JP4569787B2 - 無線タグ通信装置及び無線タグ通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外部と通信可能な無線タグに対し、無線通信により情報送受信を行う無線タグ通信装置及び無線タグ通信方法に関する。
物品管理を行う際に、管理対象の物品に無線タグを設け、その保持された情報を非接触で読み取る無線タグ通信装置が既に知られており、RFID(Radio Frequency Identification)システムと称される。
このシステムにおいては、例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子が、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグアンテナとを備えている。そして、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、無線タグ通信装置の装置アンテナよりIC回路部の情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、既に様々な分野において実用化が進んでいる。
ところで、一般に、無線タグ通信装置と無線タグ回路素子との無線通信においては、無線タグ通信装置の装置アンテナの偏波面方向と無線タグ回路素子のタグアンテナ偏波面方向とが合致しているときが最も通信感度がよく、ずれるほど通信感度が低くなる。
上記のような、無線タグ回路素子のタグアンテナと無線タグ通信装置の装置アンテナとの偏波面の方向の合致性について配慮した従来技術として、例えば、特許文献1に記載のものがある。この従来技術のアンテナ装置においては、互いに偏波面の異なる複数の装置アンテナを設けている。そして、アンテナ装置自体の傾斜や移動方向を加速度センサ等の検出手段で検出し、その検出結果に基づいて複数の装置アンテナを選択的に切り替えて用いるようになっている。
特開2006−148472号公報
例えば、無線タグ通信装置が複数の無線タグ回路素子を通信対象とする際、タグアンテナの偏波面方向が互いに異なる無線タグ回路素子が混在している場合があり得る。このような場合には、全ての無線タグ回路素子に対し良好な通信を行うためには、それぞれの偏波面方向に合致するように装置アンテナの偏波面方向を切り替えなければならない。例えば、タグアンテナの偏波面方向が鉛直方向の無線タグ回路素子に対しては、装置アンテナの偏波面方向を鉛直方向に切り替え、タグアンテナの偏波面方向が水平方向の無線タグ回路素子に対しては、装置アンテナの偏波面方向を水平方向に切り替える必要がある。また、複数の無線タグ回路素子においてタグアンテナの偏波面方向の分布に偏りがあった場合、装置アンテナの偏波面方向の切り替えを単に等しい時間間隔に行うのでは、比較的少ない分布のタグアンテナの偏波面方向に対しては情報送受の行われない無駄な時間が生じ、比較的多い分布のタグアンテナの偏波面方向に対しては情報を送受する時間が不足する。この結果、効率的な通信を実現することができない。
上記従来技術では、姿勢や移動方向等の自装置の状態に応じて装置アンテナの偏波面方向を切り替えるものであり、上記のような無線タグ回路素子側の複数のタグアンテナの偏波面方向の存在を想定しているものではない。特に、前述のような、複数の無線タグ回路素子においてタグアンテナの偏波面方向の分布に偏りがある場合には全く配慮されていないため、効率的な通信を行うのは困難であった。
本発明の目的は、複数の無線タグ回路素子においてタグアンテナの偏波面方向の分布に偏りがあったとしても、無駄のない効率的な通信を実現できる、無線タグ通信装置及び無線タグ通信方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備え、前記タグアンテナの偏波面の方向が異なる複数の前記無線タグ回路素子に対し、情報読み取りを行う無線タグ通信装置であって、前記無線タグ通信装置の周辺領域における前記複数の無線タグ回路素子の分布状態に対応する、偏波と関連付けられた分布関連情報を取得する分布関連情報取得手段と、前記複数の無線タグ回路素子と無線通信を介し情報送受信を行うためのアンテナ手段と、無線通信時における前記アンテナ手段の偏波面方向を複数の方向に切り替え可能な偏波面切替手段と、前記分布関連情報取得手段で取得した前記分布関連情報に基づき、偏波面切替手段による前記複数の偏波面方向の切替時間間隔を設定する切替設定手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明の無線タグ通信装置は、タグアンテナの偏波面の方向が異なる複数の無線タグ回路素子を通信対象とする。このような異なる偏波面の無線タグ回路素子の混在に対応し、アンテナ手段の偏波面方向が偏波面切替手段によって切り替え可能となっている。そして、分布関連情報取得手段で取得した上記複数の無線タグ回路素子の分布関連情報に基づき、切替設定手段によって、複数の偏波面方向の切替時間間隔が設定される。この結果、アンテナ手段の偏波面方向を切り替えるとき、比較的多い分布のタグアンテナの偏波面方向に合致している場合は比較的長時間その偏波面方向を維持するようにして、通信時間の不足による通信再試行回数の増大によるプリアンブルの複送等の無駄を防止できる。逆に、比較的少ない分布のタグアンテナの偏波面方向に合致している場合は短い時間のみその偏波面方向を維持するようにして、情報送受の行われない無意味な空白時間が生じる無駄を防止できる。
以上のようにして、複数の無線タグ回路素子においてタグアンテナの偏波面方向の分布に偏りがあったとしても、アンテナ手段の切り替えをその偏りに対応した態様とすることができ、これによって無駄のない効率的な通信を実現することができる。
第2発明は、上記第1発明において、前記周辺領域に含まれる通信領域内の前記無線タグ回路素子から情報を取得するための読み取りコマンドを生成し、前記アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子に送信する送信制御手段と、前記送信制御手段で生成され送信された前記読み取りコマンドに応じて前記無線タグ回路素子から送信された応答信号を、複数の識別スロットに区分して受信可能な受信制御手段と、前記受信制御手段での応答信号の受信状況に基づき、前記識別スロットの数を可変に設定するスロット数制御手段とを有し、前記分布関連情報取得手段は、前記分布関連情報として、無線タグ回路素子の数、若しくは、前記無線タグ回路素子の数に対応する前記識別スロット数を取得することを特徴とする。
読み取りコマンドへの応答信号を識別スロットに区分して受信する場合、応答信号の数が識別スロットの数よりも多い場合には衝突が生じる可能性があり、応答信号の数が識別スロットの数よりも著しく少ない場合には応答信号の受信のない空白のスロットが生じる可能性がある。このため、スロット数制御手段で応答信号の受信状況に基づき識別スロットの数を可変に設定することで、衝突や空白スロットが生じるのをなるべく回避し、効率のよい通信を行うことができる。
スロット数制御手段がこのような設定を行うことにより、応答信号の数と識別スロットの数、言い換えれば通信対象となる無線タグ回路素子の数と識別スロットの数との間に、密接な対応関係が形成される。これにより、複数の無線タグ回路素子の分布状態を表す分布関連情報として、無線タグ回路素子の数そのものを取得するほか、無線タグ回路素子の数と密接な関係となる識別スロット数を取得することで、制御上において、無線タグ回路素子と同様の取り扱いを行うことも可能となる。これにより制御の幅や応用性を広げることができる。
第3発明は、上記第2発明において、前記スロット数制御手段は、前記受信状況として、前記読み取りコマンドに応じた前記無線タグ回路素子からの前記応答信号を受信するために前記受信制御手段が用意した複数の識別スロットのうち、前記無線タグ回路素子から送信された応答信号の衝突が生じている識別スロットの数、前記無線タグ回路素子から送信された応答信号の衝突が生じず情報を取得できた識別スロットの数、前記無線タグ回路素子から送信された応答信号が存在しなかった空白の識別スロットの数のいずれかに基づき、前記識別スロットの数を調整することを特徴とする。
衝突が生じている場合は(応答信号の数に対して識別スロットの数が不足していることから)識別スロットの数を増大させ、空白の識別スロットが過剰に生じている場合は(応答信号の数に対して識別スロットの数が多すぎることから)識別スロットの数を減少させ、衝突が生じず応答信号より情報を取得できている場合は(応答信号の数に対して識別スロットの数がちょうどよいことから)識別スロットの数を増減せず維持することで、確実に効率のよい通信を行うことができる。
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記識別スロット数と対応する所要通信時間との相関を記憶する相関記憶手段を有し、前記切替設定手段は、前記分布関連情報取得手段で取得された前記分布関連情報に対応した前記識別スロットの数に基づき、前記相関記憶手段に記憶された前記相関を参照して、前記切替時間間隔を設定することを特徴とする。
1つの識別スロットで1つの受信信号のみが取得される最適な状態を想定した場合、その取得に要する所要通信時間は、無線タグ回路素子への読み取りコマンドの時間長因子や無線タグ回路素子からの応答信号の時間長因子が決まれば、ほぼ一意的に決まる。したがって、識別スロットの数と、その数の全識別スロットでの所要通信時間とは、(上記の時間長因子ごとに)一対一に対応付けることができる。そこで、本願第4発明においては、この識別スロット数と所要通信時間との相関を記憶しておく。そして、切替設定手段が、分布関連情報に対応した識別スロット数に対して上記相関を参照し(例えば所要通信時間を算出した後所定の余裕を加味して)切替時間間隔を設定する。これにより、最適な識別スロット数に対応した最適な偏波面の切替時間間隔を容易に設定することができる。
第5発明は、上記第4発明において、前記スロット数制御手段は、前記受信制御手段での応答信号の受信状況に基づき、前記識別スロットの数を増減し、前記分布関連情報取得手段は、前記分布関連情報として、前記スロット数制御手段で増減された前記識別スロットの数を取得し、前記切替設定手段は、前記分布関連情報取得手段で取得された前記識別スロットの数に対し、前記相関記憶手段に記憶された前記相関を参照して、前記切替時間間隔を設定することを特徴とする。
本願第5発明においては、分布関連情報として、(上述した無線タグ回路素子の数との密接な対応付けを考慮し)識別スロットの数を用いる。例えば、今回行った無線通信において識別スロットの数が少なすぎて衝突が発生している場合には、(通信対象となる無線タグ回路素子の数が比較的多いことが推測されるので、次回通信を円滑に行うために)スロット数制御手段は識別スロットの数を増大させる。分布関連情報取得手段でこの増大した識別スロット数を取得することで、切替設定手段が相関を参照して切替時間間隔を設定することで、アンテナ手段の偏波面方向が、上記比較的多数の無線タグ回路素子のタグアンテナの偏波面方向に合致したら、比較的長時間その方向を維持するように設定可能となる。このようにして、無線タグ回路素子の数(タグアンテナの偏波面方向別の分布数)を直接取り扱わなくても、識別スロットの数を用いて通信効率の最適化制御を容易に行うことができる。
第6発明は、上記第4発明において、前記受信制御手段での応答信号の受信状況に基づき、前記通信領域における通信対象となる前記無線タグ回路素子の分布数を推定するタグ数推定手段を有し、前記分布関連情報取得手段は、前記分布関連情報として、前記タグ数推定手段で推定された前記無線タグ回路素子の分布数を取得し、前記切替設定手段は、前記分布関連情報取得手段で取得された前記無線タグ回路素子の分布数に対応した前記識別スロットの数に対し、前記相関記憶手段に記憶された前記相関を参照して、前記切替時間間隔を設定することを特徴とする。
本願第6発明においては、分布関連情報として、通信対象となる無線タグ回路素子の分布数を推定して用いる。例えば、今回行った無線通信において識別スロットで衝突が発生している場合には、タグ数推定手段によって、通信対象となる無線タグ回路素子の数が当該識別スロットの数よりもやや多いと推測される。そして、分布関連情報取得手段でこの推定された識別スロット数を取得し、切替設定手段が相関を参照して切替時間間隔を設定することで、アンテナ手段の偏波面方向が、上記比較的多数の無線タグ回路素子のタグアンテナの偏波面方向に合致したら、比較的長時間その方向を維持するように設定可能となる。このようにして、受信状況に応じて無線タグ回路素子の数を推定し、その推定した無線タグ回路素子の分布数を直接用いることで、通信効率の最適化制御を確実に行うことができる。
第7発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記切替設定手段は、前記分布関連情報取得手段で取得した既知の前記分布関連情報に基づき、前記切替時間間隔の初期値を設定する初期値設定手段を備えることを特徴とする。
過去の通信実績履歴や、シミュレーションや、別途の情報等、予め無線タグ回路素子の分布数やこれに対応した識別スロット数が分かっている場合には、そのような既知の分布関連情報に基づき切替時間間隔の初期値をある程度適正に設定することができる。これにより、上記のような既知の情報に基づく初期値設定がない場合に比べ、通信効率の最適化を迅速に達成することができる。
上記目的を達成するために、第8発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備え、前記タグアンテナの偏波面の方向が異なる複数の前記無線タグ回路素子より、通信アンテナから送信した読み取りコマンドに応じて送信された応答信号を受信し情報読み取りを行う無線タグ通信方法であって、周辺領域における前記複数の無線タグ回路素子の分布状態に対応する分布関連情報を取得する第1手順と、前記取得した前記分布関連情報に基づき、前記通信アンテナの偏波面を複数の偏波面方向に切り替える切替時間間隔を可変に設定する第2手順とを有することを特徴とする。
本願第8発明の無線タグ通信方法では、タグアンテナの偏波面の方向が異なる複数の無線タグ回路素子を通信対象とする。このような異なる偏波面の無線タグ回路素子の混在に対応し、通信アンテナの偏波面方向が切り替え可能となっている。そして、第1手順で取得された複数の無線タグ回路素子の分布関連情報に基づき、第2手順で、複数の偏波面方向の切替時間間隔が設定される。この結果、通信アンテナの偏波面方向を切り替えるとき、比較的多い分布のタグアンテナの偏波面方向に合致している場合は比較的長時間その偏波面方向を維持するようにして、通信時間の不足による通信再試行回数の増大によるプリアンブルの複送等の無駄を防止できる。逆に、比較的少ない分布のタグアンテナの偏波面方向に合致している場合は短い時間のみその偏波面方向を維持するようにして、情報送受の行われない無意味な空白時間が生じる無駄を防止できる。
以上のようにして、複数の無線タグ回路素子においてタグアンテナの偏波面方向の分布に偏りがあったとしても、通信アンテナの切り替えをその偏りに対応した態様とすることができ、これによって無駄のない効率的な通信を実現することができる。
第9発明は、上記第8発明において、前記第1手順は、前記分布関連情報として、前回通信時における前記応答信号の受信状況に基づき増減された、応答信号を区分して受信するための識別スロットの数を取得する手順であり、前記第2手順は、前記第1手順で取得された前記識別スロットの数に基づき、前記切替時間間隔を設定する手順であることを特徴とする。
本願第9発明においては、上記第5発明と同様、分布関連情報として識別スロットの数を用いる。例えば、前回行った無線通信において識別スロットの数が少なすぎて衝突が発生している場合には、円滑な通信を行うためには今回は識別スロットの数を増大させることから、第1手順でこの増大した識別スロット数を取得することで、第2手順でその識別スロット数に応じて切替時間間隔を設定することができる。すなわち、アンテナ手段の偏波面方向が、上記比較的多数の無線タグ回路素子のタグアンテナの偏波面方向に合致したら、比較的長時間その方向を維持するように設定することができる。このようにして、無線タグ回路素子の数(タグアンテナの偏波面方向別の分布数)を直接取り扱わなくても、識別スロットの数を用いて通信効率の最適化制御を容易に行うことができる。
第10発明は、上記第8発明において、前回通信時における前記応答信号の受信状況に基づき、前記周辺領域に含まれる通信領域における通信対象となる前記無線タグ回路素子の分布数を推定する第3手順を有し、前記第1手順は、前記分布関連情報として、前記第3手順で推定された前記無線タグ回路素子の分布数を取得する手順であり、前記第2手順は、前記第1手順で取得された前記無線タグ回路素子の分布数に対応した前記識別スロットの数に基づき、前記切替時間間隔を設定する手順であることを特徴とする。
本願第10発明においては、上記第6発明と同様、分布関連情報として、通信対象となる無線タグ回路素子の分布数を推定して用いる。例えば、前回行った無線通信において識別スロットで衝突が発生している場合には、第3手順で、通信対象となる無線タグ回路素子の数が当該識別スロットの数よりもやや多いと推測される。そして、第1手順でその推定された識別スロット数を取得し、第2手順でその識別スロットの数に応じて切替時間間隔を設定することができる。すなわち、アンテナ手段の偏波面方向が、上記比較的多数の無線タグ回路素子のタグアンテナの偏波面方向に合致したら、比較的長時間その方向を維持するように設定することができる。このようにして、受信状況に応じて無線タグ回路素子の数を推定し、その推定した無線タグ回路素子の分布数を直接用いることで、通信効率の最適化制御を確実に行うことができる。
本発明によれば、複数の無線タグ回路素子においてタグアンテナの偏波面方向の分布に偏りがあったとしても、その偏りに対応した態様で通信アンテナの切り替えを行い、無駄のない効率的な通信を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の無線タグ通信装置を、例えばそれぞれ無線タグが貼付されている多数の物品の管理に適用した場合の一例を表す図である。図示する例では、一つの収納棚100に収納された多数の物品Bにそれぞれ無線タグTが貼付されている。それぞれの無線タグTはこの例ではダイポール型のタグアンテナ151を有しており、そのタグアンテナ151の長手方向の向きが縦方向と横方向のいずれかの方向に向く姿勢で各物品Bに貼付されている。
そして、本実施形態の無線タグ通信装置であるリーダ1は携帯型(いわゆるハンディタイプ)のものであり、略直方体形状の筐体を有している。この筐体には、長手方向の一方の端部に2つのアンテナエレメント3A,3Bを有するリーダアンテナ3(アンテナ手段)が設けられているとともに、筐体の一方の平面部に操作部7と表示部8が設けられている。
使用者(物品Bの管理者;操作者)は、このリーダ1を用いて各物品Bに貼付されている無線タグTから無線通信を介して対応する物品Bに関する情報を読み取ることで、各物品Bの保管状況を管理する。ここで、リーダ1の通信可能領域(=通信領域;図中の破線で示す範囲)20はリーダアンテナ3を基点として広がる領域であり、この例では一つの収納棚100の大部分又は全部を包含する態様となっている。
このとき、上述したように各無線タグTのタグアンテナ151は直線形状に形成されているため、リーダ1がこれらと良好な無線通信を行って確実に情報を読み取るためには、偏波面の方向が一致する状態(例えば同じダイポール型のアンテナでかつ長手方向が一致する状態)で無線通信を行わなければならない。そして、上述したように各無線タグTのタグアンテナ151の長手方向の向きが縦方向と横方向のいずれかの方向に向く姿勢で各物品Bに貼付されているため、リーダ1が収納棚100内に存在する全ての無線タグTと無線通信を行うためには、少なくともリーダ1側でアンテナの偏波面の方向を上記縦方向及び横方向に切り替えて無線通信を行う必要がある。
そのために、リーダ1は、この例では筐体の平面部に対してそれぞれ垂直・水平となる配置の2つのアンテナエレメント3A,3Bをリーダアンテナ3の構成部として有しており、使用者はリーダ1を手に取って例えば筐体の平面部が上方(鉛直上方向)に向く略水平の基準姿勢で保持しつつ、2つのアンテナエレメント3A,3Bを切り替えてそれぞれで無線通信を行う。これにより、リーダ1は収納棚100内に存在する全ての無線タグTと無線通信を行い、対応する各物品Bに関する情報を読み取って保管状況を管理することができる。
図2は、本実施形態のリーダ1の概略を表すシステム構成図である。
図2において、上述したようにこのリーダ1は、各物品Bに貼付した無線タグTから無線通信を介してその無線タグTに記憶されている情報を読み取るものである。
リーダ1は、本体制御部2と、上記リーダアンテナ3とを有している。本体制御部2は、CPU4と、ハードディスク装置やフラッシュメモリからなり、リーダ1の無線通信に関係する無線タグTの配置分布情報(詳しくは後述する)や物品Bの管理状況などの各種情報を記憶する不揮発性記憶装置5と、例えばRAMやROM等からなるメモリ6と、使用者からの指示や情報が入力される上記操作部7と、各種情報やメッセージを表示する上記表示部8と、時間を計測する機能を有するタイマ9と、リーダアンテナ3を介し無線タグTとの無線通信の制御を行うRF通信制御部10とを備えている。
リーダアンテナ3は、上述したように2つのアンテナエレメント3A,3Bを有しており、例えば、それぞれのアンテナエレメント3A,3Bは全体が略直線的な形状となるいわゆるダイポール型のアンテナで構成されている。一方の横方向アンテナエレメント3Aはその長手方向がリーダ1の筐体の幅方向(つまり上記基準姿勢における左右方向)と平行となる配置で設けられている。また、他方の縦方向アンテナエレメント3Bはその長手方向がリーダ1の筐体の厚さ方向(つまり上記基準姿勢における上下方向)と平行となる配置で設けられている。そして各アンテナエレメント3A,3Bにおいては、それぞれの長手方向が電波の電位面、すなわち偏波面を形成する方向(偏波面方向)となる。以下、本実施形態では、横方向アンテナエレメント3Aにより生成される偏波面を「横偏波」、縦方向アンテナエレメント3Bにより生成される偏波面を「縦偏波」という。なお、リーダアンテナ3はこのような構成には限られず、例えばマイクロストリップアンテナ等他の形態のアンテナを用い、電流の流す方向を変化させることによって偏波面方向を切り替える等の構成でもよい。
CPU4は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってリーダ1全体の各種制御を行うものである。
無線タグTは、タグアンテナ151とIC回路部150とを備える無線タグ回路素子Toを有しており、この無線タグ回路素子Toを特に図示しない基材などに設けて上記物品Bに貼付可能にしたものである(無線タグ回路素子Toについては後に詳述する)。タグアンテナ151は、前述したようにこの例では全体が略直線的な形状のダイポール型アンテナで構成されており、その長手方向が偏波面を形成する方向となる。
図3は、上記リーダ1におけるCPU4、RF通信制御部10、及びリーダアンテナ3の詳細構成を表す機能ブロック図である。
図3において、CPU4は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンド(詳しくは後述する)を生成するものである。
RF通信制御部10は、上記リーダアンテナ3を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(タグIDを含む無線タグ情報)へアクセスするためのものである。すなわち、RF通信制御部10は、CPU4により2つのアンテナエレメント3A,3Bの接続を切り替える切替スイッチ部341と、リーダアンテナ3を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、リーダアンテナ3により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
切替スイッチ部341は、公知の高周波用FETやダイオードを用いたスイッチ回路であり、CPU4からの制御信号により横方向アンテナエレメント3A又は縦方向アンテナエレメント3Bのいずれかを選択的に送受分離器214に接続するものである。
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のタグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込み)ための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部212は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子215Aと、CPU4の制御により水晶振動子215Aの出力を分周/逓倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)215B及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記CPU4から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU4からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU4からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ217とを備えている。
そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介しリーダアンテナ3に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部213は、リーダアンテナ3で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路218と、そのI相受信乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ219と、このI相バンドパスフィルタ219の出力を増幅するI相受信アンプ221と、このI相受信アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ220と、上記リーダアンテナ3で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算するQ相受信乗算回路222と、そのQ相受信乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ223と、このQ相バンドパスフィルタ223の出力を増幅するQ相受信アンプ225と、このQ相受信アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ224とを備えている。そして、上記I相リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU4に入力されて処理される。
また、I相受信アンプ221及びQ相受信アンプ225の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU4に入力されるようになっている。このようにして、リーダ1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
図4は、上記無線タグTに備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
この図4において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ1のリーダアンテナ3と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記リーダ1からの上記応答要求コマンドの受信時に当該無線タグ回路素子Toが応答信号をどの識別スロットに出力するかを決定するための乱数を発生させる乱数発生器158(詳細は後述)と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、乱数発生器158、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記リーダ1のリーダアンテナ3からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
乱数発生器158は、上記リーダ1からの上記応答要求コマンドに指定されているスロット数指定値Q(以下適宜、単に「Q値」という)に対し、0から2−1までの乱数を発生させる。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記乱数発生器158により発生させた乱数に対応する識別スロットで上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
次に、リーダ1と無線タグTとの間で送受される信号とその送受方法について説明する。図5は、リーダ1と1つの無線タグTの上記無線タグ回路素子Toとの間で送受される信号のタイムチャートの一例を表す図である。なお、この図5に示す例の信号の送受方法は、公知のRandom−Slotted Collision arbitration方式に基づくEPC global Class−I Generation−IIの国際規格に準じたものであり、図中では左側から右側に向かって時系列変化するよう示している。また、リーダ1と無線タグTとの間に記載されている矢印は信号の送信方向を示しており、送信相手が不特定である場合には破線で示し、送信相手が特定されている場合には実線で示している。
この図5において、リーダ1は、まず最初に、通信可能領域20に存在する全ての無線タグTに対して「Select」コマンドを送信する。この「Select」コマンドは、それ以降にリーダ1が無線通信を行う無線タグTの条件を指定するコマンドであり、各種の条件を指定して情報の読み取り対象とする無線タグTの個数を限定し、無線通信の効率化を図ることができる。そして、この「Select」コマンドを受信した無線タグTのうちで、指定された条件を満たす無線タグTだけがその後に無線通信を行える状態となる(図中ではこの条件を満たす一つ無線タグTのみを示している)。
次にリーダ1は、同じ無線タグ群に対してそれぞれのタグ情報(識別情報であるタグIDを含む)を応答発信させるよう要求する「Query」コマンド(読み取りコマンド)を送信する。この「Query」コマンドは、応答すると予想される無線タグ回路素子Toの数が不確定な条件下において探索を行うための探索指令である。この「Query」コマンドには、所定の数(例えばこの例で0から15までのいずれかの値)で指定するスロット数指定値Qが含まれている。RF通信制御部10からリーダアンテナ3を介し「Query」コマンドが送信されると、各無線タグTの無線タグ回路素子Toは0から2−1(=2のQ乗−1)までの乱数を乱数発生器158により生成し、スロットカウント値Sとして保持する。
そしてリーダ1がリーダアンテナ3を介して該「Query」コマンドを送信後、所定の識別スロットで無線タグ回路素子Toからの応答を待ち受ける。この識別スロットとは、この「Query」コマンド(又は後述する「QueryRep」コマンド)を始めに送信してから所定の期間で区分される時間枠である。識別スロットは、通常、所定回数(「Query」コマンドの第1識別スロットが1回、及び、「QueryRep」コマンドの第2以降の識別スロットが2−1回=2回)が連続して繰り返される。
そして、図示の例のように無線タグ回路素子Toでスロットカウント値Sとして値0を生成したものは、この「Query」コマンドを含んだ第1識別スロットで応答する。このとき、当該無線タグ回路素子Toはタグ情報を送信する許可を得るための例えば16ビットの擬似乱数を用いた「RN16」レスポンスを応答信号としてリーダ1へ送信する。
そして、この「RN16」レスポンスを受信したリーダ1は、この「RN16」レスポンスに対応する内容でタグ情報の送信を許可する「Ack」コマンドを送信する。この「Ack」コマンドを受信した無線タグ回路素子Toは、その無線タグ回路素子To自身が先に送信した「RN16」レスポンスと受信した「Ack」コマンドに同じ「RN16」が含まれている場合に、当該無線タグ回路素子Toの個体がタグ情報の送信を許可されたものとみなしてタグ情報(タグID含む)を送信する。このようにして、一つの識別スロットにおける信号の送受信が行われる。
その後、さらに2番目以降の識別スロットでは、リーダ1は「Query」コマンドの代わりに「QueryRep」コマンドを送信し、その直後に設けられる識別スロット時間枠で他の無線タグ回路素子To(特に図示せず)の応答を待つ。「QueryRep」コマンドを受信した各無線タグ回路素子Toは自身の上記スロットカウント値Sの値を一つだけ減算して保持し、該スロットカウント値Sが値0になった時点の識別スロットで「RN16」レスポンスを初めとした信号の送受信をリーダ1との間で行う。
なお、各識別スロットで該当する無線タグ回路素子To(当該識別スロットでスロットカウント値Sが0となるもの)がない場合には、「Query」コマンド又は「QueryRep」コマンド以外の送受信が行われないまま所定の時間枠でその識別スロットを終了する。
このように各無線タグ回路素子Toが異なる識別スロットで応答信号を返信することで、リーダアンテナ3を介し、リーダ1は混信を受けることなく一つ一つの無線タグ回路素子Toのタグ情報を明確に受信し取り込むことができる。そして本実施形態では、以上のように「Select」コマンドが送信されてから、「Query」コマンドの送信で始まる第1識別スロット(1回)と、その後の第2識別スロット以降の「QueryRep」コマンドの送信で始まる識別スロットを所定数(2−1回)繰り返して行うまでの処理単位を偏波面対応読み取り処理と称している(後述の図8のステップS100参照)。
そして、リーダ1側で1回の偏波面対応読み取り処理に対して用意する識別スロットの数2個が通信対象の無線タグ回路素子Toの個数より十分大きく設定されていれば(つまりスロット数指定値Qが十分に大きく設定されていれば)、各無線タグ回路素子Toのスロットカウント値Sが乱数により発生されているために、それぞれの無線タグ回路素子Toが応答信号を送信する識別スロットが2個分の識別スロットに渡って均等に分布することが期待できる。このようにしてリーダアンテナ3と偏波面が一致する無線タグ回路素子Toの応答信号を一つ一つ衝突・混信させることなく明確に受信することができる。
図6は、リーダ1が記憶するスロット数テーブルの一例を概念的に表す図である。このスロット数テーブルは、リーダ1の不揮発性記憶装置5に記録保持される情報である。
この図6において、スロット数テーブルには、複数の収納棚100(上記図1中では一つのみ図示)の棚番号に対応して、「QV」「QH」の各項目が格納記録されている。「QV」項目には、上記縦偏波方向で無線通信をする場合に対応した(例えば予め概略的に設定された)識別スロット数を指定するためのQ値(=QV)が、無線タグ回路素子Toの分布関連情報として記録されている。「QH」項目には、上記横偏波方向で無線通信をする場合に対応した(例えば予め概略的に設定された)識別スロット数を指定するためのQ値(=QH)が、無線タグ回路素子Toの分布関連情報として記録されている。
図示する例では、棚番号が1の収納棚100(図1参照)に収納された、縦偏波面方向の配置の(=タグアンテナ151の偏波面方向が上記縦偏波面に合致するもの。以下同様)無線タグ回路素子Toに対し設定された識別スロット数は140となっている。このため、140を超える最小の識別スロット数を指定する値としてQV=8が「QV」項目に記録されている(Q=7で2^7=128、Q=8で2^8=256のため)。同様に、棚番号が1の収納棚100に収納された、横偏波面方向の配置の(=タグアンテナ151の偏波面方向が上記横偏波面に合致するもの。以下同様)無線タグ回路素子Toに対し設定された識別スロット数は40となっている。このため、40を超える最小の識別スロット数を指定する値として、QH=6が「QH」項目に記録されている(Q=5で2^5=32、Q=6で2^6=64のため)。
これら「QV」「QH」項目に記載された設定値は、例えば過去のリーダ1による読み取り実績等に応じて、適宜に設定記憶されたものであってもよいし、物品Bの収納状態が概ね分かっている場合にはそれに応じて設定されたものでもよい。本実施形態では、このような初期値を用いて読み取りを開始した後、その場合に検出される応答信号の衝突数や識別スロットの過不足に基づいて縦偏波面方向及び横偏波面方向のそれぞれの配置の無線タグ回路素子Toの存在個数を推定し、それに対応してQV及びQHを修正設定しつつ、読み取りを続行する(詳細は後述)
なお、この例では、図中に示す棚番号が31の収納棚100のように上記の手法によるQV,QHの設定が行われていない(したがって「QV」「QH」各項目が未記入のままである)場合には、予めリーダ1において固定的に設定されているQV及びQHの標準設定値を用いて、読み取りを開始する。
なお、上記図5で説明したEPC global Class−I Generation−IIの国際規格に準拠するプロトコルでは、リーダ1側から送信する「Select」コマンド、「Query」コマンド、「Ack」コマンド、及び「QueryRep」コマンドなどの無線タグ回路素子Toへの送信コマンドは、tari、“0”/“1”符号長比などの(コマンドの時間長に影響を与える因子である)送信コマンドパラメータの設定によりそれぞれの通信時間長が決定される。一方、また無線タグ回路素子Toから応答する「RN16」レスポンスやタグ情報は、LF、M値などの(応答周波数などの応答あたりの時間長に影響を与える因子である)タグ応答パラメータの設定によりそれぞれの通信時間長が決定される。
本実施形態においては、リーダ1の不揮発性記憶装置5が図7に示すような最適通信時間テーブル(相関)を予め記憶している。図7において、この例では、上記送信コマンドパラメータとして、tp−1,tp−2,…,tp−mの異なるm個を例示しており、上記タグ応答パラメータとして、rp−1,rp−2,…,rp−lの異なるl個を例示している。そして、ある1つの識別スロット数(例えばスロット数1個)に対して、上記m個の送信コマンドパラメータとl個のタグ応答パラメータの組み合わせがm×l個存在し、各組み合わせ毎に応じて、当該識別スロット数を用いて通信したときに必要な通信時間が一意的に決まる。そして、この一意的に決まった時間に対して例えば若干の余裕を加えた時間が、当該識別スロット数に対して当該送信コマンドパラメータ及びタグ応答パラメータの組み合わせを用いたときの最適通信時間として一意的に設定され、記憶されている。このような設定が、スロット数1,2,・・・,nまで順次記憶され、テーブル内に格納されている。
これら送信コマンドパラメータやタグ応答パラメータ自体は、通常ユーザが選択・設定するものではないが、例えばリーダ1ごとに、工場出荷時などに適宜に設定されている。これにより、この最適通信時間テーブルを参照することで、1回の偏波面対応読み取り処理における識別スロット数(適用するQ値から算出)、送信コマンドパラメータ、及びタグ応答パラメータなどの各種パラメータの組み合わせに対応し、当該1回の偏波面対応読み取り処理に要すべき最適通信時間を取得できるようになっている。なお、本実施形態ではこの最適通信時間を、縦方向アンテナエレメント3Bと横方向アンテナエレメント3Aとの切り替え時間間隔(後述の時間TV,TH参照)として用い、縦偏波面における通信と横偏波面における通信とを切り替えるようになっている。
なお、前述したように、図6に示したスロット数テーブルや図7に示した最適通信時間テーブルはリーダ1の不揮発性記憶装置(相関記憶手段)5に記録保持されているが、これに限られず、例えば有線又は無線のネットワークを介し、外部のサーバ等より取得するようにしてもよい。
図8は、リーダ1のCPU4によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
図8において、この例では、電源の投入後(又は例えば操作部7において無線タグTの読み取り処理を開始させる操作が行われると)、このフローが開始される(「START」位置)。
まず、ステップS1において、縦偏波と横偏波との切り替えを行うために用いるフラグをF=0にリセットする。
その後、ステップS5において、例えば操作部7でのユーザの操作入力に基づき、検出対象の収納棚100の棚番号を取得する。
そして、ステップS10へ移り、不揮発性記憶装置5に記録されている上記スロット数テーブル(図6参照)を参照して、上記ステップS5で入力された棚番号に対応する縦偏波用のQV及び横偏波用のQHが取得可能であるか否か(つまり当該棚番号の収納棚100について既にQV及びQHが設定されているか)を判定する。棚番号に対応する2つのQ値(QH,QV)が取得可能である場合、判定は満たされ、ステップS15でスロット数テーブルを参照して棚番号に対応するQV,QHを取得し、ステップS25へ移る。
一方、棚番号に対応する2つのQ値(QV,QH)が取得できない場合、ステップS10の判定が満たされず、ステップS20で、前述の図6に示したテーブルに記載の値(QHやQV)を初期値として取得する。以上のようにしてステップS20が終了したら、ステップS25へ移る。
ステップS25では、上記フラグFが、縦方向アンテナエレメント3Bを介した縦偏波での通信を表すF=1となっているかどうかを判定する。フラグFが上記初期値0(又は横方向アンテナエレメント3Aを介した横偏波での通信を表す2)であった場合には判定が満たされず、ステップS30へ移る。
ステップS30では、切替スイッチ部341に制御信号を出力して縦方向アンテナエレメント3Bを送受分離器214に切替接続する。その後、ステップS31で、フラグFを上記縦偏波に対応する1とする。
そして、ステップS32に移り、不揮発性記憶装置5に記録されている上記最適通信時間テーブル(図7参照)を参照し、上記ステップS15又はステップS20で取得した(あるいは後述のステップS175又はステップS180で増減又は維持された)縦偏波用のQVから、対応する識別スロット数(=2個)を算出し、さらにその識別スロット数に対応した縦偏波用の上記最適通信時間TVを(前述の各種パラメータの組み合わせを考慮しつつ)取得する。その後、ステップS40に移る。
一方、上記ステップS25において、フラグFが縦方向アンテナエレメント3Bを介した縦偏波での通信を表す1であった場合には判定が満たされ、ステップS35へ移る。
ステップS35では、切替スイッチ部341に制御信号を出力して横方向アンテナエレメント3Aを送受分離器214に切替接続する。その後、ステップS36で、フラグFを上記横偏波に対応する2とする。
そして、ステップS37に移り、不揮発性記憶装置5に記録されている上記最適通信時間テーブル(図7参照)を参照し、上記ステップS15(又はステップS20)で取得した(あるいは後述のステップS175又はステップS180で増減又は維持された)横偏波用のQHから、対応する識別スロット数(=2個)を算出し、さらにその識別スロット数に対応した横偏波用の上記最適通信時間THを(前述の各種パラメータの組み合わせを考慮しつつ)取得する。その後、ステップS40に移る。
ステップS40では、タイマ9の計時内容をリセットし、上記ステップS32で取得した最適通信時間TVまでの又はステップS37で取得した最適通信時間THまでの計時を開始する。
その後、ステップS100へ移り、上記ステップS32(又は上記ステップS37)で算出した識別スロット数だけ、繰り返して無線タグ回路素子Toとの無線通信を行う偏波面対応読み取り処理を行う(後述の図9参照)。なお、この偏波面対応読み取り処理における識別スロット数は、この時点での上記Q値(QH又はQV)から算出した識別スロット数となる。また、後述するように、このステップS100の偏波面対応読み取り処理においては、各偏波面での識別スロット数の過不足に応じてQV,QHが修正される。
そして、ステップS45へ移り、上記ステップS40での開始後、タイマ9による計時により縦偏波用の最適通信時間TV(又は横偏波用の最適通信時間TH)が経過したか否かを判定する。まだ最適通信時間TV,THが経過していない場合にはそのままループ待機し、最適通信時間TV,THが経過した場合には判定が満たされ、ステップS50へ移る。
ステップS50では、リーダアンテナ3の通信領域20内に存在する全ての無線タグTの無線タグ回路素子Toからの情報読み取りが終わったかどうかを判定する。
ここで、詳細な説明を省略するが、本実施形態の無線タグ回路素子Toでは、例えばISO/IEC18000−6 Type C等の公知の仕様となっており、セッションフラグの内容を指定した「Query」コマンドを複数回受信しても、最初の1回だけ正常に「Query」コマンドに応答できてからはその後に受信する「Query」コマンドには応答しないように設定されている。すなわち、リーダ1より一度情報読み取りが行われた無線タグ回路素子Toは、それ以降はリーダ1からの問いかけに対し応答せず、二重読み取りを行わないようになっている。
したがって、このステップS50では、上記のような読み取りがまだ行われていない無線タグ回路素子Toが残存しているかいないかを判定する。具体的には、例えば、全てのスロットに対して無線タグ回路素子Toからの応答信号が受信されない状態(あるいはその反復や所定時間の継続)をもって上記の残存数がゼロ(=全無線タグ回路素子Toからの読み取り完了)とすればよい。あるいは、予め対象となる無線タグ回路素子Toの総数が分かっていれば、情報読み取りが完了した(タグIDを取得した)無線タグ回路素子Toの数をカウントしておき、その数が上記総数に達したかどうかを判定するようにしてもよい。
全無線タグ回路素子Toからの情報読み取りが完了するまではステップS50の判定が満たされず、ステップS25に戻り同様の手順を繰り返す。すなわち、F=1の場合はステップS35→ステップS36→ステップS37→ステップS40→ステップS100→ステップS45で横方向アンテナエレメント3Aを介した横偏波を用いた情報読み取りを最適通信時間THだけ行い、F=2の場合はステップS30→ステップS31→ステップS32→ステップS40→ステップS100→ステップS45で縦方向アンテナエレメント3Bを介した縦偏波を用いた情報読み取りを最適通信時間TVだけ行い、これらを交互に繰り返す。この間、前述のように一度応答した無線タグ回路素子Toはその後は応答しないことから、ステップS100において識別スロット数が徐々に減少するように制御され(後述のステップS175参照)、その識別スロット数の減少に応じてステップS37(又はステップS32)において最適通信時間テーブルを参照して設定される最適通信時間TH(又はTV)が徐々に短くなる。
この結果、上記F=1でステップS35→…→ステップS45で横偏波を用いた情報読み取りを行った後は(直後の縦偏波を用いた情報読み取りを挟んだ)次の最適通信時間THは今回読み取りが完了した横偏波面方向配置の無線タグ回路素子Toの数の分短くなり、上記F=2でステップS39→…→ステップS45で縦偏波を用いた情報読み取りを行った後は(直後の横偏波を用いた情報読み取りを挟んだ)次の最適通信時間TVは今回読み取りが完了した縦偏波面方向配置の無線タグ回路素子Toの数の分短くなる。このようにして、横偏波用最適通信時間TV及び縦偏波用最適通信時間THを用いて横偏波と縦偏波とを切り替えながら情報読み取りを行っていき、まだ情報読み取りが終わっていない横偏波面及び縦偏波面方向配置の無線タグ回路素子Toの分布に応じて上記TH,TVを変化させていく(最初のみステップS15又はステップS20により設定したTH,TVを用いる)。
以上のような繰り返しにより、最終的に全ての収納棚100の全ての無線タグ回路素子Toから情報読み取りが終了したらステップS50の判定が満たされ、ステップS70に移る。ステップS70では、上記偏波面対応読み取り処理の検出結果を表示部8に表示し、このフローを終了する。なお、特に詳しく図示しないが、この検出結果の表示としては縦偏波及び横偏波でそれぞれ無線タグ回路素子Toから読み取れた情報を分けて表示したり、それぞれでの衝突回数やQ値(識別スロット数)などを表示するようにしてもよい。
図9は、上述したステップS100の偏波面対応読み取り処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図9において、まずステップS105において、識別スロットのカウンタ変数C、衝突回数のカウンタ変数CC、及び読み取り回数のカウンタ変数TCのそれぞれの値を0にリセットする。
次にステップS110へ移り、RF通信制御部10及びリーダアンテナ3(つまり横方向アンテナエレメント3A又は縦方向アンテナエレメント3Bのいずれか)を介し、通信可能領域20に存在する全ての無線タグTに対し「Select」コマンド信号を送信する。
次にステップS115へ移り、上記「Select」コマンド信号と同様に「Query」コマンド信号を送信する。なお、送受信する複数のコマンドの間の時間間隔は、適切な間隔となるよう適宜タイミングが調整される(以下、同様)。
次にステップS120へ移り、アンテナエレメント3A又は3B及びRF通信制御部10を介し、所定の時間の間だけ無線タグTの無線タグ回路素子Toからの応答信号を受信する。その後、ステップS125において、その受信時間の間に応答信号として「RN16」レスポンスを受信したか否かを判定する。この判定において、「RN16」レスポンスが受信された場合、判定が満たされ、すなわち当該識別スロットで応答する無線タグ回路素子Toが存在するとみなされて、次のステップS130へ移る。
ステップS130では、RF通信制御部10及びアンテナエレメント3A又は3Bを介し、上記ステップS120で受信された「RN16」レスポンスをそのまま含む内容の「Ack」コマンドを送信する。その後、ステップS135においてアンテナエレメント3A又は3B及びRF通信制御部10を介し、無線タグ回路素子Toからその識別情報であるタグIDを含む無線タグ情報を受信した後、ステップS140で読み取り回数のカウンタ変数TCの値に1を加え、ステップS155へ移る。
一方、上記ステップS125の判定において、「RN16」レスポンスが正常に受信されていない場合、つまり複数の「RN16」レスポンスが衝突したか又は「RN16」レスポンスが一つも受信されなかった場合、判定が満たされず、ステップS145へ移る。
ステップS145では、上記ステップS125の判定で「RN16」レスポンスが正常に受信されていないと判定された原因が衝突によるものであるか否かを判定する。衝突によるものでない場合、判定は満たされず、すなわち当該識別スロットで応答する無線タグ回路素子Toがなかったものとみなされて、そのままステップS155へ移る。一方、衝突によるものであった場合、判定が満たされ、ステップS150で衝突回数のカウンタ変数CCの値に1を加えてステップS155へ移る。
ステップS155では、識別スロットのカウンタ変数Cの値に1を加え、その後にステップS160でこの変数Cの値が2より小さいか否か、すなわち最後の識別スロットを終了したか否かを判定する。ここで用いられるQ値は、その時点で接続されているアンテナエレメント3A又は3Bの偏波面方向に対応したQ値(上記した横偏波用のQH又は縦偏波用のQV)を用いる。カウンタ変数Cの値が2より小さい場合、判定が満たされ、すなわち現行の偏波面対応読み取り処理が終了していないものとみなされて、次のステップS165へ移る。
ステップS165では、RF通信制御部10及びアンテナエレメント3A又は3Bを介し「QueryRep」コマンドを送信して新たな識別スロットを開始した後、ステップS120へ戻り同様の手順を繰り返す。
また一方、上記ステップS160の判定において、変数Cの値が2以上である場合、判定が満たされず、すなわち当該偏波面対応読み取り処理における最後の識別スロットが終了したものとみなされて、次のステップS170へ移る。
ステップS170では、衝突回数のカウンタ変数CCの値が0であるか否か、つまり現行の偏波面対応読み取り処理において一度でも「RN16」レスポンスの衝突があったか否かを判定する。カウンタ変数CCの値が0である場合、判定が満たされ、すなわち現行の偏波面対応読み取り処理で一度でも「RN16」レスポンスの衝突がなかったものとみなされ、次のステップS175へ移る。
ステップS175では、識別スロットのカウンタ変数Cと読み取り回数のカウンタ変数TCの値を比較して対応するQ値(QV又はQH)の減少補正を検討する。つまり、「RN16」レスポンスの衝突が一度も生じることなくタグ情報を読み取ることができたということは、現行の偏波面方向に対応して直前の偏波面対応読み取り処理における識別スロット数(=C)が検出対象の無線タグTの個数(=TC)に対して必要数を満たしていたか、又はそれより過剰に多い状態であった可能性が予想される。
ここで、無線タグTの個数(=TC)に対して「RN16」レスポンスの衝突回避のために最低必要とされる識別スロット数は、この例では前述したように無線タグTの個数TCとなる。これと比較して、実際に直前に行われた偏波面対応読み取り処理での識別スロット数(=C)が2倍以上(つまりC≧2×TC)であった場合には、対応するQ値を1つ減少して偏波面対応読み取り処理の識別スロット数を半減しても「RN16」レスポンスの衝突回避を維持できることになる。なお、4倍以上であった場合には、対応するQ値を2つ減少してもよいことになる。
以上のような検討方法はあくまで一例であるが、ステップS175では直前の偏波面対応読み取り処理における識別スロット数(=C)が検出対象の無線タグTの個数(=TC)に対して過剰に多い状態とならないよう、必要に応じて現行の偏波面方向に対応するQ値(QV又はQH)の減少補正を行う。また、直前の偏波面対応読み取り処理における識別スロット数(=C)が検出対象の無線タグTの個数(=TC)に対して適正であると判断した場合には、当該識別スロット数に対応するQ値(QV又はQH)をそのまま維持する。
また一方、上記ステップS170の判定において、カウンタ変数CCの値が1以上である場合、判定が満たされず、すなわち現行の偏波面対応読み取り処理で「RN16」レスポンスの衝突が1回以上生じたものとみなされ、ステップS180へ移る。
ステップS180では、衝突回数のカウンタ変数CCの大きさに応じて対応するQ値(QV又はQH)の増加補正を検討する。つまり、「RN16」レスポンスの衝突が一度でも生じていることから、現行の偏波面方向に対応して現行の偏波面対応読み取り処理における識別スロット数(=C)が検出対象の無線タグTの個数(=TC)に対して必要数を満たしていなかった可能性が予想される。
ここで、例えば一度の衝突において2つの無線タグTが同時に「RN16」レスポンスを送信していたと仮定すると、タグ情報の読み取りが成功した無線タグTの個数(=TC)に衝突回数(=CC)の2倍の数を加算した数(つまりTC+2×CC)が、現行の偏波面方向に対応する無線タグTの総数であると推定できる。そしてこの推定個数が「RN16」レスポンスの衝突回避のために最低必要とされる識別スロット数であると推定でき、この推定した必要スロット数を超える最小の識別スロット数を指定するQ値(QV又はQH)を算出することで適切なQ値の増加補正が行える。なお、一度の衝突において3つ以上の無線タグTが同時に「RN16」レスポンスを送信していた場合も考慮して、必要スロット数は余裕を持って大きめに設定するのが望ましい。
以上のような検討方法はあくまで一例であるが、ステップS180では現行の偏波面対応読み取り処理における識別スロット数(=C)が検出対象の無線タグTの個数(=TC)に対して過少状態とならないよう、必要に応じて現行の偏波面方向に対応するQ値(QV又はQH)の増加補正を行う。
以上のようにして、ステップS175又はステップS180が完了したら、このルーチンを終了する。
図10は、図4に示した無線タグ回路素子Toが備える制御部157によって実行される制御手順を表すフローチャートである。この図10において、例えば無線タグ回路素子Toが初期化コマンド(詳細な説明を省略する)を受信してその初期信号により無線電力が与えられるとともに制御部157が初期化されると、無線タグ回路素子Toが起動し、このフローが開始される(「START」位置)。
まず、ステップS205で、無線タグ回路素子Toが起動した直後にタグアンテナ151で受信したリーダ1のリーダアンテナ3からの「Select」コマンドの命令内容を解釈する。そして、その命令内容に含まれている指定条件(リーダ1が読み取り対象とする無線タグTの条件)に当該無線タグTが該当するか否かを判定する。当該無線タグTが指定条件に該当しない場合、ステップS205の判定が満たされず、当該無線タグTが該当する指定条件を含む「Select」コマンドを受信するまで同じ手順を繰り返してループ待機する。一方、当該無線タグTが該当する指定条件を含む「Select」コマンドを受信した場合、ステップS205の判定が満たされ、次のステップS210へ移る。
ステップS210では、タグアンテナ151で受信したリーダ1のリーダアンテナ3からの「Query」コマンドの命令内容を解釈するよう受信制御する。このとき、「Query」コマンドに含まれるスロット数指定値Q(前述のQV又はQH)をメモリ部157に記憶させる。
次にステップS215へ移り、上記ステップS210でメモリ部157に記憶されたスロット数指定値Qに基づいて、0から2−1までの乱数を乱数発生器158により発生させ、その値をスロットカウント値Sとする。このスロットカウント値Sにより、当該無線タグTが応答信号(この例の「RN16」レスポンス)を送信する識別スロットが決定される。
次にステップS220へ移り、スロットカウント値Sが0であるか否かを判定する。スロットカウント値Sが0でない場合、判定が満たされず、すなわちまだ応答信号を送信すべき識別スロットに達していないとみなされて次のステップS225へ移る。
ステップS225では、図9のフローのステップS165においてリーダ1から送信される「QueryRep」コマンドをタグアンテナ151を介して受信したか否かを判定し、受信するまでその時点の識別スロットの間受信制御を繰り返す。「QueryRep」コマンドを受信した場合、ステップS225の判定が満たされて、次のステップS230へ移り、スロットカウント値Sを1減算してステップS220へ戻り同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS220の判定においてスロットカウント値Sが0となっていた場合、判定が満たされ、すなわち当該無線タグ回路素子Toが応答信号を送信すべき識別スロットに達したとみなされて次のステップS235へ移る。ステップS235では、例えば16ビットの疑似乱数を用いた「RN16」レスポンスを応答信号として変復調部156で生成させ、所定のタイミングでタグアンテナ151を介しリーダ1へ返信する。
その後、ステップS240へ移り、上記ステップS235で送信した「RN16」レスポンスをそのまま含む内容の「Ack」コマンドをタグアンテナ151を介して受信したか否かを判定する。タグアンテナ151を介して「Ack」コマンドが受信され、その内容が先に無線タグ回路素子To自身が送信した「RN16」レスポンスをそのまま含む内容である場合、判定が満たされ、すなわち当該無線タグ回路素子Toの個体がリーダ1からタグ情報の送信を許可されたものとみなして次のステップ245へ移る。
ステップS245では、タグアンテナ151を介してその無線タグ回路素子ToのタグIDを含むタグ情報をリーダ1に送信する(なお、既に述べたように、このようにして一度リーダ1へタグ情報を送信した後は、その後に受信する「Query」コマンドには応答しないように設定されている)。そしてステップS205へ戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS240の判定において、タグアンテナ151を介し「Ack」コマンドが受信されなかった場合、又は受信してもその内容が先に送信した「RN16」レスポンスをそのまま含む内容でない場合、判定が満たされず、すなわち何らかの外的要因で無線通信が失敗したか、又は同一の識別スロットで他の無線タグ回路素子Toと「RN16」レスポンスの衝突が生じたものとみなされ、何も信号を送信することなくそのままステップS205へ戻る。
以上において、上記図8のフローにおけるステップS15及びステップS20と、(図9のステップS175及びステップS180でQV又はQHを調整された後に)ステップS32又はステップS37で対応するスロット数を算出する手順が、各請求項記載の分布関連情報取得手段として機能する。
また、ステップS30及びステップS35の手順が偏波面切替手段として機能する。またステップS32及びステップS37で最適通信時間TV及びTHを算出する手順が切替設定手段として機能し、そのうち図8のフローが開始された後にステップS15又はステップS20でのQV,QHに基づき最適通信時間TV及びTHを算出する(1回目の)ステップS32及びステップS37の手順が、初期値設定手段として機能する。
また、上記図9のフローにおけるステップS115の手順が送信制御手段として機能し、ステップS120及びステップS135の手順が受信制御手段として機能し、ステップS175及びステップS180の手順がスロット数制御手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態においては、横偏波用最適通信時間TV及び縦偏波用最適通信時間THを用いてリーダアンテナ3の横偏波と縦偏波とを切り替えながら情報読み取りを行うとき、横偏波面及び縦偏波面方向配置の無線タグ回路素子Toの分布に応じて上記TH,TVを変化させる。最初は、ステップS15又はステップS20により設定したTH,TVを用いて偏波面切り替えを行い、その後は情報読み取りが終わっていない横偏波面及び縦偏波面方向配置の無線タグ回路素子Toの分布に応じて上記TH,TVを変化させていく(ステップS32、ステップS37)。
これにより、比較的分布数が多い無線タグ回路素子Toのタグアンテナ151の偏波面方向に合致している場合は比較的長時間その偏波面方向を維持するようにして、通信時間の不足による通信再試行回数の増大によるプリアンブル(つまり偏波面対応読み取り処理の冒頭の「Select」コマンド)の複送等の無駄を防止できる。逆に、比較的分布数が少ない無線タグ回路素子Toのタグアンテナ151の偏波面方向に合致している場合は短い時間のみその偏波面方向を維持するようにして、情報送受の行われない無意味な空白時間が生じる無駄を防止できる。この結果、複数の無線タグ回路素子Toにおいてタグアンテナ151の偏波面方向の分布に偏りがあったとしても、リーダアンテナ3の切り替えをその偏りに対応した態様とすることができ、これによって無駄のない効率的な通信を実現することができる。
また、この実施形態では特に、上記図8のフローにおけるステップS20において、前述の図6に示したテーブルに記載の値(QHやQV)を初期値として取得する。これにより、特に、過去の通信実績履歴や、シミュレーションや、別途の情報等、予め無線タグ回路素子Toの分布数やこれに対応した識別スロット数が分かっている場合に、このような既知の値に基づき第1回目の最適通信時間TV,THをある程度適正に設定することができる(この場合、通信可能領域20内に対する値でなく、これを含むさらに広い範囲、例えばリーダ1の周辺領域としての収納棚100全体における値を用いるようにしてもよい)。これにより、このような既知の情報に基づく標準設定値がない場合に比べ、通信効率の最適化を迅速に達成することができる。
また、この実施形態では特に、上記図9のフローにおけるステップS175及びステップS180の手順で「RN16」レスポンスの受信状況に基づき識別スロットの数を可変に設定することで、衝突や空白スロットが生じるのをなるべく回避し、効率のよい通信を行うことができる。
また、この実施形態では特に、「RN16」レスポンスの衝突が生じている場合は(「RN16」レスポンスの数に対して識別スロットの数が不足していることから)ステップS180の手順で識別スロットの数を増大(対応するQ値を増大)させ、空白の識別スロットが過剰に多く生じている場合は(「RN16」レスポンスの数に対して識別スロットの数が多すぎることから)ステップS175の手順で識別スロットの数を減少(対応するQ値を減少)させ、「RN16」レスポンスの衝突が生じずタグ情報を取得できている場合は(「RN16」レスポンスの数に対して識別スロットの数がちょうどよいことから)識別スロットの数を増減せず維持することで確実に効率のよい通信を行うことができる。
また、この実施形態では特に、QV,QHのそれぞれに対応する識別スロット数と、それぞれ全識別スロット数の処理に必要とされる最適通信時間TV,THとの相関を最適通信時間テーブル(図7参照)として不揮発性記憶装置5に記憶しておき、これら最適通信時間に基づいてリーダアンテナ3の偏波面方向の切り替えを行う。これにより、最適な識別スロット数に対応した最適なTV,THを容易に設定することができる。
また、この実施形態では特に、偏波面方向別の分布に関連する情報として、(上述した無線タグ回路素子Toの数との密接な対応付けを考慮し)識別スロットの数(スロット数テーブルにおいてはQ値)を用いている。例えば、今回行った無線通信において識別スロットの数が少なすぎて衝突が発生している場合には、(通信対象となる無線タグ回路素子Toの数が比較的多いことが推測されるので、次回通信を円滑に行うために)ステップS180の手順で識別スロットの数を増大させる。そしてステップS50から戻って実行するステップS32又はステップS37で行う無線通信でこの増大した識別スロット数に基づき最適通信時間テーブルを参照して最適通信時間TV又はTHを設定し、リーダアンテナ3の偏波面方向(縦偏波又は横偏波)が、上記比較的多数の無線タグ回路素子Toのタグアンテナ151の偏波面方向(縦偏波又は横偏波)に合致するときに、比較的長時間その方向を維持するように設定する(TV又はTHを比較的大きくする)。このようにして、無線タグ回路素子Toの数(タグアンテナ151の偏波面方向別の分布数)を直接取り扱わなくても、識別スロットの数を用いて通信効率の最適化制御を容易に行うことができる。
なお、このような最適通信時間で偏波面方向を切り替える場合において、偏波面方向別の分布に関連する情報として、通信対象となる無線タグ回路素子Toの分布数を推定して用いるようにしてもよい。この場合には、図6のスロット数テーブルの代わりに、各偏波面方向に対応する無線タグ回路素子Toの推定分布数を記録した縦横対応タグ数テーブル(特に図示せず。不揮発性記憶装置5又は上記外部サーバに記憶されている)を用いて、各偏波面方向別に当該推定分布数を取得した際に必要スロット数や対応するQ値(QV又はQH)をそれぞれ算出すればよい。
すなわち、例えば、今回行った無線通信において識別スロットで衝突が発生している場合には、ステップS180の手順によって、通信対象となる無線タグ回路素子Toの数が当該識別スロットの数よりもやや多いと推定される(タグ数推定手段としての機能)。そしてステップS50から戻った後に実行されるステップS32又はステップS37の手順でこの推定された分布数に基づく識別スロット数を取得し、さらに上記相関を参照して最適通信時間TV又はTHを設定することで、リーダアンテナ3の偏波面方向(縦偏波又は横偏波)が、上記比較的多数の無線タグ回路素子Toのタグアンテナ151の偏波面方向(縦偏波又は横偏波)に合致したら、比較的長時間その方向を維持するように設定する(TV又はTHを比較的大きくする)。このようにして、受信状況に応じて無線タグ回路素子Toの数を推定し、その推定した無線タグ回路素子Toの分布数を直接用いることで、通信効率の最適化制御を確実に行うことができる。
なお、以上において、図3、図4等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図8、図9、図10等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の実施形態のリーダを無線タグが貼付されている多数の物品の管理に適用した場合の一例を表す図である。 リーダの概略を表すシステム構成図である。 リーダにおけるCPU、RF通信制御部、及びリーダアンテナの詳細構成を表す機能ブロック図である。 無線タグに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。 リーダと一つの無線タグとの間で送受される信号のタイムチャートの一例を表す図である。 リーダが記憶するスロット数テーブルの一例を概念的に表す図である。 リーダが記憶する最適通信時間テーブルの一例を概念的に表す図である。 リーダのCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。 ステップS100の偏波面対応読み取り処理の詳細手順を表すフローチャートである。 無線タグ回路素子の制御部によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
符号の説明
1 リーダ(無線タグ通信装置)
2 本体制御部
3 リーダアンテナ(アンテナ手段)
3A 横方向アンテナエレメント
3B 縦方向アンテナエレメント
4 CPU
5 不揮発性記憶装置(相関記憶手段)
6 メモリ
7 操作部
8 表示部
9 タイマ
10 RF通信制御部
20 通信可能領域(周辺領域)
150 IC回路部
151 タグアンテナ(タグアンテナ)
B 物品
T 無線タグ
To 無線タグ回路素子

Claims (10)

  1. 情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備え、前記タグアンテナの偏波面の方向が異なる複数の前記無線タグ回路素子に対し、情報読み取りを行う無線タグ通信装置であって、
    前記無線タグ通信装置の周辺領域における前記複数の無線タグ回路素子の分布状態に対応する、偏波と関連付けられた分布関連情報を取得する分布関連情報取得手段と、
    前記複数の無線タグ回路素子と無線通信を介し情報送受信を行うためのアンテナ手段と、
    無線通信時における前記アンテナ手段の偏波面方向を複数の方向に切り替え可能な偏波面切替手段と、
    前記分布関連情報取得手段で取得した前記分布関連情報に基づき、偏波面切替手段による前記複数の偏波面方向の切替時間間隔を設定する切替設定手段と
    を有することを特徴とする無線タグ通信装置。
  2. 前記周辺領域に含まれる通信領域内の前記無線タグ回路素子から情報を取得するための読み取りコマンドを生成し、前記アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子に送信する送信制御手段と、
    前記送信制御手段で生成され送信された前記読み取りコマンドに応じて前記無線タグ回路素子から送信された応答信号を、複数の識別スロットに区分して受信可能な受信制御手段と、
    前記受信制御手段での応答信号の受信状況に基づき、前記識別スロットの数を可変に設定するスロット数制御手段とを有し、
    前記分布関連情報取得手段は、
    前記分布関連情報として、無線タグ回路素子の数、若しくは、前記無線タグ回路素子の数に対応する前記識別スロット数を取得する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線タグ通信装置。
  3. 前記スロット数制御手段は、
    前記受信状況として、
    前記読み取りコマンドに応じた前記無線タグ回路素子からの前記応答信号を受信するために前記受信制御手段が用意した複数の識別スロットのうち、前記無線タグ回路素子から送信された応答信号の衝突が生じている識別スロットの数、前記無線タグ回路素子から送信された応答信号の衝突が生じず情報を取得できた識別スロットの数、前記無線タグ回路素子から送信された応答信号が存在しなかった空白の識別スロットの数のいずれかに基づき、前記識別スロットの数を調整する
    ことを特徴とする請求項2記載の無線タグ通信装置。
  4. 前記識別スロット数と対応する所要通信時間との相関を記憶する相関記憶手段を有し、
    前記切替設定手段は、
    前記分布関連情報取得手段で取得された前記分布関連情報に対応した前記識別スロットの数に基づき、前記相関記憶手段に記憶された前記相関を参照して、前記切替時間間隔を設定する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の無線タグ通信装置。
  5. 前記スロット数制御手段は、
    前記受信制御手段での応答信号の受信状況に基づき、前記識別スロットの数を増減し、
    前記分布関連情報取得手段は、
    前記分布関連情報として、前記スロット数制御手段で増減された前記識別スロットの数を取得し、
    前記切替設定手段は、
    前記分布関連情報取得手段で取得された前記識別スロットの数に対し、前記相関記憶手段に記憶された前記相関を参照して、前記切替時間間隔を設定する
    ことを特徴とする請求項4記載の無線タグ通信装置。
  6. 前記受信制御手段での応答信号の受信状況に基づき、前記通信領域における通信対象となる前記無線タグ回路素子の分布数を推定するタグ数推定手段を有し、
    前記分布関連情報取得手段は、
    前記分布関連情報として、前記タグ数推定手段で推定された前記無線タグ回路素子の分布数を取得し、
    前記切替設定手段は、
    前記分布関連情報取得手段で取得された前記無線タグ回路素子の分布数に対応した前記識別スロットの数に対し、前記相関記憶手段に記憶された前記相関を参照して、前記切替時間間隔を設定する
    ことを特徴とする請求項4記載の無線タグ通信装置。
  7. 前記切替設定手段は、
    前記分布関連情報取得手段で取得した既知の前記分布関連情報に基づき、前記切替時間間隔の初期値を設定する初期値設定手段を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の無線タグ通信装置。
  8. 情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備え、前記タグアンテナの偏波面の方向が異なる複数の前記無線タグ回路素子より、通信アンテナから送信した読み取りコマンドに応じて送信された応答信号を受信し情報読み取りを行う無線タグ通信方法であって、
    周辺領域における前記複数の無線タグ回路素子の分布状態に対応する分布関連情報を取得する第1手順と、
    前記取得した前記分布関連情報に基づき、前記通信アンテナの偏波面を複数の偏波面方向に切り替える切替時間間隔を可変に設定する第2手順と
    を有することを特徴とする無線タグ通信方法。
  9. 前記第1手順は、
    前記分布関連情報として、前回通信時における前記応答信号の受信状況に基づき増減された、応答信号を区分して受信するための識別スロットの数を取得する手順であり、
    前記第2手順は、
    前記第1手順で取得された前記識別スロットの数に基づき、前記切替時間間隔を設定する手順である
    ことを特徴とする請求項8記載の無線タグ通信方法。
  10. 前回通信時における前記応答信号の受信状況に基づき、前記周辺領域に含まれる通信領域における通信対象となる前記無線タグ回路素子の分布数を推定する第3手順を有し、
    前記第1手順は、
    前記分布関連情報として、前記第3手順で推定された前記無線タグ回路素子の分布数を取得する手順であり、
    前記第2手順は、
    前記第1手順で取得された前記無線タグ回路素子の分布数に対応した前記識別スロットの数に基づき、前記切替時間間隔を設定する手順である
    ことを特徴とする請求項8記載の無線タグ通信方法。
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