JP4568525B2 - ユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法 - Google Patents

ユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法 Download PDF

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Description

本発明はユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法に関する。
柱省略した広い連続空間を形成可能にするユニット建物として、特許文献1に記載の如
く、相隣る建物ユニットのそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに
突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側の建物ユニットの天井梁の側から、他方側の建物
ユニットの天井梁の側に渡る補強梁を設け、補強梁の一端部を一方側の建物ユニットの柱
まわりに接合し、補強梁の他端部を他方側の建物ユニットの柱まわりに接合してなるもの
がある。
特許3260266
特許文献1の従来技術には以下の問題点がある。
(1)両建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で柱省略コーナー部に交差配置され
ている天井梁に補強梁を添設するに際し、補強梁が一方側の建物ユニットの側から他方側
の建物ユニットに渡る長尺梁となり、材料の管理、施工上の困難が大きい。
(2)補強梁を天井梁の外側に添設するものであり、両建物ユニットの周辺に補強梁の設
置スペースを余分に必要とする。両建物ユニットの側傍に他の建物ユニットを設置する場
合には、他の建物ユニットとの間に補強梁を配置するに足る大きな間隙を設ける必要があ
る。
本発明の課題は、柱省略した広い連続空間を形成するユニット建物において、柱省略に
起因する強度低下を簡易に補強することにある。
請求項1の発明は、柱と床梁と天井梁を接合した建物ユニットを隣接設置して構築され相隣る複数の建物ユニットのそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、相隣る建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁を継ぎ天井梁とし、相隣る建物ユニットの柱省略接合部にて相対する継ぎ天井梁同士を接合してなるユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法であって、ボルトの先端を除く外周にガイドカラーを螺着し、ボルトの先端を相対する継ぎ天井梁のボルト挿通孔に通し、ボルト挿通孔から突出するボルトの先端にナットを締め込み、ボルト及びガイドカラーを相対する継ぎ天井梁のボルト挿通孔に引き込んでそれらボルト挿通孔を互いに位置合せする工程と、ガイドカラーからボルトをゆるめ、ボルトの頭部と継ぎ天井梁の間に、ガイドカラーのための回り止め部を備えるアタッチメントを介装し、アタッチメントに対してボルトを締め込んでガイドカラーを継ぎ天井梁のボルト挿通孔から引き出す工程と、相対する継ぎ天井梁の位置合せ済のボルト挿通孔にボルトを挿通し、ボルト挿通孔から突出するボルトの先端にナットを本締めする工程とを有してなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記相対する継ぎ天井梁の間にスペーサを挟み、相対する継ぎ天井梁とスペーサのそれぞれに設けたボルト挿通孔を互いに位置合せするようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記建物ユニットを構成する継ぎ天井梁の断面強度を、当該建物ユニットの他の天井梁の断面強度より高くするようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記継ぎ天井梁の柱省略コーナー部の側の端部にエンドプレートを溶接し、相対する継ぎ天井梁のエンドプレートとの間にスペーサを挟み、それらの継ぎ天井梁のエンドプレート同士を高力ボルトで接合するようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記柱省略接合部の一方側の継ぎ天井梁の側から、他方側の継ぎ天井梁の側に延在し、それらの継ぎ天井梁に添設される継ぎ材を設け、継ぎ材の一端側を一方側の継ぎ天井梁に接合し、継ぎ材の他端側を他方側の継ぎ天井梁に接合するようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記両建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの柱省略コーナー部で、前記継ぎ天井梁に交差する天井梁を切除し、下階建物ユニットの上に搭載した上階建物ユニットの床梁のうち、上記下階建物ユニットの天井梁の切除部に対応するものを設けず、下階建物ユニットから上階建物ユニットに渡る吹抜け空間を形成したものである。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかの発明において更に、前記両建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの柱省略コーナー部で、前記継ぎ天井梁に交差する天井梁の一部を切除し、下階建物ユニットの上に搭載した上階建物ユニットの床梁のうち、上記下階建物ユニットの天井梁の切除部に対応するものの該切除部に対応する一部を設けず、階建物ユニットから上階建物ユニットに渡る階段空間を形成したものである。
(請求項1)
(a)ガイドカラー及びアタッチメントを用いることにより、相対する継ぎ天井梁のボルト挿通孔の位置ずれを矯正し、それらボルト挿通孔を容易に位置合せし、ボルトのそれらボルト挿通孔への挿入を容易化し、それら継ぎ天井梁を簡易に接合できる。
(b)相隣る建物ユニットのそれぞれにおいて柱省略コーナー部に交差する継ぎ天井梁同士を接合することにて、それらの継ぎ天井梁を両建物ユニットに渡って連続する長尺梁の如くに一本化した。従って、建物ユニットとは別個の長尺梁を用いることなく、柱省略したユニット建物を補強でき、材料の管理性、施工性が良い。
(c)建物ユニットを構成している天井梁の一部である継ぎ天井梁そのものにより、ユニット建物を補強でき、建物ユニットの周辺に別個の補強部材を添設する必要がない。建物ユニットの側傍に他の建物ユニットを設置する場合にも、他の建物ユニットの間に補強部材のための設置間隙の如くを設ける必要がない。
(d)相対する継ぎ天井梁の間にスペーサを挟む場合にも、それら継ぎ天井梁とスペーサのそれぞれに設けたボルト挿通孔を容易に位置合せできる。
(請求項
(e)ユニット建物の柱省略接合部に交差して該ユニット建物を補強する継ぎ天井梁は、柱省略による強度低下を補うに足る程度に断面強度を高くし、他の天井梁の断面強度は標準レベルに設定することにより、建物ユニットの全ての天井梁の断面強度をそれぞれに必要十分なものとし、構造強度の経済を図ることができる。
(請求項
(f)相隣る建物ユニットの継ぎ天井梁のエンドプレート同士を、スペーサを介して、高力ボルトで剛接合することにより、継ぎ天井梁同士を簡易に接合できるし、ユニット建物の寸法精度を向上できる。
(請求項
(g)相隣る建物ユニットの継ぎ天井梁同士を、継ぎ材を介して、高力ボルトで剛接合することにより、継ぎ天井梁同士を簡易に接合できるし、ユニット建物の寸法精度を向上できる。
(請求項
(h)下階建物ユニットの柱省略コーナー部で、継ぎ天井梁に交差する天井梁を切除し、下階建物ユニットの上に搭載した上階建物ユニットの床梁のうち、下階建物ユニットの天井梁の切除部に対応するものを設けないようにした。従って、継ぎ天井梁によりユニット建物の構造強度を確保しながら、下階建物ユニットから上階建物ユニットに渡る吹抜け空間を形成できる。
(請求項
(i)下階建物ユニットの柱省略コーナー部で、継ぎ天井梁に交差する天井梁の一部を切除し、下階建物ユニットの上に搭載した上階建物ユニットの床梁のうち、下階建物ユニットの天井梁の切除部に対応するものの該切除部に対応する一部を設けないようにした。従って、継ぎ天井梁によりユニット建物の構造強度を確保しながら、下階建物ユニットから上階建物ユニットに渡る階段空間を形成できる。
図1はユニット建物を示す斜視図、図2はユニット建物を示す模式斜視図、図3は建物
ユニットを示す斜視図、図4は構法Iが適用された建物ユニットを示す模式正面図、図5
は構法Iの具体的構造を示す断面図、図6は構法IIが適用されたユニット建物を示す模式
正面図、図7は構法IIの具体的構造を示し、(A)は正面図、(B)は断面図、図8は構
法IIの梁の剛性強化原理を示し、(A)は梁の変形状態を示す模式図、(B)は梁単位モ
デルを示す模式図、(C)はラーメン構造体モデルを示す模式図、図9は構法IIのユニッ
トフレームの剛性強化原理を示し、(A)は梁の変形状態を示す模式図、(B)はラーメ
ン構造体モデルを示す模式図、図10は相隣る建物ユニットの構法IIIによる接合構造を
示す模式図、図11は図10の要部を示す断面図、図12は建物ユニットの接合例を示す
模式図、図13は構法IIIの変形例を示し、(A)は下階建物ユニットの接合部を示す平
面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、図14は孔あきスペーサを示す斜視図、
図15は構法IIIの変形例を示し、(A)は下階建物ユニットの接合部を示す平面図、(
B)は(A)のB−B線に沿う断面図、図16は構法IIIの変形例を示し、(A)は下階
建物ユニットの接合部を示す平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、図17は
構法IVが適用された建物ユニットを示し、(A)は最下階建物ユニットを示す正面図、(
B)は上階建物ユニットを示す正面図、図18は構法IVのフレームの剛性強化原理を示す
模式図、図19は構法IVのフレームの剛性強化例を示す模式図、図20は構法IVの斜材取
付例を示す正面図、図21は斜材の下端取付部を示し、(A)は正面図、(B)は断面図
、図22は斜材の上端部が取付けられる天井梁中間部を示す断面図、図23は構法Vに係
る実施例1のユニット建物を示し、(A)は継ぎ天井梁による補強前の模式平面図、(B
)は継ぎ天井梁による補強後の模式平面図、(C)は(B)の模式側面図、図24は両建
物ユニットの接合状態を示す平面図、図25は接合前の両建物ユニットを示す正面図、図
26は両建物ユニットの接合部を示し、(A)は梁のリップ部を省略した状態の正面図、
(B)は側面図、図27は構法Vに係る実施例2のユニット建物を示し、(A)は継ぎ天
井梁による補強前の模式平面図、(B)は継ぎ天井梁による補強後の模式平面図、図28
は構法Vに係る実施例3のユニット建物を示し、(A)は継ぎ天井梁による補強前の模式
平面図、(B)は継ぎ天井梁による補強後の模式平面図、図29は構法Vに係る実施例4
の建物ユニットの接合状態を示す正面図、図30は図29の側面図、図31は構法Vで用
いるガイドカラーを示す斜視図、図32は構法Vで用いるアタッチメントを示す斜視図、
図33は構法Vにおけるガイドカラー引き込み手順を示す模式図、図34は構法Vにおけ
るガイドカラー引き出し手順を示す模式図である。
図1、図2のユニット建物1は、基礎10に最下階建物ユニット20を支持し、最下階
建物ユニット20の上に順に上階建物ユニット30、40を搭載して構築されたものであ
る。
即ち、ユニット建物1は、複数の建物ユニット20、30、40を水平方向と鉛直方向
に隣接設置して構築されるものである。建物ユニット20(建物ユニット30、40も同
じ)は、図3に示す如く、角鋼管製管柱21と、形鋼製床梁22と、形鋼製天井梁23を
箱形に接合した骨組構造体である。建物ユニット20は、管柱21の下端部にジョイント
ピース22Jを介して床梁22を溶接し、管柱21の上端部にジョイントピース23Jを
介して天井梁23を溶接して構成される。建物ユニット20は、床梁22を省略できる。
ユニット建物1は、複数の建物ユニット20を鉛直方向に積層して3階建等の中高層階
ユニット建物を構成することができる。また、ユニット建物1は、建物ユニット20の少
なくとも1個のコーナー部を柱省略コーナー部としてなる柱省略建物ユニットの複数個を
隣接して接合し、各柱省略建物ユニットの柱省略コーナー部を互いに突き合せて柱省略接
合部を形成してなる柱省略ユニット建物を構成することもできる。
基礎10は、図4、図5に示す如く、コンクリート製ベタ基礎11にアンカーボルト1
2を用いて鋼製基礎構造体13を固定し、この基礎構造体13の上部に最下階建物ユニッ
ト20を支持する。
最下階建物ユニット20は、床梁22を省略したものであり、4本の角鋼管製柱21の
上端部間に形鋼製天井梁23を架け渡し、天井梁23の端部を柱21の上端部に剛接合し
て構成したラーメン構造体である。柱21の上端部にジョイント金物23J(図7)を溶
接し、ジョイント金物23Jに天井梁23の端部が溶接される。尚、最下階建物ユニット
20は、柱21の下端部間に架け渡される形鋼製床梁22を更に有し、床梁23の端部を
柱21の下端部に剛接合するものでも良い。
上階建物ユニット30(40も同じ)は、4本の角鋼管製柱31(41)の上端部間に
形鋼製天井梁33(43)を架け渡し、天井梁33の端部を柱31の上端部に剛接合する
とともに、柱31の下端部間に形鋼製床梁32(42)を架け渡し、床梁32の端部を柱
31の下端部に剛接合して構成したラーメン構造体である。柱31の上端部と下端部にジ
ョイント金物33J(不図示)、32J(図7)を溶接し、ジョイント金物33J、32
Jのそれぞれに天井梁33、床梁32の端部が溶接される。
ユニット建物1にあっては、最下階建物ユニット20と上階建物ユニット30の間で、
最下階建物ユニット20の天井梁23と上階建物ユニット30の床梁32が上下に重ね配
置され、上階建物ユニット30と上階建物ユニット40の間で、上階建物ユニット30の
天井梁33と上階建物ユニット40の床梁42が上下に重ね配置される。
しかるに、ユニット建物1は、構法I、II、III、IV、Vのそれぞれが適用されて剛性強
化される。
構法Iは基礎−柱剛接合構造、
構法IIは上下梁接合構造、
構法IIIは隣接柱接合構造、
構法IVは斜材補強構造、
構法Vは柱省略補強構造である。
(構法I:基礎−柱剛接合構造)(図4、図5)
構法Iは、基礎10と最下階建物ユニット20の間にて適用され(図1、図2)、最下
階建物ユニット20の柱21の柱脚21Fが基礎10に略ずれないように接合される(図
4)。
基礎10は、図5に示す如く、基礎構造体13の上端部に取付金物14を溶接にて固定
してあり、最下階建物ユニット20の柱脚21Fに溶接にて固定した取付金具24が高力
ボルト15によってその取付金物14に略ずれないように接合される。
構法Iによれば、ユニット建物1において、最下階建物ユニット20の柱脚21Fを基
礎10に略ずれないように接合したことにより、基礎10に対する柱脚21Fの回転が抑
えられ、建物ユニット20の水平剛性を向上できる。建物ユニット20の水平剛性を上げ
るために、柱21の断面を強化する必要がないし、中柱や水平ブレースを付加する必要も
なく、建物ユニット20のプランの自由度を増し、コスト低減できる。
(構法II:上下梁接合構造)(図6〜図9)
構法IIは、最下階建物ユニット20の天井梁23と上階建物ユニット30の床梁32の
間、及び/又は上階建物ユニット30の天井梁33と上階建物ユニット40の床梁42の
間で適用される(図1、図2)。以下、最下階建物ユニット20の天井梁23と上階建物
ユニット30の床梁32の間への適用について説明する。
最下階建物ユニット20の天井梁23と上階建物ユニット30の床梁32の鉛直荷重(
床荷重)に対する梁の剛性強化のために、天井梁23と床梁32の両端部同士を剛接合部
R1、R2にて略ずれないように接合する(図6)。
また、最下階建物ユニット20と上階建物ユニット30の水平荷重に対するフレームの剛性強化のために、上述の剛接合部R1、R2に加え、天上梁23と床梁32の長手方向の中間部(中央部)同士を剛接合部R3にて略ずれないように接合する(図6)。
剛接合部R1〜R3は、図6に模式的に示した如く、4本の線材にて構成しても良いが、
図7に示すプレート50を用いることができる。プレート50は、天井梁23のウエブw
と床梁32のウエブwに添設され、2本の高力ボルト51、51で天井梁23のウエブw
に、2本の高力ボルト52、52で床梁32のウエブwに締結される。図7のプレート5
0は左右に相隣る最下階建物ユニット20、20の天井梁23、22、及び上階建物ユニ
ット30、30の床梁32、33により両側から挟まれるものを示したが、プレート50
は各1個の建物ユニット20、30の天井梁23、床梁32に片側だけを添設するもので
も良い。プレート50は溶接接合されるものでも良い。
尚、プレート50は、天井梁23のフランジfと床梁32のフランジfに添設し、高力
ボルト又は溶接接合でそれらのフランジf、fに締結され、天井梁23と床梁32を略ず
れないように接合するものでも良い。
構法IIによれば、ユニット建物1において、上階建物ユニット30の床梁32と下階建
物ユニット20の天井梁23である、上下に重ねた2本の梁23、32の両端部同士を剛
接合部R1、R2によって略ずれないように接合したことにより、2本の梁23、32が鉛
直荷重の作用下で湾曲変形するとき、2本の梁23、32の両端部の位相差が抑えられる
(図8(A))。これにより、2本の梁23、32は、各梁23、32の断面性能I1、
I2の和(I1+I2)よりも大きな断面性能α(I1+I2)を発現して剛性を強化され、
鉛直荷重に対する耐力を向上できる。尚、構法IIによるこの梁剛性強化メリットのために
は、剛接合部R3を具備することを必要としない。
2本の梁23、32だけからなる梁単体モデル(図8(B))では、本発明が適用され
ない通常モデルに対し、約2.6倍の耐力を示す。2本の梁23、32の両端部に柱21、
31が剛接合されたラーメン構造体モデル(図8(C))では、通常モデルに対し、1.3
〜1.4倍の耐力を示す。尚、図8(B)、(C)において、天井梁23、床梁32の中央
部の間に設けられているSは、天井梁23と床梁32の隙間を埋めるスペーサであり、床
梁32に作用した床荷重を天井梁23に伝達可能にするものである。
また、構法IIでは、ユニット建物1において、上階建物ユニット30の床梁32と下階
建物ユニット20の天井梁23である、2つのラーメン構造体の上下に重ね配置された2
本の梁23、32の両端部同士を剛接合部R1、R2によって略ずれないように接合し、か
つ中間部同士を剛接合部R3によって略ずれないように接合したことにより、一方の建物
ユニット30の柱31に作用する水平荷重Pによって2本の梁23、32がS字変形する
とき、2本の梁23、32の両端部と中間部の位相差が抑えられる(図9(A))。これ
により、建物ユニット20、30のフレーム強度が拡大し、水平荷重に対する耐力を向上
できる。
本発明が適用される建物ユニット20、30のフレーム剛性は、本発明が適用されない通常モデルに対し、約1.3倍になる(図9(B))。
構法IIにおいて、上階建物ユニット30の床梁32と下階建物ユニット20の天井梁2
3を略ずれないように接合する構造は、それらの床梁32のウエブwと天井梁23のウエ
ブwに添うプレート50、又はそれらの床梁32のフランジfと天井梁23のフランジf
に添うプレート50を用いて簡易に実施できる。プレート50をウエブwに添設するもの
の方が、建物ユニット20、30のフレーム強度を向上できる。
(構法III:隣接柱接合構造)(図10〜図16)
構法IIIは、最下階建物ユニット20、20の相並ぶ柱21、21同士の間、上階建物
ユニット30、30の相並ぶ柱31、31の間、上階建物ユニット40、40の相並ぶ柱
41、41の間で適用される(図1、図2)。
しかるに、中高層階ユニット建物や柱省略ユニット建物等を構成するユニット建物1において、ユニット建物1の水平剛性を上げるため、ユニット建物1内の一部で図10に示す如くに相隣る建物ユニット20、20の隙間を隔てて相並ぶ管柱21、21同士を以下の如くにボルト接合する。
相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21、21同士は、図11に示す如く、そ
れらの上端部、下端部及び中間部の3位置のそれぞれにおいて、下記(1)〜(3)の如くにボ
ルト接合される。
(1)相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21、21の相対する側壁21A、2
1Aのそれぞれにボルト挿通孔61A、61Aを同軸的に設けるとともに、一方の管柱2
1のボルト挿通孔61Aを設けた側壁21Aの背面側の側壁21Bにボルト取付操作孔6
1Bを設け、他方の管柱21のボルト挿通孔61Aを設けた側壁21Aの背面側の側壁2
1Bにナット取付操作孔61Cを設ける。ボルト挿通孔61A、61Aは互いに同一径を
なし、ボルト取付操作孔61B、ナット取付操作孔61Cも互いに同一径をなす。
(2)相隣る建物ユニット20、20を建築現場の基礎上に据付け、相並ぶ管柱21、2
1の相対する側壁21A、21Aに設けたボルト挿通孔61A、61Aに同軸配置される
孔開きスペーサ60を、それらの側壁21A、21Aに挟まれる隙間に設ける。
(3)一方の管柱21の側壁21Bに設けたボルト取付操作孔61Bから挿入したボルト61を両管柱21、21のボルト挿通孔61A、61A、及び両管柱21、21の相対する側壁21A、21Aの間の隙間に設けた孔あきスペーサ60のボルト挿通孔60Aに挿通する。他方の管柱21の側壁21Bに設けたナット取付操作孔61Cから挿入したナット62を上記ボルト61に螺着する。ボルト61は、高力ボルト、トルシア形の高力ボルトし、トルシア工具をナット取付操作孔61Cから挿入してナット62をボルト61に締結操作する。
尚、ボルト61として、高力六角ボルトを用いることができるし、他のボルトを用いる
こともできる。
(a)相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21、21同士をボルト接合すること
により合成し、両建物ユニット20、20からなるユニット建物1の水平剛性を合理的に上げることができる。従って、3階建等の中高層階ユニット建物1を強化し、又は柱省略ユニット建物1を強化できる。
(b)建物ユニット20の工場生産段階では、相隣る一方の建物ユニット20の管柱21
にボルト挿通孔61Aとボルト取付操作孔61Bを設け、他方の建物ユニット20の管柱
21にボルト挿通孔61Aとナット取付操作孔61Cを設けるだけであり、生産性が良く
、建物ユニット20の輸送保管段階での取扱性も良い。
(c)建築現場では、一方の建物ユニット20に対し他方の建物ユニット20を近づけて
据付け、それらのスペーサ60は建物ユニット20の相並ぶ管柱21の側壁21A、21
Aの間に単に差し込むことにて組付けでき、建物ユニット20の据付性、スペーサ60の
組付性が良い。
(d)ボルト61及び/又はナット62の据付工具は、管柱21に設けたボルト取付操作
孔61B又はナット取付操作孔61Cを用いて操作され、操作性が良い。
(e)高力ボルト61を用いることにより、相隣る建物ユニット20の相並ぶ管柱21同
士を強固に合成し、ユニット建物1の水平剛性を向上できる。
(f)トルシア形の高力ボルト61を用いることにより、ボルト61とナット62の締結
操作をトルシア工具により簡易に実施できる。
(g)相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21、21同士を、それらの上端部、
下端部及び中間部の複数位置でボルト接合することにより、それら管柱21同士の合成の
強化を図り、ユニット建物1の水平剛性を一層向上できる。
図12(B)〜(D)の本発明が適用されるユニット建物1の水平剛性、換言すれば建物ユニット20の柱頭に対する許容水平荷重Pは、本発明が適用されない通常モデル(図12(A))の許容水平荷重Paに対し1.2〜1.9倍になる。図12(B)は管柱21、21同士を上端部と下端部でボルト接合した例でP=1.2Pa、図12(C)は管柱21、21同士を上端部と下端部と中間部の1箇所でボルト接合した例でP=1.7Pa、図12(D)は管柱21、21同士を上端部と下端部と中間部の3位置でボルト接合した例でP=1.9Paである。
図13は、相隣る4個の建物ユニット20のコーナー部を互いに突き合せ配置し、各建
物ユニット20の上に上階建物ユニット30を搭載したユニット建物1において、十字状
孔あきスペーサ70を用い、構法IIIを適用した例である。このとき、4個の建物ユニッ
ト20の管柱21同士が十字状の隙間を隔てて相並び、4個の上階建物ユニット30の柱
31同士も十字状の隙間を隔てて相並ぶ。また、上下に相対応する建物ユニット20と上
階建物ユニット30の間で、建物ユニット20の相隣る柱21の上端部に剛接合されてそ
れらの間に架け渡される天井梁23と、上階建物ユニット30の相隣る柱31の下端部に
剛接合されてそれらの間に架け渡される床梁32が上下に重ね配置される。
孔あきスペーサ70は、図14に示す如く、桁方向に沿って配置される桁方向板71と
、桁方向板71の桁方向に沿う中央部の下半部に直交配置される妻方向板72とからなる
孔あきスペーサ70の桁方向板71の下半部は、妻方向にて相隣る建物ユニット20、
20の相並ぶ柱21、21の相対する側壁21A、21Aに挟まれる隙間に設けられ、一
方の柱21の側壁21Aに設けたボルト取付操作孔61Bから挿入したボルト61を両管
柱21、21のボルト挿通孔61A、61A、及び両管柱21、21の側壁21A、21
Aの間の隙間に設けた桁方向板71の下半部のボルト挿通孔71Aに挿通し、他方の管柱
21の側壁21Bに設けたナット取付操作孔61Cから挿入したナット62を上記ボルト
61に螺着する。また、孔あきスペーサ70の妻方向板72は、桁方向にて相隣る建物ユ
ニット20、20の相並ぶ管柱21、21の相対する側壁21A、21Aに挟まれる隙間
に設けられ、一方の管柱21の側壁21Bに設けたボルト取付操作孔61Bから挿入した
ボルト61を両管柱21、21のボルト挿通孔61A、61A、及び両管柱21、21の
側壁21A、21Aの間の隙間に設けた妻方向板72のボルト挿通孔72Aに挿通し、他
方の管柱21の側壁21Bに設けたナット取付操作孔61Cから挿入したナット62を上
記ボルト61に螺着する。これにより、相隣る4個の建物ユニット20の相並ぶ管柱21
同士をボルト接合して合成し、図10〜図12の実施例におけると同様に、それら建物ユ
ニット20を含むユニット建物1の水平剛性を合理的に上げることができる。
孔あきスペーサ70の桁方向板71の上半部は、桁方向板71の下半部から上に延長さ
れ、妻方向にて相隣る上階建物ユニット30、30の相並ぶ管柱31、31の相対する側
壁31A、31Aに挟まれる隙間に設けられ、一方の管柱31の側壁31Bに設けたボル
ト取付操作孔61Bから挿入したボルト61を両管柱31、31のボルト挿通孔61A、
61A、及び両管柱31、31の側壁31A、31Aの間の隙間に設けた桁方向板71の
上半部のボルト挿通孔71Bに挿通し、他方の管柱31の側壁31Bに設けたナット取付
操作孔61Cから挿入したナット62を上記ボルト61に螺着する。これにより、相隣る
4個の上階建物ユニット30の相並ぶ管柱31同士をボルト接合して合成し、図10〜図
12の実施例における同様に、それら上階建物ユニット30を含むユニット建物1の水平
剛性を合理的に上げることができる。
更に、ユニット建物1において、上下に重ね配置される建物ユニット20の天井梁23
と上階建物ユニット30の床梁32の一端部同士が、それらの管柱21、31、及び孔あ
きスペーサ70の桁方向板71を介して上述の如くに接合されるから、天井梁23と床梁
32の他端部同士の前述の構法IIの如くに略ずれないように接合することができる。2本
の梁23、32が鉛直荷重の作用下で湾曲変形するとき、2本の梁23、32の両端部の
位相差が抑えられる。これにより、2本の梁23、32は、各梁23、32の断面性能の
和よりも大きな断面性能を発現して剛性を強化され、鉛直荷重に対する耐力を向上できる
。また、一方の建物ユニット30の柱31に作用する水平荷重によって2本の梁23、3
2がS字変形するとき、2本の梁23、32の両端部と中間部の位相差が抑えられる。こ
れにより、建物ユニット20、30のフレーム強度が拡大し、水平荷重に対する耐力を向
上できる。ユニット建物1において、構法IIと構法IIIがともに適用され、ユニット建物
1の水平剛性と上下剛性を併せ強化できる。
尚、図13において、4個の建物ユニット20のうち、桁方向片側の2個の建物ユニッ
ト20の上部にだけ上階建物ユニット30を搭載し、他の2個の建物ユニット20の上部
は上階建物ユニット30が搭載されない下屋とするユニット建物1にあっては、孔あきス
ペーサ70の桁方向板71を図13(B)に2点鎖線で示す如くに上半部の桁方向片側部
分を切除する。
図15は、図13の変形例であり、相隣る2個の建物ユニット20のコーナー部を互い
に突き合せ配置し、各建物ユニット20の上に上階建物ユニット30を搭載したユニット
建物1において、平板状孔あきスペーサ80を用い、構法IIIを適用した例である。
相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21、21の相対する側壁21A、21A
に挟まれる隙間に孔あきスペーサ80の下半部を設け、図13の実施例と同様に、それら
相並ぶ管柱21、21同士をボルト61によりボルト接合し、構法IIIを構築する。
また、相隣る上階建物ユニット30、30の相並ぶ管柱31、31の相対する側壁31
A、31Aに挟まれる隙間に孔あきスペーサ80の上半部を設け、図13の実施例と同様
に、それら相並ぶ管柱31、31同士をボルト61によりボルト接合し、構法IIIを構築
する。
更に、相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21、21の相対するジョイントピ
ース23J、23Jに挟まれる隙間に孔あきスペーサ80の下半部の突出部81を設け、
それら相対するジョイントピース23J、23J同士をボルト61によりボルト接合する
。これにより、ユニット建物1において、上下に重ね配置される建物ユニット20の天井
梁23と上階建物ユニット30の床梁32の一端部同士が、それらの柱21、31、及び
孔開きスペーサ80を介して接合されるから、天井梁23と床梁32の他端部同士も略ず
れないように接合することにより、構法IIも構築できる。
図16は、図13の変形例であり、相隣る3個の建物ユニット20のコーナー部を互い
に突き合せ配置し、各建物ユニット20の上に上階建物ユニット30を搭載したユニット
建物1において、L字状孔あきスペーサ90を用い、構法IIIを適用した例である。
孔あきスペーサ90は、桁方向に沿って配置される桁方向板91と、桁方向板91の一
方の縦縁に直交配置される妻方向板92とからなる。
妻方向と桁方向のそれぞれにおいて、相隣る建物ユニット20、20の相並ぶ管柱21
、21の相対する側壁21A、21Aに挟まれる隙間に孔あきスペーサ90の桁方向板9
1、妻方向板92の下半部を設け、図13の実施例と同様に、それら相並ぶ管柱21、2
1同士をボルト61によりボルト接合し、構法IIIを構築する。
また、妻方向と桁方向のそれぞれにおいて、相隣る上階建物ユニット30、30の相並
ぶ管柱31、31の相対する側壁31A、31Aに挟まれる隙間に孔あきスペーサ90の
桁方向板91、妻方向板92の上半部を設け、図13の実施例と同様に、それら相並ぶ管
柱31、31同士をボルト61によりボルト接合し、構法IIIを構築する。
ユニット建物1にあっては、上下に重ね配置される建物ユニット20の天井梁23と上
階建物ユニット30の床梁32の一端部同士が、それらの管柱21、31、及び孔あきス
ペーサ90の桁方向板91又は妻方向板92を介して接合されるから、天井梁23と床梁
32の他端部同士も略ずれないように接合することにより、構法IIも構築できる。
尚、図16において、3個の建物ユニット20のうち、妻方向片側の建物ユニット20
の上部にだけ上階建物ユニット30を搭載し、他の建物ユニット20の上部は上階建物ユ
ニット30が搭載されない下屋とするユニット建物1にあっては、孔あきスペーサ90の
妻方向板92の上半部を図16(B)に2点鎖線で示す如くに切除する。
(構法IV:斜材補強構造)(図17〜図19)
構法IVは、最下階建物ユニット20の柱21の柱脚21Fと天井梁23の中間部の間、
上階建物ユニット30(40も同じ)の柱31の柱脚31Fと天井梁33の中間部の間、
又は上階建物ユニット30(40も同じ)の柱31の柱頭31Hと床梁32の中間部の間
で適用される(図1、図2)。
図17(A)は、最下階建物ユニット20の柱21の柱脚21Fと天井梁23の中間部
の間に、斜材101を設けたものである。斜材101は、柱21の柱脚21Fと天井梁2
3の中間部のそれぞれにピン接合される(剛接合でも可)。
図17(B)は、上階建物ユニット30の柱31の柱脚31Fと天井梁33の中間部の
間に、斜材102を設けたものである。斜材102は、柱31の柱脚31Fと天井梁33
の中間部のそれぞれにピン接合される(剛接合でも可)。尚、上階建物ユニット30は床
梁32を有しているから、柱31の柱頭31Hと床梁32の中間部の間に上述の斜材10
2を設けるものでも良い。
構法IVによれば、ユニット建物1において、最下階建物ユニット20の柱脚21Fと天
井梁23の中間部の間に斜材101を設けたことにより、ラーメン構造体のフレームの1
隅である柱21と天井梁23の一部が斜材101とともに形成する直角三角形を不変形体
(不変形トラス)とする。これにより、建物ユニット20における天井梁23の見かけ長
さL2(天井梁23の全長Lから不変形トラス部分L1を除いた変形部分長さL2)を短く
してそのフレーム剛性を強化し、水平荷重Pに対する耐力を向上できる(図18)。
また、上階建物ユニット30(40も同じ)の柱脚31Fと天井梁33の中間部の間(
又は柱頭31Hと床梁32の中間部の間)に斜材102を設けたことにより、ラーメン構
造体のフレームの1隅である柱31と天井梁33の一部が斜材102とともに形成する直
角三角形を不変形体(不変形トラス)とする。これにより、建物ユニット30における天
井梁33の見かけ長さL2(天井梁33の全長Lから不変形トラス部分L1を除いた変形部
分長さL2)を短くしてそのフレーム剛性を強化し、水平荷重Pに対する耐力を向上でき
る。
ラーメン構造体の柱21と梁23のフレーム、柱31と梁32、33のフレームを生か
しながら、斜材101、102を付加するだけの簡易な構成により、上述の不変形体(不
変形トラス)を形成でき、簡易に上述のフレーム剛性の強化を実現できる。
斜材101、102を柱21、31と梁23、33(32)のそれぞれにピン接合する
ことにより、ラーメン構造体のフレームの1隅に前述の不変形体(不変形トラス)を簡易
に形成でき、斜材101、102の取付仕口を簡素化できる。
斜材101、102のみによるフレーム剛性補強であるから、建物ユニット20、30
等のラーメン構造体における開口の形成などに、あまり邪魔にならず、比較的大きな開口
の形成ができる。
本発明が適用される建物ユニット20、30(40も同じ)のフレーム剛性は、本発明が適用されない通常モデルに対し、1.3〜2.0倍になる。建物ユニット20及び建物ユニット30(40も同じ)において、斜材101、102を建物ユニット20の天井梁23、建物ユニット30の天井梁33に接合する位置、換言すれば不変形トラス部分L1の長さを450mm、900mmに設定したとき、建物ユニット20、30の許容水平荷重Paは、図19に示す如く、斜材101、102を用いない通常モデルの許容水平荷重Pa(1300kg、900kg)に対して、建物ユニット20では1550kg、1700kgに拡大し、建物ユニット30では1200kg、1400kgに拡大する。
尚、図19に示す如く、最下階建物ユニット20において、左右の柱21の柱脚21F
と天井梁23の左右の中間部のそれぞれとの間に左右の斜め材101、101を設けても
良い。また、上階建物ユニット30(40も同じ)においても、左右の柱31の柱脚31
F(又は柱頭31H)と天井梁33(又は床梁32)の左右の中間部のそれぞれとの間に
左右の斜材102、102を設けても良い。これによれば、左右の斜め材101、101
、102、102を最下階建物ユニット20の天井梁23、上階建物ユニット30の天井
梁33に接合して形成される不変形トラス部分L1の長さが、例えば450mmの如くに短くて
も、建物ユニット20、30の許容水平荷重Paを2050kg、1800kgの如くに大きく拡大で
きる。
図20〜図22は、構法IVにおける斜材101(102も同じ)の具体的取付例である
。建物ユニット20(30、40も同じ)は、床梁22を備えた例であり、床梁22と天
井梁23の間に、斜材101を含む補強フレーム25を嵌め込んでいる。
補強フレーム25は、柱21に添設される補強柱26と、間柱27を有し、補強柱26
の下端部から水平に延ばした取付板26Aに斜材101の下端部を溶接等により接合する
とともに、間柱27の上端側の側面に斜材101の上端部を溶接等により接合し、斜材1
01の下端側中間部と間柱27の下端側中間部につなぎ梁28を架け渡し、斜材101の
上端側中間部と補強柱26の上端側中間部につなぎ梁29を架け渡して構成される。
補強フレーム25は、補強柱26及び斜材101の下端部を構成する取付板26Aを、
柱21の柱脚21Fに接合したジョイントピース22Jにボルト接合し、補強柱26の上
端部から水平に延ばした取付板26Bを柱21の柱頭21Hに接合したジョイントピース
23Jにボルト接合する。このとき、ジョイントピース22Jに抱着される床梁22の上
フランジとウエブの内面にはL字断面の床梁補強金物103が溶接され、斜材101の取
付板26Aはジョイントピース22Jに着座し、床梁補強金物103、床梁22、ジョイ
ントピース22J、取付板26Aに挿通されるボルト104、ナット104Aにより接合
される。
補強フレーム25は、間柱27の下端部を床梁22の上フランジにボルト接合し、間柱
27の上端部を天井梁23の下フランジにボルト接合する。このとき、間柱27の上端部
がボルト接合される天井梁23の上下のフランジ間にはC字断面の天井梁補強金物105
が溶接される。
尚、「略ずれないように接合」は、「接合部が矩形を維持するように接合する」、「上下の梁の重なり部分がずれないように接合する」等を意味し、剛接合を含むが、剛接合より弱い接合も含む。また、梁の端部同士の接合は、端部の近傍における接合も含む。
(構法V:柱省略補強構造)(図23〜図34)
構法Vは、建物ユニット20(30、40も同じ)の柱省略コーナー部で適用される(
図1、図2)。
図23のユニット建物1Aは、図1、図2のユニット建物1の一部であり、複数の建物ユニット20を左右上下に隣接設置して構築されるものであるが、その一部を構成する4個の柱省略建物ユニット120により柱省略した広い連続空間を形成するものである。
建物ユニット20は、標準的には、図3に示した如く、4本の角鋼管製柱21と、4本
の形鋼製床梁22と、4本の形鋼製天井梁23とを箱形に接合した骨組構造体である。建
物ユニット20は、4個のコーナー部で、相交差する床梁22をジョイントピース22J
により柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Jにより
柱22の上端部に接合して構成される。
柱省略建物ユニット120は、図24、図25に示す如く、標準建物ユニット20の4
本の柱21のうちの1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニット120は、
床梁22については、柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部で、相交差する床梁22
をジョイントピース22Jにより柱21の下端部に接合し、柱省略コーナー部で、相交差
する床梁22をジョイントピース22Kにより互いに接合している。柱省略建物ユニット
120は、天井梁23については、柱省略コーナー部に交差配置される天井梁23のうち
、妻方向に沿う天井梁23を継ぎ天井梁121とし、他の天井梁23を標準天井梁23と
し、標準天井梁23と柱21の上端部とはジョイントピース23Jにより接合し、継ぎ天
井梁121と柱21の上端部とはジョイントピース23Kにより接合し、継ぎ天井梁12
1と天井梁23とはジョイントピース23Lにより接合している。
柱省略建物ユニット120は、継ぎ天井梁121の断面強度を他の標準天井梁23の断
面強度より高くしている。継ぎ天井梁121は、リップ付C形鋼からなり、柱省略コーナ
ー部の側の端部にエンドプレート122を溶接し、この端部に溶接されるジョイントピー
ス23Lはエンドプレート122を覆うことのないように、ジョイントピース23Lの側
部の一部をエンドプレート122の周辺に沿って切欠部123の如くに切欠いてある。柱
省略建物ユニット120にあっては、継ぎ天井梁121の長手方向において、ジョイント
ピース23Kにより接合されている柱21を基準位置とする、エンドプレート122の表
面位置の寸法精度を確保してある。
柱省略建物ユニット120は、柱省略コーナー部に仮柱124を着脱自在としている。
仮柱124は、ボルト、ピン等の着脱手段により、上述した床梁22のジョイントピース
22Kと、天井梁23、121のジョイントピース23Lに着脱自在に結合される。
ユニット建物1Aにあっては、図23(A)に示す如く、下階部分の一部にて、4個の
柱省略建物ユニット120(120A〜120D)のそれぞれに定めた柱省略コーナー部
を柱省略接合部2にて互いに突き合せ配置する。
相対応する柱省略建物ユニット120Aと柱省略建物ユニット120Bの間で、両者の
柱省略接合部2を含む同一面内でそれらの柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁23を前述の継ぎ天井梁121とする(図24、図25)。このようにして両建物ユニット120A、120Bの柱省略接合部2にて相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122は一定の隙間を介して互いに平行をなす。そこで、相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122の間に、その隙間に適応するように選択された板厚のスペーサ110をその隙間の上方又は側方から挟み込む。エンドプレート122の上下に2枚のスペーサ110を挟み込む。そして、相対する継ぎ天井梁21のエンドプレート122同士を、スペーサ110とともに、高力ボルト111で剛接合する(図26)。高力ボルト111は、相対するエンドプレート122のボルト挿通孔122Aとスペーサ110のボルト挿通孔110Aに挿通され、その挿通端にナット112を締結される。本実施例では、1枚のスペーサ110について、左右2本の高力ボルト111を用いる。このため、継ぎ天井梁121の長手方向に剛接合されるとともにこれと水平方向で直交する方向にも剛接合され、全体として略完全な剛接合となる。高力ボルト111としては、トルシア形、六角ボルト形等を採用できる。
相対応する柱省略建物ユニット120Cと柱省略建物ユニット120Dの間でも、上述
の建物ユニット120Aと建物ユニット120Bの間におけると同様に、相対する継ぎ天
井梁121のエンドプレート122同士を、スペーサ110とともに、高力ボルト111
で剛接合する。
相対応する建物ユニット120Aと建物ユニット120B、建物ユニット120Cと建
物ユニット120Dの間で、相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122同士が接
合されるとき、各建物ユニット120の柱省略コーナー部には仮柱124が設置される。
そして、相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122同士が接合された後、仮柱1
24が取外される。
(a)相隣る建物ユニット120のそれぞれにおいて柱省略コーナー部に交差する継ぎ天井梁121同士を接合することにて、それらの継ぎ天井梁121を両建物ユニット120に渡って連続する長尺梁の如くに一本化した。従って、建物ユニット120とは別個の長尺梁を用いることなく、柱省略したユニット建物1Aを補強でき、材料の管理性、施工性が良い。
(b)建物ユニット120を構成している天井梁23の一部である継ぎ天井梁121その
ものにより、ユニット建物1Aを補強でき、建物ユニット120の周辺に別個の補強部材
を添設する必要がない。建物ユニット120の側傍に他の建物ユニット20を設置する場
合にも、他の建物ユニット20の間に補強部材のための設置間隙の如くを設ける必要がな
い。
(c)ユニット建物1Aの柱省略接合部に交差して該ユニット建物1Aを補強する継ぎ天
井梁121は、柱省略による強度低下を補うに足る程度に断面強度を高くし、他の天井梁
23の断面強度は標準レベルに設定することにより、建物ユニット120の全ての天井梁
23の断面強度をそれぞれに必要十分なものとし、構造強度の経済を図ることができる。
(d)相隣る建物ユニット120の継ぎ天井梁121のエンドプレート122同士を、ス
ペーサ110を介して、高力ボルト111で剛接合することにより、継ぎ天井梁121同
士を簡易に接合できるし、ユニット建物1Aの寸法精度を向上できる。
(e)建物ユニット120の柱省略コーナー部に設けた仮柱124は、該建物ユニット1
20の工場製造段階、輸送保管段階を経た現地据付け後、継ぎ天井梁121の接続完了ま
で取外されない。従って、継ぎ天井梁121の接続時の建物ユニット120の強度を低下
せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性は良い。
図27のユニット建物1Bは、その一部を構成する2個の下階建物ユニット120がそれらの上に搭載される上階建物ユニット30とともに、大吹抜け空間を形成するものであ
る。
柱省略建物ユニット120が実施例1の柱省略建物ユニット120と異なる点は、標準建物ユニット20の4本の柱21のうちの桁方向にて相隣る2本の柱21を省略し、妻方向に沿う2本の天井梁23をともに継ぎ天井梁121とし、継ぎ天井梁121に交差する桁方向の天井梁23を仮梁125とし、仮梁125をボルト、ピン等の着脱手段により継ぎ天井梁121の自由端部に着脱自在に結合し、切除可能にしたことにある。
ユニット建物1Bにあっては、図27(A)に示す如く、下階部分の一部にて、2個の
柱省略建物ユニット120(120A、120B)のそれぞれに定めた各2個の柱省略コ
ーナー部を柱省略接合部2、3にて互いに突き合せ配置する。
柱省略建物ユニット120Aと柱省略建物ユニット120Bの間で、図27(B)に示
す如く、実施例1におけると同様に、相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122
同士を接合した後、仮柱124を取外し、仮梁125を切除する(単に取外す)。
そして、柱省略建物ユニット120の上部に、上階部分を構成する建物ユニット30を
搭載する。上階建物ユニット30は、下階建物ユニット120の上部に吹抜け空間を形成
するため、下階建物ユニット120の仮梁125に対応する部分の床梁22を当初から設
けず、又は搭載後に切除される。
ユニット建物1Bにあっては、継ぎ天井梁121により構造強度を確保しながら、下階
建物ユニット120から上階建物ユニット30に渡る大吹抜け空間を形成できる。
図28のユニット建物1Cは、その一部を構成する2個の下階建物ユニット120がそれらの上に搭載される上階建物ユニット30とともに、階段空間を形成するものである。
柱省略建物ユニット10が実施例1の柱省略建物ユニット120と異なる点は、継ぎ天井梁121に交差する桁方向の天井梁23を、該継ぎ天井梁121との交差部側の一部である仮梁126Aと、その残部の部分梁126Bとからなるものにしたことにある。仮梁126Aは継ぎ天井梁121の自由端部と部分梁126Bの端部とに、ボルト、ピン等の着脱手段により結合され、切除可能にされる。部分梁126Bの仮梁126Aに結合される端部は中柱127(不図示)に支持される。
ユニット建物1Cにあっては、図28(A)に示す如く、下階部分の一部にて、2個の
柱省略建物ユニット120(120A、120B)のそれぞれに定めた柱省略コーナー部
を柱省略接合部2にて互いに突き合せ配置する。
柱省略建物ユニット120Aと柱省略建物ユニット120Bの間で、図28(B)に示
す如く、実施例1におけると同様に、相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122
同士を接合した後、仮柱124を取外し、仮梁126Aを切除する(単に取外す)。
そして、柱省略建物ユニット120の上部に、上階部分を構成する建物ユニット30を
搭載する。上階建物ユニット30は、下階建物ユニット120の仮梁126A、部分梁1
26Bに対応する床梁22のうち、仮梁126Aに対応する一部を当初から設けず、又は
搭載後に切除される。
ユニット建物1Cにあっては、継ぎ天井梁121により構造強度を確保しながら、下階
建物ユニット120から上階建物ユニット30に渡る階段空間を形成できる。
図29、図30のユニット建物1Dは、ユニット建物1Aにおけると同様に下階の4個の柱省略建物ユニット120により柱省略した広い連続空間を形成することに加え、各柱省略建物ユニット120の上に上階柱省略建物ユニット130を搭載し、上階の4個の柱省略建物ユニット130によっても柱省略した広い連続空間を形成するようにしたものである。
従って、ユニット建物1Dでは、下階の柱省略接合部2の一方側の柱省略建物ユニット
120Aの継ぎ天井梁121と、他方側の柱省略建物ユニット120Bの継ぎ天井梁12
1とが相対するとともに、上階の柱省略接合部2の一方側の柱省略建物ユニット130A
の継ぎ床梁131と、他方側の柱省略建物ユニット130Bの継ぎ床梁131とが相対し
、更に下階の柱省略建物ユニット120A(120B)の継ぎ天井梁121と上階の柱省
略建物ユニット130A(130B)の継ぎ床梁131が重ね配置される。
そこで、上下階の柱省略接合部2の一方側の柱省略建物ユニット120A、130Aの
継ぎ天井梁121、継ぎ床梁131と、他方側の柱省略建物ユニット120B、130B
の継ぎ天井梁121、継ぎ床梁131は以下の如くに接合される。
(1)柱省略建物ユニット120Aの継ぎ天井梁121の下フランジの側から、柱省略建
物ユニット120Bの継ぎ天井梁121の下フランジの側に平板状の継ぎ材141と、V
字断面状の継ぎ材142を延在する。継ぎ材141は両継ぎ天井梁121の下フランジの
内面に添設される。継ぎ材142は両継ぎ天井梁121の下フランジとウエブ下部と下リ
ップの外面に添設される。
継ぎ材141、142の一端側で、2本の高力ボルト143を継ぎ材141、142、
継ぎ天井梁121の下フランジのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト1
43の挿通端にナット143Aを締め付ける。継ぎ材141、142の他端側でも、2本
の高力ボルト143を継ぎ材141、142、継ぎ天井梁121の下フランジのそれぞれ
に設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト143の挿通端にナット143Aを締め付け
る。これにより、継ぎ材141、142の一端側を柱省略建物ユニット120Aの継ぎ天
井梁121に剛接合し、継ぎ材141、142の他端側を柱省略建物ユニット120Bの
継ぎ天井梁121に剛接合する。
(2)柱省略建物ユニット120Aの継ぎ天井梁121の上フランジの側から、柱省略建
物ユニット120Bの継ぎ天井梁121の上フランジの側に平板状の継ぎ材151と、U
字断面状の継ぎ材152を延在する。継ぎ材151は両継ぎ天井梁121の上フランジの
内面に添設される。継ぎ材152は両継ぎ天井梁121の上フランジとウエブ上部と上リ
ップの外面に添設される。
継ぎ材151、152の一端側で、2本の高力ボルト153を継ぎ材151、152、
継ぎ天井梁121の上フランジ、柱省略建物ユニット130Aの継ぎ床梁131の下フラ
ンジ及びそのジョイントピース131J(継ぎ床梁131の柱省略端に短柱131Cを接
続するためのジョイントピース)、角座金131Aのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿
通し、高力ボルト153の挿通端にナット153Aを締め付ける。継ぎ材151、152
の他端側でも、2本の高力ボルト153を継ぎ材151、152、継ぎ天井梁121の上
フランジ、柱省略建物ユニット130Bの継ぎ床梁131の下フランジ及びそのジョイン
トピース131J(継ぎ床梁131の柱省略端に短柱131Cを接続するためのジョイン
トピース)、角座金131Aのそれぞれに設けたボルト挿通孔に挿通し、高力ボルト15
3の挿通端にナット153Aを締め付ける。これにより、継ぎ材151、152の一端側
を柱省略建物ユニット120A、130Aの継ぎ天井梁121、継ぎ床梁131に剛接合
し、継ぎ材151、152の他端側を柱省略建物ユニット120B、130Bの継ぎ天井
梁131、継ぎ床梁131に剛接合する。
尚、ユニット建物1Dにあっては、上階の柱省略接合部2の一方側の柱省略建物ユニッ
ト130Aの継ぎ天井梁132と、他方側の柱省略建物ユニット130Bの継ぎ天井梁1
32とを、上述(1)、(2)の継ぎ材141、142、151、152と同様の継ぎ材にて接
合する。
相隣る建物ユニット120A、130Aと建物ユニット120B、130Bの継ぎ天井梁121、121同士、継ぎ床梁131、131同士を、継ぎ材141、142、151、152を介して、高力ボルト143、153で剛接合することにより、継ぎ天井梁121同士、継ぎ床梁131同士を簡易に接合できるし、ユニット建物1Dの寸法精度を向上できる。
図31〜図34は、構法Vにおいて、例えばユニット建物1Aにおいて相対する継ぎ天
井梁121のエンドプレート122同士を接合するのに好適なガイドカラー200とアタ
ッチメント210を示すものである。ガイドカラー200とアタッチメント210は、相
対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122に設けたボルト挿通孔122A(スペー
サ110のボルト挿通孔110Aも同じ)同士が位置ずれしているとき、以下の如くに位
置合せして高力ボルト111を挿通可能にする。
尚、ガイドカラー200は、図31に示す如く、高力ボルト111のねじ長さより短尺
をなし、エンドプレート122のボルト挿通孔122A、スペーサ110のボルト挿通孔
110Aより小径の外径を備え、その基端側に六角ヘッド201を備え、その先端側に先
細りテーパ202を備え、高力ボルト111に螺着する貫通ねじ部を備える。アタッチメ
ント210は、図32に示す如く、高力ボルト111の頭部111Aより小径で高力ボル
ト111のねじ部は通すスリット211を備えるとともに、高力ボルト111のねじ部を
スリット211に通した状態で、高力ボルト111に螺着されているガイドカラー200
における六角ヘッド201の外面に係合してガイドカラー200を回り止めする回り止め
部212を備える。
(1)高力ボルト111の先端を除く外周にガイドカラー200を螺着する(図33(A
))。
(2)高力ボルト111の先端を相対する継ぎ天井梁121のエンドプレート122に設
けてあるボルト挿通孔122Aに通す(図33(B))。このとき、両エンドプレート1
22のボルト挿通孔122Aやスペーサ110のボルト挿通孔110Aが位置ずれしてい
ると、ガイドカラー200は1枚目のエンドプレート122のボルト挿通孔122Aに入
るのみとなる。
(3)エンドプレート122のボルト挿通孔122Aから突出する高力ボルト111の先
端にナット112を締め込み、高力ボルト111及びガイドカラー200を2枚のエンド
プレート122のボルト挿通孔122A及びスペーサ110のボルト挿通孔110Aに引
き込んで、それらボルト挿通孔122A、110Aを互いに同軸上に位置合せする(図3
3(C)〜(E))。
(4)高力ボルト111からナット112を外す(図3(F))。
(5)ガイドカラー200から高力ボルト111をゆるめ、高力ボルト111の頭部11
1Aと1枚目のエンドプレート122の表面の間にアタッチメント210を介装する。ア
タッチメント210の回り止め部212にガイドカラー200の六角ヘッド201の外面
を係合し、ガイドカラー200を回り止めする(図34(A)、(B))。
(6)アタッチメント210に対して高力ボルト111を締め込み、アタッチメント21
0を反力支点として、ガイドカラーをエンドプレート122のボルト挿通孔122A及び
スペーサ110のボルト挿通孔110Aから引き出す(図34(C)、(D))。
(7)ガイドカラー200及びアタッチメント210を高力ボルト111とともにエンド
プレート122のボルト挿通孔122Aから取外す(図34(E))。
(8)両エンドプレート122の位置合せ済のボルト挿通孔122A及びスペーサ110
のボルト挿通孔110Aに高力ボルト111(ガイドカラー200から取外した高力ボル
ト111でも可)を挿通し、その挿通端にナット112を本締めし、相対する継ぎ天井梁
121のエンドプレート122同士を接合する。
エンドプレート122(スペーサ110)の3位置以上にボルト挿通孔122A(11
0A)が穿設されている場合には、少なくとも2位置、好適には対角線上の2位置にある
ボルト挿通孔122A(110A)において、ガイドカラー200及びアタッチメント2
10を用いて上述(1)〜(7)の位置合せ作業を行なえば、全部のボルト挿通孔122A(1
10A)について位置合せされ得る。
尚、ガイドカラー200及びアタッチメント210を用いる複数個の相対応する孔につ
いての位置合せ作業は、構法Vに限らず、構法IIにおいて相対する2本の梁(プレートを
含んでも可)のそれぞれに設けるボルト挿通孔の位置合せ、構法IIIにおいて相並ぶ管柱
の相対する側壁のそれぞれに設けるボルト挿通孔の位置合せにおいても採用できる。
ガイドカラー200及びアタッチメント210を用いることにより、相対する継ぎ天井梁121のボルト挿通孔122Aの位置ずれを矯正し、それらボルト挿通孔122Aを容易に位置合せし、高力ボルト111のそれらボルト挿通孔122Aへの挿入を容易化し、それらの継ぎ天井梁121を簡易に接合できる。
また、相対する継ぎ天井梁121の間にスペーサ110を挟む場合にも、それら継ぎ天
井梁121とスペーサ110のそれぞれに設けたボルト挿通孔122A、110Aを容易
に位置合せできる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に
限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明
に含まれる。例えば、本発明の建物ユニットは、3個以上の柱省略建物ユニットの柱省略
コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ接合するものでも良い。
図1はユニット建物を示す斜視図である。 図2はユニット建物を示す模式斜視図である。 図3は建物ユニットを示す斜視図である。 図4は構法Iが適用された建物ユニットを示す模式正面図である。 図5は構法Iの具体的構造を示す断面図である。 図6は構法IIが適用されたユニット建物を示す模式正面図である。 図7は構法IIの具体的構造を示し、(A)は正面図、(B)は断面図である。 図8は構法IIの梁の剛性強化原理を示し、(A)は梁の変形状態を示す模式図、(B)は梁単位モデルを示す模式図、(C)はラーメン構造体モデルを示す模式図である。 図9は構法IIのユニットフレームの剛性強化原理を示し、(A)は梁の変形状態を示す模式図、(B)はラーメン構造体モデルを示す模式図である。 図10は相隣る建物ユニットの構法IIIによる接合構造を示す模式図である。 図11は図10の要部を示す断面図である。 図12は建物ユニットの接合例を示す模式図である。 図13は構法IIIの変形例を示し、(A)は下階建物ユニットの接合部を示す平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。 図14は孔あきスペーサを示す斜視図である。 図15は構法IIIの変形例を示し、(A)は下階建物ユニットの接合部を示す平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。 図16は構法IIIの変形例を示し、(A)は下階建物ユニットの接合部を示す平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。 図17は構法IVが適用された建物ユニットを示し、(A)は最下階建物ユニットを示す正面図、(B)は上階建物ユニットを示す正面図である。 図18は構法IVのフレームの剛性強化原理を示す模式図である。 図19は構法IVのフレームの剛性強化例を示す模式図である。 図20は構法IVの斜材取付例を示す正面図である。 図21は斜材の下端取付部を示し、(A)は正面図、(B)は断面図である。 図22は斜材の上端部が取付けられる天井梁中間部を示す断面図である。 図23は構法Vに係る実施例1のユニット建物を示し、(A)は継ぎ天井梁による補強前の模式平面図、(B)は継ぎ天井梁による補強後の模式平面図、(C)は(B)の模式側面図である。 図24は両建物ユニットの接合状態を示す平面図である。 図25は接合前の両建物ユニットを示す正面図である。 図26は両建物ユニットの接合部を示し、(A)は梁のリップ部を省略した状態の正面図、(B)は側面図である。 図27は構法Vに係る実施例2のユニット建物を示し、(A)は継ぎ天井梁による補強前の模式平面図、(B)は継ぎ天井梁による補強後の模式平面図である。 図28は構法Vに係る実施例3のユニット建物を示し、(A)は継ぎ天井梁による補強前の模式平面図、(B)は継ぎ天井梁による補強後の模式平面図である。 図29は構法Vに係る実施例4の建物ユニットの接合状態を示す正面図である。 図30は図29の側面図である。 図31は構法Vで用いるガイドカラーを示す斜視図である。 図32は構法Vで用いるアタッチメントを示す斜視図である。 図33は構法Vにおけるガイドカラー引き込み手順を示す模式図である。 図34は構法Vにおけるガイドカラー引き出し手順を示す模式図である。
符号の説明
1A〜1D ユニット建物
2、3 柱省略接合部
20 建物ユニット
21 柱
22 床梁
23 天井梁
110 スペーサ
111 高力ボルト
120 柱省略建物ユニット
121 継ぎ天井梁
122 エンドプレート
124 仮柱
125 仮梁
126A 仮梁
126B 部分梁
141、142、151、152 継ぎ材
200 ガイドカラー
210 アタッチメント

Claims (7)

  1. 柱と床梁と天井梁を接合した建物ユニットを隣接設置して構築され
    相隣る複数の建物ユニットのそれぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、
    相隣る建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略コーナー部に交差配置されている天井梁を継ぎ天井梁とし、
    相隣る建物ユニットの柱省略接合部にて相対する継ぎ天井梁同士を接合してなるユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法であって、
    ボルトの先端を除く外周にガイドカラーを螺着し、ボルトの先端を相対する継ぎ天井梁のボルト挿通孔に通し、ボルト挿通孔から突出するボルトの先端にナットを締め込み、ボルト及びガイドカラーを相対する継ぎ天井梁のボルト挿通孔に引き込んでそれらボルト挿通孔を互いに位置合せする工程と、ガイドカラーからボルトをゆるめ、ボルトの頭部と継ぎ天井梁の間に、ガイドカラーのための回り止め部を備えるアタッチメントを介装し、アタッチメントに対してボルトを締め込んでガイドカラーを継ぎ天井梁のボルト挿通孔から引き出す工程と、
    相対する継ぎ天井梁の位置合せ済のボルト挿通孔にボルトを挿通し、ボルト挿通孔から突出するボルトの先端にナットを本締めする工程とを有してなるユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法。
  2. 前記相対する継ぎ天井梁の間にスペーサを挟み、相対する継ぎ天井梁とスペーサのそれぞれに設けたボルト挿通孔を互いに位置合せする請求項1に記載のユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法。
  3. 前記建物ユニットを構成する継ぎ天井梁の断面強度を、当該建物ユニットの他の天井梁の断面強度より高くする請求項1又は2に記載のユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法
  4. 前記継ぎ天井梁の柱省略コーナー部の側の端部にエンドプレートを溶接し、相対する継ぎ天井梁のエンドプレートとの間にスペーサを挟み、それらの継ぎ天井梁のエンドプレート同士を高力ボルトで接合する請求項1〜3のいずれかに記載のユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法
  5. 前記柱省略接合部の一方側の継ぎ天井梁の側から、他方側の継ぎ天井梁の側に延在し、それらの継ぎ天井梁に添設される継ぎ材を設け、継ぎ材の一端側を一方側の継ぎ天井梁に接合し、継ぎ材の他端側を他方側の継ぎ天井梁に接合する請求項1〜3のいずれかに記載のユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法
  6. 前記両建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの柱省略コーナー部で、前記継ぎ天井梁に交差する天井梁を切除し、
    下階建物ユニットの上に搭載した上階建物ユニットの床梁のうち、上記下階建物ユニットの天井梁の切除部に対応するものを設けず、
    下階建物ユニットから上階建物ユニットに渡る吹抜け空間を形成した請求項1〜のいずれかに記載のユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法
  7. 前記両建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの柱省略コーナー部で、前記継ぎ天井梁に交差する天井梁の一部を切除し、
    下階建物ユニットの上に搭載した上階建物ユニットの床梁のうち、上記下階建物ユニットの天井梁の切除部に対応するものの該切除部に対応する一部を設けず、
    下階建物ユニットから上階建物ユニットに渡る階段空間を形成した請求項1〜のいずれかに記載のユニット建物における継ぎ天井梁の接合方法
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