JP2012121369A - 車輌盗難防止装置及び車載制御装置 - Google Patents

車輌盗難防止装置及び車載制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車輌内への不正侵入を高精度に検知すると共に、車輌内へ侵入しての盗難をより効果的に防止することができる車輌盗難防止装置及び車載制御装置を提供する。
【解決手段】ボディECU20は、車輌1の車高を検知するためのホール素子9を用いて車輌1内への侵入を検知する。ホール素子9又は異常検知用センサ15の検知結果に基づいて車輌1に異常を検知した場合、ボディECU20は、車輌1の全てのドアをロックしてアンロック禁止とし、全ての窓を閉じて開動作禁止とし、且つ、車輌1のエンジン始動を禁止する。またボディECU20は、ホール素子9の故障検知を行い、ホール素子9が故障した場合には車高に応じた侵入検知を行わず、異常検知用センサ15の検知結果に基づく車輌1の異常検知のみを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、駐車中の車輌などにおいて、車輌内への不審者の侵入を検知して警報などを発することによって、車輌又は車輌内に設置された機器等の盗難を防止することができる車輌盗難防止装置及び車載制御装置に関する。
従来、車輌の車室内にはカーナビゲーション装置及びオーディオ装置等の種々の機器が搭載され、ユーザによる車輌の運転補助又は車内における居住快適性の向上が行われている。しかしこれらの車載機器が高価であることから、いわゆる車上荒らしのような車載機器の盗難犯罪が多発している。このような車載機器の盗難を防止するため、近年では種々のセキュリティ機能を有する車輌盗難防止装置が車輌に搭載されている。
特許文献1においては、車輌の全てのドアがロック状態である場合にアプローチセンサによる人の接近検出を開始し、人の接近を検出したときにサイドビューカメラ及びバックビューカメラによる車輌外部の撮影を行う車輌盗難防止装置が提案されている。この車輌盗難防止装置は、車輌への人の接近及び車輌への盗難行為等を撮影し、撮影により得られた画像データを送信する。
また車輌盗難防止装置には、例えば車輌内への不審者の侵入を検知して警報又は通報等を行う機能を有しているものがある。このような侵入検知機能を有する車輌盗難防止装置は、例えば車輌内のインストルメントパネル又は天井部分等からマイクロ波又は超音波等を出力し、その反射波を検知して周波数の変化を調べることによって、車輌内の侵入者の有無を検知する構成とすることができる。この構成の車輌盗難防止装置は、マイクロ波又は超音波等を反射させる物体が動いている場合に、出力したマイクロ波又は超音波に対して検知される反射波の周波数が変化することを利用して、車輌内で動く物体(侵入者)を検知するものである。
特開2004−155354号公報
しかしながら、マイクロ波又は超音波等を用いた侵入検知は、車輌内における検知範囲が狭く、侵入者の検知精度が低いという問題がある。この検知方法では、マイクロ波又は超音波等の出力範囲を広げると誤検知が発生しやすくなるため、検知範囲を拡大することは容易ではない。また装置が高価であるため、この検知方法を利用する車輌盗難防止装置は、現状では高級車にのみ搭載されている。
特許文献1に記載の車輌盗難防止装置も同様に、接近検知のためのアプローチセンサは、電波の放射及び反射波の検知によって車輌への物体の接近を検知するものであり、盗難の意思のない人が車輌周辺に存在する場合であってもこれを誤検知する虞がある。このような誤検知によってもサイドビューカメラ及びバックビューカメラが動作するため、車輌のエンジン停止時におけるバッテリの電力消費量が増大するという問題がある。
また従来の車輌盗難防止装置及び特許文献1に記載の車輌盗難防止装置では、不審者の侵入又は接近等を検知した場合に警報又は通報等を行うのみであるため、盗難が短時間でなされたときにはこれを防ぐことができない虞がある。特許文献1に記載の車輌盗難防止装置は、カメラによる撮影を行うことができるものの、盗難者が顔を隠して盗難を行った場合には効果がない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車輌内への不正侵入を高精度に検知すると共に、車輌内へ侵入しての盗難をより効果的に防止することができる車輌盗難防止装置及び車載制御装置を提供することにある。また他の目的とするところは、低価格な車輌盗難防止装置及び車載制御装置を提供することにある。
本発明に係る車載盗難防止装置は、車輌の車高を検知する車高センサの検知結果に基づいて、前記車輌の状態の変化を検知する検知手段と、該検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のドアを施錠する施錠制御手段と、前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌の窓を閉じる制御を行う窓閉制御手段と、前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のエンジン始動を禁止する始動禁止手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る車載盗難防止装置は、前記車高センサの故障を検知する故障検知手段を更に備え、前記検知手段は、前記車高センサを含む複数のセンサの検知結果に基づいて前記車輌の状態の変化を検知するようにしてあり、前記故障検知手段が前記車高センサの故障を検知した場合に、前記車高センサの検知結果に基づく検知を行わないようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る車載盗難防止装置は、前記車高センサが、前記車輌に設けられた車輪の車軸の変位量を磁界の変化として検知し、磁界の変化に応じた電気信号を出力する磁気センサであり、前記車輌のエンジン停止後の所定タイミングにおける前記車高センサの出力信号の電圧値を基準電圧値として取得する基準電圧値取得手段と、前記車高センサの出力信号の電圧値を取得し、取得した電圧値の前記基準電圧値に対する変化量を算出する算出手段とを更に備え、前記検知手段は、前記算出手段が算出した変化量が閾値を超える場合に、前記車輌の状態の変化を検知するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る車載盗難防止装置は、前記検知手段が前記車輌の状態の変化を検知した場合に、前記車輌内及び/又は前記車輌外の撮像を行う撮像手段と、該撮像手段が撮像した画像を車外の通信装置へ無線送信する無線送信手段とを更に備えることを特徴とする。
また、本発明に係る車載制御装置は、車輌の車高を検知する車高センサの検知結果に基づいて、前記車輌の状態の変化を検知する検知手段と、該検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のドアを施錠する施錠制御手段と、前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌の窓を閉じる制御を行う窓閉制御手段と、前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のエンジン始動を禁止する始動禁止手段と、前記車高センサの検知結果に基づいて前記車輌のヘッドライトの照射方向を調整する調整手段と、前記車輌のエンジンのオン/オフを切り替えるスイッチの状態を取得するスイッチ状態取得手段とを備え、前記検知手段は、前記スイッチがエンジンオフの状態である場合に、前記車高センサの検知結果に基づく検知を行うようにしてあり、前記調整手段は、前記スイッチがエンジンオンの状態である場合に、前記車高センサの検知結果に基づくヘッドライトの照射方向の調整を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、車輌の車高を検知する車高センサを用いて車輌内への侵入の検知を行う。車輌内に人が侵入した場合、侵入者の体重によって車輌の車高が低下する。逆に、車輌内に潜んでいた侵入者が車輌の外へ出た場合、車輌の車高が上がる。よって車輌の車高の変化に応じて車輌内への侵入者の有無を判断することができる。また車輌内に侵入者が存在すれば、車輌内における侵入者の位置に関わらず、車輌の車高は低下するため、侵入の検知範囲は車輌内の全域であり、高精度な侵入検知を実現できる。
また車高センサの検知結果から車輌の状態の変化(車輌内への侵入)を検知した場合、車輌盗難防止装置は、車輌のドアを施錠し、車輌の窓を閉じ、且つ、車輌のエンジン始動を禁止する。なおこのとき、車輌盗難防止装置は、車輌のドアの開錠及び窓の開動作を禁止することが好ましい。不審者が車輌内に存在する場合に車輌のドアを施錠して窓を閉じることにより、この不審者は車輌から外へ出ることができなくなるため、不審者を捕らえることができる。また車輌のエンジン始動を禁止することによって、車輌の盗難を防止できる。このような機能を車輌盗難防止装置に搭載することによって、不審者の車輌内への侵入をより効果的に抑制することができる。
また、本発明においては、車高センサの故障検知を行う。故障検知は、例えば車高センサの出力値が正常動作時の範囲内に収まっているか否かを判定することで行うことができる。また車輌状態の変化の検知は、車高センサの検知結果のみでなく、その他のセンサ(例えば、マイクロ波若しくは超音波等を用いる侵入検知センサ、車輌に加えられた振動若しくは加速度等を検知するセンサ、又は、車輌の傾きを検知するセンサ等)の検知結果を利用して行い、車高センサの故障を検知した場合には、車高センサの検知結果に基づく検知は行わず、他のセンサの検知結果に基づく検知のみを行う。これにより、車高センサの故障による車輌盗難防止装置の誤動作を防止できる。
また、本発明においては、侵入検知のための車高センサとして、例えば車輪の車軸の変位量を磁界の変化として検知するホール素子などの磁気センサを用いることができ、車輌盗難防止装置は磁気センサが出力する電気信号の電圧値に基づいて侵入検知を行うことができる。
車輌盗難防止装置は、車輌のエンジン停止後の所定タイミング(例えば車輌のドアが外部からロックされた後など)における車高センサの出力電圧値を取得して基準電圧値とすると共に、車高センサの出力電圧値を定期的に取得し、取得した出力電圧値と基準電圧値との差分を算出することによって、車高センサの出力電圧値の変化量、即ち車輌の車高の変化量を算出する。車高センサの出力電圧値が閾値を超えて変化した場合、車輌盗難防止装置は車輌内への侵入者ありと判断でき、車輌状態の変化を検知することができる。
また、本発明においては、車高センサによる侵入検知など車輌状態の変化の検知を行って、車輌状態の変化を検知した場合に、車輌内及び/又は車輌外の撮像を行い、撮像した画像を無線通信によって車外の通信装置へ送信することにより通報を行う。上述のように車高センサによる侵入検知は高精度で検知を行うことができるため、誤検知に基づく撮像手段の動作を低減でき、車輌のエンジン停止中における電力消費量の増大を抑制できる。
また近年では、例えばヘッドライトの角度調整を自動的に行うために車高センサを搭載した車輌も増加しており、この車高センサを利用することによって、上述の車輌盗難防止装置を低価格で実現できる。
そこで本発明においては、車高センサの検知結果に基づく侵入検知を行う車輌盗難防止装置と、車輌の車高に応じてヘッドライトの照射方向を制御する装置とを一つの車載制御装置に統合する。これにより車輌盗難防止装置及びライト制御装置が必要とする車高センサを共有化することができ、コスト低減を実現できる。
また、車輌内への侵入の検知は車輌が駐車されている場合に行う必要があり、ライトの照射方向の制御は車輌が走行中に行う必要がある。そこで本発明においては、イグニッションスイッチなどの車輌のエンジンオン/オフの切替に係るスイッチの状態を車載制御装置が取得し、エンジンのオン/オフ状態に応じた制御を行う。車載制御装置は、スイッチがエンジンオフに対応する状態の場合に、車高センサによる侵入者検知の処理を行い、また、スイッチがエンジンオンに対応する状態の場合には、車高センサによるライトの照射方向制御の処理を行う。
このように、侵入検知の処理とライトの制御処理とは同時的に行う必要はないため、車高センサを共用する場合であっても、各処理に適した方法で車高センサを使用することができる。
本発明による場合は、車輌に搭載された車高センサを用いて車輌状態の変化の検知(車輌内への侵入検知)を行う構成とすることにより、車輌内における侵入者の位置に関わらず侵入検知を行うことができるため、車輌内への不正侵入を高精度に検知することができる。また車輌状態の変化を検知した場合に、ドアを施錠し、窓を閉じ、且つ、エンジン始動を禁止して侵入者を捕らえることが可能な構成とすることにより、不審者の車輌内への侵入をより効果的に抑制することができる。また、侵入検知の処理とライトの照射方向の制御処理とで車高センサを共有する構成とすることにより、これらの処理を行う装置を低価格化することができる。
本発明に係る車載制御装置を搭載した車輌の構成を示すブロック図である。 IGスイッチのオン/オフ状態に応じたボディECUの処理を説明するための模式図である。 セキュリティ機能の制御処理を説明するための状態遷移図である。 車輌への侵入の検知方法を説明するための模式図である。 ボディECUが無警戒状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。 ボディECUが警戒準備状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。 ボディECUが警戒状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。 ボディECUが警報状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る車載制御装置を搭載した車輌の構成を示すブロック図である。図において1は車輌であり、車輌1にはドアのロック(施錠)/アンロック(解錠)の制御、又は、ライトの点灯/消灯の制御等を行うボディECU(Electronic Control Unit)20が搭載されている。更に本実施の形態に係るボディECU20は、車輌1内への不審者の侵入を検知して警報などの処理を行うセキュリティ機能、及び、車輌1の車高に応じてヘッドライト5の照射方向を調整する機能を備えている。なお、図1においては、ボディECU20のセキュリティ機能及びヘッドライト調整機能に係るブロックのみを図示し、その他の機能に係るブロックは図示を省略してある。
車輌1には、警報器3及びこれを駆動するための駆動回路2、ヘッドライト5の照射角度を調整する角度調整機構4、車内カメラ6及び車外カメラ7,8、車高センサとしてのホール素子9、エンジンの始動などを行うエンジン制御装置10、IG(イグニッション)スイッチ11、ドアのロックを行うドアロック機構12、窓の開閉を行う窓開閉機構13、外部の通信機器との間で無線通信を行う無線通信部14、並びに、車輌の異常検出(車輌状態の変化の検出)のための一又は複数のセンサで構成される異常検知用センサ15等が搭載されている。これら各機器は、車輌1内のネットワークを介して、又は、直接的に専用の制御線を介してボディECU20に接続されている。ボディECU20は、ホール素子9、IGスイッチ11及び異常検知用センサ15等から与えられる情報に基づいて種々の演算処理を行い、処理結果に応じて他の機器の動作を制御する。
警報器3は、ボディECU20が車輌1の異常を検知した場合に警報音を発するためのものであり、例えば車輌1のホーンであってよく、また例えば警報を発するためのブザー又はスピーカ等の音声出力装置であってよい。また警報器3は、音声出力によるものに限らず、例えばヘッドライト5を含む車輌1のライトを点灯させるものであってもよく、また例えば警報のための専用のランプなどであってもよい。駆動回路2は、ボディECU20の制御により動作し、警報器3へ駆動信号を出力することによって、警報器3に警報音の出力を行わせる。ボディECU20は、ホール素子9及び異常検知用センサ15の検知結果に基づいて車輌1に異常が発生したと判断した場合、駆動回路2を動作させることによって、警報器3による警報音の出力を行う。
角度調整機構4は、ヘッドライト5を変位させて角度を調整する歯車などの機械機構と、これら機械機構を駆動するモータ又はアクチュエータ等とを備えて構成されている。角度調整機構4は、ボディECU20から与えられた制御信号に応じて、ヘッドライト5の角度を調整する。ボディECU20は、ホール素子9が検知する車輌1の車高に応じてヘッドライト5の角度を決定し、角度調整機構4を動作させることによって、ヘッドライト5の照射方向を調整する。
車内カメラ6は、車輌1の車室内の例えばルームミラー、天井又はフロントパネル等に設けられ、車輌内を撮像するためのカメラである。車内カメラ6は、ボディECU20によって撮像の開始/停止を制御され、撮像により得られた画像をボディECU20へ与える。
車外カメラ7は、車輌1の前部に搭載されて、車輌1の前方を撮像するためのカメラである。例えば車外カメラ7は、車輌1の前方を走行する他車輌の接近検知などに用いられるカメラを利用することができる。車外カメラ7は、ボディECU20によって撮像の開始/停止を制御され、撮像により得られた画像をボディECU20へ与える。
車外カメラ8は、車輌1の後部に搭載されて、車輌1の後方を撮像するためのカメラである。例えば車外カメラ8は、車輌1の後退(バック走行)時に車輌後方の状態を車内のモニタなどに表示する機能、いわゆるバックモニタに用いられるカメラを利用することができる。車外カメラ8は、ボディECU20によって撮像の開始/停止を制御され、撮像により得られた画像をボディECU20へ与える。
車高センサとして用いられるホール素子9は、車輌1の車体に取り付けられており、後輪の車軸1aとの相対位置に応じた(アナログの)電気信号を出力する。即ち、ホール素子9が出力する電気信号の電圧値は、車輌1の車体と車軸1aとの相対位置を示すものであり、これにより車輌1の車高を検知することができる。ホール素子9の出力信号はボディECU20へ入力されており、ボディECU20は、ホール素子9の検知結果(出力信号の電圧値)に応じて、車輌1内への侵入を検知する処理と、ヘッドライト5の照射方向の調整処理とを行う。またホール素子9は、ボディECU20により駆動されている。ボディECU20は、予め定められた周期でホール素子9への電源電圧の印加を行うことで、ホール素子9の駆動を行う。
エンジン制御装置10は、車輌1のエンジン(図示は省略する)の動作を制御する装置である。ボディECU20は、車輌1の異常を検知した場合に、エンジンの始動を禁止する命令をエンジン制御装置10へ与える。この命令が与えられたエンジン制御装置10は、エンジンの始動を許可する命令が与えられるまで、エンジンを動作させない。
IGスイッチ11は、車輌1のエンジンの始動及び停止等の際に切り替えられるスイッチであり、オン/オフのスイッチ状態を示す2値信号がボディECU20へ与えられる。IGスイッチ11がオン状態の場合は、車輌1のエンジンがオン(動作)しており、IGスイッチ11がオフ状態の場合は、車輌1のエンジンがオフ(停止)している。
ドアロック機構12は、車輌1の各ドアに設けられており、ロックのための機械機構、この機械機構を動作させるモータ又はアクチュエータ、及び、このモータ又はアクチュエータを駆動する駆動回路等を備えて構成されている。ボディECU20は、車輌1に設けられた操作部に対する操作などに応じてドアロック機構12を動作させ、ユーザの操作に応じたドアのロック/アンロックを行うと共に、車輌1の異常を検知した場合に、ドアロック機構12により車輌1の全てのドアをロックする。
窓開閉機構13は、車輌1の各ドアに設けられており、ドアの窓を開閉するための機械機構、この機械機構を動作させるモータ又はアクチュエータ、及び、このモータ又はアクチュエータを駆動する駆動回路等を備えて構成されている。ボディECU20は、車輌1に設けられた操作部に対する操作などに応じて窓開閉機構13を動作させ、ユーザの操作に応じた窓の開閉を行うと共に、車輌1の異常を検知した場合に、窓開閉機構13により車輌1の全ての窓を閉じる。
無線通信部14は、公衆の無線通信網(例えば携帯電話網又は無線LAN(Local Area Network))を利用した無線通信を行う機能を有している。無線通信部14は、ボディECU20の制御に応じて、ボディECU20から与えられた送信用のデータを、所定の通報先(例えば車輌1の販売店又は警備会社等)へ送信する。
異常検知用センサ15は、例えばマイクロ波若しくは超音波等を用いる侵入検知センサ、車輌に加えられた振動若しくは加速度等を検知するセンサ、又は、車輌の傾きを検知するセンサ等のように、車輌1に生じた異常を検知するための情報を取得する一又は複数のセンサである。異常検知用センサ15による検知結果はボディECU20へ入力されており、ボディECU20は、ホール素子9の検知結果及び異常検知用センサ15の検知結果に基づいて、車輌1に異常が生じたか否かを判断する。
ボディECU20は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の演算処理装置、この演算処理装置にて実行されるプログラム及びデータ等が記憶されたEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶部、並びに、車輌1に搭載された他の機器との信号又はデータ等の入出力を行うインタフェース回路等を備えて構成されている。ボディECU20が行うセキュリティ機能及びヘッドライト5の角度調整機能等に係る処理は、ボディECU20の演算処理装置が、記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行し、インタフェース回路に入力された他の機器からの信号又はデータ等に応じた演算を行い、演算結果に応じた信号又はデータ等をインタフェース回路から対象の機器へ出力することによって実現されるものである。
ボディECU20は、ホール素子9によって検知される車輌1の車高に応じて、ヘッドライト5の角度(照射方向)の調整と、車輌1内への侵入検知とを行うが、IGスイッチ11の状態に応じてヘッドライト5の角度調整又は車輌1の侵入検知のいずれか一方の処理を行っている。図2は、IGスイッチ11のオン/オフ状態に応じたボディECU20の処理を説明するための模式図である。ボディECU20は、IGスイッチ11がオン状態の場合にヘッドライト5の角度調整処理を行い、IGスイッチ11がオフ状態の場合に侵入検知の処理を行う。
ボディECU20は、IGスイッチ1のオン/オフ状態に応じてホール素子9の駆動を行っている。詳しくは、ボディECU20は、IGスイッチ11がオン状態の場合、短周期(数十ms周期)でのホール素子9の駆動を行い、また、IGスイッチ11がオフ状態の場合、長周期(数秒周期)でのホール素子9の駆動を行う。またボディECU20は、ホール素子9の駆動タイミングに同期してホール素子9の出力電圧値を取得し、取得した電圧値に基づいてヘッドライト5の角度調整処理及び車輌1内への侵入検知処理をホール素子9の駆動タイミングに同期して行っている。
またボディECU20は、ホール素子9の故障検出を行っている。例えばホール素子9が電源電圧を5Vとした場合に車輌1の車高に応じて0.5V〜4.5Vの範囲内で信号を出力するものであれば、ボディECU20は、ホール素子9の出力電圧値が0.5V〜4.5Vの範囲内であるか否かを判定し、出力電圧値がこの範囲外であればホール素子9が故障していると判断することができる。ホール素子9が故障していると判断した場合、ボディECU20は、ホール素子9が検知する車高に応じたヘッドライト5の角度調整及び侵入検知の処理を停止する。このときに、車内に設けたランプの点灯又は音声メッセージの出力等によって、ボディECU20がホール素子9の故障をユーザへ通知する構成としてもよい。
また、ボディECU20の侵入検知処理は車輌1のセキュリティ機能の一部であり、ボディECU20はこれらのセキュリティ機能全体の制御処理を行っている。図3は、セキュリティ機能の制御処理を説明するための状態遷移図である。ボディECU20は、セキュリティ機能の制御処理を、4つの状態(無警戒状態、警戒準備状態、警戒状態及び警報状態)を遷移しながら行っている。
無警戒状態は、車輌1の走行中及び車輌1内にユーザが乗車している場合等、セキュリティ機能を動作させる必要がない状態であり、ボディECU20は警戒準備状態へ遷移する遷移条件1が成立するまで待機している。遷移条件1は、例えばIGスイッチ11がオフされ、車輌1の全てのドアがロックされた場合、また例えばセキュリティ機能を作動させるスイッチなどをユーザが操作した場合等に成立する。
警戒準備状態は、遷移条件1の成立直後にセキュリティ機能の動作を開始させると、車輌1のユーザなどを不審者として誤検知する虞があるため、セキュリティ機能の動作開始までの一時的な待機状態を設けたものである。ボディECU20は、警戒準備状態に遷移した場合に内部のタイマなどを動作させ、所定時間(例えば数十秒〜数分)が経過(遷移条件2が成立)した場合に、警戒状態へ遷移する。
警戒状態は、車輌1に搭載されたホール素子9及び異常検知用センサ15等を利用してボディECU20が車輌1の種々の異常検知を行う状態である。ボディECU20は、車輌1内への侵入を検知した場合など、車輌1の異常を検知(遷移条件3が成立)した場合に、警報状態へ遷移する。ボディECU20は、ホール素子9による車輌1内への侵入検知及び異常検知用センサ15の検知結果に基づく異常検知の他に、例えば車輌1のドアが不正な手段で開けられた場合、又は、車輌1のバッテリが非接続となった後に再接続された場合等にも警報状態へ遷移する。
警報状態は、車輌1の異常が検知されて、警報器3による警報を発する状態である。警報状態においてボディECU20は、駆動回路2への制御信号により駆動命令を与えて、警報器3による警報を発し、所定時間(例えば数十秒〜数分)が経過(遷移条件4が成立)した場合に、警報を停止して警戒状態へ遷移する。また本実施の形態に係るボディECU20は、車輌1の異常が検知されて警報状態へ遷移した場合に、ドアロック機構12を動作させることによって車輌1の全てのドアをロックし、窓開閉機構13を動作させることにより車輌1の全ての窓を閉じ、エンジン制御装置10へエンジン始動禁止命令を与えることで車輌1のエンジン始動を禁止する。なおボディECU20は、警報状態にてドアのロック、窓閉及びエンジン始動禁止を一度行った後は、無警戒状態へ遷移するまでの間、車輌1内の操作部に対する操作が行われた場合であっても、ドアのアンロック、窓開及びエンジン始動許可を行わない。
また警戒準備状態、警戒状態及び警報状態において、セキュリティ機能を停止するための遷移条件5が成立した場合、ボディECU20は、異常検知などの処理を停止して無警戒状態へ遷移する。遷移条件5は、例えば車輌1のドアが正当な手段でアンロックされた場合、また例えばセキュリティ機能を停止するスイッチなどをユーザが操作した場合、また例えばIGスイッチ11がオン状態に切り替えられた場合等に成立する。なお、異常検知によりドアのロック、窓閉及びエンジン始動禁止が行われた場合、遷移条件5が成立してボディECU20が無警戒状態へ遷移した後に、ドアのアンロック、窓開及びエンジン始動が可能となる。
このように、ボディECU20は、4つの状態を遷移してセキュリティ機能に係る制御処理を行っている。IGスイッチ11がオンの状態では、ボディECU20は無警戒状態であり、この状態で車高に応じたヘッドライト5の角度調整処理が行われる。IGスイッチ11がオンからオフに切り換えられた場合、ボディECU20は、ヘッドライト5の角度調整処理を停止し、車輌1内への侵入検知処理を含む異常検知処理を開始するが、この段階では無警戒状態であるため、侵入検知処理のための準備処理(例えばレジスタの初期化など)のみが行われ、実際の侵入検知及び警報の発令等は警戒状態へ移行した後に行われる。
ホール素子9を用いた車輌1内への侵入検知処理において、ボディECU20は、上記の警戒準備状態から警戒状態への状態遷移を行う際に、ホール素子9の出力電圧値を取得し、取得した電圧値を基準電圧値として記憶する。その後、ボディECU20は、周期的にホール素子9を駆動して出力電圧値を取得し、取得した出力電圧値と記憶した基準電圧値との差分を算出することによって、ホール素子9の出力電圧値の変化量を算出する。更にボディECU20は、算出した変化量が予め定められた閾値を超えるか否かを判定し、算出した変化量が閾値を超える場合、車輌1の車高が変化したと判断できるため、車輌1内に不審者が侵入したと判定する。
図4は、車輌1への侵入の検知方法を説明するための模式図であり、車高に応じたヘッドライト調整機能を搭載した市販車にて、停車中の車内への侵入に対する車高センサの出力電圧値を測定した結果をグラフ化したものである。本図においては、車輌の運転席、助手席、後部右側の座席(後右席)又は後部左側の座席(後左席)に、0人〜2人の乗員が乗車した場合の車高センサの出力電圧値を示してある。また本図において、実線で示した出力電圧値の測定結果は、車輌を平坦地に停車させて測定を行った結果であり、破線で示した出力電圧値の測定結果は、車輌の後部が高くなるように約5.3度の傾斜地に停車させて測定を行った結果であり、一点鎖線で示した出力電圧値の測定結果は、車輌の前部が高くなるように約5.3度の傾斜地に停車させて測定を行った結果である。
図示の測定結果から、車輌内の乗員の人数が多いほど、乗員なしの場合の基準電圧値に対して車高センサの出力電圧値の変化量は大きい。また変化量が最も少ない1人の乗員が運転席に乗車した場合であっても、車高センサの出力電圧値は基準電圧値に対して約0.1V変化している。約0.1Vの変化は検出可能であり、この電圧値の変化を検出することによって、車輌内への不審者の侵入を検知することができる。例えばボディECU2の侵入判定部22は、変化量の閾値として0.07Vを予め設定しておき、基準電圧値に対する車高センサの出力電圧値がこの閾値を超えた場合に、侵入有りと判定すればよい。
ただし、車輌1に対して外的要因で加えられた一時的な揺れなどによっても車高が変化する可能性があり、このような車高変化が閾値を超えて生じた場合、車輌1内への侵入を誤判定する虞がある。そこで本実施の形態に係るボディECU20は、算出した電圧値の変化量が閾値を超えると判定した後、この変化が所定期間(例えば十数秒〜数十秒)に亘って維持されたか否かを更に判定し、閾値を超える変化が所定期間に亘って維持された場合に車輌1内への侵入有りと判定する。
次に、フローチャートを用いてボディECU20が行う処理を説明する。図5は、ボディECU20が無警戒状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。無警戒状態において、まずボディECU20は、IGスイッチ11がオン状態であるか否かを判定する(ステップS1)。IGスイッチ11がオン状態の場合(S1:YES)、ボディECU20は、短周期でホール素子9の駆動を行い(ステップS2)、ホール素子9を駆動するタイミングに同期して、ホール素子9の出力電圧値を取得する(ステップS3)。次いでボディECU20は、ホール素子9の故障検知として、取得したホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS4)。ホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であれば(S4:YES)、ボディECU20は、取得した出力電圧値に応じて角度調整機構4へ指示を与えることにより、ヘッドライト5の照射角度の調整処理を行って(ステップS5)、ステップS1へ処理を戻す。またホール素子9の出力電圧値が正常範囲外であれば(S4:NO)、ボディECU20は、ヘッドライト5の照射角度の調整処理を行うことなく、ステップS1へ処理を戻す。
IGスイッチ11がオフ状態の場合(S1:NO)、ボディECU20は、長周期でホール素子9の駆動を行い(ステップS6)、例えば車輌1の全てのドアがロックされた、又は、例えばセキュリティ機能を作動させるスイッチなどをユーザが操作した等の遷移条件1が成立したか否かを判定し(ステップS7)、遷移条件1が成立していない場合には(S7:NO)、ステップS1へ処理を戻す。遷移条件1が成立した場合(S7:YES)、ボディECU20は、セキュリティ機能に係る状態を警戒準備状態として(ステップS8)、無警戒状態の処理を終了する。
図6は、ボディECU20が警戒準備状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。警戒準備状態において、ボディECU20は、例えば車輌1のドアが正当な手段でアンロックされた、セキュリティ機能を停止するスイッチなどをユーザが操作した、又は、IGスイッチ11がオン状態に切り替えられた等の遷移条件5が成立したか否かを判定する(ステップS21)。遷移条件5が成立した場合には(S21:YES)、ボディECU20は、セキュリティ機能に係る状態を無警戒状態として(ステップS27)、警戒準備状態の処理を終了する。
遷移条件5が成立しない場合(S21:NO)、ボディECU20は、警戒準備状態へ遷移して所定時間が経過したか否か、即ち遷移条件2が成立したか否かを判定する(ステップS22)。遷移条件2が成立しない場合(S22:NO)、ボディECU20は、ステップS21へ処理を戻す。
遷移条件2が成立した場合(S22:YES)、ボディECU20は、ホール素子9の出力電圧値を取得し(ステップS23)、ホール素子9の故障検知として、取得したホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS24)。ホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であれば(S24:YES)、ボディECU20は、取得した出力電圧値を基準電圧値として記憶し(ステップS25)、セキュリティ機能に係る状態を警戒状態として(ステップS26)、警戒準備状態の処理を終了する。またホール素子9の出力電圧値が正常範囲外であれば(S24:NO)、ボディECU20は、基準電圧値を記憶することなく、セキュリティ機能に係る状態を警戒状態として(ステップS26)、警戒準備状態の処理を終了する。
図7は、ボディECU20が警戒状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。警戒状態において、ボディECU20は、遷移条件5が成立したか否かを判定し(ステップS41)、遷移条件5が成立した場合には(S41:YES)、車輌1のドアアンロック、窓開及びエンジン始動の禁止を解除し(ステップS50)、セキュリティ機能に係る状態を無警戒状態として(ステップS51)、警戒状態の処理を終了する。
遷移条件5が成立しない場合(S41:NO)、ボディECU20は、異常検知用センサ15の検知結果に基づいて車輌1の異常を検知する処理を行い(ステップS42)、この処理の結果から車輌1に異常があるか否かを判定する(ステップS43)。車輌1に異常がある場合(S43:YES)、ボディECU20は、セキュリティ機能に係る状態を警報状態として(ステップS49)、警戒状態の処理を終了する。
異常検知用センサ15の検知結果からは車輌1に異常がないと判定した場合(S43:NO)、ボディECU20は、ホール素子9を駆動するタイミングに同期して、ホール素子9の出力電圧値を取得し(ステップS44)、ホール素子9の故障検知として、取得したホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS45)。ホール素子の出力電圧値が正常範囲外であれば(S45:NO)、ボディECU20は、ステップS41へ処理を戻す。また、ホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であれば(S45:YES)、ボディECU20は、取得したホール素子9の出力電圧値と、記憶してある基準電圧値との差分を算出することによって、出力電圧値の変化量を算出する(ステップS46)。なお、警戒準備状態の処理においてホール素子9の故障が検出されて基準電圧値が記憶されていない場合、ボディECU20は、ステップS46にて変化量の算出を行わずに、ステップS41へ処理を戻せばよい。
次いで、ボディECU20は、算出した変化量が予め定められた閾値を超えるか否かを判定し(ステップS47)、変化量が閾値を超えた場合(S47:YES)、閾値を超えた変化が所定時間に亘って維持されているか否か(遷移条件3)を更に判定する(ステップS48)。変化量が閾値を超えない場合(S47:NO)、又は、閾値を超えた変化が所定時間に亘って維持されていない場合(S48:NO)、ボディECU20は、ステップS41へ処理を戻す。閾値を超えた変化が所定時間に亘って維持された場合(S48:YES)、ボディECU20は、セキュリティ機能に係る状態を警報状態として(ステップS49)、警戒状態の処理を終了する。
図8は、ボディECU20が警報状態にて行う処理の手順を示すフローチャートである。警報状態において、まずボディECU20は、ドアロック機構12へ指示を与えることによって、車輌1の全てのドアをロックすると共に(ステップS61)、全てのドアのアンロックを禁止し(ステップS62)、窓開閉機構13へ指示を与えることによって、車輌1の全ての窓を閉じると共に(ステップS63)、全ての窓の開動作を禁止し(ステップS64)、エンジン制御装置10へ指示を与えることによって、車輌1のエンジンの始動を禁止する(ステップS65)。
次いで、ボディECU20は、遷移条件5が成立したか否かを判定し(ステップS66)、遷移条件5が成立した場合には(S66:YES)、車輌1のドアアンロック、窓開及びエンジン始動の禁止を解除し(ステップS72)、セキュリティ機能に係る状態を無警戒状態として(ステップS73)、警報状態の処理を終了する。
遷移条件5が成立しない場合(S66:NO)、ボディECU20は、駆動回路2へ駆動命令を与えることによって、警報器3を駆動し(ステップS67)、車輌1内への侵入を警告音により周囲に報知する。またボディECU20は、車内カメラ6及び車外カメラ7、8による車輌1の内外の撮像を行い(ステップS68)、撮像した画像を無線通信部14へ与えることにより、外部の通信機器へ撮像した画像を無線送信する(ステップS69)。
その後、ボディECU20は、警報器5の駆動開始から所定時間が経過したか否か(遷移条件4)を判定し(ステップS70)、所定時間が経過していない場合には(S70:NO)、ステップS66へ処理を戻し、警報及び撮像等を継続して行う。所定時間が経過した場合(S70:YES)、ボディECU20は、セキュリティ機能に係る状態を警戒状態として(ステップS71)、警報状態の処理を終了する。
以上の構成のボディECU20は、車輌1の車高を検知するためのホール素子9を用いて車輌1内への侵入を検知する構成とすることにより、車輌1への侵入検知を行う機能及び車高に応じてヘッドライト5の照射角度調整を行う機能をボディECU20に統合し、両機能にてホール素子9を共用することができるため、両機能が搭載される車輌1のコスト低減を実現できる。
また、ホール素子9又は異常検知用センサ15の検知結果に基づいて車輌1に異常を検知した場合に、ボディECU20が、車輌1の全てのドアをロックしてアンロック禁止とし、全ての窓を閉じて開動作禁止とし、且つ、車輌1のエンジン始動を禁止する構成とすることにより、車輌1内に侵入した不審者を車輌1内に閉じ込めて捕らえることができる。このような機能を車輌1に搭載することとによって、不審者の車輌1内への侵入をより効果的に抑制することができる。
また、ホール素子9の出力電圧値が正常範囲内であるか否かに基づいて故障検知を行い、ホール素子9が故障した場合にはホール素子9が検知する車高に応じた侵入検知を行わず、異常検知用センサ15の検知結果に基づく車輌1の異常検知のみを行う構成とすることにより、ホール素子9の故障による車輌1の異常の誤検知を防止でき、ボディECU20の誤動作を防止できる。
また、侵入検知処理の開始時(警戒準備状態から警戒状態へ状態遷移するとき)にホール素子9の出力電圧値を基準電圧値として取得し、その後(警戒状態)にホール素子9の出力電圧値を定期的に取得し、基準電圧値に対する出力電圧値の変化量を算出し、算出した変化量が閾値を超えた場合に、車輌1内への侵入有りと判定する構成とすることにより、車輌1内における侵入者の位置に関わらず、車輌1内の全域において侵入者を検知することができるため、高精度な侵入検知を実現できる。
また、ホール素子9の変化量が閾値を超え、且つ、この変化が所定時間に亘って維持された場合に、車輌1内への侵入有りと判定する構成とすることにより、車輌1に外的要因などで加えられた一時的な揺れによって生じた車高の変化に対して、車輌1内への侵入有りと誤判定することを防止できる。
また、車輌1の異常を検知した場合に、車内カメラ6及び車外カメラ7、8による撮像を行い、撮像により得られた車輌1の内外の画像を無線通信部14にて外部へ送信する構成とすることにより、車輌1内に侵入した不審者を撮像して通報することができ、防犯に効果的な通報を行うことができる。また車輌1内への侵入を検知した場合に撮像を行う構成であるため、車輌1への接近を検知して撮像を行う構成と比較して、誤検知による撮像の発生頻度が少なく、車輌1のエンジン停止中における電力消費量を低減することができる。
また、車輌1のエンジンオン/オフの切替に係るIGスイッチ11の状態を取得し、IGスイッチ11がオン状態の場合にヘッドライト5の角度調整処理を行い、IGスイッチ11がオフ状態の場合に侵入検知処理を行う構成とすることにより、角度調整及び侵入検知の量処理にてホール素子9を共用する場合であっても、各処理に適した方法で車高センサを利用することができる。また、IGスイッチ11がオン状態の場合にホール素子9を短周期で駆動し、IGスイッチ11がオフ状態の場合にホール素子9を長周期で駆動する構成とすることにより、車輌1のエンジンオフ状態での電力消費量を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、車輌1に1つのホール素子9を備える構成としたが、これに限るものではなく、複数のホール素子9を車輌1の適所に搭載する構成としてもよい。この場合、いずれかのホール素子9にて閾値を超えた車高の変化が検出された場合に、侵入者ありと判定する構成とすることができ、侵入検知の精度をより高めることが可能である。また、車輌1の異常を検知した場合に警報器3による警報音の出力を行う構成としたが、これに限るものではなく、異常検知時の警報は気泡オンによるもののみでなく、ランプの点灯など視覚的な警報を発するものであってよい。また、車輌1の異常を検知した場合に車輌1のドアをロックし、窓を閉じ、且つ、エンジン始動を禁止する構成としたが、これに限るものではなく、例えば車輌のドアを自動的に開閉する機構を備える場合には、異常検知に応じて車輌の全てのドアを閉じる制御を行うなどの処理を行ってもよい。
また、ホール素子9の駆動の周期をIGスイッチ11のオン/オフ状態に応じて切り替える構成としたが、これに限るものではなく、ボディECU20のセキュリティ機能に係る状態遷移に応じて駆動周期を切り替える構成としてもよく、例えば無警戒状態では短周期での駆動を行い、警戒準備状態、警戒状態及び警報状態では長周期での駆動を行うなどの構成としてもよい。また、ボディECU20がホール素子9の検知する車高に応じたヘッドライト5の照射方向の調整処理を行う構成としたが、これに限るものではなく、ボディECU20がヘッドライト5の照射方向の調整を行わず、ホール素子9が検知する車高に応じた侵入検知のみを行う構成であってもよい。
1 車輌
2 駆動回路
3 警報器
4 角度調整機構
5 ヘッドライト
6 車内カメラ(撮像手段)
7、8 車外カメラ(撮像手段)
9 ホール素子(車高センサ)
10 エンジン制御装置
11 IGスイッチ
12 ドアロック機構
13 窓開閉機構
14 無線通信部(無線通信手段)
15 異常検知用センサ
20 ボディECU(車輌盗難防止装置、車載制御装置、検知手段、施錠制御手段、窓閉制御手段、始動禁止手段、故障検知手段、基準電圧値取得手段、算出手段、調整手段、スイッチ状態取得手段)

Claims (5)

  1. 車輌の車高を検知する車高センサの検知結果に基づいて、前記車輌の状態の変化を検知する検知手段と、
    該検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のドアを施錠する施錠制御手段と、
    前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌の窓を閉じる制御を行う窓閉制御手段と、
    前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のエンジン始動を禁止する始動禁止手段と
    を備えること
    を特徴とする車輌盗難防止装置。
  2. 前記車高センサの故障を検知する故障検知手段を更に備え、
    前記検知手段は、
    前記車高センサを含む複数のセンサの検知結果に基づいて前記車輌の状態の変化を検知するようにしてあり、
    前記故障検知手段が前記車高センサの故障を検知した場合に、前記車高センサの検知結果に基づく検知を行わないようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の車輌盗難防止装置。
  3. 前記車高センサは、前記車輌に設けられた車輪の車軸の変位量を磁界の変化として検知し、磁界の変化に応じた電気信号を出力する磁気センサであり、
    前記車輌のエンジン停止後の所定タイミングにおける前記車高センサの出力信号の電圧値を基準電圧値として取得する基準電圧値取得手段と、
    前記車高センサの出力信号の電圧値を取得し、取得した電圧値の前記基準電圧値に対する変化量を算出する算出手段と
    を更に備え、
    前記検知手段は、前記算出手段が算出した変化量が閾値を超える場合に、前記車輌の状態の変化を検知するようにしてあること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌盗難防止装置。
  4. 前記検知手段が前記車輌の状態の変化を検知した場合に、前記車輌内及び/又は前記車輌外の撮像を行う撮像手段と、
    該撮像手段が撮像した画像を車外の通信装置へ無線送信する無線送信手段と
    を更に備えること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の車輌盗難防止装置。
  5. 車輌の車高を検知する車高センサの検知結果に基づいて、前記車輌の状態の変化を検知する検知手段と、
    該検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のドアを施錠する施錠制御手段と、
    前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌の窓を閉じる制御を行う窓閉制御手段と、
    前記検知手段が変化を検知した場合に、前記車輌のエンジン始動を禁止する始動禁止手段と、
    前記車高センサの検知結果に基づいて前記車輌のヘッドライトの照射方向を調整する調整手段と、
    前記車輌のエンジンのオン/オフを切り替えるスイッチの状態を取得するスイッチ状態取得手段と
    を備え、
    前記検知手段は、前記スイッチがエンジンオフの状態である場合に、前記車高センサの検知結果に基づく検知を行うようにしてあり、
    前記調整手段は、前記スイッチがエンジンオンの状態である場合に、前記車高センサの検知結果に基づくヘッドライトの照射方向の調整を行うようにしてあること
    を特徴とする車載制御装置。
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