JP4563651B2 - 生ゴムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生ゴムおよびその製造方法に関し、さらに詳しくはゴム中のゲル量が10重量%以下の、加工性および反応性に優れた生ゴムとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生ゴムは、天然ゴムラテックスから調製される固形の天然ゴム原料であって、加硫により優れた機械特性が発揮されることから、各種ゴム製品の製造に用いられている。この製造上、生ゴムは混練、シーテイング、各種成形工程などの加工性に優れていることが要求される。このような加工性は、生ゴム中のゲルの存在によって大きく影響されることが知られている。
【0003】
すなわち、天然ゴムはポリイソプレンを本体とするものであるが、合成ポリイソプレンとは異なり、多くのゲル分が含まれている。ここでいうゲル分は、原料ゴムにおける非ゴム成分であって溶剤に対する難溶性部分をさしており、天然ゴムが蛋白質、脂質などの不純物を多く含んでいることに起因するものと考えられている。
天然ゴム中のゲル分は、加工性や反応性などに悪い影響を及ぼすことがわかっているものの、天然状態のゴムラテックスに含まれてくるゲル量を調整することはできていない。ゲル分を含む天然ゴムは見かけの分子量が高くなっており、ゴム製品の製造に当たり、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げてからでないと加工性が悪く使用することができない。しかし、このような素練は、ゲルの原因となる分岐部分を切断するというよりも、分子主鎖をランダムに切断してしまうことが多い。従って、天然ゴム本来の特性である、分子量が高く、主鎖骨格の立体構造が均一(ほぼ100%がシスポリイソプレンである)であるという特徴が十分に生かされないことになる。
【0004】
また、生ゴムはまた、各種改質ゴムの製造にも用いられることから改質薬品との反応性がよいことも重要である。すなわち、天然ゴムに改質反応などを行って付加価値を持たせようとするとき、合成ゴムに比べてゲル分が多いため、反応効率が悪く低濃度でしか反応を行えないという問題がある。
ゲルの原因となる天然ゴム中の成分の一つとして蛋白質が挙げられているが、このものは新鮮な天然ゴムラテックス(フィールドラテックス)には固形分に対して約3〜5重量%が含まれており、ゴム製品に接触したときに即時型アレルギーを誘発する。これまでに、アレルギー防止を主目的として種々の脱蛋白処理方法が開発されているが(例えば、特許文献1、2参照)、ゲル量を減らす面からは十分検討がなされていない。
【0005】
また、脱蛋白質処理に伴って、天然ゴムのグリーンストレングス(生ゴム強度)を損なわないようにするために、アンモニアを加えて熟成した天然ゴムラテックスを精製・脱蛋白質する技術が開発されている(特許文献3参照)。この方法によると、ゲル分(窒素で飽和したテトラヒドロフラン不溶分として測定)をもとの量の約20%までに減らした例が記載されている。別に、脱蛋白質天然ゴムラテックスから得られるゴム製品は、脱蛋白質処理を施していない場合に比べて機械強度が低くなることを防ぐために、ケトン類を含有させることも提案されている(特許文献4参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−17509号公報(段落[0017]〜[0028])
【特許文献2】
WO00/61711号公報(請求項1〜19)
【特許文献3】
特開平6−56903号公報(請求項1〜4、段落[0011]、[0020]〜[0022])
【特許文献4】
特開2000−198881号公報(請求項1、[0047]など)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、天然ゴムラテックスに由来するゲル分は、天然ゴムを利用するにあたって何かと障害になることが多く、その除去方法の開発が望まれていたにもかかわらず、これまではアレルギー誘発物質としての蛋白質を除去するときにゲルもある程度低減することが知られていたに過ぎない。天然ゴムの利用分野によっては、蛋白質によるアレルギー誘発が問題とならない分野もあり、脱蛋白処理を必ずしも要することなく、より簡易な方法で生ゴム中のゲル分を減らす手段が要望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、採取した天然ゴムラテックス中のゲル分の減量化方法を多方面から検討したところ、リン酸塩で処理し生成するリン酸マグネシウムを除去してマグネシウム含有率を減らし、固形化することによりゲル分が著しく少ない生ゴムが得られるとの知見を得た。この処理においてまた、天然ゴムラテックを採取後、固形化するまでの日数ができるだけ少なくすることが、ゴムラテックス貯蔵中のゲル分の増加を抑制するとの知見も得た。さらに、脱蛋白処理を併用すれば、ゲル分をより一層少なくできることも合わせて見出したのである。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討して完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は以下のとおり、生ゴムの製造方法とゲル分を低下させてなる生ゴムに関する。
1)マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10重量%以下であることを特徴とする生ゴム。
2)天然ゴムラテックスから生ゴムを製造するに際し、採取した天然ゴムラテックスにリン酸アンモニウムを添加し、生成するリン酸マグネシウムを静置沈殿により除去して天然ゴムラテックス中のゴム分に対するマグネシウム含有率を20ppm以下とし、かつゴム中のゲル量をトルエン不溶分として測定するときそのゲル含有率が10重量%以下とし、得られる天然ゴムラテックスを固形化する工程よりなり、当該工程を天然ゴムラテックス採取後10日以内に終了してなることを特徴とする生ゴムの製造方法。
【0011】
3)リン酸マグネシウムを除去後、固形化するまでの間に脱蛋白処理工程を含むことを特徴とする上記2)項に記載の生ゴムの製造方法。
4)前記脱蛋白処理により窒素含有率を0.1重量%以下にすることを特徴とする上記3)項に記載の生ゴムの製造方法。
5)上記2)〜4)項に記載のいずれかの方法で製造され、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10重量%以下であることを特徴とする生ゴム。
【0012】
本発明において、生ゴム中のゲル含有率は、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」または「ゲル分」と称することがある。
本発明の生ゴムは、上記のように、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、ゲル含有率が10重量%以下であることを特徴とする。ゲル含有率が10重量%以下である生ゴムは、ゴム製品に加工するに際して素練りを必要とせず、加工性が極めてよくなり、また改質ゴム製造時の反応性が向上する。
【0013】
従来、天然ゴムラテックス中の蛋白質を除去することが、ゲル分を低下させる一つの方法として考えられていたが、後述の比較例5の結果にも示されるとおり、脱蛋白処理を施して得られる生ゴムにはまだ20%程度ものゲル分が存在し、加工性等を向上させる目的上十分とはいえない。この脱蛋白処理した生ゴムには30ppm以上のマグネシウムが含まれており、本発明者らはこれがゲル分を増加させる一因であると考えて、天然ゴムラテックスにリン酸アンモニウムを添加して生成するリン酸マグネシウムを除去したのである。同時に、ゴムラテックスを採取した後、固形化するまでの日数が多くなるほどゲル分が増加するが、この日数を10日以内とすることにより、ゲル含有率10重量%以下の生ゴムが製造される。この製造方法によると、脱蛋白処理をしなくてもゲル含有率10重量%以下にすることができるが、その処理を施せばゲル含有率の低下が一層顕著であり、即時型アレルギー誘発も抑制されることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における生ゴムは、ゴム分中のマグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10重量%以下である。生ゴムは天然ゴム原料であり、例えばスモークド・シート(RSS)、ペールグレープあるいはブラウンクレープをはじめとして、ラテックスにヒマシ油、プロセスオイル、塩酸ホドロキシルアミン(または水化ヒドラジン)をそれぞれ添加して作製されるヘベアクラム、油天然ゴム粘度安定化ゴムなどが挙げられるが、本発明ではこれら生ゴムを包含する。
【0015】
天然ゴムラテックスはヘビア樹の樹液として採取され、ゴム分のほか水、蛋白質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。本発明では、ヘビア樹をタッピングして出てくる生ラテックス、あるいは遠心分離法によって濃縮した精製ラテックスが用いられる。さらに、生ゴムラテックス中に存在するバクテリヤによる腐敗の進行を防止し、ラテックスの凝固を避けるために、常法どおりにアンモニアを添加したハイアンモニアラテックスであってもよい。本発明の製造方法において、生ゴムの製造に供するゴムラテックスは、前述のとおり採取してから10日以内であることを要する。
【0016】
本発明において、天然ゴムラテックスにリン酸アンモニウムを添加し、当該ラテックス中のマグネシウムをリン酸マグネシウムとして除去する。
リン酸アンモニウムの添加に際し、ゴムラテックス中の固形分濃度は30〜60重量%とし、リン酸アンモニウムはゴムラテックスの全重量に対して0.05〜1重量%となるように添加することが好ましい。生成するリン酸マグネシウムの除去方法は特に限定されないが、例えばリン酸塩を添加後、一夜程度、静置してから上澄み(ゴムラテックス)を回収すればよく、沈殿したリン酸マグネシウムを除去する。このようにして、天然ゴムラテックス中のゴム分に対するマグネシウム含有率を20ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは6ppm以下とする。
【0017】
マグネシウム含有率20ppm以下に調整したゴムラテックスは、次いで固形化することにより生ゴム(天然ゴム)とする。この固形化は、前記した各種生ゴムの製造方法に準ずる凝固工程および乾燥工程を具備し、目的に応じて、圧延、水洗などの工程を含むものである。
例えば、スモークド・シート(RSS)は、リン酸マグネシウムを除去したゴムラテックスを凝固槽に入れ、必要に応じて水を入れて約20%濃度に調整し、凝固薬品として主に酢酸もしくは蟻酸を加える。生成する凝固物を、二本ロールを通しながら、上から水を注いで漿液をしぼる。水洗しながら一定の厚みになったところで、型付ロールにかける。次いで、煙室に吊るして煙で燻しながら乾燥させる。乾燥室内の温度は45〜60℃程度とする。ここで、スモーキングすることなく、ADS(Air Dried Sheet)として得てもよい。ペールクレープは、凝固剤を添加する前に腐敗を防止と純白化のために重亜硫酸ナトリウムを加え、乾燥は自然通風あるいは熱風を強制通風するトンネル式乾燥方法とし、クレープ状にロールに押し出して得られる。
【0018】
本発明においては、ゴムラテックスを採取してから前記の固形化までの工程を10日以内に終了させる。これは、リン酸アンモニウムの添加によりマグネシウム含有率を20ppm以下に調整しても、固形化せずにラテックス状態で放置しておくと、ゲル分が増大していくことを避けるためである。
次に、本発明では天然ゴムラテックスを脱蛋白処理することによってさらにゲル分の低減化をはかることができる。天然ゴムの蛋白質含有率は通常ケールダール法によって測定される窒素含有率(N%)の6.3倍量で表される。新鮮な天然ゴムラテックス(フィールドラテックス)で固形分に対する重量%として約3〜5重量%(N%として約0.5〜0.8%)、市販の精製ラテックスおよび生ゴムで約2重量%(N%として約0.3%)以上を含む。
【0019】
本発明では、ゴム分に対する窒素含有率を0.1重量%以下にすることにより、ゲル分の低下をより顕著にし、合わせて即時型アレルギー誘発も抑制される。脱蛋白処理は、天然ゴムラテックスを採取後、固形化するまでの間の任意の時期に行えばよい。通常は、天然ゴムラテックスをリン酸で処理し、生成するリン酸マグネシウムを除去した後で脱蛋白処理することが好ましい。
脱蛋白処理方法としては、(a) 蛋白質を酵素(プロテアーゼ)により分解する、(b) ラテックスにアルカリを加えて加熱し、蛋白質を分解させる、(c) 石鹸類により、ゴム粒子に吸着されている蛋白質を遊離させる等の方法が知られている。本発明においては、上記の(a)を主とした方法、例えば前記の特許文献1〜4に開示の方法を有利に採用することができる。すなわち、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素を添加して蛋白質を分解させた後、界面活性剤によってラテックスを繰り返し洗浄することによって得られる。洗浄は遠心分離などで行えばよい。
【0020】
蛋白分解酵素としては従来公知のものが使用可能であり、特に限定されないが、例えばアルカリプロテアーゼ等が好適に用いられる。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれでも構わないが、これらの中では細菌由来のものを使用するのが好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用してもよい。
【0021】
蛋白分解酵素としてアルカリプロテアーゼを用いる場合、その活性は0.1〜50APU/g、好ましくは1〜25APU/gの範囲であるのが適当である。
前記酵素活性は、アンソン−ヘモグロビン法[Anson. M. L., J. Gen. Physiol., 22, 79(1938)]の改良法を用いて測定できる。すなわち、基質として用いる尿素変性ヘモグロビンの終濃度が14.7mg/mlとなるように調整した溶液中で、温度25℃、pH10.5にて10分間反応させた後、反応溶液にトリクロロ酢酸を終濃度が31.25mg/mlとなるように添加する。次いで、トリクロロ酢酸の可溶分をフェノール試薬によって呈色させ、1モルのチロシンの呈色度を1APUとした検量線により反応10分間当りの活性を求め、これを1分間当りに換算することによって測定した。なお、1APUとは、1モルのチロシンがフェノール試薬によって呈色するのと同じ呈色度のトリクロロ酢酸可溶分量を1分間に与えるプロテアーゼの量のことを示す。但し、アルカリプロテアーゼの活性測定はこの測定方法に限定されるものではない。
【0022】
上記蛋白分解酵素の添加量は、酵素活性に応じて適宜設定されるものであるが、通常天然ゴムラテックスの固形分100重量部に対して0.0001〜20重量部、好ましくは0.001〜10重量部の範囲で設定される。蛋白分解酵素の添加量が前記範囲を下回ると、ラテックス中の蛋白質を充分に分解することができなくなるおそれがある。一方、蛋白分解酵素の添加量が前記範囲を越えると、酵素の活性が低下し、かつコストアップにつながるおそれがある。また、酵素を添加する際にpH調整剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0023】
蛋白質分解処理の処理時間も酵素活性に応じて適宜設定されるものであって、特に限定されないが、通常数分から1週間程度行うことが好ましい。蛋白質分解処理中、ラテックスは攪拌していてもよく、静置していてもよい。温度調節は必要に応じてすればよいが、処理に適当な温度としては5〜90℃、好ましくは20〜60℃である。処理温度が90℃を超えると酵素の失活が早く、5℃未満であれば酵素の反応が進行しにくくなる。
【0024】
界面活性剤によるラテックス粒子の洗浄方法としては、例えば酵素処理を完了したラテックスに界面活性剤を添加し遠心分離法する方法が好適に採用できる。その際、界面活性剤はラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.001〜20重量部の範囲で添加するのが適当である。遠心分離処理は、まず、蛋白質分解処理を施した天然ゴムラテックスに界面活性剤を添加し、5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分離すればよい。遠心分離は1回ないし数回行えばよいが、通常、1回の遠心分離処理によって、蛋白質が高度に除去された脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることができる。また、遠心分離処理は、蛋白質分解処理を施した天然ゴムラテックスのゴム分が5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるように水で希釈した上で行ってもよい。
【0025】
遠心分離処理後、上層に分離されたクリーム状のゴム分を取り出す。かかる操作は、ディスク式の遠心分離機で連続的に行ってもよい。取り出されたクリーム状のゴム分は、必要に応じて水で希釈することにより脱蛋白天然ゴムラテックスとして供給される。また、遠心分離に代えて、ラテックス粒子を凝集させて分離する洗浄方法も採用できる。
界面活性剤としては、例えば(a) 陰イオン性界面活性剤、(b) 非イオン性界面活性剤、および(c) 両性イオン界面活性剤が使用可能である。(a) の陰イオン界面活性剤には、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系等の界面活性剤が挙げられる。(b) の非イオン界面活性剤には、例えばポリオキシアルキレンエ−テル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコ−ル脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の界面活性剤が挙げられる。(c) の両性イオン界面活性剤には、例えばアミノ酸型、ベタイン型、アミンオキサイド型等が挙げられる。
【0026】
なお、以上の説明においては、酵素分解後、界面活性剤を添加してラテックスを洗浄したが、酵素と界面活性剤とは同時に添加して処理してもよい。また、本発明において、脱蛋白天然ゴムを得る方法は特に限定されるものではない。また、上記例示の酵素および界面活性剤を用いるにあたり、他の添加剤、すなわちpH調整剤、分散剤等を添加してもよい。
pH調整剤としては、例えばリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸塩や、硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、クエン酸、コハク酸などの酸類またはその塩、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等があげられる。pH調整剤の添加量は、ラテックスのゴム固形分100重量部に対して、通常、0.01〜0.5重量部である。
【0027】
蛋白質分解処理においては、上記成分の他に、さらにスチレンスルホン酸共重合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸、多環型芳香族スルホン酸共重合物、アクリル酸および無水マレイン酸のホモポリマーおよび共重合物、イソブチレン−アクリル酸およびイソブチレン−無水マレイン酸共重合物等の分散剤を併用してもよい。
このようにして脱蛋白処理されたゴムラテックスは、上述の固形化により生ゴムとする。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
・ゲル含有率の測定
本発明において、生ゴム中のゲル含有率は、トルエン不溶分として測定した値を意味する。生ゴムを1mm×1mmに切断したサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し重量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
【0029】
ゲル含有率(%)=[乾燥後の重量mg/最初のサンプル重量mg]100
・マグネシウム含有率の測定
生ゴムのICP発光分析を行い求めた。
実施例1
採取した天然ゴムラテックス(固形分30%)に、その総重量の1%となるようにリン酸アンモニウムを添加して一夜静置した後、上澄みを回収し、沈殿したリン酸マグネシウムを除去した。次いで、上澄みとして回収したゴムラテックスをスモークド・シート(RSS)の作製法に準じて固形化し、生ゴムとした。すなわち、ゴムラテックスを固形分濃度約15重量%までイオン交換水で希釈し、これに2〜20重量%の蟻酸を添加してゴム分を凝固させた。この凝固したゴムをロールに通しながら漿液を絞り、シート状にした。これを45℃のオーブンで乾燥して固形天然ゴム(生ゴム)を得た。上記の工程において、ゴムラテックス採取後から固形化するまでの日数は2日間とした。
【0030】
実施例2
実施例1において、ラテックス採取後から固形化するまでの日数を5日間としたこと以外は同様に処理を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
実施例3
採取した天然ゴムラテックス(固形分30%)に、その総重量の0.1%となるようにリン酸アンモニウムを添加して一夜静置した後、上澄みを回収し、沈殿したリン酸マグネシウムを除去した。この上澄みとして回収したゴムラテックスを、2日経過後に、特開2000−198881号公報に記載の方法に準じて脱蛋白処理を行った。すなわち、上記ラテックス約167重量部(ゴム固形分100重量部)に対し、プロテアーゼ(蛋白分解酵素)0.067重量部と、10%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム[界面活性剤、花王(株)製のKP4401]1.5重量部とを添加し、水で希釈して、ゴム固形分が30重量%の天然ゴムラテックスを調製した。次いで、上記ラテックスを室温で16時間撹拌しながら熟成し、蛋白質の分解処理を行った。処理後のラテックス約333重量部(ゴム固形分100重量部)を水で希釈して全量を1000重量部(ゴム固形分約10重量%)に調整した後、10000rpm(約9000Gの重力加速度)で30分間遠心分離を行った。遠心分離処理後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することにより、ゴム固形分60%の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得た。このラテックスの、ケルダール法による窒素含有率(N%)は0.08%であった。
【0031】
得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを固形分濃度約15重量%までイオン交換水で希釈し、これに2〜20重量%の蟻酸を添加してゴム分を凝固させた。この凝固したゴムをロールに通しながら漿液を絞り、シート状にした。これを45℃のオーブンで乾燥して固形天然ゴム(生ゴム)を得た。上記の工程において、ゴムラテックス採取後から脱蛋白処理し、固形化するまでの日数は2日間とした。
実施例4
実施例3において、ゴムラテックス採取後から脱蛋白処理し、固形化するまでの日数を10日間としたこと以外は同様に処理を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
【0032】
比較例1
実施例1において、ラテックス採取後から固形化するまでの日数を15日間としたこと以外は同様に処理を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
比較例2
実施例2において、ゴムラテックス採取後から固形化するまでの日数を40日間としたこと以外は同様に処理を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
【0033】
比較例3
実施例3において、ゴムラテックス採取後から脱蛋白処理するまでの日数を20日間、ゴムラテックス採取後から固形化するまでの日数も20日間としたこと以外は同様に処理を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
比較例4
実施例4において、ゴムラテックス採取後から脱蛋白処理するまでの日数を40日間、ゴムラテックス採取後から固形化するまでの日数も40日間としたこと以外は同様に処理を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
【0034】
比較例5
実施例3において、採取した天然ゴムラテックスにリン酸アンモニウム処理をすることなく、脱蛋白処理および固形化を行って固形天然ゴム(生ゴム)を得た。
[ゲル含有率およびマグネシウム含有率の測定結果]
実施例1〜4および比較例1〜5で得られた生ゴムについて、ゲル含有率およびマグネシウム含有率を測定した結果を表1にまとめて示す。
【0035】
【表1】
【0036】
この結果、実施例1〜4で得られた生ゴムは、ゲル含有率が10重量%以下であり、リン酸アンモニウムで処理後(リン酸マグネシウム除去)し、固形化することによってゲル分を著しく少なくできることを示している。とりわけ、実施例3および4におけるように脱蛋白処理を併用することによってより一層少なくできる。上記の固形化するまでの処理は、ゴムラテックスを採取した後、なるべく早く完了させることも必要であり、10日を超えるとゲル分の低下は見られなくなる。このことは、比較例1〜4のようにゴムラテックスを採取した後、固形化するまでに10日を超えると、リン酸アンモニウム処理によりマグネシウム含量を低下させているにもかかわらず、ゲル含有率が10重量%を遥かに超えていることからもわかる。また、比較例5のとおり、リン酸アンモニウム処理を行わなければマグネシウム含量が高い状態のままであり、そのものに脱蛋白処理と固形化を早期に行ってもゲル含有率は20重量%と高い値を示している。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の生ゴムはマグネシウム含有率が20ppm以下、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10重量%以下であって、各種ゴム製品の原料として加工性に優れたものであり、また改質ゴムを作製するときに反応性がよく反応時間の短縮や収率向上が期待できる。また本発明の製造方法は、天然ゴムラテックスからマグネシウムを20ppm以下にする工程およびそのゴムラテックスを固形化する工程を具備し、必要により脱蛋白処理する工程を含み、ゴムラテックスを採取後10日以内に終了させるという工業化に適した方法であって、上記の本発明の生ゴムを実用上有利に提供することができる。
Claims (5)
- マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10重量%以下であることを特徴とする生ゴム。
- 天然ゴムラテックスから生ゴムを製造するに際し、採取した天然ゴムラテックスにリン酸アンモニウムを添加し、生成するリン酸マグネシウムを静置沈殿により除去して天然ゴムラテックス中のゴム分に対するマグネシウム含有率を20ppm以下とし、かつゴム中のゲル量をトルエン不溶分として測定するときそのゲル含有率が10重量%以下とし、得られる天然ゴムラテックスを固形化する工程よりなり、当該工程を天然ゴムラテックス採取後10日以内に終了してなることを特徴とする生ゴムの製造方法。
- リン酸マグネシウムを除去後、固形化するまでの間に脱蛋白処理工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の生ゴムの製造方法。
- 前記脱蛋白処理により窒素含有率を0.1重量%以下にすることを特徴とする請求項3に記載の生ゴムの製造方法。
- 請求項2〜4に記載のいずれかの方法で製造され、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10重量%以下であることを特徴とする生ゴム。
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