JP2014054968A - 車両用セキュリティーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】正規の車両ユーザーの利便性を損ねることなく、車両への接近・侵入異常で検知して所定の警報処理が実行可能な車両用セキュリティーシステムを得る。
【解決手段】送受信部22は物体検知信号監視部21による物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、携帯通信機40と送受信を行い携帯通信機40の識別情報であるIDを取得する。警戒状態制御部28は、物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、送受信部22にて取得した携帯通信機40のIDと予め登録された車両50の識別情報である登録IDとの一致の有無により、携帯通信機40が正規であるか否かを認識する。そして、警戒状態制御部28は、携帯通信機40が正規であるとの認識時に、車両異常検知装置25による警戒処理の実行を禁止する警戒処理禁止信号SC28を車両異常検知装置25の異常検知演算部6に向けて送信する。
【選択図】図1

Description

この発明は、空間特徴量を用いて人間等の動作を検知して所定の警報処理が実行可能な車両用セキュリティーシステムに関する。
車両への接近や侵入を検知するために電波センサを利用する車両用のセキュリティーシステムが開発されている。例えば、電波センサを利用したセキュリティーシステムとして特許文献1に物体検出装置が開示されている。
図11は従来の一般的な侵入センサを利用した車両盗難防止システムにおける状態の遷移を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、オートアラームが解除されている無警戒状態C0からドアロック等の警戒準備開始条件J1を満足した場合、警戒準備状態C1に移行する。警戒準備状態C1において、所定の時間経過、スマートエントリー用の携帯通信機のエリア外(LF送信不能)となる等の警戒開始条件J2を満足すると、オートアラームがセット完了された警戒状態C2に移行する。なお、警戒準備状態C1においてドアロック解除等の警戒準備解除条件J3が満足すると無警戒状態C0に戻る。
警戒状態C2において、侵入センサによる不審者の侵入検知、窓の破損等の警報開始条件J4を満足すると、警報状態C3となり、警告音としてホーンの吹鳴、警告表示として照明のハザード点滅、ルームランプの点灯の警報処理を実行する。警報状態C3の際、正規のユーザーが携帯通信機を用いる等により警報状態終了操作を行う等の警戒再開条件J6を満足させることにより、警報状態C3から警戒状態C2に戻すことができる。
また、警戒状態C2あるいは警報状態C3時に、正規のユーザーが携帯通信機を用いる等によりオートアラーム自体の解除を指令する操作を実行する等の無警戒条件J5を満足することにより、無警戒状態C0に戻すことができる。
特開2010−188855号公報
図12は従来のセキュリティーシステムの問題点を模式的に示す説明図である。以下、図12を参照して、従来のセキュリティーシステム(車両盗難防止システム)の問題点を説明する。
従来のセキュリティーシステムが一度、警戒状態C2となった場合、事前に無警戒条件J5を満足させる処理を意図的に実行しない限り、車両50に対応する携帯通信機40を所持した正規のユーザーに対しても、警報開始条件J4を満足すると、警報状態C3になり警報処理が実行されてしまう。このように、従来のセキュリティーシステムは、一度、警報処理が実行可能な警戒状態C2に設定されると正規の車両ユーザーの利便性をも妨げてしまうという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、正規の車両ユーザーの利便性を損ねることなく、車両への接近・侵入異常で検知して所定の警報処理が実行可能な車両用セキュリティーシステムを得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の車両用セキュリティーシステムは、車両に搭載され、前記車両への物体接近を検知し、物体接近の検知を指示する物体接近検知信号を送信するとともに、所定の警報処理が実行可能な警戒状態を設定する異常検知装置と、所定の車室外アンテナを用いて携帯通信機と通信を行い、該携帯通信機が前記車両用の正規の携帯通信機であると認識すると前記所定の警報処理の実行を禁止する警戒処理禁止信号を送信するスマートエントリー装置とを備え、前記異常検知装置は、前記車両内に設置され、異常検知用電波を送信する送信アンテナと、前記車両内に設置され、前記異常検知用電波を受信する複数の受信アンテナと、前記複数の受信アンテナが受信した前記異常検知用電波に基づいて空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記車両への物体接近を検知し、前記物体接近検知信号の送信及び前記警戒状態の設定制御を行う異常検知演算部とを含み、前記異常検知演算部は前記警戒処理禁止信号の受信時には、少なくとも前記所定の警報処理を実行しないように制御することを特徴する。
請求項2の発明は請求項1記載の車両用セキュリティーシステムであって、前記スマートエントリー装置は、前記物体接近検知信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記所定の車室外アンテナを用いた前記携帯通信機と通信により得た前記携帯通信機側の識別情報と予め登録した車両側識別情報との一致の有無により、前記携帯通信機が正規であるか否かを認識し、前記携帯通信機が正規であるとの認識時に、前記警戒処理禁止信号を送信する警戒状態制御部を含む。
請求項1記載の本願発明において、スマートエントリー装置は、携帯通信機が車両用の正規の携帯通信機であると認識すると警戒処理禁止信号を送信することにより、車両異常検知装置によって少なくとも所定の警報処理が行われないように禁止することができる。
その結果、スマートエントリー装置と車両異常検知装置とが連動することにより、本発明のセキュリティーシステムにおいて、異常検知装置の警戒状態設定時においても、車両に対応する携帯通信機を所持する正規のユーザーが当該車両に接近した場合は、不審者とされることなく、携帯通信機を用いたドア解錠操作等を支障なく行うことができ、正規ユーザーの利便性が妨げることはない。
請求項2記載の本願発明において、警戒状態制御部は、携帯通信機側の識別情報と車両側の識別情報との一致の有無に基づき、携帯通信機が正規であるか否かを正確に認識することができる。
加えて、警戒状態制御部は、物体接近検知信号の受信をトリガとして動作状態となるため、必要最小限の範囲でスマートエントリー装置の主要部を動作させることにより、スマートエントリー装置の消費電力を最小限に抑えることができる。
さらに、正規の携帯通信機を所持する人間が接近しているときは、スマートエントリー装置によって認証が行われているため、正規のユーザーの接近を常に認識することができる。
この発明の実施の形態であるセキュリティーシステムの構成を示すブロック図である。 図1で示した車両異常検知装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す送信アンテナおよび複数の受信アンテナの設置位置を示す説明図である。 図3に示す車両の正面図である。 図2に示す異常検知演算部の構成を示すブロック図である。 図1で示した車両異常検知装置が車両に発生する異常を検知し、不審者に対する威嚇を行う際の動作手順を示すフローチャートである。 図1で示した車両異常検知装置が車両に発生する異常を検知し、不審者に対する威嚇を行う際の動作手順を示すフローチャートである。 スマートエントリー装置側における正規ユーザーの照合動作を示すフローチャートである。 携帯通信機側における照合動作を示すフローチャートである。 本実施の形態における車両盗難防止システムの効果を模式的に示す説明図である。 従来のセキュリティーシステムにより警戒状態の遷移を模式的に示す説明図である。 従来のセキュリティーシステムの問題点を模式的に示す説明図である。
<実施の形態>
図1はこの発明の実施の形態における車両盗難防止システム100(車両用セキュリティーシステム)の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、車両盗難防止システム100は車両異常検知装置25及びスマートエントリー装置26の組合せによって構成される。
車両異常検知装置25は車両に搭載され、車両への人間等の物体の接近を検知し、物体の接近を検知すると物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26のボデーECU(Electric Control Unit)20に送信するともに、所定の警報処理が実行可能な警戒状態に設定することができる。
(スマートエントリー装置26)
スマートエントリー装置26は車両に搭載され、ボデーECU20、リクエストスイッチまたはタッチセンサ(リクエストスイッチ)31〜33、車室外アンテナ34〜36、車室内アンテナ37、及びドアロック・アンロックモータ38から構成される。
なお、タッチセンサ31は運転席側ドア、タッチセンサ32は助手席側ドア、タッチセンサ33はバックドアへの人間等の接触の有無を検知する。一方、リクエストスイッチ31は運転席側ドア、リクエストスイッチ32は助手席側ドア、リクエストスイッチ33はバックドアのロックまたはアンロック命令(押下情報)を出力するスイッチである。このように、符号31〜33は、タッチセンサ及びクエストスイッチの少なくとも一方を含む。説明の都合上、以降の明細書の説明及び図面の記載はタッチセンサ31〜33を代表させる。
また、車室外アンテナ34は運転席側における車室外アンテナ、車室外アンテナ35は助手席側における車室外アンテナ、車室外アンテナ36はバックドアにおける車室外アンテナである。
ボデーECU20は、スマートエントリー実行部を構成する物体検知信号監視部21、送受信部22及び警戒状態制御部28を有している。
物体検知信号監視部21は物体接近検知信号SS6の有無を常時監視する。送受信部22は物体検知信号監視部21による物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、(LF用)車室外アンテナ34〜36を用いて携帯通信機40と送受信を行い携帯通信機40の識別情報であるIDを取得する。なお、送受信部22は図示しないUHF用アンテナを用いて携帯通信機40からのUHF電波の受信処理を行う。
タッチセンサ31〜33は物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、それぞれ対応するドアへの人間等の接触の有無を検知する。
警戒状態制御部28は、物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、送受信部22にて取得した携帯通信機40のIDと予め登録された車両50の識別情報である登録IDとの一致の有無により、携帯通信機40が正規であるか否かを認識する。そして、警戒状態制御部28は、携帯通信機40が正規であるとの認識時に、警戒処理禁止信号SC28を車両異常検知装置25の異常検知演算部6に向けて送信し、車両異常検知装置25による警報処理の実行を禁止する。
このような構成のスマートエントリー装置26において、物体検知信号監視部21が物体接近検知信号SS6を受信すると、この受信をトリガとしてボデーECU20の送受信部22及び警戒状態制御部28並びにタッチセンサ31〜33等が動作状態となる。すなわち、物体接近検知信号SS6が受信されるまでは、ボデーECU20の送受信部22、警戒状態制御部28、タッチセンサ31〜33等は非動作状態となっており、これらが電力消費することはない。
(車両異常検知装置)
一方、車両異常検知装置25は、異常検知用電波を送信する送信アンテナ1と、車両内に設置され、異常検知用電波を受信する複数の受信アンテナ2〜5と、複数の受信アンテナ2〜5が受信した異常検知用電波に基づいて空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて車両50への物体接近を検知し、物体接近検知信号SS6を送信する異常検知演算部6とを含んでいる。
図2は、図1で示した車両異常検知装置25の構成を示すブロック図であり、図3は、図2に示す送信アンテナ1および受信アンテナ2〜5の設置位置を示す説明図であり、図4は、図3に示す車両50の正面図である。
図2を参照して、車両異常検知装置25は、動体検知センサとして機能する。車両異常検知装置25として、(異常検知用)電波を受信するための送信アンテナ1と、(異常検知用)電波を受信するための受信アンテナ2〜5と、人間等の物体の動作を検知する異常検知演算部6とが図3に示す車両50に設置されている。
車両異常検知装置25は、送信アンテナ1から一定間隔以内または連続的に送信される(異常検知用)電波を受信アンテナ2〜5で受信し、異常検知演算部6が当該電波に基づいて信号処理を行なうことにより、車両50の外部における人間の接近動作および車両50の内部への人間の侵入動作を検知する。
車両異常検知装置25は、アレイ式電波センサであり、電波伝搬の変化を利用して動体の検知機能を実現する。また、車両異常検知装置25が使用する(異常検知用)電波は、原理上は周波数および帯域幅等に制約はない。
(送信アンテナおよび受信アンテナ)
図3および図4を参照して、送信アンテナ1は、無指向性アンテナであって、車両50内に設置されている。具体的には、送信アンテナ1は、車室内に設置され、たとえば、天井の略中央部分であって内装品の内側に設置されている。
受信アンテナ2〜5は、それぞれの受信エリアが異なるように、車両50内の異なる位置に設置されている。具体的には、受信アンテナ2は、車両50の右前方に設置される。受信アンテナ3は、車両50の右後方に設置される。受信アンテナ4は、車両50の左後方に設置される。受信アンテナ5は、車両50の左前方に設置される。
より詳細には、受信アンテナ2〜5は、図4に示すように、車室内の天井であって、内装品の内側に設置され、ルーフ部分と内装品との間において配線(図示せず)が施されている。受信アンテナ2〜5は、指向性アンテナであって、指向性の方向が車両50の外部方向となるように設置されている。
車両50の内部においては、送信アンテナ1から送信される(異常検知用)電波が、直接または反射して、受信アンテナ2〜5によって受信される。車両50の外部においては、送信アンテナ1から送信される電波が車両50の窓などを通過して車両50の外部に到達し、車両50の周囲の人間または路面などによって反射する。そして、反射波は再び車両50の窓などを通過して、受信アンテナ2〜5によって受信される。
(異常検知演算部)
図5は、図2に示す異常検知演算部6の構成を示すブロック図である。図5を参照して、異常検知演算部6は、送信部11と、受信部12と、空間特徴量算出部13と、検知部14と、警告制御部15と、照明制御部16と、検知信号送信部17とを備えている。
(i)送信部および受信部
送信部11は、所定周波数の電波を送信アンテナ1から送信する送信処理を行う。受信部12は、受信アンテナ2〜5において受信された電波から上記所定周波数の電波を抽出し、抽出した電波に対して所定の受信処理を行ってデジタル信号をそれぞれ生成し、空間特徴量算出部13に出力する。
(ii)空間特徴量算出部
空間特徴量算出部13は、受信アンテナ2〜5に対応する各デジタル信号を受信部12から受けて、これらのデジタル信号に基づいて、受信アンテナ2〜5によって受信された電波のレベルおよび位相を算出する。そして、空間特徴量算出部13は、算出結果に基づいて、受信アンテナ2〜5によって受信された電波に基づく空間特徴量P(t)を算出する。
より詳細には、空間特徴量算出部13は、たとえば参考特許文献(特開2008−216152号公報)に記載の構成と同様に、到来角分布を用いて空間特徴量P(t)を抽出する。すなわち、空間特徴量算出部13は、固有ベクトルの内積を算出することにより、空間特徴量P(t)を抽出する。この内積は、比較基準となる初期ベクトルからの変化量を示す。初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルをvnoとし、観測時tにおける固有ベクトルをvob(t)とすると、空間特徴量P(t)は以下の式(1)で表される。
P(t)=vno・vob(t)…(1)
(iii)検知部
検知部14は、空間特徴量算出部13により算出された空間特徴量P(t)に基づいて、受信アンテナ2〜5の受信エリアにおける人間の動作を検知する。すなわち、検知部14は、送信アンテナ1から送信される電波が帯域幅を持つか否かに応じて、以下に説明するような処理を行う。
(帯域幅を持たない電波が送信される場合)
送信アンテナ1から送信される電波が帯域幅を持たない場合、空間特徴量算出部13は、4つの受信アンテナ2〜5を2つずつの組み合わせ、具体的には、
組A:受信アンテナ2と受信アンテナ3
組B:受信アンテナ3と受信アンテナ4
組C:受信アンテナ4と受信アンテナ5
組D:受信アンテナ5と受信アンテナ2
に分ける。
そして、空間特徴量算出部13は、組Aについて、受信アンテナ2,3によって受信された電波のレベルに基づいて、組Aにおける空間特徴量P(t)を算出する。また、空間特徴量算出部13は、同様に、組B、組C及び組Dについて、それぞれ空間特徴量P(t)を算出する。
検知部14は、組A,組B,組C及び組Dごとに算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かをそれぞれ判断し、各組に対応するエリア別に人間の動作を検知する。そして、検知部14は、各組に対応するエリアのうち人間の動作を検知したエリアを、車両50への人間の接近方向として特定する。
すなわち、検知部14は、組Aについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の右側方であると特定する。また、検知部14は、組Bについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の後方であると特定する。また、検知部14は、組Cについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の左側方であると特定する。また、検知部14は、組Dについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の前方であると特定する。
(帯域幅を持つ電波が送信される場合)
送信アンテナ1から送信される電波が帯域幅を持つ場合、たとえばインパルス応答が送信される場合、空間特徴量算出部13は、受信アンテナ2〜5によって受信された電波ごとにレベル及び到着タイミングを算出し、これらの算出結果に基づいて、受信アンテナ2〜5によって受信された電波ごとの空間特徴量P(t)を算出する。
検知部14は、受信アンテナ2〜5において受信された電波ごとに算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かをそれぞれ判断し、受信アンテナ2〜5の各受信エリア別に人間の動作を検知する。そして、検知部14は、各受信エリアのうち人間の動作を検知したエリアを、車両50への人間の接近方向として特定する。
また、検知部14は、空間特徴量算出部13が算出した空間特徴量P(t)の大小に基づいて、車両50の外部において人間の動作があったか、または、人間の車両50内への侵入動作があったか、を判断する。
ここで、車両50内に人間が侵入する際には、車両50のドアの開閉または車両50の窓ガラスの破損などが起きるため、この場合の空間特徴量P(t)は、車両50内への侵入動作がない場合と比較して大きくなる。一方、車両50の外部で人間の動作がある場合には、空間特徴量P(t)は小さくなる。
この相違を利用して、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th2(Th2>Th1)以下である場合には、車両50の外部において人間の動作があったと判断し、空間特徴量P(t)が当該閾値Th2より大きい場合には、人間の車両50内への侵入動作があったと判断する。
(iv)警告制御部
警告制御部15は、検知部14による検知結果を受けて、検知部14が人間の動作を検知した場合には、ホーン7及び照明8を利用した警告(第1及び第2の警告処理)を行う。
警告制御部15は、検知部14が人間の動作を検知した場合には、ホーン7及び照明8を制御し、ホーン7による警告音及び照明8による警告光の少なくとも一つを用いた第1の警告処理を行うように制御する。また、警告制御部15は、検知部14が車両50内への侵入動作を検知した場合等には、ホーン7及び照明8を制御し、ホーン7による警告音及び照明8による警告光の組合せからなる第2の警告処理を行うように制御する。
なお、上記第2の警告処理はホーン7の警告音を最大レベルにする、前方照明8a、右側方照明8b、左側方照明8c及び後方照明8dの全てを点灯あるいは点滅させる等により、上記第1の警告処理より警告度合が高く、不審者に対する威嚇が可能な警告内容にすることが望ましい。この際、上記第2の警告処理として、ブレーキランプ、ハザードランプ(ターンランプ)の点灯、あるいは、車室内ルームミラー下部辺りに別途設けた警告灯の点灯を併せて行うようにすることも考えられる。
また、ホーン7として、通常用いる車両50に搭載されたホーン、あるいはボンネット内に設置されるセキュリティ専用ホーン等が考えられる。
図5で示した構成では、警告制御部15が直接、ホーン7及び照明8を制御しているが、照明8やホーン7といった装置はもともと車両50に搭載しているECU(ボデーECU20等)が制御していることが多い。このため、当該ECUに対しCAN等の通信を介して警告制御部15が制御信号を出力する構成も考えられる。
(v)照明制御部
照明制御部16は、検知部14による検知結果を受けて、車両50に設けられている前方照明8a,右側方照明8b,左側方照明8c,後方照明8d(以下、これらを総称する場合には、「照明8」とする。)の点灯を制御する。図3に示すように、前方照明8aは、車両50の前方のヘッドライトである。右側方照明8bは、車両50の右側方のドア付近に設けられ、車両50に乗り降りする際のドライバーの足元を照らすための照明設備である。左側方照明8cは、車両50の左側方のドア付近に設けられ、車両50に乗り降りする際のドライバーの足元を照らすための照明設備である。後方照明8dは、車両50の後方のブレーキランプ、テールランプ及びターンランプのうちのいずれか、あるいはこれらのランプの組合せからなる照明設備である。
照明制御部16は、車両異常検知装置25において警戒処理禁止信号SC28を受信している場合には、照明8を点灯させる。本実施の形態では、照明制御部16は、車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗い場合であり、かつ、車両異常検知装置25において警戒処理禁止信号SC28を受信している場合には、検知部14が正規ユーザーと認定した人間の動作を検知した電波の受信アンテナに対応する照明を点灯させる。
ここで、車両50は、たとえば光の明るさを検知する光検知センサ9を搭載し、光検知センサ9による検知結果を照明制御部16が受けることにより、照明制御部16が車両50の周囲の明るさを判断する。
たとえば、照明制御部16が、光検知センサ9によって車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗いと判断した場合であって、スマートエントリー装置26から警戒処理禁止信号SC28を受信している場合には、照明制御部16は右側方照明8bを点灯させることによってドライバーの乗車を補助する。
なお、照明8は、必ずしも複数設けられている必要はない。また、照明制御部16は、検知部14が人間の動作を検知した電波の受信アンテナに対応する照明が存在しない場合には、いずれの照明も点灯させない。
(vi)検知信号送信部
検知信号送信部17は、検知部14による検知結果を受けて、検知部14が人間の車両50への接近動作を検知した場合には、人間等の物体の車両50への接近を指示する物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26に向けて送信する。この物体接近検知信号SS6がスマートエントリー装置26の主要部を動作状態とさせ、照合動作を実施させるためのトリガ信号となる。
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る車両異常検知装置25が車両50に発生する異常を検知し、上記第1の警告処理あるいは上記第2の警告処理を実行して不審者に対する威嚇を行う際の動作について説明する。
図6及び図7は、本発明の実施の形態の車両盗難防止システム100における車両異常検知装置25が車両50に発生する異常を検知し、不審者に対する威嚇を行う際の動作手順を示すフローチャートである。
車両異常検知装置25は、フローチャートの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
図6及び図7を参照して、まず、異常検知演算部6の送信部11が、所定周波数の電波の送信処理を行い、車両50内の天井の略中央部分に設置された送信アンテナ1から電波が送信される(ステップS1)。
次に、車両50の内部で反射された電波または車両50の外部で人間または路面などによって反射された電波が受信アンテナ2〜5において受信され、異常検知演算部6の受信部12が、受信された電波から上記所定周波数の電波を抽出し、抽出した電波に対して所定の受信処理を行う(ステップS2)。
次に、異常検知演算部6の空間特徴量算出部13が、受信部12によって生成されたデジタル信号を受けて、受信アンテナ2〜5が受けた電波に基づいて空間特徴量P(t)を算出する(ステップS3)。そして、異常検知演算部6の検知部14が、算出された空間特徴量P(t)に基づいて人間の動作を検知する(ステップS4)。具体的には、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かを判別する。
ここで、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th1以下である場合には(ステップS4で「NO」)、車両50の内外において人間の動作がなかった、物体接近が検知されかったと判断し、受信処理(ステップS2)に戻って同様の動作が繰り返される。
一方、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きい場合には(ステップS4で「YES」)、人間の動作を検知したと判断し、検知信号送信部17から物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26に向けて送信させる(ステップS5)。そして、前述のような方法を用いて、人間の動作を検知したエリアの特定を行う(ステップS6)。
次に、検知部14が、人間の動作を検知した時、警戒処理禁止信号SC28を受信したか否かを識別し(ステップS7)、識別結果を警告制御部15及び照明制御部16に出力する。
次に、照明制御部16が、検知部14から識別結果を受けて、人間の動作を検知した時、警戒処理禁止信号SC28を受信中である場合には(ステップS7で「YES」)、さらに光検知センサ9から、車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗いか否かを示す検知結果を取得する(ステップS8)。
次に、照明制御部16が、車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗い場合には(ステップS8で「YES」)、人間の動作を検知した電波の受信アンテナに対応する照明、たとえば前方のヘッドライトが点灯するように、照明8の点灯を制御する(ステップS9)。一方、車両50の周囲が照明8の点灯を必要としない程度の明るさである場合には(ステップS8で「NO」)、受信処理(ステップS2)に戻って同様の動作が繰り返される。
一方、人間の動作を検知した時、警戒処理禁止信号SC28を受信していない場合には(ステップS7で「NO」)、検知部14が、検知した人間の動作が車両50の外部の動作であるか、または、車両50内への侵入動作であるかを判断する(ステップS10)。具体的には、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th2より大きいか否かを判別する。
次に、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th2以下である場合には(ステップS10で「NO」)、検知した人間の動作が車両50の外部での動作であると判断する(ステップS11)。そして、警告制御部15が、検知部14から判断結果を受けて、ホーン7及び照明8を制御して上記第1の警告処理を実行する(ステップS12)。
次に、検知部14が、人間の動作を検知した状態の継続時間、及び、人間の動作を検知したエリアに基づき、上述した種々の方法を用いて、動作を検知された人間が不審者であるか否かの判定を行う(ステップS13)。
そして、検知部14が、動作を検知した人間が不審者ではないと判定した場合には(ステップS13で「NO」)、受信処理(ステップS2)に戻って同様の動作が繰り返される。そして、空間特徴量算出部13が空間特徴量P(t)を算出し(ステップS3)、算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1以下である場合、すなわち検知部14によって人間の動作が検知されない場合には(ステップS4)、警告制御部15が、上記第1の警告処理を終了するようにホーン7及び照明8を制御する。
一方、検知部14が、動作を検知した人間が不審者であると判定した場合には(ステップS13で「YES」)、警告制御部15が、ホーン7及び照明8を制御して、上記第1の警告処理より警告度合が高い上記第2の警告処理を実行する(ステップS14)。
また、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th2より大きい場合には(ステップS10で「YES」)、検知した人間の動作が車両50内への侵入動作であると判断する(ステップS15)。そして、警告制御部15は、不審者への威嚇を行うべく、ホーン7及び照明8を制御して上記第2の警告処理を実行する(ステップS16)。
本発明の実施の形態における車両異常検知装置25では、車両50内に設置され、電波を送信するための送信アンテナ1と、車両50内に設置され、電波を受信するための受信アンテナ2〜5と、が備えられている。また、車両異常検知装置25では、異常検知演算部6が備えられ、異常検知演算部6が、受信アンテナ2〜5が受信した電波に基づいて空間特徴量P(t)を算出し、算出した空間特徴量P(t)に基づいて車両50の外部における人間の動作及び車両50の内部への人間の侵入動作を検知する。
このような構成により、車両50が被害を受ける前に異常の発生を検知して被害を未然に防ぎ、かつ、車両50内外における異常を的確に検知することができる。たとえば、犯罪者が車両50に対して犯罪行為を開始する前に、犯罪者の車両50への接近を検知することができるため、犯罪行為が行われる前に上記第1の警告処理あるいは上記第2の警告処理により犯罪者に威嚇をして犯罪行為をあきらめさせるなど、犯罪を未然に抑制することができる。
ただし、ステップS7にて警戒処理禁止信号SC28を受信した場合は、車両50用の携帯通信機40を所持した正規ユーザーが接近していると判断し、ステップS10以降の警報処理の実行は行われることはないため、正規ユーザーの利便性を損ねてしまう現象を確実に回避することができる。
(スマートエントリー装置26を利用した正規ユーザーの認識)
上述したように、車両異常検知装置25は車両50内の侵入は勿論、車両50の周辺への人間等の物体の接近をも正確に検知して物体接近検知信号SS6として送信することができる。すなわち、車両異常検知装置25はアレイアンテナ方式の電波センサにより構成されており、他の方式(ドップラセンサによる検知等の方式)に比べ、車両50の周辺への物体の接近を精度良く検知することができる特徴を有している。
そこで、本実施の形態の車両盗難防止システム100は、車両異常検知装置25から物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26に送信することにより、スマートエントリー装置26によって車両50の接近している物体(人間)が、車両50に対応する携帯通信機40を所持した正規のユーザーであるか否かを検証させている。
そして、スマートエントリー装置26が正規のユーザーが車両50に接近していると判断した場合、警戒処理禁止信号SC28を車両異常検知装置25に送信することにより、車両異常検知装置25が警報処理を実施することを確実に禁止させている。
(正規ユーザー照合動作)
以下、正規ユーザーの照合操作を行う場合におけるスマートエントリー装置26及び携帯通信機40それぞれの動作について説明する。
図8はスマートエントリー装置26(ボデーECU20)による正規ユーザーの照合動作を示すフローチャートである。
同図を参照して、ステップS31で物体検知信号監視部21にて物体接近検知信号SS6の有無を監視し、物体接近検知信号SS6が認識される(YES)と、ステップS32以降の照合動作に移行する。一方、物体接近検知信号SS6が認識されるまでは、ステップS31における物体検知信号監視部21による監視動作のみが繰り返し実行される。すなわち、ステップS31が繰り返されている期間においては、ボデーECU20の送受信部22及び警戒状態制御部28等は非動作状態である。
ステップS31でYESの場合に実行されるステップS32において、ボデーECU20の送受信部22は動作状態となり、車室外アンテナ34〜36等を駆動し、携帯通信機40側のID要求信号をLF電波にて送信し、ステップS33において、携帯通信機40からの携帯通信機側ID信号(UHF電波)の受信の有無を確認する。ステップS33において、携帯通信機側ID信号の受信が確認された場合(YES)はステップS34に移行し、確認されない場合(NO)は、ステップS31に戻る。
ステップS33でYESの場合に実行されるステップS34において、警戒状態制御部28は、ステップS33で受信した携帯通信機側IDと、予め登録されている車両50のボデーECU側登録IDとの照合処理を実施する。
そして、ステップS35において、警戒状態制御部28は、携帯通信機側IDとボデーECU側登録IDとの一致の有無を検証する。ステップS35で両IDが一致する場合(YES)、携帯通信機40は正規の携帯通信機である、すなわち、正規のユーザーの接近であると判断し、ステップS36に移行する。一方、ステップS35において両IDが不一致の場合(NO)、携帯通信機40が車両50に対応する正規の携帯通信機でない、すなわち、不審者の可能性が高いと判断し、ステップS31に戻る。
ステップS35でYESの場合に実行されるステップS36において、警戒状態制御部28は所定期間、警戒処理禁止信号SC28を車両異常検知装置25に送信する。なお、所定期間とは、正規のユーザーが車両50に接近した後、ドアの解錠等の処理を行うのに十分な時間等に設定される。
図9は携帯通信機40側における正規ユーザーの照合動作を示すフローチャートである。同図を参照して、ステップS41で送受信部22による車室外アンテナ34〜36からのID要求信号(LF電波)の受信の有無を確認し、ID要求信号を受信すると続くステップS42にて携帯通信機側ID信号(UHF電波)をボデーECU20に向けて送信する。なお、ID要求信号が受信されるまでステップS41の処理は繰り返し実行される。
(効果等)
このように、本実施の形態の車両盗難防止システム100(車両用セキュリティーシステム)におけるスマートエントリー装置26は、携帯通信機40が車両50用の正規の携帯通信機40であると認識すると(ステップS35でYES)、車両異常検知装置25による警報処理の実行禁止を指示する警戒処理禁止信号SC28を送信することができる。その結果、正規ユーザーの接近時において、車両異常検知装置25による所定の警報処理(図7のステップS11〜S16による処理)の実行を確実に禁止させることができる。
上記のように、スマートエントリー装置26と車両異常検知装置25とが連動することにより、車両盗難防止システム100における車両異常検知装置25の動作時中においても、車両50に対応する携帯通信機40を所持する正規のユーザーが車両50に接近した場合は、不審者とされることなく、携帯通信機40を用いたドア解錠操作等を支障なく行うことができ、携帯通信機40を所持する正規のユーザーの利便性を損ねることはない。
図10は本実施の形態における車両盗難防止システムの効果を模式的に示す説明図である。図10に示すように、車両50周辺の検出領域R1内に携帯通信機40を所持した正規のユーザーが入った場合、物体接近検知信号SS6の受信をトリガとして実行されるボデーECU20の照合動作によって正規ユーザーの存在を正確に認識することができる。
さらに、スマートエントリー装置26の警戒状態制御部28は、携帯通信機40の識別情報である携帯通信機側IDと車両50の識別情報であるボデーECU側登録IDとの一致の有無に基づき、携帯通信機40が正規であるか否かを正確に認識することができる。
加えて、スマートエントリー装置26は、物体接近検知信号SS6の受信をトリガとして実質的な動作状態となるため、必要最小限の範囲でスマートエントリー装置26の主要部を動作させることにより、スマートエントリー装置26の消費電力を最小限に抑えることができる。
すなわち、スマートエントリー装置26構成する、物体検知信号監視部21以外の構成部(送受信部22、警戒状態制御部28、タッチセンサ(リクエストスイッチ)31〜33、車室外アンテナ34〜36、車室内アンテナ37、ドアロック・アンロックモータ38)は、物体接近検知信号SS6が受信されるまでは、非動作状態であるため、スマートエントリー装置26の消費電力を最小限に抑えることができる。
さらに、正規の携帯通信機40を所持する人間が接近しているときは、物体接近検知信号SS6が物体検知信号監視部21にて必ず受信されるため、スマートエントリー装置26は、上述した照合動作によって正規のユーザーの接近を常に正確に認識することができる。
(その他)
なお、上述した実施の形態では、スマートエントリー装置26の警戒状態制御部28は、携帯通信機40が正規であるとの認識時に、警戒処理禁止信号SC28の送信以外に、以下のスマートエントリー動作を併せて行うようにしても良い。すなわち、タッチセンサ31〜33のいずれかが対応するドアへの接触を検知すると、ドアロック・アンロックモータ38を駆動して、タッチセンサが接触を検知したドア(リクエストスイッチの押下情報に対応するドア)をアンロック状態に制御する等のスマートエントリー動作の制御をさらに行うように構成しても良い。
また、本実施の形態において、車両異常検知装置25は警戒処理禁止信号SC28の受信によって、ステップS8及びステップS9の照明点灯によるウェルカム動作を行っているが、このウェルカム動作を省略しても、正規ユーザーの必要最小限の利便性を確保することができる。
また、本実施の形態の車両盗難防止システム100では、警戒処理禁止信号SC28受信よって、車両異常検知装置25による警報処理の実行を禁止させたが、警戒処理禁止信号SC28相当の信号の受信によって、車両異常検知装置25による警戒処理(図6のステップS1〜S6,S8,S9)自体の実行をも解除、すなわち、警戒状態を解除して無警戒状態に戻すようにすることも可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 送信アンテナ
2〜5 受信アンテナ
6 異常検知演算部
20 ボデーECU
21 物体検知信号監視部
22 送受信部
25 車両異常検知装置
26 スマートエントリー装置
28 警戒状態制御部
40 携帯通信機
50 車両
100 車両盗難防止システム(車両用セキュリティーシステム)

Claims (2)

  1. 車両に搭載され、前記車両への物体接近を検知し、物体接近の検知を指示する物体接近検知信号を送信するとともに、所定の警報処理が実行可能な警戒状態を設定する異常検知装置と、
    所定の車室外アンテナを用いて携帯通信機と通信を行い、該携帯通信機が前記車両用の正規の携帯通信機であると認識すると前記所定の警報処理の実行を禁止する警戒処理禁止信号を送信するスマートエントリー装置とを備え、
    前記異常検知装置は、
    前記車両内に設置され、異常検知用電波を送信する送信アンテナと、
    前記車両内に設置され、前記異常検知用電波を受信する複数の受信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナが受信した前記異常検知用電波に基づいて空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記車両への物体接近を検知し、前記物体接近検知信号の送信及び前記警戒状態の設定制御を行う異常検知演算部とを含み、
    前記異常検知演算部は前記警戒処理禁止信号の受信時には、少なくとも前記所定の警報処理を実行しないように制御することを特徴する、
    車両用セキュリティーシステム。
  2. 請求項1記載の車両用セキュリティーシステムであって、
    前記スマートエントリー装置は、
    前記物体接近検知信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記所定の車室外アンテナを用いた前記携帯通信機と通信により得た前記携帯通信機側の識別情報と予め登録した車両側識別情報との一致の有無により、前記携帯通信機が正規であるか否かを認識し、前記携帯通信機が正規であるとの認識時に、前記警戒処理禁止信号を送信する警戒状態制御部を含む、
    車両用セキュリティーシステム。
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