JP4564320B2 - ドライバモニタシステム - Google Patents

Description

本発明は、運転席を撮像する撮像手段と、パーキングポジションとそれ以外のポジションとに位置変更自在なシフト手段と、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づき、顔認証判別、ドライバのわき見、または、居眠り判別を行う制御手段とが設けられているドライバモニタシステムに関する。

上記のようなドライバモニタシステムは、制御手段が、撮像手段を作動させることにより、撮像手段にて撮像される画像情報を得て、その画像情報に基づいてドライバを監視するための処理を行うものである。
そして、制御手段は、撮像手段にて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別することにより、安全のための処理（以下、「安全処理」と称する）を行い、また、制御手段が、撮像手段にて撮像される画像情報を記憶手段に記憶させたり、あるいは、撮像手段にて撮像された画像情報に基づいて、ドライバが登録されたドライバか否かを判別することにより、盗難防止のための処理（以下、「盗難防止処理」と称する）を行うようにしている。

例えば、制御手段は、安全処理として、ドライバが脇見または居眠りしていると判別すると、ドライバに対して警報などを行うことにより、ドライバに安全に対する注意を促し、盗難防止処理として、ドライバが登録されたドライバではないと判別すると、車両の外部に対して報知などを行うことにより、盗難防止するようにしている。

このようなドライバモニタシステムにおいて、従来、盗難防止機能を設定するセキュリティ設定手段と、車室内に人が侵入したことを検出する侵入センサとが設けられ、制御手段が、イグニッションスイッチがオフでかつセキュリティ設定手段にて盗難防止機能が設定されている状態で侵入センサにて人の車室内への侵入を検出したときには、撮像手段にて撮像される画像情報を記憶手段に記憶させて、盗難防止処理を行い、イグニッションスイッチがオンのときには、撮像手段にて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別して、安全処理を行うようにしているものがある（例えば、特許文献１参照。）。

ちなみに、従来から、制御手段が、発熱量の増大やコンピュータの性能などの問題により、盗難防止処理と安全処理とを同時に行うのではなく、双方の処理を行うときを切り換えるようにしている。

特開２００３−１１２６０５号公報

上記従来のドライバモニタシステムでは、盗難防止処理の実行と安全処理の実行とを切り換えるための条件が、イグニッションスイッチがオンかオフかとなっているので、安全処理の実行と盗難防止処理の実行とを的確に切り換えることができない虞がある。

例えば、ドライバの交代や買い物などのために、イグニッションスイッチをオンにしたまま駐車することがあり、このときは、盗難防止処理を実行すべきときであるが、安全処理を行ってしまい、盗難防止処理を行うことができないことになる。
また、例えば、ドライバが車内で仮眠したり、単なる駐車などのために、イグニッションスイッチをオンにしたまま駐車することがあり、このときは、ドライバに対する警報などを行わないようにするためにも、安全処理を行わないのが好ましいときであるが、安全処理を行ってしまうことになる。

本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、盗難防止処理の実行と安全処理の実行とを的確に切り換え得るドライバモニタシステムを提供する点にある。

この目的を達成するために、本発明にかかるドライバモニタシステムの第１特徴構成は、運転席を撮像する撮像手段と、パーキングポジションとそれ以外のポジションとに位置変更自在なシフト手段と、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づき、運転席に着座したドライバが登録されたドライバか否かを判別する顔認証判別、及びドライバのわき見または居眠り判別を行う制御手段とが設けられているドライバモニタシステムにおいて、
前記制御手段が、前記シフト手段がどのポジションに位置するかの入力が行われ、前記シフト手段がパーキングポジションに位置するときには、前記顔認証判別を行う状態に切り替え、前記シフト手段がパーキングポジション以外のポジションに位置するときには、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かの判別を行う状態に切り替える切替部を備えている点にある。

車両の状態は、停止状態と走行状態とに分けられる。上記盗難防止処理が必要となるのは、車両が動き出す前であり、また、上記安全処理が必要となるのは、車両が実際に走行しているときである。車両の停車中においては、エンジンが作動中か否かはそれほど問題ではない。
通常の運転操作において、これらの状態を最も正確に区別する条件のひとつが、シフト手段がパーキングポジションに位置するか否かである。
そこで、本発明では、上記盗難防止処理の実行と上記安全処理の実行とをシフト手段の位置で切り換えるようにした。
この結果、例えば、ドライバの交代や買い物などのために駐車するとき、あるいは、ドライバが車内で仮眠したり、単なる駐車などのために駐車するときは、ドライバがシフト手段をパーキングポジションに位置させることが多く、仮に、イグニッションスイッチがオンの状態でも、安全処理を行わず、盗難防止処理を行うことができる。

このように、本構成によれば、従来のようなイグニッションスイッチのオン、オフではなく、現実に車両が走行しているか否かによって盗難防止処理の実行と安全処理の実行とを区別できるため、より適切なドライバモニタシステムを提供することができる。

本発明にかかるドライバモニタシステムの第２特徴構成は、前記制御手段が、前記シフト手段がパーキングポジション以外のポジションに位置しかつパーキングブレーキが解除されているときには、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別するように構成されている点にある。

上記第１の特徴構成では、シフト手段がパーキングポジションに位置するか否かを基準にしているため、車両の走行状態に応じた処理を行うことができる。
しかし、シフト手段がパーキングポジションに位置するか否かのみでは、走行状態か否かを厳密に判断することができない虞がある。例えば、エンジン停止中にシフト手段をパーキングポジション以外のポジションに操作できた場合は、安全処理に移行するのは好ましくない。
そこで、本構成では、パーキングブレーキの操作要件を加えて、車両の状態をより正確に判別するものとした。

すなわち、ドライバがシフト手段をパーキングポジション以外のポジションに位置させかつパーキングブレーキを解除させたとき、車両が実際に走行している可能性が極めて高いとして、制御手段が、安全処理を行うように構成する。
このように、本構成のシステムであれば、盗難防止処理と安全処理とをより実情に即した状態で切り換えることができる。

本発明にかかるドライバモニタシステムの実施形態について図面に基づいて説明を加える。
〔第１実施形態〕
このドライバモニタシステムは、運転席を撮像する撮像手段１としての撮像装置１ａ、パーキングポジションとそれ以外のポジションとに位置変更自在なシフト手段２としてのシフトレバー２ａ、シフトレバー２ａがパーキングポジションに位置するときには車両を停車させるトランスミッション３、撮像装置１ａなどの作動を制御する制御手段４としてのドライバモニタ処理装置４ａなどから構成されている。

前記撮像装置１ａは、車両の室内に固定されており、運転席に着座したドライバの顔を撮像するＣＣＤカメラ５およびドライバの顔を照明する照明灯６から構成され、照明灯６は、例えば、赤外線の照明を行う発光ダイオードなどにより構成されている。
そして、撮像装置１ａは、ＣＣＤカメラ５にて撮像したドライバの顔についての画像情報をドライバモニタ処理装置４ａに出力するように構成されている。
ちなみに、撮像装置１ａには、常時、電力が供給されており、繰り返し運転席を撮像してその画像情報をドライバモニタ処理装置４ａに出力するように構成されている。

前記シフトレバー２ａは、パーキングポジションと、それ以外のポジションとして、例えば、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジション、セカンドポジションなど複数のポジションにドライバの操作により位置変更自在に構成されている。

前記ドライバモニタ処理装置４ａは、撮像装置１ａにて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが登録されたドライバか否かを判別する顔認証判別部７、撮像装置１ａにて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別する脇見・居眠り判別部８、顔認証判別部７による処理を行う状態と脇見・居眠り判別部８による処理を行う状態とに切換自在な切換部９などを備えて構成されている。

前記顔認証判別部７は、予め登録されているドライバの顔についての画像情報をメモリに記憶しており、そのメモリに記憶されている画像情報と撮像装置１ａから出力される画像情報とを比較して顔の特徴が一致するか否かにより、運転席に着座したドライバが登録されたドライバか否かを判別するように構成されている。
ドライバの登録については、登録対象のドライバを撮像装置１ａにて撮像し、その登録対象のドライバの顔についての画像情報を顔認証判別部７に入力してメモリに記憶させるように構成されている。

前記脇見・居眠り判別部８は、撮像装置１ａから出力される画像情報のうち、最も暗い部分を眼像位置として検出し、その眼像位置の時系列的な変化を検出することにより、時系列的に目の開閉状態を検出し、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別するように構成されている。
説明を加えると、脇見・居眠り判別部８は、目が閉じている状態が設定時間継続したときに、ドライバが居眠りしていると判別し、目が開いている状態において、目や顔の向きと車両の走行方向とが異なるときに、ドライバが脇見していると判別するように構成されている。
ちなみに、車両の走行方向については、図示はしないが、例えば、ステアリングの切り角などを検出する走行方向検出手段の検出情報をドライバモニタ処理装置４ａに入力するように構成されている。

前記切換部９は、シフトレバー２ａがパーキングポジションに位置するときには、顔認証判別部７による処理を行う状態に切り換えて、撮像装置１ａにて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが登録されたドライバか否かを判別するように構成されている。
そして、切換部９は、シフトレバー２ａがパーキングポジション以外のポジションに位置するときには、脇見・居眠り判別部８による処理を行う状態に切り換えて、撮像装置１ａにて撮像される画像状態に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別するように構成されている。

ちなみに、切換部９は、撮像装置１ａにて撮像された画像情報の入力や電源ＥＣＵからの電力供給も、顔認証判別部７と脇見・居眠り判別部８とに切換自在に構成されており、シフトレバー２ａがパーキングポジションに位置するときには、顔認証判別部７に対して行い、シフトレバー２ａがパーキングポジション以外のポジションに位置するときには、脇見・居眠り判別部８に対して行うように構成されている。

前記ドライバモニタ処理装置４ａは、顔認証判別部７による処理を行うことにより、運転席に着座しているドライバが登録されたドライバではないと判別すると、盗難防止用の警報手段１０を作動させるなどして、車両の外部に対して報知するように構成されている。
前記ドライバモニタ処理装置４ａは、脇見・居眠り判別部８による処理を行うことにより、運転席に着座しているドライバが脇見または居眠りしていると判別すると、ドライバ用の警報手段１１を作動させるなどして、ドライバに対して注意を促すように構成されている。

前記ドライバモニタ処理装置４ａの動作について、図２のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ドライバモニタ処理装置４ａは、シフトレバー２ａがどのポジションに位置するかのシフトポジションの入力を行い、シフトレバー２ａがパーキングポジションであれば、切換部９にて顔認証判別部７による処理を行う状態に切り換えて、ドライバが登録されたドライバか否かの判別を行う（ステップ１〜３）。
そして、ドライバモニタ処理装置４ａは、ドライバが登録されたドライバではないと判別すると、盗難防止用の警報手段１０を作動させる（ステップ４，５）。

また、ドライバモニタ処理装置４ａは、シフトレバー２ａがパーキングポジション以外のポジションであれば、切換部９にて脇見・居眠り判別部８による処理を行う状態に切り換えて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かの判別を行う（ステップ６）。
そして、ドライバモニタ処理装置４ａは、ドライバが脇見または居眠りしていると判別すると、ドライバ用の警報手段１１を作動させる（ステップ７，８）。

〔第２実施形態〕
この第２実施形態は、上記第１実施形態において、ドライバモニタ処理装置４ａの切換部９が、顔認証判別部７による処理を行う状態と脇見・居眠り判別部８による処理を行う状態とに切り換える条件が異なるだけであるので、その構成について説明し、その他の構成については省略する。

前記切換部９は、シフトレバー２ａがパーキングポジションに位置するときには、顔認証判別部７による処理を行う状態に切り換えて、撮像装置１ａにて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが登録されたドライバか否かを判別するように構成されている。
そして、切換部９は、シフトレバー２ａがパーキングポジション以外のポジションに位置しかつパーキングブレーキが解除されているときに、脇見・居眠り判別部８による処理を行う状態に切り換えて、撮像装置１ａにて撮像される画像状態に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別するように構成されている。

すなわち、シフトレバー２ａの位置情報に加えて、パーキングブレーキの操作情報を検出することにより、車両が停止状態にあるのか、走行状態にあるのかをより確実に評価することができる。

前記ドライバモニタ処理装置４ａの動作について、図３のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ドライバモニタ処理装置４ａは、シフトレバー２ａがどのポジションに位置するかのシフトポジションの入力を行い、シフトレバー２ａがパーキングポジションであれば、切換部９にて顔認証判別部７による処理を行う状態に切り換えて、ドライバが登録されたドライバか否かの判別を行う（ステップ１１〜１３）。
そして、ドライバモニタ処理装置４ａは、ドライバが登録されたドライバではないと判別すると、盗難防止用の警報手段１０を作動させる（ステップ１４，１５）。

また、ドライバモニタ処理装置４ａは、シフトレバー２ａがパーキングポジション以外のポジションである場合には、パーキングブレーキが解除されていると、切換部９にて脇見・居眠り判別部８による処理を行う状態に切り換えて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かの判別を行う（ステップ１６，１７）。
そして、ドライバモニタ処理装置４ａは、ドライバが脇見または居眠りしていると判別すると、ドライバ用の警報手段１１を作動させる（ステップ１８，１９）。

〔別実施形態〕
（１）上記第１および第２実施形態では、ドライバモニタ処理装置４ａが、ドライバが登録されたドライバではないと判別したときに、盗難防止用の警報手段１０を作動させるようにしているが、例えば、通信手段を介して外部に報知することも可能であり、ドライバモニタ処理装置４ａが、ドライバが登録されたドライバではないと判別したときに、どのような動作をするかについては適宜変更が可能である。

（２）上記第１および第２実施形態では、ドライバモニタ処理装置４ａが、ドライバが脇見および居眠りしていると判別したときに、ドライバ用の警報手段１１を作動させるようにしているが、例えば、運転席を振動させることも可能であり、ドライバモニタ処理装置４ａが、ドライバが脇見および居眠りしていると判別したときに、どのような動作をするかについては適宜変更が可能である。

ドライバモニタシステムのブロック図 第１実施形態におけるドライバモニタ処理装置の動作を示すフローチャート 第２実施形態におけるドライバモニタ処理装置の動作を示すフローチャート

符号の説明

１ 撮像手段
２ シフト手段
４ 制御手段

Claims (3)

1. 運転席を撮像する撮像手段と、パーキングポジションとそれ以外のポジションとに位置変更自在なシフト手段と、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づき、運転席に着座したドライバが登録されたドライバか否かを判別する顔認証判別、及びドライバのわき見または居眠り判別を行う制御手段とが設けられているドライバモニタシステムであって、
   前記制御手段が、
   前記シフト手段がどのポジションに位置するかの入力が行われ、前記シフト手段がパーキングポジションに位置するときには、前記顔認証判別を行う状態に切り替え、前記シフト手段がパーキングポジション以外のポジションに位置するときには、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かの判別を行う状態に切り替える切替部を備えているドライバモニタシステム。
2. 前記制御手段が、前記シフト手段がパーキングポジション以外のポジションに位置しかつパーキングブレーキが解除されているときには、前記撮像手段にて撮像される画像情報に基づいて、ドライバが脇見または居眠りしているか否かを判別するように構成されている請求項１に記載のドライバモニタシステム。
3. 前記ドライバモニタシステムは更に、盗難防止用の警報手段と、ドライバ用の警報手段とを備え、
   前記制御手段は、運転席に着座したドライバが登録されたドライバでないと判別された場合に前記盗難防止用の警報手段を作動させ、ドライバが脇見または居眠りしていると判別された場合に前記ドライバ用の警報手段を作動させるように構成されている請求項１又は２に記載のドライバモニタシステム。

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