JP5121441B2 - 天然ゴム - Google Patents

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本発明は、加工性及び物性が共に良好となる天然ゴムに関する。
一般に、天然ゴムは、タイ・マレーシア・インドネシアなどの熱帯諸国で産出されている。天然ゴムは、その優れた物理的性質のため、ゴム産業、タイヤ産業界において幅広く、かつ、大量に使用されている。
産出された直後の天然ゴムは、ムーニー粘度が60〜70と低いが、収穫後、貯蔵・輸送される数カ月の間にムーニー粘度が90〜100近くまで上昇してしまう(これを貯蔵硬化〔storage hardening〕という)。
天然ゴムが貯蔵硬化する原因として、イソプレン鎖中の異種結合(アルデヒド基など)が天然ゴム中のタンパク質、アミノ酸と反応することによって架橋しゲル化(ゲル量の増加)が起こるとされている(文献等でもそのメカニズムははっきりと解明されていない)。
天然ゴムにおけるゲル化は、加工性を悪化させることとなる。また、一般に、天然ゴムは、物性面より分子量が大きい方が好ましく、分子量の低下は天然ゴムの物性に悪影響を及ぼすこととなる。
この分子量やゲル量は、天然ゴムラテックスからのゴム凝固、水洗後の乾燥条件で大きく左右される。
天然ゴムの製造工程における乾燥条件として、下記の2つの方法が代表的である。すなわち、天然ゴム各種等級品の国際品質包装標準(通称グリーンブック)における格付けによるリブド・スモーク・シート(RSS)では、約60℃で5〜7日間のスモーキングを行なっている。また、技術的格付けゴム(TSR)では、120℃〜140℃で数時間の熱風乾燥を行なっている。
しかしながら、RSS製造時の乾燥条件では、ゲル化が促進される点に課題があり、また、TSR製造時の乾燥条件では、分子量が低下する点に課題がある。さらに、RSS、TSRともゲル化(貯蔵硬化等)により粘度の上昇が起こるので、分子量の低下を招く素練りが必要となる点に課題がある。
また、天然ゴムに恒粘度剤を加えると効果があることが知られおり、さらに恒粘度剤として炭素数8〜30のヒドラジド化合物が効果的である旨が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1では、恒粘度剤は凝固した乾燥後の天然ゴムに添加されるのではなく、産出直後のゴムラテックス状態の天然ゴムに添加されており、通常の製造工程を考慮すれば実用的ではない。また、上記特許文献1には、加硫後の物性がどのように変化するのかについては言及されていない。さらに、上述したような炭素数の多いヒドラジド化合物を添加した場合、ヒステリシスロスが増大する等の加硫物性の低下が見られるという課題がある。
上述したように、従来の技術では、分子量が高く、また、ゲル分も少なく、かつ、ゴム組成物にしたときの加硫物性にも影響を与えない天然ゴムを得ることは二律背反となり、両方を満足することはできないのが現状である。
そこで、本願出願人は、上記二律背反となる課題を解決する手段として、乾燥前後のゲル変化率が10%以下で、かつ、分子量保持率が85%以上で乾燥処理されたことを特徴とする天然ゴム、該乾燥処理された天然ゴムに恒粘度剤を含有してなる天然ゴム、並びに、天然ゴムの製造工程において、乾燥前後のゲル変化率が10%以下で、かつ、分子量保持率が85%以上で天然ゴムを乾燥処理することを特徴とする天然ゴムの製造方法などを出願している(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示される天然ゴム及びその製造方法では、乾燥温度が一定であるため、温度設定が難しい点に課題がある。例えば、低温で乾燥した場合は、分子量を保持することはできるが水分が残る恐れがあり、この水分を十分に除去するには長時間の乾燥が必要であるため、ゲル化が促進されることがある。一方、高温で乾燥した場合は、水分の除去は十分に行なわれるが、分子量が低下することがある。
英国特許1472064号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平8−67703号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の製造工程において得られる天然ゴムおける乾燥条件の課題、すなわち、RSS製造時又はTSR製造時の乾燥条件の課題を解決しようとするものであり、ゲル化の抑制及び分子量低下の防止を図り、加工性及び物性が共に良好となる天然ゴムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題について鋭意検討した結果、天然ゴムの分子量やゲル量は天然ゴムラテックスからのゴム凝固、水洗後の乾燥条件で大きく左右されることを踏まえ、乾燥後の水分率などが天然ゴムの分子量やゲル量に大きな影響を与えることを知見し、更に研究を続けた結果、上記目的の天然ゴムを得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の天然ゴム及びその製造方法は、下記(1)〜()に存する。
(1) タッピング−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−パッキングの順で製造する天然ゴムであって、上記水洗後の乾燥処理が、二段階以上の多段階で処理されてなる乾燥後のゲル量が15重量%以下であることを特徴とする天然ゴム。
(2) 最終段階以前の乾燥温度が100℃以上140℃以下である上記(1)に記載の天然ゴム。
(3) 最終段階の乾燥温度が100℃以上140℃以下である上記(1)又は(2)に記載の天然ゴム。
) 乾燥処理前に恒粘度剤を添加する上記(1)から()の何れか一つに記載の天然ゴム。
) 乾燥処理後に恒粘度剤を添加する上記(1)から()の何れか一つに記載の天然ゴム。
) 恒粘度剤が下記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物である上記()又は()に記載の天然ゴム。
R−CONHNH ………(I)
(ただし、式中のRは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。)
) 第一段階から最終段階までの乾燥時間の合計が200分以下である上記(1)から()の何れか一つに記載の天然ゴム。
本発明によれば、分子量の低下及びゲル量の増加が少なく、物性、加工性及び生産性が共に良好となる天然ゴムが提供される。また、恒粘度剤を添加することにより、更に加工性及び物性が共に良好となる天然ゴムとすることができる。本発明の天然ゴムは、タイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品の原料に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の天然ゴムは、天然ゴムの製造工程、すなわち、タッピング−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−パッキングの順で製造されている天然ゴムにおいて、水洗脱水後の乾燥処理工程が、二段階以上の多段階で処理されてなることを特徴とするものである。
本発明では、水洗脱水後の乾燥処理を、二段階以上の多段階で構成したので、水洗後のゴム状態に合わせ、各段階の乾燥条件を設定できるのみでなく各段階終了時にもゴムの状態をチェックし、次段階の乾燥条件を設定することができるため乾燥後のゴムの品質にバラつきが少ないものとなる。
本発明における上記乾燥処理は、二段階以上の多段階から構成されているものであればよく、例えば、乾燥処理を二段階、三段階、四段階に構成することができる。なお、上記乾燥処理は乾燥段階が多い方が品質を保つ上で好ましいが、コストが高くなる傾向にある。
本発明における上記乾燥処理の乾燥温度は、使用する(産出される)天然ゴムの種類、グレードなどにより適宜設定されるが、各段階の乾燥温度は100℃以上140℃以下であることが好ましく、最終段階以前の乾燥温度は110℃以上140℃以下、最終段階の乾燥温度は100℃以上130℃以下であることが更に望ましい。
また、乾燥時間も上記と同様に使用する(産出される)天然ゴムの種類、グレードなどにより適宜設定されるが、最終段階以前の乾燥時間が20分以上であること、第一段階から最終段階までの乾燥時間の合計が200分以下であることが望ましい。
上記乾燥条件に使用する乾燥機械としては、通常の天然ゴムの乾燥工程で用いられているものが使用でき、例えば、エアドライヤー、減圧乾燥器が挙げられる。
上記各段階の乾燥温度が140℃を越えると、乾燥が過剰に進み、分子量が低下する恐れがあり、100℃未満であると、乾燥時間を長目に、設定する必要があるのでゲル量が増加することがある。
上記最終段階以前の乾燥時間が20分未満であると、荒飛ばしの効果が十分でないこと、具体的には、乾燥処理工程前の水洗時に生ゴム表面に付着した多量の水分を蒸発させることができないことがある。
また、第一段階から最終段階までの乾燥時間の合計を200分以下としたのは、ゲル化抑制のためであり、合計時間が200分を越えると、ゲル化の抑制ができなくなることがある。
上記各段階の乾燥温度及び乾燥時間は、それぞれ独立して設定されるものではなく、各段階終了時にゴムの状態をチェックし、次段階の乾燥条件を設定することができるものである。例えば、ある段階において、かなり乾燥が進んでいる場合は次段階以降の乾燥は比較的低温、短時間に設定する必要がある。
また、本発明では、天然ゴムに恒粘度剤を添加してから前記乾燥処理条件で処理すること、または、前記乾燥処理条件での処理後の天然ゴムに恒粘度剤を添加することができ、これにより恒粘度剤含有天然ゴムとすることができる。
恒粘度剤を添加する時期は、パッキング前であれば、特に制限されないが、流出などの無駄を防ぐために、水洗後が好ましく、生産性の点から、乾燥直後がさらに望ましい。
なお、上記乾燥処理後に恒粘度剤を添加した恒粘度剤含有天然ゴムは、前記乾燥処理条件で行なった天然ゴムにできるだけ早く恒粘度剤を添加して混練りすることが好ましい。乾燥後の天然ゴムは、室温放置でもゲル化(貯蔵硬化等)が進行するため、長期にわたって保存する場合も、前記乾燥処理条件で行なった天然ゴムにできるだけ早く恒粘度剤を添加することが好ましい。
前記天然ゴムの製造において、前記乾燥処理条件による乾燥前又は乾燥後の天然ゴムに恒粘度剤をミキサー、押出機等により混合した後、ストレーナー処理をしてもよい。これにより、分子量が高く、更に、ゴミ分のない天然ゴムが得られる。
ここでいうストレーナー処理とは、恒粘度剤含有天然ゴム中に含まれるゴミ分を除去する処理をいう。ストレーナー処理の具体例としては、押出機の先端に設けられるメッシュ状部材に恒粘度剤含有天然ゴムを通過させることによりゴミ分を除去する処理を挙げることができる。メッシュのサイズは、ASTME11に規定された0.355mm(N0.45)相当のものが好ましいが、産出される天然ゴム及び天然ゴム中に含まれるゴミ分の大きさ等により適宜メッシュのサイズを変えることができる。
恒粘度剤を十分に混入するためには、練る必要があり、また、ストレーナーにゴムを通すためには、練り及び加温(約120℃)が必要である。かかる観点から、ストレーナー処理をする場合は恒粘度剤混入とストレーナー処理は同時に行なうのが効率的である。さらに、ゴム加温時のゲル化を防ぐためには、ストレーナー処理前に恒粘度剤を入れる必要がある。以上の理由により、恒粘度剤を混入した後、すぐにストレーナー処理することが望ましい。
上記乾燥条件による天然ゴムの製造の際に用いる恒粘度剤としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、ジメドン(1,1−ジメチルシクロヘキサンー3、5−ジオン)、下記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物からなるものを使用することができる。
R−CONHNH ………(I)
(ただし、式中のRは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。)
これらの恒粘度剤は、上記乾燥条件前又は乾燥条件で処理された天然ゴムに添加されると、天然ゴム中の異種結合(アルデヒド基など)に反応してブロックすることにより貯蔵硬化の原因となる天然ゴム中のゲル化反応を阻害して、ゲル量の増加を抑制するものとなる。
上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物において、炭素数1〜5のアルキル基のついた脂肪族ヒドラジド化合物としては、例えば、酢酸ヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、酪酸ヒドラジド、カプロン酸ヒドラジド等が挙げられる。
また、上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物において、炭素数3〜5のシクロアルキル基のついた環式ヒドラジド化合物としては、例えば、シクロプロピルヒドラジド等が挙げられる。
上述したヒドラジド化合物のなかでは、脂肪族ヒドラジド化合物がより好ましい。なお、上記脂肪族ヒドラジド化合物を天然ゴムに添加すると、天然ゴムの臭気濃度が1/10程度に低減し、この脂肪族ヒドラジド化合物が天然ゴム臭気防止剤としても有効であることが確認された。
前記恒粘度剤は、既に知られているが、前記乾燥条件前又は乾燥処理条件で処理された天然ゴムに添加すること、若しくは前記乾燥処理条件で処理され、かつ、恒粘度剤を含有する天然ゴムをストレーナー処理することは、今まで全く知られておらず、本発明者らによって新たに発明されたものである。この恒粘度剤と前記乾燥処理条件により、ゲル量の増加の抑制及び分子量低下の防止を図ることが初めて実現できるのである。
上記恒粘度剤の中でも、一般式(I)で表されるヒドラジド化合物は、安全に取り扱うことができ、ゲル化抑制効果が高く、しかも、添加した時点から長期間にわたってそのゲル化抑制効果が持続するものであり、さらにゴム組成物の物性を大きく低下させることもないので好ましい。
前記乾燥処理条件で処理された天然ゴムに用いる場合の恒粘度剤、すなわち、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、ジメドン、上記一般式(I)で表される各々のヒドラジド化合物の添加量は、天然ゴム100重量部に対して、0.001重量部以上3.0重量部以下であることが好ましい。なお、上記一般式(I)で表される各々のヒドラジド化合物は二種以上併用されてもよく、さらに上記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物は硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、ジメドン等と併用されてもよい。
前記乾燥処理条件で処理された天然ゴムに用いる場合の各々の恒粘度剤の添加量が0.001重量部未満であると、恒粘度効果を達成することができないことがある。使用する(産出される)天然ゴムの種類及び使用する恒粘度剤の種類によりその添加量は、若干変動する。さらに好ましい範囲としては、0.01〜3.0重量部である。恒粘度剤の添加量が3.0重量部を越えると、ゴム組成物中に残留し、ゴム組成物の低発熱性、カーボンブラック他配合薬品の分散性を低下させることがあり、好ましくない。
例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド、ジメドンでは、添加量は0.01〜2.0重量部であることが好ましい。
また、上記一般式(I)において、Rが炭素数1〜5の各ヒドラジド化合物では、添加量は0.01〜1.0重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.03〜0.5重量部であり、炭素数1の酢酸ヒドラジドの場合には、0.04重量部以上が望ましい。なお、上記恒粘度剤は上記添加量の範囲内で天然ゴムに添加される。
本発明では、上述の如く、水洗後のゴム状態に合わせ、各段階の乾燥条件を設定できるのみでなく水洗後の乾燥処理工程を二段階以上の多段階で構成することにより、各段階終了時にもゴムの状態をチェックでき、次段階の乾燥条件を設定することができるものとなるので、目的のゲル化の抑制及び分子量低下の防止が図られることとなる。
前記乾燥処理条件で処理された乾燥後の天然ゴムの分子量は、100万以上であることが好ましく、さらに好ましく130万以上である。天然ゴムの分子量が100万未満であると、ゴム組成物として用いたときの物性が十分でないことがある。
また、前記乾燥処理条件で処理された乾燥後のゲル量が15重量%以下であることが好ましく、さらに好ましく10重量%以下である。天然ゴムのゲル量15重量%が越えると、ゴム組成物として用いたときの物性が十分でないことがある。
更に、乾燥後の揮発分は、1.2重量%以下であることが好ましい。揮発分が1.2重量%を越えると、最終製品中の揮発分含量が規制値0.8重量%を越えてしまうことがある。
また、本発明において、天然ゴムに恒粘度剤を添加してから前記乾燥処理条件で処理した恒粘度剤含有天然ゴム又は前記乾燥処理条件での処理後の天然ゴムに恒粘度剤を添加した恒粘度剤含有天然ゴムでは、ゲル化の抑制及び分子量低下の防止がさらに効率的に図られることになる。これらの点に関しては、後述する実施例において更に詳しく説明する。
なお、本発明の乾燥処理条件により処理される天然ゴムには、上記恒粘度剤の他に、必要に応じて、充填剤、補強剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等の任意成分を含有させることができる。
以下に、試験例、実施例により、本発明を更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
アンスモークドシート(5トン)を下記に示される乾燥処理条件にて、乾燥機械としてエアドライヤーを使用して乾燥した後、恒粘度剤としてプロピオンヒドラジドを天然ゴム100重量部あたり0.1重量部(以下、0.1phrという)添加し、JIS K 6300−1994に準拠して100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)を測定した。
(乾燥処理条件)
(1)一段階乾燥処理
乾燥温度:120℃、乾燥時間:120分
(2)二段階乾燥処理
乾燥温度:第一段階120℃、第二段階110℃
乾燥時間:第一段階 60分、第二段階 60分
二段階乾燥処理は、第一段階として上記乾燥温度・時間で第一乾燥室で行ない、次いで、第一乾燥室で処理した天然ゴムを第二段階となる第二乾燥室に移動して上記乾燥温度・時間で処理した。
上記一段階乾燥処理は、70回行ない、夫々のムーニー粘度(ML1+4)を測定し、また、二段階乾燥処理では、86回行ない、夫々のムーニー粘度(ML1+4)を測定した。これらの結果を(a)及び(b)に示す。(a)及び(b)は、夫々横軸にムーニー粘度(ML1+4)のデータ区間、縦軸に頻度回数を示すヒストグラム図表である。また、これらのムーニー粘度(ML1+4)の平均値、標準偏差、最大値(MAX)、最小値(MIN)、試験回数(N)を下記表1に示す。
Figure 0005121441
上記表1及び(a)及び(b)から明らかなように、一段階乾燥処理と二段階乾燥処理とを比較考察すると、ムーニー粘度(ML1+4)平均値,標準偏差等から従来の一段階乾燥処理で行なったものよりも本発明範囲となる二段階乾燥処理で行った天然ゴムの方がムーニー粘度(ML1+4)値にバラツキが少なく、安定した天然ゴムの品質を維持できる乾燥処理であることが判明した。以下に、本発明範囲となる二段階乾燥処理で行なった実施例を示す。
〔実施例1〜9〕
アンスモークドシート(5トン)を下記表2に示される乾燥処理条件にて、乾燥機械としてエアドライヤーを使用して乾燥した後、恒粘度剤としてプロピオンヒドラジドを0.1phr添加し、下記の方法に従ってゲル量、分子量、ムーニー粘度及び揮発分を測定した。乾燥処理条件を詳述すれば、第一段階として下記表2に示される乾燥条件で第一乾燥室で行ない、次いで、第一乾燥室で処理した天然ゴムを第二段階となる第二乾燥室に移動して下記表2に示される乾燥条件で行なった。これらの結果下記表2に示す。
(1)ゲル量ゴム片0.2gをトルエン1級(60cc)に溶解し、遠心分離法でトルエン不溶分を分離し、それを乾燥した後、ゲル量を測定した。
(2) 分子量ゲル浸透クロマトグラフィー法により分子量を測定し、測定装置には、東ソー(株)製のゲルパーミエイションクロマトグラフ(Gel Permeation Chromatograph)HCL−8020、カラムには東ソー(株)製のGMHXL、較正には東ソー(株)製の標準ポリスチレン、溶媒にはTHF1級、溶液には0.01gサンプル/30ccTHFをそれぞれ用いた。
(3) ムーニー粘度(ML1+4)
JIS K 6300−1994に準拠し、100℃におけるムーニー粘度を測定した。
(4) 揮発分JIS K 6352−1997に準拠して測定した。
Figure 0005121441
上記表2から下記のことが判明した。
実施例1〜9は、本発明の乾燥処理条件で処理された天然ゴムであり、実施例1〜7は、第一段階の乾燥温度が最終段階である第二段階の乾燥温度よりも高くしたものであり、実施例8及び9は、第一段階の乾燥温度と最終段階である第二段階の乾燥温度とを同じ条件で処理したものである。本発明の範囲であれば乾燥処理条件(乾燥温度、乾燥時間)を変えても、乾燥処理による天然ゴムのゲル量の増加及び分子量の低下は抑制され、揮発分も少ないことが判った。
(a)は、一段階乾燥処理で得られた天然ゴムのムーニー粘度(ML1+4)の頻度回数を示すヒストグラム図表であり、(b)は、二段階乾燥処理で得られた天然ゴムのムーニー粘度(ML1+4)の頻度回数を示すヒストグラム図表である。

Claims (7)

  1. タッピング−凝固−洗浄(水洗い)−脱水−乾燥−パッキングの順で製造する天然ゴムであって、上記水洗後の乾燥処理が、二段階以上の多段階で処理されてなる乾燥後のゲル量が15重量%以下であることを特徴とする天然ゴム。
  2. 最終段階以前の乾燥温度が100℃以上140℃以下である請求項1に記載の天然ゴム。
  3. 最終段階の乾燥温度が100℃以上140℃以下である請求項1又は2に記載の天然ゴム。
  4. 乾燥処理前に恒粘度剤を添加する請求項1からの何れか一つに記載の天然ゴム。
  5. 乾燥処理後に恒粘度剤を添加する請求項1からの何れか一つに記載の天然ゴム。
  6. 恒粘度剤が下記一般式(I)で表されるヒドラジド化合物である請求項又はに記載の天然ゴム。
    R−CONHNH ………(I)
    (ただし、式中のRは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。)
  7. 第一段階から最終段階までの乾燥時間の合計が200分以下である請求項1からの何れか一つに記載の天然ゴム。
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