JP4566521B2 - デジタルスチルカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動ミラーを使用して光学系によって被写体像を観察する光学ファインダと、撮像用の固体撮像素子を利用して液晶表示装置によって被写体像を観察する液晶ファインダとを、切換手段によって選択的に使用して撮影が行えるようにした、フォーカルプレンシャッタを備えたデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
フォーカルプレンシャッタを備えた一眼レフカメラは、一般に、撮影レンズとフォーカルプレンシャッタの間に可動ミラー(クイックリターンミラー)を配置しており、その可動ミラーで反射された被写体光をファインダ光学系に導き、被写体像を観察できるようにしている。この種のファインダは、光学ファインダといわれていて、銀塩フィルムを使用するカメラにも採用されているが、デジタルスチルカメラにも採用されている。また、このほか、一眼レフのデジタルスチルカメラには、撮影済み画像を観察することの可能な液晶表示装置を備えているのが普通である。
【0003】
他方、レンズシャッタを備えたデジタルスチルカメラの場合には、やはり、撮影済み画像を観察することの可能な液晶表示装置を備えているのが普通である。そして、上記のような一眼レフカメラの場合とは異なり、可動ミラーを備えていないことから、撮影をしていないときに、固体撮像素子を被写体光にさらし、その液晶表示装置を利用して、被写体像を観察できるようにしている。一般に、この種のファインダは、液晶ファインダ,電子ファインダなどと言われているが、以下においては液晶ファインダということにする。
【0004】
ところで、上記のように、可動ミラーとフォーカルプレンシャッタとを備えているデジタルスチルカメラは、光学ファインダと、撮影済み画像を観察することの可能な液晶表示装置を備えている。ところが、液晶表示装置を備えていることから、光学ファインダを用いて撮影が行えるにもかかわらず、レンズシャッタを備えたデジタルスチルカメラの場合のように、液晶表示装置をファインダとして用い、撮影が行えるようにもしたいという要求が強い。
【0005】
しかしながら、この種の一眼レフのデジタルスチルカメラは、光学ファインダで被写体像を観察しながら撮影する場合には、観察中は可動ミラーを被写体光路に臨ませた状態(以下、ダウン状態という)にしておかなければならなし、液晶ファインダで観察しながら撮影する場合には、可動ミラーを被写体光路から退避させた状態(以下、アップ状態という)にし、且つフォーカルプレンシャッタを必ず全開状態にしておかなければならない。ところが、フォーカルプレンシャッタには、シャッタ羽根を一つだけ備えたものと二つ備えたものとがあり、二つ備えたものは、撮影開始直前には、撮影光路用開口を閉鎖させた状態にしなければならない。
【0006】
このようなことから、光学ファインダと液晶ファインダとを選択して撮影可能とするためには、切換手段によるファインダの選択操作に対応して、可動ミラーやフォーカルプレンシャッタの作動状態も変え、且つ撮影に際しては、その観察状態から、フォーカルプレンシャッタを用いて直ちに撮影が行えるようにしなければならないが、二つのシャッタ羽根を有するフォーカルプレンシャッタを備えたカメラであって、そのような要求を好適に満足させるようにした構成(以下、従来例という)は既に知られている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−222059号公報(第4−11頁、図1−13)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来例のカメラは、光学ファインダと液晶ファインダとを選択して撮影することの可能な、可動ミラーを備えた一眼レフのデジタルスチルカメラである。しかしながら、この従来例のフォーカルプレンシャッタは、二つのシャッタ羽根を有するものであり、露光作動時には、それらが駆動ばねの付勢力によって作動させられるものである。特許文献1には、それ以外のシャッタ構成についての開示はなされていない。また、従来例の場合には、液晶ファインダを用いて撮影する場合でも、撮影ごとに可動ミラーのアップ・ダウン作動が行われる。しかしながら、そのような作動は、耐久性の観点からも好ましくなく、出来れば行わなくても済むようにしたい。また、次に説明する観点からも、行わなくて済むようにしたい。
【0009】
周知のように、一眼レフカメラの場合、可動ミラーは、ミラーボックス内でアップ・ダウン作動を行うようになっている。また、ミラー駆動手段は、歯車,カム,レバーなどで構成され、ミラーボックス外に配置されており、その近傍位置にはシャッタ駆動手段も配置されている。そのため、特許文献1には明示されていないが、ミラー駆動手段によって可動ミラーを作動させることを可能にするために、ミラーボックスには窓が設けられている。そして、可動ミラーの一部が、その窓からミラーボックス外へ突き出ていて、ミラー駆動手段によって操作されるたびに、所定の角度範囲で往復作動させられるようになっている。従って、その窓は、そのような往復作動を行い得る大きさの開口として形成されている。
【0010】
他方、ミラー駆動手段は、上記のように、歯車やカム部品などで構成されているため、その作動時には極めて微細ではあるが、磨耗粉を発生させ飛散させることが知られている。また、シャッタ駆動手段は、ばね駆動の場合であっても電磁駆動の場合であっても、シャッタ羽根の駆動部材に設けられた周知の駆動ピンがストッパへ当接して磨耗粉を発生させるし、従来例のように、ばね駆動の場合には、その上に、駆動部材やセット部材にカムを形成したりするために、やはり磨耗粉を発生させる。そして、それらの磨耗粉は、発生直後の浮遊状態のとき、空気に流れが生じると、それによって大きく移動させられる。
【0011】
従って、上記のように可動ミラーがアップ・ダウン作動を行うと、それらの磨耗粉の中には、上記の窓を通ってミラーボックス内に入り込み、開放状態にあるフォーカルプレンシャッタの撮影光路用開口を通って、固体撮像素子の撮像面に付着するものがでてくる。そして、磨耗粉が撮影のたびに撮像面に蓄積されていくと、やがて良質の画像が得られなくなるため、撮像面のクリーニングを頻繁に行う必要が生じてくる。そのため、液晶ファインダを使用して撮影する場合には、出来れば必要のない可動ミラーのアップ・ダウン作動を行わなくて済むようにしたい。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、可動ミラーと、フォーカルプレンシャッタと、光学ファインダと、液晶ファインダとを備えた一眼レフのカメラであって、液晶ファインダで撮影を行う場合には、撮影に際して、可動ミラーがアップ・ダウン作動を行わないようにした一眼レフのデジタルスチルカメラを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のデジタルスチルカメラは、少なくとも一つのシャッタ羽根と該シャッタ羽根を作動させるシャッタ駆動手段とを有するフォーカルプレンシャッタと、可動ミラーがダウン状態のとき撮影しようとする被写体像を観察して撮影することの可能な光学ファインダと、前記可動ミラーがアップ状態であって前記シャッタ羽根が撮影光路用開口を全開にしている状態のとき撮影しようとする被写体像を観察して撮影することの可能な液晶ファインダと、前記可動ミラーのアップ・ダウン作動を可能にするミラー駆動手段と、前記光学ファインダを用いて行う撮影と前記液晶ファインダを用いて行う撮影とを選択し得る切換手段と、を備えていて、前記切換手段は、前記光学ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記可動ミラーに接しない位置を占めていて前記可動ミラーと前記ミラー駆動手段との連動を可能にしており前記液晶ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記ミラー駆動手段との連動関係を断ち前記可動ミラーを強制的にアップ状態にし続ける第1手段と、前記光学ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記液晶ファインダでの被写体像の観察を不能にしており前記液晶ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記ミラー駆動手段の作動を不能にすると共に少なくとも被写体像の観察時には前記シャッタ羽根を前記撮影光路用開口の全開状態にしておく第2手段とを有しているようにする。また、その場合には、前記第1手段が、前記可動ミラーをアップ状態に押動するためのカム形状をした操作部材であり、前記第2手段は、該操作部材の回転位置を検出するための検出器からの信号を入力信号にしているようにすると好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、図1は、本実施例のカメラを外部から見た斜視図である。図2及び図3は、図1のカメラを略A−A線で切断し、内部構成の要部だけを示した説明図であって、図2は、光学ファインダを使用して撮影を行う場合を示したものであり、図3は、液晶ファインダを使用して撮影を行う場合を示したものである。また、図4は、図1のカメラを略B―B線で切断し、内部構成の要部だけを示した説明図であって、図2と同じ状態を示したものである。更に、図5〜図7は、本実施例に用いられているフォーカルプレンシャッタを説明するための正面図であって、被写体側から見て左側の約半分だけを示したものであり、図5は、撮影光路用開口が全開されているセット状態を示したものであり、図6は、レリーズ直後に先羽根が撮影光路用開口を閉鎖した露光作動開始前の状態を示したものであり、図7は後羽根が撮影光路用開口を閉鎖した露光作動終了直後の状態を示したものである。
【0015】
先ず、本実施例の構成から説明する。図1は、本実施例のカメラを、撮影レンズ(交換レンズ)を取り外した状態で示したものであり、外筐1の前面略中央にはレンズ取付部2が設けられ、その側方位置にはダイアル式の摘み3が回転可能に取り付けられている。この摘み3の回転可能角度は約90度であり、その両端位置では図示していないクリック機構によって確実に位置決めされるようになっている。また、外筐1の上面には撮影時に押すレリーズボタン4が設けられており、外筐1の背面側(撮影者側)には図示していない電源スイッチが設けられている。
【0016】
図2は、図1のカメラを略A−A線で切断し、図4は、図1のカメラを略B−B線で切断して、内部構成の要部だけを示したものであるが、図2においては、図1に示されたカメラの外筐1を二点鎖線で示してあり、図4においては、外筐1の図示を省略し、レンズ取付部2を二点鎖線で示してある。図2の略中央部に示されているミラーボックス5は、その右側に、図1で説明したレンズ取付部2を固定している。また、ミラーボックス5の内部に配置された可動ミラー6は、その軸部6aによってミラーボックス5に回転可能に取り付けられており、図示していないばねによって、図2において時計方向へ回転するように付勢されている。また、可動ミラー6は、その被操作ピン6bを、ミラーボックス5の壁に形成された窓部5aから図2の手前側(図4の左側)へ突き出している。
【0017】
図2において、ミラーボックス5の上方位置には、ペンタプリズムを含むファインダ光学系7が配置されており、可動ミラー6が図2に示されたダウン状態のときには、被写体像を観察できるようになっている。また、ミラーボックス5には、図2の手前側に板状に張り出している二つの張出部5b,5cが設けられていて、それらの間にシャフト8が回転可能に取り付けられている。そして、そのシャフト8の右端は、外筐1の孔を貫通しており、そこに上記の摘み3が取り付けられている。また、シャフト8の左端近傍には、カム面を有する操作部材9が取り付けられおり、摘み3を回転させると、シャフト8と共に回転し、可動ミラー6の被操作ピン6bに接し得るようになっている。更に、図示を省略しているが、張出部5bには、操作部材9の回転位置を電気的に検出する検出手段(検出器)が設けられている。
【0018】
次に、ミラーボックス5の外側の壁に取り付けられているミラー駆動手段の構成を説明する。先ず、ミラーボックス5には、図2に示すように、複数のビスによって取付台10が取り付けられている。この取付台10には、図示していない適宜な手段によって一方方向へのみ回転するモータ11が取り付けられているが、その出力軸に取り付けられた歯車12は、ミラーボックス5の壁と取付台10との間に配置されている。また、ミラーボックス5の壁には軸5d,5e,5f,5gが立設されているが、それらのうち軸5d,5e,5fには、夫々、歯車13,14,15が回転可能に取り付けられていて、上記の歯車12と共に歯車列を構成している。そして、歯車15は、ミラーボックス5側の面にカム盤15aを一体的に形成している。更に、図示していないが、ミラーボックス5には、歯車15の回転位置を電気的に検出する検出手段が設けられている。
【0019】
また、軸5gには、ミラー作動部材16が回転可能に取り付けられていて、図示していないばねによって図2において時計方向へ回転するように付勢されている。そして、そのばねの付勢力は、上記した可動ミラー6に掛けられいるばねの付勢力よりも大きい。そのため、ミラー作動部材16の一方の腕部は、常にカム盤15aのカム面に接触しており、他方の腕部には、可動ミラー6の被操作ピン6bが接触するようになっている。
【0020】
次に、ミラーボックス5の背面側(撮影者側)にある構成を説明する。図2に示すように、ミラーボックス5の背面には、シャッタ地板17をねじ18,19で螺止することによって、シャッタユニットが取り付けられている。また、シャッタユニットを取り付けたミラーボックス5は、ねじ20,21によってカメラ本体22に取り付けられている。そして、そのカメラ本体22には、固体撮像素子23が取り付けられていて、その撮像面を、シャッタユニットによって形成された撮影光路用開口に臨ませている。また、カメラ本体22の背面には、液晶表示装置24が取り付けられていて、そこに表示された画像を撮影者が観察できるようになっている。
【0021】
次に、本実施例に用いられているフォーカルプレンシャッタのユニット構成を、主に図2及び図5を用いて説明する。図2に示すように、シャッタ地板17の背面側には、補助地板25が、シャッタ地板17との間に所定の間隔を空け、適宜な手段によって取り付けられている。また、シャッタ地板17と補助地板25の間には、中間板26が周知の手段によって取り付けられており、シャッタ地板17と中間板26の間に後羽根の羽根室を構成し、補助地板25と中間板26の間に先羽根の羽根室を構成している。
【0022】
周知のように、シャッタ地板17には、長方形を横長にした開口部17aが形成されているが、図5においては、その左側の一部が示されている。また、上記の補助地板25と中間板26にも、その開口部17aと重なる位置に、類似の形状をした開口部25a,26a(図2参照)が形成されている。シャッタユニットとしての撮影光路用開口は、それらの三つの開口部17a,25a,26aによって合成されることもあるが、本実施例の場合には、シャッタ地板17の開口部17aだけで、その撮影光路用開口を規制している。
【0023】
図5において、シャッタ地板17の上方位置と下方位置に、孔17b,17cが形成されているが、これらの孔17b,17cは、上記のねじ18,19によってシャッタユニットをミラーボックス5へ取り付けるためのものである。また、シャッタ地板17には、開口部17aの左側に、円弧状の二つの長孔17d,17eが形成されている。そして、それらの上端部には、周知のようにして、平面形状がC字状をしたゴム製の緩衝部材27,28を取り付けてある。
【0024】
シャッタ地板17の表面側(被写体側)の面には、軸17f,17g,17h,17iが立設されており、背面側には、軸17j,17k,17m,17nが立設されているが、それらのうち、軸17f,17jは同軸上に配置され、軸17g,17kも同軸上に配置されている。そして、軸17f,17g,17hの先端には、二点鎖線で示した支持板29が、シャッタ地板17と平行になるようにして取り付けられている。また、その支持板29には、シャッタ地板17側に先羽根用電磁石と後羽根用電磁石が取り付けられているが、図5においては、それらの鉄心30,31のみを二点鎖線で示してある。
【0025】
シャッタ地板17の軸17fには、合成樹脂製の先羽根用駆動部材32が回転可能に取り付けられていて、図示していない周知の先羽根用駆動ばねによって反時計方向へ回転するように付勢されている。この先羽根用駆動部材32は、被押動部32a,駆動ピン32b,取付部32cを有している。また、駆動ピン32bの断面形状は、根元部が円形をし、先端部が小判型をしており、その根元部が上記の緩衝部材27に当接し得るようになっていて、先端部は長孔17dを貫通し、羽根室側に突き出ている。また、取付部32cには、周知のように、図示していないばねを介在させて鉄片部材33が取り付けられており、上記した先羽根用電磁石の鉄心30に吸着され得るようになっている。
【0026】
シャッタ地板17の軸17gには、合成樹脂製の後羽根用駆動部材34が回転可能に取り付けられていて、図示していない周知の後羽根用駆動ばねによって反時計方向へ回転するように付勢されている。また、この後羽根用駆動部材34は、被押動部34a,駆動ピン34b,取付部34cを有している。そして、駆動ピン34bは、上記の駆動ピン32bと同じ形状をしていて、根元部が上記の緩衝部材28に当接し得るようになっており、先端部は長孔17eを貫通し、羽根室側に突き出ている。また、取付部34cには、周知のように、図示していないばねを介在させて鉄片部材35が取り付けられており、上記した後羽根用電磁石の鉄心31に吸着され得るようになっている。
【0027】
シャッタ地板17の軸17hには、合成樹脂製のセット部材36が回転可能に取り付けられている。このセット部材36は、カム面として形成した二つの押動部36a,36bを有していると共に、シャッタ地板17側の面には、歯車部36cを有している。また、二つの押動部36a,36bは、押動部36aの方が、押動部36bよりもシャッタ地板17側に形成されていて、セット部材36が回転したとき、先羽根用駆動部材32や、後羽根用駆動部材34の取付部34cなどに干渉せず、且つ後羽根用駆動部材34のシャッタ地板17側に設けられた被押動部34aを押せるようになっている。
【0028】
シャッタ地板17の軸17iには、合成樹脂製の歯車37が回転可能に取り付けられている。図5では正確に把握することができないが、この歯車37は、実際には2段歯車になっていて、支持板29側に形成されている歯がセット部材36の歯車部36cと噛合していて、シャッタ地板17側に形成されている歯は、はす歯である。また、シャッタ地板17に形成されている折曲部17pには、往復回転可能なモータ38が、ねじ39,40によって取り付けられており、その出力軸に取り付けられたウォーム38aが、上記の歯車37のはす歯に噛合している。尚、図面が複雑になるので図示を省略してあるが、歯車37とシャッタ地板17との間には検出手段(検出器)が備えられていて、歯車37の複数の回転位置を電気的に検出することが可能になっている。
【0029】
次に、各々の羽根室内に配置されている二つのシャッタ羽根(先羽根,後羽根)の構成を説明する。先ず、先羽根は、シャッタ地板17の軸17j,17mに回転可能に取り付けられた二つのアーム41,42と、それらの長さ方向に順に枢支された5枚の羽根43,44,45,46,47とで構成されていて、最先端に枢支された羽根47がスリット形成羽根となっている。そして、一方のアーム41には、図示していない周知の孔が形成されており、そこには、上記した先羽根用駆動部材32の駆動ピン32bの先端部が嵌合している。
【0030】
他方、後羽根の構成は、先羽根と同じであるが、先羽根を裏返した状態にして、羽根室内に配置されている。即ち、後羽根は、シャッタ地板17の軸17k,17nに回転可能に取り付けられた二つのアーム48,49と、それらの長さ方向に順に枢支された4枚の羽根50,51,52,53とで構成されていて、最先端に枢支された羽根53がスリット形成羽根となっている。そして、アーム48に形成されている図示していない孔には、後羽根用駆動部材34の駆動ピン34bの先端部が嵌合している。
【0031】
次に、本実施例の作動を説明するが、最初に、光学ファインダを選択して撮影する場合を説明する。その場合、摘み3の指標は、撮影者によって、図1に示されているように、外筐1に記された中黒の三角のマークに合わされている。そして、このとき、シャフト8に取り付けられている操作部材9は、図2及び図4に示されているように、可動ミラー6の被操作ピン6bには接し得ない位置を占めている。そのため、可動ミラー6はダウン状態となり、光学ファインダが機能し、被写体像が観察できるようになっている。また、ミラーボックス5の張出部5bに設けられている図示していない検出手段が、そのときの摘み3の回転位置を検出することによって、モータ11の駆動回路が機能し得るようになり、且つ液晶表示装置24による液晶ファインダ機能が得られないようになっている。但し、液晶表示装置24は、撮影済み画像を表示し得るようにはなっている。
【0032】
また、このとき、上記の図示していない検出手段が摘み3の回転位置を検出したことによって、フォーカルプレンシャッタは、図5に示す状態となっており、先羽根用駆動部材32は、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられ、駆動ピン32bが緩衝部材27に当接している。そのため、先羽根の5枚の羽根43〜47は重畳状態となって、開口部17aの上方位置に格納されている。他方、後羽根用駆動部材34は、その被押動部34aがセット部材36の押動部36aの周面に接触し、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力による反時計方向への回転を抑止されていると共に、鉄片部材35を鉄心31に接触させている。そのため、後羽根の4枚の羽根50〜53は重畳状態となって、開口部17aの下方位置に格納されている。従って、このときには、開口部17a(即ち、撮影光路用開口)は全開となっている。
【0033】
光学ファインダで被写体像を確認し、レリーズボタン4を押すと、先ず、二つのモータ11,38が起動されると共に、図5にそれらの鉄心30,31だけを示してある二つの電磁石に通電される。そこで先ず、図2においてモータ11が起動すると、歯車12〜14を介して歯車15が反時計方向へ回転し、ミラー操作部材16が、図示していないばねの付勢力によって、カム盤15aに追従して時計方向へ回転する。そのため、可動ミラー6が、被操作ピン6bを押されて反時計方向へ回転させられ、シャフト8と略平行なアップ状態になったとき、歯車15の回転位置を図示していない検出手段が検出することによって、モータ11が停止する。
【0034】
他方、図5においてモータ38が起動すると、ウォーム38a,歯車37を介してセット部材36が反時計方向へ回転する。それによって、先羽根用駆動部材32は、その被押動部32aをセット部材36の押動部36bに押され、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させられる。そのため、先羽根のアーム42が駆動ピン32bによって時計方向へ回転させられるので、5枚の羽根43〜47は、隣接する羽根同士の重なり量を少なくしつつ下方へ作動し、開口部17aを閉鎖していく。しかしながら、後羽根用駆動部材34は、このとき、被押動部34aがセット部材36の押動部36aに接触し続け、且つ鉄片部材35が鉄心31に吸着されているので、後羽根を作動させることはない。
【0035】
その後、先羽根が開口部17aを完全に閉鎖した状態が、図6に示された状態である。このとき、先羽根用駆動部材32は、その被押動部32aがセット部材36の押動部36bの周面に接触しており、且つ鉄片部材33は後羽根用電磁石の鉄心30に吸着されている。このような状態になったことを、シャッタ地板17と歯車37の間に設けられた図示していない検出手段が検出すると、その検出信号によって、モータ38が逆転させられると共に、固体撮像素子23に蓄積されていた電荷を放出する。また、モータ38が逆転されたことによって、セット部材35は、時計方向へ回転させられ、図5に示された位置を通過し、図7に示された位置まで回転させられる。そして、その位置まで達したことを、上記の検出手段が検出すると、モータ38が停止する。
【0036】
このように、可動ミラー6がアップ状態となってモータ11が停止し、且つ開口部17aの閉鎖後、セット部材36が図7に示された状態となってモータ38も停止すると、先ず、先羽根用電磁石に対する通電が断たれ、続いて所定時間後には、後羽根用電磁石に対する通電も断たれることによって、鉄片部材33,35に対する吸着保持力が順に解かれ、先羽根用駆動部材32と後羽根用駆動部材34とは、図示していない夫々の駆動ばねの付勢力によって、反時計方向へ順次急速に回転させられる。そのため、先羽根の5枚の羽根43〜47は、隣接した羽根同士の重なり量を大きくしながら上方へ作動し、後羽根の4枚の羽根50〜53は、隣接した羽根同士の重なり量を少なくしながら上方へ作動することによって、固体撮像素子23の受像面が、両者のスリット形成羽根47,53によって形成されたスリットにより、露光されていく。
【0037】
そして、先羽根用駆動部材32の駆動ピン32aが緩衝部材27に当接すると、先羽根の作動が停止し、5枚の羽根43〜47は重畳状態となって開口部17aの上方位置に格納され、続いて後羽根用駆動部材34の駆動ピン34bが緩衝部材28に当接すると、後羽根の作動も停止し、4枚の羽根50〜53は展開状態となって開口部17aを閉鎖する。そのようにして行われた露光作動の終了直後の状態が図7に示されている。その後、この閉鎖状態において、撮像情報が、固体撮像素子23から記憶装置に転送されると、直ちに二つのモータ11,38が起動させられる。
【0038】
先ず、モータ11が起動すると、歯車12〜14を介して歯車15が反時計方向へ回転させられるため、それまでカム盤15aに追従して時計方向へ回転していたミラー操作部材16が、今度はカム盤15aに押されて反時計方向へ回転させられる。そのため、可動ミラー6は、その被操作ピン6bがミラー操作部材16に追従して、図示していないばねの付勢力によって時計方向へ回転させられる。そして、可動ミラー6が図2に示されたダウン状態になると、歯車15の回転位置を図示していない検出手段が検出してモータ11が停止され、光学ファインダによる被写体像の観察が可能になる。
【0039】
他方、図7においてモータ38が起動すると、ウォーム38a,歯車37を介してセット部材36が反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根用駆動部材34が、その被押動部34aをセット部材36の押動部36aに押されて、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させられ、その駆動ピン34bによって後羽根のアーム48を時計方向へ回転させる。それによって、後羽根の4枚の羽根50〜53は、隣接する羽根同士の重なり量を大きくしながら下方へ作動し、開口部17aを開放していく。そして、開口部17を全開にし、4枚の羽根50〜53が開口部17aの下方位置に格納されると、セット部材36の押動部36bが先羽根用駆動部材32の被押動部32aを押し始める前に、上記の検出手段が検出してモータ38が停止され、図5の状態が得られる。従って、二つのモータ11,38が停止した後は、いつでも次の撮影が行えることになる。
【0040】
次に、液晶ファインダを選択して撮影する場合を説明する。この場合は、図1において摘み3を時計方向へ約90度回転させ、指標を、白抜きの三角のマークに合わせる。それによって、シャフト8に取り付けられている操作部材9が、可動ミラー6の被操作ピン6bを押し上げ、図3に示されているように、可動ミラー6をアップ状態にして、光学ファインダが機能しないようにする。また、ミラーボックス5の張出部5bに設けられている図示していない検出手段が、そのときの摘み3の回転位置を検出して、液晶表示装置24を利用した液晶ファインダ機能が得られるようにすると共に、モータ11の駆動回路が機能しないようにし、且つフォーカルプレンシャッタを図5の状態にしている。従って、そのような選択操作が行われたときから、液晶表示装置24による被写体像の観察が可能になる。また、フォーカルプレンシャッタは、液晶ファインダを選択した場合でも、レリーズ後は、上記の光学ファインダを選択した場合と同様の作動をする。従って、その作動説明は省略する。
【0041】
ところで、上記のような本実施例の構成及び作動説明からも分かるように、液晶ファインダを選択した場合には、モータ11,歯車12〜15,ミラー操作部材16などのミラー駆動手段は静止している。従って、それらの作動によって磨耗粉は発生しない。ところが、モータ38,ウォーム38a,歯車37,セット部材36,先羽根用駆動部材32,後羽根用駆動部材34などのシャッタ駆動手段は作動するから、それによって磨耗粉を発生させる。しかも、図3〜図5の対比からも分かるように、シャッタ駆動手段は、ミラーボックス5の窓部5aの近傍に配置されている。そのため、特許文献1に記載されているように、液晶ファインダを使用している場合においても可動ミラー6を作動させると、シャッタ駆動手段から発生して浮遊している磨耗粉が、窓部5aからミラーボックス5内に引き込まれ、固体撮像素子23の受像面に付着するものが出てくるが、本実施例では、そのような事態は生じない。
【0042】
また、本実施例の場合には、ミラー駆動手段の駆動源がモータ11であり、シャッタ駆動手段の駆動源がモータ38であるが、シャッタの構成によっては、特許文献1に記載されているように、ミラー駆動手段の駆動源とシャッタ駆動手段の駆動源とを、一つのモータ11で兼ねさせる場合がある。ところが、そのような構成にした場合には、液晶ファインダを選択した場合であっても、本実施例における歯車12〜15やミラー操作部材16などを常に作動させることになるため、本実施例の場合よりも磨耗粉を多く発生させるおそれがある。従って、そのような構成にした場合にこそ、本実施例のように、可動ミラー6を作動させないようにすると、その効果が大きくなる。更に、本実施例は、液晶ファインダを用いる場合、撮影のたびに可動ミラー6を作動させないので、可動ミラー6の耐久性の点で有利になることは言うまでもない。
【0043】
尚、上記の作動説明においては、光学ファインダを用いて撮影するときも、液晶ファインダを用いて撮影するときも、シャッタ自体の作動シーケンスは同じ場合で説明したが、本実施例の構成のままでも、モータ38の制御方法を変えるだけで、光学ファインダを用いて撮影する場合におけるシャッタの作動シーケンスを、上記とは異なるようにすることができる。そこで、上記した作動シーケンスを第1の作動シーケンスと称し、それと異なる作動シーケンスを第2の作動シーケンスと称して、以下に、その第2の作動シーケンスによるシャッタの作動だけを説明する。
【0044】
上記のように、液晶ファインダを用いて撮影をしているときの撮影待機状態は、図5に示された状態である。この状態において、摘み3の指標を中黒の三角のマークに合わせると、そのときの摘み3の回転位置を検出して、モータ11が機能し得るようになると共に、モータ38が直ちに起動し、セット部材36を反時計方向へ回転させて、図6の状態にする。その結果、第2の作動シーケンスにおいては、この図6に示された状態が、次の撮影の待機状態となる。第1の作動シーケンスの場合と異なり、このように先羽根によって撮影光路用開口(開口部17a)を閉鎖していても、液晶ファインダを用いないので全く問題はない。しかも、撮影時以外においては常に閉鎖状態にしておくことによって、固体撮像素子23の性能劣化を防止できるし、先羽根に露光作動を早く行わせることも可能になる。
【0045】
撮影に際しては、可動ミラー6がアップ状態になった後、図6の状態から露光作動が開始され、その後、図7の状態で終了するまでは、第1の作動シーケンスの場合と同じである。そして、図7の状態で、撮像情報が記憶装置に転送されると、モータ38が起動してセット部材36を反時計方向へ回転させるが、そのときには、図5の状態になっても停止せず、一挙に図6の状態になって停止する。従って、その後、光学ファインダを用いて撮影を続ける限りにおいては、このシーケンスが繰り返されることになる。また、図6の状態において、液晶ファインダを用いて撮影を行うことになった場合、摘み3を白抜きの三角マークに合わせると、今度はその摘み3の回転位置を検出することによって、モータ11が機能し得ない状態になると共に、モータ38が直ちに起動され、セット部材36を一旦図7の状態まで回転させておいてから図5の状態まで逆転させ、第1の作動シーケンスの場合の撮影待機状態とする。
【0046】
このように、光学ファインダを用いて撮影するときには、二つの作動シーケンスのどちらか一方で行うように製作することができるが、図1において、摘み3を反時計方向へ約90度回転させることを可能にし、且つ黒塗りの三角マークに合わせたときとは異なる検出信号を検出できるようにすることによって、それらの二つの作動シーケンスを選択できるように製作することも可能である。また、摘み3が、液晶ファインダを用いて撮影するように選択している場合でも、カメラの電源スイッチをオフにしたときには、図7の状態にし、オンにしたときには図5の状態にして、固体撮像素子23の性能劣化を防止するようにすることも可能である。
【0047】
更に、本実施例のフォーカルプレンシャッタは、先羽根,後羽根と称した二つのシャッタ羽根を備えているが、いずれか一方だけを備えたフォーカルプレンシャッタとしても機能させることができる。そこで、図5及び図7において、先羽根や先羽根用駆動部材32などの先羽根系の部材を備えておらず、しかも、セット部材36に押動部36bが形成されていないフォーカルプレンシャッタを想定し、その場合における作動を簡単に説明する。尚、光学ファインダを選択した場合における可動ミラー6の作動は、上記に準じて行われるので、その説明は省略する。また、光学ファインダを選択した場合でも、液晶ファインダを選択した場合でも、上記の場合と同様に、シャッタの作動自体は同じである。更にまた、この場合には、シャッタ羽根が一つであるから、用語上、後羽根という概念は存在しない。しかしながら、各部材の名称は上記の場合のままで説明する。
【0048】
撮影に際してレリーズボタン4が押されると、後羽根用電磁石に通電され、鉄片部材35が鉄心31に吸着保持される。また、上記電磁石への通電と同時にモータ38へも通電されるが、この場合には、上記の実施例の場合と異なり、セット部材36が時計方向へ回転させられ、図7の状態で停止させられる。このとき、セット部材36の押動部36aが後羽根用駆動部材34の被押動部34aから離れるが、鉄片部材35が鉄心31に吸着されたままなので、開口部17aは全開のままである。
【0049】
このようにして、セット部材36の回転が停止すると、制御回路からの電気信号によって固体撮像素子23の電荷が放出され、撮影のための露光が開始する。そして、所定の時間が経過すると、後羽根用電磁石に対する通電が断たれるので、鉄片部材35に対する吸着力が失われ、後羽根用駆動部材34は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられ、図7に示されたように、4枚の羽根50〜53によって開口部17aを閉鎖させる。そして、この閉鎖状態において、撮像情報が、固体撮像素子23から記憶装置に転送される。
【0050】
撮像情報の転送が終了すると、モータ38が起動され、セット部材36が反時計方向へ回転させられる。そのため、後羽根用駆動部材34は、その被押動部34aをセット部材36の押動部36aに押され、図示していない駆動ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させられる。そして、図5に示されているように、4枚の羽根50〜53が開口部17aを全開にして、その下方位置に格納され、且つ鉄片部材35が後羽根用電磁石の鉄心31に接触すると、モータ38が停止させられ、次の撮影に備えることになる。尚、本実施例では、摘み3によって手動で操作部材9を回転させているが、適宜な外部スイッチによって起動させられるモータなどの電磁装置によって回転させても差し支えない。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、可動ミラーと、フォーカルプレンシャッタと、光学ファインダと、液晶ファインダとを備えたデジタルスチルカメラにおいて、液晶ファインダを選択して撮影をする場合には、撮影に際して、可動ミラーがアップ・ダウン作動を行わないようにしたので、可動ミラーの耐久性が向上するほか、シャッタ駆動手段やミラー駆動手段などから発生した磨耗紛が、ミラーボックスを経由して固体撮像素子に付着するのを、好適に抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のカメラを外部から見た斜視図である。
【図2】図1のカメラを略A−A線で切断し、内部構成の要部だけを示した説明図であって、光学ファインダを使用して撮影を行う場合を示したものである。
【図3】図2と同様に、図1のカメラを略A−A線で切断し、内部構成の要部だけを示した説明図であって、液晶ファインダを使用して撮影を行う場合を示したものである。
【図4】図1のカメラを略B―B線で切断し、内部構成の要部だけを示した説明図であって、図2と同じ状態を示したものである。
【図5】実施例に用いられているフォーカルプレンシャッタの正面図であって、撮影光路用開口が全開されているセット状態を示したものである。
【図6】実施例に用いられているフォーカルプレンシャッタの正面図であって、レリーズ直後に先羽根が撮影光路用開口を閉鎖した露光作動開始前の状態を示したものである。
【図7】実施例に用いられているフォーカルプレンシャッタの正面図であって、後羽根が撮影光路用開口を閉鎖した露光作動終了直後の状態を示したものである。
【符号の説明】
1 外筐
2 レンズ取付部
3 摘み
4 レリーズボタン
5 ミラーボックス
5a 窓部
5b,5c 張出部
5d,5e,5f,5g,17f〜17k,17m,17n 軸
6 可動ミラー
6a 軸部
6b 被操作ピン
7 ファインダ光学系
8 シャフト
9 操作部材
10 取付台
11,38 モータ
12,13,14,15,37 歯車
15a カム盤
16 ミラー作動部材
17 シャッタ地板
17a,25a,26a 開口部
17b,17c 孔
17D,17e 長孔
17p 折曲部
18,19,20,21,39,40 ねじ
22 カメラ本体
23 固体撮像素子
24 液晶表示装置
25 補助地板
26 中間板
27,28 緩衝部材
29 支持板
30,31 鉄心
32 先羽根用駆動部材
32a,34a 被押動部
32b,34b 駆動ピン
32c,34c 取付部
33,35 鉄片部材
34 後羽根用駆動部材
36 セット部材
36a,36b 押動部
36c 歯車部
38a ウォーム
41,42,48,49 アーム
43,44,45,46,47,50,51,52,53 羽根

Claims (2)

  1. 少なくとも一つのシャッタ羽根と該シャッタ羽根を作動させるシャッタ駆動手段とを有するフォーカルプレンシャッタと、可動ミラーがダウン状態のとき撮影しようとする被写体像を観察して撮影することの可能な光学ファインダと、前記可動ミラーがアップ状態であって前記シャッタ羽根が撮影光路用開口を全開にしている状態のとき撮影しようとする被写体像を観察して撮影することの可能な液晶ファインダと、前記可動ミラーのアップ・ダウン作動を可能にするミラー駆動手段と、前記光学ファインダを用いて行う撮影と前記液晶ファインダを用いて行う撮影とを選択し得る切換手段と、を備えていて、前記切換手段は、前記光学ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記可動ミラーに接しない位置を占めていて前記可動ミラーと前記ミラー駆動手段との連動を可能にしており前記液晶ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記ミラー駆動手段との連動関係を断ち前記可動ミラーを強制的にアップ状態にし続ける第1手段と、前記光学ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記液晶ファインダでの被写体像の観察を不能にしており前記液晶ファインダを用いて行う撮影を選択しているときは前記ミラー駆動手段の作動を不能にすると共に少なくとも被写体像の観察時には前記シャッタ羽根を前記撮影光路用開口の全開状態にしておく第2手段とを有していることを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  2. 前記第1手段が、前記可動ミラーをアップ状態に押動するためのカム形状をした操作部材であり、前記第2手段は、該操作部材の回転位置を検出するための検出器からの信号を入力信号にしていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルスチルカメラ。
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