JPH0748405A - 天然ゴム及びその製造方法 - Google Patents
天然ゴム及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0748405A JPH0748405A JP19251793A JP19251793A JPH0748405A JP H0748405 A JPH0748405 A JP H0748405A JP 19251793 A JP19251793 A JP 19251793A JP 19251793 A JP19251793 A JP 19251793A JP H0748405 A JPH0748405 A JP H0748405A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- natural rubber
- rubber
- hydrazide
- content
- gel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 分子量の低下及びゲル量の増加を防止し、し
かも、ゴミ分を少なくして加工性及び物性が共に良好と
なる天然ゴム及びその製造方法を提供する。 【構成】 ステアリン酸ヒドラジドを含有し、ストレー
ナー処理が施された天然ゴム。天然ゴムの製造工程にお
いて、天然ゴムにステアリン酸ヒドラジドを配合した
後、ストレーナー処理をしてなる天然ゴムの製造方法。
かも、ゴミ分を少なくして加工性及び物性が共に良好と
なる天然ゴム及びその製造方法を提供する。 【構成】 ステアリン酸ヒドラジドを含有し、ストレー
ナー処理が施された天然ゴム。天然ゴムの製造工程にお
いて、天然ゴムにステアリン酸ヒドラジドを配合した
後、ストレーナー処理をしてなる天然ゴムの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性及び物性が共に
良好となる天然ゴム及びその製造方法に関する。
良好となる天然ゴム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴムは、タイ・マレーシア・インド
ネシアなどの熱帯諸国で産出されている。天然ゴムは、
その優れた物理的性質のため、ゴム産業、タイヤ産業界
において幅広く、かつ、大量に使用されている。また、
一般に、天然ゴムは、物性面より分子量が大きい方が好
ましい。産出された直後の天然ゴムは、粘度が60〜7
0と低いが、日本などに貯蔵・輸送される数カ月間に粘
度が90〜100近くまで上昇してゲル化してしまうこ
とが知られている(これを貯蔵硬化〔storage hardenin
g〕という)。天然ゴムが貯蔵硬化する原因として、イ
ソプレイン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)が天然
ゴム中のタンパク質、アミノ酸と反応することによって
架橋しゲル化が起こるとされている(文献等でもそのメ
カニズムははっきりと解明されていない)。
ネシアなどの熱帯諸国で産出されている。天然ゴムは、
その優れた物理的性質のため、ゴム産業、タイヤ産業界
において幅広く、かつ、大量に使用されている。また、
一般に、天然ゴムは、物性面より分子量が大きい方が好
ましい。産出された直後の天然ゴムは、粘度が60〜7
0と低いが、日本などに貯蔵・輸送される数カ月間に粘
度が90〜100近くまで上昇してゲル化してしまうこ
とが知られている(これを貯蔵硬化〔storage hardenin
g〕という)。天然ゴムが貯蔵硬化する原因として、イ
ソプレイン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)が天然
ゴム中のタンパク質、アミノ酸と反応することによって
架橋しゲル化が起こるとされている(文献等でもそのメ
カニズムははっきりと解明されていない)。
【0003】産出された殆どの天然ゴムは、恒粘度剤を
配合することなく、タッピング−凝固−洗浄(水洗い)
−脱水−乾燥−パッキングの順で生産されている。ま
た、この工程中でゴミ取りも行われることもあるが、手
作業により大きなゴミを除くという程度である。さら
に、一部に恒粘度剤を含有してなる天然ゴムも存在する
が完全なゴミ取りは行われていないのが現状である。従
って、天然ゴムを使用するゴム産業生産地でゴミ取りと
ゲル量の増加を抑えるためには、混練りによるムーニー
粘度の低下(ゲル量の減少)とその後のストレーニング
が必要となる。
配合することなく、タッピング−凝固−洗浄(水洗い)
−脱水−乾燥−パッキングの順で生産されている。ま
た、この工程中でゴミ取りも行われることもあるが、手
作業により大きなゴミを除くという程度である。さら
に、一部に恒粘度剤を含有してなる天然ゴムも存在する
が完全なゴミ取りは行われていないのが現状である。従
って、天然ゴムを使用するゴム産業生産地でゴミ取りと
ゲル量の増加を抑えるためには、混練りによるムーニー
粘度の低下(ゲル量の減少)とその後のストレーニング
が必要となる。
【0004】しかしながら、従来の技術では、分子量が
高く、ゴミ分のない天然ゴムは得られないのが現状であ
る。すなわち、分子量の高い天然ゴムを使用するために
は、従来品をそのまま使用しなくてはならないが、この
場合には、ゴミ分が多く、ゲル量が増加してしまう点に
問題点がある。また、天然ゴム中のゴミ分を除去した
り、ゲル量の増加を抑えるためには、素練り等の混練り
を行い、ストレーニングする必要があるが、この場合に
は、素練り等のために天然ゴムの分子量が低下してしま
う点に問題点がある。従って、従来技術では、上述のこ
とは二律背反となり、両方を満足することはできないの
が現状である。
高く、ゴミ分のない天然ゴムは得られないのが現状であ
る。すなわち、分子量の高い天然ゴムを使用するために
は、従来品をそのまま使用しなくてはならないが、この
場合には、ゴミ分が多く、ゲル量が増加してしまう点に
問題点がある。また、天然ゴム中のゴミ分を除去した
り、ゲル量の増加を抑えるためには、素練り等の混練り
を行い、ストレーニングする必要があるが、この場合に
は、素練り等のために天然ゴムの分子量が低下してしま
う点に問題点がある。従って、従来技術では、上述のこ
とは二律背反となり、両方を満足することはできないの
が現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の二律背反となる問題点を解決しようとするもので
あり、分子量の低下及びゲル量の増加がなく、加工性及
び物性が共に良好となる天然ゴム及びその製造方法を提
供することにある。
従来の二律背反となる問題点を解決しようとするもので
あり、分子量の低下及びゲル量の増加がなく、加工性及
び物性が共に良好となる天然ゴム及びその製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来の
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、天然ゴムの製造
工程において、天然ゴムに恒粘度剤を配合し、特定の処
理を施すことにより、目的の天然ゴム及びその製造方法
を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのであ
る。
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、天然ゴムの製造
工程において、天然ゴムに恒粘度剤を配合し、特定の処
理を施すことにより、目的の天然ゴム及びその製造方法
を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのであ
る。
【0007】すなわち、本発明の天然ゴムは、恒粘度剤
を含有し、かつ、ストレーナー処理が施されたものであ
る。また、本発明の天然ゴムの製造方法は、天然ゴムの
製造工程において、天然ゴムに恒粘度剤を配合した後、
ストレーナー処理をしてなるものである。上記天然ゴム
及びその製造方法の恒粘度剤は、下記一般式(I)で表
されるヒドラジド化合物からなることが好ましい。 R−CONHNH2 ……………(I) (ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示
す。)
を含有し、かつ、ストレーナー処理が施されたものであ
る。また、本発明の天然ゴムの製造方法は、天然ゴムの
製造工程において、天然ゴムに恒粘度剤を配合した後、
ストレーナー処理をしてなるものである。上記天然ゴム
及びその製造方法の恒粘度剤は、下記一般式(I)で表
されるヒドラジド化合物からなることが好ましい。 R−CONHNH2 ……………(I) (ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示
す。)
【0008】
【作用】本発明の天然ゴム及びその製造方法は、恒粘度
剤が含有されるのでゲル量の増加が抑制されることとな
り、ムーニー粘度の上昇が抑えられ、しかも、ストレー
ナー処理がなされるのでゴミ分が少ないものとなる。従
って、本発明では、分子量を低下させることなく、ゲル
量の増加の抑制及びゴミ分の低下という相反する性能の
両立化を達成せしめ加工性及び物性が共に良好となる
(この点に関しては後述する実施例で更に詳しく説明す
る)。
剤が含有されるのでゲル量の増加が抑制されることとな
り、ムーニー粘度の上昇が抑えられ、しかも、ストレー
ナー処理がなされるのでゴミ分が少ないものとなる。従
って、本発明では、分子量を低下させることなく、ゲル
量の増加の抑制及びゴミ分の低下という相反する性能の
両立化を達成せしめ加工性及び物性が共に良好となる
(この点に関しては後述する実施例で更に詳しく説明す
る)。
【0009】以下、本発明の内容を説明する。本発明の
天然ゴムの製造方法は、天然ゴムの製造工程、すなわ
ち、タッピング−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−
パッキングの順で生産される天然ゴムの製造工程におい
て、乾燥後の天然ゴムに恒粘度剤をミキサー、押出機等
により混合した後、ストレーナー処理をしてなるもので
ある。また、本発明の天然ゴムは、恒粘度剤を含有し、
かつ、ストレーナー処理が施されたものである。本発明
のストレーナー処理は、恒粘度剤含有天然ゴム中に含ま
れるゴミ分を除去する処理である。ストレーナー処理の
具体例としては、押出機の先端に設けられるメッシュ状
部材に恒粘度剤含有天然ゴムを通過させることによりゴ
ミ分を除去する処理を挙げることができる。メッシュの
サイズ(1インチ間にある目の数)は、ASTM E1
1に規定された0.355mm(No.45)相当のも
のが好ましいが、産出される天然ゴム及び天然ゴム中に
含まれるゴミ分の大きさ等により適宜メッシュのサイズ
を変えることができる。
天然ゴムの製造方法は、天然ゴムの製造工程、すなわ
ち、タッピング−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−
パッキングの順で生産される天然ゴムの製造工程におい
て、乾燥後の天然ゴムに恒粘度剤をミキサー、押出機等
により混合した後、ストレーナー処理をしてなるもので
ある。また、本発明の天然ゴムは、恒粘度剤を含有し、
かつ、ストレーナー処理が施されたものである。本発明
のストレーナー処理は、恒粘度剤含有天然ゴム中に含ま
れるゴミ分を除去する処理である。ストレーナー処理の
具体例としては、押出機の先端に設けられるメッシュ状
部材に恒粘度剤含有天然ゴムを通過させることによりゴ
ミ分を除去する処理を挙げることができる。メッシュの
サイズ(1インチ間にある目の数)は、ASTM E1
1に規定された0.355mm(No.45)相当のも
のが好ましいが、産出される天然ゴム及び天然ゴム中に
含まれるゴミ分の大きさ等により適宜メッシュのサイズ
を変えることができる。
【0010】恒粘度剤としては、例えば、硫酸ヒドロキ
シルアミン、セミカルバジド、ジメドン(1,1−ジメ
チルシクロヘキサンー3、5−ジオン)及び下記一般式
(I)で表されるヒドラジド化合物からなるものを使用
することができる。 R−CONHNH2 ……………(I) (ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示
す。) これらの化合物は、天然ゴムに配合されると、イソプレ
イン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)に反応してブ
ロックすることにより貯蔵硬化の原因となる天然ゴム中
のゲル化反応を阻害して、ゲル量の増加を抑制するもの
となる。
シルアミン、セミカルバジド、ジメドン(1,1−ジメ
チルシクロヘキサンー3、5−ジオン)及び下記一般式
(I)で表されるヒドラジド化合物からなるものを使用
することができる。 R−CONHNH2 ……………(I) (ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示
す。) これらの化合物は、天然ゴムに配合されると、イソプレ
イン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)に反応してブ
ロックすることにより貯蔵硬化の原因となる天然ゴム中
のゲル化反応を阻害して、ゲル量の増加を抑制するもの
となる。
【0011】炭素数1〜30のアルキル基のヒドラジド
化合物としては、例えば、アセトヒドラジド、プロピオ
ンヒドラジド、ブチルヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジ
ド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド
等が挙げられる。炭素数3〜30のシクロアルキル基の
ヒドラジド化合物としては、例えば、シクロプロピルヒ
ドラジド、シクロヘキシルヒドラジド、シクロヘプチル
ヒドラジド等が挙げられる。アリール基のヒドラジド化
合物は、置換基を有してもよく、例えば、フェニルヒド
ラジド(C6H5−CONHNH2)、o−,m−,p−
トリルヒドラジド、p−メトキシフェニルヒドラジド,
3,5−キシリルヒドラジド、1−ナフチルヒドラジド
等が挙げられる。好ましいヒドラジド化合物としては、
アルキル鎖のついた脂肪酸ヒドラジドの使用が望まし
い。
化合物としては、例えば、アセトヒドラジド、プロピオ
ンヒドラジド、ブチルヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジ
ド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド
等が挙げられる。炭素数3〜30のシクロアルキル基の
ヒドラジド化合物としては、例えば、シクロプロピルヒ
ドラジド、シクロヘキシルヒドラジド、シクロヘプチル
ヒドラジド等が挙げられる。アリール基のヒドラジド化
合物は、置換基を有してもよく、例えば、フェニルヒド
ラジド(C6H5−CONHNH2)、o−,m−,p−
トリルヒドラジド、p−メトキシフェニルヒドラジド,
3,5−キシリルヒドラジド、1−ナフチルヒドラジド
等が挙げられる。好ましいヒドラジド化合物としては、
アルキル鎖のついた脂肪酸ヒドラジドの使用が望まし
い。
【0012】上記硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバ
ジド、ジメドンは、恒粘度剤として既に知られている
が、恒粘度剤を含有してなる天然ゴムをストレーナー処
理することは、今まで全く知られておらず、この恒粘度
剤とストレーナー処理により、ゲル量の増加の抑制及び
分子量低下の防止を図ることが初めて実現できるのであ
る。恒粘度剤を十分に混入するためには、練る必要があ
り、また、ストレーナーにゴムを通すためには、練り及
び加温(100℃以下)が必要である。かかる観点か
ら、恒粘度剤混入とストレーナー処理は同時に行うのが
効率的である。さらに、ゴム加温時のゲル化を防ぐため
には、ストレーナー処理前に恒粘度剤を入れる必要があ
る。以上の理由により、恒粘度剤を混入した後、すぐに
ストレーナー処理するのが望ましい。また、上記一般式
(I)で表されるヒドラジド化合物は、既に公知物質で
あり、その製造方法は知られているが、天然ゴムに使用
した場合の恒粘度効果は今まで全く知られておらず、本
発明者らによって新たにその属性が発見されたものであ
る。上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物は、
安全に取り扱うことができ、天然ゴムに使用した場合に
は、添加した時点から恒粘度効果を発揮し、しかも長期
間に亘ってその恒粘度効果が持続するものとなる。
ジド、ジメドンは、恒粘度剤として既に知られている
が、恒粘度剤を含有してなる天然ゴムをストレーナー処
理することは、今まで全く知られておらず、この恒粘度
剤とストレーナー処理により、ゲル量の増加の抑制及び
分子量低下の防止を図ることが初めて実現できるのであ
る。恒粘度剤を十分に混入するためには、練る必要があ
り、また、ストレーナーにゴムを通すためには、練り及
び加温(100℃以下)が必要である。かかる観点か
ら、恒粘度剤混入とストレーナー処理は同時に行うのが
効率的である。さらに、ゴム加温時のゲル化を防ぐため
には、ストレーナー処理前に恒粘度剤を入れる必要があ
る。以上の理由により、恒粘度剤を混入した後、すぐに
ストレーナー処理するのが望ましい。また、上記一般式
(I)で表されるヒドラジド化合物は、既に公知物質で
あり、その製造方法は知られているが、天然ゴムに使用
した場合の恒粘度効果は今まで全く知られておらず、本
発明者らによって新たにその属性が発見されたものであ
る。上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物は、
安全に取り扱うことができ、天然ゴムに使用した場合に
は、添加した時点から恒粘度効果を発揮し、しかも長期
間に亘ってその恒粘度効果が持続するものとなる。
【0013】恒粘度剤の含有量は、天然ゴム100重量
部に対して、0.001重量部以上である。この恒粘度
剤の含有量が0.001重量部未満であると、恒粘度効
果を達成することができない。使用する(産出される)
天然ゴムの種類及び使用する恒粘度剤の種類によりその
含有量は、若干変動する。好ましい範囲としては、0.
01〜3.0重量部である。例えば、硫酸ヒドロキシル
アミン、セミカルバジド、ジメドンでは、含有量は0.
01〜2.0重量部であることが好ましい。
部に対して、0.001重量部以上である。この恒粘度
剤の含有量が0.001重量部未満であると、恒粘度効
果を達成することができない。使用する(産出される)
天然ゴムの種類及び使用する恒粘度剤の種類によりその
含有量は、若干変動する。好ましい範囲としては、0.
01〜3.0重量部である。例えば、硫酸ヒドロキシル
アミン、セミカルバジド、ジメドンでは、含有量は0.
01〜2.0重量部であることが好ましい。
【0014】上記一般式(I)において、Rが炭素数1
〜5の各ヒドラジド化合物では、含有量は0.01〜
1.0重量部であることが好ましく、さらに好ましく
は、0.03〜0.5重量部であり、炭素数1のアセト
ヒドラジドの場合には、下限値は0.04重量部以上が
望ましい。また、Rが炭素数15〜20の各ヒドラジド
化合物では、含有量は0.1〜3.0重量部であること
が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜0.5重量部
であり、炭素数16のパルミチン酸ヒドラジドの場合に
は、下限値は0.15重量部以上が望ましく、更に炭素
数18のステアリン酸ヒドラジドの場合には、下限値は
0.16重量部以上が望ましい。
〜5の各ヒドラジド化合物では、含有量は0.01〜
1.0重量部であることが好ましく、さらに好ましく
は、0.03〜0.5重量部であり、炭素数1のアセト
ヒドラジドの場合には、下限値は0.04重量部以上が
望ましい。また、Rが炭素数15〜20の各ヒドラジド
化合物では、含有量は0.1〜3.0重量部であること
が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜0.5重量部
であり、炭素数16のパルミチン酸ヒドラジドの場合に
は、下限値は0.15重量部以上が望ましく、更に炭素
数18のステアリン酸ヒドラジドの場合には、下限値は
0.16重量部以上が望ましい。
【0015】また、上記一般式(I)で表されるヒドラ
ジド化合物、すなわち、アセトヒドラジド、プロピオン
ヒドラジド、ブチルヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジ
ド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジ
ド、シクロプロピルヒドラジド、シクロヘキシルヒドラ
ジド、フェニルヒドラジド等は、上記含有量の範囲内で
単独に、又は併用して天然ゴムに含有される。なお、本
発明の天然ゴムには、上記恒粘度剤の他に、必要に応じ
て、軟化剤、老化防止剤等の任意成分を含有させること
ができる。
ジド化合物、すなわち、アセトヒドラジド、プロピオン
ヒドラジド、ブチルヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジ
ド、パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジ
ド、シクロプロピルヒドラジド、シクロヘキシルヒドラ
ジド、フェニルヒドラジド等は、上記含有量の範囲内で
単独に、又は併用して天然ゴムに含有される。なお、本
発明の天然ゴムには、上記恒粘度剤の他に、必要に応じ
て、軟化剤、老化防止剤等の任意成分を含有させること
ができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例、比較例により、本発明を更に
具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されものではない。 (実施例1〜2、比較例1〜4)アンスモークドシート
を下記表1に示される処理に従い天然ゴムを作製した。
この天然ゴムを60℃下で20日間放置した。放置後の
天然ゴムのゲル量、分子量、ゴミ分を測定すると共に、
カーボンブラック分散性及び加硫後のゴムの引張強力を
測定した。これらの結果を下記表1に示す。
具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されものではない。 (実施例1〜2、比較例1〜4)アンスモークドシート
を下記表1に示される処理に従い天然ゴムを作製した。
この天然ゴムを60℃下で20日間放置した。放置後の
天然ゴムのゲル量、分子量、ゴミ分を測定すると共に、
カーボンブラック分散性及び加硫後のゴムの引張強力を
測定した。これらの結果を下記表1に示す。
【0017】ゲル量、分子量、ゴミ分、カーボンブラッ
ク分散性及び加硫後のゴムの引張強力は下記方法により
測定した。 (1) ゲル量 ゴム片0.2gをトルエン1級(60cc)に溶解し、
遠心分離法でゲル分を分離し、それを乾燥した後、ゲル
量を測定した。 (2) 分子量 ゲル浸透クロマトグラフィー法により分子量を測定し、
測定装置には、東ソー(株)製のゲルパーミエイションク
ロマトグラフ(Gel Permeation Chromatograph)HCL
−8020、カラムには東ソー(株)製のGMHXL、較
正には東ソー(株)製の標準ポリスチレン、溶媒にはTH
F1級、溶液には0.01gサンプル/30ccTHF
をそれぞれ用いた。 (3) ゴミ分 ゴミ分除去のためのストレーナー用金属メッシュとし
て、ASTM E11に規定された0.355mm(N
o.45)相当のメッシュを使用した。 (4) カーボンブラック分散性 ASTM D2663法に準拠して顕微鏡で分散度を測
定した。数値が大きい程良好なことを示す。 (5) 加硫後のゴムの引張強力 (加硫ゴムの作製)配合については、ASTM D31
84に基づくテスト法により行い、標準配合処方(Stan
dard Formula)2Aを使用した。また、引張試験は、A
STM D1278法に準拠して行った。
ク分散性及び加硫後のゴムの引張強力は下記方法により
測定した。 (1) ゲル量 ゴム片0.2gをトルエン1級(60cc)に溶解し、
遠心分離法でゲル分を分離し、それを乾燥した後、ゲル
量を測定した。 (2) 分子量 ゲル浸透クロマトグラフィー法により分子量を測定し、
測定装置には、東ソー(株)製のゲルパーミエイションク
ロマトグラフ(Gel Permeation Chromatograph)HCL
−8020、カラムには東ソー(株)製のGMHXL、較
正には東ソー(株)製の標準ポリスチレン、溶媒にはTH
F1級、溶液には0.01gサンプル/30ccTHF
をそれぞれ用いた。 (3) ゴミ分 ゴミ分除去のためのストレーナー用金属メッシュとし
て、ASTM E11に規定された0.355mm(N
o.45)相当のメッシュを使用した。 (4) カーボンブラック分散性 ASTM D2663法に準拠して顕微鏡で分散度を測
定した。数値が大きい程良好なことを示す。 (5) 加硫後のゴムの引張強力 (加硫ゴムの作製)配合については、ASTM D31
84に基づくテスト法により行い、標準配合処方(Stan
dard Formula)2Aを使用した。また、引張試験は、A
STM D1278法に準拠して行った。
【0018】
【表1】
【0019】上記表1から下記のことが判明した。実施
例1及び2は、本発明の範囲内であり、天然ゴムに恒粘
度剤を含有せしめ、ストレーナー処理を行ったものであ
り、20日間放置後でもゲル量の増加は抑制され、しか
も、ゴミ分が非常に少なく、また、カーボンブラック分
散性も良好であり、加硫後のゴムの引張強力も良好とな
ることが判った。これに対して比較例1〜4は、本発明
の範囲外となるものである。すなわち、比較例1は、恒
粘度剤を含有せしめることなく、かつ、ストレーナー処
理を行わない例であり、ゲル量の増加が著しく、また、
ゴミ分が多く、しかも、カーボンブラック分散性も劣
り、加硫後のゴムの引張強力も劣ることが判った。比較
例2は、恒粘度剤を含有せしめることなく、ストレーナ
ー処理を行った例であるのでゴミ分は少なくなるが、ゲ
ル量の増加が著しく、また、カーボンブラック分散性も
劣り、加硫後のゴムの引張強力も劣ることが判った。比
較例3は、上記比較例2の増加したゲル量を低下せしめ
るために素練り処理を行った例であるので、ゲル量は低
下したが、分子量の著しい低下を招き、加硫後のゴムの
引張強力も劣ることが判った。比較例4は、恒粘度剤を
含有したものであるので、ゲル量の増加は抑制されてい
るが、ストレーナー処理を行っていない例であるので、
ゴミ分が多く、カーボンブラック分散性も劣り、加硫後
のゴムの引張強力も劣ることが判った。
例1及び2は、本発明の範囲内であり、天然ゴムに恒粘
度剤を含有せしめ、ストレーナー処理を行ったものであ
り、20日間放置後でもゲル量の増加は抑制され、しか
も、ゴミ分が非常に少なく、また、カーボンブラック分
散性も良好であり、加硫後のゴムの引張強力も良好とな
ることが判った。これに対して比較例1〜4は、本発明
の範囲外となるものである。すなわち、比較例1は、恒
粘度剤を含有せしめることなく、かつ、ストレーナー処
理を行わない例であり、ゲル量の増加が著しく、また、
ゴミ分が多く、しかも、カーボンブラック分散性も劣
り、加硫後のゴムの引張強力も劣ることが判った。比較
例2は、恒粘度剤を含有せしめることなく、ストレーナ
ー処理を行った例であるのでゴミ分は少なくなるが、ゲ
ル量の増加が著しく、また、カーボンブラック分散性も
劣り、加硫後のゴムの引張強力も劣ることが判った。比
較例3は、上記比較例2の増加したゲル量を低下せしめ
るために素練り処理を行った例であるので、ゲル量は低
下したが、分子量の著しい低下を招き、加硫後のゴムの
引張強力も劣ることが判った。比較例4は、恒粘度剤を
含有したものであるので、ゲル量の増加は抑制されてい
るが、ストレーナー処理を行っていない例であるので、
ゴミ分が多く、カーボンブラック分散性も劣り、加硫後
のゴムの引張強力も劣ることが判った。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、分子量を低下させるこ
となくゲル量の増加を抑制することができ、しかも、ゴ
ミ分も少ないので、加工性及び物性が共に良好となる天
然ゴム及びその製造方法が提供される。本発明で得られ
る天然ゴムは、特に、寸法安定性など高度の精度を要求
される、例えば、航空機用タイヤ、ビードインフレーシ
ョンゴムの原料に好適に用いることができる。恒粘度剤
を本発明で規定するヒドラジド化合物にすれば、更に加
工性及び物性が共に良好となる天然ゴム及びその製造方
法とすることができる。
となくゲル量の増加を抑制することができ、しかも、ゴ
ミ分も少ないので、加工性及び物性が共に良好となる天
然ゴム及びその製造方法が提供される。本発明で得られ
る天然ゴムは、特に、寸法安定性など高度の精度を要求
される、例えば、航空機用タイヤ、ビードインフレーシ
ョンゴムの原料に好適に用いることができる。恒粘度剤
を本発明で規定するヒドラジド化合物にすれば、更に加
工性及び物性が共に良好となる天然ゴム及びその製造方
法とすることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 恒粘度剤を含有し、かつ、ストレーナー
処理が施された天然ゴム。 - 【請求項2】 恒粘度剤が下記一般式で表されるヒドラ
ジド化合物からなる請求項1記載の天然ゴム。 R−CONHNH2 (ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示
す。) - 【請求項3】 天然ゴムの製造工程において、天然ゴム
に恒粘度剤を配合した後、ストレーナー処理をしてなる
天然ゴムの製造方法。 - 【請求項4】 恒粘度剤が下記一般式で表されるヒドラ
ジド化合物からなる請求項3記載の天然ゴムの製造方
法。 R−CONHNH2 (ただし、式中のRは、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、アリール基を示
す。)
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19251793A JPH0748405A (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 天然ゴム及びその製造方法 |
DE69424455T DE69424455T2 (de) | 1993-03-02 | 1994-02-18 | Methode zur Herstellung eines mit viskositätsstabilisierenden Verbindungen behandelten Naturkautschukes |
EP94301165A EP0613924B1 (en) | 1993-03-02 | 1994-02-18 | Method of production of natural rubber treated with viscosity stabilizers |
ES94301165T ES2147769T3 (es) | 1993-03-02 | 1994-02-18 | Metodo de produccion de caucho natural tratado con estabilizadores de la viscosidad. |
MYPI94000429A MY116207A (en) | 1993-03-02 | 1994-02-24 | Natural rubber treated with viscosity stabilizers and production thereof |
BR9400783A BR9400783A (pt) | 1993-03-02 | 1994-03-02 | Borracha natural processos de fabricação de e para suprimir aumento na viscosidade da borracha natural, aditivo para borracha natural e composição de borracha |
CN94102674A CN1084752C (zh) | 1993-03-02 | 1994-03-02 | 具有恒定粘度的天然橡胶及其生产方法 |
US08/522,221 US5710200A (en) | 1993-03-02 | 1995-09-01 | Natural rubber treated with viscosity stabilizers and production thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19251793A JPH0748405A (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 天然ゴム及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0748405A true JPH0748405A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=16292606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19251793A Pending JPH0748405A (ja) | 1993-03-02 | 1993-08-03 | 天然ゴム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0748405A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002069103A (ja) * | 2000-06-15 | 2002-03-08 | Bridgestone Corp | 天然ゴムラテックス及び恒粘度剤含有天然ゴムの製造方法 |
US6531527B2 (en) | 2000-06-15 | 2003-03-11 | Bridgestone Corporation | Viscosity-stabilizer-containing natural rubber latex and natural rubber and a production process thereof |
JP2004250546A (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 生ゴムおよびその製造方法 |
JP2016013636A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-01-28 | 住友ゴム工業株式会社 | 天然ゴムの素練り方法 |
US10087292B2 (en) | 2014-09-19 | 2018-10-02 | Bridgestone Corporation | Method for producing rubber composition, and rubber composition |
-
1993
- 1993-08-03 JP JP19251793A patent/JPH0748405A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002069103A (ja) * | 2000-06-15 | 2002-03-08 | Bridgestone Corp | 天然ゴムラテックス及び恒粘度剤含有天然ゴムの製造方法 |
US6531527B2 (en) | 2000-06-15 | 2003-03-11 | Bridgestone Corporation | Viscosity-stabilizer-containing natural rubber latex and natural rubber and a production process thereof |
JP2004250546A (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 生ゴムおよびその製造方法 |
JP2016013636A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-01-28 | 住友ゴム工業株式会社 | 天然ゴムの素練り方法 |
US10087292B2 (en) | 2014-09-19 | 2018-10-02 | Bridgestone Corporation | Method for producing rubber composition, and rubber composition |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE69006788T2 (de) | Kautschukmischung mit ausgezeichneten dynamischen Eigenschaften. | |
JP2008138081A (ja) | タイヤ用ゴム組成物の製造方法 | |
JP3585536B2 (ja) | 天然ゴム及びその製造方法、並びに天然ゴム用添加剤、その添加剤を含むゴム組成物及びその添加剤による天然ゴムの粘度上昇抑制方法 | |
EP1692189B1 (en) | Method for producing rubber from rubber latex | |
WO2007049460A1 (ja) | 低粘度化天然ゴムの製造方法並びにその方法によって得られる低粘度化天然ゴム及びそれを含むゴム組成物 | |
EP0613924B1 (en) | Method of production of natural rubber treated with viscosity stabilizers | |
JP4111584B2 (ja) | 天然ゴムの製造方法 | |
US5710200A (en) | Natural rubber treated with viscosity stabilizers and production thereof | |
JP2008222845A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JPH0748405A (ja) | 天然ゴム及びその製造方法 | |
JP2009221248A (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
US20020035195A1 (en) | Viscosity-stabilizer-containing natural rubber latex and natural rubber and a production process thereof | |
JP2005502754A (ja) | ゴムコンパウンド、フィラー、可塑剤及び硬化剤を含むマスターバッチ | |
JP2006213751A (ja) | 天然ゴム及びその製造方法 | |
JPH06256570A (ja) | 天然ゴム用添加剤、その添加剤を含有したゴム組成物及びその添加剤による天然ゴムの粘度上昇抑制方法 | |
JPH0748404A (ja) | 天然ゴム及びその製造方法 | |
JPH0689181B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JPH11255954A (ja) | トリアジン誘導体で処理することによるポリマ―コンパウンド中のアミンの捕捉方法およびそれから得られた組成物 | |
JP5121441B2 (ja) | 天然ゴム | |
JP2001354703A (ja) | 天然ゴムの製造方法 | |
JP2005023140A (ja) | 天然ゴム用恒粘度化剤及びそれを含む天然ゴム組成物 | |
JP2002069103A (ja) | 天然ゴムラテックス及び恒粘度剤含有天然ゴムの製造方法 | |
JP2002121330A (ja) | ゴム組成物用添加剤,ゴム組成物用添加剤組成物及びそれを用いたゴム組成物並びに空気入りタイヤ | |
JP2006176594A (ja) | 天然ゴム及びその製造方法 | |
KR0151128B1 (ko) | 향상된 경화특성을 갖는 비닐 고함량 폴리부타디엔 고무 |