JP2005172006A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 免震機能のない既存の書架ないしは棚などに、容易、かつ、低コストで免震機能を付加することができる免震装置を得る。
【解決手段】 物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠12、台枠の底部に装着された走行装置、走行装置が載せられて地震時に台枠を移動させることができる複数の軌条15、台枠を移動不能に規制するロック位置と規制を解除する非ロック位置との間で移動することができるロック手段、地震などによる床面の振動を感知しロック手段を非ロック位置に移動させる規制解除手段、軌条の両端部に設けられていて台枠の移動範囲を規制する移動規制手段を有し、軌条には一台の台枠が載せられている。軌条15の長さは、台枠12に載置される物品収納手段の移動方向の長さと同じかまたはそれよりも短くてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震による載置物の落下や転倒を防止して載置物の破損を防止する免震装置に関するもので、例えば、図書館における書架に免震性を持たせるのに、あるいは、美術品、学術的価値のある資料などの保管に好適なものである。
従来、例えば、図書館などに設置されている自立式の開架書庫として、地震時の利用者の身の安全を図り、あるいは、書架の転倒防止、収蔵書籍の落下防止のために、免震自立棚が提案され、普及しつつある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、閉架書庫として、免震機能つき移動棚が用いられるようになってきた。免震機能つき移動棚は、地震などによって設置床が大きく揺れても、免震機能により、棚が転倒することのないように、また、収蔵している書籍などが落下することのないように工夫されたものである(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−266941号公報 特開平10−085068号公報 特開平10−327947号公報
開架書架にせよ閉架書架にせよ、従来の免震機能を持った書架ないしは棚は、もともと設計の段階から免震機能を持ったものとして設計され製造されるものであり、既に存在している免震性のない書架ないしは棚については、地震などによって設置床が大きく揺れた場合の、棚の転倒防止効果、収納物品の落下防止効果を期待することはできない。したがって、既存の書架ないしは棚に免震機能を持たせようとすると、既存の書架ないしは棚を、免震機能を有する書架ないしは棚に入れ替えなければならず、大幅なコスト高になる難点があった。また、免震機能つきの書架ないしは棚に入れ替えるには、設置工事に日数がかかり、図書館であれば長い間休館せざるを得ず、その間利用者が書籍等の閲覧ができないという難点もあった。
本発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、免震機能のない既存の書架ないしは棚などに、容易、かつ、低コストで免震機能を付加することができる免震装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、従来の免震機能を有する書架や棚などと比較して、簡単に設置することができ、また、見栄えのよい免震装置を提供することを目的とする。
本発明は、物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠と、台枠の底部に装着された走行装置と、走行装置が載せられて地震時に台枠を移動させることができる軌条と、台枠を移動不能に規制するロック位置と規制を解除する非ロック位置との間で移動することができるロック手段と、地震などによる床面の振動を感知しロック手段を非ロック位置に移動させる規制解除手段と、軌条の両端部に設けられていて台枠の移動範囲を規制する移動規制手段と、を有し、複数の軌条上には一台の台枠が載せられていることを最も主要な特徴とする。
台枠の載置面には、書架あるいは棚などの物品収納手段を載置する。通常はロック手段がロック位置にあって、台枠は移動不能にロックされている。一定の震度以上の地震が発生すると、これを規制解除手段が感知してロック手段によるロックを解除して非ロック位置に移動させる。これによって台枠はその車輪が軌条の上を転動して移動することができ、振動する設置床に対し台枠が相対的に移動することにより地震エネルギーが台枠に伝達されるのを軽減し、物品収納手段とともに台枠が転倒することが回避され、物品収納手段に収納されている物品の転等、落下が防止される。台枠の移動範囲は移動規制手段によって規制される。
免震機能のない既存の書架あるいは棚などの物品収納手段を台枠に載置することによって、容易に免震機能つきの物品収納手段に変更することができる。免震装置自体は台枠部分のみでよく、物品収納手段を組み付ける必要はないから、当初より免震機能を備えている従来の書架あるいは棚などと比較して、簡単な構成で低コストの免震装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明にかかる免震装置の実施例について説明する。図1乃至図3において、符号12は、物品あるいは物品収納手段を載置するための載置面を有する台枠を示している。台枠12の底部には、走行車輪14を有してなる走行装置が装着されている。走行車輪14は、免震装置を設置する床(以下「設置床」という)に敷設された複数の軌条15に載せられ、軌条15上を走行車輪14が転動することによって台枠12が軌条15に沿い相対移動することができるようになっている。図示の例では、2本の軌条15が対をなして敷設され、この一対の軌条15の上には、一台の台枠12の、走行装置としての車輪14が載せられている。移動方向は軌条15の長手方向であり、台枠12の幅方向である。したがって、地震時に設置床が軌条15の長さ方向に揺れると、揺れる軌条15上を走行車輪14が転動し、台枠12はほぼその場に留まる。換言すれば、軌条15に上記走行装置が載せられることにより、地震時に台枠12が軌条15に対して相対移動することができるようになっている。
図1に示すように、走行車輪14は一つの台枠12につき4個用いられ、台枠12の長手方向の一つの軸線上に2個一対の走行車輪が14、もう一つの軸線上にも2個一対の走行車輪14が配置されている。この2個一対の走行車輪14は通し軸13によって結合されることにより走行装置が構成され、この走行装置が2対、台枠12の移動方向に並べて配置されている。本発明にかかる免震装置は、走行装置の構成が周知の移動棚の走行機構に似た構造になっているが、以下に述べるように、周知の移動棚とは異なった発想に基づくものである。
周知の移動棚は、移動可能な複数の棚を使用し、すべての棚を収束させた状態と、任意の棚間に物品の出し入れ作業を行うための通路を形成した状態とを作り出すようにしたものであって、空間の利用効率を高めることを目的としている。したがって、上記軌条は、移動棚全体の移動範囲にまたがる長さのものが用いられる。
これに対して、本発明の一実施例にかかる図1乃至図3に示す免震装置では、軌条15の長さは、台枠12の幅とほぼ同じ長さになっている。走行車輪14は台枠12内に装着されているため、走行車輪14の回転中心軸間距離は軌条15の長さよりも短く、軌条15の長さと移動方向前後に配置された走行車輪14の回転中心軸間距離との差の範囲内で台枠12が軌条15に対して相対移動できるようになっている。軌条15の長さは、台枠12の幅方向すなわち台枠12の移動方向の寸法と等しいか、または、それよりも短く、かつ、車輪14の回転中心軸間距離よりも長ければよい。
台枠12の上面は物品あるいは物品収納手段の載置面となっている。図1乃至図3に示す例では、載置面に載置物10が載せられている。載置物10は、投影平面において、長手方向の寸法は台枠12の長手方向の寸法とほぼ同じであり、幅方向の寸法は台枠12の幅方向の寸法よりも大きく、載置物10が台枠12から幅方向にはみ出している。
台枠12には、台枠12を移動不能に規制するロック位置と規制を解除する非ロック位置との間で移動することができるロック手段と、地震などによる設置床の振動を感知し上記ロック手段を非ロック位置に移動させる規制解除手段と、上記軌条15の両端部に設けられていて台枠12の移動範囲を規制する移動規制手段と、台枠12が移動することにより台枠12を押し戻す向きの力を蓄勢しながら台枠12に伝達される地震エネルギーを軽減する緩衝手段が設けられている。以下、これら各種手段の具体的な構成および台枠12の、より具体的な構成を説明する。
図4乃至図9に示すように、台枠12は、金属板を折り曲げ加工しかつ一体に結合することによって形成された、下部が開放した扁平な箱型の部材であって、台枠12の天井に相当する面には台枠12の幅方向に適宜数の梁19が固定され、適宜数の梁19に固定された適宜数の軸受59によって前記通し軸13が回転自在に支持されている。平行に配置された2本の通し軸13にはそれぞれ同じ径のスプロケット21,21が相対する位置に一体に取り付けられ、双方のスプロケット21,21にはチェーン22が掛けられて同期回転機構20が構成されている。同期回転機構20が設けられていることにより、走行方向に対をなして配置された走行装置の通し軸13が同期して回転し、台枠12の斜行が防止され、台枠12の円滑な移動が可能となる。
複数の上記梁19のうち適宜の梁19には緩衝手段25が設けられている。緩衝手段25は、図7、図9、図10に示すように、上記梁19に固定された2個の軸受59間において、梁19の下面に固定された溝形のアングル材61と、アングル材61の下面に結合された軸支持部材26と、軸支持部材26によって支持された軸27と、軸27が摺動可能に貫通し軸27の長さ方向ほぼ中央部に位置するU字形のばね受け28と、設置床側に固定され上記ばね受け28にその外側から抱き込むようにして配置されたU字形のストッパ30と、ばね受け28の両側において軸27に巻き付けるようにして配置された2個のばね29、29と、を有してなる。軸支持部材26は台枠12の幅方向に長い部材で、長さ方向両端部が下方に直角に折り曲げられ、この折り曲げ両端部によって軸27が固定され支持されている。ばね受け28が軸27の長さ方向中央部にあるとき、上記2個のばね29、29の蓄勢力はほぼゼロで、ばね受け28が軸27の長さ方向の一方に移動すると、ばね29、29の一方が蓄勢されるようになっている。
上記ばね29、29による蓄勢力は、ばね受け28を、したがってこれと一体の台枠12を、軸27の長さ方向中央部に向かって押し戻そうとする力である。地震によって設置床とともに軌条15が揺れると、前述のように走行車輪14が軌条15上を転動しながら軌条15の揺れに対して相対移動し、地震エネルギーが台枠12に伝達されることを回避し、免震効果を得ることができる。この免震効果を発揮するとき、軌条15に対し台枠12と一体にばね受け28が相対移動し、ばね29、29の一方が蓄勢される。ばね29が蓄勢されることによって緩衝効果が発揮され、台枠12に伝達される地震エネルギーが軽減される。地震による揺れが停止すると、ばね29の蓄勢力で、ばね受け28および台枠12が元の位置に向かって押し戻される。
前述のように、周知の移動棚と異なり、図示の実施例にかかる免震装置においては、軌条15の長さに限りがある。そのため、地震時の設置床の移動距離ないしは振幅に対し、台枠12が移動できる距離が短く、台枠12の相対移動範囲を規制しなければ、軌条12の終端から走行車輪14が脱輪することになる。そこで、図11に示すように、軌条12の長さ方向両端部に、走行車輪14が当たって台枠12の移動範囲を規制する移動規制手段18が設けられている。移動規制手段18は軌条15の上に突設されたストッパである。この移動規制手段18に車輪14が勢いよく当たると、台枠12が衝撃を受け、台枠12に載せられている前記載置物10が台枠12から脱落し、台枠12自体も転倒するおそれがある。そこで上記緩衝手段25を構成するばね29が蓄勢されることによって、車輪14が規制手段18に当たる前に緩衝され、台枠12に伝達される地震エネルギーが軽減され、載置物10の落下、あるいは台枠12の転倒を防止するようになっている。ただし、ばね29の弾力を過度に強くすると、地震エネルギーの緩衝効果が薄れるので、ばね29の弾力はあまり強くしないのが望ましい。ばね29の弾性係数をどの程度に設定するかは、台枠12の移行余裕がどの程度あるかによって大きく影響される。移行余裕が十分にあればばね29の弾力は弱くてもよく、移行余裕が十分になければばね29の弾力はある程度強くする必要がある。
図11は、台枠12と軌条15の寸法関係の例と地震時の動作例を示す。図11(a)に示すように、台枠12の移動方向に並ぶ車輪14の回転中心軸間距離L1が220(mm)、台枠12が軌条15の長さ方向中央にある時の前後方向への移行余裕すなわち片方の車輪14の回転中心から移動規制手段18までの水平距離L2をそれぞれ100(mm)とする。この設計値は台枠12が最小に近い設計値である。また、過去に起こった大地震、例えば、阪神淡路大地震のときの最大振幅を200(mm)と想定している。最大振幅が200(mm)であるとすれば、図11(a)の例では片側の移行余裕がそれぞれ100(mm)で、大地震の振幅に足りない。そこで前述のような緩衝手段25を設けることにより、緩衝手段25で地震エネルギーを蓄勢し、台枠12の移行余裕の不足を補っている。緩衝手段25は、台枠12が移動可能な範囲のすべてで有効に作動するようにしてもよいし、台枠12が移動可能な範囲の一部、すなわち移動規制手段側の移動範囲で有効に作動するようにして、地震の振幅が一定の振幅以上になった場合に有効に作動するようにしてもよい。
図11(a)は通常の状態を示しており、台枠12は軌条15の長さ方向ほぼ中央にある。地震によって設置床とともに軌条15が図11(b)に示すように左方に移動した瞬間は、軌条15の移動に対して車輪14が回転することにより台枠12はほぼその場に留まる。しかしながら、軌条15に対しては相対移動する。この相対移動によって、台枠12への地震エネルギーの伝達が緩衝され、また、前記緩衝手段25が機能することによって緩衝され、台枠12の転倒および台枠12上の載置物の落下、転倒が防止される。図11(b)では、右側の車輪14が規制手段18に当接しているように見えるが、車輪14が規制手段18に当接する前に緩衝手段26が機能するので、上記の転倒防止機能、落下防止機能が発揮される。
地震が収まると、緩衝手段25を構成する前記ばね29の蓄勢力で、図11(c)に示すように台枠12が元の位置に向かって押し戻される。台枠12自体の荷重、載置物の荷重がかかっているため、ばね29の蓄勢力で台枠12は完全に元の位置に戻ることはできない。完全にもとの位置に戻すのであれば手動力によって戻せばよい。
上記緩衝手段25と並列的に転倒防止部材60が設けられている。図6ないし図8において、前記アングル材61の下面には、緩衝手段25を構成する前記軸支持部材26とともに上記転倒防止部材60が固定されている。転倒防止部材60は台枠12の移動方向に長い板状の部材をJ字状に折り曲げてなる部材で、前記軌条15を受ける軌条受け部材58の折り曲げ側縁部と係合することによって台枠12の転倒を防止するようになっている。より具体的には、軌条受け部材58は長さ方向の両側縁部が直角に上に折り曲げられるとともにさらに直角に折り返されて水平方向内向きの折り曲げ縁部となっていて、この折り曲げ縁部の下側に接近して、上記転倒防止部材60の折り曲げ縁部が回り込んでいる。転倒防止部材60の長さは、台枠12の長さ方向に並ぶ車輪14の回転中心軸間の距離とほぼ等しい長さになっている。このような転倒防止部材60は、台枠12の長さ方向両端部、すなわち軌条15に対応して軌条15ごとに設けられている。したがって、台枠12がその長手方向片側が持ち上がろうとすると、上記転倒防止部材60の折り曲げ縁部が軌条受け部材58の折り曲げ縁部に係合して、台枠12の浮き上がりが防止される。また、台枠12がその幅方向(移動方向)に転倒しようとすると、転倒防止部材60の長さ方向両端部の折り曲げ縁部が軌条受け部材58の折り曲げ縁部に係合して、台枠12の転倒が防止される。
次に、前記ロック手段および、このロック手段による規制を解除する規制解除手段の具体的な構成について説明する。図4、図12において、符号41はロック手段の一部を構成するロック部材を示し、符号35は規制解除手段を示す。規制解除手段を構成する部材のほとんどは筐体70内に組み込まれている。上記ロック手段41は、円柱形の部材を直角に折り曲げた形をしており、筐体70の内壁面に沿って摺動可能な直方体のブロック40から、筐体70の長孔を通して一体に伸び出ている。ロック手段41およびブロック40は上記長孔の範囲で前記車輪14の軸13と平行な方向に移動可能となっている。上記軸13にはスプロケット状の、すなわち、外周縁部に一定間隔で切り欠きが形成された形のロック輪55が一体に設けられている。上記ロック手段41はブロック40とともに摺動することにより、ロック輪55の上記切り欠きの一つに係合し、また、この係合が外れるように、ロック輪55の近くに配置されている。ロック手段41がロック輪55の上記切り欠きの一つに係合した状態では軸13およびこの軸13と一体の車輪14の回転が阻止され、台枠12が移動不能に規制される。ここでは、このロック手段41の位置をロック位置という。ロック手段41がロック輪55の上記切り欠きから外れた状態では車輪14が回転することができ、台枠12は移動することができる。ここでは、このロック手段41の位置を非ロック位置という。
上記ブロック40は、ばね49によって図12において右方に、したがってロック手段41がロック輪55との係合が外れて非ロック位置に摺動させようとする向きに付勢されている。しかし、図12に示す態様では、ばね49の付勢力に抗してブロック40が図12において左方に摺動させられ、ロック手段41が台枠12を移動不能に規制するロック位置におかれている。このロック位置では、円柱状のストッパ42がブロック40の円形の穴47(図13参照)に嵌り、上記付勢力によるブロック40の移動を阻止し、ロック状態を保っている。図13に示すように、ブロック40は上記孔47のほかに、楕円形の孔48を有している。楕円形の孔48は、長軸方向をブロック40の移動方向に対し直交する方向に向けて形成されている。楕円形の孔48には、円柱状の手動操作部材50とこの手動操作部材50に一体に結合された円柱状の復帰部材51とが入っている。手動操作部材50は、筐体70を貫通し、かつ、台枠12の側壁を貫通して外部に突出し、この突出端につまみ52が一体に設けられている。
手動操作部材50は筐体70に設けられた適宜の軸受によってその中心軸線を中心に回転可能に支持されていて、つまみ52の操作によって手動操作部材50が回転するのに伴い復帰部材51も上記中心軸線を中心とした円弧を描きながら移動するようになっている。手動操作部材50はばね53によって回転付勢され、この付勢力によって手動操作部材50が回転した状態では手動操作部材50と復帰部材51とが上記楕円形の穴48の長軸方向に並び、ブロック40はばね49の付勢力によって移動し得る状態になる。楕円形の穴48の内壁面と手動操作部材50および復帰部材51とでカム機構と同等の機能を果たすようになっていて、つまみ52を手動操作し、ばね53の付勢力に抗して手動操作部材50を図13において時計方向に回転させると、手動操作部材50が楕円形の穴48の内壁面を押し、ブロック40がばね49の付勢力に抗して左方に摺動するようになっている。この付勢力に抗したブロック40の摺動位置において上記ストッパ42の端面とブロック40の穴47とが対向し、ストッパ42がばね43による付勢力で穴47に嵌り、ばね49の付勢力によるブロック40の摺動が阻止され、前記ロック手段41が前記ロック位置におかれた状態が維持されるようになっている。手動操作部材50は、操作を解除すると付勢力で元の回転位置に復帰する。
ストッパ42は、適宜のガイドによって長さ方向に摺動可能となっており、ブロック40の穴47との嵌合端とは反対側の端部には、傾斜面からなるカム面45を有するカム板44が固着されている。上記カム面45には、振動感知手段36と一体の押圧片39が接している。押圧片39は振動感知手段36から伸びたアームの先端に設けられている。振動感知手段36は円筒状の部材で、ある程度大きな重量を有し、加速度検知手段として機能する。振動感知手段36は筐体70に固定された軸37をガイドとして長手方向に摺動可能になっており、通常はばね38により図12において右方に移動するように付勢されている。ある程度以上の震度で設置床が揺れたとき、軸37は台枠12とともに移動するのに対し、振動感知手段36はその慣性力でその場にとどまろうとする。その結果、振動感知手段36が軸37に対し相対移動し、押圧片39がカム板44のカム面45を押し、ストッパ42をばね43による付勢力に抗し移動させてブロック40の孔47から抜け出させ、ストッパ42とブロック40との係合を解除し、ブロック40をばね49による付勢力で移動させ、ロック手段41を前記非ロック位置に移動させるように構成されている。
以上説明した実施例の一連の動作を説明する。通常は、図12に示すようにロック手段41がロック輪55の切り欠きに係合したロック位置にあり、車輪14の回転が阻止されて、台枠12は移動することができない。したがって、この状態で台枠12の載置面に直接物品を載せ、載せた物品を降ろし、あるいは台枠12の載置面に載せられている物品収納手段に対し物品を出し入れすることができる。
地震によって設置床が一定の震度以上で揺れると、規制解除手段の振動感知手段36がばね38の付勢力に抗して軸37に対し相対移動し、押圧片39がカム板44のカム面45を押す。カム板44はストッパ42とともにばね43の付勢力に抗して移動させられ、ストッパ42がブロック40の穴47から抜け出る。ストッパ42はばね49の付勢力により移動し、ロック手段41がロック輪55の切り欠きから抜け出て非ロック位置となる。非ロック位置では、軌条15上を車輪14が転動し、また、緩衝手段25が機能することにより、台枠12に伝達される地震エネルギーが軽減され、載置物の落下、台枠12の転倒などを防止することができる。
一旦、上記のような非ロック位置になると、ブロック40の穴47がストッパ42との対応位置からずれているため、振動感知手段36が上記カム面45の押圧を解除する向きに移動しても、また、設置床の揺れが収まっても、ブロック40の穴47にストッパ42が係合することができず、非ロック位置が維持される。非ロック位置からロック位置に復帰させるには、つまみ52の回転操作により手動操作部材50を回転させ、手動操作部材50と一体の復帰部材51でブロック40の楕円形の穴48の内側面を押し、ブロック40をばね49の付勢力に抗して移動させる。ブロック40の穴47がストッパ42との対応位置に至ると、ストッパ42がばね43の付勢力により移動し、上記穴47に係合する。このストッパ42の位置がロック位置であり、台枠12は通常の使用態様となる。
次に、図14、図15に示す転倒防止機構の変形例を説明する。この転倒防止機構は、台枠12の移動方向前後に並んでいる軸受59にまたがり、その下端面に転倒防止部材71が固定されている点が前述の実施例における転倒防止機構の構成と異なる。転倒防止部材71は台枠132の移動方向に延びていて、下端縁部が垂直方向下方に折り曲げられ、さらに水平方向に直角に折り曲げられて折り曲げ縁部が形成されている。この折り曲げ縁部は、軌条受け部材58の折り曲げ側縁部の下側に回り込み、台枠12が傾くと転倒防止部材71の折り曲げ縁部が軌条受け部材58の折り曲げ側縁部に係合して、台枠12の転倒が防止されるようになっている。
次に、図16、図17に示す緩衝手段の変形例を説明する。図16、図17において、符号75は緩衝手段を示す。緩衝手段75は、前述の実施例における梁19の下面に固定された溝形のアングル材61を有していて、このアングル材61の下面に結合された軸支持部材76と、軸支持部材76によって横並びに平行に支持された二つの軸77と、各軸77にまたがって摺動自在に嵌められた一対の摺動片79と、一対の摺動片79間において各軸77の外周に挿入された反発コイルばね78と、軌条受け58の一側縁部に固定されて各摺動片79が当接する一対のストッパ72と、を有してなる。軸支持部材76は台枠12の移動方向に延びていて、移動方向両端部の下向きの折り曲げ部間において各軸77が支持されている。各反発コイルばね78は各摺動片79を軸支持部材76の折り曲げ部内側面に押し付けている。台枠12の移動方向における各摺動片79の外側の面は、それぞれストッパ72に当接しまたは近接している。
地震によって設置床が一定以上の震度で揺れると、前述の実施例と同様に、ロック手段が非ロック位置に移動し、台枠12の軌条15に沿った移動を許容する。設置床とともに軌条15が移動すると、車輪14が回転することにより台枠12はその場に留まろうとし、軌条15が台枠12に対して相対移動する。このとき、一方のストッパ79が一方の摺動片79を押すことになり、ばね78を圧縮しながら付勢する。これによって地震エネルギーがばね78に蓄えられて緩衝され、台枠12に伝達される地震エネルギーが軽減され、台枠12の傾き、転倒が防止され、台枠12上の載置物や物品収納手段の転倒、落下が防止される。地震がおさまると、ばね78の蓄勢力によって台枠12が原位置の方に向かい押し戻される。
このように、図16、図17に示す緩衝手段によっても、前述の実施例における緩衝手段と同様の作用効果を得ることができる。
なお、台枠の載置面に既存の棚などの物品収納手段を載せる場合、台枠と物品収納手段は確実にあるいは強固に一体化されていることが望ましい。そこで、台枠と物品収納手段とを結合する金具を用いるとよい。台枠と物品収納手段との間に段差ないしは面のずれがある場合は、段差ないしは面のずれに対応した形の結合金具を用いるとよい。
台枠が移動することにより台枠を押し戻す向きの力を蓄勢しながら台枠に伝達される地震エネルギーを軽減する緩衝手段は、台枠の全移動範囲で機能させるようにする必要はない。例えば、地震を感知して規制が外れ、台枠が移動し得る範囲の例えば前半では緩衝手段が機能せず、台枠の相対移動のみで地震エネルギーを軽減し、台枠が移動し得る範囲の広範で緩衝手段が機能するようにしてもよい。すなわち、緩衝手段は、台枠が移動可能な範囲のうち移動規制手段側の移動範囲で有効に作動するようにしてもよい。また、台枠の移動方向の寸法を十分に確保することができ、これに応じて軌条の長さを十分に確保することができ、台枠の移動範囲を十分に確保して、地震時に移動規制手段に衝突するおそれがない場合は、緩衝手段を省略してもよい。
図示の実施例では、台枠の投影平面形状が長方形で、その幅方向に移動可能な構成になっていたが、台枠の投影平面形状は正方形またはこれに近い形状であってもよい。台枠の投影平面形状が長方形の場合、移動可能な方向は台枠の長手方向としてもある程度の免震効果を期待することはできるが、幅方向に移動可能とするのが望ましい。
図12に示す筐体70を主体として組み込まれるロック手段、規制解除手段など、特に規制解除手段35は、台枠12ではなく設置床側に設けてもよい。
本発明にかかる免震装置は、既存の固定式の棚、書庫などに免震機能を付加するのに便利である。また、机やOA機器などに免震機能を付加することもできる。
本発明にかかる免震装置は、既存の物品収納手段などに免震機能を付加するためのユニットとして製造販売してもよいし、物品収納手段、机やOA機器、その他の製品自体が本発明にかかる免震装置を備えているものとしてもよい。
本発明にかかる免震装置の実施例を概略的に示す底面図である。 同上実施例の側面図である。 同上実施例の正面図である。 上記実施例の一部分をより詳細に示す拡大底面図である。 上記実施例の残りの部分をより詳細に示す拡大底面図である。 上記実施例における転倒防止機構の部分を示す正面図である。 上記実施例における転倒防止機構および緩衝手段の部分を示す正面図である。 上記実施例における転倒防止機構の部分を示す側面図である。 上記実施例における転倒防止機構および緩衝手段の部分を示す側面図である。 上記転倒防止機構を示す拡大側面図である。 本発明にかかる免震装置の寸法関係の例および動作を順に示す概略側面図である。 上記実施例におけるロック手段、規制解除手段および加速度検知機構の部分を示す一部断面平面図である。 同上規制解除手段の一部を構成するブロックを示す背面図である。 本発明に適用可能な転倒防止手段の変形例を示す正面図である。 同上転倒防止手段の側面図である。 本発明に適用可能な緩衝手段の変形例を示す正面図である。 同上緩衝手段の側面図である。
符号の説明
10 載置物
12 台枠
13 通し軸
14 走行車輪
15 軌条
25 緩衝手段
35 規制解除手段
36 振動感知手段
41 ロック部材

Claims (11)

  1. 物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠と、
    台枠の底部に装着された走行装置と、
    上記走行装置が載せられて地震時に台枠を移動させることができる複数の軌条と、
    上記台枠を移動不能に規制するロック位置と規制を解除する非ロック位置との間で移動することができるロック手段と、
    地震などによる床面の振動を感知し上記ロック手段を非ロック位置に移動させる規制解除手段と、
    上記軌条の両端部に設けられていて台枠の移動範囲を規制する移動規制手段と、を有し、
    上記複数の軌条上には一台の台枠が載せられていることを特徴とする免震装置。
  2. 物品あるいは物品収納手段の載置面を有する台枠と、
    台枠の底部に回転可能に軸装された複数の車輪と、
    互いに平行に敷設されていて車輪が転動可能に載せられる複数の軌条と、
    上記台枠を移動不能に規制するロック位置と規制を解除する非ロック位置との間で移動することができるロック手段と、
    地震などによる床面の振動を感知し上記ロック手段を非ロック位置に移動させる規制解除手段と、
    上記軌条の両端部に設けられていて台枠の移動範囲を規制する移動規制手段と、を有し、
    上記軌条の長さは、上記台枠に載置される上記物品収納手段の移動方向の長さと同じかまたはそれよりも短いことを特徴とする免震装置。
  3. 台枠の移動方向に対して直交する方向の軸線上に複数の車輪が配置され、軸線上に配置された複数の車輪は通し軸で一体に結合されている請求項1または2記載の免震装置。
  4. 通し軸は台枠の移動方向前後に平行に配置され、各通し軸に複数の車輪が一体に結合されている請求項2または3記載の免震装置。
  5. 台枠の移動方向前後に配置された通し軸は、同期して回転するように同期回転手段によって連結されている請求項4記載の免震装置。
  6. 台枠の載置面には物品収納手段が載置されるとともに台枠と物品収納手段が一体に結合されている請求項1ないし5のいずれかに記載の免震装置。
  7. 台枠は、その載置面の投影平面よりも大きい投影平面の物品収納手段を載置することができる請求項6記載の免震装置。
  8. 台枠と軌条との間または台枠と床との間に台枠の転倒防止手段が配置されている請求項1ないし7のいずれかに記載の免震装置。
  9. 台枠は投影平面が長方形であって、その短辺方向に移動可能となっている請求項1ないし8のいずれかに記載の免震装置。
  10. 台枠が移動可能な範囲のうち移動規制手段側の移動範囲で有効に作動する緩衝手段を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の免震装置。
  11. 規制解除手段は、一定の加速度以上の加速度を検知することにより台枠に対し相対移動してロック手段を非ロック位置に移動させる加速度検知機構を有している請求項1または2記載の免震装置。
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JP2012097764A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Yakumo Kk 免震装置
CN112690582A (zh) * 2019-10-23 2021-04-23 赣州豪鼎家具有限公司 一种便携升降式书柜

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