JP3990082B2 - レンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絞りの切り替えに必要な時間を確保するための遅延機構を備えたレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
簡易型カメラの一種として、撮影レンズやシャッタ機構などの簡単な撮影機構が組み込まれ、写真フイルムが予め装填された、レンズ付きフイルムユニットが本出願人から製造販売されており、ユーザーは良い画質のプリント写真を手軽に撮ることが可能である。このレンズ付きフイルムユニットでは、構造を簡単化して製造コストの削減を図るため、撮影レンズは固定焦点式となっており、絞り開口も固定されている。このため、被写体の明るさによっては、露出アンダーや露出オーバーが発生するおそれがある。
【0003】
一方、多くのカメラには、被写体を測光して自動的に絞りを切り替える露出制御機構が装備されており、常に最適な露光量を確保することができる。このような露出制御機構は、シャッタボタンの半押し時に測光と絞り切り替えを行い、全押し時にシャッタ羽根が作動するようになっている。ここで、絞りの切り替えが完了するまで一定の時間が必要となるが、この時間は半押し操作によって確保されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような露出制御機構をレンズ付きフイルムユニットに組み込むと、煩雑な半押し操作を撮影者に強制することとなり、レンズ付きフイルムユニットの大きな特長である操作の簡便性が失われてしまう。また、上記機構を備えたレンズ付きフイルムユニットを鞄の中に入れて持ち運ぶ際、鞄の中にある凸形の物体がレンズ付きフイルムユニットのシャッタボタンと当接して、シャッタボタンが半押し状態となる場合がある。この場合では、レンズ付きフイルムユニットは測光を行っており、電池が無駄に消耗されることとなるため、電池の交換ができないレンズ付きフイルムユニットでは致命的な問題となる。
【0005】
さらに、レンズ付きフイルムユニットのような簡易なカメラは、安価に提供できることも大きな特長となっている。このため、電子回路のような、複雑で高価な機構を用いることはできない。
【0006】
本発明はこれらの問題点を考慮してなされたもので、簡素な構成であり、煩雑な操作を伴うことなく絞りの切り替えを確実に行うことができ、さらに、電池の無駄な消耗を防止できるレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置は、被写体輝度を測定する測光手段からの測光信号に応じて絞りを切り替える絞り切り替え手段とともに用いられ、シャッタボタンの押圧によってシャッタレバーをチャージ位置からレリーズ位置に向かってバネの付勢により移動させ、その移動の間にシャッタ羽根を蹴飛ばして写真フイルムへの露光を行う蹴飛ばし方式で動作し、写真フイルムが予め装填されたレンズ付きフイルムユニットに用いられるシャッタ装置において、シャッタレバーをバネの付勢に抗してチャージ位置に保持する保持位置と、シャッタレバーの保持を解除してシャッタレバーをバネの付勢によりレリーズ位置へと移動させる保持解除位置との間で可動の停止レバーと、測光手段を作動させる測光スイッチと、シャッタボタンの押圧によって駆動され、測光スイッチを押圧して当該測光スイッチをオンした後、停止レバーに当接して当該停止レバーを保持位置から保持解除位置に向けて移動させながら駆動し、絞り切り替え手段による絞りの切り替えが完了した後に停止レバーを保持解除位置へと移動させる停止解除レバーとを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載のレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置は、停止解除レバーは、フイルムの給送をロックする巻き止めレバーによって拘束されており、シャッタボタンの押圧によって巻き止めレバーが回動して、停止解除レバーの拘束を解除することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載のレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置は、シャッタレバーと停止解除レバーとは、ともに同じ軸を中心として回動自在となっており、停止解除レバーのチャージに連動して、シャッタレバーがチャージ位置へと移動することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、簡易型カメラの一種である、レンズ付きフイルムユニットを例にして説明する。図1に示すように、レンズ付きフイルムユニットは、ユニット本体10と、このユニット本体10の外周に巻き付けられる外装ラベル11からなる。ユニット本体10の前面には、撮影レンズ12、ファインダ13、ストロボ発光部14、ストロボスイッチ15、受光素子16が設けられている。ユニット本体10の上部には、シャッタボタン17、フイルムカウンタ20、充電完了確認窓21が設けられ、背部には巻き上げノブ22の一部が外部に露呈されている。
【0011】
図2に示すように、ユニット本体10は、本体基部23、露光ユニット24、ストロボユニット25、カートリッジ本体26、写真フイルム27と、これらを覆う前カバー30、後カバー31から構成されている。本体基部23は、写真フイルム27の露光範囲を決定する露光枠32と、カートリッジ本体26を収納するカートリッジ収納室33と、このカートリッジ収納室33から引き出され、ロール状に巻かれた写真フイルム27を収納する写真フイルム収納室34とで構成される。また、カートリッジ収納室34の上部には巻き上げノブ22が取り付けられている。なお、写真フイルム27のタイプとしては、IX240タイプのものでも良いし、135タイプのものであっても良い。
【0012】
巻き上げノブ22は、その下部に設けられた軸(図示せず)が、カートリッジ本体26に形成されたスプール26aと係合している。また、写真フイルム27は、その先端部がスプールに形成されたスリットに入り込んで固定されている。このため、巻き上げノブ22を回転とともにスプール26aが回転し、このスプール26aに固定された写真フイルム27が給送される。
【0013】
前カバー30は、本体基部23の前面に設けられており、撮影レンズ12、ファインダ13などを外部に露呈する開口が形成されている。後カバー31は本体基部23の背後に設けられ、前カバー30とともにユニット本体10の内部を光密に覆っている。後カバー31には底蓋35a,35bが一体に形成され、カートリッジ本体26及び写真フイルム27の底部を光密に覆っている。また、底蓋35aは撮影済みのカートリッジ本体26を外部に取り出す際に開放される。
【0014】
ストロボユニット25は、露光ユニット24の横に配置されており、ストロボ回路が形成されたプリント基板36と、このプリント基板36に取り付けられるストロボ発光部14、コンデンサ37、電池38、シンクロスイッチ39から構成されている。ストロボ回路は、電池38の電圧を昇圧して、コンデンサ37を充電するための回路であり、プリント基板36に設けられた押しスイッチ40を押し下げることによって作動する。
【0015】
ストロボスイッチ15は、ストロボ回路のオン・オフを切り替えるために上下にスライド自在に設けられており、その背面にはクリック止め用の補助板41が配置されている。ストロボスイッチ15を図中上方へスライドさせると、押しスイッチ40がオンし、ストロボ回路が作動してコンデンサ37への充電が行われる。コンデンサ37の充電が完了すると充電完了確認窓21に設けられた発光ダイオードが点滅する。その後、シンクロスイッチ39がオンすると、コンデンサ37からストロボ発光部14に設けられた放電管へと電流が流れ、被写体に対してストロボ光が照射される。
【0016】
露光ユニット24は、本体基部23の前面に取り付けられている。この露光ユニット24は、図3に示すように、暗箱42、シャッタカバー43、シャッタ羽根44、絞り板45、電磁石46から構成される。暗箱42の前面には、被写体光を露光枠32の内部へと導くシャッタ開口47が形成され、暗箱42の上部には、シャッタレバー50をチャージするシャッタ機構などが設けられている。シャッタカバー43には固定絞り開口51が形成された鏡胴が設けられ、その鏡胴には撮影レンズ12が嵌め込まれている。
【0017】
シャッタ羽根44は、羽根部44aと取付部44bとから構成され、取付部44bに形成された開口を中心として回動自在となるように暗箱42に取り付けられている。シャッタ羽根44は、バネ52の付勢によって羽根部44aが光軸を塞ぐ位置に保持されている。また、取付部44bの先端には、蹴飛ばし用の突起44cが形成されており、シャッタレバーがこの突起44cを蹴飛ばすことにより、シャッタ羽根44がバネ52の付勢に抗して図中時計方向に回転する。その後、バネ51の付勢によってシャッタ羽根44は元の位置に戻るまでの間、シャッタ開口47が開かれて露光が行われる。シャッタ羽根44の開閉時間、すなわちシャッタスピードは、設計時に設定された一定値(例えば、1/60sec)で固定される。また、シャッタ羽根44が回転する際、取付部44bがシンクロスイッチ39と当接するようになっており、露光と同時にストロボ光が被写体に照射される。
【0018】
絞り板45は、シャッタ開口47とシャッタ羽根44の間に配置され、回動自在となるように暗箱42に取り付けられている。絞り板45には、固定絞り開口51に対して小径の小絞り開口53が形成されている。絞り板45は、図4(A)に示すように、バネ54の付勢によって小絞り開口53が光軸から退避した第1の位置で保持される。なお、符号55は、絞り板45が第1の位置で停止するように、暗箱42に設けられたストッパーである。
【0019】
電磁石46は、暗箱42に固定されており、その先には測光回路56が設けられている。測光回路56は、受光素子16とともにプリント基板36(図2参照)に形成されており、測光スイッチ57がオンすることにより、電池38から電源が供給されて作動する。受光素子16は、被写体輝度の測定を行っており、測光回路56は被写体輝度が基準値以上であることを検出したときに、電磁石46を通電する。絞り板45の一端には鉄片60が取り付けられており、電磁石46が通電すると、電磁石46と鉄片60との間に磁気的吸引力が発生する。すると、図4(B)に示すように、絞り板45は小絞り開口53が光軸上に挿入される第2の位置へと移動し、電磁石46と鉄片60とが接触して、絞り板45がこの第2の位置で停止する。
【0020】
また、露光中に絞り板45が移動して露光不良が発生するのを防止するために、測光回路56は、受光素子16からの測光信号を一定時間(100ms〜200ms程度)保持するようになっている。つまり、測光回路56は、被写体輝度が所定値以上であることを判断して絞り板45を第2の位置へと移動させたとき、露光中に被写体輝度が減少しても絞り板45を同じ位置に保持し続ける。一方、被写体輝度が所定値以下であると判断したときは、露光中に被写体輝度がアップしても電磁石46を通電せず、絞り板45を第1の位置に保持し続ける。
【0021】
図5にシャッタ機構の構造を示す。シャッタ機構は、シャッタレバー50、係止解除レバー61、停止レバー62、レリーズレバー63、カム64から構成されており、これらは全て回動自在となるように暗箱42の上部に取り付けられている。
【0022】
カム64には、レリーズレバー63をロックするための切り欠き開口64aが形成された円板と、シャッタレバー50と当接する扇形状の凸部64bとが設けられている。カム64の軸は、暗箱42の内部に配置されたスプロケット65に取り付けられている。また、写真フイルム27に形成されているパーフォレーション27a(図2参照)がスプロケット65の歯と噛み合っているため、巻き上げノブ22を巻き上げて写真フイルム27を給送すると、スプロケット65とカム64とが図中反時計方向に回転する。
【0023】
シャッタレバー50は、シャッタ羽根44を蹴飛ばすためのシャッタ突起50a、停止解除レバー61と係合する溝50b、トーションバネ(後述65,71)を保持する支柱50c、停止レバー62と当接するカム面50dから構成されている。シャッタレバー50は、シャッタチャージがなされたときにチャージ位置へと移動し、シャッタレリーズ操作によってレリーズ位置へと移動する。また、シャッタ突起50aの回転軌道内には、シャッタ羽根44の先端部44cが配置されており、シャッタレバー50がチャージ位置からレリーズ位置へと移動する間にシャッタ羽根44の先端部44cが蹴飛ばされ、露光が行われる。
【0024】
停止解除レバー61は、フック61a、スイッチ押圧部61b、上部突起61c、下部突起61d、解除部61eから構成され、シャッタレバー50と同じ軸に保持されている。停止解除レバー61の上部には、トーションバネ65が取り付けられている。このトーションバネ65の一端はフック61aに当接しており、他端はシャッタレバー50の支柱50cに当接している。フック61aは、カム64の凸部64bと当接するように設けられており、カム64が図中反時計方向に回転すると、フック61aが凸部64bによって押されるため、停止解除レバー61は図中時計方向に回転する。
【0025】
停止解除レバー61の下部突起61dは、スイッチ押圧部61bの下部に設けられ、シャッタレバー50の溝50bに入り込めるようになっている。また、スイッチ押圧部61bの回転軌道内には、測光スイッチ57の接片が挿入されている。停止解除レバー61が回転すると、スイッチ押圧部61bが測光スイッチ57に当接して測光スイッチ57がオンされ、測光回路56が作動する。また、停止解除レバー61の回動範囲を制限するために、暗箱42にはストッパー66が設けられている。
【0026】
停止レバー62は、シャッタレバー50及び停止解除レバー61と当接するように配置されており、その一端には圧縮バネ67が取り付けられている。停止レバー62は、停止解除レバー61の解除部61eと当接する上段部62aと、シャッタレバー50のカム面50dと当接する下段部62bとの二段構造となっている。停止レバー62は、その下段部62bがシャッタレバー50のカム面50dの回転軌道上に挿入され、シャッタレバー50をチャージ位置に保持する挿入位置と、カム面50dの回転軌道上から退避して、シャッタレバー50のレリーズ位置への移動を許容する退避位置との間で回転自在である。そして、停止レバー62は、圧縮バネ67の付勢によって、常に挿入位置方向に付勢を受けている。
【0027】
レリーズレバー63は、レリーズ部63a、係止爪63b、巻止め部63c、突起63dから構成され、暗箱42に一体に形成された軸70によって保持されている。レリーズレバー63の下部には、トーションバネ71が配置されている。このトーションバネ71は、軸70に形成された突起70aの上に支持されており、その一端がレリーズ部63aに保持されており、他端はシャッタレバー50の支柱50cに当接している。
【0028】
レリーズレバー63の係止爪63bは、カム64の切り欠き開口64bの中に入り込んでレリーズレバー63を保持するために設けられる。巻止め部63cは、レリーズレバー63が図中時計方向に回転したときに巻き上げノブ22の周囲に形成された溝と係合して、巻き上げノブ22の回動をロックする。突起63dは、レリーズレバー63の下部に取り付けられており、シャッタチャージがなされたときに停止解除レバー61の上部突起61cと当接して、停止解除レバー61の回動を阻止する。また、シャッタボタン17が押し下げられると、シャッタボタン17と一体に設けられた突起(図示せず)によってレリーズ部63aが押され、レリーズレバー63はトーションバネ71の付勢に抗して図中反時計方向に回転する。
【0029】
図6にシャッタ機構の概略図を示す。同図は、シャッタチャージが行われる前の状態を示したものである。停止解除レバー61はトーションバネ65の付勢を受けており、解除部61eがストッパー66に当接した状態で停止している。シャッタレバー50は、停止解除レバー61の下部突起61dが溝50bの内部に入り込んだ状態で保持されており、レリーズレバー63は、突起63dが停止解除レバー61の上部突起61cと当接した状態で停止している。また、停止レバー62は、上段部62aが停止解除レバー61の解除部61eと当接した状態で退避位置に保持されている。
【0030】
巻き上げノブ22を回動すると、スプロケット65とともにカム64が図中反時計方向に回転する。そして、カム64の凸部64bが停止解除レバー61のフック61aと当接し、図7に示すように、停止解除レバー61はトーションバネ65の付勢に抗して図中時計方向に回転する。さらに、停止解除レバー61の下部突起61dがシャッタレバー50の溝50bを押すため、シャッタレバー50はトーションバネ71の付勢に抗して図中時計方向に回転する。また、レリーズレバー63の突起63dが停止解除レバー61の上部突起61cと当接しているため、レリーズレバー63は移動することができない。
【0031】
その後、シャッタレバー50がチャージ位置に達すると、停止解除レバー61の上部突起61cがレリーズレバー63の突起63dの回転軌道外に移動するため、レリーズレバー63はトーションバネ71の付勢によって図中時計方向に回転する。そして、図8に示すように、レリーズレバー63の係止爪63bがカム64の切り欠き開口64aの内部に入り込むと同時に巻止め部63cが巻き上げノブ22の周囲に形成された溝と嵌合して、レリーズレバー63がロックされる。
【0032】
このとき、係止解除レバー61のフック61aがカム64の凸部64bから離れており、シャッタレバー50及びレリーズレバー63が図中時計方向に回転しようとする。しかし、停止レバー62が挿入位置に入り込んでおり、停止レバー62の下段部62bがシャッタレバー50のカム面50dと当接するため、シャッタレバー50の回動がロックされる。また、レリーズレバー63の回転により、突起63dが停止解除レバー61の上部突起61cの回転軌道内に挿入されており、停止解除レバー61の回動もロックされる。このため、シャッタレバー50がチャージ位置に保持された状態でシャッタチャージが完了する。
【0033】
シャッタチャージがなされた状態でシャッタボタン17を押し下げると、レリーズレバー63のレリーズ部63aがシャッタボタン17によって図中反時計方向に押されるため、図9に示すように、レリーズレバー63はトーションバネ71の付勢に抗して図中反時計方向に回転する。そして、レリーズレバー63の突起63dと停止解除レバー61の下部突起61dとの係合が解除されるため、停止解除レバー61はトーションバネ65の付勢によって、図中反時計方向に回動を開始する。停止解除レバー61が回動すると、スイッチ押圧部61bが測光スイッチ57の接片に接触し、測光スイッチ57がオンして測光が開始される。また、停止解除レバー61は、解除部61eが停止レバー62の上段部62aを押しながら回動するため、停止レバー62は圧縮バネ67の付勢に抗して挿入位置から退避位置へと移動を開始する。一方、シャッタレバー50は、カム面50dが停止レバー62の下部突起62bと当接しているため、チャージ位置に保持されている。
【0034】
その後、停止解除レバー61が一定量回転して、停止レバー62が退避位置へと移動すると、下部突起62bとシャッタレバー50のカム面50dとの係合が解除される。ここで、トーションバネ71は、トーションバネ65よりも付勢が強いものが用いられているため、シャッタレバー50はトーションバネ71の付勢によって、チャージ位置からレリーズ位置へと移動を開始する。そして、図10に示すように、シャッタレバー50の移動の際に、シャッタ羽根44の突起44cがシャッタ部50aによって蹴飛ばされ、露光が行われる。
【0035】
本実施形態のシャッタ装置では、測光スイッチ57がオンした後、露光が行われるまでに、停止解除レバー61が一定量回転するためのタイムラグが発生している。トーションバネ65の強度や各部材の形状を最適化して、このタイムラグを絞り板45の移動に必要な時間である、10ms程度となるように調節することで、絞りの切り替えを確実に行った後に露光を行うことができる。
【0036】
以下、上記構成による作用について説明する。撮影者は、巻き上げノブ22を回転して、未露光の写真フイルム27を露光枠32の内部にセットする。巻き上げノブ22の回転とともに、シャッタレバー50がチャージされる。写真フイルム27がちょうど一コマ分巻き上げられると、レリーズレバー63の巻止め部63cが巻き上げノブ22の溝に嵌合するため、写真フイルム27の給送が終了する。このとき、シャッタボタン17を押し下げない限り測光スイッチ57がオンされないため、電池38の無駄な消耗が抑えられる。
【0037】
撮影者は被写体のフレーミングを行った後、シャッタボタン17を押し下げて撮影を行う。すると、停止解除レバー61が移動を開始すると同時に測光スイッチ57がオンして、測光が行われる。測光回路56では、受光素子16からの測光信号から絞り板45を移動させるか否かの決定がなされ、絞りの切り替えが行われる。その後、シャッタレバー50の係合が解除され、シャッタレバー50が移動を開始する。そして、シャッタ羽根44が蹴飛ばされ、写真フイルム27への露光が行われる。
【0038】
室内撮影のように、被写体の明るさが充分でない場合は、バネ54の付勢によって絞り板45は第1の位置に保持されているため、固定絞り開口51を通した露光となる。この場合では、露光量がアップするため、露出アンダーが生じることなく、適正露出でのプリント写真を得ることができる。
【0039】
一方、晴れた日での屋外撮影のように、被写体が非常に明るい場合では、絞り板45は第2の位置に移動しているため、小絞り開口53を通した露光となる。小絞り開口53により露光量が適正値へと低減されるため、露出オーバーが発生することなく撮影を行うことができる。
【0040】
また、夜間等の非常に暗い状況下では、撮影者は、ストロボスイッチ15をオンしてコンデンサ37への充電を行い、充電完了確認窓21の点滅により充電の完了を検知した後、シャッタボタン17を押し下げて撮影を行う。すると、シャッタ羽根44の回転とともに、シンクロスイッチ39が閉じられ、ストロボ発光部14からのストロボ光が被写体へと照射される。このストロボ撮影の場合では、測光時における被写体輝度は所定値以下となっており、電磁石46には電流が流れないため、固定絞り開口51を通した露光となる。
【0041】
上記実施形態では、被写体輝度が高い場合に小絞り開口53が光軸上に挿入される例について説明したが、これとは逆に、被写体輝度が低い場合に小絞り開口53が光軸上から退避する構造にしてもよい。
【0042】
上記実施形態では、小絞り開口53のみが形成された絞り板45を用いた場合について説明したが、大小二つの絞り開口が形成された絞り板を用いてもよい。この場合では、被写体輝度の大小に応じて小絞り開口と大絞り開口のいずれか一方を光軸上に挿入することによって、絞りの切り替えを行うことができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置では、シャッタボタンの押圧によって停止解除レバーが駆動し、測光スイッチを押圧して測光スイッチをオンした後、シャッタレバーを保持する停止レバーに当接して、停止レバーを保持位置から保持解除位置に向けて移動させながら駆動し、絞り切り替え手段による絞りの切り替えが完了した後に停止レバーを、シャッタレバーの保持を解除する保持解除位置へと移動させるようにしたから、煩雑な操作を伴うことなく、絞りの切り替えを確実に行うことができる。さらに、シャッタ操作がなされた場合にのみ測光回路が作動するため、電池の無駄な消耗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの内部構造を示す斜視図である。
【図3】レンズ付きフイルムユニットの露出制御機構を示す斜視図である。
【図4】露出制御機構の要部を示す概略図であり、(A)は被写体が暗い場合、(B)は被写体が明るい場合におけるものである。
【図5】シャッタ機構の内部構造を示す斜視図である。
【図6】シャッタチャージ前におけるシャッタ機構の要部を示す概略図である。
【図7】シャッタチャージ中のシャッタ機構の要部を示す概略図である。
【図8】シャッタチャージが完了したときのシャッタ機構の要部を示す概略図である。
【図9】シャッタレリーズ操作がなされた直後のシャッタ機構の要部を示す概略図である。
【図10】露光時におけるシャッタ機構の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
10 ユニット本体
50 シャッタレバー
57 測光スイッチ
61 停止解除レバー
62 停止レバー
63 ディレイレバー
65,71 トーションバネ
Claims (3)
- 被写体輝度を測定する測光手段からの測光信号に応じて絞りを切り替える絞り切り替え手段とともに用いられ、シャッタボタンの押圧によってシャッタレバーをチャージ位置からレリーズ位置に向かってバネの付勢により移動させ、その移動の間にシャッタ羽根を蹴飛ばして写真フイルムへの露光を行う蹴飛ばし方式で動作し、写真フイルムが予め装填されたレンズ付きフイルムユニットに用いられるシャッタ装置において、
前記シャッタレバーを前記バネの付勢に抗してチャージ位置に保持する保持位置と、シャッタレバーの保持を解除してシャッタレバーを前記バネの付勢により前記レリーズ位置へと移動させる保持解除位置との間で可動の停止レバーと、
前記測光手段を作動させる測光スイッチと、
シャッタボタンの押圧によって駆動され、前記測光スイッチを押圧して当該測光スイッチをオンした後、前記停止レバーに当接して当該停止レバーを前記保持位置から前記保持解除位置に向けて移動させながら駆動し、前記絞り切り替え手段による絞りの切り替えが完了した後に停止レバーを前記保持解除位置へと移動させる停止解除レバーとを備えたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置。 - 前記停止解除レバーは、フイルムの給送をロックする巻き止めレバーによって拘束されており、シャッタボタンの押圧によって巻き止めレバーが回動して、停止解除レバーの拘束を解除することを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置。
- 前記シャッタレバーと前記停止解除レバーとは、ともに同じ軸を中心として回動自在となっており、停止解除レバーのチャージに連動して、シャッタレバーが前記チャージ位置へと移動することを特徴とする請求項1または2記載のレンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置。
Priority Applications (11)
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