感震手段の感震動作により係止部材を作動させてロック部材を非ロック態様にするロック解除部材を有する係止解除手段が付加されている点が前記実施例と異なっていて、他の構成は前記実施例と同じであるから、係止解除手段を重点的に説明する。
図11乃至図19において、係止部材70は、あとで説明するように係止解除手段と連携していて、地震を検出することにより係止解除手段が係止部材70を揺動させてカラー76との係合を解除し、カラー76とともにロック部材73を付勢方向に移動させるようになっている。この係止部材70とカラー76との係合解除が円滑に行われるように、カラー76の材質は滑り抵抗の低い素材で作られている。
係止部材70の下方には、ロック部材73を中心として揺動可能にロック解除部材67が前記手動操作部材80の揺動板82と隣接して配置されている。図15(b)、図19に示すように、ロック解除部材67は台枠12の移動方向から見てT字状に形成された例えば金属板からなり、T字の上部の中心が上記ロック部材73によって貫かれ、T字の垂直辺606の下端部に形成された上下方向の長孔608をピン66が貫いている。T字状のロック解除部材67の上部は左右方向に対称に伸びた二つの腕68を有してなる。ロック解除部材67はロック部材73とともに移動するようになっており、ロック解除部材67の移動範囲内で上記ピン66がロック解除部材67の上記長孔608との係合関係を維持するように、ピン66はロック解除部材67の移動寸法よりも長くなっている。ロック解除部材67の上記二つの腕68は、逆U字状係止部材70の両側壁の当接縁直下に、係止部材70の長さ方向に対し直交する方向に配置されている。したがって、図16に示すロック態様において、ロック解除部材67がロック部材73を中心に左右いずれの向きに揺動しても、ロック解除部材67は係止部材70を直ちに押し上げてカラー76の係止を外し、ロック部材73を付勢力により移動させ、図17に示すようなロック解除態様になるように構成されている。
上記ピン66はロッド65の一端部に固着されている。ロッド65の他端部は錘保持金具62の折曲片621に連結されている。錘保持金具62は錘61を保持するとともに、台枠12に対し摺動可能に取り付けられている。錘保持金具62および錘61の移動方向は台枠12の移動方向に対して直交する方向であり、錘保持金具62および錘61の移動方向にロッド65が伸びている。錘保持金具62の上記折曲片621には、平常時に錘保持金具62および錘61を中立位置に保持する中立位置保持手段63が連結されている。中立位置保持手段63は一種の付勢手段で、前記梁30の側壁に固定したL字形の支持板301の垂直片に例えばボルトからなる支持軸602が固定され、この支持軸602は上記錘保持金具62の折曲片621を、空間的余裕を持って貫通し、上記支持軸602には、上記錘保持金具62の折曲片621を挟んで両側に圧縮コイルばね603,604を配置することによって構成されている。
上記錘61は、図18、図19に3本の矢印で示すように、地震時の震動方向成分が錘61の移動方向と一致する場合はもちろん、錘61の移動方向に対し斜め方向であっても移動する。震動方向成分ないしは分力が錘61の移動方向にあれば、したがって、台枠の奥行き方向以外の揺れであれば、錘61は左右いずれの向きにも移動する。左右いずれの向きの振動に対しても錘61の移動量がバランスするように、上記錘保持金具62の折曲片621の両側にある圧縮コイルばね603,604の付勢力を調整する。この付勢力の調整は、例えばボルトからなる上記支持軸602にねじ込んだナットの位置を調整することによって行うことができる。図18に示す左右方向の矢印は、地震時の錘61の移動方向を示す。錘61の移動とともにロッド65も移動し、ピン66を介してロック解除部材67を左右方向に揺動させ、前述のようにロック解除部材67の二つの腕68の一方が係止部材70を押し上げて、ロック部材73によるロックを解除するようになっている。図14、図19において符号72は、ロック解除時における係止部材70の揺動範囲を規制する規制部材を示している。このように、ロック部材73、係止部材70、感震手段としての錘61、ロック解除部材67を含むロック及びロック解除ユニットが、一つの台枠12に設けられた複数の走行装置2のうち一つの走行装置2の梁30に組み付けられている。より具体的には、上記梁30の一側面側に錘61が装着され、ロック部材73、係止部材70、ロック解除部材67を有してなるロック及びロック解除機構が上記梁30の他方の側面側に装着され、錘61側とロック及びロック解除機構側を、梁30に下方に梁30と直交する方向に配置されたロッド65が連携している。
図11乃至図19に示す免震装置の実施例について、平常時の態様において地震が発生した場合の一連の動作を説明する。平常時は、図15に示すようにロック装置を構成するロック部材73が付勢力に抗して移動させられ、ロック部材73の一端部がスプロケット77の切り欠きに係合して台枠12は移動不能にロックされ、係止部材70によりカラー76が係止されて上記ロック状態が維持されている。したがって、台枠12は移動することなく安定して定位置に保持され、物品の出し入れに支障をきたすことはない。
上記の態様において、地震が発生したとする。地震の震動方向はまちまちであり、あらゆる震動方向成分を持っている。図18、図19に示す錘61の移動方向と同じ震動方向成分ないしは分力が働くと、この震動方向成分ないしは分力に応じて錘61が左右いずれかの向きに移動すると、錘61とともにロッド65が移動し、前述のようにロック解除部材67を揺動させ、係止部材70を押し上げて揺動させ、係止部材70の係止片702によるカラー76の係止を解除する。これによって図17に示すようにロック部材73が付勢力により移動し、ロック部材73の一端がスプロケット77から離間して上記のロックを解除する。ロック解除によって車輪14はレール40上を転動可能となり、台枠12はレール40との関係において相対移動可能となり、免震効果を得ることができる。係止部材70の両側壁下端縁がそれぞれロック解除部材67の二つの腕68に対向し、ロック解除部材67がどちらの向きに揺動しても係止部材70を揺動させてロックを解除するようになっている。
ロック解除のための加速度センサということができる錘61は、地震によって水平移動する構造にしているため、その移動方向成分が含まれている地震であれば反応し、震動方向を選ぶことなくあらゆる震動に反応する利点がある。
また、係止部材70とロック解除部材67の構造は、振動方向が左右どちらであってもロック解除動作をし、振動方向を選ばないので、地震の発生からロック解除までに要する時間が短縮され、免震効果を高めることができる。
錘61及びこれに連携する上記ロッド65、ロック解除部材67などからなる係止解除手段は、台枠12内に配置されているため、物品収納空間が制限されることはない。
免震機能を高めるためには、台枠12が抵抗無く軽快に移動するのが望ましい。しかし、物品収納手段10に物品を出し入れするときに物品収納手段10とともに台枠12がふらつくと出し入れ作業がやりにくい。そこで、物品の出し入れを行う場合には、手動操作によって台枠12を移動不能にロックするとよい。図1乃至図10に示す実施例について説明した手動操作部材80及びこれと連携する機構と同じ機構が図11乃至図19に示す実施例にも備えられている。ロックが解除されている平常状態から、ロックを掛ける場合は、手動操作部材80を図13、図17に示す状態から図12、図16に示す位置まで左方に移動させる。手動操作部材80とともにロック部材73が移動し、係止部材70の係止片702がカラー76の側面に沿って落ち込み、ロック部材73の付勢力による移動を阻止するとともに、ロック部材73の一端がスプロケット77の切り欠き8に係合したロック態様を保持する。
物品の取り出し作業が終了したら、手動操作部材80を操作してロックを解除しておくのが望ましい。ロック解除操作は前述の実施例の場合と同じで、手動操作部材80を図12に矢印で示すように上に向かって移動させる。この操作により、揺動板82で係止部材70が押し上げられ、係止部材70の係止片702によるカラー76の係止が解除され、図13、図17に示すような非ロック態様となり、免震機能を発揮する。なお、物品の取り出し作業を終了したあと、ロック解除を忘れたとしても、感震手段である錘61、ロック解除部材67などからなる係止解除手段が係止部材70によるロック部材73の係止を解除し、自動的に免震状態にする。
この実施例にかかる免震装置も、移動棚における免震装置として各移動棚に適用可能である。
これまで説明した実施例では、ロック部材73を手動的に操作するために、手動操作部材80を台枠12の側面側から突出させていたが、かかる構成に限られるものではない。例えば、図20に示す実施例では、ロック部材73の、スプロケット77と対向する側とは反対側の端部を延長して、台枠12のフレーム18を貫通させ、台枠12の側壁に沿って立ち上がっている物品収納手段10の前化粧パネル101を貫通させている。前述のように、ロック部材73は、その一端がスプロケット77の外周から離間する向きに付勢手段75によって付勢され、この付勢力によって移動した状態では、ロック部材73の他端部すなわち外端部が前化粧パネル101の面から突出するようになっている。ロック部材73の外端部は前化粧パネル101の外側から手動操作によって押し込むことができ、上記付勢力に抗してロック部材73を内方に向かって移動させることができる。以上の構成以外は、図11乃至図19に示す実施例の構成と同じである。したがって、ロック状態において地震が発生すると、自動的にロックが解除され、免震状態となる。
本願発明にかかる免震装置は、台枠の部分のみを工場で生産し、設置現場において既存の定置棚などの物品収納手段を載せるようにしてもよいし、台枠と物品収納手段を一体として工場で生産してもよい。また、台枠の部分と物品収納手段を分けて工場で生産し、設置現場において一体化してもよい。
本願発明にかかる免震装置は、固定棚の免震装置としても、移動棚の免震装置としても適用可能である。
本発明にかかる免震装置は、棚をレール上の任意の位置に移動させてロックすることにより、棚のレイアウトを自由に変更することができる固定棚として、また、レールを台枠の奥行き寸法とほぼ同じ長さにして、平常時、レールが使用者の邪魔にならない固定棚として、したがって、開架式の書架として利用することができる。
本発明にかかる免震装置を有する棚の実施例を示すもので、(a)は外観正面図(b)外観側面図である。 同上実施例の底面図である。 本発明にかかる免震装置の実施例を示す、(a)は車輪の部分の側面図、(b)は転倒防止手段の部分の側面図、(c)は転倒防止手段の部分の別の作動態様を示す側面図である。 上記転倒防止手段及び車輪の部分の正面図である。 上記免震装置の実施例を一部省略して示す平面図である。 上記免震装置の実施例の要部を示す側面図である。 同上実施例の要部の異なる作動態様を示す側面図である。 上記免震装置の実施例の要部を示す外観側面図である。 同上実施例の要部の異なる作動態様を示す外観側面図である。 同上実施例の要部を示す正面図である。 本発明にかかる免震装置の別の実施例を一部省略して示す平面図である。 同上実施例の要部を示す外観側面図である。 同上実施例の要部の異なる作動態様を示す外観側面図である。 同上実施例の要部を示す正面図である。 同上実施例の要部を示すもので、(a)はロック解除部材を含む側面図、(b)はロック解除部材のみを示す側面図である。 同上実施例の要部を示す側面図である。 同上実施例の要部の異なる作動態様を示す側面図である。 同上実施例における感震手段の部分を示す平面図である。 同上実施例における感震手段とロック解除部材を含む係止解除手段を示す正面図である。 本発明にかかる免震装置のさらに別の実施例を示す要部の側面図である。
符号の説明
2 走行装置
4 補助輪ユニット
6 転倒防止手段
10 物品収納手段
12 台枠
13 通し軸
14 車輪
40 レール
61 感震手段としての錘
67 ロック解除部材
70 係止部材
73 ロック手段としてのロック部材
75 付勢手段
76 カラー
77 ロック手段としてのスプロケット
80 手動操作部材

Claims (3)

  1. 物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠と、
    台枠に装着された走行装置と、
    上記走行装置が載せられて地震時に台枠を相対移動させることができるレールと、
    付勢力に抗して移動し上記台枠を移動不能に規制するロック態様と付勢方向に移動し上記規制を解除する非ロック態様とをとることができるロック部材と、
    上記ロック部材をロック態様で係止することができ係止を解除することによってロック部材を非ロック態様にする係止部材と、
    地震などによる床面の振動を感知し上記係止部材を作動させて上記ロック部材を非ロック態様にする係止解除手段と、を有し、
    上記ロック部材には、これを外部から操作することができる手動操作部材が設けられており、上記手動操作部材は、ロック部材を付勢力に抗して移動させてロック部材をロック態様におくことができるように構成され、
    上記走行装置は、台枠を構成するフレームに結合された梁とこの梁に回転自在に設けられた車輪を有してなり、一つの台枠に上記走行装置が複数個取り付けられ、一つの走行装置に、ロック部材、係止部材、感震手段、ロック解除部材を含むロック及びロック解除ユニットが組み付けられ、
    上記レールの長さは、上記台枠に載置される上記物品収納手段の奥行き方向の寸法と同じであるか、または、それよりも短くかつ上記レール上に配置された車輪の回転中心軸間距離よりも長く、
    上記係止部材は、上記ロック部材の移動方向に配置されるとともにロック部材近傍の軸を中心として揺動可能に取り付けられ、上記ロック部材をロック態様で係止しているときロック部材の付勢力を受ける面と上記軸とを結ぶ線の方向がロック部材の移動方向であり、
    上記係止解除手段は、地震などによる床面の振動を感知する感震手段と、この感震手段の感震動作により係止部材を作動させてロック部材を非ロック態様にするロック解除部材を有し、
    上記感震手段は、地震の揺れを感知して台枠の移動方向に対し直交する方向であって水平方向に移動するように台枠内に取り付けられていて、上記直交する方向と同じ振動方向成分乃至は分力による上記床面の振動を感知することを特徴とする免震装置。
  2. ロック解除部材はロック部材に嵌められてロック部材を中心として揺動可能に設けられるとともに揺動中心に対して対称に二つの腕を有し、係止部材は上記二つの腕が当接する二つの当接縁を有し、ロック解除部材がいずれの向きに揺動しても係止部材を作動させてロック部材を非ロック態様にする請求項1記載の免震装置。
  3. ロック部材は棒状の部材からなっていて、ロック部材には滑りやすい材質からなるカラーが取り付けられ、ロック部材が長さ方向に移動することによってロック態様と非ロック態様をとることができ、ロック態様では上記カラーの側面に係止部材が面接触してロック部材を係止し、非ロック態様では上記カラーの上に係止部材が載るように構成されている請求項2記載の免震装置。
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