以下、本発明の一実施形態に係るラベル作成装置(点字情報処理装置)について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2に示すように、このラベル作成装置1は、装置ケース2により外殻が形成され、装置ケース2の前部上面には各種入力キーを備えたキーボード3が配置されると共に、後部上面には開閉蓋21が取り付けられ、開閉蓋21の表側には長方形のディスプレイ4が配設されている。
また、開閉蓋21の内側には、テープカートリッジCから繰り出されるテープTに対して墨字印刷(文字や記号等のキャラクタの印刷)を行う墨字印刷部120が組み込まれ、テープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部6が窪入形成されており、テープカートリッジCは、蓋体開放ボタン14の押下により開閉蓋21が開放された状態でカートリッジ装着部6に着脱自在に装着される。また、開閉蓋21には、これを閉止した状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓21aが形成されている。
また、開閉蓋21の右側(装置ケース2の後半右部)には、その内部に点字打刻を行うアッセンブリ(点字打刻部150:図2右上に図示)が組み込まれ、その上面にはこれを覆うように打刻部カバー30が取り付けられている。また、この打刻部カバー30の手前側には、ユーザによりテープ(処理シート)Tが手差し挿入される打刻テープ挿入口31が、また奥側には、打刻後のテープTが排出される打刻テープ排出口32が、テープ走行路(送り経路)70に沿って下り傾斜となるように、それぞれ窪入形成されている。さらに、打刻テープ挿入口31付近には、テープ幅方向に幅調整可能な手差しガイド31aが設けられている。
点字打刻部150は、3個の打刻ピン(打刻ヘッド)41(図5(b)参照)により点字打刻を行う打刻ユニット80と、打刻テープ挿入口31に挿入されたテープTを打刻テープ排出口32に向けて送るテープ送りユニット(テープ送り機構)60と、テープTが搬送されるテープ走行路70とを有し、テープ走行路70を構成するフレームにこれらのユニットが組み込まれて打刻アッセンブリが構成され、装置ケース2に一体として装着されるようになっている。また、テープ走行路70に沿ってテープ送りユニット60の駆動により送られていくテープTに対し、打刻ユニット80により3個の打刻ピン41を選択的に駆動することで点字Bが形成される。
装置ケース2の右側部中央には、電源供給のための電源供給口11が形成されるとともに、前半右側部には、パソコン等の図外の外部装置と接続するための接続口(インタフェース)12が形成され、接続することにより、外部装置からの文字情報に基づいて墨字印刷や点字打刻を行い得るようになっている。また、装置ケース2の左側部には、カートリッジ装着部6と外部とを連通する印刷テープ排出口22が形成され、この印刷テープ排出口22には、墨字印刷部120から送り出したテープTを切断するための切断部140が臨んでいる。そして、切断部140によりテープTの後端部が切断されることにより、印刷テープ排出口22から墨字印刷後のテープTが排出される。
また、ラベル作成装置1は、図3に示すように、制御系から見た基本的な構成として、キーボード3およびディスプレイ4を有して、文字情報の入力や各種情報の表示などマンマシンインタフェースを司る操作部110と、テープカートリッジC、印刷ヘッド7および印刷送りモータ121を有して、テープTおよびインクリボンRを搬送しながらテープT上に墨字印刷を行う墨字印刷部120と、フルカッタ142およびハーフカッタ144並びにこれらをそれぞれ駆動するフルカッタモータ141およびハーフカッタモータ143を有して、印刷済みテープTを切断する切断部140と、を備えている。
また、ソレノイド47、打刻ピン41および打刻送りモータ151を有して、テープTを搬送しながらテープTに点字打刻を行う点字打刻部150と、テープT(テープカートリッジC)の種別を検出するテープ識別センサ171、点字打刻部150においてテープTの先端を検出する例えば透過型の先端検出センサ172、同じく点字打刻部150において周囲温度(環境温度)を検出する温度検出センサ173、印刷送りモータ121の回転速度を検出する印刷部回転速度センサ174、および打刻送りモータ151の回転速度を検出する打刻部回転速度センサ175を有して、各種検出を行う検出部170と、をさらに備えている。
また、ディスプレイドライバ181、ヘッドドライバ182、印刷送りモータドライバ183、カッタモータドライバ184、打刻ドライバ185および打刻送りモータドライバ186を有し、各部を駆動する駆動部180と、各部と接続され、ラベル作成装置1全体を制御する制御部200と、をさらに備えている。
制御部200は、CPU210、ROM220、RAM230および入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」という)250を備え、互いに内部バス260により接続されている。ROM220は、墨字印刷処理や点字打刻処理等の各種処理をCPU210で制御するための制御プログラムを記憶する制御プログラムブロック221と、墨字印刷を行うための文字フォントデータや点字打刻を行うための点字フォントデータの他、点字データの打刻制御のための制御データ等を記憶する制御データブロック222とを有している。
RAM230は、フラグ等として使用される各種ワークエリアブロック231の他、生成された墨字データを記憶する墨字データブロック232と、生成された点字データを記憶する点字データブロック233と、ディスプレイ4に表示するための表示データを記憶する表示データブロック234と、設定された墨字印刷領域(印刷配置部)Epと点字打刻領域(打刻配置部)Ebのレイアウトを記憶するレイアウトブロック235と、設定されたレイアウトに応じて点字データを180°回転させた状態で打刻する場合に使用する反転点字データB´(図9参照)を記憶する反転点字データブロック236と、を有し、制御処理のための作業領域として使用される。また、RAM230は電源が切断されても記憶したデータを保持しておくように常にバックアップされている。
IOC250には、CPU210の機能を補うと共に各種周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。これにより、IOC250は、キーボード3からの入力データや制御データあるいは検出部170の各種センサ値を、そのまま或いは加工して内部バス260に取り込むと共に、CPU210と連動して、CPU210から内部バス260に出力されたデータや制御信号を、そのまま或いは加工して駆動部180に出力する。
そして、CPU210は、上述の構成により、ROM220内の制御プログラムに従って、IOC250を介してラベル作成装置1内の各部から各種信号・データを入力するとともに、入力した各種信号・データに基づいてRAM230内の各種データを処理し、IOC250を介してラベル作成装置1内の各部に各種信号・データを出力することにより、墨字印刷処理や点字打刻処理の制御などを行う。
例えば、CPU210は、キーボード3より文字情報が入力されると、これに基づいて墨字データPおよび点字データBを生成し、必要に応じて両データ間での長さ等の調整を行うとともに、反転点字データB’を用意する(図9参照)。また、調整前または調整後の墨字データ(余白データを含む)Pを墨字データブロック232に記憶すると共に、同じく調整前または調整後の点字データ(余白データを含む)Bを点字データブロック233に記憶し、反転点字データB’を反転点字データブロック236に記憶する。
また、キーボード3から墨字印刷および点字打刻の指示を取得すると、印刷送りモータ121の駆動を開始し、印刷部回転速度センサ172の検出結果に応じて印刷ヘッド7を駆動することにより、墨字データPに基づく墨字印刷を行う。その後、墨字データに基づいて(必要に応じて調整済みの)所定長さのテープ送りを行い、フルカッタ142によりテープ後端部を切断して、印刷テープ排出口22からテープTを排出する。
また、図1〜図3を参照して、引き続き(リセット操作や電源オフ操作が無い状態で)、ユーザによる手差し挿入により、短冊状に切断されたテープTが打刻テープ挿入口31に挿入されると、打刻ユニット80およびテープ送りユニット60を駆動することにより、点字データBまたは反転点字データB′に基づいて点字打刻を行う。そして、打刻終了後、打刻送りモータ151の駆動により、点字データB等に基づく調整済みの所定長さのテープ送りを行って、打刻テープ排出口32からテープTを排出する。
ここで、図4を参照し、テープT上に形成される点字B(6点点字B)について説明する。
点字器や点字タイプライタ等で慣用されている1文字(1マス)や文字間(マス間)の仕様(以下「民間仕様」)によれば、図4(a)に示すように、6点点字Bは、縦3個×横2個の6個の点(打刻ポイント:いわゆる「1の点」〜「6の点」と呼ばれる6個の点:図右上に注記)で1マス201が構成され、6個の点のうちの打刻点および非打刻点のパターンにより、この1マス201で、1文字や濁点その他の属性を表現するものである、例えば図4(a)は、1の点、2の点、5の点、6の点を打刻点とし、3の点、4の点を非打刻点とすることにより、文字情報「し」を表現する点字(点字データ)Bを示す図である。
なお、点字Bには、このような仮名文字や数字等を表す6点点字Bの他、漢字を表す8点点字(1マスが縦4個×横2個の点で構成される点字)も使用されている。本実施形態では、6点点字Bを形成する場合を例に挙げて説明するが、8点点字を形成するラベル作成装置においても本発明は適用可能である。
6点点字Bは、1マス201が縦3個×横2個の配置パターンで6個の打刻ポイント201a〜201fに分割されており、縦方向のピッチが略2.4mm、マス内の横方向のピッチが略2.1mm、マス間のピッチは略3.3mmとなっている。図4(a)では、6個の打刻ポイント201a〜201fのうち「し」を表現すべく4個の打刻ポイント201a、201b、201e、201fが選択的に打刻されて、テープT上に例えば角の丸まった円筒形、半球形、円錐形、四角錐形等の断面形状(図4(b)参照)を有する4個の打刻凸部202a、202b、202e、202fが形成されている。なお、6点点字Bを打刻するためには、1マス201の大きさ(テープ幅方向長さ)から換算して、最低限テープ幅12mm(テープT3)が必要となっている。
また、ラベル作成装置1では、打刻ユニット80として相互に交換可能な2種類のユニットが用意されており、一方は直径が略1.4mmの小形の小打刻凸部203を形成し、他方は直径が略1.8mmの大形の大打刻凸部204を形成する。大小2種類の打刻凸部203、204は、その用途によって使い分けられるものであり、例えば、小打刻凸部203が点字Bの読み取りに慣れた者(先天盲者)向けであって、大打刻凸部204が初心者(中途失明者)向けである。
図1〜図3を参照して、さらに詳述する。キーボード3には、文字キー群3a、および各種動作モード等を指定するための機能キー群3bが配列されている。文字キー群3aは、墨字印刷や点字打刻を行うための文字情報を入力するためのものであり、JIS配列に基づいたフルキー構成となっている。また、機能キー群3bには、一般のワープロ等と同様に、漢字変換等のための変換キー、処理の取り消し等のための取消キー、カーソル移動用のカーソルキー、各種選択画面における選択肢の決定やテキスト入力時の改行のための確定(エンター)キーなどが含まれる。
また、さらに機能キー群3bには、墨字印刷や点字打刻を実行させるための印刷・実行キー(印刷キー)、点字打刻部150におけるテープTの送り開始を指示する送り開始キー、手動により点字打刻を行わせる打刻開始キーの他、墨字印刷や点字打刻を行う処理モードを選択するためのモードキー、墨字印刷領域(印刷配置部)Epと点字打刻領域(打刻配置部)Ebの配置を設定するためのレイアウトキー、その配置結果を印刷等の実行前にプレビュー表示させるためのプレビューキー、それをスクロール表示させるためのスクロールキー、点字情報を入力・編集するための点字入力キー、墨字その他の通常文字列を点字に変換(点訳)する際や点字のマスを読み取った際の仲介の文字列(点訳文字列)を生成するための点訳キーなどが含まれる。
モードキーによって選択される処理モードとしては、入力された文字情報に基づいて墨字印刷および点字打刻を行う第1処理モード(図8(a)参照)、入力された文字情報に基づいて墨字印刷のみを行う第2処理モード(図8(b)参照)、入力された文字情報に基づいて点字打刻のみを行う第3処理モード(図8(c)参照)があり、いずれか1つの処理モードが選択される。
ディスプレイ4は、横方向(X方向)約12cm×縦方向(Y方向)5cmの長方形の形状の内側に、192ドット×80ドットの表示画像を表示可能であり、ユーザがキーボード3から文字情報を入力して、墨字データや点字データを作成・編集したりする際に用いられる。また、各種エラーやメッセージ(指示内容)を表示し、ユーザに報知する。
墨字印刷部120において、カートリッジ装着部6には、ヘッドカバー20a内にサーマルヘッドから成る印刷ヘッド7が内蔵されたヘッドユニット20と、印刷ヘッド7に対峙するプラテン駆動軸25と、インクリボンRを巻き取る巻き取り駆動軸23と、テープリール17の位置決め突起24と、を備えている。また、カートリッジ装着部6の下側には、プラテン駆動軸25および巻き取り駆動軸23を回転させる印刷送りモータ121が内蔵されている。
テープカートリッジCは、カートリッジケース51内部にテープリール17とリボンリール19とを収容して構成されており、テープTとインクリボンRは同じ幅で構成されている。また、ヘッドカバー20aに差し込むための貫通孔55が形成されており、テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応して、プラテン駆動軸25に嵌合されて回転駆動するプラテンローラ53が配置されている。また、リボンリール19から繰り出されたインクリボンRは、ヘッドカバー20aを周回して、リボンリール19に近接配置されたリボン巻き取りリール54に巻き取られるようになっている。
テープカートリッジCがカートリッジ装着部6に装着されると、ヘッドカバー20aに貫通孔55が、位置決め突起24にテープリール17の中心孔17aが、プラテン駆動軸25にプラテンローラ53が、巻き取り駆動軸23にリボン巻き取りリール54の中心孔がそれぞれ差し込まれ、テープTおよびインクリボンRを挟み込んで印刷ヘッド7がプラテンローラ53に当接して墨字印刷が可能になる。そして、墨字印刷後のテープTは、印刷テープ排出口22に送られる。
テープTは、裏面に粘着剤層(粘着層)が設けられた基材テープ(基材シート:情報形成層)Tbと、この粘着剤層を覆うように基材テープTbに貼付された剥離テープ(剥離シート:剥離層)Teとから構成されている。基材テープTbは、表側から、インクリボンRから感熱転写されるインクの定着性を高めた受像層と、基材テープTbの主体を為すポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムで構成された基材層と、粘着剤で構成された粘着剤層と、を積層して構成されている。剥離テープTeは、基材テープTbをラベルとして使用する時まで粘着剤層に埃などが付着しないようにするためのものであって、表面にシリコン処理がなされた上質紙(実施形態のものはPET製)などで構成されている。
また、テープTは、テープ種別(テープ幅、テープ色、墨字インク色、テープ材質など)が異なる複数種のものが用意されており、この種別を指標する複数の孔(図示省略)がカートリッジケース51の裏面に設けられている。また、複数の孔に対応してカートリッジ装着部6には、これらを検出するテープ識別センサ(マイクロスイッチ)171が複数設けられており、このテープ識別センサ171の状態を検出することで、テープ種別を判別できるようになっている。なお、本実施形態では、テープ幅24mm(テープT1)、テープ幅18mm(テープT2)、テープ幅12mm(テープT3)の3種を例に挙げて説明する(図6参照)。
次に、切断部140において、フルカッタ142は、詳細は図示しないが、上下方向にスライドカット可能な斜刃のカッタ刃を有するスライド形式のもので、フルカッタモータ141を駆動源とするクランク機構を介して、カッタ刃(カッタホルダ)を、テープTの幅方向にスライド動作させるようになっている。カッタ刃がスライド動作すると、これに臨むテープTの基材テープTbおよび剥離テープTeの両方を切断、すなわちテープTをフルカットするようになっている。
また、同様に、ハーフカッタ144は、フルカッタ142と概ね同形状のスライドカット可能な斜刃のカッタ刃を有するスライド形式のもので、テープ送り上流側(テープカートリッジCに近い側)に配設され、ハーフカッタモータ143を駆動源とするクランク機構を介して、テープTの幅方向にスライド動作可能に構成されている。この場合、カッタ刃の突出量は、フルカッタ142の場合と異なり、基材テープTbのみをカットする突出量に調整され、カッタ刃がスライド動作すると、これに臨むテープTの基材テープTbのみを切断、すなわちテープTをハーフカットするようになっている。
次に、点字打刻部150において、打刻ユニット80は、図5に示すように、テープTの裏面側に配設されると共に上記3個の打刻ピン41が組み込まれた打刻部材(打刻ヘッド)81と、テープTを挟んで打刻部材81と対向する位置で打刻ピン41の突き上げ(打刻)を受ける打刻受け部材82とを備え、テープ走行路70の下側(図5(b)における図示下側部)に固定配置されている。
打刻部材81は、テープ幅方向(図示左右方向)に沿って、2.4mmの間隔で配列された3個の打刻ピン41を備えており、6個のうち縦3個の打刻ポイント201a〜201c(または201d〜201f)に対応していると共に、ソレノイド47を駆動源とした直線運動をガイドするガイド部材45によって、テープTに対し垂直に保持されている。打刻ピン41の頭部41aは、打刻した打刻凸部202の形状が角の丸まった円筒形、半球形、円錐形、四角錐形等の断面形状(図4(b)参照)となるような形状に形成されている。
ここで、ソレノイド47によりプランジャー48が直線運動を行うと、アーム部材46が支持部材49を支点として回動し、打刻ピン41がテープTに対し垂直方向に直線運動を行う。そして、3個のアーム部材46にそれぞれ接続された3個のソレノイド47は、三角形状の角部に位置するようにそれぞれ配設されている。一方、打刻受け部材82は、3個の打刻ピン41と対向する面42aに、3個の打刻ピン41に対応する3個の打刻受け凹部43が形成されている。そして、この打刻ピン41と打刻受け部材82とにより、テープTに打刻凸部202を形成する。なお、3個の打刻ピン41と対向する面42aは、打刻受け凹部43を形成する代わりに、合成ゴム等の弾性材で構成した平坦な面としてもよい。
また、図6に示すように、テープ送りユニット60は、送りローラ61と、それを装置フレームに支持する支持部材62と、送りローラ61を回転させるための正逆回転可能な打刻送りモータ151(図3参照)とを有している。送りローラ61は、図示省略したが、駆動ローラおよび従動ローラから成るグリップローラであり、従動ローラには、形成された点字Bを押し潰すことがないよう、干渉を逃げるように、環状溝63が形成されている。
また、打刻テープ挿入口31には、テープ幅の大きいものからテープT1、T2、T3(テープ幅24、18、12mm)が挿入可能であり、最大テープ幅のテープT1については上下ガイド71、72によってガイドされ、それ以外のテープT2、T3については、下ガイド部材71のみによってガイドされ、ユーザによりその先端がテープ送りユニット60(送りローラ61)に到達するまで(挿入可能な位置まで)手差し挿入される。そして、キーボード3上のテープ送り開始キーの押下によりテープ送りユニット60によるテープ送りが開始される。
そして、先端検出センサ172によるテープ先端の検出をトリガとして、点字打刻処理を開始する(入力された点字データに基づくテープ送りおよび点字打刻を行う)。このとき、テープ先端から打刻開始位置までの長さが、打刻ピン41と先端検出センサ172との間の長さよりも短く設定されている場合は、送りローラ61を逆回転させることでテープTを送り戻し、適当な位置まで送ったところで打刻および正方向へのテープ送りを開始する。なお、打刻ユニット80による打刻開始は、先端検出センサ172によるテープ先端の検出をトリガとするばかりでなく、ユーザがキーボード3上の打刻開始キーを押下することにより手動開始させることも可能である。
次に、図7〜図9を参照し、ラベル作成装置1の全体処理について説明する。図7に示すように、電源キーの押下(電源オン)により処理が開始されると、まず、前回の電源オフ時の状態に戻すために、退避していた各制御フラグを復旧するなどの初期設定を行い(S10)、テープ識別センサ171(図3参照)によりテープ種別を検出し(S11)、続いて、ユーザによるキーボード3からの(またはパソコン等の外部装置からの)データ入力により文字情報が入力され、編集画面等として各種の情報が表示される(S12)。
ここで、キーボード3からのモード選択指示(モードキー入力)により(または外部装置からの指示入力により)、モード選択割込が発生すると(INTM)、処理モード選択の処理が起動され、第1処理モード(墨点併記)、第2処理モード(墨字のみ)および第3処理モード(点字のみ)のいずれかが選択される(S13)。
また、レイアウト設定指示(レイアウトキー入力)により(または外部装置からの指示入力により)、レイアウト設定割込が発生すると(INTL)、レイアウト設定の処理が起動され(S30)、プレビュー表示指示(プレビューキー入力)により(または外部装置からの指示入力により)、プレビュー表示割込が発生すると(INTR)、プレビュー表示の処理が起動され(S31)、点字入力指示(点字入力キー入力)により(または外部装置からの指示入力により)、点字入力指示割込が発生すると(INTB)、点字入力の処理が起動され(S32)、印刷/実行指示(印刷キー入力)により(または外部装置からの指示入力により)、印刷割込が発生すると(INTG)、実行前設定の処理が起動される(S14)。
ここで、実行前設定(S14)では、実際の墨字印刷や点字打刻に際してその時点で必要とされる割付配置等の設定や各設定の最終確認等が行われる。なお、モード選択割込、レイアウト設定割込、プレビュー表示割込、点字入力指示割込などがないまま、印刷割込が発生したときには(INTG)、デフォルトとして前回の設定のモード(初期設定では、第1処理モード、点字下段、墨点並行、墨字入力)が選択される。そして、実行前設定(S14)が終了すると、実際の墨字印刷や点字打刻の処理を開始する。
すなわち、図7および図8(a)に示すように、第1処理モードの場合(S13:(a))、墨字印刷部120による墨字Pの印刷(墨字印刷)を行った後(S15)、テープカットと印刷テープ排出口22からのテープTの排出を行い(S16)、ディスプレイ4上に打刻テープ挿入口31へのテープ挿入指示を表示する(S17)。なお、この指示表示は、インジケータやLEDによって行っても良い。
テープ挿入指示に従って、ユーザによりテープTが打刻テープ挿入口31に挿入(手差し挿入)されると、点字打刻部150により点字Bの打刻(点字打刻)を行った後(S18)、打刻テープ排出口32から打刻済みテープTを排出し(S19)、処理を終了する(S27)。
また、第2処理モードの場合(S13:(b))、墨字印刷部120による墨字印刷の後(S20)、テープカット・排出を行い(S21)、処理を終了する(S27)。すなわち、第2処理モードでは、図8(b)に示すように、装着されたテープカートリッジCから繰り出されたテープTが墨字印刷部120へ送られることによって墨字Pを印刷する。
また、第3処理モードの場合(S13:(c))、ディスプレイ4上に打刻テープ挿入口31へのテープ挿入指示を表示し(S24)、ユーザによるテープ挿入により点字打刻を行った後(S25)、打刻テープ排出口32から打刻済みテープTを排出し(S26)、処理を終了する(S27)。すなわち、第3処理モードでは、図8(c)に示すように、短冊状のテープ(任意の長さにカットされたテープ)Tが手差し挿入により点字打刻部150に送られて、点字Bを打刻する。
なお、手差し挿入のための短冊状のテープTを入手するために、テープ挿入指示(S24)の前に、図7および図8(c)に点線で図示のように、第1処理モードの墨字印刷の代わりの空印刷(何も印刷しないでテープ送りのみ)を行った後(S22)、テープカット・排出を行い(S23)、排出されたテープカット後のテープTを、手差し挿入用の短冊状のテープTとして利用しても良い。また、図示はしないが、点字打刻部150の上流側にテープカートリッジCを装着できる仕様とし、テープカートリッジCから繰り出された長尺状のテープに点字打刻を行わせることも可能である。また、墨字印刷と点字打刻は、同じ文字情報に基づいて印刷/打刻するのではなく、異なる文字情報に基づいて実行することも可能である。
次に、レイアウト設定(S30)では、テープ幅検出結果(S11)および処理モード選択結果(S13)に基づいて、主な設定として、テープT上における墨字印刷領域(印刷配置部)Epや点字打刻領域(打刻配置部)Ebの相対位置や(図9等参照)、各配置部の長さ(図外の印刷配置部長さ、打刻配置部長さ、共通配置部長さ等)が設定され、その他、墨字印刷の文字サイズなど、一般的なテープ印刷装置やワープロ等と同様の設定が行われる。
そして、特に第1処理モード(墨点併記)の場合、図9に示すように、テープ幅の検出結果が24mm(テープT1)の場合は(図9(a)参照)、印刷配置部Epが上段,打刻配置部Ebが下段(a―1:以下「点字下段」)、または印刷配置部Epが下段,打刻配置部Ebが上段(a―2:以下「点字上段」)のいずれかのレイアウトが選択される。
また、テープ幅18mm(テープT2)の場合も(図9(b)参照)、点字下段(b―1)、点字上段(b―2)のいずれかが選択されることとなるが、この場合、テープ幅に合わせて印刷配置部Epのテープ幅方向長さが短くなる。なお、これらのテープT1やテープT2の場合、墨字と点字とを並行に配置するレイアウト(以下「墨点並行」)以外に、自由に(例えば大きく)印刷した墨字の一部に点字を重ねるレイアウト(以下「墨点重ね」)を選択して、設定できるようになっている。
なお、テープ幅12mm(テープT3)の場合は(図9(c)参照)、テープ幅が点字1マス201の大きさ(テープ幅方向長さ)を打刻可能な最低の長さであるため(図4(a)参照)、点字上段・下段の選択、墨点並行/重ねの選択・設定に拘わらず、印刷配置部Epと打刻配置部Ebが重なり合ったレイアウトのみとなる。
次に、ラベル作成装置1では、ディスプレイ4内に、テキスト編集画面等の通常の表示画面の他に、対応するプレビュー表示画面(プレビュー画面、モニタ画面)を表示することができる。このため、上述のプレビュー表示(図7のS31)では、その時点で実際の墨字印刷や点字打刻が行われた場合の、その墨字印刷や点字打刻のイメージ(画像)を、ディスプレイ4内のモニタ画面に表示(プレビュー表示)する。
次に、ラベル作成時の操作の例について、特に点字入力指示(点字入力キーの押下)に応じて、点字情報を入力する例について、さらに具体的に詳述する。また、以下の例を用いて、ラベル作成装置1において機能維持および安全対策のため規定された仕様上の制約である「最大(打刻)マス数」およびその対応策についても説明する。
まず、例えば図10に示すように、テキスト編集開始前の初期状態では、編集を開始する1行目の行番号(墨字マークMkp)を表示するとともに、1行目の1文字目の入力を促すカーソルKを表示する(テキスト編集画面:画面D00:以下、ディスプレイ4の表示画面の状態を画面Dxxとし、Dxxのみで説明および図示する。)。
この状態から(D10)、点字入力キーが押されると(図7の点字入力指示割込(INTB))、点字入力のため、その第1階層の選択画面(点字入力選択画面)に遷移する(D11)。なお、ラベル作成装置1では、ユーザは、キー入力による各種指示等や入力データを、削除キーの押下(1回に1文字ずつの削除)や取消キーの押下によって取り消して、元の状態に戻すことができるが、これらについて、以下では説明は適宜省略する。
上述の状態では(D11)、選択肢として、文字入力に基づいて点字を入力する「文字入力」および打刻点を指定して点単位で点字(マス)を入力する「6点入力」のいずれかを、カーソル操作によって選択・指定できる(画面遷移直後は前回指定の選択肢をデフォルトとしてカーソル指定して表示:初期設定は「文字入力」)。なお、以下の各種画面においても、基本的に画面遷移直後は、前回指定の位置をデフォルトとしてカーソル指定して表示するものとし、説明は省略して、適宜、初期設定のみ付記する。
ここでは、上述の状態から(D11)、「文字入力」がそのままカーソル指定されてエンターキーの押下により選択(以下単に「選択確定」という)されたとすると、点字入力方法(点字入力モード)として「文字入力」を設定して、次に、点字情報編集画面に遷移する(D12)。
この点字情報編集画面では、通常の文字列(通常文字列)の入力・編集のための「入力」欄と、点訳文字列の入力・編集のための「点訳」欄と、点訳文字列に対応する点字のマスのイメージを表示するための「点字」欄と、を各行に並べて表示し、初期状態では、カーソルKにより「入力」欄の1文字目の入力を促す(D12)。
次に、この状態から(D12)、通常文字列(墨字文字列)「とうきょうとしんじゅくくにししんじゅく2ちょうめ4ばん1ごうしんじゅくえぬえすびる」が入力され、未確定状態を経て確定されると、カーソルKにより最後の文字「る」の次の文字の入力を促す(D13)。なお、文字入力直後の未確定状態(例えば白黒反転文字や薄字等で表示された状態)から変換キー等の押下により、漢字変換等をしてから確定(入力)することもできる(図16参照:詳細は後述)。
ここでは、上述の状態から(D13)、点訳キーが押されたとすると、上述の墨字文字列を点訳した点訳文字列「トーキョート シンジュクク 2チョーメ 4バン 1ゴー シンジュク エヌエス ビル」を「点訳」欄に表示し、対応する点字マスのイメージを「点字」欄に表示し、入力された墨字文字列の確認が容易なように、墨字文字列の先頭、すなわち「と」の前にカーソルKを移動させて、確認を促す(D20)。なお、墨字文字列が本例のような長さ(文字数)でなく、1画面内に納まるような場合には、カーソルKは末尾から移動させないようにしたり、あるいは点訳文字列の状態での編集が可能なことを示すように、カーソルKを「点訳」欄に移動させるようにしても良い。
ここで、上記の点訳文字列への変換(点訳)は、点字にするときの慣用仕様(民間仕様)に従って行う。このため、例えば「2ちょうめ4ばん1ごう」の「2ちょうめ」等を「う音便は長音符を用いる」などの慣習(仕様)に従って「2チョーメ」等に変換したり、文節等による区切りであるいわゆる「分かち書き」に従って空白(空白マス、スペース)を挿入して、「2チョーメ 4バン 1ゴー」のように変換する。
このため、点訳文字列は元になる墨字文字列より長文に成りやすい。また、点訳文字列は仮名のみで表現するので、墨字文字列に漢字が含まれる場合には、点訳して長くなる(文字数が多くなる)傾向はさらに顕著になる。
また、上述の点訳文字列から点字マスイメージへの変換も、当然ながら上記の民間仕様に従って行う。このため、1マスで示される清音以外では、外字符、大文字符、濁音符、半濁音符、拗音符、等々のいわゆる点字符号(または制御符)が付加されるので、点字のマス数は、点訳文字列の文字数よりさらに多くなる。例えば上記の「1ゴー」の点字には、数字符や濁音符が付加されるので、5マスとなる(参考のため、図15のD40の下の注釈参照)。
これに対し、ラベル作成装置1では、連続して打刻可能なマス数として、「最大打刻マス数」(以下適宜「最大マス数」と略す)=50が規定されている。
図5等で前述のように、ラベル作成装置1における打刻ユニット80の打刻部材81は、ソレノイド47を駆動源として、プランジャー48、アーム部材46、打刻ピン41を作動させるので、ソレノイド47自体の駆動による発熱(ジュール熱)やプランジャー48等による摩擦熱等により、全体として、稼働中に徐々にではあるが、周囲の温度を上昇させる。連続して稼働させた場合、これらの発熱により、装置フレーム2の特に打刻部カバー30を含む点字打刻部150近傍が熱くなることがあるため、その温度を所定温度以下に押さえるため、安全性の観点から最大マス数=50と規定している。
そして、この場合、例えばユーザが点字に変換するつもりで入力した文字列に対応する点字のマス数が50を越えた場合に、そのまま打刻することを許しておいて、この最大マス数(=50)の規定に従って、打刻マス数が50になった時点で、打刻動作を自動的に中止させることもできる。
しかし、この場合、ユーザに対して打刻を中止させた旨をメッセージ等で報知する必要があるため、装置として処理が煩雑となり、一方のユーザとしては、報知されたとしても、その時点で点字情報を編集し直す必要が生じて面倒であり、操作性の観点から見ても好ましくなく、また、テープT(資源)を無駄にするという欠点もある。
そこで、ラベル作成装置1では、点字情報の編集中に、すなわち実際の点字打刻を行う前に、ユーザに点字のマス数を算出する手間等を強要することなく、編集中の点字のマス数が最大マス数を越えたことを容易に把握できるように、表示を工夫している。以下、この点について説明する。
例えば図10で上述の墨字文字列が入力された状態で(D13)、点訳キーが押されると、点訳編集割込が発生し、図11に示す点訳処理(S40)を起動する。
この点訳処理(S40)では、図示のように、まず、入力行(「入力」欄の行)の墨字文字列を点訳して、その点訳結果を点訳行(「点訳」欄の行)に点訳文字列として表示し、その点訳文字列を点字に変換してその変換結果を点字行(「点字」欄の行)に点字のマスイメージとして表示し(S41:図10のD20参照)、続いて、最大マス数をオーバーしているか否かのチェックおよびその結果の表示を行うマス数オーバーチェック処理(S42)を行ってから、処理を終了する(S43)。
なお、上述の点訳編集割込は、上述のように点訳キーが押された直後の他、点訳文字列を編集中にも、編集(1文字追加・削除等)する度に発生するので、その度に起動され、実行される。また、マス数オーバーチェック処理(S42)は、実際には点字編集割込により起動される割込処理として扱われ、上述の点訳処理(S40)の他、点字を直接編集中にも(例えば図19参照)、編集(1マス追加・削除・変更(打刻点追加・削除等)等)する度に発生するので、その度に起動され、実行される。また、このため、上述の点訳処理(S40)では、実際には、点字編集割込の発生のみを行って(S42)、処理を終了する(S43)。
そして、点字編集割込が発生すると、図12に示すマス数オーバーチェック処理(S50)を起動する。
このマス数オーバーチェック処理(S50)では、図示のように、まず、編集中の点字のマス数を調査して、そのマス数が最大打刻マス数を越えているか否かを判別し(S51)、最大打刻マス数を越えて(オーバーして)いなければ(S51:No)、そのまま処理を終了する(S55)。
一方、オーバーしているときには(S51:Yes)、次に、最大打刻マス数+1(=50+1=51)マス目に対応する文字をサーチし(S52)、点字行の最大打刻マス数+1マス目以降のマスイメージを網掛け表示し(S53)、それに対応する文字以降を網掛け表示して(S54)、処理を終了する(S55)。すなわち、これによれば、点訳行(「点訳」欄の行)と点字行(「点字」欄の行)の最大打刻マス数+1(=51)マス目以降に相当する部分を、オーバー部分として網掛け表示する。
そこで、図13に示すように、前述の点字情報編集画面において墨字文字列(「入力」欄の文字列)の先頭をカーソル指定している状態から(D20:図10と共通)、「入力」欄の墨字文字列、「点訳」欄の点訳文字列、「点字」欄のマスイメージを確認するため、カーソル操作によって表示部分をスクロールさせ(D21〜D24)、分かち書きのために点訳文字列が墨字文字列より長く(文字数が多く)成っていることが考慮され、途中(図示では「〜えぬえす〜」の「す」の前)で、「入力」欄から「点訳」欄へカーソル操作されると、「点訳」欄の対応する位置(図示では「エヌエス」の「ス」の前)にカーソルKを移動させた状態となる(D25)。
なお、図示の例では、「入力」欄の「〜えぬえす〜」の「す」の前で「点訳」欄にカーソル移動させたが、それ以前に「点訳」欄に移動させた上で、さらにカーソル操作して同じ位置にカーソル移動させても、同じ状態となる(D25)。
さらに、図14に示すように、この状態から(D25:図13と共通)、「点字」欄にカーソル移動されると、「点字」欄の対応する位置にカーソルKを移動させた状態になる(D26:図示下段の注記「エヌエス ビル」が対応する「点訳」)。
ここで、図示の画面D26の「点字」欄の3マス目は、その下に注記するように「点訳」の「エス」の「エ」に対応するマスであると同時に、「点字」欄のマス(イメージ)の50番目、すなわち50マス目に相当し、次の「ス」に対応するマスは、51マス目、すなわち最大打刻マス数+1(=51)マス目に相当するので、このマス以降はオーバー部分となる。
このため、本例では、「点訳」欄の「エヌエス ビル」の文字列「ス ビル」の部分(超過表記文字列)およびそれに対応する「点字」欄のマスイメージ(超過マスイメージ)を網掛け表示する(図14のD25〜D26参照)。これにより、ユーザは、実際に点字打刻を行う前の編集時に、点字がマス数オーバーしている旨と、オーバーしている点字のマスと、それに対応する点訳文字と、を把握し、編集を要する旨を把握できるので、無駄な操作やテープTの無駄を防止できる。また、どの程度オーバーしているのかも把握できるので、編集もし易くなっている。
なお、上述の例を第1例とすると、上述の第1例では、50マス目と51マス目がそれぞれ清音(1マスで表現できる文字)であったため、「点訳文字列」もそのまま対応したが、点字には複数マスで1文字を表現するものも多いので、マス数をオーバーする境界(50マス目と51マス目の間)が、対応する点訳の文字間に対応するとは限らない。この例を第2例として、以下に説明する。
まず、この第2例では、上述の第1例の墨字文字列の末尾部分「えぬえすびる」の「えぬえす」をアルファベット(外字)大文字の「NS」に変える。
この場合、例えば図15に示すように、前述と同様の確認場面の点字情報編集画面において、墨字文字列「〜1ごうしんじゅくNSびる」の「う」と「し」の間にカーソルKが位置する状態から(D23:図13と同様)、最後の文字「る」の後までカーソル移動されて確認が進められ(D40)、「点訳」欄にカーソル移動されると、「点訳」欄の対応する位置である「NSビル」の後側にカーソル移動した状態となる(D41)。
ところが、「点訳」欄の「NSビル」はオーバー部分(網掛け部分)となっているので、ユーザは、その先頭にカーソル移動させた上で(D42)、「点字」欄にカーソル移動して確認すると(D43)、48〜50マス目の3マスが制御符(外字符と2重大文字符)のため、次の「n」に対応するマスが51マス目となり、オーバー部分(超過マスイメージ)となっていることが確認できる。
すなわち、この場合、「NS」という2文字以上の大文字アルファベットが続くので、外字符1マスと2重大文字符2マスの計3マスの制御符を要し、次の1マスまでで「N」が表現できるものの、その直前でオーバーの境界を過ぎているので、点訳文字の「N」以降はオーバー部分(超過点訳文字列:超過表記文字列)となっている。
次に、第3例として、墨字文字列に漢字や片仮名等を利用して入力する例について、以下に説明する。
この場合、例えば図16に示すように、図10で前述の点字情報編集画面の初期状態から(D12:図10と共通)、墨字文字列「とうきょうとしんじゅくくにししんじゅく2ちょうめ4ばん1ごうしんじゅくえぬえすびる」が入力されて未確定状態となり、変換キーの押下により漢字や片仮名まじりの墨字文字列「東京都新宿区西新宿2丁目4番1号新宿エヌエスビル」に変換されてから確定されると、カーソルKにより最後の文字「ル」の次の文字の入力を促す(D50)。
ここでは、上述の状態から(D50)、点訳キーが押されたとすると、上述の墨字文字列を点訳した点訳文字列は第1例と同じなので、点字も同じになり、点訳文字列「トーキョート シンジュクク 2チョーメ 4バン 1ゴー シンジュク エヌエス ビル」を「点訳」欄に表示し、対応する点字マスのイメージを「点字」欄に表示し、入力された墨字文字列の確認が容易なように、墨字文字列の先頭、すなわち「東」の前にカーソルKを移動させて、確認を促す(D51)。
次に、ここでは、前述の第1例よりさらに墨字文字列から点訳文字列への文字数の増加が大きいので、最初から「点訳」欄にカーソル移動させ(D52)、カーソル移動によりスクロールさせながら、「入力」欄の墨字文字列と「点訳」欄の点訳文字列(や点字が分かる人はさらに「点字」欄)を確認しながらカーソル移動されると、点訳文字列の末尾の「エヌエス ビル」の「ス」以降が網掛け表示によりオーバー部分(超過マスイメージ)であることが確認され(D53:第1例の図13のD25とほぼ同様)、さらに「点字」の確認のため、「点字」欄にカーソル移動されると、点訳文字の「ス」以降に対応するマスイメージがオーバー部分(超過マスイメージ)であることが確認できる(D54:第1例の図14のD26と同じ)。
次に、同様に前述の第2例の墨字文字列入力に代えて、漢字変換等を利用した例について、第4例として、以下に説明する。
この場合、例えば図17に示すように、図10で前述の点字情報編集画面の初期状態から(D12:図10と共通)、漢字や片仮名やアルファベットも用いて墨字文字列「東京都新宿区西新宿2丁目4番1号新宿NSビル」を入力・確定されると、最後の文字「ル」の次の文字の入力を促す(D60)。
ここでは、上述の状態から(D60)、点訳キーが押されたとすると、点訳文字列や点字は第2例と同じなので、点訳文字列「トーキョート <中略> シンジュク NSビル」を「点訳」欄に、対応するマスイメージを「点字」欄に表示し、確認が容易なように、墨字文字列の先頭「東」の前にカーソルKを移動させて、確認を促す(D61)。
第3例と同様に、最初から「点訳」欄にカーソル移動させ(D62)、「入力」欄、「点訳」欄、「点字」等を確認しながらカーソル移動されると、点訳文字列の末尾の「NSビル」の「N」以降が網掛け表示によりオーバー部分(超過点訳文字列:超過表記文字列)であることが確認され(D63)、さらに「点字」の確認のため、「点字」欄にカーソル移動されると、点訳文字の「N」以降に対応するマスイメージがオーバー部分(超過マスイメージ)であることが確認できる(D64:第2例の図15のD43と同じ)。
なお、上述の各例(第1例〜第4例)のように、点字入力・編集のための特別な編集画面に移行してから編集するのでなく、墨字を編集する通常のテキスト編集画面から、直接、点訳できるようにしても良い。これを第5例として、以下に説明する。
この場合、例えば図18に示すように、前述のテキスト編集画面(D10:図10と共通)において、漢字や片仮名も用いて墨字文字列「東京都新宿区西新宿2丁目4番1号新宿エヌエスビル」が入力・確定されると、最後の文字「ル」の次の文字の入力を促し(D70)、この状態から点訳キーが押されたとすると、点訳文字列や点字は第1例と同じなので、点訳文字列「トーキョート <中略> シンジュク エヌエス ビル」を「点訳」欄に、対応するマスイメージを「点字」欄に表示し、墨字文字列の先頭「東」の前にカーソルKを移動させて、確認を促す(D71:第3例の図16のD51と同じ)。以降は第3例と同じなので、説明は省略する。
また、テキスト編集画面(D10)において、漢字や片仮名やアルファベットも用いて墨字文字列「東京都新宿区西新宿2丁目4番1号新宿NSビル」が入力・確定されると、最後の文字「ル」の次の文字の入力を促し(D75)、この状態から点訳キーが押されたとすると、点訳文字列や点字は第2例と同じなので、点訳文字列「トーキョート <中略> シンジュク NSビル」を「点訳」欄に、対応するマスイメージを「点字」欄に表示し、確認を促す(D76:第4例の図17のD61と同じ)。以降は第4例と同じなので、説明は省略する。
また、上述の各例(第1例〜第5例)のように、文字入力から点訳するのでなく、点字をマスイメージで直接入力・編集することもできる。これを第6例として、以下に説明する。
この場合、例えば図19に示すように、前述の点字入力選択画面(D11:図10と共通)において、「6点入力」が選択確定されたとすると(D80)、点字入力方法(点字入力モード)として「6点入力」を設定して、次に、打刻点指定により点字を入力・編集するための編集画面(点字6点編集画面:第2階層)に遷移する(D81)。
この編集画面では、点字の各マスの打刻点を、1の点〜6の点の点番号1〜6で指定することができ、例えばここで、数字キー「2、3、4,5」が押されると、2、3、4、5の点が指定(入力)されたことを、画面右側の○のそれぞれの点番号の表示を変化させて明示するとともに、「入力」の欄の「入力[ 」の右にカーソルKを移動して、対応する点字のマスイメージを、未確定状態の白黒反転表示で表示するので、ユーザがそれを確認後、確定(エンターキー押下)されると、その点字のマスイメージを「入力」欄の行(点字行)に、また、その点字に対応する文字(点訳文字)「ト」を「カナ」欄(点訳行)に、それぞれ表示する(D82)。
同様にして、例えば第1例の点字のマスイメージと同じマスが打刻点指定により入力され、ここでは「カナ」欄の点訳文字列が「〜エヌエス ビル」の「〜エヌエ」まで入力された状態から(D83)、さらに数字「1、4、5、6」が打刻点指定で入力・確定されると、その指定された点字のマスイメージを点字行に、それに対応する「ス」を点訳行に、それぞれ表示するが、51マス目となり、最大マス数をオーバーするので、網掛け表示する(D84)。このため、ユーザはこの時点で、マス数がオーバーしたことを把握できる。
上述のように、本実施形態のラベル作成装置1では、点字のマスイメージ(図10および図13〜図18の第1例〜第5例の「点字」欄、図19の第6例の「入力」欄等)と、対応する表記文字列(同第1〜5例の「入力」欄の墨字文字列、同「点訳」欄の点訳文字列、第6例の「カナ」欄の点訳文字列等)を表示するが、それらのうち、最大マス数を超えた部分(オーバー部分)に相当する超過マスイメージや対応する超過表記文字列を、他の部分と識別可能に表示する(実施形態では網掛け表示とする)。
このため、ユーザは、マス数の計算やカウント等の手間を掛けることなく、最大マス数を超えたか否かおよび超えた部分等を、実際の点字打刻前に行われる点字情報の編集中に、表示によって容易且つ正確に確認(把握)でき、これによって、実際の打刻後に編集をやり直す等の手間が無くなり、高い操作性が得られる。
なお、最大マス数オーバー時には、上記のオーバー部分の表示とともに、オーバーした旨を示すビープ音やメッセージ等によるエラー報知を行うこともでき、報知を徹底する意味で好ましい。
また、オーバー部分を他の部分と識別可能に表示する方法として、実施形態では網掛け表示としているが、識別可能であれば、「網掛け」の種類は任意であり、また、網掛け以外のいわゆる文字装飾(例えばアンダーライン、アッパーライン、囲み、塗りつぶし、中抜き、(白黒)反転、影文字、文字色変更等)のいずれでも良く、あるいは背景色や背景模様を変えるなど、種々の他の方法も採用可能である。
また、本実施形態では、点字打刻部150の打刻ユニット80の打刻部材81(打刻手段)に、稼働中の発熱等により周囲温度を上昇させる可能性があり、その温度を所定温度以下に押さえるため、安全性確保上、最大マス数=50としている。すなわち、点字打刻の安全性確保(打刻による危険性回避)の目的に沿うように最大マス数が定められているので、この最大マス数を遵守していれば、その目的を果たせる。なお、実施形態では発熱を問題としたが、その他、打刻の機能維持やそれによる危険回避に関する要因に関しては同様となる。
そして、本実施形態では、上述のように最大打刻マス数を定め、それを超える部分に相当する超過マスイメージや超過表記文字列を、他の部分と識別可能に表示するので、その表示によって、最大打刻マス数を超えたか否か、あるいはその程度等を、容易且つ正確に把握でき、高い操作性が得られる。
また、上述の第6例のように、打刻点指定(打刻点や非打刻点の点単位の指定)によって、点字を容易に編集できるとともに、その編集結果を(「入力」欄の)マスイメージおよび(「カナ」欄の)表記文字列などの点字情報に反映させるので、超過マスイメージや超過表記文字列を識別可能に表示することにより、最大マス数を超えたか否かを、表示によって容易且つ正確に把握でき、点字の最大マス数の制約に配慮した点字情報の編集ができ、高い操作性が得られる。
また、上述の第1例〜第5例のように、晴眼者向けの(「入力」欄の)墨字文字列や、点字仕様に基づく(「点訳」欄の)点訳文字列を含む表記文字列を編集できる。
なお、上述の第1例〜第5例では、主に墨字文字列を編集して点訳文字列に反映させたが、点訳文字列の任意の位置にカーソル移動して、その位置の文字または文字列を任意に編集できる。また、第6例においても、点字側(「入力」欄側)を打刻点指定で編集して、その編集結果を点訳文字列側(「カナ」欄側)に反映させたが、点訳文字列側を直接編集して、その編集結果を点字側に反映させれば、第1例〜第5例と同様のことができる。
すなわち、墨字文字列を編集してその編集結果を点訳文字列に反映させ、その結果の点訳文字列の変化をマスイメージに反映させたり、点訳文字列を直接編集してマスイメージに反映させたりすることにより、間接的あるいは直接的にマスイメージ(で表示された点字情報)を編集でき、最大マス数を超えたときにはその部分(超過マスイメージまたは超過表記文字列)を表示により識別できるので、点字のマス構成についての知識がなくても、点字の最大マス数の制約に配慮した点字情報の編集ができ、さらに高い操作性が得られる。
なお、上述の各例では、打刻の機能維持や安全性確保に起因する最大マス数として説明したが、定形(定長)の処理シートの長さに基づく制約や、表示画面用の画面サイズや画像記憶容量などに基づく制約など、他の仕様上の制約に基づいて、最大マス数を定めることなども可能である。
例えば、テープ(処理シート)T上に点字(のマス)を配置する配置長を設定した場合を考えると、その配置長に配置可能な最大配置マス数は、必然的に、その配置長に基づいて決定される(算出できる)。これは、処理シートがテープTでなく、広い領域を有する処理シートであっても同様であり、その処理シート上に点字を配置する配置領域を設定すれば、点字として1行に配置できる最大配置マス数は、配置領域の横方向(各行の長手方向)の長さ(幅)に依存する。
ただし、本実施形態では、テープTに墨字印刷や点字打刻を行うラベル作成装置1を例に挙げているので、定長設定によって設定した長さのラベルを作成する場合について、以下に説明する。
ここで、前述の実施形態を第1実施形態(第1例〜第6例)とし、以下を第2実施形態(第7例)とする。また、上述のように、点字を配置する配置領域の長さ(配置長)に配置可能な最大マス数なので、最大配置マス数と呼べるが、以下では、第1実施形態に合わせて(あるいは配置長に打刻可能な最大マス数の意味にとらえて)、最大マス数=最大打刻マス数として説明する。
まず、本実施形態(第2実施形態)のラベル作成装置1では、定長設定が可能であるものとし、定長設定が為された場合には、その設定された長さ(定長)でテープカット(フルカット)してその定長のラベルを作成する。ここで、定長設定の方法や操作等については周知のものとして説明は省略し、ここでは、定長設定終了後に定長設定割込が発生して、定長設定時のその後の処理を行うものとする。
図20に示す処理もそのうちの1種であり、定長設定が終了して定長設定割込が発生すると、定長用マス数算出処理(S60)を起動する。
この定長用マス数算出処理(S60)では、図示のように、まず、設定された定長値を取得し(S61)、点字マスのサイズ(図4(a)参照)に基づいて、定長値の範囲内に打刻(配置)可能な最大打刻(最大配置)マス数を算出して(S62)、算出結果により最大打刻マス数を設定(更新)する(S63)。ここでは、例えば新たな(更新された)最大打刻マス数=30とする。
そして、この後は、図11で前述の点訳処理(S40)と同様に、マス数オーバーチェック処理(S42)を行って、すなわち点字編集割込を発生して図12で前述のマス数オーバーチェック処理(S50)を起動して、処理を終了する(S65)。
この場合も、点字編集割込が発生すると、図12で前述のマス数オーバーチェック処理(S50)を起動する。すなわち、編集中の点字のマス数が最大打刻マス数を越えて(オーバーして)いなければ(S51:No)、そのまま処理を終了し(S55)、オーバーしているときには(S51:Yes)、次に、最大打刻マス数+1(=30+1=31)マス目に対応する文字をサーチし(S52)、31マス目以降のマスイメージを網掛け表示し(S53)、それに対応する文字以降を網掛け表示して(S54)、処理を終了する(S55)。
上述のように、本実施形態(第2実施形態)のラベル作成装置1では、定長設定における定長(処理シートに配置する配置長)を設定し、点字のマスのサイズやマス間は調整できないので、その範囲長に基づく最大打刻マス数(最大配置マス数)を定めて、それを超える部分(超過マスイメージまたは超過表記文字列)を表示により識別できるので、その表示によって、最大配置マス数を超えたか否か、あるいはその程度等を、容易且つ正確に把握でき、高い操作性が得られる。
なお、上述の第2実施形態の場合には、点字の配置長の制限に基づく最大マス数なので、マス数制限(最大配置マス数)で良いが、第1実施形態では、打刻ユニット80のソレノイド47における安全性確保等の観点から定めた制限なので、この場合のマス数制限(最大打刻マス数)は、連続して打刻する打刻量(連続打刻量)の制限(最大連続打刻量)と見ることもできるし、打刻ユニット80の稼働という意味で連続稼働量の制限(最大連続稼働量)と見ることもできる。
ただし、この連続打刻量等の観点から見れば、例えば「ア」の点字のマス(1の点のみが打刻点:打刻点1つ)が連続する場合と、「メ」の点字のマス(1〜6の点の全てが打刻点:打刻点6つ)が連続する場合とでは、その負荷(打刻量、稼働量)は明らかに異なる。このため、単純にマス数で制限するのではなく、打刻点の数(以下「打刻点数」)で制限する方が適切との考え方も成立する。
そこで、マス数制限(最大打刻マス数)でなく、打刻点数制限(最大打刻点数:例えば300点=「メ」のマス(6点)を50マス打刻可能)を超える部分を明示する例について、第3実施形態(第8例)として、以下に説明する。
ただし、この場合も、点字はマス単位なので、最大打刻点数を超える打刻点を含むマスを検索(サーチ)して、そのマス以降を明示(網掛け表示)するとともに、サーチされた1マスまたはそれを含む複数マスに相当する文字をサーチして、サーチされた文字以降を明示(網掛け表示)する。
すなわち、この場合、点字編集割込が発生すると、図21に示す打刻点数オーバーチェック処理(S70)を起動する。
この打刻点数オーバーチェック処理(S70)では、図示のように、まず、編集中の点字のマスの打刻点数を調査して、その打刻点数が最大打刻点数を越えているか否かを判別し(S71)、最大打刻点数を越えて(オーバーして)いなければ(S71:No)、そのまま処理を終了する(S76)。
一方、オーバーしているときには(S71:Yes)、次に、点字行の最大打刻点数+1点目を含むマスをサーチし(S72)、サーチされたマス以降を網掛け表示し(S73)、続いて、サーチされたマスに対応する点訳行の文字をサーチし(S74)、サーチされた文字以降を網掛け表示して(S75)、処理を終了する(S76)。すなわち、これによれば、点訳行と点字行の最大打刻点数を超えた部分を、オーバー部分として網掛け表示する。
上述のように、本実施形態(第3実施形態)では、打刻点数の制限に基づく最大打刻点数を定めて、それを超える部分(超過マスイメージまたは超過表記文字列)を表示により識別できるので、その表示によって、最大打刻点数を超えたか否か、あるいはその程度等を、容易且つ正確に把握でき、高い操作性が得られる。
なお、上述した連続打刻量等の観点から見れば、上述の打刻マス数や打刻点数による制限以外に、ソレノイド47による打刻時間(稼働時間)で制限する方が適切との考え方も成立する。そこで、打刻時間制限(最大打刻時間)を超える部分を明示する例について、第4実施形態(第9例)として、以下に説明する。ただし、この場合も、点字はマス単位でサーチし、文字は文字単位でサーチして、最大打刻時間を超えた部分を明示(網掛け表示)する。
すなわち、この場合、点字編集割込が発生すると、図22に示す打刻時間オーバーチェック処理(S80)を起動する。この打刻時間オーバーチェック処理(S70)では、図示のように、まず、編集中の点字について、第2実施形態と同様にマスの打刻点数を調査して、あるいは第1実施形態と同様に単純にマス数を調査して、調査結果の打刻点数あるいはマス数から打刻時間を算出(打刻点数やマス数を打刻時間に換算)する(S81)。
続いて、その打刻時間が最大打刻時間を越えているか否かを判別し(S82)、最大打刻時間を越えて(オーバーして)いなければ(S82:No)、そのまま処理を終了し(S87)、オーバーしているときには(S82:Yes)、次に、最大打刻時間を超えるマスを点字行からサーチし(S83)、その後は、図21で前述の第3実施形態と同様に、点訳行と点字行の最大打刻時間を超えた部分を、オーバー部分として網掛け表示して(S84〜S86:図21のS73〜S75と同じ)、処理を終了する(S76)。
上述のように、本実施形態(第4実施形態)では、打刻時間の制限に基づく最大打刻時間を定めて、それを超える部分(超過マスイメージまたは超過表記文字列)を表示により識別できるので、その表示によって、最大打刻時間を超えたか否か、あるいはその程度等を、容易且つ正確に把握でき、高い操作性が得られる。
また、上述した各種の実施形態において採用された点字情報処理装置としての機能あるいは各種処理方法(点字情報処理方法など)は、上述のラベル作成装置1ばかりでなく、プログラム処理可能な各種の装置によって処理されるプログラムとして適用でき、その種のプログラムを記憶するための記憶媒体にも適用でき、この種のプログラムを記憶しておいて、あるいは記憶媒体等から読み出して、実行することにより、点字を打刻可能な最大マス数(最大打刻マス数、最大配置マス数)の制約や、点字の打刻手段の最大連続打刻量(最大打刻マス数、最大打刻点数、最大打刻時間)の制約など、に配慮した点字情報の編集ができ、高い操作性が得られる。
また、上記の記憶媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。もちろん、その他、要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
1…ラベル作成装置(点字情報処理装置) 2…装置ケース 3…キーボード 4…ディスプレイ 7…印刷ヘッド 110…操作部 120…墨字印刷部 140…切断部 150…点字打刻部 170…検出部 180…駆動部 200…制御部 B…点字 C…テープカートリッジ Dxx…表示画面 Eb…点字打刻領域(打刻配置部) Ep…墨字印刷領域(印刷配置部) P…墨字 T、T1、T2、T3……テープ