以下、本発明の例示的な実施形態を開示する。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によって実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも1つを得ることが可能である。
本実施形態にかかる盗難防止装置を搭載する車両は、内燃機関(エンジン)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であっても良いし、電動機(モータ)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であっても良いし、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であっても良い。また、車両は、種々の変速装置、内燃機関や電動機の駆動に必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載可能である。また、車両における車輪の駆動に関わる装置の方式、個数、レイアウト等は、種々に設定可能である。
図1は、本実施形態にかかる盗難防止装置を搭載する車両の車室の一部が透視された状態の一例が示された斜視図である。図2は、本実施形態にかかる車両の一例の平面図である。図1に示すように、車両1は、車体2と、操舵部4と、加速操作部5と、制動操作部6と、変速操作部7と、モニタ装置11と、を備える。車体2は、乗員が乗車する車室2aを有する。車室2a内には、乗員としての運転手が座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイールである。加速操作部5は、例えば、運転手の足下に位置されたアクセルペダルである。制動操作部6は、例えば、運転手の足下に位置されたブレーキペダルである。変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。
モニタ装置11は、例えば、ダッシュボード24の車幅方向(すなわち、左右方向)の中央部に設けられる。モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムまたはオーディオシステム等の機能を有していても良い。モニタ装置11は、表示装置8、音声出力装置9、および操作入力部10を有する。また、モニタ装置11は、スイッチ、ダイヤル、ジョイスティック、および押しボタン等の各種の操作入力部を有しても良い。
表示装置8は、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electroluminescent Display)等で構成され、画像データに基づいて各種画像を表示可能である。音声出力装置9は、スピーカ等で構成され、音声データに基づいて各種音声を出力する。音声出力装置9は、車室2a内において、モニタ装置11以外の異なる位置に設けられていても良い。
操作入力部10は、タッチパネル等で構成され、乗員による各種情報の入力を可能とする。また、操作入力部10は、表示装置8の表示画面に設けられ、表示装置8に表示される画像を透過可能である。これにより、操作入力部10は、表示装置8の表示画面に表示される画像を乗員に視認させることを可能とする。操作入力部10は、表示装置8の表示画面上における乗員のタッチ操作を検出することによって、乗員による各種情報の入力を受け付ける。
また、車両1は、後述する乗員状態検出センサ311(図3参照)として、荷重センサ21、後席着座センサ22、ドライバモニタ用撮像部23、乗員モニタ用撮像部25、立体物センサ311d、および電波式センサ311eを備える。荷重センサ21は、座席2bのうち助手席の側部に設けられ、助手席にかかる荷重を検出する。後席着座センサ22は、座席2bのうち後席の内部に設けられ、後席にかかる荷重を検出する。ドライバモニタ用撮像部23は、車室2a内のステアリングコラム付近に設けられ、座席2bのうち運転席に着座した乗員を撮像可能である。乗員モニタ用撮像部25は、車室2a内のオーバーヘッドコンソール付近に設けられ、車室2a内の乗員全てを撮像可能である。立体物センサ311dは、車室2a内のオーバーヘッドコンソール付近(または、運転席および助手席のヘッドレストの裏、車室2aのルーフ部)に設けられ、車室2a内に存在する立体物の立体形状を検出可能である。電波式センサ311eは、車室2a内のステアリングコラム付近に設けられ、車室2a内の立体物で反射した超音波や赤外線等の反射波を検出可能である。
図1および図2に示すように、車両1は、四輪自動車等であり、左右2つの前輪3Fと、左右2つの後輪3Rと、を有する。4つの車輪3の全てまたは一部が、転舵可能である。
車両1は、複数の撮像部15を搭載する。本実施形態では、車両1は、例えば、4つの撮像部15a~15dを搭載する。撮像部15は、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を有するデジタルカメラである。撮像部15は、所定のフレームレートで車両1の周囲を撮像可能である。そして、撮像部15は、車両1の周囲を撮像して得られた撮像画像を出力する。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には、例えば、140°~220°の範囲を撮像可能である。また、撮像部15の光軸は、斜め下方に向けて設定されている場合もある。
具体的には、撮像部15aは、例えば、車体2の後側の端部2eのうち、リアハッチのドア2hのリアウィンドウの下方の壁部に設けられている。そして、撮像部15aは、車両1の周囲のうち、当該車両1の後方の領域を撮像可能である。撮像部15bは、例えば、車体2の右側の端部2fのうち、右側のドアミラー2gに設けられている。そして、撮像部15bは、車両1の周囲のうち、当該車両1の側方の領域を撮像可能である。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち、車両1の前後方向の前方側の端部2cのうち、フロントバンパやフロントグリル等に設けられている。そして、撮像部15cは、車両1の周囲のうち、当該車両1の前方の領域を撮像可能である。撮像部15dは、例えば、車体2の左側、すなわち、車幅方向の左側の端部2dのうち、左側のドアミラー2gに設けられている。そして、撮像部15dは、車両1の周囲のうち、当該車両1の側方の領域を撮像可能である。
図3は、本実施形態にかかる車両の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、車両1は、アンテナ301、室外チューナー302、バッテリ303、リモート操作ECU(Electronic Control Unit)304、エアコンECU305、エンジンECU306、照合ECU307、ボデーECU308、電源SW309、不正検出センサ310、乗員状態検出センサ311、盗難防止ECU312、および警報装置313を有する。そして、リモート操作ECU304、エアコンECU305、エンジンECU306、照合ECU307、ボデーECU308、不正検出センサ310、乗員状態検出センサ311、および盗難防止ECU312は、電気通信回線である車内ネットワーク314を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク314は、CAN(Controller Area Network)等に構成される。
アンテナ301は、スマートキーやスマートフォン等の外部装置Dから、車両1の駆動源(例えば、エンジン、電動機)の始動、車両1が備える車載器や空調機器の制御等に関わる各種信号の電波を受信する。室外チューナー302は、アンテナ301により受信する電波を選択する。バッテリ303は、車両1が有する各種機器に対して電力を供給する蓄電池である。電源SW309は、バッテリ303から乗員状態検出センサ311への電力の供給を遮断可能なスイッチである。
リモート操作ECU304は、アンテナ301を介して、外部装置Dから受信した各種信号に基づいて、エアコンECU305、エンジンECU306、照合ECU307、ボデーECU308、乗員状態検出センサ311、盗難防止ECU312等の各部に対して、車両1の制御等に関わる各種要求(例えば、車両1の遠隔作動を要求する遠隔作動要求、車両1の駆動源の始動を指示する作動要求、外部装置の一例であるスマートキーから受信するスマートキー情報)を送信する。ここで、スマートキー情報は、車両1に近づいたスマートキー(例えば、車両1から予め設定された距離内に存在するスマートキー)から受信する情報であり、当該スマートキーを識別可能とする情報である。
エアコンECU305は、リモート操作ECU304から受信する遠隔作動要求等に応じて、車両1が有するエアコン等の空調機器を作動させる。エンジンECU306は、リモート操作ECU304から受信する遠隔作動要求や作動要求等に応じて、車両1の駆動源を作動させる。照合ECU307は、リモート操作ECU304から受信するスマートキー情報と、車両1が有する記憶部に予め記憶されたスマートキー情報とを照合する。ボデーECU308は、リモート操作ECU304から受信する遠隔作動要求等に応じて、車両1が有する座席のチルトやスライドや回転、操舵部4の操舵、車両1が有するドアの開閉、車両1が有するドアのカーテシスイッチ301aのオンオフ、車両1が有する各種ランプの点灯、車両1のバレー駐車、車両1の駐車領域からの入出庫等を制御する。本実施形態では、エアコンECU305、エンジンECU306、およびボデーECU308が、リモート操作ECU304によって外部装置Dから受信する遠隔作動要求に応じて、車両1を作動させる制御部として機能する。
不正検出センサ310は、車両1に対する不正な侵入等の不正行為を検出する。本実施形態では、不正検出センサ310は、侵入センサ310c、傾斜センサ310d、および振動センサ310eを有する。
侵入センサ310cは、車室2a内で反射した超音波や電波の検出結果に基づいて、車両1の車室2a内への不正な侵入を検出する。傾斜センサ310dは、車両1の傾きを検出し、その検出結果に基づいて、車両1に対する不正行為を検出する。振動センサ310eは、車両1の振動を検出し、その検出結果に基づいて、車両1に対する不正行為を検出する。
また、車両1は、カーテシスイッチ310aおよびドアロックポジションスイッチ301bを有する。カーテシスイッチ310aは、車両1のドアに設けられ、当該ドアの開閉を検出するセンサであり、ドアの開閉の検出結果を盗難防止ECU312に通知する。ドアロックポジションスイッチ310bは、車両1のドアロックに設けられ、当該ドアロックがロックされているか、若しくはロック解除されているかを検出し、その検出結果を盗難防止ECU312に通知する。
乗員状態検出センサ311は、車両1に乗車した乗員の状態を検出する。本実施形態では、乗員状態検出センサ311は、シートECU311a、ドライバモニタECU311b、乗員モニタECU311c、立体物センサ311d、および電波式センサ311eを有する。本実施形態では、乗員状態検出センサ311は、シートECU311a、ドライバモニタECU311b、乗員モニタECU311c、立体物センサ311d、および電波式センサ311eを有しているが、乗員状態検出センサ311は、シートECU311a、ドライバモニタECU311b、乗員モニタECU311c、立体物センサ311d、および電波式センサ311eのうち少なくとも1つを有していれば良い。
シートECU311aは、座席2bに設けられる荷重センサ21および後席着座センサ22から、座席2bにかかる荷重の検出結果を取得する。そして、シートECU311aは、取得した荷重に基づいて、座席2bへの着座の有無、または車両1の座席2bに着座した乗員の体格(例えば、大人、子供)を判定する荷重認識部として機能する。
ドライバモニタECU311bは、車両1の座席2b等の車室2a内を撮像可能に設けられるドライバモニタ用撮像部23から、車室2a内を撮像して得られる撮像画像を取得する。そして、ドライバモニタECU311bは、取得した撮像画像に基づいて、車両1の乗員を検出する乗員状態認識部として機能する。具体的には、ドライバモニタECU311bは、車両1の乗員の視線や、顔の向き、瞼の開き具合、首振り、脇見等の当該乗員の動作を検出する乗員状態認識部として機能する。
乗員モニタECU311cは、車室2a内の乗員全てを撮像可能に設けられる乗員モニタ用撮像部25から、車室2a内を撮像して得られる撮像画像を取得する。そして、乗員モニタECU311cは、取得した撮像画像に基づいて、車両1の乗員を検出する乗員状態認識部として機能する。具体的には、乗員モニタECU311cは、取得した撮像画像に基づいて、乗員の頭部の位置や大きさ、乗員の有無、乗員の体格、後席に設置されるチャイルドシートの有無、シートベルトの脱着、乗員の姿勢、座席2bの位置、乗員の位置、乗員の顔の向き、乗員の降車、ドアや窓等に対する乗員の手足の挟み込み等の乗員全ての動作を検出する。
立体物センサ311dは、車両1内の立体物との距離を検出可能に設けられ、当該距離の検出結果に基づいて、車両1内の立体物の立体形状を検出する立体物認識部として機能する。本実施形態では、立体物センサ311dは、車室2a内の立体物(例えば、車両1の座席2bに着座した乗員)で反射した超音波や赤外線等の反射波を検出可能に設けられる。そして、立体物センサ311dは、反射波の検出結果に基づいて、車室2a内の立体物との距離を求め、当該距離を用いて、当該立体物の立体形状(例えば、乗員のジェスチャ、車両1の座席へ置き忘れた物)を検出する。
電波式センサ311deは、車両1内の乗員の生体情報を検出する生体認識部として機能する。本実施形態では、電波式センサ311eは、車室2a内で反射した電波を検出可能に設けられ、検出した電波のドップラー効果に基づいて、乗員の生体情報(例えば、心拍数、目瞑り)を検出する。
盗難防止ECU312は、車両1の盗難を防止するための処理を実行する。本実施形態では、盗難防止ECU312は、車両1の状態に応じて、不正検出センサ310および乗員状態検出センサ311を制御して、車両1に対する不正行為を検出する。ここで、車両1の状態には、無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態、および警報状態がある。無警戒状態は、車両1に対する乗員の乗車意思がある状態である。警戒準備状態は、車両1からの乗員の降車意思がある状態である。警戒状態は、車両1に対する乗員の乗車意思が無く、かつ車両1から乗員が降車した状態である。警報状態は、車両1に対する不正行為を検出した状態であり、警報装置313から警報が発せられている状態である。
本実施形態では、盗難防止ECU312は、車両1が警戒状態にあると判定されかつリモート操作ECU304によって受信した遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合に、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げ、かつ乗員状態検出センサ311を用いて、車両1に対する不正行為を検出する。これにより、車両1が警戒状態であると判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合に、不正検出センサ310による車両1に対する不正行為の誤検出を防止しつつ、乗員状態検出センサ311を用いて、車両1に対する不正行為を検出できるので、車両1が警戒状態であると判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合でも、不正検出センサ310による車両1に対する不正行為の誤検出の可能性を防止しつつ、車両1に対する不正行為を高精度に検出できる。本実施形態では、盗難防止ECU312は、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からの乗員状態検出センサ311の切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御して乗員状態検出センサ311に対して電力を供給することにより、乗員状態検出センサ311を、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。
ここで、不正検出センサ310を無効化するとは、不正検出センサ310が車両1に対する不正行為を検出しない状態である。また、不正検出センサ310の検出感度を下げるとは、不正検出センサ310による車両1に対する不正行為を検出する感度を下げることである。例えば、盗難防止ECU312は、傾斜センサ310dを用いて、車両1に対する不正行為を検出する場合、車両1に対する不正行為が発生したと判断する車両1の傾きの閾値を上げる。また、盗難防止ECU312は、振動センサ310eを用いて、車両1に対する不正行為を検出する場合、車両1に対する不正行為が発生したと判断する車両1の振動の大きさの閾値を上げる。
本実施形態では、盗難防止ECU312は、車両1が警戒状態にあると判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合、シートECU311a、ドライバモニタECU311b、乗員モニタECU311c、立体物センサ311d、および電波式センサ311eの少なくとも1つを用いて、車両1に対する不正行為を検出するものとする。これにより、車両1が警戒状態と判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合に、不正検出センサ310とは別に、新たな不正行為検出用のセンサを設けることなく、車両1に対する不正行為の検出精度を向上させることができる。その結果、車両1が警戒状態と判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合に、新たなセンサの追加によるコストの増加を抑制しつつ、車両1や当該車両1内の装備品の盗難を適正に防止できる。
また、盗難防止ECU312は、車両1が警戒状態と判定されかつ外部装置Dから遠隔作動要求を受信していない場合、不正検出センサ310を有効化する。その際、盗難防止ECU312は、乗員状態検出センサ311を無効化する。これにより、車両1が警戒状態にあると判定されかつ遠隔作動要求を受信していない場合に、不正検出センサ310のみを用いて、車両1に対する不正行為を検出するので、車両1に対する不正行為の検出によって乗員状態検出センサ311にかかる処理負荷を軽減できる。ここで、乗員状態検出センサ311を無効化するとは、乗員状態検出センサ311を用いて車両1に対する不正行為を検出しない状態にすることである。本実施形態では、盗難防止ECU312は、車両1が警戒状態と判定されかつ遠隔作動要求を受信していない場合、電源SW309を制御して、乗員状態検出センサ311への電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによって乗員状態検出センサ311を車内ネットワーク314から切り離すことによって、乗員状態検出センサ311を無効化する。これにより、車両1が警戒状態と判定されかつ外部装置Dから遠隔作動要求を受信していない場合、乗員状態検出センサ311において電力が消費されることを防止できるので、車両1における消費電力を低減できる。また、不正検出センサ310を有効化するとは、不正検出センサ310を、車両1に対する不正行為を検出可能な状態にすることであり、不正検出センサ310の検出感度が予め設定された検出感度以下に下げられている場合には、不正検出センサ310の検出感度を予め設定された検出感度より高くすることである。
警報装置313は、車両1に対する不正行為が検出された場合に、車両1に対する不正行為の発生を外部に通知する。本実施形態では、警報装置313は、車両1に対する不正行為が検出された場合、車両1が有するホーン313aを鳴らしたり、車両1が有するハザードランプ313bを点灯させたりすることによって、車両1に対する不正行為の発生を外部に通知する。または、警報装置313は、車両1に対する不正行為が検出された場合、アンテナ301を介して、外部装置Dに対して、車両1に対する不正行為が検出されたことを通知しても良い。
次に、盗難防止ECU312の具体的な機能構成について説明する。盗難防止ECU312は、状態遷移制御部312a、感度制御部312b、遷移禁止部312c、乗員認識センサ制御部312d、および判定部312eを有する。状態遷移制御部312aは、車両1の状態を判定する。本実施形態では、状態遷移制御部312aは、車両1の状態が、無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態、および警報状態のいずれの状態かを判定する判定部として機能する。
感度制御部312bは、状態遷移制御部312aにより判定された車両1の状態、および遠隔作動要求を受信しているか否かに応じて、不正検出センサ310による車両1に対する不正行為の検出を制御する。具体的には、感度制御部312bは、車両1の状態が警戒状態と判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合、不正検出センサ310を無効化するか、若しくは不正検出センサ310による車両1に対する不正行為の検出感度を下げる。一方、感度制御部312bは、車両1の状態が警戒状態と判定されかつリモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していない場合、不正検出センサ310を有効化して、当該不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する。
乗員認識センサ制御部312dは、車両1の状態が警戒状態と判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合、乗員状態検出センサ311を通常使用モードからセキュリティモードへと遷移させ、乗員状態検出センサ311を用いて、車両1に対する不正行為を検出する。ここで、通常使用モードは、乗員状態検出センサ311が、車両1に乗車した乗員の状態を検出するモードである。
また、セキュリティモードは、乗員状態検出センサ311によって、車両1に対する不正行為を検出するモードである。乗員認識センサ制御部312dは、乗員状態検出センサ311をセキュリティモードへ遷移させた場合、乗員状態検出センサ311を用いて、車両1に対する不正行為を検出する。具体的には、シートECU311aは、乗員の降車意思を検出された時(警戒準備状態)の座席2bへの着座の有無の状態(例えば、警戒準備状態において座席2bにかかる荷重)、および警戒準備状態における荷重センサ21および後席着座センサ22による荷重の検出結果に基づく乗員の体格情報(例えば、荷重)を、当該シートECU311aが備える記憶部に保存する。その後、シートECU311aは、セキュリティモードに遷移すると、座席2bに設けられる荷重センサ21および後席着座センサ22により検出される、車両1の座席2bにかかる荷重を取得する。そして、シートECU311aは、取得した荷重が、警戒準備状態における座席2bへの着座の有無の状態と異なる状態である場合に、車両1に対する不正行為を検出する。または、シートECU311aは、取得した荷重に基づく乗員の体格情報(例えば、荷重)と、警戒準備状態における荷重センサ21および後席着座センサ22による荷重の検出結果に基づく乗員の体格情報とを比較して、その差異が所定の閾値を超えた場合に、車両1に対する不正行為を検出する。ここで、所定の閾値は、車両1への不正行為を検出する体格情報の閾値である。これにより、遠隔作動要求に応じた車両1の作動状態に関わらず、車両1内への不正な侵入を高精度に検出できる。
また、ドライバモニタECU311bは、警戒準備状態においてドライバモニタ用撮像部23の撮像により得られる撮像画像を取得し、当該取得した撮像画像をドライバモニタECU311bが備える記憶部に保存する。その後、ドライバモニタECU311bは、セキュリティモードに遷移すると、車室2a内に設けられるドライバモニタ用撮像部23から、車室2a内を撮像して得られる撮像画像を取得する。そして、ドライバモニタECU311bは、記憶部に記憶される撮像画像を基準として、取得した撮像画像の変化量(差異)を求める。ここで、変化量は、例えば、記憶部に記憶される撮像画像の輝度値と、ドライバモニタ用撮像部23から取得した撮像画像の輝度値との差分等である。そして、ドライバモニタECU311bは、求めた変化量が予め設定された閾値を超えた場合に、車両1に対する不正行為を検出する。また、ドライバモニタECU311bは、取得した撮像画像に基づいて、乗員の状態(例えば、乗員の視線、顔の向き、瞼の開き具合、脇見)を検出する。そして、ドライバモニタECU311bは、乗員の状態が検出された場合に、車両1に対する不正行為を検出する。これにより、遠隔作動要求に応じた車両1の作動状態に関わらず、車両1内への不正な侵入を高精度に検出できる。
乗員モニタECU311cは、警戒準備状態において乗員モニタ用撮像部25の撮像により得られる撮像画像を取得し、当該取得した撮像画像を乗員モニタECU311cが備える記憶部に保存する。その後、乗員モニタECU311cは、セキュリティモードに遷移すると、乗員モニタ用撮像部25から、車室2a内を撮像して得られる撮像画像を取得する。そして、乗員モニタECU311cは、記憶部に記憶される撮像画像を基準として、取得した撮像画像の変化量(差異)を求める。ここで、変化量は、記憶部に記憶される撮像画像の輝度値と、乗員モニタ用撮像部25から取得した撮像画像の輝度値との差分等である。そして、乗員モニタECU311cは、求めた変化量が予め設定された閾値を超えた場合に、車両1に対する不正行為を検出する。また、乗員モニタECU311cは、取得した撮像画像に基づいて、乗員全ての状態(例えば、乗員の頭部の位置や大きさ、乗員の有無、乗員の姿勢、乗員の顔の向き)を検出する。そして、乗員モニタECU311cは、乗員の状態が検出された場合に、車両1に対する不正行為を検出する。これにより、遠隔作動要求に応じた車両1の作動状態に関わらず、車両1内への不正な侵入を高精度に検出できる。
また、立体物センサ311dは、警戒準備状態において検出した立体物の立体形状を、立体物センサ311dが有する記憶部に保存する。その後、立体物センサ311dは、セキュリティモードに遷移すると、車両1内の立体物との距離の検出結果を取得し、車両1内の立体物との距離の検出結果に基づいて、車両1内の立体物の立体形状を検出する。そして、立体物センサ311dは、当該検出した立体形状が、記憶部に記憶される立体形状と異なる場合に、車両1に対する不正行為を検出する。これにより、遠隔作動要求に応じた車両1の作動状態に関わらず、車両1内への不正な侵入を高精度に検出できる。また、電波式センサ311eは、警戒準備状態において検出した生体情報を、電波式センサ311eが有する記憶部に保存する。その後、電波式センサ311eは、セキュリティモードに遷移すると、車室2a内に存在する乗員の生体情報を検出する。そして、電波式センサ311eは、検出した生体情報が、記憶部に記憶される生体情報と異なる場合、車両1に対する不正行為を検出する。これにより、遠隔作動要求に応じた車両1の作動状態に関わらず、車両1内への不正な侵入を高精度に検出できる。ここで、予め設定された生体情報は、車両1の状態が無警戒状態にある時に検出した生体情報である。
遷移禁止部312cは、状態遷移制御部312aによって車両1の状態の遷移が検出されるまでの間、車両1の現在の状態を維持する(言い換えると、車両1の状態の遷移を禁止する)。判定部312eは、不正検出センサ310または乗員状態検出センサ311による車両1に対する不正行為の検出結果に基づいて、後述する警報装置313による、車両1に対する不正行為の通知処理を制御する。
次に、図4を用いて、本実施形態にかかる車両1の状態遷移の一例について説明する。図4は、本実施形態にかかる車両の状態遷移の一例を説明するための図である。
状態遷移制御部312aは、図4に示すように、カーテシスイッチ310aによってドアの開状態(以下、カーテシSW開と言う)が検出され、ドアロックポジションスイッチ310bによってドアロックの解除(以下、ドアロック解除と言う)が検出され、かつリモート操作ECU304がアンテナ301を介してスマートキーからの電波を検出した(オーナーキー検出)状態である場合、車両1の状態を、車両1に対する乗車意思を乗員が示している無警戒状態と判定する。
また、状態遷移制御部312aは、図4に示すように、カーテシスイッチ310aによってドアの閉状態(以下、カーテシSW閉と言う)が検出され、ドアロックポジションスイッチ310bによってドアロックのロック(以下、ロック状態と言う)が検出され、車両1のイグニッション電源のオフ(以下、IG-OFFと言う)が検出され、ドライバモニタECU311bあるいは乗員モニタECU311cによって乗員が認識されず(乗員無し)、かつオーナーキーが検出された場合、車両1の状態を、車両1からの降車意思を乗員が示している警戒準備状態と判定する。
また、状態遷移制御部312aは、図4に示すように、カーテシSW閉が検出され、ロック状態が検出され、IG-OFFが検出され、かつリモート操作ECU304がスマートキーからの電波を検出していない(オーナーキー非検出)状態である場合、車両1の状態を、車両1から乗員が降車した警戒状態と判定する。また、状態遷移制御部312aは、図4に示すように、警戒状態において、不正検出センサ310または乗員状態検出センサ311によって、車両1に対する不正行為が検出された場合、車両1の状態を、警報装置313によって車両1に対する不正行為を通知する警報状態へと遷移させる。
また、状態遷移制御部312aは、図4に示すように、警報状態に遷移した後、不正検出センサ310または乗員状態検出センサ311によって車両1に対する不正行為が検出されない時間が、所定時間継続してタイムアウトした場合、車両1の状態を、再び、警戒状態へと戻す。さらに、状態遷移制御部312aは、図4に示すように、警報状態に遷移した後、カーテシSW開が検出され、ドアロック解除が検出され、かつオーナーキーが検出された場合、車両1の状態を、無警戒状態へと遷移させる。または、状態遷移制御部312aは、図4に示すように、警報状態に遷移した後、通常キーによるドアロック解除や、リモート操作ECU304によって、外部装置Dから、警報状態の解除を指示する警報解除要求を受信した場合、車両1の状態を無警戒状態へと遷移させる。
次に、図5を用いて、本実施形態にかかる車両1に対する不正行為の検出処理の流れの一例について説明する。図5は、本実施形態にかかる車両に対する不正行為の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
状態遷移制御部312aは、車両1の状態が、警戒状態か否かを判定する(ステップS501)。車両1の状態が警戒状態でないと判定した場合(ステップS501:No)、感度制御部312bおよび乗員認識センサ制御部312dは、不正検出センサ310および乗員状態検出センサ311を制御して、車両1に対する不正行為の検出処理を実行しない。
一方、車両1の状態が警戒状態であると判定した場合(ステップS501:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したか否かを判断する(ステップS502)。リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していないと判断した場合(ステップS502:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310を有効化して、当該不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する(ステップS508)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、乗員状態検出センサ311を無効化するか、若しくは乗員状態検出センサ311を通常使用モードとする(ステップS508)。乗員状態検出センサ311を無効化する場合、乗員認識センサ制御部312dは、電源SW309を制御して乗員状態検出センサ311への電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによって乗員状態検出センサ311を車内ネットワーク314から切り離して、シートECU311a、ドライバモニタECU311b、乗員モニタECU311c、立体物センサ311d、および電波式センサ311d等の乗員状態検出センサ311をスリープ(休止状態)にする。
一方、リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したと判断した場合(ステップS502:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、乗員状態検出センサ311をセキュリティモードとする(ステップS503)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からの乗員状態検出センサ311の切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御して乗員状態検出センサ311に対して電力を供給する。これにより、乗員認識センサ制御部312dは、乗員状態検出センサ311を、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。また、感度制御部312bは、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げる(ステップS503)。
その後、感度制御部312bおよび乗員認識センサ制御部312dは、不正検出センサ310または乗員状態検出センサ311によって車両1に対する不正行為が検出されたか否かを判断する(ステップS504)。不正検出センサ310または乗員状態検出センサ311によって車両1に対する不正行為を検出した場合(ステップS504:Yes)、状態遷移制御部312aは、車両1を警報状態へと遷移させる(ステップS505)。車両1が警報状態へと遷移すると、判定部312eは、警報装置313を制御して、車両1が有するホーン313aを鳴らしたり、車両1が有するハザードランプ313bを点灯させたり、車両1に対する不正行為が検出されたことを外部に通知する。
不正検出センサ310および乗員状態検出センサ311のいずれによっても車両1に対する不正行為が検出されなかった場合(ステップS504:No)、エアコンECU305、エンジンECU306、およびボデーECU306は、受信した遠隔作動要求に応じて、車両1を作動させる(ステップS506)。乗員認識センサ制御部312dは、遠隔作動要求に応じて車両1が遠隔作動している間、車両1が遠隔作動中であるか否かを判断する(ステップS507)。車両1が遠隔作動中であると判断した場合(ステップS507:Yes)、感度制御部312bおよび乗員認識センサ制御部312dは、ステップS504に戻り、不正検出センサ310または乗員状態検出センサ311によって車両1に対する不正行為を検出する。
車両1が遠隔作動中でないと判断した場合(ステップS507:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310を有効化して、当該不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する(ステップS508)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、乗員状態検出センサ311を無効化するか、若しくは乗員状態検出センサ311を通常使用モードとする(ステップS508)。
次に、図6を用いて、本実施形態にかかる車両1におけるドライバモニタECU311bを用いた車両1に対する不正行為の検出処理の流れの一例について説明する。図6は、本実施形態にかかる車両におけるドライバモニタECUを用いた車両に対する不正行為の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図5に示す処理と同様の箇所については説明を省略する。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したと判断した場合(ステップS502:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、ドライバモニタECU311bをセキュリティモードとする(ステップS601)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からのドライバモニタECU311bの切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御してドライバモニタECU311bに対して電力を供給する。これにより、乗員認識センサ制御部312dは、ドライバモニタECU311bを、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。また、感度制御部312bは、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げる(ステップS601)。
ドライバモニタECU311bは、セキュリティモードに遷移すると、車室2a内を撮像可能に設けられるドライバモニタ用撮像部23から撮像画像を取得する。次いで、ドライバモニタECU311bは、取得した撮像画像に基づいて、乗員の状態(例えば、撮像画像に乗員の顔の画像が含まれているか否か)を検出する。そして、ドライバモニタECU311bは、撮像画像から乗員の状態が検出された場合、車両1に対する不正行為を検出する(ステップS504:Yes)。または、ドライバモニタECU311bは、警戒準備状態においてドライバモニタ用撮像部23の撮像により得られる撮像画像を基準として、セキュリティモードに遷移した際にドライバモニタ用撮像部23から取得した撮像画像の変化量を求める。そして、ドライバモニタECU311bは、求めた変化量が予め設定された閾値を超えた場合に、車両1に対する不正行為を検出しても良い。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していないと判断した場合(ステップS502:No)または車両1が遠隔作動中でないと判断した場合(ステップS507:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する(ステップS602)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、ドライバモニタECU311bを無効化するか、若しくはドライバモニタECU311bを通常使用モードとする(ステップS602)。ドライバモニタECU311bを無効化する場合、乗員認識センサ制御部312dは、電源SW309を制御してドライバモニタECU311bへの電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによってドライバモニタECU311bを車内ネットワーク314から切り離して、ドライバモニタECU311bをスリープ(休止状態)にする。
次に、図7を用いて、本実施形態にかかる車両1における乗員モニタECU311cを用いた車両1に対する不正行為の検出処理の流れの一例について説明する。図7は、本実施形態にかかる車両における乗員モニタECUを用いた車両に対する不正行為の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図5に示す処理と同様の箇所については説明を省略する。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したと判断した場合(ステップS502:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、乗員モニタECU311cをセキュリティモードとする(ステップS701)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からの乗員モニタECU311cの切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御して乗員モニタECU311cに対して電力を供給する。これにより、乗員認識センサ制御部312dは、乗員モニタECU311cを、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。また、感度制御部312bは、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げる(ステップS701)。
乗員モニタECU311cは、セキュリティモードに遷移すると、車室2a内を撮像可能に設けられる乗員モニタ用撮像部25から撮像画像を取得する。次いで、乗員モニタECU311cは、取得した撮像画像に基づいて、乗員の状態(例えば、撮像画像に乗員の顔の画像が含まれているか否か)を検出する。そして、乗員モニタECU311cは、撮像画像から乗員の状態が検出された場合、車両1に対する不正行為を検出する(ステップS504:Yes)。または、乗員モニタECU311cは、警戒準備状態においてドライバモニタ用撮像部23の撮像により得られる撮像画像を基準として、セキュリティモードに遷移した際に乗員モニタ用撮像部25から取得した撮像画像の変化量を求める。そして、乗員モニタECU311cは、求めた変化量が予め設定された閾値を超えた場合に、車両1に対する不正行為を検出しても良い。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していないと判断した場合(ステップS502:No)または車両1が遠隔作動中でないと判断した場合(ステップS507:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する(ステップS702)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、乗員モニタECU311cを無効化するか、若しくは乗員モニタECU311cを通常使用モードとする(ステップS503)。乗員モニタECU311cを無効化する場合、乗員認識センサ制御部312dは、電源SW309を制御して乗員モニタECU311cへの電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによって乗員モニタECU311cを車内ネットワーク314から切り離して、乗員モニタECU311cをスリープ(休止状態)にする。
次に、図8を用いて、本実施形態にかかる車両1における立体物センサ311dを用いた車両1に対する不正行為の検出処理の流れの一例について説明する。図8は、本実施形態にかかる車両における立体物センサを用いた車両に対する不正行為の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図5に示す処理と同様の箇所については説明を省略する。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したと判断した場合(ステップS502:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、立体物センサ311dをセキュリティモードとする(ステップS801)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からの立体物センサ311dの切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御して立体物センサ311dに対して電力を供給する。これにより、乗員認識センサ制御部312dは、立体物センサ311dを、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。また、感度制御部312bは、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げる。
立体物センサ311dは、セキュリティモードへ遷移した場合、車室2a内の立体物からの反射波の検出結果に基づいて、車室2a内の立体物の立体形状を求める。さらに、立体物センサ311dは、求めた立体形状が、警戒準備状態において検出した立体物の立体形状と異なるか否かを判断する。そして、立体物センサ311dは、車室2a内の立体物のうち遠隔作動によって動かない特定部位の立体形状が、警戒準備状態において検出した特定部位の立体形状と異なる場合、車両1に対する不正行為を検出する(ステップS504:Yes)。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していないと判断した場合(ステップS502:No)または車両1が遠隔作動中でないと判断した場合(ステップS507:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する(ステップS802)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、立体物センサ311dを無効化するか、若しくは立体物センサ311dを通常使用モードとする(ステップS802)。立体物センサ311dを無効化する場合、乗員認識センサ制御部312dは、電源SW309を制御して立体物センサ311dへの電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによって立体物センサ311dを車内ネットワーク314から切り離して、立体物センサ311dスリープ(休止状態)にする。
次に、図9を用いて、本実施形態にかかる車両1における電波式センサ311dを用いた車両1に対する不正行為の検出処理の流れの一例について説明する。図9は、本実施形態にかかる車両における電波式センサを用いた車両に対する不正行為の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図5に示す処理と同様の箇所については説明を省略する。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したと判断した場合(ステップS502:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、電波式センサ311dをセキュリティモードとする(ステップS901)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からの電波式センサ311dの切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御して電波式センサ311dに対して電力を供給する。これにより、乗員認識センサ制御部312dは、電波式センサ311dを、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。また、感度制御部312bは、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げる。
電波式センサ311eは、セキュリティモードへ遷移した場合、車室2a内で反射した電波の検出結果に基づいて、車室2a内に存在する乗員の生体情報を検出する。そして、電波式センサ311eは、検出した生体情報が、警戒準備状態において検出した生体情報と異なる場合、車両1に対する不正行為を検出する(ステップS504:Yes)。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していないと判断した場合(ステップS502:No)または車両1が遠隔作動中でないと判断した場合(ステップS507:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310によって車両1に対する不正行為を検出する(ステップS902)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、電波式センサ311dを無効化するか、若しくは電波式センサ311dを通常使用モードとする(ステップS902)。電波式センサ311dを無効化する場合、乗員認識センサ制御部312dは、電源SW309を制御して電波式センサ311dへの電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによって電波式センサ311dを車内ネットワークから切り離して、電波式センサ311dをスリープ(休止状態)にする。
次に、図10を用いて、本実施形態にかかる車両1におけるシートECU311aを用いた車両1に対する不正行為の検出処理の流れの一例について説明する。図10は、本実施形態にかかる車両におけるシートECUを用いた車両に対する不正行為の検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図5に示す処理と同様の箇所については説明を省略する。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信したと判断した場合(ステップS502:Yes)、乗員認識センサ制御部312dは、シートECU311aをセキュリティモードとする(ステップS1001)。その際、乗員認識センサ制御部312dでは、CANパーシャルネットワークによる車内ネットワーク314からのシートECU311aの切り離しを解除するか、若しくは、電源SW309を制御してシートECU311aに対して電力を供給する。これにより、乗員認識センサ制御部312dは、シートECU311aを、車両1に対する不正行為を検出可能な状態とする。また、感度制御部312bは、不正検出センサ310を無効化するか若しくは不正検出センサ310の検出感度を下げる。
シートECU311aは、セキュリティモードに遷移した場合、車両1の座席2bに内蔵される荷重センサ21および後席着座センサ22から、当該座席2bにかかる荷重を取得する。そして、シートECU311aは、取得した荷重が、警戒準備状態における座席2bへの着座の有無の状態と異なる状態である場合または警戒準備状態において荷重センサ21および後席着座センサ22による荷重の検出結果に基づく乗員の体格情報と異なる場合に、車両1に対する不正行為を検出する(ステップS504:Yes)。
リモート操作ECU304によって遠隔作動要求を受信していないと判断した場合(ステップS502:No)または車両1が遠隔作動中でないと判断した場合(ステップS507:No)、感度制御部312bは、不正検出センサ310によって車両1への不正な侵入を検出する(ステップS1002)。その際、乗員認識センサ制御部312dは、シートECU311aを無効化するか、若しくはシートECU311aを通常使用モードとする(ステップS1002)。シートECU311aを無効化する場合、乗員認識センサ制御部312dは、電源SW309を制御してシートECU311aへの電力の供給を遮断するか、若しくはCANパーシャルネットワークによってシートECU311aを車内ネットワーク314から切り離して、シートECU311aをスリープ(休止状態)にする。
このように、本実施形態にかかる車両1によれば、車両1が警戒状態であると判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合に、不正検出センサ310による車両1に対する不正行為の誤検出を防止しつつ、乗員状態検出センサ311を用いて、車両1に対する不正行為を検出できるので、車両1が警戒状態であると判定されかつ遠隔作動要求に応じて車両1を作動させる場合でも、不正検出センサ310による車両1に対する不正行為の誤検出の可能性を防止しつつ、車両1に対する不正行為を高精度に検出できる。