JP4568408B2 - プレスブレーキのラム制御方法およびその装置 - Google Patents

プレスブレーキのラム制御方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレスブレーキのラム制御方法およびその装置に係り、サーボモータでボールネジを回転させることによりパンチを装着したラムを下降させてダイとの協働により曲げ加工を行うプレスブレーキのラム制御方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、駆動モータでボールネジを回転させることによりパンチを装着したラムを下降させてダイとの協働により曲げ加工を行うプレスブレーキにおいては、図9に示されているように、ラムを上死点から高速(例えば100mm/s)で急下降させるために加速したときや、ラムを曲げ速度(例えば20mm/s)で下降させるためにに速度切換え位置SP(例えばワークの上方8mm位置のミュートポイント)において急激に減速すると、加減速トルクが発生する(図9中の丸印部分)。
【0003】
一方、作業者は金型破損を防止すべく、曲げ加工前に操作盤上に設けられた「トルク制限ツマミ」により最大加圧力をパンチおよびダイが耐えうる金型耐圧以下の所定圧にセットして、曲げ加工中にトルク検出器により検出したトルクがトルク制限ツマミにより設定されたトルク値以上となったときには、ラムを非常停止させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の技術にあっては、前述の加減速トルク値が設定圧を超えるとラムが急停止するが、このときのラムの停止が通常の曲げ加工における金型干渉等による過負荷発生による非常停止なのか、あるいは急激な加減速によるものなのか判断できないという問題がある。このため、不必要なときにラムが停止してしまうこととなり、曲げ加工の効率化が図れない。
【0005】
この発明の目的は、以上のような従来の技術の問題点に着目してなされたものであり、曲げ加工中における金型干渉や異物の食い込み等による過負荷の発生のみを検出してラムを制御することのできるプレスブレーキのラム制御方法およびその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1によるプレスブレーキのラム制御方法は、ラム速度指令に従ってサーボモータを制御してボールネジを回転させることにより、パンチを装着したラムを下降させてダイとの協働で曲げ加工を行うプレスブレーキのラム制御方法において、前記パンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重および前記ラム速度指令に基づく前記ラムの曲げ速に対応する加減速トルクを算出し、前記金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値のうちいずれか小さい方のトルク制限値と前記加減速トルクとを比較して、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値よりも大きい場合には、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラム速度指令の変更を行うと共に、かつこのラム速度指令の変更が前記ラムがミュートポイントよりも下にある場合において有効としたこと特徴とするものである。
【0007】
従って、制御装置の制御によりサーボモータがボールネジを回転させてラムを下降させ、ラムに装着されたパンチとダイとの協働により曲げ加工を行う際に、ラムの移動時に生じる設定された曲げ速度に基づく加減速トルクを算出して、この加減速トルクをパンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値と比較して、加減速トルクの方が大きい場合にはラム速度指令を変更して、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値よりも小さくなるようにする。
【0008】
請求項2によるプレスブレーキのラム制御方法は、請求項1記載のプレスブレーキのラム制御方法において、前記ラム速度指令の変更が、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるように曲げ速度を遅くさせるか、あるいは前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くさせることを特徴とするものである。
【0009】
従って、ラムの速度指令の変更は、ラム速度指令における曲げ速度を遅くさせるか、あるいは前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くして、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値以下となるようにする
【0012】
請求項によるプレスブレーキのラム制御装置は、ラム速度指令に従ってサーボモータを制御してボールネジを回転させることにより、パンチを装着したラムを下降させてダイとの協働で曲げ加工を行うプレスブレーキのラム制御装置であって、前記パンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重を算出する金型耐圧荷重算出部と、前記ラム速度指令に基づく前記ラムの曲げ速に対応する加減速トルクを算出する加減速トルク算出部と、前記金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値のうちいずれか小さい方のトルク制限値と前記加減速トルクとを比較する比較判断部と、を有し、前記比較判断部により前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値よりも大きいと判断された場合に、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにすると共に、かつこのラム速度指令の変更が前記ラムがミュートポイントよりも下にある場合において有効としたラム速度指令の変更を行うラム速度指令変更部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
従って、サーボモータがボールネジを回転させてラムを下降させ、ラムに装着されたパンチとダイとの協働により曲げ加工を行う際に、加減速トルク算出部がラムの移動時に生じる加減速トルクを算出すると共に、金型耐圧荷重算出部がパンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重を算出して、比較判断部が加減速トルクと金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値とを比較して、加減速トルクが大きいと判断された場合にはラム速度指令変更部がラム速度指令を変更して、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値よりも小さくなるようにする。
【0014】
請求項によるプレスブレーキのラム制御装置は、請求項記載のプレスブレーキのラム制御装置において、前記ラム速度指令変更部が、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの曲げ速度を遅くさせるか、あるいは前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くさせるものであること、を特徴とするものである。
【0015】
従って、ラム速度指令変更部は、ラム速度指令における曲げ速度を遅くさせるか、あるいは前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くして、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値以下となるようにする
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図8には、この発明に係るプレスブレーキ1の全体が示されている。なお、プレスブレーキ1については既によく知られているので、概略のみ説明する。このプレスブレーキ1では、フレーム3の上部前面にパンチPを交換自在に装着したラム5を上下動自在に備えると共に、フレーム3の下部前面に前記パンチPに対向するダイDを交換自在に装着した下部テーブル7を備えている。前記ラム5は、減速機9およびボールネジ11を介してフレーム3の上に設けられているサーボモータ13によって昇降駆動されるようになっている。
【0020】
前記ラム5とボールネジ11との間には、両部材5、11間の加圧力を検出することにより前記サーボモータ13の駆動トルクを検出するトルク検出器15が設けられている。なお、このトルク検出器15は、前記サーボモータ13の駆動電流を検出することによりサーボモータ13の発生トルクを検出する検出器であってもよい。
【0021】
図2には、前述のプレスブレーキ1を制御する制御装置17の構成が示されている。この制御装置17では、中央処理装置であるCPU19には、データを入力するためのキーボードのごとき入力手段21と、作業者が後述するトルク制限値を設定するためのトルク制限値設定手段の一例として例えばトルク制限ツマミ23と、種々の情報を出力するための出力手段25が接続されている。また、前述のトルク検出器15が接続されている。
【0022】
また、CPU19には、入力されたデータ等が記憶されているメモリ27や、メモリ27に記憶されている金型情報に基づいて金型耐圧荷重Pを算出する金型耐圧荷重算出部28や、後述する加減速トルクTを算出する加減速トルク算出部29や、金型耐圧荷重Pと加減速トルクTを比較する比較判断部31が接続されている。さらに、ラム速度指令を変更するラム速度指令変更部33や、サーボモータ13の回転を制御するラム速度指令部35がCPU19に接続されている。
【0023】
次に、図1を参照して、この発明に係るプレスブレーキのラム制御方法について説明する。作業者は、前述の入力手段21からワークの板厚、曲げ長さ、材質等のワーク情報や、曲げ角度、フランジ寸法等の製品情報等を入力してメモリ27に記憶する(ステップS1)。
【0024】
そして、自動あるいは手動により使用するパンチPおよびダイD等の金型を決定し、曲げ順を決定すると共にL、D値を算出し(ステップS2)、金型耐圧荷重算出部28が決定された金型に対する長さ当たりの金型耐圧に曲げ長さを乗じて金型耐圧荷重Pを算出する(ステップS3)。
【0025】
一方、前述のステップS2およびステップS3と並行して、曲げ速Vを決定し(ステップS4)、加減速トルク算出部29が前記曲げ速Vに基づく加減速トルクTをT=f(V)から算出する。ここで、曲げ速Vが作業者により入力されない場合には、デフォルト値(例えば20mm/s)が設定される。
【0026】
そして、比較判断部31が、前述のようにして得られた金型耐圧荷重Pと加減速トルクTを比較し(ステップS6)、金型耐圧荷重Pが加減速トルクTよりも小さいと判断された場合には、ラム速度指令変更部33がトルク制限を行う。すなわち、曲げ速の変更あるいは時定数の変更により加減速トルクT0を金型耐圧荷重P以下に押さえて(ステップS7)、加工をスタートする(ステップS8)。
【0027】
ここで、前記トルク制限は、ラム5が速度切換え位置(ミュートポイント)よりも下にある場合に有効とし、制限値はトルク制限ボリュームの値と金型耐圧荷重Pのうち低いほうを採用するものとする。また、急下降、急上昇時のトルクはソフトでマスクする。現状のサーボ調整では、D軸時定数tは例えば100ms、曲げ速Vは例えば20mm/sであり、曲げ速時の最大曲げ速トルクが例えばおよそ18Nm(8.2トン相当)必要である。
【0028】
従って、図3に示されているように、金型耐圧荷重Pが例えば8.2トン以下(例えば金型耐圧荷重Pが5トン)の金型を使用する際には、加速トルクがクランプされないようにする必要がある。
【0029】
前述の曲げ速Vの変更は、V=f(P)により行う。すなわち、図4に示されているように、例えば実行計算式 V=f(P)=A・P−B から曲げ速Vが得られる。この実行計算式は、図4のグラフにおいて四角点で示されている実測値に対する近似式にマージンをもたせたものとして得られる。
【0030】
なお、上記近似式が適用される条件として、ラム5が速度切換え位置以下であり且つボリュームまたは金型耐圧荷重Pが最大曲げ速時トルク以下の場合である。ここで、最大曲げ速時トルクとは、サーボ調整によって決まるパラメータであり、例えばD値時定数100ms、曲げ速20mm/sのときに18Nm=8.2トン(両軸)となっている。
【0031】
これにより、図5(A)に示されているように、加減速トルク値T(図5(A)中実線で表示、ここでは加速時のみ示してある)がトルク制限値である金型耐圧荷重Pを超える曲げ速V(例えば20mm/s)の速度指令(図5(A)中二点鎖線で表示)を、図5(B)に示されているように、加減速トルク値T0が金型耐圧荷重Pを超えない範囲に抑えて曲げ速V(例えば12mm/s)の速度指令に変更する。
【0032】
また、時定数の変更は、t=f(P)により行う。すなわち、図6に示されているように、例えば実行計算式 t=f(P)=A・P +B・P+C から時定数tが得られる。この実行計算式は、図6に示されている実測値に対する近似式にマージンをもたせたものとして得られる。ここでは実行計算式を2次式で示したが、さらに高次の式を用いることもできる。なお、図6のグラフからわかるように、TN1〜TN2にかけては時定数が急激に変化するため、下限値(トルク制限最小圧力)を設ける必要がある。この下限値は、試験により決定される。
【0033】
なお、前述の曲げ速Vの変更の場合と同様に、上記近似式が適用される条件として、ラム5が速度切換え位置以下であり且つボリュームまたは金型耐圧荷重P0が最大曲げ速時トルク以下であることが要求される。
【0034】
これにより、図7(A)に示されているように、金型耐圧荷重P0を超える曲げ速V(例えば20mm/s)の速度指令(図7(A)中二点鎖線で表示)に達するまでの時定数t(例えばt=20ms)を、図7(B)に示されているように、時定数tを大きくする(例えばt=35ms)ことにより、曲げ速Vに達するまでに生じる加減速トルク値T(図7(B)中実線で表示、ここでは加速時のみ示してある)を金型耐圧荷重Pを超えない範囲に抑える速度指令に変更する。
【0035】
一方、ステップS6において金型耐圧荷重Pが加減速トルクTよりも大きいと判断された場合には、問題がないとしてそのまま加工をスタートする(ステップS8)。
【0036】
以上の結果から、加減速トルクTが金型耐圧荷重Pや作業者がトルク制限ツマミ23により設定したトルク制限値を超えることによるラム5の非常停止を防止することができるので、不必要なときにラム5を停止させるのを防止して、作業効率の改善を図ることができる。
【0037】
なお、この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によるプレスブレーキのラム制御方法では、制御装置の制御によりサーボモータがボールネジを回転させてラムを下降させ、ラムに装着されたパンチとダイとの協働により曲げ加工を行う際に、ラムの移動時に生じる加減速トルクを算出して、この加減速トルクをパンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値と比較して、加減速トルクの方が大きい場合にはラム速度指令を変更して、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値よりも小さくなるようにするので、加減速トルクが金型耐圧荷重や作業者が設定ツマミにより設定したトルク制限値を超えることによるラムの非常停止を防止することができる。
【0039】
請求項2の発明によるプレスブレーキのラム制御方法では、ラムの速度指令の変更は、ラム速度指令における曲げ速度を遅くさせて、ラムの移動時に生じる加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値以下となるようにするので、加減速トルクが金型耐圧荷重や作業者が設定ツマミにより設定したトルク制限値を超えることによるラムの非常停止を防止することができる。あるいは、前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くして、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値以下となるようにして設定したトルク制限値を超えることによるラムの非常停止を防止することができる
【0041】
請求項の発明によるプレスブレーキのラム制御装置では、サーボモータがボールネジを回転させてラムを下降させ、ラムに装着されたパンチとダイとの協働により曲げ加工を行う際に、加減速トルク算出部がラムの移動時に生じる加減速トルクを算出すると共に、金型耐圧荷重算出部がパンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重を算出して、比較判断部が算出された加減速トルクと金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値とを比較して、加減速トルクの方が大きいと判断された場合にはラム速度指令変更部がラム速度指令を変更して、加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値よりも小さくなるようにするので、加減速トルクが金型耐圧荷重や作業者がトルク制限値設定手段により設定したトルク制限値を超えることによるラムの非常停止を防止することができる。
【0042】
請求項の発明によるプレスブレーキのラム制御装置では、ラム速度指令変更部は、ラム速度指令における曲げ速度を遅くさせて、ラムの加減速トルクが金型耐圧荷重あるいはトルク制限値以下となるようにするので、加減速トルクが金型耐圧荷重や作業者が設定ツマミにより設定したトルク制限値を超えることによるラムの非常停止を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るプレスブレーキのラム制御方法を示すフローチャートである。
【図2】この発明に係るプレスブレーキのラム制御装置を示すブロック構成図である。
【図3】最大曲げ速時トルクよりも金型耐圧荷重が低い場合を示すグラフである。
【図4】曲げ速を低下させる場合の曲げ速とトン数の関係を示すグラフである。
【図5】(A)は加減速トルクが金型耐圧荷重を超えている場合を示すグラフであり、(B)は曲げ速度を変更した後を示すグラフである。
【図6】時定数を変化させる場合の時定数とトン数の関係を示すグラフである。
【図7】(A)は加減速トルクが金型耐圧荷重を超えている場合を示すグラフであり、(B)は時定数を変更した後を示すグラフである。
【図8】プレスブレーキを示す側面図である。
【図9】従来より知られているラム速度とこのラム速度に対する加減速トルクを示すグラフである。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ
5 ラム
11 ボールネジ
13 サーボモータ
17 制御装置(ラム制御装置)
23 トルク制限ツマミ(トルク制限値設定手段)
28 金型耐圧荷重算出部
29 加減速トルク算出部
31 比較判断部
33 ラム速度指令変更部
P パンチ
D ダイ

Claims (4)

  1. ラム速度指令に従ってサーボモータを制御してボールネジを回転させることにより、パンチを装着したラムを下降させてダイとの協働で曲げ加工を行うプレスブレーキのラム制御方法において、前記パンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重および前記ラム速度指令に基づく前記ラムの曲げ速に対応する加減速トルクを算出し、前記金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値のうちいずれか小さい方のトルク制限値と前記加減速トルクとを比較して、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値よりも大きい場合には、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラム速度指令の変更を行うと共に、かつこのラム速度指令の変更が前記ラムがミュートポイントよりも下にある場合において有効としたことを特徴とするプレスブレーキのラム制御方法。
  2. 前記ラム速度指令の変更が、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるように曲げ速度を遅くさせるか、あるいは前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くさせることを特徴とする請求項1記載のプレスブレーキのラム制御方法。
  3. ラム速度指令に従ってサーボモータを制御してボールネジを回転させることにより、パンチを装着したラムを下降させてダイとの協働で曲げ加工を行うプレスブレーキのラム制御装置であって、前記パンチおよびダイが耐えることのできる金型耐圧荷重を算出する金型耐圧荷重算出部と、前記ラム速度指令に基づく前記ラムの曲げ速に対応する加減速トルクを算出する加減速トルク算出部と、前記金型耐圧荷重あるいはトルク制限値設定手段により設定されたトルク制限値のうちいずれか小さい方のトルク制限値と前記加減速トルクとを比較する比較判断部と、を有し、前記比較判断部により前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値よりも大きいと判断された場合に、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにすると共に、かつこのラム速度指令の変更が前記ラムがミュートポイントよりも下にある場合において有効としたラム速度指令の変更を行うラム速度指令変更部と、を備えてなることを特徴とするプレスブレーキのラム制御装置。
  4. 前記ラム速度指令変更部が、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの曲げ速度を遅くさせるか、あるいは前記ラム速度指令に基づく前記ラムの加減速時の時定数を大きくして、前記加減速トルクが前記金型耐圧荷重あるいは前記トルク制限値以下となるようにラムの加減速時間を長くさせるものであること、を特徴とする請求項3記載のプレスブレーキのラム制御装置
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