JPH09313279A - 棚什器の感震落下防止装置 - Google Patents

棚什器の感震落下防止装置

Info

Publication number
JPH09313279A
JPH09313279A JP13870996A JP13870996A JPH09313279A JP H09313279 A JPH09313279 A JP H09313279A JP 13870996 A JP13870996 A JP 13870996A JP 13870996 A JP13870996 A JP 13870996A JP H09313279 A JPH09313279 A JP H09313279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
shelf
rod
vibration
earthquake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13870996A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoji Tamaoki
喜代次 玉置
Hiroyasu Kato
裕保 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Itoki Crebio Corp
Itoki Co Ltd
Original Assignee
Itoki Crebio Corp
Itoki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Itoki Crebio Corp, Itoki Co Ltd filed Critical Itoki Crebio Corp
Priority to JP13870996A priority Critical patent/JPH09313279A/ja
Publication of JPH09313279A publication Critical patent/JPH09313279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Warehouses Or Storage Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震等の震動を感知して作動し、棚什器に収
容していた書籍等の物品が落下しないようにした棚什器
の感震落下防止装置を提供する。 【解決手段】 棚什器1の書籍等の物品取出し面側に上
下動可能に枠体2を配設するとともに、棚什器の適所に
地震等の震動によって位置エネルギーが増大するように
変位する重り35と該重りの変位に連動して変位する係
止部材とを備えた感震係止具3を配設し、前記枠体を上
方設定状態で感震係止具の係止部材に係止し、該枠体に
は棚什器に対する物品の出し入れを妨げない位置に横杆
11が横設され且つ該横杆が上方へ退避可能に設けられ
ており、地震等の震動によって変位した重りに連動して
係止部材が変位して前記枠体の係止を解除して、該枠体
が所定距離だけ下動することにより、前記横杆が物品の
落下を防止する位置に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棚什器の感震落下
防止装置に係わり、更に詳しくは地震等の震動を感知
し、棚什器に収容していた書籍等の物品が落下しないよ
うにした棚什器の感震落下防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地震等による震動によって、棚什
器が倒れないように、壁面や床面に棚什器を固定する固
定具や、棚什器の天板と天井間に突っ張り棒を設ける構
造の固定型の転倒防止装置は各種提供されている。
【0003】また、地震等による前後方向の震動を駆動
力として、棚什器の両側下部に設けた振り子式の支持脚
が前方へ突出し、その突出状態を係止手段によって自動
的に維持し、支持脚によって棚什器の前倒れを防止する
構造の感震型の転倒防止装置も提案されている。しか
し、固定型の転倒防止装置や感震型の転倒防止装置は、
棚什器そのものの転倒は防止できても、棚什器に収納し
た書籍等の物品の落下を防止することはできない。
【0004】また、棚什器の物品取出し面側の各棚板の
上方位置に、落下防止バーを固定した場合、常時物品の
落下を防止できるとともに、出し入れする作業者に対し
ては安全ではあるが、物品の出し入れが非常に困難にな
る。そこで、前記落下防止バーを着脱自在となして、物
品を出し入れする際に、落下防止バーを取り外すことも
考慮されるが、その作業は非常に手間がかかるので不便
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常、地震が発生して
建物が大きく震動した場合、棚什器を壁面や床面に固定
した方式では、壁面や床面の震動の正負加速度が直接棚
什器にも作用するので、棚什器が転倒に至らなくても内
部に収納した書籍等の物品はその慣性力によって前方へ
飛び出して落下する。一方、棚什器を壁面や床面に固定
しない場合には、壁面や床面の震動方向とは逆向きに棚
什器が震動し、一般的に棚什器の加速度は壁面や床面の
加速度よりは小さいが、棚什器が壁面に衝突すればその
反動で前方へ転倒し、また地震の震動が小さくても棚什
器がそれに共振して震動すれば前方へ転倒することがあ
る。この現象は、棚什器に収納している書籍等の物品に
も同様に発生し、棚什器が転倒に至らなくても物品が前
方へ落下することは良く知られている。このことは、前
述の感震型の転倒防止装置にも当てはまる。
【0006】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、棚什器が単に床面に載置したも
のであるか、また前述の固定型の転倒防止装置や感震型
の転倒防止装置によって転倒が防止されたものであるか
を問わず、地震等の震動を感知して作動し、棚什器に収
容していた書籍等の物品が落下しないようにした棚什器
の感震落下防止装置を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、棚什器の書籍
等の物品取出し面側に上下動可能に枠体を配設するとと
もに、棚什器の適所に地震等の震動によって位置エネル
ギーが増大するように変位する重りと該重りの変位に連
動して変位する係止部材とを備えた感震係止具を配設
し、前記枠体を上方設定状態で感震係止具の係止部材に
係止し、該枠体には棚什器に対する物品の出し入れを妨
げない位置に横杆が横設され且つ該横杆が上方へ退避可
能に設けられており、地震等の震動によって変位した重
りに連動して係止部材が変位して前記枠体の係止を解除
して、該枠体が所定距離だけ下動することにより、前記
横杆が物品の落下を防止する位置に設定されることを特
徴とする棚什器の感震落下防止装置を構成することによ
って、前述の課題の解決を図った。ここで、地震等の震
動を駆動力として感震係止具の重りが位置エネルギーを
増大するように変位し、その変位に連動して係止部材が
変位し、枠体の係止が解除されると、枠体はその自重に
よって下動するのである。また、棚什器に対して物品を
出し入れしている作業中に、地震等によって作動して枠
体が下動し、横杆が手や指に当たった場合でも、横杆が
上方へ退避することによって指詰め等による怪我の発生
を防止するとともに、物品が前方へ突出していて、何れ
かの横杆が当該物品に当たった場合や前述の如く手や指
に当たった場合でも、枠体は所定の位置まで下動し、他
の横杆は正常に作動して他の物品の落下を防止するので
ある。
【0008】更に具体的には、本発明は、ベース棚板と
天板間に棚板を多段に設けた棚什器の書籍等の物品取出
し面側に沿って、両側枠杆、上枠杆及び下枠杆からなる
枠体を上下動可能に配設するとともに、棚什器の適所に
地震等の震動によって位置エネルギーが増大するように
変位する重りと該重りの変位に連動して変位する係止部
材とを備えた感震係止具を配設し、前記枠体には両側枠
杆に前記棚板の取付ピッチに合わせて設けた縦長案内溝
に横杆の両端部を上方へ退避可能に係合して渡設し、前
記枠体の下枠杆及び各横杆をそれぞれ棚什器の各棚板の
前面に位置させた上方設定状態で、該枠体を感震係止具
の係止部材に係止し、地震等の震動によって変位した重
りに連動して係止部材が変位して前記枠体の係止を解除
すると、該枠体の上下枠杆及び各横杆がそれぞれ最近接
下段の棚板の上位位置まで下動し、上下枠杆及び各横杆
が棚板に収納した物品の落下を防止してなるものであ
る。ここで、通常の状態では、枠体は上方位置に設定さ
れて感震係止具の係止部材に係止されており、この状態
で枠体の両側枠杆に渡設した横杆は縦長案内溝の下端に
係止し、枠体の下枠杆及び各横杆はそれぞれ棚什器の各
棚板の前面に位置しているので、物品の出し入れは自由
に行えるのである。そして、地震等の震動によって作動
して枠体が下動した場合、横杆は縦長案内溝の下端に係
止されたまま枠体と共に下動して、物品の落下を防止す
るのであるが、この際、横杆に手や指又は物品が当たる
と、当該横杆は縦長案内溝に沿って上動して上方へ退避
するのである。
【0009】更に、前記棚什器の両側支柱又は両側板の
前面に、前記枠体の側枠杆を上下動可能に支持するスラ
イド支持具を複数個取付けてなること、また前記棚什器
の両側支柱又は両側板の前面下部に、前記枠体が下動し
た際に当止するストッパー具を取付けてなることが好ま
しい。この場合、スライド支持具及びストッパー具は、
棚什器の両側支柱又は両側板に対して着脱自在に取付け
るとともに、取付位置の変更もできるようにすることが
より好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に添付図面に基づき本発明の棚
什器の感震落下防止装置の実施形態を詳細に説明する。
図1及び図2は感震落下防止装置が初期設定された通常
の使用状態を示し、図3及び図4は感震落下防止装置が
作動した状態を示している。ここで、図中1は棚什器、
2は枠体、3は感震係止具をそれぞれ示している。特
に、本実施形態では、既設の棚什器1に後施工によって
組付けることが可能なものを例示している。
【0011】先ず、本発明に係る棚什器1は、左右前後
に4本の支柱4,…を立設し、その下端にベース棚板5
を、上端に天板6を固定するとともに、該ベース棚板5
と天板6と間に棚板7,…を多段に取付け、開放した前
面側から書籍等の物品を出し入れできる構造のものであ
る。この支柱4を用いた構造の棚什器1においては、前
後の支柱4,4間に、書籍等の物品が横倒れしないよう
に、図示しない側面板又は支持部材が横設されているも
のとする。また、支柱4を用いないで、両側に側板を設
け、該両側板の上下端にベース棚板5と天板6を固定す
るとともに、その中間に棚板7,…を多段に設けても良
い。尚、棚板7を支柱4に取付ける構造は、支柱4の側
面に上下方向に一定間隔毎に形成した係止孔に棚受部材
を嵌合係止し、該棚受部材に棚板7を載置する等の従来
公知のものを採用できる。
【0012】ここで、上下の棚板7,7の間隔、ベース
棚板5と最下段の棚板7の間隔及び天板6と最上段の棚
板7の間隔は、全て一致させておくことが好ましいが、
後述の条件が満たされれば、間隔が異なっていても差し
支えない。
【0013】前記枠体2は、棚什器1の前面側に沿って
上下動するものであり、前記両側の支柱4,4の間隔に
略一致した間隔を有する両側枠杆8,8と、その上下端
に固定した上枠杆9及び下枠杆10とから構成され、両
側枠杆8,8に前記棚板7,…の取付ピッチに合わせて
設けた縦長案内溝8A,…の左右一対に各横杆11,…
の両端部を上方へ退避可能に係合して取付けたものであ
る。また、当該枠体2の上下寸法は、下枠杆10を最下
段の棚板7の前面に位置させた状態で、上枠杆9の下面
が天板6の上面より若干高い位置になるように設定する
とともに、縦長案内溝8Aの下端に横杆11が係止した
状態で該横杆11が対応する棚板7の前面に位置するよ
うに設定している。
【0014】そして、前記枠体2は、前側の両側支柱
4,4に取付けた複数のスライド支持具12,…によっ
て、棚什器1の前面側に沿って上下動可能に取付けられ
ている。また、前記枠体2の下枠杆10を最下段の棚板
7の前面に位置させ、各横杆11,…をそれぞれ上方の
棚板7,…の前面に位置させた状態で、天板6の上面に
取付けた感震係止具3に、上枠杆9を係止して初期設定
している。ここで、前記下枠杆10及び各横杆11,…
が各棚板7,…の前面に位置していることにより、棚板
7に対する書籍等の物品の出し入れの際に、下枠杆10
及び各横杆11,…が邪魔になることはない。尚、本実
施形態では、初期設定の状態では上枠杆9が天板6より
も上方に位置し、感震係止具3に上枠杆9が直接係止さ
れているが、上枠杆9を天板6の前面に対応させ、該上
枠杆9から上方に突設した図示しない係止片を感震係止
具3に係止することも可能であり、その場合には前述の
枠体2の寸法設定は変更される。
【0015】そして、地震等の震動を前記感震係止具3
が感知すると、前記枠体2の上枠杆9に対する係止が解
除され、該枠体2はスライド支持具12,…にて案内さ
れてその自重によって下動し、前側の両支柱4,4の下
部に取付けたストッパー具13,13に両側枠杆8,8
の下端又は下枠杆10の両端が当止される。この状態で
下枠杆10はベース棚板5の上面より所定高さ位置にな
り、また各横杆11,…及び上枠杆9は、各棚板7,…
の上面より所定高さ位置になって、ベース棚板5及び各
棚板7,…に収納した書籍等の物品が該棚板5,7から
前方へ落下することを防止するのである。この場合、ベ
ース棚板5と下枠杆10の間隔、棚板7と横杆11の間
隔、最上段の棚板7と上枠杆9との間隔に対する設定条
件は、対応するベース棚板5又は棚板7に載置した物品
が地震等の震動によって前方へ移動しても落下しないこ
とと、前述の最も狭い間隔が手の最大幅よりも大きいこ
とである。前者の条件は、この種の落下防止装置におい
ては必須条件であり、また後者の条件は、物品の出し入
れ中に地震等の震動が発生して感震係止具3が作動し、
又は不意に感震係止具3が作動して下枠杆10、横杆1
1又は上枠杆9と各棚板5,7,…との間に手が挟まれ
ないようにする安全策上の条件である。
【0016】更に具体的には、図5及び図6に、前記枠
体2の側枠杆8に形成した縦長案内溝8Aとして、断面
コ字形の側枠杆8の側面に長孔を穿設した例を示してあ
り、この長孔内に丸パイプ状の横杆11の端部を挿入
し、該横杆11の端部に設けたリング11Aにて抜止め
状態で取付けている。この場合、通常の状態では横杆1
1は、その自重によって縦長案内溝8Aとしての長孔の
下端に係止されており、長孔の上端まで上動させること
が可能である。つまり、図6に示すように、棚什器1の
棚板7に対して物品Aを出し入れする作業中に、地震等
の震動によって感震係止具3が作動して枠体2に対する
係合が解除されて該枠体2が下動した場合、手Bや指が
下動してきた横杆11に当たっても、当該横杆11が縦
長案内溝8Aに沿って上方へ退避するので、手や指に怪
我をする危険性がないとともに、枠体2は前記ストッパ
ー具13に当止するまで正常に下動し、他の横杆11,
…は所定の設定されて物品Aの落下を防止するのであ
る。このことは、手や指の代わりに横杆11が物品Aに
当たった場合も同様である。
【0017】また、図7及び図8には、前記縦長案内溝
8Aとして上方が開放したU字状部材を、断面コ字形の
側枠杆8の凹溝内に固着した例を示している。この場
合、前記側枠杆8の凹溝は内側へ向けて配設している。
通常の状態では、前記横杆11の端部は、縦長案内溝8
AとしてのU字状部材の底部に係止している。そして、
図8に示すように、棚板7に収納していた物品Aが一部
前方へ突出していた状態で、地震等の震動によって感震
係止具3が作動した場合、あるいは地震等の震動によっ
て感震係止具3が作動して枠体2が所定の位置まで下動
する前に、棚板7に収納していた物品Aが一部前方へ突
出した場合に、前記枠体2が下動してきて横杆11が物
品Aに当たっても、当該横杆11が対応する縦長案内溝
8A,8AとしてのU字状部材に沿って上方へ退避し、
又は上方へ外れるのみで、枠体2は前記ストッパー具1
3に当止するまで正常に下動し、他の横杆11,…は所
定の設定されて物品Aの落下を防止するのである。この
ことは、物品Aの代わりに横杆11が手Bや指に当たっ
た場合も同様である。
【0018】次に、各部の具体的構造を説明する。先
ず、スライド支持具12は、図9に示すように、前記支
柱4の内側面14と前側面15及び後側面16の一部に
嵌合する平面視コ字形の固定部17を有するとともに、
該固定部17の前端に連続し、内方側へ開放した凹溝1
8を形成した平面視コ字形の案内部19を有するもので
ある。このスライド支持具12は、前記固定部17を前
記支柱4に嵌合し、その内側面14にネジ20にて固定
した状態で、前記枠体2の側枠杆8を案内部19の凹溝
18内に上下スライド可能に嵌合するのである。
【0019】また、前記ストッパー具13は、図10に
示すように、前記支柱4の内側面14と後側面16に嵌
合する固定部21を有するとともに、該固定部21の前
端に連続した基板の上下に、支柱4の前側面15に沿っ
て突片22,22を直角に折曲形成した正面視コ字形の
当止部23を有するものである。このストッパー具13
は、前記固定部21と突片22,22を前記支柱4の内
側面14と前側面15及び後側面16の一部に嵌合し、
その内側面14に固定部21をネジ24にて固定した状
態で、前記当止部23を前記スライド支持具12の凹溝
18の直下に位置させている。
【0020】前記スライド支持具12の案内部19及び
ストッパー具13の当止部23は、前記支柱4の前側面
15の幅方向中心よりも内側寄りになるように寸法設定
している。こうすることによって、前記支柱4を介して
両側に棚板7,7を設けて、棚什器1を複数連設する場
合にも、各支柱4の内側に前記スライド支持具12及び
ストッパー具13を取付けて、それぞれの棚什器1の前
面側に前記枠体2を上下動可能に配設することが可能と
なるので好ましい。
【0021】また、前記スライド支持具12の他の例と
しては、図11に示すように、固定部17の横幅を支柱
4の内側面14の横幅の約1/2に設定し、該固定部1
7の先端にフック25,25を形成して、該フック2
5,25を、支柱4の内側面14の幅方向中央部であっ
て上下方向に一定間隔毎に形成した係止孔26,…(図
9参照)に嵌合係止して取付けることも可能である。
【0022】また、前記ストッパー具13の他の例とし
ては、図12に示すように、固定部21の横幅を支柱4
の内側面14の横幅の約1/2に設定し、該固定部21
の先端にフック27,27を形成して、前記支柱4の係
止孔26,…(図10参照)に嵌合係止して取付けるこ
とも可能である。
【0023】次に、前記感震係止具3の具体例について
説明する。その代表的な実施形態は、図13〜図15に
示している。この感震係止具3は、前記棚什器1の天板
6の前縁中央部であって左右に所定間隔を隔てて一対の
支持板28,28を平行に立設し、両支持板28,28
の前後中央部の下部にそれぞれ前後方向に延びた横長孔
29を形成するとともに、後部上部にそれぞれ上下方向
に延びた縦長孔30を形成し、作動杆31の基端部を両
支持板28,28間に配設し且つ該作動杆31の基端及
びそれよりも先端側に貫設した一対の支持ピン32,3
3をそれぞれ前記横長孔29及び縦長孔30に遊挿して
端部をEリング34,…等で抜止めするとともに、該作
動杆31の先端側に重り35を取付け、更に前記両支持
板28,28間の前部に前後移動可能に配設した係止部
材36の後部を前記支持ピン32に枢着した構造のもの
である。つまり、本発明における感震係止具3は、地震
等の震動によって位置エネルギーが増大するように変位
する重り35と該重り35の変位に連動して変位する係
止部材36とを備えたものである。
【0024】この感震係止具3は、通常の状態では、前
記支持ピン32が横長孔29の前端に位置するととも
に、前記支持ピン33が縦長孔30の下端に位置し、前
記係止部材36の先端は天板6の前端よりも前方へ突出
し、該係止部材36の先端に前記枠体2の上枠杆9を係
止している(図13参照)。そこで、地震等によって前
記棚什器1が前後方向に震動すると、前記感震係止具3
の重り35の慣性力によって、瞬間的に棚什器1の天板
6に対する作動杆31の角度は相対的に大きくなって、
即ち天板6に静止した座標系で見ると、支持ピン32が
横長孔29を後方へ移動しながら、支持ピン33が縦長
孔30を上方へ移動し、もって前記作動杆31は前側へ
回転移動し、それに伴って前記係止部材36が後方へ引
き込まれ、前記枠体2の上枠杆9に対する係止が解除さ
れる(図14参照)。前記係止部材36による上枠杆9
の係止が解除された後の枠体2の動作は前述の通りであ
る。
【0025】また、前記作動杆31に対する重り35の
取付位置は、作動杆31の先端側に一定間隔毎に形成し
た調節孔37,…と、重り35を保持する取付ピン38
の位置を変えることによって変更することができる。こ
の重り35の取付位置を変更することによって、該感震
係止具3が作動する地震等の震動の大きさを設定するこ
とができる。同様に、前記天板6に対する作動杆31の
初期角度を変更することによっても、該感震係止具3が
作動する地震等の震動の大きさを設定することができ
る。
【0026】図16は、前記感震係止具3の変形例であ
り、基本構造は前記同様であるが、作動杆31に対する
重り35の関係が異なるものである。即ち、この感震係
止具3は、前記作動杆31の一つの調節孔37に延長部
材39の基端を軸ピン40にて回動可能に取付けるとと
もに、該延長部材39の基部に設けた扇形の拡幅部41
の円弧に沿って形成した円弧状孔42と先端側の他の調
節孔37とにボルト43を挿通し且つナット44で締付
けて固定し、また延長部材39の先端部には長さ方向に
沿って複数の第二調節孔45,…を形成し、該第二調節
孔45に調節ピン46を貫設し、該調節ピン46で延長
部材39の先端側に嵌挿した複数の重り板47,…を当
止した構造のものである。つまり、地震等の震動の大き
さに対する設定は、前記作動杆31に対する延長部材3
9の取付位置、作動杆31に対する延長部材39の固定
角度、延長部材39に装着する重り板47の枚数及び調
節ピン46の位置によって変更でき、それらを組み合わ
せて最適に設定することが可能である。
【0027】図17は、前記感震係止具3の他の変形例
である。即ち、この感震係止具3は、前記棚什器1の天
板6の上面に固定する基板48の中央部に、回動軸49
を垂直に突設し、該基板48の上に基部側略半分を上置
して横設した作動杆50の軸孔51を前記回動軸49に
回動可能に遊挿するとともに、該軸孔51よりも先端側
の丸棒部を基板48の側縁の立上板52に形成した側面
視V字形縁53に載支し且つ作動杆50の先端に重り5
4を固定し、更に作動杆50の基端を基板48に案内部
材55によって前後移動可能に先端部を保持した係止部
材56の後端部にピン57にて枢着した構造のものであ
る。この感震係止具3は、通常の状態では作動杆50の
丸棒部は180度に近い鈍角からなるV字形縁53の谷
に位置し、前記係止部材56の先端は図示しない天板6
より前方に突出して前記枠体2の上枠杆9を係止してい
る。そして、地震等の震動によって棚什器1が前後方向
に震動すると、重り54の慣性力によって作動杆50は
軸孔51を中心としてその先端側の丸棒部がV字形縁5
3の前側の傾斜縁を上りながら回転し、それによって前
記係止部材56が後方へ引き込まれて前記上枠杆9に対
する係止が解除されるのである。ここで、前記軸孔51
は、作動杆50が回動すると回動軸49に沿って若干上
昇できるようになっている。また、この感震係止具3が
作動する地震等の震動の大きさを設定するには、前記重
り54の重量と、V字形縁53の傾斜角度を調節する。
【0028】以上説明した感震係止具3は、何れも重り
35(重り板47),54の慣性力を利用し、それを機
械的なリンク機構を介して係止部材36,56を前後方
向に移動させる機械的構造である。尚、重りを用いずに
地震等の震動を加速度センサーで検出し、加速度センサ
ーの信号が一定レベル以上になった場合に前記同様の係
止部材をソレノイドで引込み駆動する電気的な手段を用
いることも可能であるが、地震が発生すると商用電源は
停電することが多いので、蓄電池を電源としない限り、
装置の信頼性に乏しい。
【0029】以上に説明した実施形態では、棚什器1が
一つであり、しかも片面にのみ物品取出し面を有するも
のであるが、両面に物品取出し面を有する棚什器1でも
良く、また図18に示すように複数の棚什器1,…が並
設された場合でも良い。この場合、各棚什器1の各物品
取出し面に前記同様の横杆11,…を渡設した枠体2を
上下動可能に配設する。そして、各枠体2にそれぞれ独
立した前記感震係止具3を関係づけて設けることも可能
であるが、コスト面において好ましくないので、図示し
たように全ての枠体2,…を一つの感震係止具3に連係
させることが実用的である。それには、各棚什器1,…
の天板6,…の上面にわたってチャンネル部材58を渡
設し、該チャンネル部材58の一端部に前記同様な感震
係止具3を設置し、該感震係止具3の係止部材36に相
当する図示しない可動部に、ワイヤー59の一端を係着
するとともに、ワイヤー59の他端は適宜な張力を保つ
ために図示しないコイルスプリング等に係着している。
尚、前記ワイヤー59の代わりに、軽量のフラットバー
を用いても良い。
【0030】そして、図19に示すように、地震等の震
動によって前記感震係止具3が作動した際には、前記ワ
イヤー59が矢印の方向に引かれ、各棚什器1,…に配
設した枠体2の上横杆9を係止していたフック60,6
1を係合が解除されるように回転駆動するのである。こ
こで、前記フック60は、棚什器1の両物品取出し面の
内、ワイヤー59を引く方向に対して遠方側に設け、前
記フック61は近方側に設けたものである。そして、前
記フック60は、側面視L字形の一片60Aの中央部を
チャンネル部材58の下面にピン60Bにて枢着すると
ともに、その上端をチャンネル部材58の底面を貫通さ
せて前記ワイヤー59に係着し、他片60Cの先端で枠
体2の上枠杆9を係止している。そして、前記ワイヤー
59が引かれると、フック60がピン60Bを中心に時
計回りに回転して他片60Cが上枠杆9から外れ、枠体
2が下動して落下防止状態となる。また、前記フック6
1は、側面視L字形の一片61Aの上端をチャンネル部
材58の下面にピン61Bにて枢着し、他片61Cの先
端で枠体2の上枠杆9を係止し、更に一片61Aの下端
は分岐ワイヤー61Dでチャンネル部材58の底面を貫
通させて前記ワイヤー59に接続している。そして、前
記ワイヤー59が引かれると、フック61がピン61B
を中心に反時計回りに回転して他片61Cが上枠杆9か
ら外れ、枠体2が下動して落下防止状態となる。
【0031】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の棚什器の感震落
下防止装置によれば、通常の状態では棚什器の前面側に
感震係止具の係止部材によって係止された枠体は、棚什
器に対する書籍等の物品の出し入れを妨げないので、通
常の通り使用することができ、一度、地震等の大きな震
動が発生した場合には、感震係止具の重りが地震等の震
動によって位置エネルギーを増大させるように変位し、
その変位に連動して係止部材が変位して枠体の係止を解
除し、該枠体が所定距離だけ下動することにより、枠体
に設けた横杆が書籍等の物品の落下を防止することがで
きるのである。また、前記枠体の下動は、その自重によ
る落下であるので、その作動は極めて信頼性が高いもの
である。
【0032】そして、棚什器に対して物品を出し入れし
ている作業中に、地震等によって作動して枠体が下動
し、横杆が手や指に当たった場合でも、横杆が上方へ退
避することによって指詰め等による怪我の発生を防止す
ることができる。更に、物品が前方へ突出していて、何
れかの横杆が当該物品に当たった場合や前述の如く手や
指に当たった場合でも、枠体は所定の位置まで下動し、
他の横杆は正常に作動して他の物品の落下を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感震落下防止装置を装着した棚什器の
通常状態を示す全体斜視図である。
【図2】同じく一部省略した縦断面図である。
【図3】地震等の震動が発生して本発明の感震落下防止
装置が作動した後の状態を示す棚什器の全体斜視図であ
る。
【図4】同じく一部省略した縦断面図である。
【図5】枠体に横杆を取付ける構造の一例を示す部分斜
視図である。
【図6】図5に示した取付構造において、物品の出し入
れ作業中に枠体が下動して何れかの横杆が手に当たった
場合を示す部分断面図である。
【図7】枠体に横杆を取付ける構造の二例を示す部分斜
視図である。
【図8】図7に示した取付構造において、枠体が下動し
て何れかの横杆が前方へ突出した物品に当たった場合を
示す部分断面図である。
【図9】スライド支持具の一例を示す取付状態の要部の
斜視図である。
【図10】ストッパー具の一例を示す取付状態の要部の
斜視図である。
【図11】スライド支持具の他の例を示す斜視図であ
る。
【図12】ストッパー具の他の例を示す斜視図である。
【図13】感震係止具の代表例を示す要部の縦断面図で
ある。
【図14】同じく作動状態の要部の縦断面図である。
【図15】同じく要部の正面図である。
【図16】図13の感震係止具の変形例を示す側面図で
ある。
【図17】感震係止具の他の例を示す要部の斜視図であ
る。
【図18】複数の棚什器を並設した場合の連係構造を示
す簡略斜視図である。
【図19】同じく各棚什器の物品取出し面側に設けた枠
体の係脱機構を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
A 物品 B 手 1 棚什器 2 枠体 3 感震係止具 4 支柱 5 ベース棚板 6 天板 7 棚板 8 側枠杆 8A 縦長案内溝 9 上枠杆 10 下枠杆 11 横杆 11A リング 12 スライド支持具 13 ストッパー具 14 内側面 15 前側面 16 後側面 17 固定部 18 凹溝 19 案内部 20 ネジ 21 固定部 22 突片 23 当止部 24 ネジ 25 フック 26 係止孔 27 フック 28 支持板 29 横長孔 30 縦長孔 31 作動杆 32 支持ピン 33 支持ピン 34 Eリング 35 重り 36 係止部材 37 調節孔 38 取付ピン 39 延長部材 40 軸ピン 41 拡幅部 42 円弧状孔 43 ボルト 44 ナット 45 第二調節孔 46 調節ピン 47 重り板 48 基板 49 回動軸 50 作動杆 51 軸孔 52 立上板 53 V字形縁 54 重り 55 案内部材 56 係止部材 57 ピン 58 チャンネル部材 59 ワイヤー 60 フック 61 フック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棚什器の書籍等の物品取出し面側に上下
    動可能に枠体を配設するとともに、棚什器の適所に地震
    等の震動によって位置エネルギーが増大するように変位
    する重りと該重りの変位に連動して変位する係止部材と
    を備えた感震係止具を配設し、前記枠体を上方設定状態
    で感震係止具の係止部材に係止し、該枠体には棚什器に
    対する物品の出し入れを妨げない位置に横杆が横設され
    且つ該横杆が上方へ退避可能に設けられており、地震等
    の震動によって変位した重りに連動して係止部材が変位
    して前記枠体の係止を解除して、該枠体が所定距離だけ
    下動することにより、前記横杆が物品の落下を防止する
    位置に設定されることを特徴とする棚什器の感震落下防
    止装置。
  2. 【請求項2】 ベース棚板と天板間に棚板を多段に設け
    た棚什器の書籍等の物品取出し面側に沿って、両側枠
    杆、上枠杆及び下枠杆からなる枠体を上下動可能に配設
    するとともに、棚什器の適所に地震等の震動によって位
    置エネルギーが増大するように変位する重りと該重りの
    変位に連動して変位する係止部材とを備えた感震係止具
    を配設し、前記枠体には両側枠杆に前記棚板の取付ピッ
    チに合わせて設けた縦長案内溝に横杆の両端部を上方へ
    退避可能に係合して渡設し、前記枠体の下枠杆及び各横
    杆をそれぞれ棚什器の各棚板の前面に位置させた上方設
    定状態で、該枠体を感震係止具の係止部材に係止し、地
    震等の震動によって変位した重りに連動して係止部材が
    変位して前記枠体の係止を解除すると、該枠体の上下枠
    杆及び各横杆がそれぞれ最近接下段の棚板の上位位置ま
    で下動し、上下枠杆及び各横杆が棚板に収納した物品の
    落下を防止してなる請求項1記載の棚什器の感震落下防
    止装置。
  3. 【請求項3】 前記棚什器の両側支柱又は両側板の前面
    に、前記枠体の側枠杆を上下動可能に支持するスライド
    支持具を複数個取付けてなる請求項2記載の棚什器の感
    震落下防止装置。
  4. 【請求項4】 前記棚什器の両側支柱又は両側板の前面
    下部に、前記枠体が下動した際に下枠杆を当止するスト
    ッパー具を取付けてなる請求項2記載の棚什器の感震落
    下防止装置。
JP13870996A 1996-05-31 1996-05-31 棚什器の感震落下防止装置 Pending JPH09313279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13870996A JPH09313279A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 棚什器の感震落下防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13870996A JPH09313279A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 棚什器の感震落下防止装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09313279A true JPH09313279A (ja) 1997-12-09

Family

ID=15228300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13870996A Pending JPH09313279A (ja) 1996-05-31 1996-05-31 棚什器の感震落下防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09313279A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014467A (ja) * 1998-07-07 2000-01-18 Itoki Crebio Corp 書架における感震式物品落下防止装置
JP2013132337A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Kokuyo Co Ltd 落下防止装置及び棚
KR20220157774A (ko) * 2021-05-21 2022-11-29 인천대학교 산학협력단 낙하 방지 책장
CN116331711A (zh) * 2023-03-13 2023-06-27 广州联欣信息科技有限公司 一种库存补货管理装置以及管理方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014467A (ja) * 1998-07-07 2000-01-18 Itoki Crebio Corp 書架における感震式物品落下防止装置
JP2013132337A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Kokuyo Co Ltd 落下防止装置及び棚
KR20220157774A (ko) * 2021-05-21 2022-11-29 인천대학교 산학협력단 낙하 방지 책장
CN116331711A (zh) * 2023-03-13 2023-06-27 广州联欣信息科技有限公司 一种库存补货管理装置以及管理方法
CN116331711B (zh) * 2023-03-13 2023-09-12 广州联欣信息科技有限公司 一种库存补货管理装置以及管理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7150361B2 (en) M-divider material-bay restraining cable system
JP5126863B2 (ja) 収納棚
JP2826811B2 (ja) 棚収納物品落下防止装置
JPH09313279A (ja) 棚什器の感震落下防止装置
JP5379729B2 (ja) 地震力を利用した物品落下防止装置
JPH11178665A (ja) 棚什器の感震落下防止装置
JP5597445B2 (ja) 収納棚
JP4703241B2 (ja) 免震装置
JP2010273955A (ja) 収納物落下防止ユニット
JPH1059511A (ja) 収納棚の収納物落下防止装置
JP6232677B2 (ja) 落下防止装置
JP3597691B2 (ja) 物品棚における物品落下防止装置
JPH10266674A (ja) 扉の振動ロック装置
JP2001008760A (ja) 棚の収納物品落下防止装置
JP4570443B2 (ja) 免震装置
JP3155536U (ja) 収納ラックからの収納物の落下防止装置
JPH038110Y2 (ja)
JPH09215543A (ja) 地震力を利用した家具類の収容物落下防止装置 、ゝ
JPH11103984A (ja) 収納棚上の物品落下防止装置
JP6531015B2 (ja) 棚収納物品落下防止装置
JP3637729B2 (ja) 自動販売機のチェーンエレベータ式商品ラック
JP3192061B2 (ja)
JP3468021B2 (ja) 自動販売機のラック支持装置
JPH11196964A (ja) 物品棚における物品落下防止装置
JP2020069263A (ja) 感震式物品落下防止装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050315

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02