JP6389095B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来から、タイヤの転がり抵抗を低減して発熱を抑えることにより、車両を低燃費化することが行われている。近年、タイヤによる低燃費化への要請は大きくなっており、これまではタイヤの部材の中でもタイヤにおける占有比率が高いトレッドへの要請が高かったが、最近では、トレッドに加えて、サイドウォール、インスレーション、ブレーカークッションなどに対しても低燃費化が要請されている。
ゴム組成物の低燃費化を図る方法として、低補強性の充填剤を用いる方法、補強用充填剤の含有量を低減させる方法等が知られている。また、充填剤としてシリカを用いることで転がり抵抗を低減させて低燃費化を図る方法も知られている。しかし、これらの方法では、ゴム組成物の補強性が低下するため、耐屈曲亀裂成長性等の破壊性能や耐摩耗性が低下してしまうという問題があった。
特に、トラック・バス用タイヤの使用条件は非常にシビアリティが高いため、トラック・バス用タイヤのトレッドには高い耐摩耗性と、トレッド欠け等を防ぐことができる高い破壊性能が必要である。このため、トラック・バス用タイヤのトレッド配合には通常天然ゴムやブタジエンゴムが用いられているが、近年は更なる耐摩耗性の向上を目的として、ブタジエンゴムのハイシス化や高分子量化、カーボン用変性などが行われている。他方、トラック・バス用タイヤのトレッド配合の主な成分である天然ゴムに関しては天然物であることからブタジエンゴムのような開発はあまり行われていないのが現状である。
これらのことから、高い耐摩耗性と破壊性能を有する天然ゴムの開発が必要である。
天然ゴムはポリイソプレンを本体とするものであるが、合成ポリイソプレンとは異なり、多くのゲル分が含まれている。ここでいうゲル分とは、溶剤に対する難溶性部分を指しており、天然ゴムが不純物として多く含んでいる蛋白質、脂質などによって形成される分岐構造に起因するものと考えられている。実際、ゲルに関しては、アレルギー誘発物質としての蛋白質を除去する脱蛋白処理を行うとある程度低減することが知られている。
天然ゴム中に含まれる蛋白質などを低減する方法として、例えば、特許文献1、2には、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素と界面活性剤を加えて熟成する方法が開示されている。また、それ以外にも天然ゴムに含まれるゲル量を低減させる方法として、特許文献3には、溶剤で膨潤した固形天然ゴムを水酸化アルカリに浸漬する方法が、特許文献4には、天然ゴムラテックスにリン酸塩を添加してリン酸マグネシウムを除去する方法が、特許文献5には、天然ゴムラテックスに界面活性剤を加えて洗浄処理する方法が開示されている。また、特許文献6には、天然ゴムラテックスをホスホリパーゼ、リパーゼで処理することでムーニー粘度の低い天然ゴムを得る方法が開示されている。その他、特許文献7には、天然ゴムの凝固方法として高分子凝集剤を用いた手法が開示されている。
特開平08−12814号公報 特開2005−82622号公報 特開平11−12306号公報 特開2004−250546号公報 特許第3294901号公報 特許第4726490号公報 特許第4815117号公報
天然ゴムはゲル構造を持つことによりゴム自身が高分子量ポリマーの特徴である高い引張強度や引裂強度を持つと考えられている。一方で、天然ゴムの加工性は生ゴム中のゲルの存在によって大きく影響されることが知られており、ゲル量が多いと加工性が悪化してしまう。そのために、通常では、しゃっ解剤を添加して混練し、粘度を下げてから使用されるため、天然ゴム本来の持つ高分子量という特性が引き出せていないと考えられる。また、上述した特許文献1〜7に開示の方法を適用して得られた天然ゴムも性能としては更に改善の余地のあるものであった。これらのことから、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く向上させた天然ゴムの開発が望まれていた。
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く向上させた天然ゴムを用いることによって、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善したタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
第一の本発明は、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理して得られる改質天然ゴムを含むことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物に関する。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムは、タンパク分解酵素による酵素処理の前に、遠心分離処理されたものであることが好ましい。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムの窒素含有量は、0.30質量%以下であることが好ましい。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムのリン含有量は、200ppm以下であることが好ましい。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムのゲル含有率は、20質量%以下であることが好ましい。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量は、上記天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量よりも20%以上小さいことが好ましい。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量は、2.0×10以上であることが好ましい。
第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムは、更に、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固されたものであることが好ましい。
第一の本発明はまた、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理する工程、並びに、該工程によって得られた処理天然ゴムラテックスを脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理する工程を含む改質天然ゴムの製造方法に関する。
第二の本発明は、天然ゴムラテックスを遠心分離処理し、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収して得られる改質天然ゴムを含むことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物に関する。
第二の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムは、遠心分離処理して上記ラテックス画分を回収した後、該回収されたラテックス画分をタンパク分解酵素、脂質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群より選択される少なくとも1種の酵素で酵素処理されたものであることが好ましい。
第二の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムは、遠心分離処理して上記ラテックス画分を回収した後、該回収されたラテックス画分をタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理されたものであることが好ましい。
第二の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムの窒素含有量は、0.30質量%以下であることが好ましい。
第二の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムのリン含有量は、200ppm以下であることが好ましい。
第二の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムのゲル含有率は、20質量%以下であることが好ましい。
第二の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムは、更に、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固されたものであることが好ましい。
第二の本発明はまた、天然ゴムラテックスを遠心分離処理して、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収する工程を含む改質天然ゴムの製造方法に関する。
本発明はまた、前記タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理して得られる改質天然ゴムを含むタイヤ用ゴム組成物(第一の本発明)、又は、天然ゴムラテックスを遠心分離処理し、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収して得られる改質天然ゴムを含むタイヤ用ゴム組成物(第二の本発明)であるので、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善できる。
第一の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理して得られる改質天然ゴムを含む。本発明者らは、天然ゴムラテックスをまずタンパク分解酵素によって酵素処理することで、その後の脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素での酵素処理が効率良く行われることとなり、このようにして得られた改質天然ゴムが耐摩耗性、破壊性能、及び加工性にバランス良く優れたものとなる、という知見を見出した。これは、タンパク分解酵素による処理を行った後に、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による処理を行うことで、効率よく天然ゴムの分岐構造を切断できるためと推測される。そしてこのような改質天然ゴムを用いることによって、タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善することが可能である。
上記タンパク分解酵素による酵素処理は、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素により酵素処理することができれば、その処理方法は特に制限されないが、例えば、天然ゴムラテックス中にタンパク分解酵素(プロテアーゼ)を添加して、酵素反応させることによって行うことができる。この酵素反応により、ゴム粒子に結合若しくは吸着していたタンパク質が分解又は低分子化されて水層に移行する。
上記天然ゴムラテックス(NRラテックス)としては、ゴム農園で樹皮を切付(タッピング)して採取されたものであれば特に制限はなく、遠心分離させた後に、クリーム分を分離・回収し、再分散させたものや、限外濾過法などにより精製したものなど、通常ゴム工業で使用されるものから選択して使用することができる。
天然ゴムラテックスはゴム農園で、ヘベア樹の樹皮を切付(タッピング)して樹液として採取され、ゴム分のほか水、タンパク質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。第一の本発明において用いられる天然ゴムラテックスは、ヘベア樹をタッピングして出てくる生ラテックスであれば特に制限はない。また遠心分離法によって濃縮した精製ラテックスを用いてもよい。更に、生ゴムラテックス中に存在するバクテリアによる腐敗の進行を防止し、ラテックスの凝固を避けるために、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックスを用いてもよい。
上記タンパク分解酵素による酵素処理に供する天然ゴムラテックスの固形分濃度(Dry Rubber Content(DRC)、質量%)は特に制限されないが、1〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
上記プロテアーゼとしては、通常、タンパク分解酵素として使用される種々のものを使用することができ、特に制限されないが、例えば、アルカラーゼ2.5L−タイプDX(ノボザイムズ社製)、プロレザーFG−F(天野エンザイム社製)などが挙げられる。なかでも、アルカラーゼ2.5L−タイプDX(ノボザイムズ社製)などのアルカリプロテアーゼを用いるのが好ましい。また、上記プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもののいずれも使用可能であるが、特に酵母由来のプロテアーゼを用いるのが好ましい。このようなプロテアーゼは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、必要に応じて、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、エステラーゼ等を併用することができる。
上記プロテアーゼの添加量は、天然ゴムラテックス固形分(天然ゴムラテックス中の固形成分)100質量部に対して0.01〜1.0質量部が好ましい。プロテアーゼの添加量が前記範囲よりも少ないときには、ラテックス中のタンパク質を充分に分解することができないおそれがある。一方、前記範囲を超えるときには、酵素活性が低下し、かつコストアップにつながる場合がある。プロテアーゼの添加量としてより好ましくは、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して0.05〜0.5質量部である。
上記タンパク分解酵素による酵素処理においては、プロテアーゼと共に、界面活性剤を併用して処理することが好ましい。界面活性剤は、ゴム粒子に結合若しくは吸着していたがプロテアーゼの働きによって分解又は低分子化されて水層に移行するタンパク質の水層への移行を助ける(促進する)とともに、ゴム粒子に結合若しくは吸着していたタンパク質が分解又は低分子化されることにより水中で不安定となったゴム粒子を安定に分散させ、更には改質天然ゴム成形後の洗浄工程における不純物の洗浄除去を助ける(促進する)ことができる。
上記界面活性剤としては、(a)カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系又はリン酸エステル系などの陰イオン性界面活性剤、(b)ポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系又はポリオキシアルキレンポリグルコシド系などの非イオン性界面活性剤、(c)アミノ酸系、ベタイン系、イミダゾリン系又はアミンオキサイド系などの両性界面活性剤が使用可能である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(a)陰イオン性界面活性剤の具体例を以下に示す。
上記カルボン酸系の陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、多価カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル酢酸塩などが挙げられる。
上記スルホン酸系の陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸アルデヒド縮合物、アリールスルホン酸アルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などが挙げられる。
上記硫酸エステル系の陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノ、ジ、又はトリスチリルフェニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンモノ、ジ、又はトリスチリルフェニル硫酸エステル塩などが挙げられる。
上記リン酸エステル系としては、例えば、アルキルリン酸エステル塩、アルキルフェノールリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンモノ、ジ、又はトリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル塩などが挙げられる。
これらの化合物の塩としては、金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等の塩)、アンモニア塩、アルカノールアミン塩(トリエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
上記(b)非イオン性界面活性剤の具体例を以下に示す。
上記ポリオキシアルキレンエーテル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリオールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ、ジ、又はトリスチリルフェニルエーテル等が挙げられる。なお、前記ポリオールとしては、炭素数2〜12の多価アルコールが好ましく、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グルコース、スクロース、ペンタエリトリトール、ソルビタン等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンエステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルロジン酸エステル等が挙げられる。
上記多価アルコール脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜12の多価アルコールの脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。より具体的には、例えば、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。また、これらのポリアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等)も使用可能である。
上記糖脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ショ糖、グルコース、マルトース、フルクトース、多糖類の脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
上記アルキルポリグリコシド系の非イオン性界面活性剤としては、グリコシドとしてグルコース、マルトース、フルクトース、ショ糖などが挙げられ、例えば、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグルコシドなどが挙げられ、これらの脂肪酸エステル類も挙げられる。また、これらすべてのポリアルキレンオキサイド付加物も使用可能である。
その他、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等も挙げられる。
これら界面活性剤におけるアルキル基としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐した飽和若しくは不飽和のアルキル基が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するものが挙げられ、例えば、酸化エチレンの付加モル数が1〜50モル程度のものが挙げられる。また、前記脂肪酸としては、例えば、炭素数4〜30の直鎖又は分岐した飽和若しくは不飽和の脂肪酸が挙げられる。
上記(c)両性界面活性剤の具体例を以下に示す。
上記アミノ酸系の両性界面活性剤としては、例えば、アシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルアミノヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩などが挙げられる。
上記ベタイン系の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニオベタイン等が挙げられる。
上記イミダゾリン系の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
上記アミンオキサイド系の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、これらの中でも、上記(a)陰イオン性界面活性剤が好ましく、上記硫酸エステル系の陰イオン性界面活性剤がより好ましく、上記ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩が更に好ましい。特に好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル金属塩である。
上記界面活性剤の添加量としては、天然ゴムラテックス固形分(天然ゴムラテックス中の固形成分)100質量部に対して0.01〜5.0質量部が好ましい。界面活性剤の添加量をこのような範囲とすることにより、上述した界面活性剤を用いることによる効果を充分に奏することができる。界面活性剤の添加量としてより好ましくは、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して0.05〜3.0質量部である。
上記タンパク分解酵素による酵素処理においては、更に、pH調整剤等の他の添加剤を適宜添加して行ってもよい。
上記pH調整剤としては、通常使用されるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸塩;硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、クエン酸、コハク酸等の酸類又はその塩;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを用いることができる。
上記タンパク分解酵素による酵素処理における処理温度、処理時間は、酵素反応が適切に進行するよう適宜設定することができるが、処理温度としては、70℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましく、50℃以下が更に好ましい。特に好ましくは、35℃以下である。処理温度が70℃を超えると、天然ゴムラテックスの安定性が低下し、酵素処理中にラテックスが凝固してしまうおそれがある。他方、処理温度としては、10℃以上が好ましい。また、処理時間としては、例えば、30分〜48時間が好ましく、1時間〜36時間がより好ましい。
なお、上記酵素処理は、反応促進のために、攪拌しながら行ってもよいし、静置して行ってもよい。攪拌は、攪拌機等により行うことができる。
第一の本発明においては、改質天然ゴムを得る際、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理を行うが、タンパク分解酵素による酵素処理を施した後の天然ゴムラテックスは、精製処理等は行わずにそのまま脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素での酵素処理に供してもよいし、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素での酵素処理に供する前に、精製処理等に供してもよい。なかでも、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素での酵素処理に供する前に、分解生成物などの不純物を除去するための精製処理を行うことが好ましい。
上記精製処理としては、分解生成物などの不純物を除去することができれば、その処理方法は特に制限されないが、例えば、通常精製処理として行われる、遠心分離法や限外濾過法などが挙げられる。遠心分離法は、天然ゴムラテックスを遠心分離して生じるしょう液(重液成分)に含まれるゴム分を濃縮することにより精製する方法である。他方、限外濾過法は、限外濾過膜を用いてタンパク質の分解生成物のみを濾過する方法である。なお、これら精製処理における処理条件は適宜設定することができる。
第一の本発明における、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理は、上記タンパク分解酵素による酵素処理を施した後の天然ゴムラテックスを脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素により酵素処理することができれば、その処理方法は特に制限されないが、例えば、上記タンパク分解酵素による酵素処理を施し、更に上記精製処理により精製された後の天然ゴムラテックス中に脂質分解酵素(リパーゼ)及び/又はリン脂質分解酵素(ホスホリパーゼ)を添加して、酵素反応させることによって行うことができる。この酵素反応により、ゴム粒子に結合若しくは吸着していた脂質、リン脂質が分解又は低分子化されて水層に移行する。
上記脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理に供する天然ゴムラテックスの固形分濃度(Dry Rubber Content(DRC)、質量%)は特に制限されないが、1〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
上記リパーゼとしては、通常、脂質分解酵素として使用される種々のものを使用することができ、特に制限されないが、例えば、リパーゼM「アマノ」10(天野エンザイム社製)、リパーゼOF(名糖産業社製)、ブタ膵臓由来リパーゼ(シグマ−アルドリッチ社製)などが挙げられる。なかでも、ブタ膵臓由来リパーゼ(シグマ−アルドリッチ社製)を用いるのが好ましい。また、上記リパーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの、動物由来のもののいずれも使用可能である。このようなリパーゼは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ホスホリパーゼとしては、通常、リン脂質分解酵素として使用される種々のものを使用することができ、特に制限されないが、例えば、ホスホリパーゼA1(三菱化学フーズ社製)、ウェルシュ菌由来ホスホリパーゼC(シグマ−アルドリッチ社製)などが挙げられる。なかでも、ウェルシュ菌由来ホスホリパーゼC(シグマ−アルドリッチ社製)を用いるのが好ましい。また、上記ホスホリパーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもののいずれも使用可能である。このようなホスホリパーゼは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理においては、更に、必要に応じて、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、エステラーゼ等を併用することができる。
上記リパーゼ及び/又はホスホリパーゼの添加量(リパーゼ又はホスホリパーゼが用いられている場合には、それぞれの添加量を意味し、リパーゼ及びホスホリパーゼが用いられている場合には、リパーゼとホスホリパーゼとの合計の添加量を意味する。)は、天然ゴムラテックス固形分(天然ゴムラテックス中の固形成分)100質量部に対して0.005〜1.0質量部が好ましい。リパーゼ及び/又はホスホリパーゼの添加量が前記範囲よりも少ないときには、ラテックス中の脂質、リン脂質を充分に分解することができないおそれがある。一方、前記範囲を超えるときには、酵素活性が低下し、かつコストアップにつながる場合がある。リパーゼ及び/又はホスホリパーゼの添加量としてより好ましくは、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して0.01〜0.5質量部である。
上記脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理においては、上述のタンパク分解酵素による酵素処理と同様に、リパーゼ、ホスホリパーゼと共に、界面活性剤や、pH調整剤等の他の添加剤を併用して処理してもよい。界面活性剤、他の添加剤の種類及び添加量については、上記と同様である。
上記脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理における処理温度、処理時間は、酵素反応が適切に進行するよう適宜設定することができ、例えば、上記タンパク分解酵素による酵素処理における処理温度、処理時間と同様とすることができる。なお、上記酵素処理は、反応促進のために、攪拌しながら行ってもよいし、静置して行ってもよい。攪拌は、攪拌機等により行うことができる。
第一の本発明においては、上記タンパク分解酵素による酵素処理の前に、遠心分離処理を行ってもよい。当該遠心分離処理としては、後述する第二の本発明における遠心分離処理と同様にして行うことができる。そのような遠心分離処理を上記タンパク分解酵素による酵素処理の前に行うことによって、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を上記タンパク分解酵素による酵素処理に供することとなり、これにより、得られる改質天然ゴムの耐摩耗性、破壊性能、及び加工性のバランスを更に向上させることができる。
このように、第一の本発明のゴム組成物において、上記改質天然ゴムが、タンパク分解酵素による酵素処理の前に、遠心分離処理されたものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
第一の本発明においては、上記脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理により第一の本発明における改質天然ゴムが得られるが、得られた改質天然ゴムは、必要に応じて更に、上述した精製処理等に供することができる。
第一の本発明における改質天然ゴムとしては、凝固したものであることが好ましい。凝固した改質天然ゴムを用いることによって、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性のバランスを更に向上させることができる。
上記改質天然ゴムの凝固方法としては、通常、凝固方法として採用される、酸を添加しpHを調整して凝固させる方法とすることもできるが、上記改質天然ゴムに、(1)酸と、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤と、を混合して多孔性凝固ゴムを生成させる方法が好ましい。すなわち、上記改質天然ゴムが、更に、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固されたものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上述したとおり、第一の本発明における改質天然ゴムの凝固方法としては、(1)酸と(2)特定の塩及び/又は高分子凝集剤とからなる凝固系であることが好ましい。中でも、(1)酸と(2)(ii)高分子凝集剤とからなる凝固系が特に好ましい。
上記酸としては、有機酸、無機酸のいずれも用いることができる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸などが好適に用いられ、無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、炭酸などを好適に用いることができる。中でも、ギ酸、硫酸がより好ましい。これらの酸は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記特定の塩は、硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸の、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩である。これらの塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、上記酸のカルシウム塩が好ましい。上記特定の塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、塩化カルシウムが好ましい。
上記高分子凝集剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれの高分子凝集剤も使用することができる。これらの高分子凝集剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アニオン系高分子凝集剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、CMC−Na、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、ポリアクリルアミド部分加水分解物などが挙げられる。
上記カチオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリメタクリル酸エステル系高分子凝集剤、水溶性アニリン樹脂塩酸塩、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、キトサン、ヘキサメチレンジアミン−エピクロルヒドリン縮合物、ポリビニルイミダゾリン、ポリアルキルアミノ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミドマンニッヒ変成物、ジメチルアミノエチルアクリレート/アクリルアミド共重合体などが挙げられる。
上記ノニオン系高分子凝集剤としては、例えば、でん粉、グアーガム、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
上記高分子凝集剤としては、上述したものの中でも、カチオン系高分子凝集剤が好ましく、ポリメタクリル酸エステル系高分子凝集剤がより好ましい。
上記凝固系においては、凝固時のpHが、3.0以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましい。また、6.5以下であることが好ましく、5.5以下であることがより好ましい。
また、凝固時の温度は、特に制限されないが、一般的には室温(25℃)〜80℃程度の温度であることが好ましい。
また、上記凝固系においては、塩の全混合液中での濃度が、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましい。
他方、上記凝固系において、高分子凝集剤の添加量としては、上記改質天然ゴムラテックスの固形分100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。また、1.0質量部以下が好ましく、0.75質量部以下がより好ましい。
上記凝固系のための操作手順としては、第一の本発明における改質天然ゴムに、上記特定の塩及び/又は上記高分子凝集剤をあらかじめ添加し均一に混合した後、上記酸を加えて凝固してもよいし、又は、第一の本発明における改質天然ゴムにあらかじめ上記酸を添加した後、上記特定の塩及び/又は上記高分子凝集剤を加えて凝固してもよい。更には、第一の本発明における改質天然ゴムに、上記特定の塩及び/又は上記高分子凝集剤と上記酸とを同時に添加して凝固してもよい。いずれの方法を用いても迅速に凝固が起こり、表面積の大きな多孔性のクラムスラリーである多孔性凝固ゴムが得られる。なお、上記成分の均一混合、ラテックスのクリーミング、凝固の促進のために、攪拌を行うことが好ましい。攪拌は、攪拌機等により行うことができる。このようにして得られる多孔性凝固ゴムは、表面積が大きいため、洗浄することにより、効率的に不純物を除去することができる。なお、タンパク質に由来する窒素に比べて、リン脂質に由来するリンは容易に洗浄することができない傾向があるため、洗浄は、改質天然ゴムのリン含有量が200ppm以下となるまで充分に行うことが好ましい。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
上記凝固系に供する改質天然ゴムラテックスの固形分濃度(Dry Rubber Content(DRC)、質量%)は特に制限されないが、1〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
第一の本発明における改質天然ゴムは、窒素含有量が0.30質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以下であることがより好ましい。窒素含有量が0.30質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化するおそれがある。
窒素含有量は、例えば、燃焼法やケルダール法等の従来の方法で測定することができる。なお、測定される窒素は、タンパク質に由来するものである。
上記改質天然ゴムは、リン含有量が200ppm以下であることが好ましく、150ppm以下であることがより好ましい。リン含有量が200ppmを超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化するおそれがある。
リン含有量は、例えば、ICP発光分析等の従来の方法で測定することができる。なお、測定されるリンは、リン脂質に由来するものである。
上記改質天然ゴムは、ゲル含有率が20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。ゲル含有率が20質量%を超えると、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向がある。
本明細書において、ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては「ゲル含有率」又は単に「ゲル分」と称することがある。
ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、冷暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
天然ゴムは一般的に2山の分子量分布を持っているが、第一の本発明における改質天然ゴムにおいては、分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量が、原料である天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量よりも20%以上小さいことが好ましく、30%以上小さいことがより好ましい。高分子量側のピークトップ分子量の低下幅が20%未満の場合には、ムーニー粘度が高く加工性が悪い傾向がある。低下幅の上限は特には限定されないが、80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
上記改質天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量は、2.0×10以上であることが好ましく、2.2×10以上であることがより好ましい。改質天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量がこのような範囲であると、本発明の効果を充分に発揮できる。
上記改質天然ゴムの分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
第一の本発明における改質天然ゴムは、上述したとおり、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理して得られるものであり、このような製法によって得られた改質天然ゴムを含む第一の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善できるものとなる。このように、天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理する工程(工程1)、並びに、工程1によって得られた処理天然ゴムラテックスを脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理する工程(工程2)を含む改質天然ゴムの製造方法もまた第一の本発明の1つである。
上記改質天然ゴムの製造方法は、上記工程1及び工程2を含む限りその他の工程を含んでいてもよく、例えば、工程1の前に、天然ゴムラテックスを遠心分離処理し、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収する工程(工程0)を行ってもよい。また、工程2の後に、改質天然ゴムを凝固する凝固工程(工程3)を行うことが好ましい。中でも、該凝固工程としては、上述の、改質天然ゴムを、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固する工程であることがより好ましい。その他、上述した精製処理を行う工程を含んでいてもよい。
上記工程0、1、2、及び3の具体的な処理方法としては、上述したとおりである。
第二の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムラテックスを遠心分離処理し、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収して得られる改質天然ゴムを含む。一般的に、天然ゴムラテックス中の天然ゴムは、平均粒子径1μm程度の粒子であり、2山の分子量分布を持つことが知られているが、本発明者らは、そのうちの平均粒子径が0.25μm以下の小粒子径画分を回収し、そのような小粒子径画分であるラテックス画分から改質天然ゴムを得ることで、このようにして得られた改質天然ゴムが耐摩耗性、破壊性能、及び加工性にバランス良く優れたものとなる、という知見を見出した。そしてこのような改質天然ゴムを用いることによって、タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善することが可能である。
第二の本発明においては、天然ゴムラテックスを遠心分離処理して、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収するが、当該遠心分離処理は、通常行われる遠心分離法により行うことができ、回転数や回転時間等の条件を適宜設定して遠心分離を行い、しょう液を回収することで、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を得ることができる。
上記ラテックス画分におけるラテックス粒子の平均粒子径としては、0.15μm以下が好ましく、0.10μm以下がより好ましい。一方、0.03μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。
なお、ラテックス粒子の平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定し、その測定結果から算出することができる。
上記遠心分離処理の処理条件は、上述したように、ラテックス粒子の平均粒子径が所望の範囲であるラテックス画分を得ることができるように適宜設定することができ、特に制限されないが、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を得るための処理条件の一例としては、天然ゴムラテックスを、3000〜8000×g(好ましくは4000〜6000×g)の遠心力で15〜60分(好ましくは20〜40分)遠心分離を行う第1遠心分離、8500〜15000×g(好ましくは9000〜12000×g)の遠心力で30分〜2時間(好ましくは45分〜1.5時間)遠心分離を行う第2遠心分離、20000〜50000×g(好ましくは25000〜40000×g)の遠心力で30分〜3時間(好ましくは45分〜2時間)遠心分離を行う第3遠心分離の少なくとも3段階の遠心分離にこの順で供する形態が好ましい形態として挙げられる。遠心分離処理の好ましい形態をより具体的に記載すると次のとおりである。天然ゴムラテックスを上記第1遠心分離に供し、上澄みのクリーム部分を除去して、しょう液部分を回収する。回収したしょう液を第2遠心分離に供し、同様にしょう液を回収する。そして更に、第2遠心分離後に回収したしょう液を第3遠心分離に供し、しょう液を回収する。
このような遠心分離処理を行うことによって、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収することができる。
上記遠心分離処理を行う際の温度としては、特に制限されないが、例えば、1℃以上が好ましく、5℃以上がより好ましい。また、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、35℃以下が更に好ましい。上記遠心分離処理を室温(25℃)で行うことも好ましい形態の1つである。
上記天然ゴムラテックスとしては、上述した第一の本発明において用いられる天然ゴムラテックスと同様のものを用いることができる。
上記遠心分離処理に供する天然ゴムラテックスの固形分濃度(Dry Rubber Content(DRC)、質量%)は特に制限されないが、1〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
第二の本発明においては、上記遠心分離処理により得られた上記ラテックス画分を回収した後、該回収されたラテックス画分をタンパク分解酵素、脂質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群より選択される少なくとも1種の酵素で酵素処理することが好ましい。上記遠心分離処理後に上記酵素処理を行うことにより、得られる改質天然ゴムの耐摩耗性、破壊性能、及び加工性のバランスを更に向上させることができる。
なお、上記タンパク分解酵素、脂質分解酵素、リン脂質分解酵素の種類や、これら酵素による酵素処理の方法については、上述した第一の本発明と同様である。
また、上記酵素処理後には、精製処理を行ってもよく、当該精製処理の方法としても、上述した第一の本発明と同様である。
第二の本発明においては、中でも、上記遠心分離処理により得られた上記ラテックス画分を回収した後、該回収されたラテックス画分をタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理することが更に好ましい。
なお、上記タンパク分解酵素による酵素処理の後に、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素による酵素処理を行う方法についても、上述した第一の本発明と同様である。また、第一の本発明と同様、各酵素処理後に上述した精製処理を行ってもよい。
第二の本発明においては、上記遠心分離処理により、そしてより好ましくは当該遠心分離処理後に上記酵素処理を行うことにより、第二の本発明における改質天然ゴムが得られるが、得られた改質天然ゴムは、必要に応じて更に、上述した精製処理等に供することができる。
第二の本発明における改質天然ゴムとしては、凝固したものであることが好ましい。凝固した改質天然ゴムを用いることによって、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性のバランスを更に向上させることができる。上記改質天然ゴムの凝固方法としては、上述した第一の本発明と同様である。
すなわち、第二の本発明において、上記改質天然ゴムが、更に、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固されたものであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
第二の本発明における改質天然ゴムは、窒素含有量が0.30質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以下であることがより好ましい。窒素含有量が0.30質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化するおそれがある。
窒素含有量は、例えば、燃焼法やケルダール法等の従来の方法で測定することができる。なお、測定される窒素は、タンパク質に由来するものである。
第二の本発明における改質天然ゴムは、リン含有量が200ppm以下であることが好ましく、150ppm以下であることがより好ましい。リン含有量が200ppmを超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪化するおそれがある。
リン含有量は、例えば、ICP発光分析等の従来の方法で測定することができる。なお、測定されるリンは、リン脂質に由来するものである。
第二の本発明における改質天然ゴムは、ゲル含有率が20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。ゲル含有率が20質量%を超えると、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向がある。
ゲル含有率の測定方法は上記と同様である。
第二の本発明における改質天然ゴムは、上述したとおり、天然ゴムラテックスを遠心分離処理し、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収して得られるものであり、このような製法によって得られた改質天然ゴムを含む第二の本発明のタイヤ用ゴム組成物は、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善できるものとなる。このように、天然ゴムラテックスを遠心分離処理し、ラテックス粒子の平均粒子径が0.25μm以下であるラテックス画分を回収する工程(工程A)を含む改質天然ゴムの製造方法もまた第二の本発明の1つである。
上記改質天然ゴムの製造方法は、上記工程Aを含む限りその他の工程を含んでいてもよく、例えば、工程Aの後に、工程Aで回収されたラテックス画分をタンパク分解酵素、脂質分解酵素及びリン脂質分解酵素からなる群より選択される少なくとも1種の酵素で酵素処理する工程(工程B)や、工程Aで回収されたラテックス画分をタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理する工程(工程B′)を行うことが好ましい。また、工程Aの後に、又は工程Aの後に工程Bや工程B′を行う場合には工程Bや工程B′の後に、改質天然ゴムを凝固する凝固工程(工程C)を行うことが好ましい。中でも、該凝固工程としては、上述の、改質天然ゴムを、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固する工程であることがより好ましい。その他、上述した精製処理を行う工程を含んでいてもよい。
上記工程A、B、B′、及びCの具体的な処理方法としては、上述したとおりである。
第一及び第二の本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、35質量%以上であることが特に好ましい。60質量%以上であることが最も好ましい。5質量%未満では、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性を充分に改善できないおそれがある。該含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。95質量%を超えると、タイヤの耐久性が悪化するおそれがある。
第一及び第二の本発明のゴム組成物においては、効果を阻害しない範囲で他のゴム成分を配合してもよい。他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)(非改質)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性が良好に得られるという理由から、BRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、シス含有量が95質量%以上のBRが好ましい。
BRの含有量としては、ゴム成分100質量%中10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。10質量%未満であると、充分な破壊性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。95質量%を超えると、改質天然ゴムの含有量が少なくなり、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善できないおそれがある。
改質天然ゴム及びBRの合計含有量としては、ゴム成分100質量%中80質量%以上であることが好ましく、100質量%であることが特に好ましい。該合計含有量が上記範囲内であると、優れた耐摩耗性、破壊性能、及び加工性が得られる。
第一及び第二の本発明のゴム組成物は、更にカーボンブラックを含有することが好ましい。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強効果が得られるとともに、改質天然ゴムとともに使用することで本発明の効果が良好に得られる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、20m/g以上が好ましく、35m/g以上がより好ましく、70m/g以上が更に好ましく、100m/g以上が特に好ましい。20m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な破壊性能及び耐摩耗性が得られないおそれがある。該NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましい。200m/gを超えると、カーボンブラックを良好に分散させるのが難しくなり、加工性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは50ml/100g以上、より好ましくは70ml/100g以上、更に好ましくは90ml/100g以上である。また、該吸油量は、好ましくは150ml/100g以下、より好ましくは140ml/100g以下、更に好ましくは120ml/100g以下である。上記範囲内であると、優れた破壊性能が得られる。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
第一及び第二の本発明のゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合の、カーボンブラックの含有量としては、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは30質量部以上、最も好ましくは40質量部以上である。5質量部未満では、充分な補強性が得られず、充分な破壊性能及び耐摩耗性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは85質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは70質量部以下、最も好ましくは60質量部以下である。100質量部を超えると、カーボンブラックを良好に分散させるのが難しくなる傾向があり、また、加工性も低下する傾向がある。
第一及び第二の本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、オイル、硫黄、加硫促進剤などを適宜配合できる。
第一及び第二の本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロール、密閉式混練機などで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
第一及び第二の本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(トレッド、サイドウォール、カーカス、ベルト、ビード、インスレーション、ブレーカークッション等)に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上述の第一又は第二の本発明のゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、第一又は第二の本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状に合わせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、本発明の空気入りタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックス
タンパク分解酵素:アルカリプロテアーゼ
界面活性剤:花王社製の「Emal−E」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
脂質分解酵素:シグマ−アルドリッチ社製のブタ膵臓由来リパーゼ
リン脂質分解酵素:シグマ−アルドリッチ社製のウェルシュ菌由来ホスホリパーゼC
ギ酸:和光純薬工業(株)製のギ酸
塩化カルシウム:和光純薬工業(株)製の塩化カルシウム
高分子凝集剤:MTアクアポリマー社製の「アロンフロックC−303」(ポリメタクリル酸エステル系高分子凝集剤)
〔改質天然ゴムの作製〕
(製造例1)
<脱タンパク質処理>
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、タンパク分解酵素0.07質量部、及び界面活性剤1.5質量部を添加して、30℃で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、脱タンパク天然ゴムラテックスを得た。
<脂質分解処理>
得られた脱タンパク天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、脂質分解酵素0.05質量部を添加し、室温(25℃)で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、改質天然ゴムラテックスを得た。
<酸凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、5質量%のギ酸を添加して、pHを4.0〜4.5に調整した。一定時間そのまま静置してゴム分を凝固させた後、ロールを用いて凝固したゴム分からしょう液を搾り出した後、水で繰り返し洗浄し、45℃のオーブンで乾燥させることによって、固形の改質天然ゴム1を得た。
(製造例2)
<脱タンパク質処理>
製造例1と同様に行った。
<脂質分解処理>
製造例1と同様に行った。
<塩凝固処理>
製造例1と同様に脱タンパク質処理、脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴムラテックスを固形分濃度(DRC)が15質量%になるまで水を加えて希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0〜4.5に調整し、そこへ10質量%塩化カルシウム水溶液を10mL加えて、微細な凝集を得た。その後、分離した水相を底部より除き、洗浄を行った。それから、再度水を加えてDRCが15質量%になるまで希釈して洗浄し、再度水を廃棄して水溶性の成分を除き、この一連の洗浄操作を繰り返し行った後、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム2を得た。
(製造例3)
<脱タンパク質処理>
製造例1と同様に行った。
<脂質分解処理>
製造例1と同様に行った。
<高分子凝集剤凝固処理>
製造例1と同様に脱タンパク質処理、脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴムラテックスを固形分濃度(DRC)が15質量%になるまで水を加えて希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0〜4.5に調整し、そこへ0.1質量%高分子凝集剤水溶液を改質天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して0.01質量部加えて、微細な凝集を得た。その後、分離した水相を底部より除き、洗浄を行った。それから、再度水を加えてDRCが15質量%になるまで希釈して洗浄し、再度水を廃棄して水溶性の成分を除き、この一連の洗浄操作を繰り返し行った後、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム3を得た。
(製造例4)
<脱タンパク質処理>
製造例1と同様に行った。
<リン脂質分解処理>
製造例1と同様に脱タンパク質処理を行って得られた脱タンパク天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、リン脂質分解酵素0.05質量部を添加し、室温(25℃)で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、改質天然ゴムラテックスを得た。
<酸凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例1で行われた酸凝固処理と同様の処理を施して、固形の改質天然ゴム4を得た。
(製造例5)
<脱タンパク質処理>
製造例1と同様に行った。
<リン脂質分解処理>
製造例4と同様に行った。
<塩凝固処理>
製造例4と同様に脱タンパク質処理、リン脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例2で行われた塩凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム5を得た。
(製造例6)
<脱タンパク質処理>
製造例1と同様に行った。
<リン脂質分解処理>
製造例4と同様に行った。
<高分子凝集剤凝固処理>
製造例4と同様に脱タンパク質処理、リン脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム6を得た。
(製造例7)
<脂質分解処理>
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、脂質分解酵素0.05質量部を添加し、室温(25℃)で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、脂質分解天然ゴムラテックスを得た。
<脱タンパク質処理>
得られた脂質分解天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、タンパク分解酵素0.07質量部と、界面活性剤1.5質量部を添加して、30℃で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、脱タンパク天然ゴムラテックスを得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた脱タンパク天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した比較改質天然ゴム7を得た。
(製造例8)
<リン脂質分解処理>
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、リン脂質分解酵素0.05質量部を添加し、室温(25℃)で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、リン脂質分解天然ゴムラテックスを得た。
<脱タンパク質処理>
得られたリン脂質分解天然ゴムラテックスに、製造例7で行われた脱タンパク質処理と同様の処理を施して、脱タンパク天然ゴムラテックスを得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた脱タンパク天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した比較改質天然ゴム8を得た。
(製造例9)
<脱タンパク質・脂質分解処理>
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して、タンパク分解酵素0.07質量部、脂質分解酵素0.05質量部、及び界面活性剤1.5質量部を添加して、30℃で24時間静置した。静置後、ラテックスを13,000rpmで30分間遠心分離し、上層に分離したクリーム分を取り出した。そして、このクリーム分を同体積の水に再分散させて、脱タンパク・脂質分解天然ゴムラテックスを得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた脱タンパク・脂質分解天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した比較改質天然ゴム9を得た。
(製造例11)
<遠心分離処理>
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、当該天然ゴムラテックスを5000×gの遠心力で30分間遠心分離し、上澄みのクリーム分を除去してしょう液分を回収した。このしょう液を10000×gの遠心力で1時間遠心分離し、同様にしょう液分を回収した。更に、このしょう液を30000×gの遠心力で2時間遠心分離して、同様にしょう液分を回収し、小粒子径ラテックス画分(改質天然ゴムラテックス)を得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム11を得た。
(製造例12)
<遠心分離処理>
製造例11と同様に行った。
<脱タンパク質処理>
製造例11と同様に遠心分離処理を行って得られた小粒子径ラテックス画分の固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、クリーム分を取り出すための遠心分離を30000×gの遠心力で2時間行った以外は製造例1で行われた脱タンパク質処理と同様の処理を施して、脱タンパク天然ゴムラテックス(改質天然ゴムラテックス)を得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム12を得た。
(製造例13)
<遠心分離処理>
製造例11と同様に行った。
<脂質分解処理>
製造例11と同様に遠心分離処理を行って得られた小粒子径ラテックス画分の固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、クリーム分を取り出すための遠心分離を30000×gの遠心力で2時間行った以外は製造例1で行われた脂質分解処理と同様の処理を施して、脂質分解天然ゴムラテックス(改質天然ゴムラテックス)を得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム13を得た。
(製造例14)
<遠心分離処理>
製造例11と同様に行った。
<リン脂質分解処理>
製造例11と同様に遠心分離処理を行って得られた小粒子径ラテックス画分の固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、クリーム分を取り出すための遠心分離を30000×gの遠心力で2時間行った以外は製造例4で行われたリン脂質分解処理と同様の処理を施して、リン脂質分解天然ゴムラテックス(改質天然ゴムラテックス)を得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム14を得た。
(製造例15)
<遠心分離処理>
製造例11と同様に行った。
<脱タンパク質処理>
製造例11と同様に遠心分離処理を行って得られた小粒子径ラテックス画分の固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、製造例12で行われた脱タンパク質処理と同様の処理を施して、脱タンパク天然ゴムラテックスを得た。
<脂質分解処理>
得られた脱タンパク天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、製造例13で行われた脂質分解処理と同様の処理を施して、脂質分解天然ゴムラテックス(改質天然ゴムラテックス)を得た。
<酸凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例1で行われた酸凝固処理と同様の処理を施して、固形の改質天然ゴム15を得た。
(製造例16)
<遠心分離処理>
製造例11と同様に行った。
<脱タンパク質処理>
製造例15と同様に行った。
<脂質分解処理>
製造例15と同様に行った。
<高分子凝集剤凝固処理>
製造例15と同様に遠心分離処理、脱タンパク質処理、脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム16を得た。
(製造例17)
<遠心分離処理>
製造例11と同様に行った。
<脱タンパク質処理>
製造例15と同様に行った。
<リン脂質分解処理>
製造例15と同様に遠心分離処理、脱タンパク質処理を行って得られた脱タンパク天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30質量%に調整した後、製造例14で行われたリン脂質分解処理と同様の処理を施して、リン脂質分解天然ゴムラテックス(改質天然ゴムラテックス)を得た。
<高分子凝集剤凝固処理>
得られた改質天然ゴムラテックスに、製造例3で行われた高分子凝集剤凝固処理と同様の処理を施して、水を含んだ状態で凝固した改質天然ゴム17を得た。
(製造例18)
<高分子凝集剤凝固処理>
天然ゴムラテックスを固形分濃度(DRC)が15質量%になるまで水を加えて希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0〜4.5に調整し、そこへ0.1質量%高分子凝集剤水溶液を天然ゴムラテックス固形分100質量部に対して0.01質量部加えて、微細な凝集を得た。その後、分離した水相を底部より除き、洗浄を行った。それから、再度水を加えてDRCが15質量%になるまで希釈して洗浄し、再度水を廃棄して水溶性の成分を除き、この一連の洗浄操作を繰り返し行った後、水を含んだ状態で凝固した比較天然ゴムを得た。
得られた改質天然ゴム1〜6及び11〜17、比較改質天然ゴム7〜9、並びに、比較天然ゴムについて、以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率、高分子量成分変化割合、平均粒子径を測定した。結果を表1、2に示す。
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、各製造例で得られた天然ゴム試料約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所社製)を使用して、各製造例で得られた天然ゴム試料のリン含有量を求めた。
(ゲル含有率の測定)
各製造例で得られた天然ゴムのサンプル(1mm×1mmに切断したもの)70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、1.3×10rpmで30分間遠心分離してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量(mg)/最初のサンプル質量(mg)]×100
(高分子量側のピークトップ分子量、高分子量成分変化割合)
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)法により、原料の天然ゴムと、改質後の天然ゴムの重量平均分子量(Mw)を測定した。原料の天然ゴム、改質後の天然ゴムそれぞれに得られた2山の分子量分布のうち高分子量側のピークトップ分子量を求め、次式により高分子量成分変化割合を求めた。
Figure 0006389095
(1)装置:東ソー社製HLC−8220
(2)分離カラム:東ソー社製HM−H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
(平均粒子径)
天然ゴムの平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置(Malvern社製の「マスタイザー3000」)を用いて粒度分布を測定し、その測定結果から算出した(体積基準表示)。
Figure 0006389095
Figure 0006389095
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
改質天然ゴム1〜6:製造例1〜6で得られた改質天然ゴム1〜6
比較改質天然ゴム7〜9:製造例7〜9で得られた比較改質天然ゴム7〜9
改質天然ゴム11〜17:製造例11〜17で得られた改質天然ゴム11〜17
比較天然ゴム:製造例18で得られた比較天然ゴム
BR:宇部興産社製のBR150B(シス含有量:97質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン社製のショウブラックN220(NSA:111m/g、DBP:115ml/100g)
老化防止剤:大内新興化学工業社製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、6PPD)
ステアリン酸:日油社製の椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業社製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学社製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物の作製)
表3、4に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。次に、得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレス加硫して加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表3、4に示す。
(ムーニー粘度)
JIS K 6300に準じて、得られた未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を130℃で測定した。そして、実施例1〜6、比較例1〜3については、比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
また、実施例11〜17、比較例11については、比較例11のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した。
(ムーニー粘度指数)=(比較例11のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
いずれも指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ゴム強度)
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、得られた加硫ゴム組成物の破断時伸びを測定した。そして、実施例1〜6、比較例1〜3については、比較例1の破断時伸びを100とし、下記計算式により指数表示した。
(ゴム強度指数)=(各配合の破断時伸び)/(比較例1の破断時伸び)×100
また、実施例11〜17、比較例11については、比較例11の破断時伸びを100とし、下記計算式により指数表示した。
(ゴム強度指数)=(各配合の破断時伸び)/(比較例11の破断時伸び)×100
いずれも指数が大きいほどゴム強度が強く、耐チップカット性が良好であるため、破壊性能に優れることを示すといえる。
(耐摩耗性)
岩本製作所社製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、負荷荷重3.0kg、かつ落砂量15g/分でスリップ率20%にて各加硫ゴム組成物から得られたランボーン摩耗試験用加硫ゴム試験片を摩耗させて、ランボーン摩耗量を測定し、容積損失量を計算し、実施例1〜6、比較例1〜3については、比較例1の耐摩耗性を100として、下記計算式から各配合の耐摩耗性指数を算出した。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の容積損失量/各配合の容積損失量)×100
また、実施例11〜17、比較例11については、比較例11の耐摩耗性を100として、下記計算式から各配合の耐摩耗性指数を算出した。
(耐摩耗性指数)=(比較例11の容積損失量/各配合の容積損失量)×100
いずれも耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0006389095
Figure 0006389095
表1の結果より、脱タンパク質処理を行った後に、脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴム3と、脂質分解処理を行った後に、脱タンパク質処理を行って得られた比較改質天然ゴム7との比較、又は、脱タンパク質処理を行った後に、リン脂質分解処理を行って得られた改質天然ゴム6と、リン脂質分解処理を行った後に、脱タンパク質処理を行って得られた比較改質天然ゴム8との比較から、脱タンパク質処理を行った後に、脂質分解処理又はリン脂質分解処理を行うという特定の順番で処理を行うことによって、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率がより低く、高分子量成分変化割合がより大きい改質天然ゴムが得られることが分かった。
そして、表3の結果より、そのような改質天然ゴムを含むゴム組成物を用いた実施例では、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善できることが明らかとなった。
また、表2の結果から、遠心分離処理をして特定値以下の平均粒子径を有する天然ゴムとすることによって(製造例11〜17)、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率が低い改質天然ゴムが得られることが分かった。
そして、表4の結果から、そのような改質天然ゴムを含むゴム組成物を用いた実施例では、耐摩耗性、破壊性能、及び加工性をバランス良く改善できることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理した後、脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理して得られる改質天然ゴムを含むことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記改質天然ゴムが、タンパク分解酵素による酵素処理の前に、遠心分離処理されたものである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記改質天然ゴムの窒素含有量が、0.30質量%以下である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記改質天然ゴムのリン含有量が、200ppm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記改質天然ゴムのゲル含有率が、20質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記改質天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量が、前記天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量よりも20%以上小さい請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記改質天然ゴムの分子量分布の高分子量側のピークトップ分子量が、2.0×10以上である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記改質天然ゴムが、更に、(1)酸、並びに、(2)(i)硝酸、硫酸、炭酸、リン酸、塩酸及びギ酸のそれぞれの酸のカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の塩、及び/又は、(ii)高分子凝集剤で凝固されたものである請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
  10. 天然ゴムラテックスをタンパク分解酵素によって酵素処理する工程、並びに、該工程によって得られた処理天然ゴムラテックスを脂質分解酵素及び/又はリン脂質分解酵素で酵素処理する工程を含むことを特徴とする改質天然ゴムの製造方法。
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