JP4564426B2 - トイレットペーパホルダ - Google Patents

トイレットペーパホルダ Download PDF

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Description

本発明は、ロール状に巻き取られたトイレットペーパを保持するトイレットペーパホルダに関し、特に使用に供するトイレットペーパと予備のトイレットペーパとを上下に配置したトイレットペーパホルダに関する。
従来、ロール状に巻き取られたトイレットペーパを保持するトイレットペーパホルダとしては、使用に供する1つのペーパを保持するものや、使用に供するペーパと予備のペーパを保持するものが用いられている。このうち、2つのペーパを保持するトイレットペーパホルダは、ペーパを上下または左右に配置して、一方のペーパを使い終わったら、予備のペーパを引き出して使用する。このように予備のペーパを備えておけば、取替の回数を減らすことができて、メンテナンスのコストを抑えることができる。このように2つのペーパを保持するホルダのうち、ペーパを上下に配置するものとして、特許文献1に挙げるようなものがある。
特開2004−243098号公報
ペーパはホルダ内において片持ち梁状の支持部に内周面を保持され、支持部に対して回転自在とされることでホルダ外部にペーパを引き出すように構成される。しかし、ペーパの重量により支持部がたわむことがある。この場合には、支持部の先端部側が下がった状態となるので、それによってペーパは支持部の先端部側に寄った状態となる。また、ペーパをホルダ外部に引き出すために回転させる際にも、ペーパは支持部の先端部側に寄りがちになる。学校や公共の場所に用いるトイレットペーパとして、一般に家庭で用いられている50m程度のトイレットペーパよりも大きな径からなり、500m以上の長さを持つジャンボトイレットペーパにおいては、重量が大きいためにその傾向が顕著になる。
ペーパが支持部の先端部側に寄ると、ホルダの前面にペーパの側面が当接し、その状態でペーパを取り出すために回転させると、摩擦によってペーパの側面が削れて紙粉が生じ、美観上好ましくない。特に、特許文献1に示すような小径のペーパと大径のペーパを上下方向に保持するホルダにおいては、大径のペーパの重量が特に大きいため、紙粉の発生量が多くなる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ペーパがホルダの前面側に寄って紙粉を生じさせることを防止できるトイレットペーパホルダを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るトイレットペーパホルダは、使用に供する小ペーパロールと予備として備える大ペーパロールとを上下に配置して納める箱形形状のホルダ本体からなるトイレットペーパホルダにおいて、
上記ホルダ本体には内面側に小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部とがそれぞれ片持ち梁状で上下に配置され、
上記小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部は周面の全周がそれぞれ根元部から先端部に向かって広がる方向のテーパ状に形成されてなることを特徴として構成されている。
また、本発明に係るトイレットペーパホルダは、上記小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部の周面は先端部近傍の径がそれぞれ上記小ペーパロールと大ペーパロールの内周面の径に略適合することを特徴として構成されている。
さらに、本発明に係るトイレットペーパホルダは、上記大ペーパロール支持部は周面のテーパ角が上記小ペーパロール支持部の周面のテーパ角よりも大きく形成されていることを特徴として構成されている。
さらにまた、本発明に係るトイレットペーパホルダは、上記ホルダ本体は箱中に作動板と該作動板を動作させる操作体を備え、
上記作動板は、小ペーパロール支持部を下部に、大ペーパロール支持部を上部にそれぞれ備えると共に、上記ホルダ本体に対し回動自在に支承されてなり、
上記操作体は上記ホルダ本体に対し回動自在に支承され、上記作動板の回動を一時的に静止するためのロック部と、該ロック部の作動板からの解除を一時的に停止するためのストッパ部を備えてなり、
上記操作体を少量以下となった小ペーパロールに上記ストッパ部が近接する位置まで回動させると、上記ロック部は作動板から解除され、上記作動板は回動支点を中心に回動し、上記大ペーパロール支持部に保持された大ペーパロールを上記ホルダ本体の下部に設けたペーパ取出口から引出せるように構成してなることを特徴として構成されている。
本発明に係るトイレットペーパホルダによれば、小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部は周面がそれぞれ根元部から先端部に向かって広がる方向のテーパ状に形成されてなることにより、上下方向に配置された各支持部のペーパの重量によるたわみ及びペーパの回転によるペーパの前面側へのずれを防ぐことができ、ペーパとホルダが接触することによる紙粉の発生を防止することができる。
また、本発明に係るトイレットペーパホルダによれば、小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部の周面は先端部近傍の径がそれぞれ小ペーパロールと大ペーパロールの内周面の径に略適合することにより、各ペーパロールを支持部によって確実に支持することができる。
さらに、本発明に係るトイレットペーパホルダによれば、大ペーパロール支持部は周面のテーパ角が小ペーパロール支持部の周面のテーパ角よりも大きく形成されていることにより、重量の大きい大ペーパロールについて大ペーパロール支持部で確実に支持することができる。
さらにまた、本発明に係るトイレットペーパホルダによれば、箱形形状のホルダ本体に回動自在な作動板と作動板を支承する操作体を備え、操作体にはストッパ部を設けて少量以下となった小ペーパロールにストッパ部が近接することでロック部が作動板から解除され、ペーパロールの切替えが行われることにより、小ペーパロールが少量以下となるまでは大ペーパロールを使用できないので、ペーパに無駄を生じることがなく、ペーパの取替作業の頻度も少なくすることができるので、トイレットペーパおよびその取替作業にかかるコストを低減することができる。
本発明の実施の形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1〜4は本実施形態におけるトイレットペーパホルダの、前面蓋2を取った状態における正面図であって、作動板5の動作段階を順に追って示したものである。また、図5は図4におけるA−A断面図、図6は図4におけるB−B断面図であり、図7は作動板5と操作体6の係止構造について示した斜視図である。さらに、図8は、本実施形態におけるトイレットペーパホルダの斜視図であり、図9は、本実施形態におけるトイレットペーパホルダの前面蓋2を開けた状態における斜視図である。
図8に示すように、本実施形態におけるトイレットペーパホルダは、上下方向に長い直方体状の箱形形状からなるホルダ本体1に、小ペーパロール7と大ペーパロール8を上下方向に配置して保持する作動板5と、この作動板5を支承または動作させる操作体6を納めてなるものである。このホルダ本体1を、トイレの壁に固定して設置する。その設置位置は、便器の種類や配置によって、使用者がペーパを引き出しやすいような位置に適宜設定される。ここで、図1は初期状態における正面図であり、この図のように、初期状態において小ペーパロール7は下部に、大ペーパロール8は上部に配置される。なお、各ペーパの巻きの向きは、右回りまたは左回りのいずれでもよく、したがって小ペーパ端部7aまたは大ペーパ端部8aは、ペーパ取出口4の右側または左側に垂れ下がることとなる。
ホルダ本体1は、上述のように箱形形状からなり、四隅を大きく面取りして角部を滑らかな曲線にて構成した形状に形成されている。ホルダ本体1の下面中央付近にはトイレットペーパを取り出すためのペーパ取出口4を設け、そのペーパ取出口4の両側にはヒンジ部30を設けて前面蓋2を開閉自在に支承している。ペーパ取出口4の両側面にはいずれも垂下板4aが垂下され、この垂下板4aの下端部には多数の小さな凹凸によってペーパ切断歯33が形成されて、引き出されたペーパを切断する。また、前面蓋2の下部にはアーチ状の前面ペーパ切断部34を有しており、ペーパ取出口4の側面だけでなく、前面でもペーパを切断できるようにしている。また、垂下板4a下端の前面側は傾斜状に形成され、前面ペーパ切断部34と略連続状とされている。これにより、前面蓋2の前面ペーパ切断部34がアーチ状に形成されることと併せて、前面側から手を差し入れる使用者に、ペーパの切断歯が触れにくいようにしている。
従来のトイレットペーパホルダにおいては、ペーパの切断歯は取出口の開口に直接形成されていた。しかし、このように構成すると、ペーパロールから引き出したペーパの、切断歯に対する角度が浅いために、ペーパをうまく切断できない場合がある。本実施形態においては、ペーパの切断歯を取出口よりも垂下させた垂下板4aの下端部に形成しており、ペーパロールからの距離を長く取っているために、ペーパロールから引き出したペーパの、切断歯に対する角度を深くすることができ、ペーパの切断を確実に行うことができる。一方、垂下板4aの垂下長さを大きくしていくと、後述するように使用者がホルダ本体1の中に手を差し入れる際に、ペーパに手が届きにくくなる。そこで、垂下板4aの垂下長さは、引き出したペーパとペーパ切断歯33の角度が略直角になる程度の長さとすることで、ペーパの切断が容易で、かつホルダ本体1の中に手を差し入れやすいようにすることができる。
垂下板4aのペーパ切断歯33は、図5に示すように垂下板4aの下端部に凹凸を多数設けてなるものである。このペーパ切断歯33の詳細斜視図を図10に示す。この図のように、凸部33aの内面側は略直角に形成されると共に、凸部33aの外面側は面取りして滑らかな曲線から形成される。ペーパはペーパ切断歯33の内面側直角部分の先端に当接して切断される。一方、ペーパ切断歯33の外面側は、滑らかな曲線からなるので、使用者の手が触れても怪我などを防ぐことができる。
また、ペーパ切断歯33には凹部33bを形成していることにより、ペーパをペーパ切断歯33に沿って引く場合、ペーパが凹部33bによって形成される凸部33aの角部33cに引っかかって、ペーパ切断歯33上で滑ることなく切断することができるようにされている。ペーパ切断歯33は、凹部33bを幅広に、すなわち凸部33a間を広くすることで、ペーパはより角部に引っかかりやすくなる。一方、凹部33bを幅狭に、すなわち凸部33a間を狭くすることで、ペーパはきれいに切れやすくなる。そこで、垂下板4aによってペーパを切断する場合、使用者は通常、奥側からペーパを切断するため、垂下板4aの奥側は凹部33bを幅広に、すなわち凸部33a間を広く形成することで、ペーパの切り始めで切れやすいように構成されている。一方、垂下板4aの前面側は凹部33bを幅狭に、すなわち凸部33a間を狭く形成することで、ペーパをきれいに切れるように構成されている。なお、前面蓋2の前面ペーパ切断部34では、どの位置からペーパを切断するかは、使用者やペーパの巻きの向きによって異なるため、凹部33bを幅広に形成することなく、全て一定間隔で凸部33aを形成する。
図1に示した初期状態においては、小ペーパロール7の小ペーパ端部7aがペーパ取出口4に垂れ下がっている状態であり、使用者は小ペーパ端部7aを引くことで小ペーパロール7を引き出して使用する。なお、ホルダ本体1及び前面蓋2は、いずれもABS樹脂やポリカーボネート等の樹脂材により形成される。ただし、これに限られず、金属等によって形成してもよい。
また図8に示すように、前面蓋2には、その下端から上下方向中央付近にかけて、ホルダ本体1に保持されたトイレットペーパの残量を確認することのできる残量確認窓3を有している。残量確認窓3は、アクリル等の透明な部材からなり、小ペーパロール7及び大ペーパロール8の使用状態について確認することができる。ここで、残量確認窓3の内側には、上下方向に細長な突起状に形成されたペーパ押さえ部35を形成している。小ペーパロール支持部11または大ペーパロール支持部12と残量確認窓3の間には、若干の隙間があるため、ペーパ押さえ部35を設けることで、使用時にトイレットペーパが回転する際に回転軸方向にぐらつかないようにすることができる。
ペーパ押さえ部3の上端は、大ペーパロール8を使用に供している場合に、取替えるべき残量となった大ペーパロール8の外周位置と略同じ位置とされてなるものである。このように構成することで、大ペーパロール8の外周位置が、ペーパ押さえ部3の上端位置よりも上方となるまで残量が減っていた場合には、取替作業すべきであることが前面蓋2を開けることなく確認することができる。
前面蓋2の上端部におけるホルダ本体1に接する面には、係合部2a、2aが所定の距離を隔てて2つ設けられており、ホルダ本体1の対応する部分に設けられた被係合部31、31に係合することで、前面蓋2はホルダ本体1に固定される。係合部2a、2aを2つ設けることで、前面蓋2のねじれに対する取付強度を確保することができる。また、係合部2aおよび被係合部31の代わりに鍵部を設けて、鍵によって前面蓋2を固定するようにしてもよい。鍵を用いることで、不特定の人に前面蓋2を開けられることがないようにすることができる。これもある程度の距離を隔てて2つ設けることにより、前面蓋2のねじれに対する取付強度を確保できる。
ホルダ本体1に納められる作動板5は、四隅を有する略方形状に形成されてなり、その一隅は回動支点10によりホルダ本体1に対して回転自在に支承される。また、回動支点10の対角位置にあたる一隅には、切欠状に形成された支承部13が設けられ、操作体6のロック部21に係止、支承される。すなわち、小ペーパロール7を使用する場合に作動板5は、回動支点10及びロック部21によってホルダ本体1に支承され、作動しないように固定される。なお、支承部13は操作体6のロック部21を回動しないように支承する面を円弧状とされて係止部13aを形成している。
また、作動板5のその他の二隅には、それぞれ小ペーパロール支持部11と大ペーパロール支持部12が設けられる。小ペーパロール支持部11と大ペーパロール支持部12の形状については、図6及び図7に示されている。小ペーパロール支持部11と大ペーパロール支持部12は、それぞれ小ペーパロール7の内周面を構成する芯管7aと大ペーパロール8の内周面を構成する芯管8aよりもやや高い略円柱状に形成される。
図6に示すように、小ペーパロール支持部11と大ペーパロール支持部12は、いずれも周面が根元部から先端部に向かって広がるテーパ状となるように形成されている。テーパ角度は、大きすぎるとペーパの保持に支障が生じるので、1〜5°程度の小さい角度に設定する。なお、図6では小ペーパロール支持部11と大ペーパロール支持部12のテーパ角をやや誇張して示している。これによって各ペーパロール7、8は、それぞれ内周面を各支持部11、12に支持された状態で、各支持部11、12の先端部側に寄りにくいようにすることができる。したがって、各支持部11、12の先端部側がペーパロール7、8の重量によって下方にたわんでも、ペーパロール7、8が先端部側に寄りにくく、ホルダの前面に接触することによる紙粉の発生を防止することができる。
また、小ペーパロール支持部11及び大ペーパロール支持部12の直径は、小ペーパロール7の芯管7a及び大ペーパロール8の芯管8aよりも一回り小さい径を有するように形成されており、各先端部近傍については芯管7a、8aの径に略適合する径となるように形成されている。これによって、各支持部11、12に対して各ペーパロール7、8を容易に取付けることができると共に、各ペーパロール7、8が各支持部11、12の先端部側に寄りにくいようにすることができる。
さらに、大ペーパロール支持部12の周面のテーパ角度は、小ペーパロール支持部11の周面のテーパ角度よりも大きくしている。大ペーパロール8の方が小ペーパロール7よりも重量が大きいので、大ペーパロール支持部12のテーパ角度が大きいことにより、大ペーパロール支持部12がより大きくたわんでも大ペーパロール8を確実に保持することができる。
作動板5は、小ペーパロール7を使用に供する際には、小ペーパロール7及び大ペーパロール8をそれぞれ各保持部に装着した状態で、小ペーパロール支持部11が下端に、大ペーパロール支持部12が上端となるよう配置し、係止部13aと操作体6のロック部21を係合させて、図1に示すように回動支点10及びロック部21によってホルダ本体1に支承される。
ロック部21によって支承されない場合には、作動板5は回動支点10によってのみ支承され、自重によって側面がホルダ本体1の壁面に当接するまで回動し、その位置で停止する。この状態において小ペーパロール支持部11は、回動支点10の下方に位置し、大ペーパロール支持部12は、回動支点10の側方に位置する。すなわち、作動板5の回動によって、小ペーパロール支持部11は、主に横方向に動いてホルダ本体1の壁面近傍に位置すると共に、大ペーパロール支持部12は、主に縦方向に動いてホルダ本体1の中央部付近に位置することとなる。この動作により、小ペーパロール7はホルダ本体1のペーパ取出口4から見て側方に追いやられ、一方、大ペーパロール8はホルダ本体1のペーパ取出口4に近づくので、大ペーパ端部8aをペーパ取出口4から引き出すことができるようになる。
図1に示すように、作動板5の大ペーパロール8の下方には、回動支点10から小ペーパロール支持部11の上方に向かい、大ペーパロール8の外周に略適合した円弧状の形状とされてなるガイド壁14を設けている。ガイド壁14は、ホルダ本体1と略同高とされて、大ペーパ端部8aが小ペーパロール7に巻込まれないようにしている。すなわち、大ペーパロール8が使用に供される場合には、大ペーパ端部8aは小ペーパロール7との隙間側にあって、小ペーパロール7と大ペーパロール8の間の隙間を通ってペーパ取出口4から引き出されるので、大ペーパ端部8aが小ペーパロール7の隙間側でなく、逆側にあった場合には、小ペーパロール7に干渉されてペーパを引き出しにくくなる。そこで、小ペーパロール7と大ペーパロール8との隙間側とは逆側に大ペーパ端部8aが入り込むのを防ぐため、ガイド壁14が設けられている。
次に、ホルダ本体1に納められる操作体6について説明する。図1に示すように、操作体6は、回転軸20によってホルダ本体1に回動自在に支承されており、この回転軸20から二方向に向かって腕が伸びている。回転軸20から延びる一方の腕の先端部には、ロック部21が形成され、上述した作動板5の係止部13aに係止される。ロック部21は、作動板5の係止部13aに略適合するように先端部を円弧状に形成されてなる。このように構成することで、回転軸20を中心に操作体6が回動する際には、ロック部21の先端部は円弧状の軌跡を描いて回動することから、円滑にその動作を行うことができる。ただし、ロック部21は、回転軸20を中心とした円弧とはせず、回転軸20よりも作動板5寄りの点を中心とした円弧状に形成される。このようにすることで、図2に示すようにロック部21が作動板5の係止部13aから外れるためには、作動板5を若干持ち上げることが必要になり、操作体6を回動させるための抵抗になるので、操作体6の動作を安定させることができる。
回転軸20から延びるもう一方の腕の先端部には、持手部23が形成されて、ホルダ本体1の外部に突出している。ホルダ本体1には、持手部ガイド孔32がホルダ本体1の角部からペーパ取出口4にかけて細長状に形成されており、持手部23はこの持手部ガイド孔32からホルダ本体1の外部に突出して操作可能に配置されている。持手部23は、操作体6のロック部21が作動板5の係止部13aに係合されている状態においては、持手部ガイド孔32におけるホルダ本体1の角部側に配置される。そして、小ペーパロール7と大ペーパロール8を切換える際には、持手部23をホルダ本体1のペーパ取出口4側の方向にスライドさせることで、操作体6を回動させることができる。なお、持手部23の操作とその後の動作については、トイレットペーパホルダの動作の説明において、より詳細に説明する。
回転軸20と持手部23の中間には、ホルダ本体1の内側に向かって突出するストッパ部22を有しており、その先端には当接部22aを形成されている。持手部23を操作すると、ストッパ部22はホルダ本体1の内側方向に動いて、小ペーパロール7の外周に当接する。ロック部21と当接部22aの間は、滑らかな曲線にて形成されており、一方、当接部22aと持手部23の間は、略直線形状にて形成されている。ストッパ部22は、使い終わった小ペーパロール7に当接部22aを当接させる位置において、ロック部21が作動板5の係止部13aから外れるような突出高さとされてなる。
作動板5は、操作体6の操作により、ホルダ本体1の内側面に当接するまで回動支点10を中心に回動する。その動作は重力によるため、作動板5はホルダ本体1に対して衝撃を与えることになる。これを緩和するため、図1に示すようにホルダ本体1における作動板5の側面に対向する内側面には、クッション部40を設けている。クッション部40は、蛇腹状の中空体からなり、一端はホルダ本体1に固定されている。また、作動板5との当接面以外の適所に空気孔が設けられており、回動した作動板5がクッション部40を押圧すると、その内部の空気が空気孔から外部に放出されて、図3及び図4に示すように、クッション部40は次第に縮小する。クッション部40の動作は、作動板5の動作に比べて緩やかなので、作動板5のホルダ本体1に対する動作を緩衝し、衝撃を緩和することができる。一方、作動板5には、ゴム板16を設けており、このゴム板16によっても作動板5のホルダ本体1に対する衝撃の緩和が図られる。
クッション部40としては、このように蛇腹状の中空体を用いる他に、板バネを用いるようにしてもよい。図11には、板バネ41を用いた場合について示す。板バネ41は、円弧状に形成され、その一端はホルダ本体1に固定される。また、他端はホルダ本体1の内側面を摺動自在とされている。図12には、作動板5の動作時における板バネ41の動作について示している。図12Aに示すように、作動板5の動作前の状態において、板バネ41は作動板5に近接した位置に配置される。図12Bに示すように、作動板5が回動支点10を中心に回動を始めると、作動板5の側面は板バネ41を押圧し、板バネ41は摺動自在とされた一端が移動する。図12Cに示すように、作動板5が回動を終了した状態において、板バネ41は略直線状となる。板バネ41の動作は、作動板5の動作に比べて緩やかなので、蛇腹状の中空体を用いた場合と同様に、作動板5のホルダ本体1に対する動作を緩衝し、衝撃を緩和することができる。なお、クッション部40としては、このように衝撃を緩和できるものであれば、スポンジなど他のものを用いてもよい。
さらに、上述のようにホルダ本体1にクッション部40を設けることで作動板5の動作を緩和する他に、作動板5の回動支点10に回動に対する抵抗力を発生するダンパを設けることにより、作動板5の動作を緩衝して、作動板5のホルダ本体1に対する衝撃を緩和するようにすることもできる。
また、ホルダ本体1には、その底面に作動板5の回動に略適合するように形成された案内溝9を設ける。そして、作動板5にはその案内溝9に摺動自在に保持される案内片15を設けて、作動板5の回動に伴って案内溝9内を摺動する。作動板5の回動の際には、案内片15は案内溝9との間に摩擦力を生じるため、作動板5の動作に対する抵抗力を発生することになる。このため、作動板5の動作を緩やかにすることができ、これら案内溝9及び案内片15によっても、作動板5のホルダ本体1に対する衝撃を緩和することができる。なお、作動板5に案内溝9を設けると共に、ホルダ本体1に案内片15を設けるようにしてもよい。
次に、本実施形態におけるトイレットペーパホルダの動作について説明する。まず、初期状態においては、図1のように小ペーパロール7を使用に供しており、ホルダ本体1の中では小ペーパロール7が下部に、大ペーパロール8が上部にそれぞれ配置される。作動板5は、回動支点10と操作体6のロック部21に支承され、操作体6は持手部23がホルダ本体1の角部に配置される位置とされる。この状態においては、ロック部21は、作動板5の係止部13aに完全に係止しており、作動板5が回動しないように支えている。
持手部23をホルダ本体1の角部からペーパ取出口4の方向に操作して、操作体6を回転軸20を中心に回動させると、ストッパ部22の当接部22aは、小ペーパロール7に当接する。小ペーパロール7が残っている状態でこの操作を行った場合、ロック部21が係止部13aから外れる前にストッパ部22の当接部22aが小ペーパロール7に当接し、持手部23をそれ以上、ペーパ取出口4の方向に操作させることはできず、作動板5を動作させることはできないようになっている。
図2のように、小ペーパロール7を使い終わった状態において、持手部23を操作し、操作体6を回転軸20を中心に回動させると、ストッパ部22の当接部22aが使い終わった小ペーパロール7、すなわち小ペーパロール7の芯管7aに当接し、それと同時にロック部21は作動板5の係止部13aから外れる。すなわち、ストッパ部22が使い終わった小ペーパロール7の芯管7aに当接する位置まで持手部23を操作することで、ロック部21は作動板5の係止部13aから外れて作動板5は動作を開始する。このように構成することで、小ペーパロール7を使い終わらないうちに持手部23を操作しても、ロック部21が作動板5の係止部13aから外れる前に、ストッパ部22が小ペーパロール7に当接してそれ以上操作できないので、小ペーパロール7を使い終わらなければペーパの切替ができないようにすることができる。
ロック部21が作動板5の係止部13aから外れると、作動板5はその支えの一方を失うので、自重によって回動支点10を中心として回動を始める。図3には作動板5が動作中の状態における図を示す。この図のように、ロック部21が外れた作動板5は、支承部13を有する一隅の角部が操作体6に当接しながら回動し、小ペーパロール7は、ホルダ本体1における操作体6とは反対側の角部に向かって移動し、一方大ペーパロール8は、ホルダ本体1の上部から中央部付近に向かって移動する。また、作動板5はホルダ本体1の内側面に設けられたクッション部40によりその動作は緩和され、ホルダ本体1に対して緩やかに当接する。さらに、作動板5が当接する操作体6は、作動板5の動作に伴い元の位置に向かって回動する。
以上の動作により、作動板5の動作が完了した状態を図4に示す。この図のように、作動板5は回動支点10と小ペーパロール支持部11を結ぶ一辺が、ホルダ本体1の側面に当接するまで回動し、小ペーパロール7はホルダ本体1の操作体6とは反対側の角部に納められる。また、大ペーパロール8は、ホルダ本体1の略中央部に位置し、大ペーパ端部8aをペーパ取出口4から手を差し入れて引き出すことができるようになる。
大ペーパロール8を使用に供している場合において、その残量は前面蓋2の残量確認窓3によって前面蓋2を開けることなく、目視で確認することができる。ペーパの取替作業を行う際には、残量確認窓3から小ペーパロール7が見えているか、大ペーパロール8の外周が残量確認窓3の内面側に設けられたペーパ押さえ部35の範囲にある場合には、まだ残量は十分にあるのでそのまま取替は行わず、大ペーパロール8の外周がペーパ押さえ部35の上端より上にある場合には、残量が少なくなっているので、前面蓋2を開いて大ペーパロール8を大ペーパロール支持部12から取り外し、小ペーパロール支持部11に付け替える。すなわち、残量の少なくなった大ペーパロール8は、その後小ペーパロール7として使用される。そして、大ペーパロール支持部12には、未使用の大ペーパロール8を取付け、作動板5および操作体6を初期状態に戻して前面蓋2を閉める。このようにして、再び小ペーパロール7の使用を開始する。
以上のように、小ペーパロール7を使い終わってから大ペーパロール8に切替え、さらに大ペーパロール8の残量が少なくなったら小ペーパロール7として使用することにより、トイレットペーパの使用に無駄がなく、またペーパの取替作業も大ペーパロール8の残量が少なくなった時点で行えばよいので、その頻度を少なくすることができ、トイレットペーパおよびその取替作業のコストを、いずれも抑えることができる。
以上、本発明についての実施形態について説明したが、本発明は本実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
例えば、本実施形態においては、操作体6を操作するために、ホルダ本体1の側面から外部に突出する持手部23を形成しているが、操作体6は回転軸20を中心に回動するように操作されるものであり、持手部23ではなく回転軸20をホルダ本体1の前面に突出させて、突出した先端部にはレバー部ないしハンドル部を設けて、それにより操作体6を回動させるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、作動板5の係止部13aは、切欠状に形成しているが、係止部13aは操作体6に支承され、作動板5が回動しないように固定されるように構成されるものであり、切欠状ではなく逆に作動板5から突出するように形成して、操作体6に支承されるようにしてもよい。
さらに、ホルダ本体1を本実施形態より大きく形成して、中に納めるペーパロールを、いずれも未使用の大ペーパロールとすることもできる。
本実施形態におけるトイレットペーパホルダの、前面蓋を取った正面図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダの、作動板動作直前の状態における、前面蓋を取った正面図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダの、作動板動作中の状態における、前面蓋を取った正面図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダの、作動板動作後の状態における、前面蓋を取った正面図である。 図4におけるA−A断面図である。 図4におけるB−B断面図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダの内部構造を示した斜視図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダの斜視図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダの前面蓋を開けた斜視図である。 本実施形態におけるトイレットペーパホルダのペーパ切断歯の詳細斜視図である。 クッション部に板バネを用いた場合のトイレットペーパホルダの、前面蓋を取った正面図である。 クッション部に板バネを用いた場合における板バネの動作を示した図である。
符号の説明
1 ホルダ本体
2 前面蓋
3 残量確認窓
4 ペーパ取出口
4a 垂下板
5 作動板
6 操作体
7 小ペーパロール
8 大ペーパロール
9 案内溝
10 回動支点
11 小ペーパロール支持部
12 大ペーパロール支持部
13 支承部
13a 係止部
14 ガイド壁
15 案内片
20 回転軸
21 ロック部
22 ストッパ部
22a 当接部
23 持手部
33 ペーパ切断歯
34 前面ペーパ切断部
35 ペーパ押さえ部
40 クッション部
41 板バネ

Claims (4)

  1. 使用に供する小ペーパロールと予備として備える大ペーパロールとを上下に配置して納める箱形形状のホルダ本体からなるトイレットペーパホルダにおいて、
    上記ホルダ本体には内面側に小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部とがそれぞれ片持ち梁状で上下に配置され、
    上記小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部は周面の全周がそれぞれ根元部から先端部に向かって広がる方向のテーパ状に形成されてなることを特徴とするトイレットペーパホルダ。
  2. 上記小ペーパロール支持部と大ペーパロール支持部の周面は先端部近傍の径がそれぞれ上記小ペーパロールと大ペーパロールの内周面の径に略適合することを特徴とする請求項1記載のトイレットペーパホルダ。
  3. 上記大ペーパロール支持部は周面のテーパ角が上記小ペーパロール支持部の周面のテーパ角よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトイレットペーパホルダ。
  4. 上記ホルダ本体は箱中に作動板と該作動板を動作させる操作体を備え、
    上記作動板は、小ペーパロール支持部を下部に、大ペーパロール支持部を上部にそれぞれ備えると共に、上記ホルダ本体に対し回動自在に支承されてなり、
    上記操作体は上記ホルダ本体に対し回動自在に支承され、上記作動板の回動を一時的に静止するためのロック部と、該ロック部の作動板からの解除を一時的に停止するためのストッパ部を備えてなり、
    上記操作体を少量以下となった小ペーパロールに上記ストッパ部が近接する位置まで回動させると、上記ロック部は作動板から解除され、上記作動板は回動支点を中心に回動し、上記大ペーパロール支持部に保持された大ペーパロールを上記ホルダ本体の下部に設けたペーパ取出口から引出せるように構成してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレットペーパホルダ。
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